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日本共産党中野区議会議員団

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議会報告
REPORT

02.18

2020年第1回定例会本会議一般質問:小杉一男

2020年第1回定例会本会議において日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。質問内容は通告通りで、その他の項は失語症者向け意思疎通支援者の派遣について取り上げます。

1.(初めに)学校教育と子どもの人権について(伺います)

①(まずは)学校生活での環境について(です)

昨年10月に文科省が発表した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」によると、年間30日以上欠席する不登校児童生徒が小中学校で2013年から上昇し続けています。中学校で12万人、小学校で4万5千人。中野区でも200人ほどの児童生徒が不登校となっており、年々増加しています。

中野区において不登校児童生徒が上昇傾向にある状況についてどのようにお考えですか。答弁を求めます。

適応指導教室が2か所の分室でも運営され、登録児童数も上がっていることは喜ばしいところです。しかし、それでも、登校できない児童生徒はおられます。

不登校に対する法律や国の基本方針では、個々の不登校児童生徒の多様な学習活動の実情を踏まえ、状況に応じた支援が行われること、登校という結果のみを目標とするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指すなど、大きく変わりました。児童生徒の才能や能力に応じて、それぞれの可能性が伸ばせるように、本人の希望を尊重したうえで、さまざまな機関を活用し、自立支援を行うことが掲げられています。

不登校の児童生徒を身近で支える保護者たちが孤立するのではなく、保護者同士が交流しながら子どもに向き合うことが必要です。そのためにも、2017年3月の文科省の通知にあるように、不登校の児童生徒の保護者らから、同じ立場同士で意見交換ができる交流の場所・機会を作ってほしいと強く求められています。

不登校の児童生徒の保護者間の交流機会の提供を行うよう、早急に支援の充実を行うべきではないでしょうか。答弁を求めます。

不登校の他に、いじめ認知件数や暴力行為、自殺率などの上昇もあり、こうした数字は小中学生からの警鐘と思われます。子どもたちの様子や保護者の声によると、学校生活における子どもたちをめぐるストレスやプレッシャーは以前に比べて強いものになっています。授業時間は増加し続けています。

国連の子どもの権利委員会は1998年から度重なり、日本の教育分野の過度な「受験競争」への懸念を示してきました。競争主義を脱却することや子どもを学びの主体としてとらえること、個に寄り添う教育など、未来の教育を考えていく必要があります。

国連の子どもの権利委員会から勧告されている、子どもたちの学校生活におけるストレスフルな環境についてどのように認識し、改善を目指そうとしていますか。答弁を求めます。

②(続いて)子どもの権利条例の検討準備について(です)

新年度予算案で子どもの権利条例の検討準備を行う提案がされました。

中野区内の不登校児童生徒の、ある保護者の方は「学校の理解ない対応に疲弊させられている保護者は大勢います。しかも理解ある先生との会話ならまだしも、理解のない先生複数人とのやりとりを多くは母親一人が背負っています」と言われていました。現在のいじめ防止対策推進法の「いじめ」の定義にある「児童等と一定の人的関係にある他の児童等」の「等」には教職員は残念ながら入っていません。教職員の対応により精神的苦痛を受け、不登校になった児童も少なからずおられるし、不登校児童生徒や保護者への差別や偏見もあると聞いています。この方は「子どもの権利条例というものがあったなら、どれほど早くに親子の精神的苦痛が和らいだものかと思います。ぜひその条例は必要だと思います」と期待を込めていました。

子どもに関わるいじめ、虐待、自殺など深刻な事態が広がる中だからこそ、いま子どもの権利条例の制定が求められています。

子どもの権利条例の制定の意義や必要性について改めて伺います。答弁を求めます。

全国40以上の自治体ではすでに子ども条例が制定されています。毎年開催されている「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムに参加しました。

条例設置の自治体の多くは、選任されたオンブズパーソン(権利擁護委員)が子どもからの苦情を聞き、助言・支援及び関係機関への協力依頼などを行っています。相談で解決しない場合は、救済申し立てにより関係者等への調査に入ったり、その過程で事実関係の確認や必要と認める場合は、勧告や意見表明、是正要請などを行ったりもできます。議論になっていたのは、その機関の「独立性」や「中立性」についてです。「独立した立場でないと子どもの立場を貫くことはできない」など、行政から独立した機関の構成員として選任をされないと、職務が全うできない場面もあると語られていました。

