2016年第3回定例会・本会議において、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。質問項目は通告の通りで、その他の項はありません。
 
 質問に先立ちまして、日本列島に甚大な被害をもたらした一連の台風により、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げると同時に、被害にあわれた方、また、そのご家族やご関係者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

今定例議会の前には参議院選挙、そして、都知事選挙がおこなれました。区政課題の中で、都政や国政の政策によって大きく左右される、影響を受けるものは少なくありません。引き続き、切実な区民要求の実現へ力を尽くすとともに、区長の政治姿勢として問うべき問題はしっかり質していきたいと思います。

1.区長の政治姿勢について

そうした観点で、まず、はじめに1.区長の政治姿勢について、3点伺います。
はじめに、安保法制の問題について伺います。安保法制によって拡大された自衛隊の新たな任務について、全面的に訓練を開始することが発表されました。南スーダンPKO(国連平和維持活動)に11月から派遣予定の陸上自衛隊部隊に、新任務として付与を検討している「駆けつけ警護」や「宿営地共同防護」の訓練に続き、歴代政権が違憲としてきた集団的自衛権の行使や「戦闘地域」での米軍への兵站(へいたん)などを想定した日米共同演習がおこなわれようとしています。海外での武力行使を禁じた憲法9条を踏みにじり、安保法制を本格的な運用段階に移行させ、日本を「戦争する国」にする重大なたくらみであり、絶対に許されません。具体的な動き・局面となっているいま、あらためて、この問題について、区長の見解を伺います。

次に、緊急事態条項を含む憲法改定の動きについて伺います。この問題は、参議院選挙中には問わず争点を隠し続け、選挙が終わると「国民の信を得た」とばかりに持ち出されたものの1つでもあります。憲法擁護非核都市宣言をしている自治体の長として平和憲法を守る立場を示すべきではないでしょうか。現行憲法に対する見解とともに、緊急事態条項を含む憲法改定の動きについて区長の見解を伺います。

この項の最後に、介護保険に係って1点伺います。新たな制度改定に向けた議論が厚生労働省の審議会で本格的に始まりました。その中で、要介護1・2の方が利用する訪問介護のうち掃除・調理・買い物などの「生活援助」を保険から外すことが検討されています。介護認定を経てケアプランに盛り込む「生活援助」は単なる調理や掃除のボランティアではありません。変化しやすい高齢者の体調変化を判断したり、様々な状況から認知症の症状を把握したりヘルパーの専門性が求められます。
専門でない人の支援によってこうした微妙な変化を見逃す危険や早期の対応の遅れが重症化につながりかねません。
同時に、要介護2以下の方の福祉用具貸与について、現在1割負担であるものを全額自己負担にすることなどもあわせて検討されています。例えば、一般的なベッド+マットレス+車椅子+歩行器をレンタルしている場合、1割負担で月に約2.500円前後が自己負担となります。しかし、10割の全額自己負担となれば約25.000円になります。こうした福祉用具があってこそ、現在の状態が維持できている方も多く、費用負担が増えることで貸与を続けられないとなれば、ご本人の症状悪化や介護者の負担が増えることは容易に想像できます。現在、国がこうした検討をしていることへの区長の見解を伺うとともに、この検討は中止・撤回することを国に求めるべきではないでしょうか。あわせて、答弁を求めます。

2.平和の森公園再整備について

次に、2.平和の森公園再整備について、伺います。
8月下旬の各所管委員会において、「平和の森公園再整備基本設計(案)中間のまとめについて」が報告され、この中で、再整備にあたっての概算整備費が示されました。新体育館整備費として約86億円、多目的広場や陸上競技トラック等その他の公園整備費として約22億円、合計で約108億円となっています。区が今年4月に策定した「新しい中野をつくる10カ年計画(第3次)」の中で示していた「平和の森公園拡張再整備」における事業費55億円がこれまで出されていた数字ですが、それをはるかに上回る倍近い整備費となっています。なぜ、この数ヶ月でこれだけの差が生じたのでしょうか。これでは、区民や議会を騙していることになりませんか。見解を伺います。また、現在示されている概算整備費約108億円の詳細な内訳と、現在、活用を想定している国や都の補助金・交付金について、その種類と金額の概算についてもあわせて、お答え下さい。

