【本会議・代表質問】
(2014年9月11日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 区長の政治姿勢と区政運営について
    1. 経済情勢と区政運営について
    2. 施設使用料の改定について
    3. 平和首長会議への加盟について
  2. 子ども・子育て支援新制度について
  3. 学校施設の改善について
  4. 障害者施策について
  5. その他

○議長(伊東しんじ) 長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕

1 区長の政治姿勢と区政運営について


(1)経済情勢と区政運営について

○31番(長沢和彦) 2014年第3回定例会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。
 一般質問に先立ち、広島市などでの土砂災害において亡くなられた方々の御冥福を申し上げますとともに、被害に遭った皆様と関係する皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、我が会派の議員辞職につきましては、議長をはじめ、同僚議員の皆様と区長、職員並びに区民の皆様に御心配と御迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします。
 初めに、1番、区長の政治姿勢と区政運営について、伺います。
 最初に、経済情勢と区政運営についてお尋ねをいたします。
 9月8日に発表された4月から6月期の国内総生産(GDP)は、年率換算でマイナス7.1%と大幅に落ち込みました。なぜここまで下がったのかといえば、家計消費が年率換算でマイナス18.7%という空前に近い落ち込みをしたからです。どうして消費が落ち込んでいるかといえば、勤労者の実質賃金が4月、5月、6月と前年比でマイナス3%以上も減っているからです。増税と円安による物価高に賃金が追いつかない中、庶民は支出を控えています。アベノミクスで大企業が空前の利益を上げる一方、国民の生活は深刻です。区長は、景気が回復して好循環に入るということはおのずと雇用や所得の増大が見られること、そうなるための方策が問題なので、金融政策、財政政策、そして成長戦略と言っている政策の3本の矢、これが的確に機能することが欠かせないと、再三アベノミクスへの期待を述べていました。しかし、今や好循環どころか悪循環の危険水域に入ってきています。実質所得が減り、消費が落ち込み、GDPが落ち込むという典型的な増税不況の始まりに至っていると言えます。いずれは景気も暮らしもよくなっていくのではと淡い期待をしていた国民も、どうも様子が違うと気づき始めています。各種世論調査の内閣支持率の低下にもあらわれ、特に消費税率10%の引き上げには反対と答える世帯が6割、7割を超えています。にもかかわらず、消費税10%増税を年内に決めようとしています。そうなれば、個人消費も日本経済も一層冷え込ませることになるのは明らかです。
 区長、改めてお尋ねしますが、消費税10%の引き上げに反対の意思表示をすべきではないですか。伺います。
 2013年度決算から見た区政運営について、伺います。
 決算年度は、一般会計で見ても、歳入で1,168億円、歳出1,140億円と最大の財政規模に膨れ上がりました。歳入では、特別区税、特別区交付金とも予算現額はもちろん、当初予算額を大きく上回りました。歳出では55億円もの不用額を出しています。この年度も予算の際には財政の厳しさを言いながら、決算では18億円の剰余金をつくりました。単年度収支も2億3,000万円の黒字額を出しています。あまり残すと体裁が悪いので、第4次の補正で減額し、さらに区が2008年、平成20年度から行っている財政調整基金からの繰入金を減じる方法をこの年度においても行って、実質収支比率を2.7%に落ちつかせました。23区平均が5.9%ですから、そことの開きを見せたかったということでしょうか。結果、財政調整基金への積み増しによって206億円にもなっています。特定目的基金なども入れると、予算の際に示された年度末現在高339億円に比べて439億円と、100億円も積み増ししたことになります。私たちが指摘してきたとおりの事態が進行しています。区がこれまで言ってきた、基金の計画的な積み立てと取り崩しという財政運営は、厳しい区民生活を尻目に、ため込み優先の決算になったと言えます。見解を伺います。
 区民生活を守る区政の役割から見て、当該決算年度はどうだったでしょうか。歳出のところでは、中野駅周辺まちづくり推進など開発偏重の予算執行は相変わらずです。この年度は、ハード面だけでなく、ソフト面でも中野区産業振興拠点の開設など、開発と企業呼び込みが際立った決算となりました。一方、事業見直しによって、わずかな福祉・教育の事業の廃止や削減が行われました。65歳以上の障害者福祉手当の削減、小・中学校の遠足・社会科見学バス代補助の廃止、切実な区民要求に応えようとしないあり方でした。あまりにも区民の暮らし向きを見ようとしない財政運営、区政運営と言わざるを得ません。将来の行政需要をことさら強調して、区民の暮らし・福祉を守ってほしいという願いに応えないあり方は改めるべきです。見解を伺います。