子どもの人権救済を子ども主体で行っていくために、同条例の制定に向けて、児童生徒、教員、保護者、行政、地域それぞれが十分な議論をしていくことが求められます。中野区には「教育行政における区民参加に関する条例」が制定されており、第4条では「区民参加においては、権利の主体としての子どもの参加と意見表明の機会が保障されるよう配慮されなければならない」と掲げられています。こうした条例も踏まえて、より一層、前に踏み出すべきです。

新年度においては、審議会の設置が予定され、検討が進められるようですが、そこでの審議は公開とし、子どもの意見を聞く機会についても検討してはいかがでしょうか。答弁を求めます。

③(加えて)教職員の労働環境の改善について(です)

一昨年10月に実施した学校教員勤務実態調査でも、平日の教員の勤務時間が11時間を超える長時間となっていることが明らかとなりました。区においては「学校における働き方改革推進プラン」を策定し、2018年度から3年間の期間で取り組みが進められています。これらは子どもたちにとってもゆとりのある教育を受けるために必要なことです。

同「プラン」は4つの「取り組みの方向性」のもとで準備されてきています。その進捗状況をお示しください。

勤務時間管理はこの4月から、わが会派も求めてきた庶務事務システム(静脈認証)で行われます。しかし、国会でも文科大臣が「実際にはタイムカードを押した後に引き続き職場に残って働いている方がいる実態も承知しています」との答弁もしています。業務内容が変わらなければ持ち帰り残業を行うだけになります。4月からの勤務時間管理を行うに当たっては、厳格な運用を行うよう求めたいと考えます。

同プランでは「週当たりの在校時間が60時間を超えないように」するのが当面の目標とされていますが、「勤務実態調査」では小学校で41.9%、中学校で52.3%の教員が60時間を超えていました。

現時点では教員の週当たりの平均在校時間は何時間となっていますか。答弁を求めます。

教職員の長時間労働の是正は、労働条件の改善として緊急であり、子どもの教育条件としてきわめて大切な課題となっています。

昨年12月に公立学校の教員に「1年単位の変形労働時間制」導入を可能とする法律が成立しました。この法案審議にあたっては、多くの教員が「長期休業中の休日を増やしても業務が多く消化できない」「平日の勤務時間が増えると仕事もさらに増えるのではないか」「学期中に体調を壊す教員がさらに増える」などと訴え、「反対」の意思を表明されていました。

法改定によって、教員の時間外在校等時間を「1か月45時間以内、1年間360時間以内」にする「指針」が告示されました。中野区の小中学校の教員の時間外労働が、1日当たり4時間近くあるものを半分に減らさなくてはいけなくなります。本当にできるのか疑問です。

教員の負担は非常に大きくなっています。今後は道徳の所見や小学校英語、プログラミング教育など、新学習指導要領の実施で業務量が増えていき、本来業務の指導や児童生徒に向き合う時間がより一層確保できなくなる懸念があります。

そもそも学校現場の矛盾は授業数に比して2割も少ない教員定数で、以前より膨大な業務をこなしているのが現状です。教員1人当たりの授業負担は長い間、「1日4コマ、週24コマ」とされてきましたが、国はその基準を投げ捨て授業負担を増やしてきました。週5日制の後も授業が教員増なしに増やされてきました。1日5コマ、6コマの授業をすれば残る時間は25分だけです。その中で授業準備や採点、各種打ち合わせ、報告書作りなど公務が終わるはずがありません。中学では部活動指導などのために長時間労働になっています。

こうした教員の長時間勤務の実情を顧みず、「指針」という上限を押し付け、「1年単位の変形労働時間制」を教育現場に定着を図ろうとしているのは許されません。

政府や東京都に抜本的な大幅な定員増を求めるべきです。また、区としても教員の増員を検討すべきではないでしょうか。(見解を伺いまして、この項の質問を終えます)

2.(続きまして)学童クラブの待機児童の解消について(伺います)

共働き世帯などの小学生が過ごす学童保育を利用する子どもは1500人あまりです。この5年で120人あまりが増加しています。今後も増加していくことが予想されています。こうした区民要望を受け止め、学童クラブを必要とされる地域にしっかりと区の責任で整備をしていくことを求めてきました。学童クラブは保育園と異なり、学校と自宅の間の通学路にあることが望ましく、学童クラブの誘致には十分な配慮が求められてきました。

