予算要望2020

                       2019年10月21日
中野区長 酒井直人様
                       日本共産党中野地区委員会
                       日本共産党議員団

2020年度予算編成についての要望書の提出にあたって

 安倍政権は消費税率10%への増税を強行しました。実質賃金の低下や低迷する消費動向など、景気悪化が鮮明な中での消費税率引き上げは過去になく、さらなる消費の落ち込みや業者の倒産・廃業を招き、暮らしと景気に破滅的な打撃となることは明らかです。消費税率を5%に戻し、暮らし・経済を応援すべきです。「社会保障のため」と言いながら「全世代型」の名で医療・介護など国民への負担増を画策していることも見過ごせません。
 来年3月29日からの運用開始を決定した羽田新飛行ルートは、健康被害をもたらす騒音や落下物の危険の解決策が示されないばかりか、「地元の理解と協力が前提」との約束を反故に強行しようとしています。東京都は国の決定に同意し感謝のコメントまで行いました。これでは、都民の命と健康を守るという責務を放棄していると言わざるを得ません。白紙撤回すべきです。
 さて、中野区では、区民の声を聞き生かす区政の歩みが始まっています。現在、今後の区政運営の指針となる新しい基本構想・基本計画の策定作業が行われています。住民の参加と自治を貫き、暮らしと人権を守る安心と希望の持てる基本構想・基本計画となることを求めます。その上で、行政の公的責任の明記は欠かせません。
 また、大規模プロジェクトの推進だけでなく、福祉・教育・防災など、直接に区民生活に関わる施策・事業についてもきめ細かな対応を求めます。併せて、今日の区政運営を担っていく上でも職員の新規採用を行い、量質ともに組織強化を図ることが必要です。
公共施設のあり方が課題となっています。行政マネジメントの視点にとどまらず、住民の暮らしと権利、コミュニティの視点から公共施設の機能と管理・運営、及びあり様を検討していくことが必要と考えます。また、2021年度の児童相談所設置に向けて、国と都に財政支援を強く求めるとともに、経験のある専門職をはじめとした十分な職員配置が図られることを要望します。
 来年度は施設使用料改定の検討の年にあたります。議会からも指摘をされていた使用料算定基準となっているフルコスト算定や性質別利用者負担割合等については、抜本的な見直しを求めます。また、高すぎる国保料を抑えることが必要です。特に子育て世帯への均等割への軽減策の実施は被保険者のみならず、23区への波及効果が大きいと考えます。
 今回も多くの区内各団体の皆さまと懇談を重ね、要望をうかがってきました。区民への新たな負担増やサービス減は行わず、暮らし・福祉を応援する区政の実現が待たれています。今回、予算要望書を提出するにあたっては、来年度予算に反映・計上していただきたい項目に絞って作成をしました。
中野区の舵取りとともに、子育て先進区にふさわしく予算編成にしっかりと生かしていただくことを要望します。
以上

