中野区議会第三回定例会は9月9日~10月14日まで開かれました。党議員団は平成27年度決算をはじめ、区の施策を質しました。

平成27年度決算への反対討論(要旨)

 安倍政権が行う「アベノミクス」は、円安や株高で大企業や大資産家のもうけを増やすだけで、国民生活を潤すものになっていないのは各種統計で明らかです。勤労者の実質賃金が5年連続マイナスとなり、年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)が3年連続1100万人を超え、非正規労働者は38%に増加しました。特に若い世代ほど非正規雇用が増えているのは将来社会にとってとりわけ深刻なものになっています。
 中野区は「住民の福祉向上」の立場で、区民の切実な願いに応えていく姿勢こそがいま求められています。

区政史上最高の基金残高629億円に

 反対の理由第1に、この年度もささやかな区民要望に応えず、巨額の積み立てを行ったことです。決算年度は区政史上最高額の174億700万円余の基金積み立て等を行った結果、基金残高は一般会計ベースで約629億円にもなりました。この5年間、教育、障害、高齢者分野等での事業切り下げは行う必要がなかったうえ、区民の切実な願いに応えることは十分に可能だったのではないでしょうか。
 例えば、準要保護者への就学援助の支給時期の前倒しや、給付型奨学金制度の創設、木造住宅の耐震補強への助成など防災対策の拡充、若者や高齢者の住まい確保における支援は実施できたのではないでしょうか。保育園の待機児対策においては評価できる一方で、園庭など保育環境を充実した認可保育園の増設を区の責任で行い、待機児ゼロにすべきではなかったのではないでしょうか。
 決算年度では児童館を含めた子ども施設の来館者数は3万人増加し、こうした施設の役割はいっそう高まっていることが明らかになりました。それにもかかわらず「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)」では児童館・U18プラザの廃止、区立幼稚園の廃止、区立保育園のいっそうの民営化、区有施設の売却などの方針を打ち出したのは問題といえます。

不要不急の大型開発へ区負担額が膨張

 第2に、これまで以上に、不要不急の大型開発優先に踏み出すものとなりました。中野駅周辺まちづくり費の支出済額は27億円にもなりました。さらに、中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備では区の負担額は当初の71億円から119億円に膨れ上がりました。この区負担額膨張の根拠の検証について、中野区は中野駅周辺の開発当事者であるUR都市機構に検証させていることも明らかになりました。このこと自体疑念を抱かざるを得ません。

区民合意のない平和の森再整備を強行

 第3に、平和の森公園の再整備についてです。当初予算議決後に、第1次補正予算にて関連予算を計上し、平和の森公園再整備基本構想・基本計画策定等で約2230万円が決算値となりました。概算整備費については、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)で55億円と示されていたものが、倍近い108億円となったことが示されました。中野区はこれまでの長年にわたる同公園の歴史的な経緯をないがしろにしており、区民合意がないままに再整備を強引に進める姿勢は認めるわけにはいきません。

国保料は13年連続の値上げ

 国民健康保険事業特別会計では、国民健康保険料は均等割額で1500円の引き上げを行い、13年連続で保険料を引き上げました。中野区内でも、約3世帯に1世帯が保険料を滞納しており、払いたくても払えない状況が生まれていました。「高すぎる保険料」の問題を解決しようという区の姿勢が不十分と言わざるを得ません。