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日本共産党中野区議会議員団

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議会報告
REPORT

11.26

2021年 第4回定例会 本会議・一般質問 2021/11/25 長沢和彦

 2021年第4回定例会本会議にあたり日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。なお、2番 公文書管理と情報公開については、別の機会に質問することとし、今回は割愛させていただきます。

 

1.区長の政治姿勢と区政運営について
(1)コロナ禍から見えてきた政治と行政の役割についてうかがいます。
〇新型コロナウイルス感染症「第6波」に備えた対策が求められています。
 今月16日の危機管理・感染症対策調査特別委員会で「新型コロナウイルス感染症に係る今後の医療機関への支援の考え方について」の報告がありました。感染拡大に備え、医療機関が新型コロナウイルス感染症患者の病床を追加で確保した場合、東京都の病床確保補助金に上乗せして、区の補助金を支給するというものです。医療機関において、これまで最大確保した一日当たりの病床数を超えて増床することや、医療ひっ迫の状況レベル3相当であるなどの要件を満たす必要はありますが、大切な取り組みです。また、区として一定の条件のもと、在宅療養中の方を対象にワクチン接種の実施が行われています。こちらも大事な取り組みではありますが、これまで医療機関任せとなっていたことで対応が遅いようにも感じています。
 今後、3回目のワクチン接種についても集団接種場所が中野サンプラザだけとなることで個別接種を行う医療機関に負担がかかることになります。感染症拡大は、感染症患者受け入れの有無にかかわらず区内医療機関での診療や経営に少なくない影響を及ぼしました。
 新型コロナウイルス感染症については、現在、感染拡大が減少しているこの時期に、区のこれまでの保健医療分野の対応について、検証しておく必要があるのではないですか、うかがいます。

 

○東京都は、2018年3月に策定した保健医療計画について、今年7月に「中間見直し」を行いました。計画策定時には出現していなかった「新型コロナウイルス感染症を踏まえた感染症対策」を見直しの視点として掲げ、「主な見直し内容」では「第4章健康危機管理体制の充実 ・新型コロナウイルス感染症対策における取組を検証し、検査・医療提供体制を整備」との記載があります。しかし、新型コロナウイルス感染症の1年半に及ぶ実態、地域医療に及ぼした影響などの記述は見当たらず、都民・区民、そして地域医療にとって、焦眉の課題である新型コロナウイルス感染症への対応・対策について十分とは言えません。地域保健医療計画は2023年度までであり、今後2年間の地域医療において十分な対策に言及しないのでは、命と健康に責任を持った「計画」とは言い難いと思います。
 感染症拡大のもとで区内医療機関での病床の維持・確保と体制強化が切実に求められていることが明らかになりました。
 中野区では、今後、地域医療機関の誘致を進める際に、その医療提供の規模と機能に係る第8次東京都保健医療計画の改定を踏まえて検討することになると思われますが、同計画についてどのようにとらえているのか、見解をうかがいます。

 

(介護・福祉)
〇コロナ禍で深刻な事態に直面しているのが介護分野です。
 「介護の社会化」を理念に介護保険制度が始まって22年目を迎えていますが、この間は給付抑制の連続でした。介護保険料と給付費が直接結びつく仕組みのため、介護保険施設や高齢者のサービスの利用が増え、介護報酬を引き上げると介護費用が増大し介護保険料の引き上げにつながります。介護報酬の引き上げは、利用者負担の増大にも跳ね返ります。また、予防重視が標榜されるもとで、介護保険法は改正を繰り返してもきました。介護報酬改定で言えば、報酬引き下げが続けられて介護現場で働く介護職員の賃金の抑制をもたらしています。当然の帰結として、介護現場の深刻な人手不足を加速し、労働を過酷なものとし、介護職員を疲弊させ働き続けることを困難にしている状況であり、そこにコロナ感染症が襲いました。
 人手不足が深刻なのは、在宅介護の要であるホームヘルパーです。高齢化が進む一方、若手のヘルパーのなり手がいません。厚生労働省集計によると、ヘルパーの有効求人倍率は2019年の平均で全産業平均の約15倍と異常な水準に達しています。このままでは10年もたたないうちに、ヘルパーは枯渇していく可能性があります。
 介護報酬の引き上げは必須です。しかし、介護報酬改定は3年ごとのために待たなければなりません。制度の枠外により介護職員の処遇改善を図ることが必要と考えます。
 以下、3点についてうかがいます。
 ① 中野区の高齢者介護の実態についての認識について ②課題解消のための国への働きかけについて ③区としては、介護保険制度内だけでなく介護職員の処遇改善に取り組むことを検討していただきたい。答弁を求めます。

