2019年第3回定例会にあたり、日本共産党議員団の立場で一般質問します。

1. 災害対策について

まず震災対策について伺います。先日、私は東大地震研究所教授の平田直先生の講演を聞きに行きました。その中の首都直下地震にいかに備えるか、というお話は震災対策を考える上で非常に重要でした。首都直下地震で想定されているマグニチュード7という地震の規模としてはありふれた地震に、大震災に至る巨大なリスクがあることと同時に、そのリスクは軽減できるし、しなければならないというお話でした。その際に、建物の耐震性強化が最も重要だと述べられていましたが、それはわが会派が度々求めてきた耐震リフォーム助成制度として、来年度に実施すべく準備中と言うことで今日は触れません。私からはいざ地震が起こった時、いかにして区民の命と財産を守っていくか、という観点からいくつかの具体的な提案をしたいと思います。
一昨年、地域で行われた避難所開設訓練に参加しました。防災倉庫から仮設トイレやジャッキを運び出し、みんなで協力して救助や避難所設置を行いました。しかし自分を含めても地域からは10数人しか参加しておらず、これではいざ地震が起こった時、訓練に参加した人が防災倉庫から避難所の装備を取り出して、複雑な手順の仮設トイレの設置などを円滑に行うことは難しいなと感じました。

Q1.防災資材倉庫の中身を紹介する動画や、仮設トイレの設置方法などを紹介した動画を作り、それを区のホームページにリンクとして貼るのはいかがでしょうか。もちろん街中の人に訓練に参加してもらうことが一番ですが、なかなか難しいのが実情です。そんな時、分かりやすく解説した動画があれば、多くの人が担い手になりうるのではないでしょうか。検討を求めます。

また、地震が起こった時、避難所や防災資材倉庫が開けられるのか、という問題もあります。現在、避難所や防災資材倉庫の鍵はその鍵を持った人が来ないと開けることはできません。しかし、それでは必要な支援が必要なときに行えないということにもならないでしょうか。そこで今、普及が始まっているのが、振動を感知して自動で鍵を開けられるようにする装置です。機械式のものから電源を必要としない単純な構造のものまでさまざまな種類があります。

Q2.地震発生時に適切な支援が行なえるよう、区として振動感知式の開錠装置導入の先行事例の調査などを行い、中野区でも導入の余地があるか検討していく必要があるのではないでしょうか。

次に軽可搬消火ポンプについてお伺いします。現在、区はスタンドパイプの増強を進めています。軽量で操作も簡単なスタンドパイプを普及していくことは非常に重要です。しかし、それに合わせて区は、現在ある軽可搬消火ポンプについて、新たな整備は行わないという方針を取っています。スタンドパイプは手軽に使えるものの、送水の圧力を消火栓に頼っているため、水道管が破裂してしまっていた場合などは十分に送水できないなどの弱点も抱えています。そんな時に役立つのが軽可搬ポンプです。これがあることでスタンドパイプが使えないときにも、その役割を補完する事が出来ます。一方で軽可搬ポンプは整備・使用に一定の技能が必要で、扱える人を確保するのが難しいということも聞いています。
Q3.そこで、新たな整備はしないという方針は見直し、整備を希望する防災会の調査を行い、手上げ方式からでも引き続きの整備を行っていってはいかがでしょうか。

水害対策に関わって一点お尋ねします。ここ数年毎年のように日本各地で水害が発生し、多くの犠牲者が出ています。多くの自治体でハザードマップが作られていますが、今、避難情報をえても避難をしない方がかなりの割合いることが課題となっています。7月に放送されたNHKスペシャル「検証・西日本豪雨 ~何が生死を分けたのか~」では甚大な被害を出したある地区では避難対象者のうち1割しか避難所に避難しなかったという事例が紹介されていました。スタジオでの討論では「「あなたの地域・自宅は被災するかもしれない」という、こういう受け手にとってリアリティーのあるリスク情報を、行政がもっと住民に知らせる、共有していくということが重要」「住民サイドにみずから判断できる情報を、より精緻な情報を出していくということが必要」と触れられていました。
中野区の現在の洪水ハザードマップは一枚紙に区内全域が載っており、自分のところが浸水するかどうかが分かりにくくなっています。また浸水深は書かれているものの、それがどのような状態かは想像しづらいと感じます。住民の適切な避難を促すためにも、洪水が起きればどのような状態になるか、想像できるように表現を工夫していく必要があるのではないでしょうか。

Q4.江東区ではハザードマップに小学校や区役所などの写真を載せ、洪水が起きたとき、街がどの程度まで浸水するのかを分かりやすく示す取り組みをしています。中野区でもハザードマップをこのように充実させてはいかがでしょうか。

