原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書

 福島第一原子力発電所の事故から5年が過ぎましたが、いまだに約10万人もの人々が県内外での避難生活を余儀なくされています。中野区内にも105世帯226人の方が避難されてきています。放射能汚染水は今なお増え続け、溶け落ちた核燃料の状態さえ分からず、「収束」とは程遠い状況です。
 そのような中にありながら、政府の原子力災害対策本部は昨年6月12日に発表した「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」の中で「復興の加速化」の名の下に、避難指示解除準備区域・居住制限区域について、2017年3月までに避難指示を解除する方針を示しました。そして国と福島県はその期日に合わせて、避難区域外からの自主避難者について災害救助法に基づく避難者への住居の無償提供を打ち切ることを合意しました。
2012年に国会において全会一致で成立した「原発事故・子ども被災者支援法」は被災者が被災地に残るか、避難するか、被災地に帰還するかの「いずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」と定めています。こうした理念を実現するために具体的な施策を拡充していくことが必要です。その点で2017年3月末での住宅支援打ち切りはこの法の趣旨からも逸脱していると言わざるをえません。
また、避難者の生活の最も重要な基盤となる住宅への支援策は、災害救助法で想定されていなかった長期にわたる放射性物質による汚染という原子力災害の特性に対処するためにも、新たな法制度が必要とされています。
よって中野区議会は、以下の点について求めるものです。

1 2017年3月末までになっている原発事故による自主避難者の公営住宅や民間賃貸住宅などの無償住宅支援の延長を行うこと。現在の入居者に対して2016年度末で退去を迫らないこと。
2 原発事故による被災者が避難を選択する権利を有することを認め、そのための国の責任を定めた「原発事故・子ども被災者支援法」を順守し、同法に基づく抜本的・継続的な住宅支援制度を確立すること。
3 福島県内外の避難者の避難先での住宅問題について直ちに十分な実態調査を行い、新たな立法措置を含む住宅支援制度を確立すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出します。

年 月 日

内閣総理大臣
総務大臣
復興大臣
内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) あて
内閣府特命担当大臣(原子力防災)
内閣府特命担当大臣(防災)

中野区議会議長名