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日本共産党中野区議会議員団

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議会報告
REPORT

09.13

2022年 第3回定例会 本会議・一般質問 2022//13 羽鳥だいすけ

2022年第3回定例会において日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。

1.新型コロナウイルス感染症対策について

 まず新型コロナウイルス感染症対策について伺います。新型コロナの世界的な感染拡大から2年半以上が経過しましたが、未だに収束も見通せず、日本においても7回にわたる感染拡大の波が押し寄せました。わが党は7月22日に政府に対して、「検査の拡充、医療体制の強化、ワクチン接種の推進」などからなる緊急要請を行いましたが、岸田政権の対応が改まることはありませんでした。それどころか、9月8日に政府の新型コロナウイルス感染症対策本部から発表された「Withコロナに向けた政策の考え方」では、「我が国全体として対応力が強化されており、今回(令和4年夏)の感染拡大についても、新たな行動制限を行うことなく、感染者の減少傾向が確認できている」などと述べ、この夏の第7波において、過去最大の感染拡大及び死者数を出す深刻な被害となったことなど無かったことかのようです。成り行き任せの対応に終始し、こうした被害を出した岸田政権の無責任さに強い憤りを覚えます。
 こうした中、東京都では7月中旬以降4週間にわたり、自宅療養中の患者が体調悪化し救急搬送を要請しても、その半数以上が搬送されていなかったことがわが党都議団の調査で分かりました。中野区においても自宅療養を強いられた方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
Q1.新型コロナウイルス感染症の陽性者のうち、65歳以上の高齢者で在宅療養となった区民の方は、7月1日から8月31日までの間にどのくらいいたのか。
A.

 

 この間、わが会派として区内の介護事業者との懇談を行う中で、介護を受けていた方がコロナ陽性になってしまったことにより、ヘルパーの派遣などの介護サービスの利用を断られる事例が多発していたことが分かりました。私が伺った事例の中には、認知症を患っていましたが、入院ができずに、その間に状態が悪化し、隔離期間が明けた後には特養ホームへの入居を余儀なくされたというものもありました。また逆に入院ができた人も病院内での感染拡大を防ぐために鎮静剤を投与され、やはり状態が悪化したという事例もお聞きしました。
 国は介護サービス利用者がコロナ陽性になっても、感染防止対策を取ってサービスを継続することを求めていますが、現実としてサービスが中断している事例があります。その背景には陽性者の下に介護に行くことによって、ヘルパーなどがコロナ陽性になって事業所閉鎖、減収、さらには倒産にもつながることを恐れているとも聞きます。
Q2.事業者に対して、コロナ陽性が発生した方にサービスが提供できているのか、出来ていないとすれば何が原因となっているのか、どういった支援が望まれているかなど、事業者のニーズを把握する取り組みが必要ではないでしょうか。
A.

 

Q3.また港区では、介護事業者への協力金支給を行って自宅療養の体制を支援していたとも聞きます。中野区でも検討するべきではないでしょうか。
A.

 

 国は2021年度に、利用者数が前年度から5%以上減少している場合、3%の加算を認める介護報酬特例を設けました。2022年度も継続するとなっていますが、要件はやはり前年度からの5%減少となっており、コロナ禍が長引く中、適用を受けるのも大変になっているのではないでしょうか。この夏もデイサービス事業所の倒産が相次いでいます。
Q4.そもそもの基本報酬の増額を国に対して要望すべきではないでしょうか。
A.

 

 感染拡大を抑える対策としてわが党は感染拡大の当初より検査の拡充を繰り返し求めてきました。そうした中で東京都は学校に対して教職員向けに抗原定性検査キットを無償配布する枠組みや宿泊行事の際にPCR検査や抗原検査を行える体制を作っていますが、希望する学校は多くないとも聞いています。
Q5.昨年度と今年度の検査キットの配布数をお答えください。また継続的な教育活動保障するために検査体制を整備するよう国や東京都に求めていくべきではないでしょうか。
A.

