2016年、第1回定例会にあたり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。

1. 子ども支援・学校教育について

 はじめに、子ども支援・学校教育について質問します。

1. 学校再編について

  まず、学校再編について伺います。
 昨年11月、統合新校の施設整備方法の変更があり、大規模改修としていた全ての統合新校を改築とすることが明らかになりました。変更の理由として、「計画を策定した時点より、児童・生徒数の増加が見込まれる」としています。
 中野区立小中学校再編計画(第2次)が策定された2012年度に見込んでいた、今年度の区立小中学校における生徒数は、中学生がほぼ推計通りであ る一方、小学生は推計よりも400人増となっています。この間、若年層を中心とする転入超過や、出生率の上昇が続いており、0歳から5歳児の人口は、 2010年1月の10,869人から、2015年12月には12,967人となり、6年間で約2,100人増加しています。さらに、区は「少子化対策にあ わせて、さらなる子育て支援策を講ずることとしていることから、今後6歳~14歳の人口が増加していくことが想定される」と述べています。また、区内各所 でマンション建設や計画が進んでいることからも、若年層の転入傾向は一定続くことが考えられます。
 そこで、現在0歳の子どもたちが小学校に入学する時点で、区内の小学校の児童数は、どの程度増加すると想定しているのでしょうか?伺います。

 大規模改修から改築へと変更する理由について、「児童・生徒数の増加」に加え、「新たな教育活動への対応」と「地域との連携に必要な施設などの確保」としています。
 当初の中野区立小中学校再編計画(第2次)では示されていなかった、この「新たな教育活動への対応」とは具体的に何を意味しているのでしょうか?
 また、「地域との連携に必要な施設」とは、どういった施設なのでしょうか?伺います。
 学校規模について、いま国際的に「小さな学校」が、子どもの教育や成長にとって望ましいとされています。WHOも、様々な調査研究を集約した上 で、学校は「小さくなくてはいけない」と各国に報告しています。「大規模学校であるほど教育の困難は増大する」とされ、「小さな学校」は、子どもの人格形 成、連帯、学力、地域の支援といった点において、優れているというのが、今や世界の常識となっています。「一定以上の規模を確保した方が教育効果が高い」 という政府の考え方に正当な根拠はなく、「適正規模」については、改めて議論の必要があります。
 現在、中野区には、区立小学校25校に合計302学級が配置されています。今後の学校再編により、小学校は25校から20校に統合されますが、区がこれまで示してきた「18学級が区立小学校の望ましい規模」という考え方に変わりはないのでしょうか?伺います。

 学級の規模を小さくすることによって、子どもたちに質の高い教育を行える点や、教員と子どもの触れ合いが密になり、きめ細かい指導が実践できるな ど、少人数学級を求める声が広がっています。2010年、文部科学省が行った「今後の学級編制及び教職員定数の在り方に関する国民からの意見募集」におい て、小中学校の学級規模に関する意見のうち、望ましい学級規模として「26人~30人」を挙げる意見は61%にのぼりました。少人数学級を推進している秋 田県では、全国学力・学習状況調査において好成績を上げていることが注目されています。さらなる拡充を求める声を受け、来年度からは小中全学年で少人数学 級が実施されます。中野区では、学力の向上に向けた習熟度別授業などを行っていますが、少人数学級は、いじめの早期発見や非行の抑止、不登校や欠席率の低 下という、生活面での実績も評価されています。
 こういった少人数学級の効果について、区はどのように認識しているのでしょうか?
 また、自治体独自の努力で少人数学級をすすめる動きが広がっています。中野区としても、東京都の学級編成基準に委ねるのではなく、ニーズを反映し、少人数学級の拡充を検討してみてはいかがでしょうか?伺います。
 
 前期の中野区立小中学校再編計画において、統廃合が行われた平和の森小学校では、未だ新校舎建設の目処が立っておらず、児童は休み時間の活動範囲 が制限されるなど、キャパシティを超えた学校での生活を余儀なくされており、教室不足も深刻な状況にあります。区内学童クラブの待機児童も深刻な問題で す。昨年11月から、児童館併設の学童クラブにおいて待機となった児童に対し、学童クラブに準じたサービスの提供を児童館で行うという状況も生み出してい ます。2008年、学校再編計画に基づいて最初に新設された桃花小学校では、今月1日現在、12人の学童クラブ待機児童が出ています。
 こういった状況を踏まえて、前期の再編計画に対する区としての評価を伺います。

