【本会議・一般質問】
(2015年6月25日)

中野区議会議員 いさ哲郎

  1. 若い世代の労働実態について
  2. 旧桃丘小学校跡地の利用について
  3. 中野区立学校教科用図書の採択について

○議長(北原ともあき) 次に、いさ哲郎議員。

〔いさ哲郎議員登壇〕

1 若い世代の労働実態について

○20番(いさ哲郎) 2015年第2回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場で一般質問を行います。
 まず最初に、若い世代の労働実態について、4点お伺いします。
 第1に、若者を大量に採用し使い捨てるように扱う、ブラック企業が社会問題化したことを受け、4月17日、青少年雇用促進法が超党派で参院を通過しました。今、若年層が経験しているブラック企業の実態は壮絶です。休暇や休日もない長時間過密労働、サービス残業、セクハラやパワハラ、働き過ぎて心や体を壊す、そしてその先には過労死や過労自殺があります。この国の働かせ方が総じて異常であることは疑いようがありません。
 中野区で日本共産党として行ってきた独自の調査でも、中野区内の青年からさまざまな違法労働の実態を聞き取ることができました。酒類量販店に勤めていた青年は、ボージョレーヌーボーなど季節販売品の売れ残りを買い取りさせられていました。運送会社に勤めているという青年は、賃金支払いの先送りや会社車両のガソリン代自腹などの条件に耐えながら5年以上も勤めてきたのに、会社の計画倒産のために通告なしの急な首切りに遭っていました。こういったブラックな働き方は今日では学生のアルバイトにまで広がっており、ブラック企業に続きブラックバイトという言葉まで登場しました。
 ことしの3月31日には、四季の森にある明治大学の構内において、「ブラックバイトにつぶされないために」という企画があり、私も参加してまいりましたが、この企画の場で学生アルバイトの驚くべき労働実態が報告されました。講義中でも試験中でも電話で呼び出され、顧客対応しなければいけない。1日5時間という契約なのに11時間もシフトを入れられる。テスト前だからと断ったのに週6日、7日という無理なシフトを組まれる。やめたいと申し出たら、次の採用の広告費などの名目で100万円以上の請求が来た。さんざん残業をさせておきながら、残業代は出せないからとお店の商品が現物で支給されるなどなど。学生のブラックバイトでは、その本分である学業に多大な支障を来し、場合によっては学業を断念せざるを得なくなるようなケースもあります。このことは社会全体にとって大きな損失です。中野区としてもブラック企業問題、違法労働問題についての対策を講じる必要があるのではないでしょうか。お答えください。
 第2に、神奈川県では、県、神奈川労働局、経済団体、労働団体が連名により、『「若者の使い捨て」撲滅かながわ宣言』というものを出し、『「若者の使い捨て」対策を実施します!』という積極的なウェブサイトを作成しています。若者の使い捨て・職場のパワハラに対する電話とメールの受付を設置、労働相談会や講演会、セミナーなどの啓発活動など、極めて具体的な対策を講じています。また、簡単な労働法規の解説のほか、県の労働相談窓口等を掲載した「若者が安心して働き続けるために」というリーフレット、若者の使い捨ての典型的な事例や関連する労働法規等をわかりやすく解説したリーフレットなどもサイト上にアップしています。県内の労働センターのリンクや電話番号もすぐ見てわかる場所に掲載されています。
 先日の都議会でも、ブラック企業、ブラックバイトの問題について質問された舛添都知事は、学生が法令に反した労働条件での勤務を強いられ、学業に支障を来すことはゆゆしき事態だと答弁し、トラブル解決や啓発活動を進めるという認識を初めて示しました。国も東京都も若年層の違法労働について動き出しています。中野区としても若い世代の違法労働対策に特化したウェブサイトを作成すべきと考えます。答弁を求めます。
 第3に、現在、中野区のウェブサイト「ぐっJOBなかの」の中には就職にかかわる情報が日々掲載されています。このサイトの利用・運用規約というページには、その第4条に、法令等に違反し、または違反するおそれのある行為があったときは登録を削除する、また登録を受けようとする情報が事実と異なるときには登録を削除するという文言があります。つまり、違法労働行為があった場合には登録を削除するということになります。また、募集と契約内容が違うとなると労働基準法違反が疑われ、登録削除ということになります。しかし、幾ら違法があったら登録削除などといっても、違法があった場合にどこに連絡すればいいのか、その連絡先などの記載もありません。そもそも何が労働基準法違反なのかを判断する方法がない、相談する先もわからないというのが現状ではないでしょうか。このサイトの規約にもかかわる問題ですから、違法な行為、登録情報と提示内容が違うような場合の連絡先・相談先をきちんと案内するようなコーナーをサイト内に作成すべきと考えます。他区においても東京都労働相談情報センターのリンク先と電話番号をページ内に記載するということは既に幾つかの自治体で行っています。中野区ウェブサイトの改善を求めます。お答えください。
 第4に、ポケット労働法についてお聞きします。
 東京都の作成しているポケット労働法を中野区において積極的に活用すべきと考えます。B6版132ページの小冊子ですが、労働法に関してコンパクトにまとめてあります。若い人たちは残念ながら労働法そのものをきちんと学ぶ機会にも恵まれていません。労働法を知っていただく機会として、このポケット労働法を成人式において新成人に配布してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
 また、区内の高校、大学、専門学校に呼びかけ、学校の図書館や学生課へ配布し、学生課とも共同して学生への告知をすることは基礎自治体の責任の範囲でできることではないでしょうか。お答えください。
 以上でこの項の質問を終了します。

