ご意見
・ご相談
新型コロナウイルスに関するお知らせ

日本共産党中野区議会議員団

ご意見・ご相談

議会報告
REPORT

06.02

2021年 第2回定例会 本会議・一般質問 2021/6/2 羽鳥だいすけ

2021年第2回定例会 一般質問

 

1.新型コロナウイルス感染症対策について

 2021年第2回定例会におきまして、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。質問は項目通りでその他で一点、妙正寺川河川整備工事について伺います。

 

 始めに、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 世界的規模での新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は未だ収まることもなく、東京そして日本においても「第4波」と言われる状況が続いています。わが党は感染を収束させるためには、無症状者も含めた検査の徹底が重要であることを指摘し、昨年から一貫してPCR検査の拡充を求めてきました。しかし政府は「PCR検査を広く実施すれば偽陽性が非常に多くなり、医療崩壊を招く」などとして検査を広げる事が有害であるかのような事実に反する文書まで作って、検査拡充を妨害してきました。そうした誤った検査拡充有害論を乗り越え、ようやく少しずつですが検査が拡充されてきています。東京都においては特別養護老人ホームや軽費老人ホーム、認知症グループホーム、有料老人ホームで施設の全職員に対して週1回のPCR検査を実施するまでになってきています。
 まず、これらの対象施設が区内で何施設あり、その内何施設でこの事業を実施しているのかお答えください。

 

 今回、東京都によって検査の方針が示されたのは入所系の施設だけであり、通所・訪問系の事業所は対象に入っていません。墨田区では区内のヘルパー103施設6100人を対象としたPCR検査を実施するとのことです。日本財団が8月31日までを実施期間として無料PCR検査を行っていますが、区は都の対象外となった事業者について検査の実施状況について把握していないといいます。しかし、クラスターの発生や感染を防ぐためにはこうした事業者に対する定期的な検査も必要ではないでしょうか。検査についてはPCR検査の他にも抗原検査を組み合わせるやり方も普及しつつあります。
 区としてこうした施設に対する検査戦略を持つべきではないでしょうか。

 

 また、重症化リスクを家族に持つ方々へ検査を行うことも重要です。千代田区では65歳以上と基礎疾患を持つ区民およびその家族を対象にPCR検査費用を補助する事業を始めています。
 中野区でも同様の事業を行い、家庭内感染を防ぐ取り組みが必要ではないでしょうか。
 現在、国内では変異株が流行の主流となっており、各種の変異株は子どもに対しても従来株以上の感染力があるのではないかと懸念されています。都内でも変異株によるクラスターが発生するとともに、全国でも次々と発生しています。これまでの中野区内の感染状況を見れば、園児・児童・生徒の感染は家族からの感染によるものが多いとはいえ、保育園ではすでにクラスターが発生しているとともに、これからも発生する事は想像に難くありません。大阪府寝屋川市では教員が感染した場合、子どもや家庭に大きな影響が生じうることから、子どもへの感染防止を図るため、寝屋川市立小中学校の教職員、保育所・幼稚園等の業務従事者を対象に、ワクチン接種完了が見込まれるまでの間、定期的にPCR検査を始めるとしています。
 中野区でも保育園や学校で定期的な検査を行い、感染拡大を未然に防ぐ取り組みを行うべきではないでしょうか。

 

 3度目の緊急事態宣言は2度目の延長が決まりました。この緊急事態宣言によって多くの方の生活は深刻な打撃を受けています。わが党は単に緊急事態宣言を発令し人の流れを抑制するだけでは感染を抑える事はできず、その間に検査の拡充など具体策がなければ意味が無いと訴えてきました。この主張の確かさはもはや誰の目にも明らかではないでしょうか。中野区保健所が発表している感染症発生動向調査週報によれば、現在の区内の感染者は20代30代次いで40代といった現役世代が多くを占めています。今後、ワクチン接種を進めていくことはもちろんですが、接種計画が上手くいっても集団免疫を獲得するほどまでに接種率を引き上げるにはかなりの時間がかかります。その間にも感染者を抑える具体策を講じなければ、変異株によって抗体の効果が薄れるという、ワクチン接種計画の前提を根底から覆す事態も生じかねません。現在、市販の検査キットなどを使えば1回当たりの費用もかなり軽減できます。松戸市では全市民を対象としたPCR検査への補助事業を今年度も引き続き実施しています。
 区は無症状の感染者からの感染拡大を防ぐ防疫目的で行う、大規模な検査についてどのような認識を持っているでしょうか。また、区民が安価もしくは無料で検査を受けられる体制を作るべきではないでしょうか。