 学校再編については、拙速に過ぎることのないよう、慎重のうえにも慎重を期し、今後の少人数学級の拡充や人口推計を踏まえ、計画見直しを含め、再度、検討すべきではないでしょうか?見解を伺います。

(2) 教科書採択について

 次に、教科書採択について伺います。
 中野区教育委員会では、2016年度より区立中学校で使用する教科書について、昨年、臨時会で6回にわたり協議を行い、8月7日開催の教育委員会定例会で採択が行われました。そこでまず、中野区における教科書採択の透明性について伺います。
 文科省は昨年4月、各教育委員会に対して、採択においては「地域住民への説明責任を果たすために,積極的な公表を行うこと」、さらに「開かれた採 択を推進する観点から、有用と思われる情報の公表についても積極的に検討すること」として、透明性を求める通知を出しています。中野区教育委員会は非公開 の臨時会で協議を行い、公開して行われる定例会において教科書が採択され、後日、臨時会の議事録を公開しています。他の自治体では、透明性を確保するた め、臨時会の冒頭に行われる選定調査委員会の報告から、区民に公開された場で協議がされているところもあります。
 中野区の教科書採択においても、より一層透明性を高めるために、教科書採択の臨時会を公開で行うべきではないでしょうか?見解を求めます。

 文科省の通知では「調査研究に基づく採択」が義務付けられています。また「調査員等が作成する資料において十分な審議を行うことが必要である」こ とも示されています。しかし、6回開かれた臨時会の議事録を見ても、教科用図書選定調査委員会の「報告書」及び、調査研究会、学校、保護者・区民の意見を 踏まえた、または参考にした旨の発言がほとんど見当たりません。
 教育委員会の中で調査報告の内容について、いつ、どのように議論されたのでしょうか?伺います。

 そもそも教科書を採択するにあたり、最も適格な判断ができるのは、子どもと日常的に接し、子どもの状況を一番理解し、実際に教科書を使って子ども の学習を指導する現場の教員です。国際的にみても、教科書を採択する権限は教師や学校にあるという認識が主流となっています。国際労働機関(ILO)、教 育科学文化機関(ユネスコ)が採択した「教員の地位にかんする勧告」においても、教員は「生徒に最も適した教材および方法を判断するための格別の資格を認 められたものである」とし、教科書の採用については「不可欠な役割を与えられるべきである」と述べています。
 中野区における教科書採択においても、調査研究が形骸化しないよう、意見や報告について十分な議論を行うとともに、子どもの学習権保障の観点から、教員の意見がより尊重される形で教科書採択の判断がなされなければならないと考えますが、認識を伺います。

 昨今、教科書採択をめぐって、出版社のルール違反が相次いで判明しています。文科省は教科書を発行している出版社が、外部への流出が禁止されてい る検定対象の教科書を教員に見せ、意見を聞いた謝礼として、現金などを渡していた問題を受け、今年1月22日、各出版社による自己点検・検証の報告結果を 公表しました。調査を行った22社のうち、12社で不正があったことが明らかとなっています。東京都でも435人への検討教科書の閲覧があり、うち339 人が謝礼を受け取っていたことが判明しています。選定に関わる人物に対し、図書カードや中元・歳暮を贈っていたという事例も確認されています。こういった 不正は教科書採択の公正性・透明性を根本から揺るがしかねない不適切な行為です。文科省は教育委員会に対して「学校とも情報提供をはじめ密に連携し,採択 の公正確保を一層徹底することが重要である」と通知しています。さらに「公正の確保に関し問題があると考えられる場合には,教育委員会等において適切な措 置を講ずる」と示されています。  
 区では、公正確保を徹底するためにどのような取り組みを行っているのでしょうか?また、問題を把握した場合、どのような措置を想定しているのでしょうか?伺います。

(3) U-18プラザ・児童館の廃止について

 次に、U18プラザ・児童館の廃止について伺います。
 この度、示された10カ年計画(第3次)(改定素案)において、U18プラザの廃止が明記されています。これまで、中野区は小学校内のキッズプラ ザ開設に伴い、児童館を順次廃止するとしながら、概ね中学校区にひとつのU18プラザ・9館を整備していくとし、すでに3館が開設しています。そこでまず 伺います。
 U18プラザの廃止と共に、今後U18プラザに移行するとしてきた児童館をはじめ、区内17箇所の児童館はすべて廃止していくということでしょうか?伺います。