2 旧桃丘小学校跡地の利用について

 次に、中野三丁目地区のまちづくり及び桃丘小学校跡地の活用について、2点お聞きします。
 第1に、この地域は再開発の計画において、線路をまたぐ南北自由通路のおり口として南口広場ができ、そこから小学校跡地にかけて再開発が検討されてきました。この桃丘小学校跡地はUR都市開発機構に売却が済んでいますが、この件では少なくない住民の方から疑問や不満の声が上がっています。
 都市計画法第18条第2項には、市町村の都市計画マスタープランについて基本的な方針を定める際には、公聴会開催など、住民の意見を反映させる必要な措置を講じるものとしています。これは中野区の自治基本条例にも、その第14条において住民の参加について規定していることに反映されています。そして、マスタープランそのものにも見直しは区民と行政の協働により見直すと明記されています。住民参加が前提となっています。
 この中野三丁目地域では、本年3月下旬に付近の住民の皆さんが集まって自主的な話し合いの場が持たれましたが、その中で事前の説明がないという意見が散見されました。実際には2月20日には区による説明会が開催されてはいましたが、この説明会の開催自体の告知についてはホームページ上と広報のみであり、十分に周知されたとは言いがたいのではないでしょうか。住民の皆さんへの十分な説明、配慮がないまま、この地域の再開発が進んでしまっているということはないでしょうか。今後は、そのような話し合いの場を設けるに当たり、告知の方法を改善すべきと考えます。町会や商店会へは個別に知らせる、区のお知らせ板に掲示をする、町会の掲示板への掲示をお願いするなどによって、より多くの区民の皆さんにお知らせしていくことができると考えますが、この件についてお答えください。
 第2に、その話し合いの場で出てきた意見、そして私自身が地域で聞き取りをし、また地域の方々から直接いただいた要望の中で多かったのは大きく2点です。一つは避難所が遠くなって困るということ、もう一つは何らかの公共施設をつくってほしいということです。避難所については、中野三丁目の地域については桃花小学校へと変更になっています。しかし、線路に近い地域に住んでいる高齢者や障害を持った方などはいざというときに桃花小学校まで避難するのは現実には困難です。また、中野三丁目地域には公共の施設がありませんから、区有地があるならばお年寄りが集まる場所、子どもが安心して過ごせる場所をつくってほしかったという声は当然です。このような住民要求について、聞きっぱなし、聞いて終わりにするのでなく、きちんとしんしゃく検討するような積極的な話し合いの場を設けるべきです。防災という観点からは、例えば、緊急時のトイレの開放、食糧や防災グッズの備蓄など、何らかの防災機能を持たせるということ、公共の施設という観点からは、例えば、コミュニティーセンター、コミュニティーカフェなど、公共性の高い施設を建物の一部に設けさせること、これらを前提として中野区、UR、住民の皆さんの三者での話し合いを継続すべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
 以上でこの項の質問を終わります。