 

 現在の変異株の流行の中心はイギリスで確認された「アルファ株」ですが、今後、インドで確認された「デルタ株」に急速に置き換わる可能性があります。従来株に感染し、軽症・無症状だった人のうち約2割は変異株に対する十分な量の抗体を保有していなかったとする研究結果も発表されています。変異株の発生状況の検査が必要です。
 変異株についての中野区の検査状況及び、発生状況についてお答えください。

 

 ワクチン接種とともに、大規模な検査実施を同時並行で行う立場に中野区が立つことを求め、この項の質問を終えます。

 

2.区政への区民参加について

 続いて、区政への区民参加について伺います。
 酒井区長は区長選において、「政策決定過程からの区民参加」という公約を掲げてきました。住民自治を推進し、中野区への愛着を育むうえでも、区の政策に区民が関わる取り組みを充実させていくことは極めて重要だと考えます。区長が就任されてちょうど3年が経ちました。
 「政策決定過程からの区民参加」という公約についての現段階での評価と課題について伺います。

 

 中野区基本構想と中野区基本計画の改定作業においては、無作為抽出での区民アンケート、区民と区長のタウンミーティング、区民と職員のワークショップなどが実施されてきました。その後、審議会答申を受け、基本構想の改定に関わる検討骨子、検討素案を議会に示すという丁寧な取組を重ねてきました。先日行われた基本計画の意見交換会においては、1回当たり400通の参加勧奨の封書を送付し、幅広い年代の多くの区民が参加したと聞いています。
 この意見交換会において、こうした取り組みを行ったこと、その結果についてどのように評価をしていますか。

 

 子どもの権利擁護に係る条例の検討にあたっても、審議会の開催とともに、子どもたち自身に「子どもの意見を教えてください」という取り組みを進め、学校に訪問しての意見募集を含めて、多くの子どもたちから意見を寄せていただいていると伺っています。基本構想・基本計画策定の取り組みと並んで、「区政への区民参加の取り組み」として高く評価いたします。
 基本計画についての意見交換会にはこのように多くの区民の参加が見られた一方、この間行われてきた各種の計画についての意見交換会は参加が低調となっているものも散見されます。そもそも、意見交換会の存在を知らないという区民も多くいらっしゃると思われます。
 区民と区長のタウンミーティングの際だけでなく、他の意見交換会の開催の際にも、どういった計画なのか、いつやるのか、ぜひとも来てほしいといった参加勧奨ハガキを送付してはどうでしょうか。

 

 また「区政への区民参加」と言ったときには、素案以前の段階から区民に意見を伺うことも非常に重要かと思います。そもそも素案の段階までまとまっていると、そこから大幅な構成の変更などはかなり困難で、区民の意見を反映するにしても、区が出した素案に対する修正という性格とならざるをえません。
 例えば、ある計画を作るにしても、「どんな点を重視してほしいか」「課題だと感じていることは何か」など、区民が素案以前の段階から計画策定により関われるような取り組みが必要ではないでしょうか。

 

 また計画策定後の評価に区民の意見を反映する事も重要だと考えます。区民が答えやすいように配慮しつつ、区が実施した重点事業の結果や取り組みの満足度などを計れば、行政評価につなげられるのではないでしょうか。
 こうした取り組みについて実施を検討すべきではないでしょうか。区の見解を伺います。

 