1. 医療・介護・福祉の充実を

(1) 介護施策について
① 第7期介護保険事業計画の施設整備目標を実現するにあたって以下の点を踏まえること
ア. 公有地活用を積極的に図ること
イ. 民有地活用が図られるよう情報提供を積極的に行うこと
ウ. 介護施設整備担当の拡充を図ること
② 第8期介護保険事業計画の検討にあたっては、高すぎる保険料基準額の引き下げに努めること
(2) 高齢者施策について
① 認知症対策ネットワークを構築すること。特に一人暮らし・老々介護世帯への緊急支援体制を構築すること
② すこやか福祉センターについては5ヶ所目の整備及び職員体制の充実・強化を図ること
③ 町会・自治会活動での事故に備える賠償責任保険加入を検討すること
④ 友愛クラブへの支援を強めること
⑤ シルバー人材センターへの区発注を増やすとともに、補助金を増額すること
(3) 国民健康保険事業について
① 国保料の値上げを行わないこと
② 第2子以降の多子世帯への保険料の軽減措置を図ること
(4) 生活保護について
① 以下の項目について国に求めること
ア. 生活扶助費の削減を止めること
イ. エアコン設置費の支給は2018年4月以前からの受給者も対象とすること
② ケースワーカーを80世帯に1人の標準数まで増員すること
(5) 医療・健診・検診について
① 18歳までの子ども医療費無料制度を実施検討すること
② 小学校児童までのインフルエンザワクチンの接種助成を拡充すること
③ ロタウイルスワクチン接種への助成を拡充すること
④ 検診・健診制度の充実のため、以下の対策を講じること
ア. がん検診、特定健診、後期高齢者健診、健康づくり健診は無料とすること
イ. がん検診の対象者全員に受診券を送付すること
ウ. 成人歯科検診の受診券送付対象を拡大すること
エ. 胃がん検診に胃カメラを導入すること
⑤ 無料定額診療事業の周知を図ること。国に対し、調剤薬局を対象施設とするよう求めること
⑥ ウィッグ(かつら)や胸部補装具の購入費用助成を検討すること
(6) 障害者施策の充実について
① 重度障害者グループホームを急いで整備すること
② 区職員の障害者雇用率の法定基準を守ること。また、区内事業者にも守らせるよう取り組むこと
③ 医療的ケアが必要な障害児(者)への支援のため、緊急一時保護やショートステイの充実を図ること
④ やまと荘、やよい荘で行っていた緊急一時保護事業を再開すること
⑤ 障害者手帳を持っていない聴覚障害への補聴器購入費などの助成を検討すること

2. 子育て先進区としての取り組みを

(1) 子どもの権利を守るため、以下の取り組みを行うこと
① 子どもの権利条例の制定にあたっては子どもの意見が十分に反映されるよう取り組むこと
② 子ども家庭支援センターを充実し、関係機関との連携の下での対策を強化すること。虐待された子どもとその親へのケアを行うこと
③ 児童相談所の設置にあたっては経験ある専門職を十分確保すること
(2) 保育園について
① 認可保育園の増設で待機児童の解消を図ること
② 宿舎借り上げ事業及び保育士確保補助を継続すること
③ 事務職員を常勤で雇い入れるための人件費に加算・補助を行うこと
④ 保育所運営充実費を増額すること
⑤ 家庭的保育事業対し、欠員対策費を支給すること
⑥ 療育センターによる巡回指導を増やすこと
⑦ 「保育の質ガイドライン」を子どもの成長と発達を保障するものとすること
⑧ 区立保育園の民営化は行わないこと
(3) 幼稚園について
① 私立幼稚園入園料補助金の増額を行うこと
② 保護者補助金の維持・継続をすること
③ 私立幼稚園の教育環境の改善や教職員の処遇改善、人員確保を図ること
④ 「楽しい園児の集い」への助成を継続し増額すること
⑤ 区立幼稚園は認定こども園に移行せず、存続させること
(4) 児童館や学童クラブなどについて
① すべての児童館を存続させること
② 学童クラブの待機児童を解消すること
③ 中学生・高校生利用の館を当事者の参画を経て整備すること
(5) 教育について
① 国と都に小中学校全学年での35人以下学級の実現を求めること。また、区として少人数学級の実施を検討すること
② 生活保護の基準引き下げに伴って就学援助基準が下がらないよう措置を講じること
③ 就学援助の準要保護者の基準を生活保護基準の1.2倍へ戻すこと
④ 教職員の労務管理にタイムカードを使うこと
⑤ 学校給食費の無償化に向けた検討を行うこと
⑥ 学校再編計画の検証を行うこと
⑦ 小中学校の維持補修費を増額し、雨漏りのない学校と老朽化した校舎の改善を図ること(雨漏り対策や床・壁の改修、教室・廊下・体育館の照度、フェンスの赤錆、窓・非常階段・トイレ改修など)
⑧ 蔵書数が文科省の基準に達していない学校図書館の改善を図るとともに、図書費を増額すること
⑨ 子どもの発達段階に応じて以下の教育内容を充実すること
ア. 平和教育を小中学校の授業に取り入れること
イ. 性的マイノリティ(LGBT・SOGI)の理解を進める教育を行うこと。また、そのための教員研修を充実させること
ウ. 危険ドラッグなど薬物乱用防止の啓発と教育を充実させること
エ. がん教育を進めること
オ. 喫煙防止教育を充実させること
カ. デートDVや性教育を充実させること