 

(2)区財政について
〇「財政的な非常事態」の認識について、うかがいます。
 区長は2020年第3回定例会の行政報告で「財政的な非常事態と言わざるを得ないと認識して(いる)」と述べられました。先の区議会で、区としては「今も財政的な非常事態」であるとの認識が示されたところです。旧区政時代には「想定を超えた収支不均衡」、今日では「これまでのような財政規模を維持できない」と、行政需要の増大に比して収入見通しが明るくなく、財政調整基金の取り崩しによって財政運営を成り立たせていることがそのような認識へと導いているようです。
 昨年からの財政状況については、新型コロナウイルス感染症の拡大があり、それゆえに新規・拡充事業の中止・延期をはじめ、事業によっては執行見直しが行われてきました。同時に、感染拡大防止の対策を講じてもきました。しかし、昨年度決算では我が会派としても指摘をしたところですが、中野区がコロナ対策に区独自の財政支出した額は、他区と比べても少額です。「財政的な非常事態」との認識が、本来、財政出動を図るべき事業に対して踏み出すことができず、過剰な執行統制となってしまったのではないでしょうか。今後、中野区に限らず、都内だけでも多くの自治体で保有する施設の改築・改修が迫られます。どこでも増大する行政需要から見て、財政状況は必ずしも余裕があるとは言えません。だからと言って、他の自治体が非常事態に言及しているわけではありません。
 問題は、「財政的な非常事態」という認識は、誤ったメッセージの発信として受け取られかねず、そのことが区民要求と区民施策の維持向上を抑制し、区民サービスの削減と過剰な執行統制にならないかということです。見解をうかがいます。

 

〇予算編成について、うかがいます。
 2022年度予算の編成にあたっては、今年度予算額に△5%シーリングをかけることにしています。来年度は、特別区税については納税義務者数の増が見込まれており、予算編成においては今年度以上の増収になると思われます。都区財政調整交付金についても法人住民税の伸びにより、今年度当初予算額を上回る金額となるでしょう。にもかかわらず、なにゆえに5%削減を各部に要請しているのでしょうか。理由をお聞きします。
 また、今年度の予算においては基準となる一般財源規模を687億円に定めましたが、2022(令和4)年度についてはいくらに設定されようとしているのか。2点、うかがいます。

 

〇都区財政調整交付金についても、うかがいます。
 都区の合意では、2022年度に2021年度決算状況を踏まえての配分に係る都区の協議がおこなわれることになります。児童相談所の運営等に係る経費をめぐって焦点となっていますが、それだけではないと考えます。特別区の財政需要は年々増え続けています。今年度の協議にあたっては、基準財政需要額にそのことも踏まえた対応と算定をさせることが必要であることはもちろんですが、配分割合の変更がないままでは、他の事業の見直し・廃止を行うことにもなり、財政調整交付金の額に変動はありません。都区配分割合の協議は来年度に行われる予定ではありますが、今年度の都区協議の場から積極的に主張することを求めます。お答えください。

 

〇国への働きかけも重要です。
 特別区長会は、10月に「不合理な税制改正等に対する特別区の主張」を公表しました。国による法人住民税の一部国税化や地方消費税の清算基準の見直し、加えてふるさと納税による減収による影響は深刻です。中野区においても昨年度には46億円にものぼる減収の影響を受けています。
 本来、国は、財源保障と財政調整のために地方交付税の拡充を図らなければなりません。それを特別区から財源を奪うことで補完しているのです。
 不合理な税制改正の是正と、地方税財源総体の拡充を実現するために、特別区長会が一致協力して臨むことが重要です。見解をうかがいます。

 

(3)職員体制について
〇職員の増員配置についてうかがいます。
 会派としてこれまでにも必要な職員増、適正な職員の配置について質してきました。来年度に向けて、具体的に2カ所の職場での職員体制についてお聞きします。
 1点目に生活援護課について。すでに会派として繰り返し指摘をしてきたところですが、業務委託している高齢者居宅介護支援事業があります。大勢の高齢者をみていますが、本来のケースワーク業務は職員でなければ実施できません。高齢者の利用が増えており、今後も増えていくことから、また、相談・支援などは寄り添った対応が必要になることからも、ケースワーク業務を担う高齢者保護係の職員増員を求めてきました。区当局からは「増員する」とも言われていますが、では来年度には何名の増員を図るのか。うかがいます。