 児童館は乳幼児親子が集う場としても、積極的な活動を展開してきました。今後、区は、乳幼児親子の居場所として、「商店街の空き店舗などを活用 し、区内20カ所に子育てひろばを増やしていく」としています。10カ年計画(第3次)(改定素案)によれば、子育てひろばについて「保護者の孤立感や不 安解消のため、乳幼児親子が交流し、相談を受けることができる場」としており、乳幼児自身にとっての機能については、何ら示されていません。U18プラザ や児童館は、乳幼児にとって、広々としたスペースでのびのび体を動かせたり、読み聞かせ会や人形劇をはじめ、趣向を凝らしたイベントを楽しむことができる 場所です。恵まれた職員や施設の下で、健やかに成長できる環境が整った児童館の機能が、空き店舗といった限られたスペースでは保証できないことは明らかで す。
 「子どもの育ちを支える地域づくり」として、子育てひろばの設置や、すこやか福祉センターを地域の子育て支援の拠点として整備していくことは重要 だと考えます。しかし、それと引き換えに、児童館の持つ空間やノウハウ、地域のコミュニティーやネットワークを潰すことが、なぜ必要なのでしょうか?伺い ます。

 昨年度、U18プラザ「城山ふれあいの家」の利用状況を見ると、乳幼児の利用が5,224人、中高生が3,205人に対し、小学生は13,048 人となっています。放課後、キッズプラザが設置されている小学校からも、多くの児童が集まっています。キッズプラザを利用する児童は低学年が中心です。高 学年になると、低学年利用者数の5分の1程度の利用となっております。「ふれあいの家」に集まる児童からは「放課後は学校から出たい」という声が多く、 キッズプラザを利用しない理由として「ゲームやカードで遊べない」「お菓子やジュースが禁止されている」などの声があります。U18プラザや児童館は、多 くの小学生にとっても放課後の貴重な居場所であり、交流の場となっています。児童館が廃止された自治体では、子どもたちの非行の増加や、事件・事故に巻き 込まれるケースが増えたと指摘する専門家もいます。
 中野区において、児童館は子どもの成長を地域で見守るコミュニティの核として、かけがえのない役割を担ってきました。児童館を廃止して異なる施策に転換する自治体がある一方、子ども支援の柱として、児童館機能の充実を目指している自治体もあります。
 区は、小学校内にキッズプラザを配置することで、児童館を廃止していくとしていますが、そもそも、キッズ・プラザ事業は、放課後子ども教室推進事 業として始まったものであり、児童福祉法40条に基づき行われる児童館事業を廃止する理由にはならないと考えます。見解を伺います。
 この度の(改定素案)では「U18プラザを廃止し、中高生の社会参加の支援については、地域とのつながりや社会参加に向けた事業を、民間等を活用しながら実施していく」とあります。
 具体的にどういった事業を、どのような民間を活用し、いつから実施するのでしょうか?伺います。

 中野区には中高生が集中して勉強に取り組むための自習室などが少なく、区内の図書館も「試験勉強などに利用することはできない」という状況です。 U18プラザや児童館では、中高生の利用者に対し、学習支援や自習室のような取り組みが積極的に行われています。中高生限定の自習室を用意したり、定期試 験前に学習専門室を作り勉強に専念できる環境を提供する施設も多く、学習室で大学生や地域のボランティアによる無料塾を行っているところもあります。南中 野児童館では、夏休みにシルバー人材センターから元教師を派遣してもらい、英語と数学の個別指導を行うなど、各施設が限られた職員の下、「勉強したい」と いう中高生の声に応えるため努力し、生徒からも保護者からも高い評価を受けています。学習に取り組める身近な場所として、地域の児童館やU18プラザが 「中高生の居場所」としての役割を発揮しています。
 このような取り組みに対し、区としての評価を伺います。 

