【本会議・一般質問】
(2015年6月25日)

中野区議会議員 広川まさのり

  1. 子どもの貧困対策について
  2. 子ども施策の拡充について
    1. 保育園について
    2. 児童館について
    3. 学童クラブについて
  3. バス停の屋根設置について
  4. その他

○副議長(白井ひでふみ) 次に、広川まさのり議員。

〔広川まさのり議員登壇〕

1 子どもの貧困対策について

○19番(広川まさのり) 2015年第2回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。
 まず初めに、子どもの貧困対策についてお伺いします。
 日本では、子どもの貧困問題が深刻化しています。厚生労働省の調べによれば、子どもの貧困率は過去最悪の16.3%に上り、国民の平均的な所得の半分に満たない世帯で暮らしている17歳以下の子どもが全国で約325万人あまり、6人に1人が貧困に該当しています。日本の場合、政府からの子育て世帯への援助が限られており、生活保護など公的扶助の捕捉率も他の先進国に比べて低いという状況があります。現在、中野区においては、国民健康保険料や保育料の値上げなど、さらに子どもの貧困を助長させるような状況と言わざるを得ません。また、3年間で段階的に行われている生活保護基準の引き下げに連動した就学援助基準の引き下げにより、区内では150人が非認定となっており、最終的には200人程度が就学援助を受けられなくなります。区は現在、就学援助の引き下げによる補助の打ち切りに対し経過措置を行っています。貧困の深刻化が進む中で、来年度以降もこの経過措置を継続すべきと考えます。認識をお伺いします。
 また、一昨年、子どもの貧困対策法が成立しました。子どもは将来を担う社会のかなめであり、深刻化する貧困の連鎖を食いとめなければならないという理念が広がり、施行されたものです。この法律の基本理念には、子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを掲げ、この基本理念に沿って地方自治体は子どもの貧困対策を総合的に策定・実施しなければならないと義務付けています。しかし、安倍政権が策定した政策大綱は実効性に乏しく、改善・充実を求める声が上がっており、自治体独自の努力も始まっています。足立区は、子どもの貧困対策に取り組む専門の部署を設けて早期発見・早期支援に乗り出しました。妊婦が母子手帳を受け取る際に提出する妊娠届出書にパートナーとの関係や生活費などで困っていないかを記入する欄を設け、子どもが生まれる前から貧困につながるリスクを見つける取り組みを行っています。また、区内全ての小学校で1年生の全児童を対象に健康状態や生活習慣、保護者の経済状況を総合的に調査しています。その結果を踏まえた上で同一児童を対象とした追跡調査も検討されております。経済格差が進む今、子どもたちの実態を解明することが重要です。中野区においても、切れ目のない子どもの貧困対策に取り組む上で、こういった専門の部署を設け、子どもの貧困問題に向き合うべきではないでしょうか。見解をお聞きします。
 次に、寡婦(夫)控除のみなし適用についてお聞きします。
 現在、日本のひとり親家庭では貧困率が5割を超え、2人に1人が貧困状態にあります。これは先進国の中では最悪の水準です。日本のひとり親家庭の特徴は、就労率が高いにもかかわらず、貧困の状態だということです。子どもの貧困対策を考えるとき、ひとり親家庭への公的支援は中心的な課題です。さらに、婚姻歴のないひとり親家庭は税法上の寡婦(夫)控除の適用がないことから、区の保育料など一部の使用料について負担軽減の措置が受けられず、婚姻歴のあるひとり親家庭と同様のサービスを受けていても現状では利用者負担に差が生じています。現在、全国の自治体で保育園や幼稚園の保育料、学童クラブの利用料、住宅使用料などにおける寡婦(夫)控除のみなし適用の実施が進んでいます。ことし、第1回定例会におきまして、中野区においても寡婦(夫)控除のみなし適用をできるだけ早期に実施していくとのことでありましたので、この間検討はされてきたと考えます。いつからの実施となるのか、伺いまして、この項の質問を終わります。