 

 伺ってこの項の質問を終えます。

 

2.教育大綱・教育ビジョンについて

 現在、区は基本構想・基本計画の改定を受けて、教育大綱・教育ビジョンの改定作業を進めています。現在の教育大綱は「中野の教育のあり方」として5つの柱を盛り込み、その中には「確固とした価値観を育む教育」という徳目のようなものも盛り込まれ、子ども一人ひとりがまず個人として尊重されるという視点が抜けていたと思います。
 今回、基本構想・基本計画が改定され、3月には区長の公約でもあった子どもの権利に関する条例も制定されました。子どもに大きく関わる中野区教育大綱の改定にあたって、この条例の視点がしっかりと生かされることを求めます。
 7月29日の中野区総合教育会議には、改定される教育大綱の理念・方針の(案・たたき台)が出されました。「つながりの中で、誰もが自分らしく学べるまち なかの」という基本理念とともに、方針1では「中野らしさ」を活かした教育を推進する、方針2では誰もが「自分らしく」学べる教育を推進する、方針3では学びの環境を整備する、となっており印象がずいぶんと変わりました。
Q6.方針2では「自己肯定感やチャレンジする力が育っている」との記述があります。国際的な調査でも日本の子どもの自己肯定感は低い事が指摘されています。そうした中でこうした方針を掲げる事は重要と考えます。区長はこの自己肯定感を育てていくことについて、どのような認識の下で記載をしたのでしょうか。
A.

 

Q7.また、この自己肯定感を育てていくことについて、どのような考えで取り組んでいくのでしょうか。合わせてお答えください。
A.

 

 先に紹介した子どもの権利に関する条例では、子どもの意見表明権について取り上げられています。条例案の審議の際、私は子どもの意見表明権を保障するためには教育活動の全般に亘って日常的な取り組みが必要だと度々申し上げてきました。自分の意見が受け止められている、取り入れられているといった経験の積み重ねが子どもたちを社会の担い手たる主権者に育てていくことに繋がります。残念ながら、現在の教育大綱の理念・方針の(案・たたき台)にはそうした視点が足りないと感じます。
Q8.子ども自身が自分を主権者として捉えられるよう、「主権者教育」の観点を盛り込むべきと考えますがいかがでしょうか。
A.

 

 子どもを主権者として育てるためには子どもが物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解する批判的思考を育むことが重要です。しかし、「OECD国際教員指導環境調査・2018」では教員の自己効力感(目標を達成するための能力を自らが持っていると認識)についてのアンケートで、「児童生徒の批判的思考を促す」の項目について参加国平均が82.2%であるのに対し、日本の教員は20%台にとどまっています。また「批判的に考える必要がある課題を与える」の項目についてでは参加国平均が61.0%であるのに対し、日本の教員は10%程度しか持てていません。このような状況では主権者を育てるには相当厳しい状況であると言わざるをえません。中野区においては、方針への記載とともに、その方策について模索をしていってもらいたいと思います。
 以上を述べてこの項の質問を終えます。

 

3.地域の交通対策について

 続いて地域の交通対策について伺います。
 中野区では本年3月に交通政策基本方針を策定し、「中野区バリアフリー基本構想、中野区ユニバーサルデザイン推進計画に基づき、公民の適切な役割分担のもと、鉄道駅や路線バス等の公共交通、道路・歩行空間、誘導案内設備等の整備を推進します。」と明記しています。設備面で多種多様な障害の方、難病の方、高齢者、妊婦など交通弱者も利用しやすいものにしていくことは事業者とともに区の責務です。
 現在、区では西武鉄道の連続立体交差化事業を推進していますが、鉄道事業を進めるにあたってはバリアフリーの視点は欠かせません。この機会をとらえて、バリアフリー上の課題があるところについて、区は解決に向けて取り組むべきです。
 ホームドアは、視覚障害者だけでなく、多種多様な障害の方、難病の方、高齢者、妊婦、さらには健常者でも一時的なめまいやふらつきが生じた場合などにも、安全を確保する上に、きわめて有効な設備です。
 西武鉄道は8月4日、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用したホームドア等バリアフリー設備の整備について明らかにしました。その中で西武鉄道は2030年度までに今後23駅でホームドアを整備する方針を明らかにしましたが、現状では整備する駅数しか分かりません。現在、連続立体交差化事業が進められている中井―野方駅間においては新井薬師前駅および沼袋駅がこの期間中に地下化される予定ですが、ホームドアが整備されるかは分かりません。しかし、地下駅の整備の際には、将来的にホームドアを付けられるような設備にするとも聞いています。
Q9.新井薬師前駅や沼袋駅について、事業完成後は駅のホーム内にホームドアを付けるよう西武鉄道に対して働きかけてもらいたいと考えますが、いかがでしょうか。
A.