2. 環境問題について

続いて環境問題、地球温暖化対策について質問いたします。先日の区民委員会にその第三次環境基本計画の改定初年度である2016年度の中野区のエネルギー消費量及びCO2排出量の推計値が報告されました。そこで出された数値は、区が基本計画で2020年度に達成しておくべきだとしていた目標値よりもさらにエネルギー消費量とCO2排出量の削減が進み、あと少しで計画最終年度の2025年度に達成しておくべきだとした目標に到達しようかというところまで削減が進んでいるものでした。

Q5.計画を前倒して達成することは喜ばしいことと思ってしまいそうですが、私はそもそもこの目標値自体が低すぎたのではないかと思っています。2016年度のエネルギー消費量及びCO2排出量が環境基本計画で定めた5年後の目標値を既に達成していることについて、どのような認識をお持ちでしょうか。答弁を求めます。

現在、環境審議会で2021年度から改定される環境基本計画に盛り込むべき中身の審議が行われています。具体的な目標値などの議論は計画の素案が出たときなどに改めて行いますが、私はCO2排出量の大幅削減の目標が設定するという姿勢は区が持っておくべきだと考えます。環境NGOのCAN‐JAPANが9月2日に「気候危機を乗り越えるため、国連気候サミットで約束を 日本政府はパリ協定の1.5度目標に沿って、2030年目標を引き上げるべき」を補導発表し、日本政府の現在の2030年の排出目標が気温上昇を1.5度~2度に抑えるのに不十分であるため、排出量削減の大幅な目標引き上げが必要であると指摘しています。今度改定される環境基本計画は2030年度までを見すえたものになります。まさに、ここでの目標設定が将来世代に背負いきれないほどの大きな負担を押し付けることにもつながりえます。
また時代は、意欲的なCO2排出量目標を持つことはその良し悪しが問われるという時代から一歩先に進みつつあります。その象徴的な動きが「RE100」プロジェクトです。これは使用電力の全てを再生エネルギー電気で賄うことを公約した企業の連合体ですが、ここに世界・日本で活躍する多くの大手企業が加入しています。世界経済は再生エネルギー中心で動き始めており、再生エネルギーを使わない事業活動は、世界の主流から外されてしまうという時代なのです。自治体への影響としては「再生エネルギーを供給できない自治体からは企業が逃げていく」ということが起こりえます。横浜市では市内に立地する企業が再生エネルギーの電気を使いたいと言っていることもあり、「手を打っておかないと横浜市から企業がどんどん逃げ出す時代が来るのではないか」との危機感から、自治体間連携で再生エネルギー電力を調達する計画を進めています、
このように大幅なCO2排出削減とそのための具体的な計画を持つことは時代の要請でもあります。

Q6.環境基本計画の改定にあたっては、気温上昇を1.5度~2度に抑えるためにCO2排出量の削減目標を大幅に引き上げる必要があると考えますが、区の認識をお答えください。

今、様々な環境NGOが実現可能な目標としての大胆な削減目標の提示を示しています。例えば、気候ネットワークではCO2排出量を1990年比で2030年に40%~50%削減というものです。中野区の2016年度比で見れば、46%~55%削減にあたります。これだけ削減するには、国による電源構成の見直しが早急に必要で、単純に中野区だけで減らすことには大きな困難もありますが、重要なのは国の取り組みの前に中野区としてできることを何でもやらなければならないということです。その一つに、以前より求めてきました太陽光発電の導入促進事業は大変重要です。なぜならば、太陽光発電の導入は直接に家庭からのCO2排出を抑えるからです。東京都でも太陽光発電を普及させるために、設置に要する初期費用が0円になる新たな制度が始まりました。

Q7.中野区でも太陽光発電の導入を促進するための事業が必要ではないでしょうか。

また、固定価格買取制度導入から10年が経ち、買取単価がどんどんと安くなっていることから、ただ太陽光発電設備を導入することへの助成では、そうした事業を実施したとしてもうまく回らない可能性もあります。

Q8.そこで、太陽光発電を導入する区民に対して蓄電池の導入を助成する事業を行ってはどうでしょうか。北海道胆振東部地震においても太陽光発電設備と蓄電池をセットで導入していたことにより、停電時にも電気が使えたなど、防災上も大きな利点があったと聞いています。今回の台風15号での停電の長期化を見ても、必要性は明らかではないでしょうか。事業化に向けた早急な検討を求めます。