〇もう1点、児童館への職員配置について。
 中野区基本計画及び中野区区有施設整備計画では、「子どもの居場所・交流等の基本機能に加え、子育て支援や地域の見守り、ネットワーク支援機能を強化した、新たな機能を備えた児童館とする」とあります。新たな機能を強化する児童館の運営については、居場所・遊び場や活動と乳幼児期の子育ての支援や地域の見守り・相談対応など事業の強化を図ることとともに、開館日の拡大、福祉職員を配置して区直営での運営としています。
 すでに職員の増員については会派として議会の場で求めてきましたが、「増やす」との答弁はないままです。来年度を初年度として「新たな機能を備えた児童館」が展開される予定です。すでに直営での実施が明言されてもいます。新たな機能の強化などに言及しながら、職員体制は現行どおりでは、掲げた事業の実施はできないことになりかねないのではありませんか。
 児童館職員の増員をはじめとした体制強化について、改めてうかがいます。

 

(4)区有施設の貸付について
〇1つ目に、中野セントラルパークの賃借床について、うかがいます。
 区有施設整備計画では、「中野四季の都市の特性などを踏まえた賑わいに資する機能を誘導するものとし、現行の産業支援機能からの転換を検討(する)」としています。2013年度に中野区産業振興拠点「ICTCO(イクトコ)」を開設し、現在まで貸付による活用を行ってきました。同計画では「転換を検討する」ことにしていますが、もともと広義な意味では産業支援機能も「賑わいに資する」ためであったと思われます。セントラルパークのサウス・イーストとも区が賃借している施設であり賃借料の出費は毎年発生するため、放置しておくわけにはいかないと考えます。
 活用の検討にあたっては、四季の森公園に隣接している好条件をいかした活用検討をしてはいかがか、うかがいます。

 

〇2つ目に、中野駅新北口駅前エリア再開発権利床について、うかがいます。
 「・・・、民間事業者への貸付など行政サービスの財源確保を目的とした資産の有効活用を図(る)」としています。保有する資産は1万㎡以上になり、多額の賃借料が区の収入となることが見込まれます。「行政サービスの財源確保を目的」とするとありますが、いかなる区民施策に活用を図るのか、区民にわかるような仕組みが必要になると考えます。
 東京・日の出町では2008(平成20)年にオープンしたショッピングモールの誘致を行ってきました。町民の理解を得るために、歳入として毎年度入ってくる固定資産税や都市計画税は、一般財源ではありますが、「中学校修了までのこども1人につき月額1万円のクーポンを支給する」など、主に子育て支援に充てて活用しています。
 区においては、中野駅新北口駅前エリアの再開発事業による権利床の活用で得られた収入は、例えば、新たに子育て事業に資する特定目的基金を創設して活用を図るなど、検討すべきではないですか。うかがいます。

 

(5)中野区地域包括ケア総合アクションプラン(中間のまとめ)について
〇2017(平成29)年3月に策定された「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」との関係でうかがいます。
 「推進プラン」では、「区がめざす地域包括ケアシステムは、高齢者だけでなく、障害者や子育て世帯など対象を全世代、前区民に広げて、段階的に取り組(む)」としていました。「総合アクションプラン」は、そうした位置づけにあると理解します。であれば、策定から5年目を迎えている「推進プラン」での取り組みの到達や課題等の抽出などが行われることが必要だと考えます。
 例えば、「推進プラン」では、「住まい・住まい方」を柱に掲げ、「空き家の活用検討」への記述がされていました。「総合アクションプラン(中間のまとめ)」においても記されていますが、現在までの取り組み状況は示されていません。
 また、高齢者の住まいの確保で言えば、「中間のまとめ」で、より具体的な事業の検討と展開を図らなければ常に大きな課題として放置されかねませんが、踏み込んだ記述は見当たりません。
 さらに、「推進プラン」で「安全で快適に利用できる交通環境の整備」「区の取組みとして・交通弱者の移動環境の改善」が記述され、現在、区では交通不便地域の解消にあたり検討がなされています。しかし、「中間のまとめ」においては、この記述は見当たりません。
 これらの点については、「総合アクションプラン」の策定にあたって検討すべきではないですか。うかがいます。

 