2 子ども施策の拡充について


(1)保育園について

 次に、子ども施策の拡充について伺います。
 まず、保育園について伺います。
 今年度より子ども・子育て支援新制度が始まりましたが、児童福祉法第24条第1項で実施責任は地方自治体にあることは変わっていません。その中で、多くの保護者が都の認可園を希望しながら不承諾になっているという状況があります。新制度のもとで保護者の入園希望がどの程度実際に反映されているのかという実態を調査する体制をつくり、本格的に保育施設の拡充に努めるべきだと考えます。現在、中野区において都の認可園に入れなかった児童数、いわゆる旧定義での待機児童数をお聞きします。
 また、子ども・子育て支援新制度のもとで、4月の段階で0歳から2歳児のみを対象にした保育施設に通う児童数は320人程度となっています。こうした保育施設にいる児童は、3歳になると保育環境を新たに見つけなければなりません。区は連携施設の設定や利用調整の加算により保育の継続を確保するとのことですが、出生数がふえ、さらに女性の就労がふえる中で、今後は3歳以降の受け皿がさらに不足することが考えられます。3歳になり保育施設を利用できなくなるという3歳の壁を生まないための対策に早急に取り組んでいくべきだと考えます。見解をお伺いします。
 続きまして、保育園の拡充について伺います。
 この間、保育園に子どもを預ける保護者に聞き取りを行う中で、家庭的保育事業や小規模保育事業に子どもを預ける保護者からは、遊具や園庭といった施設が充実している保育園への転園を希望しているという声が多く聞かれました。また、認証保育園を利用する保護者からも同様の声が聞かれます。中野区にはかつて41園の公立保育園がありました。これは保育所をつくってほしいという保護者の声に区が応えて拡充してきたものです。しかし、保育園適正配置計画や中野区財政健全化計画、そして10か年計画などのもとで廃園や民営化、民間委託が相次ぎ、公立保育園は現在16園となっております。待機児童の解消や保育の質の確保が求められる中で、子育て支援のかなめとなる公立保育園の廃園、民営化をこれ以上進めるべきではないと考えます。また、区は、中野区子ども・子育て支援事業計画の中で「子どもたちがのびのびと健やかに成長し、子どもを育てる喜びを感じながら、安心して子育てができるまち」を基本理念に掲げています。であるならば、子どもが安心して走り回れる園庭があり、資格を持った職員に見守られ、手づくりの給食を食べる、そういった子どもが育つ上で当たり前の健やかに育つ権利は保障すべきと考えます。区は、国有地、都有地、区有施設の活用などで、今多くの保護者が求めている都の認可園の拡充を進めるべきではないでしょうか。見解をお聞きします。


(2)児童館について

 次に、児童館について伺います。
 中野区は、これまで8館の児童館を廃止し、さらにこれから11館の廃止を予定しております。児童館は乳幼児親子をはじめとした子どもたちの貴重な居場所です。私の子どもは1歳5カ月になるまで保育園に入れず、雨の日でも安心して走り回れる児童館を毎日のように利用しておりました。在宅の乳幼児親子にとっては、母親のストレス軽減、子どもの運動不足の解消、母親同士のつながりという点でも子育てにとってかけがえのない役割を果たしています。小学生には放課後や学校休業日の地域の遊び場としてキッズ・プラザには担えない役割を果たしています。さらには、地域のさまざまな団体と子どもを中心としたイベントが行われています。児童館がなくなることで、長い期間をかけて構築してきた地域活動や子育てネットワークの拠点が失われてしまうという職員の声もあります。児童館は地域の魅力です。
 そこで、お伺いします。これ以上児童館は廃止すべきではありません。答弁を求めます。