この期間、再整備構想(案)や基本計画(素案)の段階などで区民説明会がおこなわれましたが、出された意見を聞き置くだけの姿勢で、基本計画(案)についてのパブリックコメントにおいても反映した意見はゼロという状況でした。樹木・緑の伐採、草地広場がいまのような形で利用できなくなることへの懸念など、今回の計画自体に対する区民合意は得られていません。まして、整備に際しての費用がこれだけのものであるなら、これまで再整備に賛意を示していた方の中でも異論の声、待ったの声が出てくるのではないでしょうか。
2020年のオリンピック・パラリンピックまでに間に合わせるという最終のスケジュールを決めていることで、今後、資材や人件費など建設にかかわる費用が高騰していくことが想定される中、整備費用全体がさらに膨れ上がることは十分に考えられます。とにかく急いでおこなう、このことで財政面での区民負担がさらに増えることになるのではないでしょうか。見解を伺います。

平和の森公園再整備計画が報告されて以降、この約1年半の間に、関連費用だけで4回もの補正予算が示されました。H27・H28年度ともに、新年度予算審査が終わった直後に、その年度の第1次補正予算に関連費用が盛り込まれるなど、この点だけをみても、この計画がいかに性急で、とにかくお金をつけて推し進めていこうという姿勢がみてとれます。先程、上程された補正予算のうちの一部も、その典型です。区民の切実な要求は横におき、湯水のように注ぎ続けていっています。加えて、整備後には、当然、維持管理費用がかかります。現在、平和の森公園の年間の維持管理費は、決算数値で約3000万~3300万円前後となっています。仮に、区が現在進めようとしている計画内容で平和の森公園全体を整備した場合、整備後の維持管理費用については当然、試算されていると思います。住民の方が情報公開で資料を請求されましたが、その維持管理費にかかわる部分の試算とみられる場所はすべて黒塗りとなっています。計画ありき、お金はいくらかかっても良いということでは決してありません。区民の大事な税金が使われます。維持管理に係る費用などもきちんと公開・情報提供した上で、その点も踏まえて、区民の意見をきちんと聞くべきです。現時点で想定している、整備後の維持管理費用について答弁を求めます。

あわせて、新体育館を建設しようとしている場所について、東京都からは無償貸与という形になるのでしょうか。それとも、賃料や借地代などとして一定の費用を支払う形になるのでしょうか。答弁を求めます。

約1300万円かけて(株)日本設計に委託した、「平和の森公園再整備及び新体育館建設整備構想・整備基本計画策定支援業務」の報告書の中に、今年2月に区民を対象に区が開催した【再整備構想(案)に関する説明会】についての記載があります。これは、説明会として告知され区役所にて3回実施されましたが、報告書の中では、【区民参加による検討会を実施した】と記されています。説明会として告知したものが、区民参加による検討会にすり替わっています。「説明」というのは、物事がなぜこうなのかの根拠や理由を明らかにするものであり、「検討」というのは、種々の面からよく調べて良いか悪いか考えることを指します。少なくとも、先の説明会は区民参加による検討会ではなく、大きく意味合いが異なると理解しますが、区の見解を伺います。
財政的な負担、スケジュールをみても、やはり、この計画にはかなりの無理があるように感じます。決算特別委員会でもあらためて長沢議員が取り上げる予定ですが、中野駅の橋上駅舎や南北通路整備の問題をみても、区の負担は膨れ上がるばかりです。工事着工時期も未定であり、今後、区役所・サンプラザ地区の再開発などが目白押しで、区民の中からは、もっと切実で身近な要求に応えて欲しいという声ができるのも当然です。今からでも遅くありません。平和の森公園再整備について、一旦立ち止まり、財政的問題とあわせ、あらためて、利用者・区民参加による検討の場を持つべきです。答弁を求め、この項の質問を終わります。

3.潜在的な保育ニーズの把握について

次に、3.潜在的な保育ニーズの把握について伺います。
厚生労働省が1週間前の今月2日に発表した今年度の待機児童数は、今年の4月1日時点で、前年度の同時期より多い2万3553人となり、2年連続の増加となっています。一方、育児休暇延長などで待機児童には数えない、いわゆる「隠れ待機児童」は6万7千人を超え、前年比で約8300人増加したこともあわせて発表されました。
中野区においては、この期間、保育施設増設に取り組んできたことは一定、評価するものの、質の面なども含め、保護者の願いに十分に応えるものとはなっていません。何よりも大事なことは、「待機児童数」を人数とともにその詳細な状況も把握し、その上で本当に求められている対策を講ずることでこそ、児童福祉法24条1項に定められる市町村の保育実施義務が果たされるのではないでしょうか。