(2)施設使用料の改定について

 次に、施設使用料の改定について伺います。
 なぜこの時期の見直しなのでしょうか。2007年の施設使用料見直し方針で3年ごとの見直しを打ち出しました。しかし、区民、利用者にそのことが周知されているわけではありません。施設使用料の積算根拠は公会計改革の名によるフルコスト算定にあります。この目的と狙いは自治体の市場化推進であり、そのための道具として行っているにすぎません。今回の固定資産台帳による減価償却費の見直しもその一つと言えます。
 前回、2011年の見直しの際に、総務委員会で付帯意見となった積算方法の見直しが考慮されていないばかりか、検討された形跡もありません。行政の怠慢と言えます。性質別負担割合についても、施設の性質による利用者の負担の割合設定の明確な根拠はありません。区の一存で決めたにすぎないのです。現行の割合設定でよいのかの検証をすべきでしたが、されていないことも問題です。特に値上げ額の大きいものが運動施設です。体育協会や新スポーツ連盟からは、施設使用料の値上げによって利用団体会員の会費などを上げざるを得ない、参加者が減るのではないかと心配されています。そもそも施設の環境や利用の改善がきちんと図られていない状況のもとで、使用料の値上げだけが行われるなどはあまりにも拙速かつ乱暴ではありませんか。見解を伺います。


(3)平和首長会議への加盟について

 平和首長会議への加盟について伺います。
 奥多摩町が、このほど平和首長会議に加盟しました。東京の平和首長会議加盟は、これで18区21市3町村、42自治体となりました。東京の全自治体の80.7%に達しました。日本全国では1,505自治体、世界を含めると6,276都市が加盟しています。平和首長会議では、2020年までの核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン」を策定し、世界の都市、市民、NGO等と連携しながら核兵器廃絶に向けたさまざまな活動を展開しています。2020ビジョンの目標では、核兵器禁止条約の締結、締結に向けた具体的交渉の開始を求めています。来年4月には核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれ、8月は被爆70周年を迎えます。
 区長、平和首長会議に加盟することを改めて求めます。見解を伺います。

2 子ども・子育て支援新制度について

 次に、子ども・子育て支援新制度について伺います。
 新制度のもとでも、児童福祉法第24条1項が活かされることになりました。この間の変化として特徴的なことは、待機児解消を望む保護者・区民からは、「預かってくれればよい」とする託児ではなく、子どもの健やかな成長・発達を保障する認可保育園の入園を求めているということです。ニーズ調査の結果にもあらわれています。また、今年度から実施された認証保育所等の保護者負担補助の増額をもってしても、認可保育園の入園を求める保護者が後を絶たないことからもそのことはわかります。保育の質を確保するには、それを保障する施設規模と資格のある保育従事者の配置が必要です。公的保育の充実が求められています。新制度においても、保育士による運営が行われている認可保育園により待機児解消と保育行政を行うべきではありませんか。伺います。
 第2回定例会で保育園の職員配置についてただしたところ、区は、保育状況を踏まえて行ってきており、今後も適切な配置に努めていくと答弁されました。つまり、必要な職員配置は引き続き行っていくことが示されたわけです。現在、職員の加配など、区加算の財源は都区財政調整交付金で算定されているものがあります。現行の職員配置水準を確保するためには都区財政調整交付金による財源確保が欠かせません。新制度においても、東京都との都区財調の協議の際に財源確保ができるよう強く求めるべきです。伺います。

