【本会議・一般質問】
(2014年9月12日)

中野区議会議員 浦野さとみ

  1. 子どもの貧困対策と就学援助について
  2. 誰もが安心して医療・介護が受けられる施策について
    1. 経済的格差が命の格差にならないようにすることについて
    2. 地域包括ケア、認知症対策について
    3. 医療介護総合法の問題点について
  3. 中野駅周辺のまちづくりについて
  4. 区内産業の活性化について
  5. ブラック企業対策について
  6. 窓口業務外部委託の問題について
  7. 西武新宿線連続立体交差事業について

○議長(伊東しんじ) 浦野さとみ議員。

〔浦野さとみ議員登壇〕

1 子どもの貧困対策と就学援助について

○20番(浦野さとみ) 2014年第3回定例会本会議において、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。質問項目は通告のとおりで、その他の項はありません。
 初めに、子どもの貧困対策と就学援助について伺います。
 ことしの7月に発表された厚生労働省の国民生活基礎調査によると、子どもの貧困率が過去最悪を更新しました。子どもの貧困率は、平均的な所得の半分、年122万円を下回る世帯で暮らす18歳未満の割合であり、2012年の子どもの貧困率は16.3%、相対的貧困率で16.1%となりました。6人に1人が生活苦の中にあり、前回調査の2009年から0.6ポイントの悪化。調査が開始された1985年時は9人に1人ということだったことからも、状況が悪化していることが伺えます。経済協力開発機構(OECD)によると、加盟34カ国の子どもの貧困率は平均で13.3%であり、さきに御紹介しました2012年の子どもの貧困率が16.3%ですから、国際比較でも、先進国の中でも深刻な状況にあることがわかります。特にひとり親世帯ではさらに深刻であり、その率は54.6%まで上がります。大半を占める母子世帯では、4割以上が非正規での就労であり、その背景には所得の低い非正規雇用の増加があります。親が一生懸命働いても生活苦から抜け出せない状況が、貧困を生む要因にもなっています。これは区内においても例外でないと考えられます。
 そこで伺います。この厚生労働省の調査と同様の基準で考えたとき、区内における子どもの貧困率はどの程度になりますでしょうか、答弁を求めます。
 昨年6月、国会において全会一致で成立し、ことし1月に施行された「子どもの貧困対策推進法」は、先月の8月末に政府による大綱が閣議決定されました。大綱には、「子どもの将来が生まれ育った環境で左右されることのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る」という理念は並ぶものの、具体的な施策は既存の事業をまとめただけで、当事者の方たちが強く求めていた施策である、貧困率削減の数値目標の設定やひとり親世帯への児童扶養手当、また、返済の必要のない給付型奨学金の拡充などの多くが盛り込まれませんでした。これまで本会議質問や予算特別委員会総括質疑等において、区としての具体的対策を求めてきましたが、「国の動向を見ながら適切に対応していく」との答弁にとどまっています。8月29日の毎日新聞に掲載された、佛教大社会福祉学部教授ら小児科医チームの調査結果によると、自己負担を伴う水ぼうそうやおたふく風邪の予防接種について、貧困世帯の子どもの接種率が低く、貧困でない世帯の子どもと比較すると7分の1から3分の1の接種にとどまっているとのことです。また、高校や大学などの進学率などにも影響するという調査も出ています。この後に触れます医療や介護分野においても同様ですが、経済状況の格差が命や健康の格差、子どもの教育の格差につながること、ましてや、最低限の生活すら保障されないようなことにつながることはあってはなりません。区としての具体的な施策を講じることを強く求めます。
 その上で、現状の実態把握は不可欠と考えます。いろいろな調査なども参考にしながら、区でもまずは実態把握の調査を進めていくべきです。また、学習支援やひとり親世帯などへの支援など、区としての今後の具体的な対応をどのように進めていくのか、あわせて答弁を求めます。
 次に、就学援助について、2点伺います。
 昨年の8月、ことしの4月と、連続して引き下げられた生活保護基準は、来年の4月にも予定されており、3年連続の引き下げとなります。これ自体、大変に許しがたいものですが、経済的に苦しい児童・生徒の就学援助に対しての影響を回避することは当然のことです。大変に遅い対応ではありましたが、経過措置が3年という中で、先月から一部においてその対応が講じられました。
 そこで伺います。来年4月の生活保護基準引き下げに伴う就学援助への影響を回避する対応もきちんと行うべきです。答弁を求めます。
 もう1点、ある保護者から、就学援助の支給対象となる項目がどの程度の額なのかという御相談が寄せられました。区の案内等を見てもわからないとのことです。学校で保護者の方に配布している「就学援助のお知らせ」の中で、支給対象となる費目(項目)については掲載がありますが、金額などの詳細については記載がありません。現在区では、認定結果の通知とあわせて、支給対象に該当した方にのみお知らせをする仕組みになっています。以前、足立区や練馬区では、この項目についてどの学年に、また、その額についてもわかりやすく記載されていることを取り上げて、申請者にとってもよりわかりやすい表記の工夫・改善を求めましたところ、「他区の状況なども見ながら考えていきたい」との御答弁でした。その後、記載の表記について改善はされたのでしょうか。実際に対象となる方に、少しでもわかりやすく案内をする工夫・改善を来年度に向けて行うべきです。答弁を求め、この項の質問を終わります。