 「政策決定過程からの区民参加」に関連して気になるものがあります。区は現在、若宮・大和町地域の交通空白地域について移動支援対策を講じようとしており、来年度には実証実験を行いたいとしています。そして今年度にはそれに向けた勉強会を開催すると述べています。この間、私は地域公共交通施策の実施には地域住民の理解と協力が不可欠であることを指摘し、ルートの検討や運行のあり方などに区民が関われる仕組みづくりを求めてきました。そして勉強会の開催にあたっては公募区民を入れるよう求めてきましたが、区は勉強会の参加対象者は町会・自治会のみと頑なに拒否しています。これは「政策決定過程からの区民参加」と逆行するものではないでしょうか。昨年、交通対策調査特別委員会で視察に伺った西東京市では、現在「移動支援の在り方を考える勉強会」で検討を重ねており、そこに参加する市民委員は9人全員が公募です。
 区は勉強会の開催にあたって、公募区民を入れるべきです。見解を伺います。

 

 中野区が「政策決定過程からの区民参加」の取り組みを様々な施策において推進していくことを求めてこの項の質問を終えます。

 

3.校則について

 次に校則について伺います。
 今、全国各地で学校の規則である校則が話題になっています。主な論点は校則の中身が時代にそぐわなくなってきているのではないか、児童生徒の基本的人権を侵害する中身になっているのではないか、というものです。日本共産党都議団が都議会で行った黒染め強要、ツーブロック禁止などの中身は当事者である高校生を含めて大きな反響を呼びました。規範、決まりというものは大事ですが、その前提となるのは、「なぜその規範・決まりがあるのか」、という合理的な根拠が説明できるという事ではないでしょうか。そうした視点から中野区立中学校の校則を見てみると疑問に思うものがいくつもあります。男子生徒と女子生徒で指定されている靴下の色が違う、ダッフルコートは可だがダウンコートは不可、タイツは可だがストッキングは不可、他にも下着のシャツは白色とする、髪型や装飾品についてなど事細かに規定されています。一つ一つについて考えれば過度な規制と言えるものも多くあるのではないでしょうか。
 まず校則について、これは基本的人権の尊重に合致したものでなければならないと考えますが教育長の見解をお答えください。

 

 区内のある中学校では生徒からの申し出に基づき校内で生活安全委員会を開催し、靴下の色について、時計や帽子についてなどの決まりを変更したそうです。
 先の定例会で来住議員の質問に対し、区は「子どもの意見を反映する事は重要」とのべました。校則については当事者である中学生・高校生自身からも声が上がっています。2019年度中野区ハイティーン会議のテーマの一つは校則でした。1年をかけて話し合われた結果、出てきたメンバーによる校則改革の具体案は「『校則の民主主義化』が必要である」というものでした。細かな意見を見ていくと、「生徒から積極的に声を出していくことが大切と感じるが、その声を出せる環境がないという学校が多いと感じる」「一方的に決められた校則を生徒が守るのではなく、校則の意義などを一から示し、生徒の意見も反映させることが大切だと思う」などの意見が出されています。区は「学校生活に対する意見や要望を表明する機会を設けている」としていますが、取り組みが十分ではないのではないでしょうか。
 より積極的に生徒ともに校則について話し合う機会を設けるべきではないでしょうか。お答えください。

 

 制服についての記述で一点伺います。一昨年、酒井区長は区立中学校の制服について性別を問わず選べると発表しました。子ども自身の声を受けてこれまでの規定を見直したものであり、多様な生き方や個性、価値観を受け入れられる地域社会の実現のためにも重要なことであったと評価いたします。しかし、生徒手帳の記述を見ると多くの学校で男女別の記述となっています。こうした中学校にお話を伺ったところ、事前の学校案内では男女ともどちらでも着用してもよいと説明しているとのことで、記述が追い付いていません。
 来年度に向け、記述を改めるべきではないでしょうか。

 

 校則にとどまらず、学校の様々な場面に生徒の意見を反映させる仕組みを作ることはそれ自体が民主主義を育てることに繋がります。中野区の積極的な取り組みを期待し、この項の質問を終えます。

 