この項目の最後に高齢者の熱中症対策について伺います。先日、私の知り合いの70代の女性が熱中症で亡くなりました。エアコンはあったものの、認知症になっている中、スイッチをつけることができず、熱中症で亡くなり、3日後に発見されました。東京消防庁のまとめでも9月3日現在、23区全体で103人、中野区では4人が熱中症によって死亡しています。気象庁が昨年の猛暑について「一つの災害」と表現したように、多くの人的被害が発生しています。
区も環境基本計画区はホームページのトップ画面で熱中症の啓発ページの周知を行い、エアコンの使用や暑さをしのぐための区有施設の案内をしています。しかし、近年の猛暑は夜でも熱中症が発生する事態になっており、先ほど紹介した私の知り合いの方も夜から明け方にかけて亡くなりました。自宅で熱中症にならないための対策がどうしても必要と考えます。
現在、低所得者がエアコンの設置費用とするために受けられる制度は、社会福祉協議会の貸付制度しかありません。しかしその条件は一人世帯なら所得19万1千円以下であり、返済の見込みがあることとなっており、昨年度の実績は5件しかありません。区内の生活保護世帯でも3分の1にあたる2000世帯以上がエアコンのない住宅に住んでおり、「エアコンをつけたいけど、お金がない」という方は大変多くいると思います。
荒川区では昨年度、高齢者と障害者・子育て世帯を対象にしたエアコンの新規購入者への上限5万円の助成制度を創設しました。1500万円の予算に対し、234件・1080万円の助成実績だったということです。区民からの求めもあったようで、今年度も昨年度に申請できなかった人がいることを念頭に、フォローアップ事業を1000万円の予算をつけて行っています。
Q9.区民の命を守るためにも高齢者・障害者世帯へのエアコン購入費補助事業を実施する必要があるのではないか。

3. 住宅政策について

続いて住宅政策について伺います。現在区では、基本計画の実施に合わせた住宅マスタープランの改定をすべく住宅政策審議会での審議が進められています。2019年1月に出された住宅マスタープランの延長をするために、新たに取り組むべき事項を示したという「新たな住宅マスタープラン策定に向けた中間まとめ」が発表されました。その中の「居住の安定確保」という項目では2017年の住宅セーフティネット法の改正を受けた新制度に基づく住宅確保要配慮者支援の視点を持った政策が今後求められていると述べています。こことのかかわりで区営住宅・福祉住宅等の適切な管理を実績として掲げています。この事は大事な視点だと思いますが、その成果の測り方に公営住宅はまったく含まれていません。これでは区営住宅や福祉住宅などの公営住宅に対して、区がどのような役割を担っていると認識しているのか把握ができません。

Q10.公営住宅には特に低所得者の居住確保に重要な役割を果たしていると考えますが、その役割についての区はどのように認識しているでしょうか。

現在、区営住宅・高齢者福祉住宅の応募倍率は2014年度から2018年度の5年間平均で6.8倍、6.3倍と高止まりしています。応募しても当らない、誰かが死なない限り入れない。冗談交じりでそのように言われることもあります。東京の高家賃は文字通り高齢者の生活を直撃しています。これまでの住宅ローンを払い終えた高齢者が持ち家で年金を受給しながら暮らすというモデルはすでに崩れ去っており、単身高齢者が賃貸で暮らし続けることを前提とした住宅政策への転換が求められています。その際、「住まいは人権である」との視点に立った政策展開が必要でその中心となりうるのが公営住宅の供給政策ではないでしょうか。

Q11.そうしたことから考えるに、少なくともの現在の区営住宅・高齢者福祉住宅は存続し、なおかつ戸数を拡充していく必要があるのではないか。区の見解を求めます。

続いて、鷺宮西住宅における居住者の権利を守るための取り組みについて伺います。1959年から61年にかけて建設された東京都住宅供給公社の鷺宮西住宅は現在、公社の再編整備計画において、建て替えすべきものとの位置づけになっています。昨年の第3回定例会において、公社住宅の家賃値下げを求める陳情が審議された際、公社から出された資料によると、江古田住宅・鷺宮西住宅の入居者の内、60歳以上の割合は60%にも達しました。また両団地自治会が行った居住者アンケートでは回答した世帯の8割が年間収入200万円以下と回答しており、低所得の高齢者が多数入居している実態が伺えます。
このような現状にありますが、公社は2003年以降の入居者に対しては、定期借家という形で賃貸をしています。定期借家制度とは3年間で再契約し、契約期限で退去する制度であり、従前からの居住者のように期限の定めなく入居できるようにはなっていません。公社はこの定期借家による入居者に対して、再編整備計画に伴って2021年3月末には契約更新することなく、退去を迫っています。公社は居住者に対して、西武新宿線連続立体交差事業や鷺ノ宮駅周辺のまちづくりの関連からこのような措置を取っていると説明しています。しかし先日の建設委員会でも報告されたように、鷺ノ宮駅周辺のまちづくりは現在、区のまちづくり整備方針(素案)がようやく提示されたばかりで、基盤整備計画や連続立体交差化の都市計画はまだ時期すら言及できない段階です。このような段階で住民追い出しだけを進めることはやめるべきです。団地内の定期借家の居住者からは「子どもが西中野小学校に入学できたが退去しなければならない」「高齢者だとアパートマンションに入居できない」と不安の声が寄せられています。高齢になれば、住み替えがしにくいことは周知の事実です。さらに低所得となれば一層の困難も予想されます。公社は住み替えの対策をしているとは言いますが、他区の同じような事例では、居住者に対し都営住宅の応募チラシを渡しただけで、とても対策の責任を果たしたとは言えません。住まいの問題は基本的人権の問題です。この点で区は積極的な役割を果たすべきです。