 

 次に鷺ノ宮駅について伺います。現在、鷺ノ宮駅南口にはエレベーターがなく、お年寄りや障害者、小さなお子さんを持つご家庭は昇り降りに大変不便を感じていらっしゃいます。私が春に実施した地域アンケートでも若宮や白鷺地域の方から、鷺ノ宮駅南口の不便さについて訴える声が多く寄せられています。国はホームから駅出口まで段差がなく利用できるルートを複数整えようとしており、鷺ノ宮駅南口の現状は改善すべきものと考えます。
Q10.西武鉄道とエレベーター設置について協議してもらいたいと考えますがいかがでしょうか。
A.

 

 国交省は本年6月4日、道路の移動等円滑化に関するガイドラインを改定しました。これは奈良県で4月に起きた視覚障害者の女性が踏切の外だと思い込み、列車にはねられ死亡した事故を受け、踏切道での安全確保策について改めたものです。運用指針はバリアフリー法に基づき作成され、点字ブロックの整備が必要な場所を定めています。これまでは踏切については記載がなく、道路管理者の判断に任されていました。改定後の指針では、点字ブロックを「踏切の手前」に設置することを「標準的」とし、「踏切内」に設置することも「望ましい」として、自分がどこにいるのか判別できるようにすることを求めています。世田谷区では2020年に策定した世田谷区ユニバーサルデザイン推進条例施設整備マニュアルにおいて、踏切について「全ての人が安全に踏切を渡ることができるように、歩行者空間を確保する」として、そのために「踏切の前後の歩道等に視覚障害者誘導用ブロックが敷設されている場合は、踏切の内外に連続性を確保して視覚障害者誘導用ブロックを敷設するとともに、遮断機の手前に視覚障害者へ警告するための点字ブロックを敷設すること」と整備基準を示しています。都内に路線を持つ私鉄各社に問い合わせたところ、点字ブロックを敷設している踏切はほとんどありませんでしたが、世田谷区が示しているような観点で整備を進める必要があるのではないでしょうか。踏切は道路であるため各関係機関との調整が必要です。
Q11. 西武新宿線の踏切内等への点字ブロック設置を各関係機関に働きかけ整備して欲しいと考えますがいかがでしょうか。
A.

 

 10月からに若宮・大和町地域を走るコミュニティタクシーの実証実験が始まります。区民に対してアンケートを行い、同地域が交通不便地域であり、区民の不満度も高い事を区としても受け止め、施策を講じたことを評価いたします。より多くの方に利用していただきたいと思います。先日の議会報告を見ると、同事業は運賃200円で運行されるとのことです。議会事務局を通じて23区のコミュニティバスのシルバーパスの使用可否について調査をしましたところ、実施されているところでは、通常バスと同じ値段の220円でシルバーパスが使用可能であるところと100円で利用不可のところに大別されており、200円という通常運賃に近いところでシルバーパスが使えないとしている自治体はありません。3月からコミュニティバスの実証実験を始めた品川区でも、220円の運賃でシルバーパスが使えるようにしており、問い合わせたところシルバーパス利用者がかなり多いとのことです。今回の事業はコミュニティタクシーを運行する事で交通不便地域の区民の生活向上に資するためのものだと思います。そうした時に、シルバーパスが使えるかそうでないかは大きな違いです。
Q12.実証実験において、シルバーパスの適用を検討するべきではないでしょうか。
A.

