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2019年度一般会計決算に対する賛成討論:いさ哲郎

 ただいま上程されました、認定第1号、令和元年度中野区一般会計歳入歳出決算の認定について日本共産党議員団の立場からに賛成討論を行います。

 2019年度の経済状況を振り返ると、安倍政権の下で悪化の一途をたどっていました。アベノミクスの失敗により内需は冷え込み、頼みの綱の対外貿易も見通しが立たなくなるという行き詰まりの中、10月の消費税10%増税が日本経済を文字通りの窮地に追い込みました。安倍政権は、東京2020オリンピック・パラリンピックを景気回復の起爆剤としインバウンド増を狙っていたものの、今般のコロナ禍でこれも叶わないという状況です。経済の基本である国民の購買力は落ち込んだままであり、外需頼みの歪んだ経済の脆弱さが露呈しています。現に、政府発表の各種経済指標は、日本経済の先行きについて見通しが立たないことを示しています。こうした中、中野区においても、基礎自治体として区民の暮らしを支える予算編成と執行であるかどうかが問われていました。
 
 賛成の理由の1番目は、こうした経済状況の中、ますます厳しくなる区民生活に区が寄り添う政策を進めたことです。
 中野区子どもと子育て家庭の実態調査の実施は、今後の中野区の子育てのあり方の方向性を決めていく足掛かりとなるものとして重要でした。特に、生活困窮度に関する詳細な設問への回答は、経済が落ち込む中、区内においてもますます拡大していく格差を示す重要な結果です。区がこの結果をふまえ、格差貧困の連鎖を断ち切る事業へと大きく踏み出すことを期待します。また、より困難な状況にある ひとり親家庭への支援の拡充は、困窮を打開し子育てを後押しする具体的な施策としてこれも重要でした。
 障害者の分野では、精神障害者の方への福祉手当が実現したことを評価します。当事者の皆さんからは、精神障害だけが福祉手当の対象とならないという差別的待遇の改善のために陳情が上がり、全会一致で採択されていました。こうした声に答えていくことこそ区政の本懐です。今後は、精神障害者保健福祉手帳2級以下の皆さんへの制度拡充にも取り組んでいただくことも要望します。
 介護分野では、要介護3~5で寝たきりになっている方への訪問理美容サービスの自己負担軽減、介護従事者への定着支援事業の拡充は、介護者、事業者を支える上で大事な取り組みでした。
 防災分野では、災害備蓄物資の入れ替えや避難所機能の強化、要配慮者施設への防災無線受信機の増設など、区民の命に関わる防災の備えが進んだことも重要です。近年日本国中で自然災害が多発する中、万が一に備えることは自治体としての勤めです。

 賛成の理由の2番目は、区民要求実現という点で、とりわけ子ども子育て分野の事業では前向きな変化があったことです。
 区立保育園を当面10園残す方針を示したこと、「保育の質ガイドライン」を設けたことは、区内の保育の質を保つ取り組みとして重要でした。
 認可保育園を9園増園し定員が528名増えたことは、待機児童解消へ向けた取り組みとして多とします。他方、園庭の無い保育園が増えていることや、保育士への処遇改善など、課題も残っていることも指摘をしておきます。
 その他、いじめや不登校の対策としてスクールソーシャルワーカーの増員、障害児レスパイト事業、医療ケア児の受け入れ準備など、子どもや子育てに関わる施策が一歩ずつ前に進んでいることが見て取れます。引き続き子ども第一の区政に向け全力を上げることを要望します。
 9月には、中野区パートナーシップ宣誓から1年の節目に、中野区役所において中野にじネットさんによるトーク会が開催されました。パートナーシップ宣誓が、課題を抱えながらも少しずつ浸透し、LGBTの皆さんの期待に応えていることと思います。また、ユニバーサルデザイン普及啓発事業についても進展がありました。多様性の街・中野区において、誰もが自分らしく生きられる社会の取り組みが歩を進めることは、当事者の皆さんにとってのシビックプライドにもつながります。

 一方で、厳しく指摘せざるを得ない問題があります。平和の森公園再整備計画については、区民の願いに基づいて一度は工事を中止し、その後語る会を開いて意見を聞き、その声に従って見直し案を議会に提出したものの、最終的に区長公約を貫けませんでした。 図書館事業においても、今後の図書館のあり方検討会で出された意見を踏また方針となりませんでした。
 これらのことは、区民の願いに応えるものではなく、失望の声が上がっています。

 最後に、来年度の予算編成について述べます。新型コロナウイルス感染症については、依然として感染拡大が収まる兆しがありません。東京においてはこの間も一日の感染者が300人近くになることもあり、第3波が来ている可能性が指摘されています。このコロナ禍に対応するためにも、これからの財政のあり方については事業のひとつひとつが問われることとなります。
 来年度の予算編成にあたっては92億円の歳入減が示されています。このことから各部局に対する歳出一律20%削減が示されましたが、これは問題があります。不要不急の事業の一層の精査をすすめ、区民生活応援の視点からの予算編成・執行とするべきです。例えば中野区役所整備については、コロナ禍にあって急ぐ必要があるのか疑念が拭えません。世界中で、コロナ感染症の影響は少なくとも数年続くと見られています。ますます厳しくなる区民生活を鑑み、必要な予算を国や東京都に求めるとともに、区としても区民の命と暮らしを守る自治体行政の責任をしっかり果たすことを重ねて要求し、賛成討論とさせていただきます。