今年の4月1日現在、中野区内での待機児童数は257名と発表されました。昨年よりも85名増えています。加えて、この期間、「待機児童数」としてカウントする定義が変更されてきました。例えば、「認可保育所への入園を希望しても不承諾となり、やむを得ず認証保育所へ入所した児童」は待機児童数にはカウントされません。今年4月1日現在、認証保育所へ入所された児童は151名でした。ある保護者の方は、「園庭があり自宅から比較的近い認可保育所を中心に申し込みをしたがすべてダメだった。復職前の本当にギリギリのところでなんとか認証保育所に入ることができたが、これが待機児としてカウントされないのはおかしい。」とおっしゃっていました。
また、一昨年の子ども・子育て支援新制度の開始前までは認可保育施設の扱いではなかった小規模保育事業や家庭的保育事業等が、あらたに認可保育施設の扱いとなったため、現在の定義の上ではこれらの施設へ入所した児童も「待機児童数」にはカウントされません。そこで伺います。
今年4月1日現在、認可保育施設に入所された1262名のうち、昨年度からの新制度のもとで「認可保育施設」の扱いとなった施設へ入所した児童数は何名になりますか。答弁を求めます。

さらに、「保育所に入所できず親が育児休暇を継続せざるを得ない場合の方」も、今の定義の元では待機児童には含まれません。実質的には「待機児童」であるにもかかわらずです。今年の場合、それに該当する方は何名となりますか。伺います。

区が公表する資料の中では、こうした方々は「私的な理由等」のくくりとなります。今年4月1日現在で、この「私的な理由等」の人数は236名にのぼります。この人数は、昨年より49名、一昨年より116名増えており、一昨年からは約2倍の数となっています。今年のこの236名の方々の状況とその人数について、答弁を求めます。

今後、こうした数字を公表する際、誰がみてもわかりやすいように、きちんと詳細な実態がわかるようにすべきです。公表の仕方も含め、改善を求めます。見解を伺います。

「第13希望まで記入して、なんとか12希望の小規模保育に入園できた。でも、3歳になる時に、また次の場所を探さなくていけないので、ずっと保育所探しに追われているように感じる。」などの声も寄せられました。多くの保護者の願いは、園庭があり5歳まで通える質も確保された認可保育所ではないでしょうか。定義自体が緩和・変更されてきているもとで、やはり、潜在的な保育ニーズ、お一人お一人の状況や願いも含めて丁寧に把握し、それらにきちんと応える待機児童対策を実施すべきと考えます。見解を伺い、この項の質問を終わります。

4.教育環境の充実について

次に、4.教育環境の充実について、
まず、はじめに(1)就学援助制度について伺います。
就学援助制度は学校教育法等において定められ、対象者は生活保護法に規定する「要保護者」と、市町村の各教育委員会が「要保護者」に準ずる程度に困窮していると認める「準要保護者」となります。この「準要保護者」の基準は各市町村が規定しており、中野区では「学用品費」「クラブ活動費」「給食費」など計11の費目があり、申請に基づき、それぞれ対象となる方に支給されています。今回は、この中で、「新入学学用品費」について2点、伺います。
1点目は支給時期の見直しについてです。この「新入学学用品費」は、保護者の収入認定を待って、学校入学後の就学援助申請に基づき、6月に支給されることになっています。そのため、実際に入学準備をおこなう3月の時点では、全て自力で購入しなければならず、この負担は大変に重いものとなっています。特に、中学校に入学の際には制服も必要となるため、体操着や通学バック・上履き等をあわせると約7~10万円前後にもなります。そのため、知人や金融機関などに借金をし、その費用を捻出せざると得ないという方もおられます。

板橋区では仮認定をおこない支給時期を入学前の3月に前倒しで実施することを数年前からおこなっており、全国的にも支給時期を入学前にするところが増えてきています。また、八王子市は就学援助制度とは別に、市が独自で「新入学準備金」を3月1日に支給することを新年度から実施するとのことです。
昨年8月、文部科学省から各都道府県の教育委員会に対して、『特に、「新入学児童生徒の学用品費等」は、年度の当初から開始し、各費目について児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給することができるよう十分配慮すること』とした通知が出されています。これは、生活保護での「要保護者」に対してのものですが、「準要保護者」もほぼ同じような状況であることに変わりはありません。生活保護での「要保護者」に対しては、必要な時期である入学前の3月に支給されています。「準要保護者」への「新入学学用品費」についても、支給時期を入学前に前倒しすることについて検討をし、実施すべきです。答弁を求めます。