 

 伺ってこの項の質問を終えます。

 

4.気候危機対策

 続いて、気候危機対策について伺います。今年の夏も日本列島は異常な猛暑に見舞われました。異常気象を分析する気象庁の検討会は2022年の夏の猛暑について「異常な状態だった」との見解を示しました。また一方で東北地方や北陸地方では豪雨災害が発生。気候変動によって極端現象と呼ばれる事態が各地で引き起こされています。先日の区民委員会で2019年度の温室効果ガス排出量について報告がありました。二酸化炭素排出量は87万2千トンとなり、中野区環境基本計画の基準年である2013年度からは17.7%の減少となっています。順調に減少していると言いたいところですが、元々現在の目標は政府の低い目標と整合させたものです。2021年の気候変動枠組み条約締約国会議COP26において合意されたグラスゴー気候合意では1.5度の気温上昇に抑える事が温暖化対策の目標となりました。中野区の対策のさらなる加速を求めます。
 中野区は昨年度から、これまでの「個人資産の形成に資する助成は行わない」という方針を改め、蓄電システム導入への補助金、今年度からは断熱窓・ドア設置への補助金を始めています。しかし23区では太陽光発電システムの導入助成を19区が、太陽熱ソーラーシステム・温水器に7区が補助金を支給しているように支援メニューにまだ拡充の余地があるのではないでしょうか。
Q13.来年度に向けて検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
A.

 

 先の区長選挙において、酒井区長の公約の中では脱炭素に関わるものは「家庭発の脱炭素社会の実現」というものだけでした。中野区の二酸化炭素排出量の半分を占める家庭部門からの削減が重要であることは言うまでもありません。そしてそのための政策を進めてきたことを評価いたします。一方で中野区の排出量の約3割を占める業務部門からの二酸化炭素排出量削減の政策が一切無かったのは、この問題に対する真剣さが問われます。事業者に再エネ転換を促す、設備導入の政策を打ち出すなど自治体でやれることはもっとあるはずです。
Q14.例えば、省エネ・再エネ設備導入について、中小企業にも助成対象を広げる事も検討するべきではないでしょうか。お答えください。
A.

 

 先に紹介した蓄電システム導入助成、断熱窓・ドア設置助成は施策としては非常に重要ですが、助成件数は現在のところ、それぞれ低水準にとどまっています。ここには省エネ・再エネ設備を導入することで区民にとってどのような利点があるのか想像しづらいことが原因の一つにあるのではないでしょうか。6月5日付区報では「その一工夫でゼロカーボン」と題して4ページの特集が組まれたことは重要です。しかし家庭での省エネの取り組みの効果についての記載はありましたが、設備を導入することで金銭的にもどれだけお得か、また設備導入に関してどんな支援メニューがあるのか、それについてどのくらいの費用がかかるのか、二酸化炭素削減にどれだけ貢献するのかなどの記載はなく、省エネ・再エネ設備導入を促すには至ってないとも感じました。また、紹介する支援メニューも中野区のものだけでなく、都や国のものも紹介するなどしてもよいと思います。
Q15.再エネ・省エネ設備導入を促すような効果的な周知が必要ではないでしょうか。お答えください。
A.

 

 事業者としての区の取り組みについて伺います。
 区は構造改革実行プログラムの「区有施設の脱炭素化の推進」の中で、「環境性能に関する施設整備方針を策定し、施設整備時に活用する」としています。これは施設の新築や改築、改修の際の基準を設けるというものです。こうした基準を設ける事は重要ですが、一方で気候危機対策は2030年という中期目標の年限を区切って強力に推進しなければなりません。また例えば、区営住宅のドア・窓を断熱のものに改修するなど、すぐに実践でき、利用者の居住環境の向上にも資するものもあるのではないかと考えます。
Q16.環境基本計画との関係で言っても2030年度までに二酸化炭素排出量を46%削減するという目標に照らして、早急に改修を進めなければ目標達成はできないのではないでしょうか。区の見解を伺います。
A.