 このように、児童館やU18プラザは乳幼児親子、小学生、中高生、地域住民にとって、かけがえのない地域福祉活動の拠点施設となっています。さら に、区内で開園が進む”園庭のない”認可保育園をはじめ、認証保育園や家庭的保育事業で過ごす子どもたちに、安全な遊び場として日常的に施設を提供してい ます。U18プラザに転換した児童館では、区から具体的な方針が示されない状況の下で、現場職員が週六日、午後7時まで開館するなど、地域の子どもたちと 真摯に向き合い、多くの来館者を得て事業も拡大し利用実績をあげ、幅広い地域活動支援に邁進してきました。そういった努力を一方的な方針転換で踏みにじる ような、この度の決定は到底認めるわけにはいきません。
 子どもの最善の利益を保障する責任は自治体にあります。区は、子ども・子育て支援に対してしっかりと公的責任を保持し、健やかな成長を保障しなければなりません。
 今回、示されたU18プラザの廃止や、これ以上の児童館の廃止は、児童福祉法の理念や、児童の最善の利益の必要性を謳う「子どもの権利条約」に照らしても、正当性がありません。
 (改定素案)で示された重大な方針転換において、事前に地域や職員、利用者を交えた議論も説明もなく、突然示されたU18プラザの廃止、及び、これ以上の児童館の廃止は見直すべきだと考えます。見解を伺いまして、この項の質問を終わります。

2. 災害対策について

1. 感震ブレーカーについて

 次に、災害対策として「感震ブレーカー」についてお聞きします。
 地震火災の出火原因は時代とともに変化してきました。関東大震災では、かまどや七輪からの出火が中心でしたが、その後、ガスや石油機器からの出火 が増え、近年の大規模地震においては、主に電気が火災の原因となっています。東日本大震災や阪神・淡路大震災では、地震に関連して発生した火災のうち、出 火原因が特定できるものの約6割が、電気を原因とする通電火災とされています。地震の揺れにより落下・転倒した電気機器が原因の火災や、停電から電気が復 旧した際に発生した火災が多く、これらの火災対策には、感震ブレーカーの有効性が確認されています。東京都は木密地域不燃化10年プロジェクトとして「都 内の木造住宅密集市街地のうち、大地震が発生した際、特に大きな被害が想定される地域を対象として、平成32年度までに重点的・集中的な取り組みを実施す る」としています。木造住宅が密集する地域を中心に、燃えない・燃え広がらないまちとするための計画です。
 中野区地域防災計画によれば、首都直下型地震の被害想定として、区内の出火件数が24件に対し、消失棟数は7,222棟を想定しています。ひとつ の火災が多くの住宅を巻き込む大火災につながることが懸念されています。区では老朽戸建て住宅の建替え費用の一部や、老朽建築物の除却費等を助成すること により、不燃化建替えを促進するとしています。これらの取り組みによって、火災の延焼を最小限に食い止めることは重要ですが、まず、火災の発生を防ぐため に、感震ブレーカーの設置は有効だと考えます。2014年3月、内閣府に設置された中央防災会議が取りまとめた「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」に おいても「地震防災対策の推進に関する基本的方針」の中で「火災が多数発生した場合の消火活動の困難さを考慮し、『火災を発生させない』ことを目的とする 事前の対策を推進する」と示されています。さらに「感震ブレーカー等の普及について、 重点的に普及を推進すべき地域の選定」や「目標を設定して推進する」ことが盛り込まれています。
 今後、中野区においても広く感震ブレーカーを普及させることが喫緊の課題だと考えますが、どのような取り組みを検討されているのでしょうか?伺います。

 感震ブレーカーには、数万円の規格品から、数千円の補助器具まで様々な種類があります。分電盤に内蔵されたセンサーによって揺れを感知し、ブレー カーを落として電力供給を遮断する「分電盤タイプ」。センサーが揺れを感知して疑似漏電を発生し、漏電ブレーカーを作動させる「感震リレータイプ」。コン セントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、コンセントからの電力供給のみを遮断する「コンセントタイプ」。地震の揺れによる重りの落下や、感震センサー によって作動するバネの力によってブレーカーのノブを操作し、電力供給の遮断を補助する「簡易タイプ」などがあります。
 足立区では、昨年11月1日から「分電盤タイプ」と「感震リレータイプ」の機器購入と工事にかかった費用の補助申請を受け付けています。区が定め る約1400ヘクタールの特定地域内において、旧耐震基準の木造住宅に住む人を対象に、上限5万円を助成、70歳以上の単身者家庭や要介護者が住む世帯な どには、上限を8万円の助成を行うというものです。開始から約1ヶ月で予定していた50件の申し込みがあり、来年度はさらに枠を広げる予定となっていま す。また、杉並区では、今年3月下旬から大きな被害が想定される地域に限定し、3000世帯に「簡易タイプ」の感震ブレーカー設置補助を行います。機器代 約6000円を区が負担し、本人負担は設置費用2000円となります。感震ブレーカーの設置補助は、目黒区が来年度当初予算に盛り込むなど、23区内の自 治体でも進んでいます。
 これまで、党議員団としても感震ブレーカーの普及、及び設置に対する補助を求めてきましたが、区は、国や都、他自治体の取り組みを調査しながら検 討するということでした。いつ発生するかわからない首都直下型地震に対して、早急な対策が求められている今、中野区においても、感震ブレーカーを普及させ る上で、その広告塔ともなる「設置補助」を始めるべきではないでしょうか?見解をお聞きします。