2 誰もが安心して医療・介護が受けられる施策について


(1)経済的格差が命の格差にならないようにすることについて

 次に、誰もが安心して医療・介護が受けられる施策について伺います。
 初めに、経済的格差が命の格差にならないようにすることについて伺います。ことしの5月、全日本民主医療機関連合会が、経済的理由で受診がおくれ、死亡につながった事例に関する調査を発表しました。この調査の中では、保険料が支払えず無保険の状態にある方、また、保険料の滞納が理由で、一旦医療費全額を窓口で支払わなくてはいけない資格証明書を発行された人を含めると、5割近い人が無保険状態に置かれていることがわかったと報告されています。まさに経済的格差が命や健康の格差につながっている状況が浮き彫りになっています。日ごろ寄せられる区民の方からの相談の中でも、本来は毎月の定期受診が必要な方でも、医療費が高いことを理由に受診頻度を減らしている方、また、体調が悪く受診したいが、検査代や薬代が支払えないと受診をしないでいる方もおられます。しかし、これは氷山の一角にすぎないと思われます。根本的には高すぎる保険料の引き下げが必要と考えますが、ここでは無保険の状態にある方が、医療が必要である場合の保険証の発行の扱いについて1点伺います。
 加入したくても保険料が支払えないなど、何らかの理由で国保加入の手続をしていない方、いわゆる無保険の状態にある方が、医療が必要な状態になったとき、病院に行く必要があるという申し出を御本人が行った場合、一時的に保険で医療が受けられる、過去の保険料については改めて納付の相談をすることが可能となっています。保険証を発行しないという、いわゆるとめ置きの状態があってはならないことです。そういった相談が寄せられた場合、適切に国民健康保険の加入手続の案内をし、保険証を発行するという対応が徹底されているのでしょうか、伺います。