 

 この項の最後に中野駅周辺再開発について伺います。
 東京都は2019年12月に「ゼロエミッション東京戦略」を発表しました。2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとするために、2030年度には二酸化炭素排出量とエネルギー消費量を2000年比で50%削減するとともに、再生可能エネルギー比率を50%まで高めるとしています。党都議団の原田あきら都議は3月の都議会予算特別委員会において、高さ185㍍と190㍍の超高層ビル2棟、商業施設、ホテルなどを建設する神宮外苑の再開発計画について、年間4万7千㌧もの二酸化炭素が発生し、これを森林で吸収するには新宿区3つ分の面積の杉林が必要になると指摘しました。再開発とはこれだけ大きな環境負荷を街に与えます。この点を中野区はどのように考えているのでしょうか。再開発に関連した様々な計画の環境の部分の記述は囲町地区まちづくり方針では「エネルギーの有効利用等、環境に対する負荷の少ない市街地の形成を図る」、中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画では「都市の低炭素化に資する施設、機能」との記述があるのみです。この程度の方針で再開発が行われ、超高層ビルが作られれば、はるか未来まで中野のまちの脱炭素化の足を引っ張ることになるのではないでしょうか。
Q17.中野駅前再開発について、東京ゼロエミッション目標に照らして、環境性能の向上や規模の縮小など、適切な見直しを行っていくべきではないでしょうか。お答えください。
A.

 

 伺ってこの項の質問を終えます。

 

5.保育施策について

 続いて保育施策について伺います。今年度、保育園待機児童ゼロを達成したことは中野区の保育行政の歴史の中で重要な到達点となりました。しかしこのことと一体で区内の保育園では昨年に引き続き定員割れが続いています。先日、懇談した私立保育園園長会からは切実な要望が出されています。特に零歳児が1名欠ければ40万円以上の減収になることから、保育園の安定運営に大きな影響を及ぼしています。わが会派はこの間繰り返し、定員割れに対する減収補填をもとめてきましたが、区は「小規模保育事業所や認証保育所に対し行っている減収補填の制度を認可保育所に当てはめても対象となる保育園はない」と答弁をしてきました。しかし制度がない事によって、今年度に入ってからだけで数百万円の減収となっている園もあります。
Q18.改めて認可保育園に対して減収補填を行う仕組みを創設するべきと考えますが、区の見解をお答えください。
A.

 

 またこうした減収が生じているのは根本的には国による制度改悪によって、定員定額制が廃止されてしまったことが大きな影響を与えています。
Q19.待機児童ゼロを社会全体で達成するためにも国・都に対して、定員定額制による保育所運営費補助金が支給されるような制度改革及び財政措置を要望すべきです。区の見解をお答えください。
A.

 

 中野区が他区よりもすぐれていたのが宿舎借り上げ制度において事業主負担が無かったことです。しかし、この制度は2021年度になくなり、8分の1が施設側負担となりました。区はこの措置を取った時に財政悪化を理由にしていましたが、決算値は財政悪化が無かったことを示しています。
Q20.私立保育園が安定的に保育士を確保するためにも、2021年度以前に制度を戻し、事業主負担を無くすべきです。区の見解をお答えください。
A.

 

 待機児童ゼロをきっかけに、「保育定員を減らすべき」などという事を言う方もいます。しかしこの機会にこそ、保育の質を高めることに力を入れるべきです。保育士の方にお話を伺うと、給料が低い事ともに、担当する児童の人数が多すぎる事が大変な事として出されます。日本の保育士の配置基準は先進諸国で最低水準にあるとともに、4,5歳児の配置基準は70年以上も引き上げられていません。
Q21.児童相談所設置市となり、保育基準の権限も中野区に移ってきた今こそ、児童の安全・安心を確保し、質の高い保育を行うために、区の配置基準を見直し、より多くの保育士を配置するべきではないでしょうか。区の認識を伺います。
A.