4月から3か所の新規の民間学童クラブの運営が開始します。区も必要な地域に民間学童クラブを誘致してきましたが、通学路から外れているなど、必ずしも待機児童の解消につながらない困難さがあると感じています。

民間学童クラブを誘致しても、残念ながらなかなか定員を上回らないところもあります。こうした定数が充足しない理由はどのようなものと把握していますか。答弁を求めます。

昨年4月現在の待機児数は185人でしたが、今年1月時点では70名に減っています。学童の空きがあるのに活用されていないのではと残念に思います。

学童クラブを利用する児童や保護者のニーズをしっかりと把握し、それに基づいた区の対応を検討する必要があるのではないでしょうか。答弁を求めます。

新年度の「学童クラブ利用案内」では、「利用待機になった場合」の取扱いが変わるとされています。公立学童クラブの利用待機になった場合、区が保護者に連絡をし、利用希望の変更などを確認しています。その際、民間学童クラブを利用する場合、一部の民間学童クラブにおいて、区立の辞退をする必要がなくなりより利用しやすくなります。区民がより利用しやすくなるようにいっそうの改善を求め、この項を終えます。

3.(続きまして)国民健康保険について(伺います)

①(まずは)「多子世帯への均等割保険料の減免について(です)

国民健康保険は被保険者ごとに保険料がかかります。世帯に配偶者や子どもがいれば均等割保険料が賦課されますが、この仕組みは他の保険種別にはありません。わが党は国と都道府県の公費負担4.6兆円に1兆円の財源を投入し、「均等割」や「平等割」の保険料を廃止するなどの提案をしています。

それが実現するまでの間、自治体の努力で保険料の減免・徴収猶予を行う自治体が広がってきています。これは国保法77条に基づくもので、「決算補填以外の目的」と言われるもので、東京都の国保運営方針でも解消・削減すべき「赤字」とされていないものです。

東京都内では東大和、昭島、清瀬、あきる野各市で条例付則や取扱要綱で規定し、18歳未満の子どもに対し、均等割保険料の減免を行っています。東大和市では18歳未満の3人目以降は均等割保険料を未徴収に、昭島市では18歳以下の2人目の均等割保険料を半額にし3人目以降を9割軽減にしています。中野区の場合は2人目以降5割軽減ではおおよそ4500万円、3人目以降9割軽減では6000万円で実現できます。

子育て世帯の支援として、18歳未満の子どもに対し被保険料の均等割を減免することを検討すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

②(続きまして)短期保険証・資格証の発行(です)

中野区では国保における滞納繰越世帯の割合は2014年度26.8%であったものが、18年度には29.6%に上昇してきています。

滞納世帯に短期保険証や資格証明証を発行するに当たっては、納付相談・指導を通じて滞納者の実情等を十分に把握し、その実情を勘案するとなっています。「納付相談・指導に一向に応じようとしない」「十分な負担能力がある」などと認められる場合に発行するとされていますが、多くの自治体では資格証・短期証の発行を機械的に行っています。

中野区では2018年度には短期保険証が5117世帯に、資格証が942世帯に発行されましたが、区の窓口に来て、納付相談を経て一般保険証に切り替えられた方はわずか144件でした。資格証も一般証や短期証に切り替わったのは45件に過ぎませんでした。

横浜市は「事務取扱要綱」を改定し、行政側が悪徳滞納者と証明できない限り短期証の発行は行わないよう変更し、資格証明書や短期保険証の交付をゼロにしました。これらの発行によって滞納世帯と接触を増やしたからといって保険料の収納が可能という実態は少なく、その反対に発行のコストや手間がかかり行政効果が薄いと判断し、発行を取りやめたそうです。

また、正規の保険証を取り上げその代わりに渡す資格証明書は、医療機関の窓口でいったんは10割の負担をしなければならない事実上の無保険の制度で、お金がなければ医療にかかれないという制裁措置そのものです。

短期証や資格証の交付について、発行コストや手間など経済効率性の観点や医療の受診抑制防止の観点から短期保険証・資格証の発行を見直すことを検討すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