3 学校施設の改善について

 次に、学校施設の改善について伺います。
 中野区立中学校PTA連合会が毎年提出している要望書には、今年度も学校施設・設備の改善が挙げられています。生徒が多くの時間を過ごす学校がよりよい環境であるために、計画的な改善と原因究明の調査について早急な対応を求めています。このことは小学校の施設・設備についても同様に必要なことだと思います。校舎の雨漏りや老朽化したトイレ、窓サッシ、判読しづらい黒板など、学校生活を送る上で放置できない状況にあります。子どもたちが通う期間は限られています。再編計画で統廃合の対象となっている学校を含めて、教育の機会均等を保障する意味でも、早期の対策が必要ではないですか。伺います。
 具体的な事例で一つ、小・中学校特別教室の冷房化の完全実施を求めて伺います。
 昨年度、今年度と、中学校は理科室、小学校は図工室など、特別教室の冷房化が実施されています。来年度には中学校の全ての理科室と小学校の図工室全てを終える計画だと伺っています。しかし、それでもまだ中学校は、美術室、技術室、家庭科室が複数校残されます。小学校では、理科室、家庭科室、生活科室が相当数残ることになります。順次行っていくという計画ではなく、来年度には全て完了させる計画を持つべきではないですか。お聞きをいたします。

4 障害者施策について

 次に、障害者施策について伺います。
 介護保険給付と障害者自立支援給付の適用関係について、伺います。
 障害者で自立支援給付を受けていた方が、65歳になると介護保険制度の給付サービスが優先されることになります。どの時点で、どこの部署が本人や家族に伝え、介護認定及び給付サービスにつなげていくのでしょうか。まず、伺います。
 厚生労働省の事務処理要領によれば、市町村において申請に係る障害福祉サービスの利用に関する具体的な内容(利用意向)を聞き取りにより把握の上、必要としている支援内容について介護保険サービスにより提供を受けることが可能か否かを適切に判断されたいとしています。
 中野区では、65歳になった障害者が介護認定による介護度に基づく給付サービスを受けても、これまでの障害者自立支援給付で受けていたサービス量を確保できない場合はどうしているのでしょうか。伺います。
 障害者自立支援給付サービスは、区内受給者の大半の方は自己負担がありません。しかし、介護保険のサービスは1割の自己負担となります。なぜ若い障害者と高齢の障害者が区別され、高齢者のほうの経済的負担が重いのか、障害者自立支援法違憲訴訟によって低所得者の1割負担を撤廃させたのに、年齢で障害者を差別するのはおかしいと、全国の障害者団体などからも憤りの声が上がっています。障害者総合支援法第7条で規定している介護保険優先原則は改めるよう、国に求めていただきたいと考えます。答弁を求めます。

5 その他

 次に、その他で1点、野方一丁目警察寮の跡地利用について、伺います。
 2015年3月末で野方一丁目警察寮の使用を終了すると聞いています。区民から介護施設やグループホーム、小規模多機能など高齢者の施設や居宅介護支援、高齢者向けの住宅などに活用を図ってほしいという声が出されています。保育園など子育て施設を含め、区民に活用が図れるよう、東京都に要望することを検討していただきたい。まずは、東京都に情報収集をお願いしたいと思いますが、いかがですか。伺います。
 以上で私の全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えいたします。
 政治姿勢と区政運営についてであります。
 消費税増税について。内閣府が8日発表した4-6月期の国内総生産改定値によりますと、年率換算で同7.1%減となり、消費税の増税は一時的には家計消費の落ち込みや実質賃金の減少などを通じてGDPを押し下げていることが見てとれるわけであります。一方で、8月26日の政府の月例経済報告によれば、引き続き雇用情勢は着実に改善しており、景気は緩やかな回復基調が続き、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつあるとしているところであります。
 10%への増税につきましては、政府が法の規定に基づいて判断を行うものであり、消費増税を日本の財政構造の改革や社会保障負担の対応などにしっかりと結びつけていく必要がある、このように考えております。
 平成25年度の基金積立額についてであります。平成25年度から今年度にかけて特別区民税の増加などを見ると景気の動向は上向いていると思われます。一方で、今後、共通番号制度など大きな制度改正に対応する必要もあり、基金の残高については決して楽観視していないところであります。今後とも、学校再編に伴う校舎建設費等の支出や、あるいは予測できない経済状況の変動などに対して着実な区民サービスの維持を図るためにも、計画的な積み立てをさらに継続していきたいと考えております。
 区政運営のあり方について。平成25年度の決算は、生活保護費や自立支援給付費等の扶助費が前年度より26.8%増加しているほか、教育費が前年度より14%増加しており、区民の暮らしを支える事業は着実に実施をしているところであります。新たな政策課題や国の制度改正に向けての対応や区民ニーズに即した対応のためにも、区政経営のPDCAサイクルに基づき、事業の見直し・改善を今後も進めていく必要があると考えております。
 施設使用料改定時期について。施設使用料につきましては、3年に一度の見直しを基本にこれまでも行ってきたところであります。このたびの改定も受益者負担の適正化を図るため必要な取り組みであると考えております。
 平和首長会議への加盟について。平和首長会議につきましては、国内外の数多くの自治体の意思をどのように確認していくのか、またどのように行動していくのかといったことが不明であります。また、区の発言が宣言等の決定の中でどのように取り扱われるかなど、疑問な点も多いことから、参加することは考えておりません。
 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 学校施設・設備の改善につきまして、具体的に、教育環境の整備と特別教室の冷房化についてお答えをいたします。
 PTA連合会や学校からの意見や要望を踏まえ、施設の改善に取り組んでおります。また、毎年実施している安全点検により緊急度に応じて優先順位をつけ、維持補修を行っています。
 特別教室の冷房化につきましては、昨年度より、小学校では図工室、中学校では理科室で計画的に整備を進めており、来年度で冷房化が終了する予定です。今後も特別教室の冷房化について計画的に取り組んでまいります。