3 中野区立学校教科用図書の採択について

 次に、中学校の教科書採択について、2点お聞きします。
 第1に、この4月、中学校教科書の検定結果が公表されました。9教科15種目104点の教科書が検定合格ということで、この採択について8月いっぱいまでに行われることになっています。
 昨年の法改正で教育委員会制度が変わり、首長が総合教育会議という常設の機関を設けることが義務付けられ、そこで教育方針として大綱を作成しなければいけないとなりました。このことをもって、首長の権限で教科書を採択させる道が開けたというように喧伝する団体もあるようですが、そうではないはずです。文部科学省は、教科書採択は教育委員会の専権事項であり、総合教育会議の協議題になじまないとしています。また、国会では、文部科学省初等中等教育局長が、教科書採択の方針は首長の権限にかかわらない事項である。仮に大綱に教科書採択の方針が記載されたとしても、教育委員会には尊重する義務はないと答弁しています。つまり、法改正があっても教科書採択の権限についてはこれまでと変更がなく、総合教育会議や大綱で教科書採択について協議の議題とすべきではないと理解をしていますが、見解をお伺いします。
 2点目です。本年4月に文部科学省が出した採択についての通知の冒頭部には、教科書採択に当たり、責任を負っているのは教育委員会だと明記されています。同時に、その教育委員会の判断のためには綿密な調査・研究に基づいて行われなければいけないと書いてあります。基づいてというのは、綿密な調査・研究なしにはやっていけないという強い言い回しです。その綿密な調査・研究の中心になるのは、政府答弁では教員となっています。また、限られた時間の中で教育委員が104点の教科書を全て読み、比較検討するというのは物理的にも困難です。教科ごとの専門の教員がそれを担うというのが実態としてもふさわしいということになります。
 中野区においては、教育委員会が学識経験者、教諭、保護者などで構成される中学校教科用図書選定調査委員会に調査を依頼する。そして、教科ごとに校長、副校長、教員6名からなる調査研究会を設けて、それぞれ調査依頼をする。そして、その報告が上がっていくという仕組みになっています。綿密な調査・研究に相当する仕組みがこの中野区で担保されているということになります。最終的に、教科書採択の判断をするのは教育委員会ですが、その判断のためには教科ごとの調査研究会と中学校教科用図書選定調査委員会の報告が重要であり、それをしっかり踏まえた採択でなければならないと認識していますが、この件についてお答えください。
 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) いさ議員の御質問にお答えをいたします。
 若い世代の労働実態についてという御質問であります。若者の使い捨て対策という言葉についての御質問でありました。労働相談については東京労働局などを御案内しておりまして、区が独自に実施をすることは考えておりません。区の就労・求人支援サイト「ぐっJOBなかの」の上では、国の相談事業であります労働条件相談ホットラインの案内ページにリンクを張ってありまして、そちらを開けるようにしているというところであります。
 また、ポケット労働法についての御提案がありました。この「ぐっJOBなかの」でポケット労働法についてもリンクを張っているところであります。成人のつどい等での配布の考えはありません。
 私からは以上です。その他はそれぞれ担当のほうからお答えいたします。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教科書採択に伴う調査・研究等の手続についてです。教科書採択に伴う調査・研究に際しては、学識経験者、区民、教員等で構成する選定調査委員会等を設置し、公正・公平に教科書の調査・研究を行ってございます。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 旧桃丘小学校跡地の利用に関する御質問についてお答えをいたします。
 まず、区報及び区ホームページによる説明会の開催についての御質問がございました。平成27年2月10日開催の中野三丁目地区のまちづくり及び桃丘小学校跡地の活用についての地域説明会につきましては、各戸配付されている区報で開催を案内するとともに、1月20日より中野区のホームページで案内をしたところでございます。広く区民に周知すべき説明会については同様の取り扱いとしているところでございます。
 次に、旧桃丘小学校施設への地域の声の反映についての御質問がございました。桃丘小学校跡地は、UR都市機構による土地区画整理事業と土地有効利用事業によって活用するということを決めているものでございます。そのため、UR都市機構に跡地を譲渡したものでございます。区画整理によって土地の形状等は大きく変更するものでございます。面積の一定部分は広場や道路に置きかわります。残余の面積については、UR都市機構がよりよいまちづくりに向け活用することとなっているものでございます。その際、区として当該地域にどういう機能が必要か、一定の考えを示して協議することとなっているものでございます。UR都市機構は事業採算性なども踏まえて用途を判断するということになります。区としては、議会や区民の意見なども踏まえてUR都市機構と協議をしてまいります。

〔経営室長竹内沖司登壇〕

○経営室長(竹内沖司) 私からは、教科書採択を総合教育会議の議題とするのかといった御質問にお答えをいたします。教科書を選ぶ際の基本的な考え方や方針などについて、総合教育会議の協議題とすることは考えられるところでございますが、教科書採択そのものに総合教育会議がかかわることはないと考えてございます。

○議長(北原ともあき) 以上でいさ哲郎議員の質問は終わります。