(2)地域包括ケア、認知症対策について

 次に、地域包括ケア、認知症対策について伺います。都内でも連日猛暑が続いていた8月のお盆前、ある区民の方から相談が寄せられました。ふだんよく見かけるAさん、この方はおひとり暮らしの70代の女性ですけれども、その方の姿が最近見えない。そのため心配になり、Aさんの御自宅を訪ねてみたところ、布団の上でかなり悪い状態にある。対応を含め相談したいので、今すぐ来てもらえないかということでした。すぐにAさんのお宅を訪問したところ、数日前から体調が悪くなり、食事も十分とれていないような、また、この暑さでの熱中症にも近いような状態でした。幸いに救急車での対応が必要なレベルではありませんでしたが、状況を確認の上、管轄のすこやか福祉センターへ連絡し、地域包括支援センターの方と訪問をしていただきました。その後、病院受診の手配、食事の確保、介護保険申請の手続などを進めていただき、現在は生活支援を中心に、必要な介護保険サービスの利用などの一つひとつを具体的に進めていただいている状態です。
 私自身、このAさんとはこのときが初めての対面でしたので、これまでの生活スタイル等は詳しくわかりませんが、経過をたどってみると、基本的には毎日お一人で外出し、買い物なども含め、自立した生活を送られていたようです。しかし、6月ごろから家賃も未払いとなるなど、金銭管理も徐々にできなくなっていたことがわかりました。また、医師診察の結果、認知症であることがわかりました。このAさんのように、特におひとり暮らしの方ほど自分からSOSを発しにくいこと、また、発せられない状況の一つには認知症があるとも考えられます。区では、地域での見守り・支えあい活動を進めていますが、今後さらに高齢化を迎える中で、地域包括支援センターの役割はますます重要になってきます。
 現在、区には四つの日常生活圏域ごとに各2カ所ずつ、計8カ所の地域包括支援センターがありますが、個々の相談も複雑・多様化しており、専門職が専門的知識で丁寧にかかわることがより求められます。その点からも地域包括支援センターの箇所数や、現在配置している専門職の配置をふやしていくこと、また、認知症ケアの専門職種の一つでもある作業療法士なども配置をしていくなど、質・量ともに対応力を強化・拡充すべきと考えます。見解を伺います。
 2012年6月、厚生労働省は、「今後の認知症施策の方向性について」と、それに基づく「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を策定しました。その中で、認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場として、認知症カフェの普及がうたわれています。特に認知症対策の中では、当事者に対する初期段階での専門的なかかわり、適切な治療とあわせて、御家族の介護負担の軽減、地域での認知症啓発は重要です。地域での日常生活、家族支援の充実に向けた取り組みの一つとして、この認知症カフェは、認知症初期集中支援チームや認知症地域支援推進員との連携とあわせ、地域における包括的な認知症ケアの対策の一つとしても効果が期待されています。区内においても民間主導での運営が始まっています。例えば長野市では、認知症カフェの設立のための資金助成事業も行われていると聞きます。区内において、例えば地域包括支援センター管内ごとに一つずつの認知症カフェ設置の検討や、現在運営されている認知症カフェへの支援など、認知症対策についての施策の充実を区としても進めていくべきではないでしょうか。答弁を求めます。


(3)医療介護総合法の問題点について

 この項の最後に、医療・介護総合法の問題点について1点伺います。6月に成立した医療・介護総合法については、先日厚生労働省のガイドラインも示されました。この法改正の一番の問題は、要支援者向けサービスの切り捨てです。要支援者向けサービスを保険給付から外すことや、特別養護老人ホームへの入所を原則要介護3以上に制限すること、利用者負担をふやすことなど自助・共助を言って、結局は医療や介護の公的責任を縮小・削減するものとなっています。全国210の地方議会で法案を批判する意見書が可決されていることも、この法律に対しての異義をとなえる声が大きいことをあらわしています。「必要なサービスの担保」、「地域間格差が生じないよう、財源の確保を含めた必要な支援」という参議院での附帯決議にもあるように、要支援1、2の方がきちんと選択をしながら、今後も必要なサービスを継続できるようにすること、また、新規の利用者においても、ボランティアによる掃除や民間業者の宅配弁当などの多様なサービスに一律的に流し込まず、介護サービスの利用を広げることなど、区として対応すべきです。見解を伺い、この項の質問を終わります。