長年の国庫負担割合の削減に続き、都道府県化による一般会計からの法定外繰り入れの停止が目指されています。しかし、国保加入世帯の平均所得は約136万円、約70%の世帯所得は100万円以下です。これが国保世帯の生活実態です。政府も国保制度には構造的な問題があると認識しながら、放置をしてきました。現在、住民の福祉の増進を図る地方自治体の役割が問われていることを述べて、この項を終えます。

4.(続きまして)介護保険の運営について(伺います)

①(まずは)介護保険事業計画の進捗(です)

現在は3年間の第7期介護保険事業計画の2年目の19年度が終わる時期です。

この1年半あまりの間では計画期ごとのサービスの実績値が計画値を下回る状況となり、予定されていた介護給付費準備基金の取り崩しが行われずに2018年度末で、27億6800万円余となっています。

厚労省は2018年7月に「介護保険事業(支援)計画の進捗管理の手引き」を作成し、計画に掲げたサービスごとの見込み量と実際の利用状況が乖離していた場合、新たな取り組みを行わないと乖離が広がり、計画が形骸化するおそれがあるため、区市町村は計画年度の途中でも取り組みや目標の修正を検討する必要があるとしています。

2018年度の介護給付費の見込みよりも4.8億円下回っています。見込み差の要因はどのようなものがあると考えていますか。答弁を求めます。

現在、地域包括ケア「見える化」システムが導入されています。都道府県・市町村における計画策定・実行を支えるために「介護・医療の現状分析・課題抽出支援」「取組事例の共有・施策検討支援」などの機能が提供されています。こうした指標を用いて、地域間や時系列で比較し地域の課題を把握することが目指されています。

認定率や受給率、受給者一人当たり給付費の指標に焦点を置いた観点から、中野区の特徴点についてどのように把握されていますか。答弁を求めます。

先ほどの「手引き」では「受給率」に関わって「事業者の公募過程で問題が生じている」ことについて、想定したサービスが利用されない理由としてサービス提供事業者が想定通り開設できない場合があることを示し、参入しない理由を参入が期待できる法人等に聞き、その理由に応じて保険者として対応、協力すべきことの有無を検討する必要があるとしています。第7期計画における介護施設の整備目標の多くは残念ながら達成できていません。

参入が期待できる法人等に参入しない理由を聞き取り、それに応じた対応や協力すべきことを検討すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

高齢者やその家族から必要とされる介護保険施設の整備は待ったなしです。

介護保険施設整備における土地所有者からの提供を進めるために、区報・ホームページに留まらず、区民に対し土地提供のメリットを含め土地提供をいっそうに呼びかけるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

②(次に)介護人材確保に向けた取り組み(伺います)

団塊の世代が75歳を迎える2025年に向け、介護人材を量と質の両面から確保するために、国と地域が共同し、取り組みが進められています。国の事業として「介護に関する入門的研修」が実施されています。中野区では認定ヘルパー養成研修を2016年から実施しています。

中野区の認定ヘルパー研修はどれくらいの人が受講し、事業者への紹介につながっているのでしょうか。答弁を求めます。

東京都が進めている「TOKYO働きやすい福祉の職場宣言」は高齢・児童・障害分野の施設・事業所が働きやすさの指標となる項目を明示した都独自の「働きやすい福祉の職場ガイドライン」を踏まえ、人材育成、キャリアップ、ライフ・ワーク・バランスなど働く人にやさしい職場づくりに取り組んでいることを申請し、それが公表される仕組みとなっています。東京都内で940事業者が宣言事業所として公表されています。中野区内では1月末現在34事業所に留まっています。これらには施設や通所介護の事業所など一定規模のところが目立ちます。高齢・児童・障害分野のどこの施設・事業所でも働きやすくなるように推進していくべきです。

宣言に至らない介護事業者や小規模事業者などへの支援について、区としてはどのように行っていくおつもりですか。見解を伺いまして、この項の質問を終えます。

5.(続きまして)アルコールによる健康障害への対策について(伺います)

国はアルコール健康障害対策推進基本計画を2016年に策定し、東京都も推進計画を定めました。中野区は昨年「自殺対策計画」を策定しましたが、アルコール健康障害対策計画はありません。