 

 8月26日の子ども文教委員会において、グローバルキッズによる区内保育所での施設運営費の不正受給について報告がありました。この問題は保育所での勤務実態のない法人本部職員を保育所で働いているように見せかけて、補助金を不当に多く得ていたという大変悪質なものでした。私が再発防止対策について伺ったところ、区は「指導検査を徹底する」と答弁しましたが、指導検査を実施する体制が整えられていないことが明らかになりました。児童福祉法によっても、保育園に対しては年1回の実地検査を行うことになっていますが、過去3年間の実地検査は、2019年度が46件、2020年度が30件、2021年度が34件となっておりました。検査を行う認可指導検査係は昨年度までは3名(うち短時間2名)だったところを、今年度からは常勤3名に加え短時間3名に増強したと聞いていますが、児相業務もあり、法定の検査は本当に行えるのでしょうか。
Q22.中野区ではどのくらいの頻度で実地検査を行えているのでしょうか。法定の頻度で検査を行えないならば、職員の増員など、検査体制の強化を図るべきではないでしょうか。区の見解をお答えください。
A.

 

 こうした不正受給が起こる背景には人件費に充てる部分を抑えてほかに流用できる「弾力運用」の問題もあります。中野でも2020年度に1億5700万円が流用され、法人本部経費などに使われています。弾力運用が可能であることによって人件費を下げてそこから利益を生み出そうという構造が生まれてしまっています。そのことが保育士の処遇を引き下げています。
Q23.保育士の処遇を改善し、質の高い保育を提供するためにも、区として人件費比率について一定の基準を設ける必要があるのではないでしょうか。区の見解をお答えください。
A.

 

 伺ってこの項の質問を終えます。

 

6.障害者施策について

 続いて障害者施策について伺います。現在、区は精神障害回復者社会復帰訓練事業(デイケア)を実施しています。精神障害者を就労につなげていくうえで重要な事業でありますが、障害者向けの事業であるが故の難しさもあると聞いています。この事業に関する区の要綱はデイケアの利用について、一生涯で3年までと原則を定めるとともに、「病状の悪化によりデイケア事業を中断したときは、病状が回復したと認められた日から新たに3年を限度に延長することができる」と定めています。しかしこの間、障害者団体からは「病状が回復して利用を再開するにあたって、限度の3年からこれまでの利用年月を差し引いた利用しか認められない」との訴えも聞きました。
Q24.精神障害回復者社会復帰訓練事業(デイケア)について、利用者の状況に合わせ、要綱を運用してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
A.

 

 またデイケアの利用について現在は1週間に2回までの利用しか認められていません。その理由について区は、週3回もデイケアに行けるくらいの方は、社会復帰訓練事業よりもその後の就労に繋げる方に注力をしていきたいと述べています。
Q25.その理由も一定納得できるものではありますが、障害者の状況は人によって様々であり、週3回の利用も柔軟に認めるべきではないでしょうか。区の見解をお答えください。
A.

 

7.投票方法について

 最後に投票方法について伺います。中野区における選挙では投票は投票人が候補者の名前を書く自書式によって行われています。しかし公職選挙法は条例の定めによって、予め投票用紙に候補者指名が印刷された投票用紙に丸をつける方法である記号式投票を導入することも可能としています。
  昨年10月31日に行われた神戸市長選挙では記号式投票を導入し、4.2%だった無効投票の割合が3.3%に減ったそうです。また今後、高齢化がますます進展していく中でより多くの方が自分の意志で投票できるようにするためにも、疑問票を減らすためにも、記号式投票には大きな利点があるのではないかと考えます。
 こうした利点がありつつも、期日前(ぜん)投票、不在者投票は自書式が定められていることによる事務の煩雑さなどもあり、導入自治体は減少の一途を辿っているのが現状です。しかし、そうした中においても「投票弱者」に優しい制度である記号式投票の導入の意義は十分にあると考えます。
Q26.中野区においても先行事例を調査し、記号式投票の導入について検討すべきではないでしょうか。

 

 伺って私の全ての質問を終わります。

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