3 中野駅周辺のまちづくりについて

 次に、中野駅周辺のまちづくりについて伺います。
 中野駅周辺のまちづくりに関しては、今後、南北通路、橋上駅舎、駅ビル建設を含む第2期整備、区役所・サンプラザ地区一体開発、中野駅南口や中野三丁目広場整備等を含む第3期整備、さらには、中野二丁目再開発事業など、今後10年以上かけて大きな再開発計画が予定・検討されています。8月22日の中野駅周辺地区等整備特別委員会において、国家戦略特区にかかわる中野区提案について報告がされ、中野区提案を東京都へ提出し、特区の追加指定を目指していくとのことでした。既に国家戦略特区に指定された関西圏や福岡市では、企業代表、政府、地方自治体で構成する区域会議が相次いで開かれ、企業を呼び込むための規制緩和の議論が始まっています。そこに暮らす住民や地場産業の意見を反映させることは二の次にされ、国の求める規制緩和をどう実行できるかという、政府主導による姿勢が露骨に出ています。東京圏での区域会議開催は調整中となっていますが、会議の構成員は国家戦略特区大臣、関係地方団体の長、内閣総理大臣が選定した民間事業者となっています。まちづくりの主体はそこに暮らす住民です。外から大きな企業を連れてきても、地域産業を大事に育てる視点がなければ、大企業がもうけを持ち去るだけで地域経済の発展につながらず、雇用の安定も危ぶまれ、地域が荒廃してしまう可能性すらあると考えます。こういった懸念されることについての区の見解を伺います。
 中野駅周辺のまちづくりは、今後10年以上かけての計画が検討されていますが、一体どれだけの財政規模になるのか、これまでも指摘をしてきましたが、いまだに明らかにされていません。財政問題についてお聞きすると、「それぞれの地区別にどれくらいの事業費になるのか、毎年予算編成の中で精査して、財政運営の考え方の中で概算を示している」と繰り返し御答弁されますが、この財政運営の考え方も、向こう5年間の事業費を記しているだけで、それだけを見ても既に年度ごとにずれが生じています。計画は10年以上のものであり、これでは総体が幾らになるのかは明らかにされませんし、計画が進むほど年度ごとに予算が膨れ上がっていくことは容易に想定されます。まして、財政が厳しいと事業見直しによって区民サービスは後退させておきながら、中野駅周辺まちづくり全体の財政規模を明らかにしないのでは到底納得がいきません。この期間に開催された中野駅周辺のまちづくりに関する区民との意見交換会や都市計画審議会においても、同様の意見や質問が出されています。駅周辺のまちづくりに関する総予算をきちんと示すべきです。答弁を求めます。

4 区内産業の活性化について

 4番目、次に区内産業の活性化について伺います。
 地域経済の担い手であり、地域社会の支え手でもある小規模事業者を支援することは、地方自治体にとっても大きな意義があることは言うまでもありません。仕事確保や雇用の創出にも大きくつながります。1999年に全国にあった小規模事業者は、423万から、2012年には334万と激減しました。この背景には、当時改定された中小企業基本法で、小規模・零細業者が切り捨てられたことも要因となりました。そういった意味では、ことしの6月に成立した小規模企業振興基本法では、小企業者が着目され、基本原則としておおむね5人以下の従業員の小企業者を含む小規模企業について、技術やノウハウの向上、安定的な雇用の持続等を含む、事業の持続的発展が重要だと位置付けられました。また、このような小規模企業を単に個別に支援するにとどまらず、商業の集積や産業集積に果たす役割を評価し、面として支援する必要性を述べています。この法律では、小規模企業施策について国が5年間の基本計画を策定し、継続性・一貫性を担保する仕組みをつくるとされています。さらに、法律の第7条では、地方自治体に対し、その地域の条件に応じた施策を策定し実施する責務規定が定められています。国会答弁においても、それぞれの地域特性があり、具体的な施策の企画等については地方公共団体を中心に進めていく、また、各地方公共団体において実態調査を行うということは、実情を踏まえた効果的な施策を講じる観点からも有用な取り組みとし、計画を定めていく上でその基礎となるのは、自治体ごとに小規模事業者の実態調査を行うことであるとしています。
 区では、2013年度に区内事業所調査を実施していますが、調査対象は、区内に立地する法人事業所のみとなっています。全国に先駆けて中小企業振興基本条例を制定した墨田区では、その大きな基礎となったのは区内の全業者に対する実態調査だったと聞いています。
 そこで伺います。さきの法律成立に伴い、中野区ではどのように具体化、計画を定めていくのでしょうか。区内産業の大半を占める小規模事業者や中小企業を発展させていく支援こそ進めていくべきではないでしょうか。その際、地域経済の担い手である区内の小規模事業者、中小企業の実態調査を行った上で、より有効で実効性のある計画になることが求められます。また、計画作成の段階においても、現場当事者である小規模事業者に加わってもらうことも大切と考えます。あわせて見解を伺います。