Q12.区は東京都住宅供給公社に対して定期借家の期限を延ばすように求めるべきではないでしょうか。また、住み替えのあっせんをするよう求めるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

4. 中野駅前再開発について

続きまして中野駅前再開発について伺います。まず中野駅新北口駅前広場についてです。先日の中野駅周辺整備・都市観光調査特別委員会で行われた「中野駅新北口駅前エリア再整備の検討状況について」の報告書類を見ますと、現在の区役所・サンプラザ地区再整備推進区民会議は再編事業計画(素案)の策定後の意見集約で終わりというスケジュールになっています。しかし、区民会議は要綱にもあるようにこの地区の事業化などについて意見交換を行う場となっています。

Q13.そうであるならば、区民会議を少なくとも事業計画の策定まで続け、区民の意見交換する場として残すべきではないでしょうか。

また同じ日の同委員会では中野駅西口改札橋上駅舎に関わる支障移転工事の報告がなされています。支障移転工事が2021年3月までかかり、橋上駅舎の完成は現在の見込みでは2027年まで待たなければなりません。その間に中野駅周辺の再開発では中野2丁目地区、3丁目地区の再開発までが現在の予定では完了する見込みとなっています。第1回定例会でもわが会派の小杉議員が述べていますが、中野駅の安全対策として改札の抜本的な増加が緊急に求められています。現状では北口に出たい人もあまりの混雑に南口を回ってから北側に行く人もいます。この状態が改善されまま今度は南側で再開発が完了すればどうなるでしょうか。さらに混雑状態が悪化することは目に見えています。

Q14.区は再開発終了後の駅利用者数の増加見込みはJR東日本に伝えているそうですが、駅構内のことはJR東日本のこととするのではなく、中野駅西口ができるまでの間、暫定的なものでも北口改札の抜本的な増加策をJR東日本と協議すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

中野4丁目西地区について伺います。現在この地区は再開発準備組合が立ち上がり、再開発後のまちの姿の検討が進められています。しかし、この事業の情報提供のあり方には大きな問題があると考えます。地権者の方からお話を伺いましたが、まず地権者に対しても十分な情報提供がなされていません。再開発後に自分たちが入ることになるビルの大きさという基本情報すら最近ようやく資料提供を受けた段階で、区域外の人たちには再開発に関わる情報へのアクセスは大きく制限されています。こうした状況は区民の意見がしっかりと反映されたまちづくりの大きな阻害要因となります。