3. 文化・施設の充実を

(1) 文化振興条例と文化振興計画策定を検討すること
(2) 現存する旧中野刑務所正門(平和の門)は保存すること
(3) 新体育館の使用料は現在の体育館使用料からの大幅な上昇を避けること
(4) 図書館について以下の措置を取ること
① 東中野・本町図書館を廃止せず、区立図書館8館体制を維持し、図書館行政を住民要求に合わせて充実させること
② 図書資料及び視聴覚資料の充実を図ること

4. 産業・就労支援を

(1) 区内商業について
① 商店版リフォーム助成の実施を検討すること
② 商店街の街路灯などの共同施設は設置から撤去に至るまで維持・管理を支援すること
③ 商店街の歩道については公共性の見地から支援を強化し、優先して補修を行うこと。その際、点字ブロックの敷設状況を見直すこと
④ 買い物が困難な区民を支える宅配事業・移動販売などを支援すること
(2) 区内業者育成について
① 公契約条例の制定にあたっては、専門家や関係団体の声を充分に反映すること
② 良質な公共工事の確保のため、現場労働者・一人親方の賃金・衛生・労働時間の実態調査を行うこと
③ 契約内容の内訳を明示し、設計労務単価の引き上げや、法定福利費が適正に反映されているか検証できるようにすること
④ 入札制度の改善について、以下の対策を講じること
ア. 条件付き一般競争入札制度を継続すること
イ. 入札1回目での事態に対して積算資料の提出を義務付けること
ウ. 総合評価方式の評価項目に格差是正への取り組み、安全への配慮、区民雇用率を加えること
エ. 総合評価方式において区内業者を下請けした企業に二省協定の労務単価を加点すること
オ. 総合評価方式の特別簡易型の価格点の係数を70から50とすること
(3) 就労支援について
① 不安定雇用やニート引きこもりなど、困難を抱える青年を総合的にサポートする相談窓口の設置を検討すること

5. 災害から区民を守るために

(1) 震災対策について
① 家屋等の倒壊などから区民の命を守るため、以下の対策を講じること
ア. 木造・非木造住宅耐震補強工事助成を行うこと。木造住宅の防耐火改修助成を検討すること
イ. 新耐震基準(1981年6月以降)の木造住宅の耐震診断・耐震化についても支援を行うこと
ウ. 感震ブレーカーの設置助成を行うこと
エ. 高齢者・障害者の家具転倒防止事業の周知を図るとともに、器具代を無料とすること
オ. 倒壊の危険のあるブロック塀の撤去・改修に助成制度を設けること。また、擁壁の改修助成を検討すること
カ. 危険建物、ブロック塀、擁壁などの調査を行い「危険度マップ」に反映させること
② 昭和40年代頃までに都市計画決定された道路については、整備の是非や修正を含めて住民参加で検証し、事業化を拙速に進めないこと
③ 帰宅困難者対策として、以下の対策を講じること
ア. 鉄道事業者や商店街、大型店などと協定し、電光掲示板や放送設備などで、被害状況や交通情報、避難誘導などの情報を提供すること
イ. 中野区帰宅困難者対策協議会に障害者団体、医療関係者の参加を得るとともに女性の比率を高め、体制強化を図ること
④ 避難所に段ボールベッドを備え、活用を図ること
⑤ 子ども・高齢者、障害者など災害弱者の視点での避難所運営に努めること
⑥ 自主避難所に食料品などを配備すること
⑦ 初期救出に役立つよう清掃車にバール・ジャッキ等を常備すること
⑧ コミュニティFMの設置を検討すること
(2) 水害対策について
① 中野区洪水ハザードマップを充実すること
② 内水氾濫を防ぐため、東京都に対し古くなった下水道の更新を働きかけること