(2) コミュニティFMについて

 次に、コミュニティFMについて伺います。
 未曾有の都市型震災であった阪神淡路大震災から今年で21年目となります。当時、中学生だった私も、兵庫県西宮市でこの震災を経験しました。街の インフラは壊滅的な被害を受け、度重なる余震の中、連日、自転車で給水や炊き出しを行っている場所を探しました。そういった経験を通じて、災害時の情報の 大切さを身にしみて感じています。
 中野区では、防災情報や行政情報を伝えるシステムとして、屋外に防災行政無線が113箇所整備され、災害情報や行政告知情報、夕方のチャイムなど が流されます。災害時に防災行政無線が果たす役割は重要です。しかし、過去の震災において倒壊や破損により、防災行政無線が十分機能しなかった事例が報告 されています。そして、無線設備の運用に障害が生じる場合の原因として、その多くが電力の供給停止によるものであることも明らかとなっています。首都直下 型地震においては、発電所や市街地の送電線の破損などによる「長期停電」が懸念されています。
 そこで、伺います。震災による停電が発生した場合、防災行政無線は非常用電源により何日間稼働できるのでしょうか?

 昨年12月1日、中野区は防災行政無線を室内で聞くことができる「防災情報サービス」の協定を、J:COM中野と締結しました。このサービスは、 気象庁が発信する緊急地震速報と、自治体が配信する防災行政無線の放送内容を、専用端末により提供するサービスです。この端末にはFMラジオが搭載されて おり、災害時には持ち出してFMラジオを受信することも可能です。J:COM加入者は月額300円、未加入者は月額500円となっています。
 今後、設置費や初年度を無料にするキャンペーンなどを行って普及の促進を図るようですが、来年度、この「防災情報サービス」に加入する家庭は何世帯を見込んでいるのでしょうか?伺います。

 自らの経験に基づいても、災害時、混乱する被災地において、住民が求める情報を効率良く伝達することが求められます。そこで昨今、コミュニティFMが注目されています。
 半径10~20キロ程度を受信エリアとする地域限定の放送で、平時は地元の身近な話題や広報・音楽やニュースなどを流し、災害時には地域に根ざし た災害放送を発信します。東日本大震災でも、コミュニティFMが運用された地域において、安否情報や給水・食糧の供給情報、避難所や診療所、銭湯の開設状 況を発信し、地域に特化したきめ細やかな放送で被災者を支えてきました。東日本大震災で開局した臨時災害放送局は 29 局とこれまで類をみない数となり、コミュニティFMにおける情報伝達の必要性が強く認識されました。日本民間放送連盟・研究所が行なった調査でも、被災状 況の情報源として、ラジオが他のどの情報源よりも役立ったということが明らかになっています。
 防災行政無線と比較しても、設置費用や維持費は10分の1程度だと言われているFM局が一つあれば、災害時も区内の情報を幅広く区民に届けること ができ、費用対効果という点からも優れています。長期停電となれば、携帯やパソコンを充電することはできず、インターネットなどから情報を得ることは困難 ですが、ラジオなら電池1本で長期間使用できるものがあります。また、防災行政無線は屋内にいる場合や悪天候時に聴き取りづらい状況がありますが、ラジオ があり電波が届けば、どんな環境でも放送を聴くことができます。高齢者をはじめ、視力にハンディキャップがある方などへもスムーズに情報伝達ができ、いわ ゆる「災害弱者」へのケアという観点からも有効だとされています。こういった効果が着目され、防災行政無線の設置の有無に関わらず、開設の動きが広まって います。
 そこで伺います。中野区においても災害対策としてコミュニティFMの活用を研究・検討してみてはいかがでしょうか?