5 ブラック企業対策について

 次に、ブラック企業対策について伺います。
 昨年、厚生労働省が実施した、過酷な労働を強いるブラック企業の疑いがある企業への立ち入り調査では、8割を超える企業・事業所で違法な時間外労働などの労働基準関係法令違反があったことが明らかになり、改めて労働者の置かれている深刻な実態が裏づけられました。この種の調査は全国で初めてです。現在、長時間労働の是正や離職者数の公表などの情報公開、パワハラをやめさせることの3本柱で構成される「ブラック企業規制法案」は、参議院で継続審議となっていますが、政府は、今年度からハローワークを通じて大学生や院生を採用する企業について、採用者の数、また、離職者の数を公表するなど、この法案の柱の一部が実現するなど、国での対策が動き始めており、さらなる対策が求められます。今月の9月1日からは、厚生労働省がブラック企業対策を目的として、夜間や休日にも電話にて無料で労働相談を受け付ける、労働条件相談ほっとラインを開設しました。昨年は9月のみの1カ月間の電話相談でしたが、今回はこの9月から来年の3月までと半年間へ拡大されています。中野駅の北口で月1回の街頭相談においても、20代から40代を中心とした方から、就職先に関する相談がこの一、二年間の間でもふえています。その多くが残業代未払いや違法な時間外労働の実態に関するものであり、休憩室が窓も机もないという状況や、契約書すらない労使関係、過労による心身の不調に関する相談も複数寄せられています。さきに紹介しました立ち入り調査の調査対象となった事業所は、電話相談やハローワークなどを通じ、深刻で詳細な情報が寄せられた事業所でした。この点を見ても、電話相談等の窓口を広く広報していくことは、ブラック企業をなくしていく一歩につながると考えます。
 区には、就労求人支援サイト「ぐっJOBなかの」がありますが、このサイト内においてもこういったブラック企業に関する相談を受け付けることや、産業振興センター等においてブラック企業対策のセミナーなど、区としても取り組みを行うべきではないでしょうか。少なくとも今月から行われている厚生労働省の労働条件相談ほっとラインの案内先を、この「ぐっJOBなかの」のサイトのトップページに掲載し、積極的な情報発信をすべきと考えます。あわせて答弁を求めます。

6 窓口業務外部委託の問題について

 次に、窓口業務の外部委託の問題について伺います。
 区では、2012年の7月から国民健康保険の窓口を、また、今年度から介護保険の窓口と戸籍住民窓口にかかわる入出力等を民間に業務委託しています。足立区では、ことし1月から区役所の戸籍窓口業務を大幅に民間企業に外部委託しましたが、本来職員でなければ行えない判断業務(公権力行使)を委託事業者が行ったことで、3月には東京法務局から戸籍法違反を指摘されました。その指摘に基づき区の職員が関与した結果、今度は東京労働局から偽装請負が指摘され、結果的には窓口業務の大半を区の職員の配置に戻すことになりました。また、委託によってコストの削減、サービス向上が説明されてきましたが、コストも今まで以上にかかり、待ち時間もふえたとの苦情が殺到したようです。
 そこで伺います。現在、区が実施している国民健康保険窓口の外部委託では、足立区のような問題を引き起こす可能性はないのでしょうか。また、足立区の件を受け、国民健康保険窓口の外部委託に関して、何らかの検証はされたのでしょうか。こういった疑義が生じる可能性がある以上、窓口の外部委託はやめるべきではありませんか。あわせて答弁を求めます。
 また、中野区においても民間業者への委託は、区民サービスの向上やコストの削減につながると説明されてきましたが、それでは、国民健康保険窓口の外部委託において、年間を通して委託した2013年度と、委託する前の2011年度とを比較して、コストは幾ら削減できたのか、また、待ち時間はどの程度減少したのか、その効果を具体的にお答えください。

