23年度決算への反対討論(要旨)

決算年度も不況のもと、区民の暮らし向きは大変厳しい一年となりました。
区民一人あたりの給与収入がこの10年間で年間44万円も減少し、民間企業で働く会社員やパート・アルバイト派遣などの非正規従業員がこの2012年度1年間に受け取った賃金は平均で前年を1万円下回ったことが9月28日に発表されています。
生活保護を100人に2人が受給し、小中学校の就学援助認定も4人に1人となり、認可保育所への待機児童が400人を超えるなど、区民生活の実態は一層、深刻なものとなりました。

高齢者入浴まで廃止

反対する第一の理由は、区が平成23年度10月下旬に示した「事業見直し内容」の実施初年度のこの決算年度に、74事業で7億3千万円余の支出削減として、入浴困難高齢者支援入浴の廃止で入浴機会を奪い、生活保護世帯への法外援護一部廃止で子育てへの負担を増し、福祉タクシーへの所得制限導入で障害者の社会参加と行動制限を強いるなど、予算規模を区政史上最大としながら区民の切実でささやかな願いにこたえず、区独自のセーフティネットさえ切り下げ貧困と格差を拡大する決算となったことです。

開発関連で13億円余を

第二に、「厳しい財政」を口実に区民生活を切り捨てる一方で、開発関連事業は見直すことなく進められていることです。中野駅周辺地区第1期整備事業の最終年となったことで全体的には減少したものの、それでも都市政策推進室経営費1億9千万円余から中野駅周辺計画費及び整備費までの開発関連の執行額は13億3千万円を超えるものとなりました。また、中野駅周辺まちづくり関係人件費等で1億2千万円余としました。この間、旧地域センター等の区民施設から職員をひきはがし、都市政策推進分野を手厚くしてきました。その上で、開発事業の工事管理・技術支援業務委託を前年度から2年間で8千500万円余を執行するなど、結局、この年度も開発関連は聖域化されてきたことが反対の理由です。

基金は441億円に

第三に、財政非常事態だからこのままでは財政調整基金が底をつくと言いながら、2010年度の基金繰り入れ57億円の予定が10億円、2011年度は37億円の予定が20億円、2012年度は57億円の予定が15億円で済ませ、結局、199億円余で、基金全体の残高は441億円を超えるものとなっています。国による政治・経済の失政によって区民生活が削減、圧迫されるその時にこそ基金が活用されるべきであります。そうであれば、区民のささやかな願いに背を向け、セーフティネットまで踏みつけてしまうことにはならなかったはずです。
加えて、予算化の段階で財政調整交付金の歳入を厳しく見込むことにより、一般財源で2012年度24億円の増額としました。また、予算化しながら不用額としたのは2011年度で46億円、2012年度で41億円と大きくなっています。予算現額に対し不用額が子ども教育費で2.7%、健康福祉費で3.4% 、環境費で2.5%であるのに、都市政策推進費は12.2%の2億8千万円を不用額とし、産業振興計画費は5千500万円を予算化しながら27%の執行率で4千万円を不用額としました。予算との見込み違いと言いますが、予算段階で事業内容を精査できていないことが問題です。

歳入では適正な積算をすることなく、歳出でもこういった不用額を出して基金の取り崩しを減らし、結果、剰余金を出して、基金を積み増しするという手法を常態化させています。こうした財政運営をすすめることによって、区民要望にこたえようとしないことが、反対の第3の理由です。

『憲法擁護・非核平和都市』宣言塔
1983(昭和58)年、「憲法擁護・非核都市の宣言」1周年を記念して設置されたもの。現在の塔は、1992(平成4)年8月に、宣言10周年にあたって建て替えたもので、「憲法を大切にし、世界中の人々と手をつなぎ、核をもつすべての国に核兵器をすてよと訴える」という宣言文とスローガンが記されています。
所在地中野四丁目8番1号区役所前