〇「中間まとめ」では、包括的相談支援体制の整備・強化の必要性に言及しています。「子ども、障害者、高齢者など課題を抱える本人、さらには家族や生活環境、病気や困難などの状況が重なり、ひとつの機関だけでは対応できなくなってい(る)」との記述があり、社会福祉法の一部改正により据えられた「重層的支援体制整備事業」に触れています。このことは大事ではありますが、中野区での現況からみて、さらに据えるべきは生活困窮者への支援ではないでしょうか。ここへの支援を切り口として、生活援護や自立支援事業との関連性及び当該部署との連携などを、地域包括ケアシステムに位置づけることが大切であると考えます。見解をうかがいます。

 

3.「(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例」及び男女共同参画基本計画について
(人権条例)
○(仮称)中野区人権及び多様性を尊重するまちづくり条例の考え方についてが、第3回定例会中の総務委員会で報告されました。来年の第1回定例会で条例案を提出する予定にしています。条例制定後に施策としてシンポジウムの開催を検討しているとも聞きます。「考え方」では、中野区、区民及び事業者が基本理念に基づき、「人権及び多様性を尊重するまちづくりを推進(し)、心豊かに安心して暮らし、ともに新たな価値を生み出していくことのできる中野のまちを実現する」とあります。差別構造の解消に向けた連帯と実践が強く意識されることが望まれていると考えます。
 そのために、区が率先してあらゆる場において適宜適切にメッセージを発信していくことが大切であると考えますが、いかがですか、うかがいます。

 

〇中野区基本計画では、「多様性を生かした新たな価値を生み出す」政策を掲げ、施策1「人権と多様性の尊重」に続き、施策2で「多文化共生のまちづくりの推進」について述べています。現在、コロナ禍の影響で外国人数は減っているようですが、収束したのちには増えていくことになるでしょう。
 多文化共生のまちづくりの推進では、事業の展開の中で「多文化共生の推進に向けた基本指針の策定」の記述があります。レイシズムばかりか外国人住民に対する無意識のバイアスが存在する昨今、区が「人権と多様性の尊重」を意識し、社会の前向きな変化に応えていく方針の策定と事業の展開を期待したいと思いますが、見解をうかがいます。

 

(第5次男女共同参画基本計画の策定)
〇中野区では、2018(平成30)年3月に男女共同参画基本計画(第4次)が策定され、来年度は5年ごとの見直し年度となります。「第5次計画」の策定にあたっては、現行「第4次計画」で掲げた「将来像」や「施策の方向性」、「成果指標」、「事業」などの検証、目標に比しての到達点の分析、社会経済情勢とジェンダー平等の視点及び国等の制度改正並びに今後の動きなどにも注視した分析・検証を行うことが必要であると考えます。
 昨年の12月に、国が「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ」を策定しました。国の「第5次計画」の「基本的な方針」では、日本国憲法の個人の尊重と法の下の平等、女性に対する暴力の根絶、男性中心型労働慣行の脱却などの文言が加わり、新型コロナウイルス感染症拡大のとりくみについては新たな項目が起こされました。緊急避妊薬を処方箋なしで薬局販売することの検討、就活中の学生に対するセクハラの実態調査など、若い世代の強い要望が盛り込まれたことは前進です。一方、ジェンダー平等度121位という国際的な遅れを底上げする抜本策が示されないばかりか、「指導的地位を占める女性の割合を2020年までに30%に」の目標は未達成のまま実現時期を先延ばしされ、「選択的夫婦別姓」の文言が削られるなど大幅に後退もしました。
 さて、中野区での「第5次計画」の策定にあたっては、民法や刑法など未だ改正がされていない事項への記述は難しくても、今後、ジェンダー平等の視点から法改正や社会と世論の動向などについては、触れる必要があると考えますが、いかがですか、うかがいます。

 

〇今般の新型コロナウイルス感染症拡大で浮き彫りとなった女性をめぐる労働実態と労働条件・環境の改善などは、第5次の計画にしっかり位置づけて、取り組みの方向性を示すとともに、施策・事業についても検討することが求められます。
 また、性暴力などについても把握に努め、その解消に向けた方針や取り組みについて研究していくことが必要ではないでしょうか。
 さらに、女性相談の窓口については、独立したものとして設置し、相談事業の充実とともにアクセスしやすい環境整備についても整える必要があると考えます。
 見解をうかがいます。

 