4.災害時の避難について

 続いて災害時の避難について伺います。
 昨年度の日本のジェンダーギャップ指数は世界156か国中120位と世界でもかなり低い位置にいます。性別役割分担の意識が強く、家事や子育ての負担が女性に集中しがちで、意思決定権者として女性が力を発揮する場面が限られています。またこうした格差が経済的な力の差となり、社会的な立場の格差にもつながっていくことは日本の現状が示しています。災害時においてはこうした格差がよりはっきりとした形で現れます。避難所では男性がリーダーになることが多く、女性は困っていることや要望を言いにくいということも、多く指摘されている事です。
 現在、区は災害時避難所の運営マニュアルの雛形の作成を進めていると聞いています。そうした時に女性の視点・ジェンダー平等の視点を入れる事が極めて重要と考えますが、区の認識をうかがいます。

 

 わが会派が昨年度行った「2020年中野区民アンケート」では女性を中心に多くの方から、災害時避難所について「女性専用区画を設定してほしい」「災害時に性暴力が起きないようにしてほしい」という声が寄せられました。昨年放映されたNHKのドキュメンタリー「埋もれた声 25年の真実~災害時の性暴力~」では、膨大な証言記録をもとに被災地での性暴力の実態を克明に報道しています。避難所のリーダーに「大変だね。タオルや食べ物をあげるから夜に取りに来て」と言われ、取りに行くとあからさまに性行為を強要された」「複数の男性に暴行を受けたが、騒いで殺されても、海に流され津波のせいにされる恐怖があり、誰にも言えなかった」など、とても直視できないような実態です。そうした恐れから避難所に行くことにためらいを持ち、適切な支援が受けられなければ、これはもう一つの災害であり、絶対に発生を防がなければなりません。
 災害時の人道支援に関する国際的な「スフィア基準」では、女性や子供、障害者など、声を上げにくい人たちの意見の尊重や、性暴力・DVの防止と支援についても明文化。支援者が暴力に加担しない、見過ごすことも許さないなど、暴力を根絶する強い姿勢を求めています。
 先に紹介したNHK番組では、東日本大震災において福島県最大の避難所で倉庫を改造して女性専用スペースを作ったこと、そしてそこを着替えや授乳だけでなく、地元で女性の支援活動に取り組んできたベテラン相談員が常駐するようになり、悩み事や相談の場として活用した経験が語られています。
 「東日本大震災女性支援ネットワーク」が2013年に発表した「東日本大震災『災害・復興時における女性と子どもへの暴力』に関する調査報告書」ではどういった場面で暴力が発生したかの実態が報告されています。そして女性や子どもの安全に暮らす権利、生存権を守るために、避難所でのついたてや間仕切りを利用したプライバシーの確保、女性のためのスペースの必要性が指摘されています。
 私の手元にある「中野区避難所運営管理マニュアル 武蔵台小・上鷺宮小共通」には、「学校施設等利用計画図」において、「女性更衣室」は明記されているものの、女性専用スペースは明確化されていません。
 改定する避難所運営マニュアルにおいても、女性専用スペースは必置とすべきではないでしょうか。

 

 またこの報告書では、「対価型」「地位利用型」の暴力が複数あったと報告が上がっています。加害の相手は裁量権のある避難所のリーダー格の男性だったということです。そして被害を受けていたのは6歳未満の子ども~70代までの幅広い年代、経済的基盤の弱い単身女性も多く被害を受けていたと報告されています。「性暴力の被害にあうのは若い女性」という社会通念を捨て、「立場の弱い人」全般に対して暴力が発生しているという認識を共有する事が大事です。
 こうした事態を防ぐためには、防災会の人びとや防災リーダーなど地域の避難所運営に携わることになる方々に対し、加害を起こさないための研修、被害相談を聞いた時に適切な対応を取れるようにする研修を意識的に取り入れる必要があるのではないでしょうか。

 

 また女性が相談に繋がりやすくするために、女性向けの支援物資は女性が配布するようにし、その中に相談窓口の連絡先を記したカードを忍ばせておく、といった工夫もされていたそうです。
 備蓄物資の配布の際に、こうした取り組みが行われるようにすることが必要ではないでしょうか。