 23区内でも、独自のコミュニティFMにより、バラエティ豊かなプログラムを展開し、好評を得ている自治体があります。渋谷区では、この春から 「渋谷のラジオ」というコミュニティFMの放送が開始予定であり「東京オリンピックに向けて、さらなる地域の活性化、そして防災・防犯のために活用できる メディアを目指す」としています。中野区でもコミュニティFMを活用し、「災害対策」とともに、「魅力の発信」「地域の活性化」という観点から、中野区ら しい特色のある情報の発信ができるのではないかと考えます。ぜひ前向きな検討をお願いいたしまして、この項の質問を終わります。

3. 商店リニューアル事業について

 次に、商店リニューアル事業について伺います。
 区内の商店を取り巻く環境は、大型店やコンビニエンスストアとの競争、消費者ニーズの多様化や個性化等により、苦しい経営を余儀なくされています。区のにぎわいを発展させるために、魅力ある店舗づくりは重要です。
 2014年6月、小規模企業振興基本法が成立しました。小規模企業が、地域経済と雇用の担い手として大きな役割を発揮していることに着目し、従業 員5人以下の企業を「小企業」として定義し、個人事業主や法人化されてない家族経営の零細業者を地域経済の主体と位置付けています。この基本法の第七条で は、地域の特性に応じた施策を策定し、実施することを地方自治体の責務としています。これを受け、全国の自治体で中小企業振興基本条例等の制定が進んでい ます。23区でも17の自治体が条例を制定し、地域経済の活性化や小規模企業の持続的発展に取り組んでいます。中野区は産業振興ビジョンの中で「中小企業 の振興」を示していますが、より個々の小規模企業の振興に実効性のある施策が求められています。
 区においても、小規模企業の振興を区の重要施策として位置づけるとともに、中小企業振興基本条例の制定を検討すべきだと考えます。見解を伺います。
 この間、自治体レベルでの小規模企業振興を目指す積極的な動きが様々な形で広がっています。昨年、党議員団は、群馬県高崎市で行われている「まち なか商店リニューアル助成事業」を視察しました。この事業は2013年から始まり、商業の活性化を目的に、商売を営んでいる人、まはた営もうとする人が 「店舗等の改装」や「店舗等で専ら使用する備品の購入」を行うことに対し、その費用の2分の1を補助するもので、100万円を上限とし、すべて市内業者に 発注される仕組みです。市内の個店を支援するために、広く周知を行うとともに、高齢者でも手軽に申請できるよう手続きを簡素化し、幅広く募集を受け付けた ことが成功につながっています。今年度までの3年間で1703件、11億7470万円の助成を行い、経済波及効果は、おおよそ27億円を超えるとされてい ます。
 もちろん、中野区と高崎市では地域特性などの相違があります。しかし、リフォーム工事も物品購入も地元の業者に限定することで、地域でお金が循環するという『域内循環』は、中野区でも見込めるのではないでしょうか?見解を伺います。

 制度を創設するにあたり、高崎市の富岡市長は、2012年度に商店振興のため何が必要なのか調査を行うよう指示し、直接、職員が商店に足を運び、 要望を聞き取る形で280軒の店舗を訪問した結果、「店の改装・修理などをしたい」という意向の商店は2割程度ありました。さらに「市がお金を補助すると したらどうですか?」と聞くと半数の方が「それならやりたい」と答えたそうです。これらの結果を踏まえ、この制度が始まりました。市長は「地元の小さな業 者を支援する制度をつくることは自治体の役割」とし、議会では全会派が一致して、制度を後押しています。
 小規模企業振興基本法が自治体の責務としている「地域の特性に応じた施策」を策定するためにも、実態調査は欠かせません。中野区でも、まず、区内の商店がどういった支援を求めているのか、調査を行ってみては如何でしょうか?伺います。
 いま、全国の様々な自治体で、高崎市の「まちなか商店リニューアル助成事業」をモデルにした商店への支援が広がっています。江東区でも、商店街の 中核を成す、鮮魚、精肉、青果の生鮮3種を対象に、増改築費や設備費の2分の1、200万円まで補助する事業を今年度から初めています。実際に制度を利用 した精肉店では「もう店を閉じようかと悩んでいたが、今後は息子の世代にも後を継いでもらう決心ができた」という声もあり、「やる気の創出」や「後継者問 題」において、早速効果を発揮しています。
 中野区でも、国や都の支援メニューに任せるだけでなく、他の自治体でも効果を発揮している「商店リニューアル助成事業」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?伺いまして、すべての質問を終わります。