2点目に、この「新入学学用品費」の額の増やすことについて伺います。現在、小学校1年生では約2万3千円、中学校では約2万6千円の支給となっています。小中学校での差はほぼない状態ですが、制服のない小学校と中学校がほぼ同じ額では実態にあっておらず、保護者負担は厳しいものとなっています。生活保護での「要保護者」に対する「入学準備金」は、小学校では4万600円以内・中学校では4万7400円以内となっています。
今年5月、参議院・文教(ぶんきょう)科学委員会での党国会議員団の指摘に、馳文部科学大臣はこの金額について「(実態とは)半分以上違う。乖離がある状況を認めざるを得ませんし、必要や調査を行った上で必要な改善策を考える必要がある。」と答弁されました。生活保護での「要保護者」に対する金額でも、乖離があるとされているわけですから、「準要保護者」への金額についても実態にあわせ増額を検討すべきではないでしょうか。見解を伺います。

中野区は事業見直しの一環として、2012年度(H24年度)に、この「準要保護者」の基準を生活保護基準の1.2倍から1.15倍へ引き下げをおこないました。このことは大変許しがたいことであり、当時、この基準引き下げによって、前年度に認定されていた方がそのまま認定されたとした場合で、約70名が影響を受け、認定の対象から外れてしまいました。
今年度当初、区内で就学援助の認定を受けた小中学生はあわせて2545人であり、約4人に1人の児童生徒が対象となっています。子どもの貧困が進む中、教育費負担軽減のためにも、「準要保護者」の基準を生活保護基準の1.2倍へ戻すべきではありませんか。答弁を求めます。

最後に、生活保護基準引き下げに伴う就学援助の対象範囲について伺います。区では、2014(H26)年度から3年間は、就学援助に対し生活保護基準の引き下げの影響がでないよう、経過措置を実施してきました。今年度は当初予定していた期間の最終年度となります。今年度は101人がその対象となっています。来年度以降も、この措置を継続すべきです。答弁を求めます。

次に、(2)給付型奨学金制度について伺います。
 日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用する学生は、学生全体の約4割に達し、大学や自治体の奨学金も含めると、学生の2人に1人は何らかの奨学金を利用しています。奨学金の借り入れ総額が、学校卒業時には500万円以上になった学生が増える傾向にあり、また、非正規雇用の増加や平均給与の減により、奨学金を返済できず延滞している方が高止まりという状況も生まれています。
現在、文部科学省は返還する必要のない「給付型奨学金制度の創設に向けた検討チームを設置し、制度設計の議論をおこなっています。また、全国知事会が今年の7月20日に政府に対しておこなった緊急要請の中のひとつの項目として、「子どもの貧困対策のための無利子奨学金の拡充や給付型奨学金の創設」が盛り込まれています。特に、ひとり親世帯・生活保護世帯・児童養護施設退所者は進学率が下がるとういうデータもあります。どのような環境であっても教育を受ける権利は等しくあるべきであり、保障することが必要です。給付型奨学金制度について、早急に創設することを国に要望すべきではないでしょうか。答弁を求めます。

 あわせて、自治体独自の支援も求められます。大田区では貸付型とともに、奨学金給付制度があります。また、足立区では区教育委員会が運営する貸付型の奨学金があり、今年度からは条件を満たした利用者を対象に、貸付金額の半額を免除する「一部償還免除型奨学金」が開始されました。
高校や大学等に入学予定の方など、年間20名を対象に1人当たり上限100万円が返済免除となります。また、世田谷区では児童養護施設等を退所した子ども等の社会的自立を支援する事業を開始し、住宅支援や居場所支援とともに、大学等に進学・通学する学費の一部を、年額36万円を上限に給付する「給付型奨学金事業」が開始されています。
中野区では、類似制度の充実等を理由に、高校進学に際しおこなっていた奨学金貸付を2008(H20)年に廃止しました。しかし、当時でも貸付実績は年間80件前後で推移しており、需要の高いものであったと考えます。現時点で、東京都育英資金や社会福祉協議会の生活福祉資金等がありますが、現在のこうした社会背景も踏まえ、先に述べた国への要望とあわせ、大学進学なども対象とした中野区としての「給付型の奨学金制度」について、あらためて、検討をすべきではないでしょうか。見解を伺い、この項の質問を終わります。