(3)学童クラブについて

 次に、学童クラブについて伺います。
 学童クラブは、保護者が仕事や病気、看護などのため、放課後に家庭で保護を受けられない小学生にとって安心して遊ぶことのできる日常生活の場です。現在、核家族化や共働き家庭の増加などにより希望者はふえ続けているのに対し、整備が追いついていないことで学童クラブの待機児童は増加傾向にあります。中野区は、平成22年から平成26年の間にゼロ歳から5歳の未就学児の人口が1,200人増加しています。一方、少子化等を理由に数年間でさらなる小学校の統廃合を行う計画です。それに伴い、併設の学童クラブも統廃合されるというところもあります。今後、さらに学童クラブの待機児童は深刻になっていくことは明らかです。現在、区内の学童クラブで待機児童が発生している施設数と待機児童数を伺います。
 また、今年度、4カ所の学童クラブが民設民営で開設予定でしたが、実際には2カ所しか開設に至っていません。こういった事態を繰り返さないためにも、学童クラブの増設は区が責任を持って行い、待機児童の解消に取り組むべきです。今年度、子どもが学童クラブの待機児童になったというお母さんからは、仕事をやめるわけにはいかず、子どもの意見も尊重しながら新たに習い事を幾つかふやし放課後の時間を埋めたが、月謝が家計を圧迫しているという話がありました。ここでも子どもの貧困と連鎖的につながる事態を生み出しています。今後、さらに待機児童数はふえる傾向にあります。区長は、行政報告の中で女性が働き続けられる環境づくりということを述べられておられます。人口の流動性が高く、合計特殊出生率も全国で最も低いグループに属する中野区として、必要なのは子どもを育てながら安心して働き続けられる自治体にすることではないでしょうか。これ以上の学童クラブの待機児童を生み出さないために、民間ではなく区が責任を持って国有地、都有地、区有施設を活用するなど、早急な対応をすべきではないでしょうか。見解をお聞きします。

3 バス停の屋根設置について

 次に、バス停の屋根、いわゆる上屋の設置についてお伺いします。
 バス業界からの要望を受け、都はこの春から都内の歩道において広告つきのバス停が設置できる条件を緩和しました。これにより上屋のあるバス停の設置が進むことが考えられます。上屋の製造、設置、清掃やメンテナンスは民間の広告企業が請け負うことになります。新しい広告つきバス停は、風防の役割を果たします。また、時刻表の文字を大きくしたり、太陽電池やLEDによる省エネタイプの照明を採用したりと、利用者の利便性や環境に配慮したものとなっております。バス停の充実はこれまでも多くの利用者が求めてきました。かつて、山手通りのバス停の上屋、ベンチ設置において、道路の拡幅工事に伴い、山手通りの問題に取り組む住民の皆さんが都に要求し、バス協会など関係者と協議して設置したという経過があります。設置が進めば、雨天の乗り降りの安全性が向上することや待ち時間に日差しをしのげるなど、高齢者にとっても利用しやすくなります。こういったバス停の上屋の必要性を区としてどのようにお考えでしょうか。認識を伺います。
 山手通りの成願寺前バス停や方南通りの南台交差点バス停など、このたびの基準緩和を機にバス会社が広告つきの上屋を設置できることとなるバス停は区内に数多くあります。もちろん、道路管理者として道路の安全性の確保などにより、どこでも可能とはならないでしょう。しかし、利用者の立場に立って、区としてバス会社を含めた関係機関に区内のバス停の上屋設置を要望すべきと考えます。見解をお聞きします。