7 西武新宿線連続立体交差事業について

 最後に、西武新宿線連続立体交差事業について。ここでは新井薬師前駅のホームの安全対策について伺います。
 西武新宿線のあかずの踏切解消に向け、沼袋駅・新井薬師前駅の地下化に向けた工事が開始されています。しかし、完成までには少なくとも6年かかるとされており、電車乗降のためのドアとホームとの間が一部で大きくあいている新井薬師前駅については、安全対策が求められ続けています。また、地下化後についても、ホームドアや可動ステップなどの安全対策は不可欠と考えます。鉄道事業者には、乗客の安全を確保する責任があります。
 そこで伺います。区として現在の新井薬師前駅の安全対策について、現状での認識をお聞かせください。また、地下化完成までの間におけるホームの安全対策について、西武鉄道との話し合いを進めるべきです。そして、地下化後においては、ホームドアや可動ステップ設置を改めて西武鉄道に要望すべきです。あわせて答弁を求めまして、全ての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 浦野議員の御質問にお答えいたします。
 子どもの貧困対策についてであります。区では、国の基準による子どもの貧困率について把握しておりません。また、独自に調査を行う考えはありません。今後、子どもの貧困対策に関する大綱の趣旨を十分に踏まえ、東京都の動向などを見きわめながら適切な対応を図ってまいります。
 国保への加入時の手続についてであります。国民健康保険への加入がおくれると、保険料は最長で2年前までさかのぼってお支払いいただくことになりますが、過去の保険料が払われないことを理由に保険証を発行しないということはありません。国民健康保険の窓口では、来庁者の状況に応じて制度の説明や手続の方法など、適切に御案内するようにしております。
 誰もが安心して医療・介護が受けられる施策について、そのうち地域包括支援センターの強化についてです。区では、地域包括支援センター管内の高齢者人口に比例して、委託料について一定の増額をすることとしております。したがいまして、地域包括支援センターの箇所数の増などについては考えておりません。
 認知症カフェについて。認知症患者と介護する家族や支援者が集い、認知症についての悩みや情報を共有し、家族の息抜きともなるような地域の場の設置は、利用されやすさや空きスペースの有効活用など、地域での取り組みも踏まえて具体策を検討していきたいと考えております。
 医療・介護総合法に関連して、要支援1、2の方の介護サービスについてであります。地域支援事業の中で実施するものとされた訪問型サービス、通所型サービス等については、現在、7月に国から示されたガイドラインを踏まえて、事業実施の時期、形態等について検討を行っております。高齢者の方が住みなれた地域で安心して住み続けるために、さまざまなサービスが多様な主体により提供され、高齢者の方が個々の状態に応じて適切にサービスが利用できるよう、今後も検討を進めてまいります。
 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 生活保護基準引き下げに伴う影響の回避についてお答えいたします。
 就学援助の認定に当たりましては、生活保護基準を根拠とする考え方に変わりはございませんが、生活保護基準の引き下げにより影響の出る世帯につきましては、今年度から平成28年度まで一定の支給費目を支給する経過措置を実施することとしたところでございます。
 次に、就学援助の申請書の記載についてです。申請書と一緒に配布しているお知らせには、学用品費や給食費といった支給費目のほか、就学援助を受けることのできる対象者や認定される目安となる所得金額を明記した世帯構成のモデルケース、そして、申請から支給までの手続の流れなど、就学援助制度について理解していただけるよう工夫しているところでございます。したがいまして、必要の方には申請をしていただけているものと認識しておりまして、具体的な支給金額の表示は考えてございません。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 私からは、中野駅周辺のまちづくりなど、4点についての御質問にお答えいたします。
 まず、中野駅周辺のまちづくりに関連して、国家戦略特区について御質問をいただきました。国家戦略特区が目的としている規制改革等による産業の国際競争力の強化は、地域経済の活性化とは不可分のものであるという認識を持っているところでございます。区で取り組む際にも、地域経済の活性化につながる基盤づくりが必要であるというふうに考えているところでございます。
 次に、中野駅周辺まちづくりの事業費の総額についての御質問がございました。これまで中野駅周辺整備に要する経費の概算は、新しい中野をつくる10か年計画(第2次)に基づき、財政運営の考え方としてお示しをさせていただいているところでございます。その上で、事業ごとに毎年必要な経費を精査し、予算化しているところでございます。今後も10か年計画や財政フレームの中で、まちづくりの進捗に応じた事業費概算をお示ししていきたいと考えております。