5.障害者施策の拡充について

次に、5.障害者施策の拡充について、
はじめに、(1)精神障害者への福祉手当について伺います。
障害者団体の皆さんからは、精神障害者にも福祉手当を支給して欲しいという要望は長年に渡り出されています。党議員団としても、予算編成に関する区長への要望書の中でも、繰り返し求めてきました。議会に対しても、昨年、精神障害者へ福祉手当を支給することを求める陳情が出され、継続審査ののち、昨年の第4回定例会にて、全会派一致で陳情が採択となりました。
23区では品川区・杉並区等で精神福祉手帳1級を所持されている方を対象に実施し、それぞれ、月額で8500円・5000円となっています。先程述べた陳情審査の中の質疑では、中野区内における精神福祉手帳1級を所持されている方は147名で、仮に、品川区や杉並区と同じように、精神障害手帳1級の2種(65才未満)の方が申請すると70名程度となり、月額5000円とした場合には、区の予算として420万円程度になるとの質疑がありました。区では、検討をおこなっているとのことですが、現在の検討状況はどのようになっていますでしょうか。検討をふまえ、新年度から実施すべきです。答弁を求めます。

次に、(2)点字版の区報発行について伺います。
視覚障害者の方から、区報も点字版で発行して欲しいとの要望が寄せられました。現在、身体障害者手帳1・2級の視覚障害がある方に、「声のなかの区報」として、区報を音読し録音したものが希望者に無料で郵送されています。
「障害福祉のしおり」や「わたしの便利帳」は点字版があり、区役所の1階障害福祉相談窓口や図書館、障害者福祉会館などで閲覧できるとされています。また、区のホームページで点訳データをダウンロードすることが可能です。
点字版での区報発行は、葛飾区・江東区・墨田区など23区中約半分の区で実施され、一定の条件はあるものの無料で配布されています。中野区でも検討をすべきと考えます。答弁を求め、この項の質問を終わります。
最後に、6.住宅セーフティネットについて伺います。
日々、お寄せいただく生活相談の中で、ご高齢の方や、また、低所得の方の住宅確保・転居問題に関する相談が増えています。老朽化による建て替えや、収入の減少、健康問題など事情は様々ですが、なんらかの困難を抱えた方々の転居にはクリアーすべき課題も多く、スムーズにいかないことも多々あります。
また、国内の貧困が若年層に拡大したことにより若い方の住宅問題も深刻化しています。「住まいは人権」であることは政府も認めていますが、その対策は決して十分とは言えません。
中野区内の都営住宅の募集戸数は1年間で60~80戸前後ですが、申込者は3000~5000名前後と、倍率は平均で60倍以上と推移しています。特に、住宅確保要配慮者(高齢者世帯・子育て世帯・その他として低所得者や障害者等)への対策は急務と考えます。
今年3月、政府が今後10年の住宅政策の指針である新たな「住生活基本計画(全国計画)」を閣議決定し、国土交通省の「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」では、7月末の第3回会合で、民間の空き家・空き室を活用した「セーフティネット住宅」を整備するという内容の中間まとめが示されました。公営住宅を補完する新たな住宅セーフティネット制度について、(1)多様な住宅確保要配慮者を対象にする(2)新築ではなく、既存住宅の空き家・空き室を活用する(3)地方公共団体の住宅政策に応じた柔軟な施策展開を可能にするなどの方向性が打ち出されています。住宅困窮者対策として、一定の基準を満たす空き家・民間アパート・戸建住宅を「準公営住宅」として位置付け、住宅要配慮者に対して供給できる体制を整えていくことが必要です。具体的な検討について、国や東京都に対し積極的に働きかけをおこなっていくべきと考えますが、見解を伺います。

セーフティネット住宅についても地方自治体が家賃補助などを行ない、入居者の選定にあたっても関与していくこと、セーフティネット住宅や家賃債務保証の情報提供などの受け皿となる「居住支援協議会」を今後、市町村単位で設立させ、自治体と連携してセーフティネット住宅利用者の支援を行なっていくことも進められています。都内では、江東区(H23)・豊島区(H24)・板橋区(H25)、そして、東京都(H26)などで「居住支援協議会」が立ち上がっています。先に紹介した国土交通省の小委員会の中では、「セーフティネット住宅については、敷金・更新料なし家賃のみの統一契約を打ち出してはどうか」「地方自治体がいかに運用するかが成功のカギ。居住支援協議会の活動に予算を付けるなどしていくべき」などの意見が出されています。区では、住み替え住宅の情報提供や居住安定支援事業等により住宅確保要配慮者への支援をおこなっていますが、これだけでは不十分です。居住支援協議会を設置し、住宅セーフティネットの更なる充実が求められます。昨年9月の段階では、区として、直ちに設置する必要はないとの認識を示されていますが、居住支援協議会立ち上げに向けた検討を進めいくべきではないですか。見解を伺い、すべての質問を終わります。