広川まさのり議員への答弁

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 広川議員の御質問にお答えをいたします。
 子ども支援・学校教育に関連して、U18プラザ・児童館の廃止についてという質問でありました。
 児童館につきましては、キッズ・プラザへの移行により現在U18プラザとしているものも含め、全て廃止することとしているところであります。
 子育てひろば、キッズ・プラザ展開と児童館の廃止に関連してという御質問でした。地域子育て支援拠点としての子育てひろばは、児童館の子育て支援機能を特化して充実を図るもので、乳幼児親子が気軽に利用できる身近な場所に整備することを考えております。商店街の空き店舗だけではなく、保育所や区有施設などを活用して展開をしていく考えであります。キッズ・プラザにつきましては、小学生の安全、安心な活動場所として、全ての小学校施設に展開をしていくものであります。また、地域のネットワークづくりや子育てに関する切れ目のない相談支援は、すこやか福祉センターの医療・福祉の専門職が担ってまいります。
 民間活用による中高生支援についてということです。中高生や若者を取り巻く社会環境は大きく変化し複雑化する中、次の時代を担う若者が多様な交流や体験活動、ボランティア活動などを通して、社会性や人間性を育むとともに、地域社会の一員としての意識を醸成し、社会参加や社会貢献活動にかかわっていくことは重要なことと考えております。区内中高生が参加するハイティーン会議などがそうした事業の一例と言えるわけですが、U18プラザでは、児童館としての活動が引き続き行われたことから、そうした事業の展開はできておりませんでした。若者の多様なニーズや興味、関心に応え、魅力ある事業とするためには、地域の多様な資源や人材を活用するとともに、若者支援のノウハウを持つNPOなど、民間団体の活用が有効と考えており、今後はさまざまな施設等を活用しながら、多様な事業の展開を図っていきたいと考えております。
 中高生の自習室のような居場所としての評価についてであります。U18プラザは、中高生が占用するための場の提供ではなく、子どもの年齢に応じた多様な活動機会の提供や支援を目指してきましたが、そうした機能については必ずしも十分に果たせていないと考えているところであります。
 U18プラザの廃止、また児童館の廃止を見直すべきだと、こういうことであります。区では、子ども・子育て支援事業計画を策定し、全ての子どもたちが健やかに成長し安心して子育てができるまちを目指した取り組みを推進しているところであります。新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の策定に当たって、U18プラザの廃止についての考え方や今後の展開などについて、地域や関係団体などと意見交換を行い、その結果を踏まえて案としてまとめていきたいと考えております。
 私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 学校再編計画についての御質問がございました。
 初めに、6年後に、区立小学校の児童数はどの程度増加するのかということです。今年度のゼロ歳児が就学する平成33年度には、区立小学校の児童数は1万人を超え、この人数を今年度と比較すると1,400人程度増加すると推計をしています。
 次に、改築する学校施設について、どのような施設が必要かという御質問です。学校施設の改築に際しては、生きる力を育むという理念のもと、知識や技能の習得とともに、思考力、判断力、表現力などを重視し、一人ひとりに応じたきめ細かな学習指導や確かな学力の定着を図るため、ICTを活用した授業や少人数指導など、多様な学習形態に対応できる環境整備や、地域開放型学校図書館の設置などを考えているところです。
 次に、小学校の適正な学級数についてです。第2次再編計画では、小学校においては少なくとも12学級から18学級を目指すということとしておりまして、この考えは現在も変わっておりません。
 次に、少人数学級についてです。授業においては、教科によっては一定規模の学習集団による指導が効果的なものもあり、少人数学級より少人数指導の充実に取り組むことが重要であると考えてございます。中野区としては、学級の編制については東京都の学級編制基準にのっとり進めていく考えでございます。
 次に、前期再編計画の評価についてです。現行の第2次再編計画を策定するに当たりまして、既に再編した学校の児童・生徒、保護者等にアンケートを行っています。調査内容からは、統合することで交遊関係が広がった、運動会や合唱コンクールなどは人数がふえて楽しくなった、部活動が活発になったなど、高い評価を得ていることから、評価されたものと受けとめています。また、区としても、学級再編を進めることで一定規模の学級数が確保され、部活動の充実や専科の教員の確保、学校施設が整備できたと考えており、より充実した教育環境を整えていくことができたと評価しているところでございます。
 第2次学校再編計画の見直しについてです。今後も第2次再編計画に基づいて再編を進めるとともに、小学校と中学校の通学区域の整合化を図ることで小・中連携教育を推進するなど、中野区の教育環境の整備、向上に努めてまいります。したがいまして、第2次再編計画の見直しは考えてございません。