 次に、区内産業の活性化について御質問がございました。とりわけ小規模企業の支援策ということでございます。区では、昨年度、区内の全事業所を対象に調査を行ったところでございます。この調査においては、各事業所の強みと課題、それから、事業を行う上で活用したいもの、事業所の環境に対する満足度などの調査項目について回答を得ているところでございます。区では、従来から融資あっせんの本人負担率を優遇して、小規模事業者を支援しているところでございます。小規模事業者を含む区内企業の支援策については、今回の調査結果も踏まえて検討していきたいと考えてございます。
 次に、就職希望者などを対象とした労働条件相談に関連した御質問がございました。労働相談につきましては、東京労働局などを案内しております。また、国において就職希望者などを対象に労働基準関係法令の知識を身につけることを目的としたセミナーを、本年10月から全国各地で開催する予定であるため、区が独自に実施するという考えはございません。国の取り組みである労働条件相談ほっとラインにつきましては、区の就労求人支援サイト「ぐっJOBなかの」において紹介できるよう、今後検討を行ってまいります。
 最後に、西武線の連続立体交差事業に関連した御質問がございました。新井薬師前駅の安全対策についてでございます。現在の新井薬師前駅は、カーブ上に駅があることから、電車とホームの間にすき間ができ、安全上課題があるということにつきましては認識しているところでございます。これまで西武鉄道は、ホームに駅員を常駐させたり、音声転落防止装置等を設置するなど、ホームの安全確保に取り組んできているところでございます。しかし、電車とホームとのすき間を抜本的に解消するためには、現在のホームのカーブを緩くする改良をするなどの対策が必要となるものでございます。現在事業中の連続立体交差事業では、新井薬師前駅の線型を緩くする計画となっており、完成後は電車とホームとのすき間が大幅に改善されることから、区としては事業の早期完成を進めることが大切だと考えているところでございます。連続立体交差事業により新しく生まれ変わる、新井薬師前駅のホーム上の安全対策の具体的な内容につきましては、今のところ西武鉄道からは示されておりません。ホーム上の安全対策については、基本的には鉄道を運営する鉄道事業者が責任を持って対応すべきと考えているところでございますが、区としては、今後の西武鉄道の動向を注視しながら対応を考えていきたいというふうに思っております。
 私からは以上でございます。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、窓口業務外部委託の問題に関する御質問にお答えいたします。
 足立区の事例については、区民サービス管理部内で検証を行ってございます。中野区における国民健康保険の窓口業務の委託では、区と民間事業者が行う業務を仕様上明確に区分した上で、業務上の疑義が生じた場合には、民間事業者の業務責任者を通じて区の職員へ引き継ぐ体制を整えているところでございます。このため、御指摘の事例のように疑義照会が民間事業者の指示に当たると判断されることはないと考えております。また、民間事業者の従業員に対する指示や労務管理は、区とは独立して業務責任者が行っているところでございます。したがいまして、国民健康保険の窓口業務委託は、法令上問題はないと考えております。今後、窓口業務の委託につきましては、窓口のワンストップ化など区民満足度の向上や業務の効率化、コスト削減等の観点から、定型的な業務で一定の業務量があるものについては、法令を遵守しつつ委託を進めていきたいと考えております。
 次に、窓口業務外部委託によるコスト削減等についてでございます。国民健康保険の窓口業務委託では、職員が7人で行っていた業務を委託しておりますが、年間のコストは委託する前の平成23年度と通年化した平成25年度との比較では、約1,500万円程度削減できたと考えております。また、窓口業務を委託し、職員が徴収事務に力を注いだ結果、平成25年度は保険料の収入率も、平成23年度と比較して現年分で約2.7ポイント向上し、23区中の順位も10位に入ることができたと考えております。また、窓口での待ち時間につきましては、計測していないため委託の前後で比較することはできませんが、委託後、受託事業者の工夫により、待ち時間中に申請書等に記入してもらうようにしたため、全体の処理時間が減り、待ち時間の短縮につながっていると考えております。

〔浦野さとみ議員登壇〕

○20番(浦野さとみ) 1点再質問させていただきます。初めの貧困対策と就学援助のところで、就学援助の生活保護基準の影響についてというところで、今回行った対応についてはもちろん承知していますけれども、来年4月のこの生活保護基準引き下げに伴う影響の回避をどのように対応されるのか。きちんと回避する対応を行うべきということで質問させていただきましたので、そのことについての御答弁をお願いいたします。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 今年度対応をとりました対策につきましては、平成28年度までの対応ということで、今回生活保護基準の影響に伴う対応というのは、中野区としてはこれで対応していきたいというふうに考えております。

○議長(伊東しんじ) 以上で浦野さとみ議員の質問は終わります。