6. 区民目線でのまちづくりを

(1) ユニバーサルデザインについて
① ヘイトスピーチを許さない立場から、ポスターの普及やイベントでの啓発を進めること
② 性的マイノリティ(LGBT・SOGI)の理解のための啓発活動を行うこと。認証制度の内容の拡充と普及の充実を図ること
③ ドメスティック・バイオレンスやセクシャル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、モラル・ハラスメントの防止及び女性の経済的自立の支援の促進に力を注ぐこと
(2) JR沿線のまちづくりに係わって以下の点を行うこと
① 中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備は、遅滞なく進めること。またJRに対し、朝・夕の北口改札の現況を鑑み、即効的な措置を講じるよう求めること
② 東中野駅東口にエスカレーター・エレベーターを早期に実現すること。またJRに対し、ホームドアや可動ステップの設置を急ぐこと。東中野駅西口の桜並木は、桜を植樹し並木を保存するとともに、菜の花を咲かせるよう求めること
③ 中野4丁目西地区エリアの市街地再開発にあたっては、権利者の合意なく進めないこと
(3) 西武新宿線沿線のまちづくりに係わって以下の対策を求めること
① 鷺ノ宮駅南口にエレベーターを設置するため、西武鉄道に働きかけること
② 新井薬師前駅踏切の安全を確保するため、駅施設内の歩道幅を拡幅やホームドア、可動ステップを設置するよう西武鉄道に働きかけること
③ 野方駅以西の踏切渋滞解消については地下化で実現するため都に働きかけること
(4) 公園について
① 哲学堂公園の再整備の見直しは、区民と利用者の参加のもとで行うこと。また、児童遊園は現状のまま活用すること
② 四季の森公園内について芝生管理を見直し、草地にすること。また、授乳室の改善を図ること
③ ユニバーサルデザインへの配慮や防災機能の拡充、多様な遊具の設置など個性豊かな公園整備に利用者・専門家の知恵を生かすこと
④ 公園の植栽・清掃・除草費を確保し、公園・広場を適切に維持・管理すること
(5) 住宅について
① 建築物の高さ制限などの規制により、景観・住環境を守ること。
② 借り上げを含めた公営住宅供給を増やす方針を持つこと
③ 民間賃貸住宅に住む新婚世帯、ファミリー・青年層に家賃を補助する仕組みを検討すること
④ 住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑入居を促進するために、行政・民間事業者・NPO団体の三者をもって居住支援協議会を創設すること
⑤ 旅館業法施行条例を見直し、フロント設置を義務づけること
⑥ 住宅リフォーム助成の実施を検討すること
(6) 交通について
① コミュニティバスやデマンド交通など地域公共交通実現に向けた検討を進めること
② 自転車レーン網の整備を検討すること
③ 区内駅周辺に自転車駐車場を増設すること
④ 鉄道事業者に対し、自転車駐車場用地の無償提供や運営費用など応分の負担を求めること

7. 環境対策の充実を

(1) 地球温暖化対策について
① 環境基本計画のCO2削減目標はパリ協定を踏まえ気温上昇を2度未満に抑えるための水準にすること
② 気候変動適応計画を策定すること
③ 太陽光、太陽熱、地中熱等地産地消のエネルギーへの転換を進めること。そのための助成制度を創設すること
(2) 羽田空港への都心上空を通る新空路に対し、国に中止を求めること
(3) 現存する緑を守ること。みどりを増やす計画を作ること
(4) 飼い主のいない猫の不妊去勢手術の助成について、個人や団体も対象とすること
(5) ゴミ行政について
① 清掃業務の委託のあり方を検証すること
② ゴミ出しトラブル防止の取り組みを進めること

8. 平和施策の充実を

(1) 政府に安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復を求めること。また、核兵器禁止条約に参加するよう求めること
(2) 横田基地へのCV-22オスプレイの配備を撤回するよう国に求めること
(3) 小中学生を対象にした広島・長崎・沖縄への「平和を考える旅」を企画すること
(4) 「憲法擁護・非核都市の宣言」の銘板やポスターパネルの修繕を行うこと
(5) 新中野総合体育館内の平和資料展示室の開設は区民、関係団体の意見を反映し充実を図ること

9. 職員体制の改善を

(1) 職員2000人体制を改め、職場の実態に合わせた増員を図ること
(2) 職員年齢構成が均等になるよう採用に努めること
(3) アルバイトの賃金を引き上げること