少量のアルコールは大脳皮質の機能を抑え、短期的には不安を和らげますが、中等量以上になると衝動性や攻撃性を強め自己破壊的な考えが生じてしまいやすいのです。アルコール依存症に罹患していない、健康な状態の人にも出現すると言われています。自殺者の9割以上が何らかの精神障害に罹患していますが、働き盛りの男性の自殺ではアルコール摂取が影響している事例が多いとの統計も出ています。

アルコールやうつと自殺の関係について、どのように認識していますか。自殺者の中でアルコール問題に関係する方はどれほどおられましたか。答弁を求めます。

アルコール依存症とは、寝付くためや憂さ晴らしで飲み始めたつもりが、いつしか飲む量も増え、歯止めがきかなくなってしまい、やがては身体を壊し、仕事で失敗したり人間関係でトラブルを起こしたりするようになります。依存症という病気は自分が病気であるという自覚がない、病識が欠如したまま症状の重症化が進む方が多いといわれています。

内閣府実施の調査によると、アルコール依存症の相談場所として最も多いのが、「医療機関」(79%)で、「公的機関」は36%に留まっています。中野区ではすこやか福祉センターで、精神保健相談として専門医や保健師が応対し、アルコール関連の相談を行っています。その中では家族が相談に来て「本人をアルコール専門機関に受診させたい」や「本人の酒の量が多く、このままでは死んでしまうのではと心配している」などの相談が寄せられています。相談件数の中で、アルコール関連の相談は2018年度112件のうち8件、2019年度101件のうち14件で7%~14%ですから少ないとも言えません。

アルコール健康障害を有している方やその家族が、相談拠点であるすこやか福祉センターで適切な相談をうけられるよう、いっそうに周知していくべきではないでしょうか。答弁を求めます。

自治体として積極的に取り組んでいるのが板橋区です。同区では保健所でアルコール依存からの回復をサポートするために、看護師・臨床心理士などの専門家とともに本人ミーティング(継続相談会)や家族ミーティングを開催しています。昨年度の実績は家族100名、本人44名でした。アルコール依存症の専門医療機関への受診勧奨も行われています。

本人や家族のミーティングの開催とアルコール専門医療機関や自助グループとの連携も強化していくべきではないでしょうか。答弁を求めます。

警視庁の調べによると、少年の飲酒による補導件数が近年増加傾向にあります。未成年者に飲酒をさせない取り組みを進める必要があります。中野区主催の成人式で毎年、飲酒メーカーが飲酒との付き合い方を説明していますが、公的な場で特定企業が成人を迎えた若者に飲酒を誘引することは、不適切と言わざるを得ません。本来ならば、医師などの専門家に依存対象についての話題提供をいただく方がふさわしいと思います。いずれにしても、実行委員会の皆さんが創意工夫し公的な場にふさわしい演者を選定するべきです。

成人式では公的な場にふさわしい演者を選定すべきではないでしょうか。見解を伺いまして、この項の質問を終えます。

6.(最後に)その他(の項として)

①失語症者向け意思疎通支援者の派遣について(伺います)

新年度案では地域生活支援事業の意思疎通支援事業として「代筆・代読支援」の実施が予定さています。わが会派として求めてきており、多くの視覚障害者からも、喜びの声を伺っています。しかし、その中でも失語症者を支援する方から制度拡充の要望が寄せられています。

失語症者は高次脳機能障害の1種であり、主には脳出血、脳梗塞などの脳血管障害によって脳の言語機能の中枢が損傷されることにより、獲得した言語機能が障害された状態と言われています。失語症者は全国20~50万人います。失語症になると生活のあらゆる場面で意思の疎通ができなくなります。よって失語症の症状や対応を理解して会話の支援ができる支援者が必要なのです。2018年度から東京都は失語症者向け意思疎通支援者の養成を開始しています。

東京都において意思疎通支援者の養成はどれくらい進んでいますか。答弁を求めます。

障害福祉サービスの同行援護には「視覚障害により移動に著しい困難を有する方等」と限定されており、失語症者は対象外となっています。そして厚労省が、地域生活支援事業の意志疎通事業の中で、失語症者も対象であることを明確化させました。

中野区においても地域生活支援事業の意思疎通支援事業として、失語症者向け意思疎通支援者を派遣することを実施する検討を行うべきではないでしょうか、伺いまして、私からの質問を終了いたします。

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