 

 避難所の役割分担の際にも注意が必要です。責任ある地位に多くの女性が加わっている状態にすることともに、避難所の食事作りやトイレ掃除などケア労働を女性に押し付けることになっていないかなどジェンダー平等の観点での取り組みに気を付ける必要があると考えますが、いかがですか。

 

 また、避難所運営において子どもの意見を反映することも重要です。東日本大震災下での避難所において、多くの中学生や高校生がボランティアに従事し、活躍したことが報告されています。避難所を始めとして多くの場面で子どもたちが活躍したにもかかわらず、災害復興分野においては、子供の意見は聞かれることはなく、経験や考えが計画に反映されることもありません。例えば、東日本大震災時には「支援物資」として服が届いたものの、それは成人の男性用か女性用もしくは幼い子どものものが多かった、特に女の子が着たいと思うようなものはほとんどなかったということ、「生理用ショーツが足りない」という声が2ヶ月も経ってから教員を通じて出てきたことなどがあったそうです。
 避難所に「粉ミルクと紙おむつと生理用品を置いたら終わり」としない為にも、子どもの声が運営本部に届く仕組みづくりが必要ではないでしょうか。

 

 最初に紹介した「区民アンケート」では避難所について一番望むことは、トイレの確保でした。これまでの震災でもトイレに中々いけないことから水分補給を控え、結果として体調不良に繋がった事例も数多くあったと報道されています。区は現在、備蓄物資として25万回分を確保していると言います。しかし、それで十分でしょうか。4月21日に放映されたNHKの番組、「明日をまもるナビ あなたの自宅を最高の避難所に! 今すぐ準備したい10の備蓄品」では、在宅避難者の備蓄目安として「1人1日5回、1週間分で35回分の備蓄が必要」と紹介されています。しかも、私自身も盲点でしたが、食糧など食べる方の備蓄は行っていても、トイレの備蓄を行っていない方は多くいるとのことです。もちろん自分で準備が出来る方には最大限、自分で準備してもらうことを呼び掛ける事も必要とはなってくると思いますが、水道が止まり、携帯トイレを求めて多くの区民が避難所に受け取りに来るという事は容易に想像が出来ます。
 各避難所で備蓄する携帯トイレの数を引き上げる必要があるのではないでしょうか。

 

 また先の区民アンケートで2番目に多かったのが、「プライバシーに配慮した空間の確保」です。これは先の女性専用スペースの確保にとっても重要となります。区の現在の備蓄は体育館を間仕切りするには十分としていますが、今後、感染症のまん延を考慮に入れた間仕切りを作るためには、教室の活用も視野に入れなければならないと考えます。そうした場合でも十分に間仕切りが行える備蓄量とはなっていません。
 間仕切りについても各避難所の備蓄量を引き上げる必要があるのではないでしょうか。

 

 発災後の被災者の苦難を軽減するため、区の取り組みの前進を求めます。

 

5.環境基本計画について

 先の第1回定例会では中野区環境基本計画(素案)が発表されました。これまでの目標より大幅に引き上げ、2050年度排出量ゼロとなるように2030年度目標を設定したことは、温暖化に大きな責任を負っている先進国の自治体として最低限の目標を設定したものとして評価いたします。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は1.5度上昇を転換点と位置付け、これを超える温度上昇は洪水などの危険性が急激に高まるとの見方を示しています。
 先の定例会でも述べましたが、2050年度までに中野区が排出できる二酸化炭素量を上限に考える炭素予算の考えからは、気温上昇を2度未満に抑え、1.5度上昇に十分近づけるようにするには、2030年度までにより高い目標を掲げる必要があります。
 46%削減では2度上昇を避けられない可能性が高まります。目標を引き上げるべきではないか。

 