Q15.地権者及び周辺住民に対して、事業に関わる進捗状況や中身について、区として再開発組合に対して、十分な情報提供を行うよう求めるべきではないでしょうか

5. 学校図書館について

続いて、学校図書館について伺います。8月26日の子ども文教委員会において、「区立図書館等の検討経過及び今後の予定について」が報告されました。その中では10か年計画(第3次)での図書館の位置づけとそれに基づく取り組みが述べられています。それは第一に、個人や地域の様々な学習活動への支援であり、第二に、学校と連携した読書活動の推進であるとされています。この機能自体は重要なものですが、特に学校図書館の役割を子どもの読書活動の推進とのかかわりでしか記述していない現状について、私は学校図書館の役割を非常に狭く捉えてしまっていると感じます。
そもそも現在の学校図書館はどのようにできたのでしょうか。それは戦前の教育が「教育勅語」を中心にして、児童・生徒の個性を無視した画一的なものとして推し進められたことの反省の上に立ったものでした。1946年に文部省が戦後教育の方向性を示した「新教育指針」という文書を出します。その中では戦前の教育について、「個性を尊重せず、むしろ無視することによって画一的を生み出し、子どもの成長・発達を阻害した」と指摘しています。そこから新時代の教育は、子どもを個性を有した存在として捉え、子どもの自発性を尊重し、子ども一人ひとりの成長・発達を支えるものだと捉えられました。
学校図書館はそのような流れの中で、1953年の学校図書館法が成立したことにより、生まれました。学校図書館法はその第2条「学校図書館の定義」の中で「学校の教育課程の展開に寄与するとともに,児童又は生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学校の設備」と二つの目的を掲げています。それは、子どもの学習を手助けし、子どもの興味関心を支え、学び方を学ぶための施設、すなわち子どもの学習権を支える施設だということが一点。もう一点の「児童又は生徒の健全な教養を育成する」というのは、読書を通じて子どもを個性的かつ自立した人間に育てていく、読書という営みを通じて想像力を育て、思想形成と人格形成に役立てていくというものです。そのことは学習指導要領で「基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、表現することにより、様々な問題に積極的に対応し、解決する力」と解説している「生きる力」を育てることにもつながっていくのではないでしょうか。またこのように「生きる力」をもった「権利主体」としての子どもを育て、民主主義の発展を保障していくのだと思います。

Q16.このように、学校図書館は単に子どもたちの読書環境を整えると言うだけでない、子どもの発達に対する重要な役割があると考えますが、区の認識を伺います。

この学校図書館ですが、その業務においては学校図書館指導員が大きな役割を果たしています。授業での子どもへの読み聞かせや、適切な資料の紹介などの仕事は機械には代替することができないものです。しかし現状では週4日、一日4時間の勤務にとどまっています。これでは午前中に勤務をすれば、午後には指導員はいなくなってしまいますし、週1日は指導員がいない日が生まれてしまっています。指導員がいて、その役割を果たすことが学校図書館の質を高め、子どもたちの成長と発達に大きな貢献となると思います。

Q17.学校図書館を子どもたちにとってより良い所とするために、指導員の勤務時間を延長するなどして専門性を持った職員配置の充実を検討されてはいかがでしょうか。

この項の最後に、地域開放型学校図書館について伺います。10か年計画(第3次)で整備を推進することになっている地域開放型学校図書館ですが、先に述べた「区立図書館等の検討経過及び今後の予定について」の中で検討の経過及び今後の予定が報告され、みなみの小学校、美鳩小学校に設置する予定の施設の中身が触れられています。私は3点から地域開放型学校図書館には大きな問題があると考えています。
第一はスペースの狭さに起因する蔵書数の少なさです。蔵書は約5千冊となっていますが、これは現在、一番所蔵冊数が少ない本町図書館の10分の1以下という水準です。これでは数ある本の中から、好きなものを選ぶということもできないでしょう。しかもこの施設は学校施設の中に設置されるため、閉架書庫を設けて蔵書数を増やすということもできません。これではこの施設はほとんどの場合、あらかじめ貸し出し予約をした本を受け取りに行く場にならざるをえないでしょう。これではわざわざ図書館として設ける意義が非常に薄くなってしまうでしょう。
また、第二の問題としてセキュリティ上の懸念は拭いようのないものがあります。いくら可動式間仕切りを設置するといっても、学校内に不特定の人々が出入りする環境が恒常的に作られることになります。
このように地域開放型学校図書館はスペース、セキュリティ、の面から見て、課題があるのに対して、施設は中途半端なものにならざるをえない、という宿命を抱えています。そうならば、学校図書館をより蔵書数の多い、子どもの育ちを支えるような施設としてもっと充実させる方向に舵を切った方が良いのではないかと思います。
Q18.基本計画の改定に合わせて、地域開放型学校図書館のあり方について見直していく必要があるのではないでしょうか。

6. その他

最後に、西武新宿線沿線まちづくり整備方針(素案)の住民との意見交換会の周知についてお聞きします。8月29日の建設委員会において、区の整備方針(素案)が示され、10月に住民との意見交換会が行われることが報告されました。この住民との意見交換会の周知は区報などで行い、特に区報で全区民に周知するとしていますが、果たして区報の中から該当部分を見つけられるでしょうか。鷺ノ宮駅周辺地区まちづくり検討会が昨年3月に実施した報告会ではまちづくりニュースを全戸配布して、報告会を事前に周知し、延べ100人の参加でした。まちづくりは何よりも住民が主人公となる取り組みが必要です。

Q19.より多くの区民が地域のまちづくりに関われるよう、まちづくり整備方針(素案)の意見交換会の案内を全戸配布で周知すべきではないでしょうか。また意見交換会に参加できない区民の意見を取り入れるための仕組み作りが必要ではないでしょうか。答弁を求めます。