4 その他

 その他の項で1点、南部防災公園工事の安全対策について伺います。
 現在、南台一丁目において防災公園が整備中です。南半分の公園部分が第1期工事で完了し、28年2月までに北半分の運動広場の整備を完了する予定となっております。第1期工事で完成している公園において、現在も高い工事用仮囲いが設置されています。公園の南西の角が交差点になっており、角の部分には透明なアクリル板が施されておりますが、範囲が狭く、見通しも良好だとは言えません。実際に自転車同士の接触なども起こっており、地域の皆さんからは危険だという声が上がっています。これから第2期工事が始まるに当たり、交差点に接する工事用仮囲いにおいて、視認性確保と歩行者の安全性の向上のために隅切り部分を拡張するといった対策を区として事業者に要望することを求めます。見解をお聞きしまして、全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 広川議員の御質問にお答えをいたします。
 子どもの貧困対策についてであります。専門的な部署を設置して対応を図ってはどうかということであります。子どもの貧困対策については、各事業を所管する部署が主体となって連携をとりながら取り組んできているところであります。組織のあり方について変更する予定はありません。
 寡婦(夫)控除のみなし適用についてであります。いわゆる寡婦(夫)控除のみなし適用の実施については、関係部署におきまして検討・調整を行っているところでありまして、今年度中の実施を目途に準備を進めております。
 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 就学援助の経過措置についての御質問です。就学援助の経過措置は、昨年度から3年間にわたって実施しているものでございまして、来年度までの実施が決まってございます。その後の経過措置につきましては、現時点では考えてございません。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、子ども施策の充実の御質問のうち、保育園についてお答えをいたします。
 まず初めに、いわゆる旧定義の待機児童数についてでございます。待機児童数につきましては、厚生労働省の通知に基づきまして区市町村が定義を決め、把握をしているところでございます。区としましては、この定義で政策判断を行っておりまして、旧定義という概念自体用いていないところでございます。
 この4月から始まった子ども・子育て支援新制度では、施設体系が再編をされまして、保育所、認定こども園、小規模保育事業、家庭的保育事業等が認可保育施設となったところでございます。なお、この4月に保育の利用希望をして、入所相当と判断されても認可保育施設に入所できなかった児童の数は522人で、以上の施設に入れなかった児童から認証保育所に入所した児童数等を除いた待機児童数は172人となってございます。
 次に、保育施設整備につきましての御質問でございます。区はさまざまな保育ニーズに対応するため、区有施設を活用した保育所整備や小規模保育事業、民間保育所の誘致など多様な対策を講じているところでございます。小規模保育事業等を利用する子どもの3歳以降の保育施設につきましては、現在、区が連携施設の確保に向け調整を進めているところでございます。また、公有地等の活用につきましてはさまざまな角度から検討をしておりまして、今後とも確保に努めてまいりたいと考えてございます。

〔地域支えあい推進室長野村建樹登壇〕

○地域支えあい推進室長(野村建樹) 私からは、まず児童館についての御質問にお答えをいたします。児童館につきましては、学年を超えて交流し、安全に安心して過ごせる遊び場でございますキッズ・プラザの小学校内への開設にあわせまして順次廃止することとしてございます。また、乳幼児親子の居場所につきましては、中野区子ども・子育て支援事業計画に基づきまして地域子育て支援拠点事業として整備を進める予定でございます。
 続きまして、学童クラブの待機児ということでございました。近隣の民設学童クラブを利用することなく、当該学童クラブでの利用を待機している児童数は4月1日現在で10カ所、73名となってございます。人数が多い学童クラブは、桃花学童クラブが29名、平和の森学童クラブが16名、桃園学童クラブと若宮学童クラブがそれぞれ6名という状況になってございます。
 続きまして、民間学童クラブについての御質問です。保育時間の延長など、今後も多様化し、増加する学童保育ニーズに的確に対応していくには民設学童クラブの設置は不可欠であるというふうに考えてございます。設置場所につきましては、民間施設や公的なストックなど、さまざまな資源の活用を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、まず、バス停の屋根設置についての御質問にお答えをいたします。バス停に屋根、上屋を設置するためには歩道上に一定程度の幅員が必要であり、必ずしも全てのバス停に設置できるというものではございません。その必要性や設置の判断につきましては、交通管理者との協議に基づいてバス事業者がするものと考えております。区といたしましては、道路管理者の立場で、中野区道路占用許可基準に基づいて協議があれば対応しているところでございます。
 次に、(仮称)南部防災公園の工事用仮囲いについての御質問がございました。仮囲いは、道路区域にはみ出しているわけではなく、工事の安全確保にも必要でございます。交差点部分につきましては、クリアパネルを使用するなどして歩行者の安全にも一定の配慮をしており、仮囲いの移設を求めることは考えていないところでございます。