〔子ども教育部長奈良浩二登壇〕

○子ども教育部長(奈良浩二) 私からは、子ども・子育て支援新制度につきまして、認可保育所により待機児童を解消すべきであるといった御質問にお答えいたします。
 待機児童対策に当たっては、それぞれの保育施設の形態に特徴がある中で、認可保育所に限らず、多様な保育施設を保護者の生活環境などニーズにあわせて確保していくこととしてございます。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) 私からは、子ども・子育て支援新制度におけます財調算定についてお答えいたします。
 財政調整交付金は、特別区の行財政運営に必要な経費が適切に算定できるよう、算定の充実・改善に向け、都区間において毎年度協議を行っているところでございます。保育園に係る経費だけでなく、子ども・子育て支援新制度に伴う経費については必要に応じて財政調整協議の中で取り上げていきたいというふうに考えてございます。
 また、野方一丁目の警察寮についてでございます。御指摘の野方一丁目警察寮については、現在のところ、区はそのような情報について何も伺ってございません。慎重に対応したいと思います。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、障害者の施策について3点お答えをいたします。
 まず、障害者の介護保険サービスへの移行についてということでございますが、介護保険サービス利用への移行が円滑に進みますよう、65歳到達月の2カ月前から区のケースワーカーですとかすこやか福祉センターの障害者相談支援事業所の職員、こちらが御本人あるいは御家族に介護保険制度への説明と案内を行い、手続の支援を行っているところでございます。なお、介護保険による認定手続等の期間を考慮いたしまして、障害福祉サービスの支給決定期間を65歳の誕生月の翌月までとして、切れ間なくサービスが利用できるようにしているところでございます。
 次に、障害特有の事由のためのサービス量の確保ということの御質問でございます。障害福祉サービスと同様の介護保険サービスがある場合は介護保険給付が優先されるということを原則としてございます。障害者支援の観点からは、介護保険によるサービス量に不足がある場合、必要と認められるものにつきましては障害福祉サービスを支給することとしてございます。
 最後に、障害者総合支援法を改めるべきだという御質問でございます。障害を理由とする支援は障害者自立支援給付により提供し、加齢のために必要となる介護支援は、障害の有無にかかわらず、介護保険給付によりサービスを提供することとなってございます。それぞれの制度を適切に運用することが適当と考えておりまして、障害者総合支援法の規定を改めるよう国に求める考えはございません。

〔長沢和彦議員登壇〕

○31番(長沢和彦) 1点だけ再質問をさせていただきます。
 その他で取り上げました、野方一丁目警察寮の跡地利用についてでありますけども、東京都の要望に対しては慎重にというお答えで、これについてはそういうことだということで理解をいたします。
 もう一点伺っている、情報収集をお願いしたいということについて御答弁がなかったように思いますので、その点についてお願いをいたします。

〔政策室長髙橋信一登壇〕

○政策室長(髙橋信一) この当該の用地が警察寮跡地であるということから、私どもとしては積極的というよりも慎重に対応したいということでございます。

○議長(伊東しんじ) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。