 脱炭素を進めるためには中野区の二酸化炭素排出量の64%を占める電力由来の排出を減らすことが不可欠です。区としてエネルギーシフトの目標を持つべきと伺った第1回定例会の質問時、区は「再エネ導入率の把握は困難」という答弁しました。しかし、現段階では難しくても区民にアンケートなどを行えば、ある程度の推計はできるのではないでしょうか。環境基本計画の1年目で区民2000人にアンケートを取ることになっています。その際に、自宅の電力契約について質問を行ってはいかがでしょうか。
 実態把握を行うことと、改めて次期の改定までにどの程度エネルギーシフトを進めるかという計画を策定する必要があると思いますが、区の見解をお答えください。

 

 また、エネルギーシフトについていえば大規模事業者としての中野区のエネルギーシフトはやる気さえあればすぐに可能です。区は環境負荷の少ない電力調達の推進という項目で二酸化炭素排出係数の少ない電力を選択するとしていますが、
 2030年度までに再生可能エネルギー100%の電力調達をすべきではないでしょうか。
 
 ごみ排出量を削減することも重要です。その中でも今日はペットボトルごみの削減について提案をいたします。ウォーターサーバーを供給するウォータースタンド株式会社が市内に本社を置くさいたま市では同社の年間30億本のペットボトルごみを減らすという課題を共有し、庁舎内にウォーターサーバーを設置する実証実験を行ったところ、ペットボトルごみが1~3割減少したそうです。2019年度に連携協定を締結し、現在市内100カ所に設置しているそうです。また京都市では同社と連携協定を締結し、リース料の割引を受け、市の施設100か所への設置を目指しているとのことです。庁舎や区民活動センター、図書館などの公共施設に面的に整備が出来れば、ゴミの削減とともに、熱中症予防、健康増進にも役立つのではないでしょうか。
 ウォーターサーバー設置について検討してもらいたいと思いますが、いかがですか。

 

6.児童館について

 最後に児童館について伺います。現在、中野区区有施設整備計画の検討が行われており、その中では今後の児童館の整備方針についても示されています。児童館は現在18館あるものを中学校区である9館に整備すること、その際、機能を増強した「新たな機能を備えた児童館」とすることされています。田中前区政が最終的には児童館・U18プラザを全廃しようとしていたものを酒井区長が全廃撤回を公約し、それを形として示したことは重要であると考えますが、小学生・乳幼児親子の利用が圧倒的多数である児童館を、中学校区で整備するという方針には違和感も覚えます。児童館は児童、乳幼児親子にとっても身近な居場所であり、保護者にとっても子育ての悩みなどを交流できる場所が身近にあることが重要です。
 「新しい児童館」が中学校区で整備される方針では、児童館が子どもたちにとって縁遠いものとなってしまう。この齟齬について、区はどのように認識しているのか。

 

 昨年の第4回定例会で来住議員が、今後さらに児童館機能を高める職員体制の強化を図るためにも、児童館職員の新規採用を図るべきと質問しましたが、区は「子育て支援施策全体のさらなる質の確保、向上を図ってまいります」と採用について明確に答弁しませんでした。現在、児童館職員は長期の未採用によって年齢構成がいびつになっており、事業の継承に困難をきたしています。そしてそのこと自身が職員の事業に対する思いを傷つけています。
 今後、区として児童館事業を行っていくためにも、職員の採用を継続的に行っていくべきではないでしょうか。お答えください。

 

 子どもたちの日々の細かな変化に気付くためには、長年の経験と豊かな研修、自己研鑽などが必要。そうした体制をしっかり保障できるのが直営の児童館として残す意義です。区は児童館を直営で残すべきと考えます。見解を伺いますか。

 

7.その他

 その他で妙正寺川河川整備工事について1点伺います。現在、丸山橋の架け替えを含む上下流部分について整備工事が行われています。工事自体は洪水対策として必要であることは認識していますが、コロナ禍で説明会も中止されてしまい、工事概要の紙が配られただけになってしまっています。また当初、工事説明会は美鳩小学校体育館で行われることとなっており、工事地域の住民にとっては遠いという問題もあります。
 十分な広さが取れないなどの懸念もあるかと思いますが、鷺宮区民活動センター分室で複数回かけて行うなど、地域住民が参加しやすい取り組みを東京都に求めるべきではないでしょうか。答弁を求め、すべての質問を終わります。

TOP