 次に、教科書採択についてです。
 まず、採択の透明性を高めるための臨時会の公開についてです。臨時会につきましては、非公開ではございますが、採択後、その議事録を公開することにより採択手続きについての透明性は保たれていると認識しています。今後臨時会を公開で行うことについては考えてございません。
 次に、選定委員会や調査研究会の調査報告の内容についてです。教育委員会では、調査研究会の調査結果や教科用図書選定調査委員会の報告などを参考に、教育委員それぞれが調査研究した内容をもって協議をしてまいりました。教育委員も、教育委員会が教科書の採択権者であるという責任の重さを深く認識して採択を行ってきたところでございます。
 次に、教員の意見が一層尊重される教科書採択についてという御質問でした。教員の意見については、教科用図書選定調査委員会や調査研究会の委員として聴取をしています。教育委員会としては、これまでの方法で十分に教員の意見が反映されていると認識しています。
 次に、教科書採択の公正確保の徹底の取り組みと、問題を把握した場合の措置についてです。これまでも教員の服務に関しては、校長会や教員の研修会等を通して指導してきているところでございます。教員の服務の厳正について、これからも徹底してまいります。また、教科書会社と教員の不適切な接触については、東京都教育委員会を通して調査の依頼が来ており、現在調査中でございます。教員に服務上法令等に違反する行為があった場合は、東京都教育委員会に報告し、厳正に対処する考えでございます。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、災害対策についての御質問にお答えをいたします。
 まず、感震ブレーカーの普及についてでございます。感震ブレーカーにつきましては、区報で周知するとともに、起震車に感震ブレーカーを設置し、起震車訓練や防災体験デーの機会を活用して、作動体験や作動実演などの展示を行っております。
 次に、感震ブレーカーの設置補助についての御質問でございます。国や都の動向を見ながら、防災用品のあっせん品目に加えるなど、設置促進策について検討を行っていきたいと考えております。
 次に、防災行政無線の停電時の稼働時間についてでございます。固定系の防災行政無線の機器のうち、屋外拡声子局が内蔵バッテリーで約2日間、防災センターにある統制卓につきましては庁舎の非常用発電機で作動するため、備蓄燃料で約16時間の稼働となりますが、災害協定により燃料が供給されるので連続稼働が可能であると考えております。また、移動系の無線機は半固定型が内蔵バッテリーで約1日間、その後は避難所などに配備してある発電機で充電し使用することになると考えております。
 次に、JCOM中野の防災情報サービス加入世帯の見込みでございます。JCOM中野は、昨年12月より、緊急地震速報のサービスに付随して区の災害情報の提供を開始しており、この2月からは、加入促進キャンペーンを行っていると聞いております。区としても、加入の動向につきましては注目していきたいと考えております。
 最後に、コミュニティFMの活用についてでございます。区は、区民への情報提供手段として、防災行政無線、ホームページ、ツイッター、Lアラート、エリアメールなどを構築しているほか、JCOM中野と防災情報の放送に関する協定も締結しております。情報提供手段につきましては、今後も検討してまいりたいと考えております。
〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕
○都市政策推進室長(長田久雄) 商店リニューアル事業についての御質問にお答えをいたします。
 まず、中小企業振興基本条例の制定に関してでございます。区では、平成24年10月に、中野区産業振興ビジョンを策定し、目指すべき将来像を実現するための戦略の一つとして、中小企業の振興を位置付けているものでございます。この産業振興ビジョンに基づき、産業経済融資や経営相談、経営者や従業員向けのセミナー、人材確保のための合同面接会など、中小企業振興のために実効性のあるさまざまな施策を実施しており、御提案のような条例を制定する必要はないと考えているところでございます。
 次に、商店リニューアル事業と経済の域内循環についてでございます。群馬県高崎市と中野区では状況が違うため、同じような助成制度導入は考えておりません。
 次に、商店街の住民ニーズ把握にかかる支援についてでございます。個店に対する助成事業を実施する予定がないため、その事前調査を実施する必要はないと考えております。
 最後に、商店リニューアル事業の実施についてでございます。江東区では、地域住民にとって魅力ある商店街にしていくため、魅力ある商店街創出事業の一つとして、特に消費者の商店街離れを防ぐ効果のある生鮮3品小売店への支援を行っているところでございます。中野区では、地域生活を支えるコミュニティ拠点としては、医療・介護、子育てサービスなど、ライフサポートサービスへの支援を行っていく考えでございます。中野区においては、商店街全体の機能を高めるために、にぎわいを創出するような事業については商店街向けに助成を行っているところでございます。