2015年11月13日

中野区長 田中大輔 殿

日本共産党議員団

区有施設等における杭打ち工事のデータ不正流用について

日頃より、区民のためにご尽力いただいていることに敬意を表します。

さて、横浜市のマンションで基礎杭の不正施工によって建物が傾いた問題に端を発し、この期間に明らかになった旭化成建材の杭打ち工事のデータ偽装は、公営住宅や学校など、全国各地の公共施設にまで波及し、多くの区民の皆様からも不安の声が寄せられています。

区内でも、10月中旬頃に、母子生活支援施設及び現在施工中の南中野区民活動センター等新築工事の2施設において、下請けとして旭化成建材が横浜市のマンションと同じ工法による杭工事をしたことが明らかになりました。11月5日付の区ホームページでは、区としてデータの再確認を行ったところ、南中野区民活動センター等新築工事においては掘削工事データの電流値の一部について類似データが見受けられたため、旭化成建材に確認したところ、11月4日に施行報告書のデータの流用があったとのことです。また、同様の工法により平成22年に竣工した母子生活支援施設についても、データの流用等がなかったか再調査を行っているとのことです。一昨日の11日には、区内の都営アパート(白鷺1丁目第3アパートの5-1号棟と4号棟)でもデータ流用が判明しました。杭を打ち込む深さやセメント量のデータを偽装したと指摘されている三井住友建設とその下請けの旭化成建材の責任が厳しく問われることはもちろんのこと、同時に国や行政の責任も重大であり、建物の安全性を確保すべき行政が、偽装を見抜けなかったことは深刻です。

背景には、1998年の建築基準法改正により、従来は地方公共団体の建築主事が建築確認・検査を実施していたものを、民間の「指定検査機関」でも検査を可能にするなどした建築行政の規制緩和があり、事実上、株式会社も含めた民間機関に「丸投げ」される形となりました。2005年に起きたマンション耐震強度偽装事件は、民間任せの危険性を浮き彫りにし、今回、これらの大規模なデータ偽装が再び起きたことは、問題を事実上放置してきた国・自治体の責任が問われます。

建築基準法第1条には、「国民の生命、健康及び財産の保護を図る」と明記され、また、同20条では「建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、定める基準に適合するものでなければならない」とされています。こうした点からいえば、国は偽装事件が引き起こされたことの原因究明とその責任と背景を明らかにし、説明責任を果たすべきです。また、今後、データの改ざん等の不正を許さず、安全を最優先する法制度に抜本的にあらためることも求められます。区としてもそのことを国に求めるべきです。現時点で判明している区有施設等における杭打ち工事のデータ不正利用の問題については、正確な情報収集とともに、事業者のデータを元に区独自に検証し、徹底的な調査を行うことを申し入れます。