4.児童相談所における一時保護所運営と設置市事務について
(一時保護所)
〇一時保護所運営について、うかがいます。子ども家庭支援センターに寄せられた昨年度の虐待相談数は1,056件と、2019年度の約1.2倍、2018年度の約2倍にも増えています。来年4月開所の児童相談所の役割とともに、一時保護所での役割が重要であると考えます。運営上で特に心配される一つは職員の体制ですが、12名定員に対して有資格者等による職員配置はきちんとされる予定だとうかがっています。
 児童が一時保護所で生活するにあたり3点うかがいます。
①児童相談所と一時保護所とは緊密な連携が必要ですが、中野区では少々離れているために、連携などきめ細かな対応をスムーズにとることができるのか、お聞きします。
②小中学生に支給されている情報端末使用のための環境は整っているのでしょうか。また、情報端末の使用にあたっては、生活の場での利用であるために配慮が必要と考えますが、いかがですか。
③一時保護所に関する文献を読むと、一時保護所の変遷の過程で管理的な指導手法の側面が強い時期があったことがうかがえます。しかし、今日は子どもの権利条約や児童福祉法改定、国の一時保護ガイドライン等の趣旨を盛り込んだ取り組みがとして、「安心が実感できる環境づくり」「学習環境の充実」「個別的な支援」「余暇活動・外出の充実」「私物所持のあり方」など、検討され進められていると聞きます。このような点を踏まえ、区が一時保護所開所・運営にあたり検討している点についてうかがいます。
(設置市事務)

〇設置市事務についてもお聞きします。本定例会で東京都から中野区に移管となる設置事務に係る条例改正等が予定されています。児童相談所の設置にともない16事業が来年度から中野区で処理していくことになります。児童相談所や一時保護所に必要な職員増に加えて、それぞれ担当する部署では業務量が増えることで、その業務を円滑に行うための職員配置が必要になると思われます。移管される16事業に対する職員増は何人を予定しているのか。うかがいます。

 

〇設置事務の一つである児童福祉施設及び認可外保育施設に関する事務についてお聞きします。
 認可保育所については、東京都から認可権限が中野区に移ることになります。認可外保育施設についても、区には指導・監督・検査などの権限が付与されることになります。現在では、認可で区立11園、私立で75園、小規模は15園、認可外は認証保育所を含めて35園が指導・監督・検査等の対象となります。現在のように権限が東京都にある場合は、すべての施設を巡回し実態を把握することはできなかったと聞きます。中野区に移ることで指導・監督・検査はもとより、現状の把握、課題抽出、支援のあり方など、きめ細かな対応が期待されるところです。見解をうかがいます。

 

5.私立保育園について
〇すでに繰り返し求めてきている私立保育園への支援についてですが、この機会に改めてうかがいます。
 保育については、新型コロナウイルス感染症拡大による保育現場での困難さとともに、その重要性が浮き彫りになりました。根本的には保育制度や基準の改定、及び公定価格引き上げによるや処遇等の改善が求められています。
 岸田首相は総選挙前の10月8日の所信表明演説で、「公定価格の抜本的見直し」を明言しました。しかし、公定価格の見直しが保育制度や基準の改善につながるのかは予断を許しません。かつて、処遇改善等の加算が導入された際に、保育所職員のごく一部しか恩恵を受けられない仕組みであったことにみられるように、部分的・限定的な見直しで済ましてはならないと考えます。
 同時に、前項の設置市事務で触れた区が認可権限を得ることにより、すぐにでも改善・拡充を検討していただきたいことに絞って、うかがいます。
 1つは、宿舎借り上げによる補助金です。今年度は事業者の負担が8分の1発生しました。区内で保育園運営を展開していく事業者にとっては、保育士を確保する上で宿舎借り上げの事業は欠かせません。23区でも少なくない自治体で保育士の確保・定着を目的に、様々な形で補助が講じられています。中野区でも2020年度まで実施していたように、区として補助金の増額を検討すべきではないですか。うかがいます。

 

〇2つ目に、定員割れに対する認可保育園に対する補助についてです。
 中野区では、今年度より認証保育所と小規模保育事業所に対して現員数に定員割れが生じた際に補助を行っています。これ自体は高く評価します。同時に、私立の認可保育園においても同様の補助が必要であると考えます。私立保育園の定員割れに対する補助の実施を検討すべきではないですか。うかがいます。

 

 この項の冒頭ふれたように保育運営については、そもそもの制度における問題及び公定価格が適正とは言えない問題が根本にあります。今年度の人事院勧告でも月例給は据え置きですが、賞与については2年連続で削減勧告となりました。公定価格を規定していくことなるため、国が何らかの措置を取らない限り、公定価格の人件費単価が減額となるのは必至です。
 区内の私立保育園は、中野区からの委託を受けて保育を実施しているのですから、
国等での動きに注視し、しっかりとした対応をするとともに、改善についても要請していただくことを強調し、私のすべての質問を終わります。

〇国への働きかけも重要です。

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