【本会議・代表質問】
(2013年6月3日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 区長の政治姿勢について
    1. アベノミクスによる経済と暮らしの影響について
    2. 改憲論と歴史認識について
    3. 核兵器廃絶について
    4. 原発再稼働と原発輸出について
  2. 新しい中野をつくる10か年計画について
  3. 介護保険について
    1. 特別養護老人ホームの増設について
    2. 地域包括支援センターについて
    3. 要介護認定・要支援認定について
  4. 学校の教育環境について
  5. 公契約の適正化について
  6. 指定管理者制度の情報公開について
  7. 大和町の特定整備路線と防災まちづくりについて
  8. その他

○議長(伊東しんじ) 長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕

○31番(長沢和彦) 第2回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

1 区長の政治姿勢について


(1)アベノミクスによる経済と暮らしの影響について

 初めに、区長の政治姿勢について伺います。

 最初に、アベノミクスによる経済と暮らしの影響についてです。

 第1回定例会で安倍政権の経済政策、アベノミクスについてお尋ねした中で、デフレ不況の原因は何かと伺ったところ、区長は、「給料が下がったからデフレになったということではなく、デフレだから給料が下がったり、物の値段が下がったりしている」との考えを述べられました。だから、大胆な金融政策による異常な金融緩和が必要だと考えていらっしゃるのか。しかし、今般の日本でのデフレは通貨不足によるものではありません。ここの認識が異なると誤った経済政策を進めるなり、その政策を支持してしまいます。大幅な金融緩和で加速した円安による国内物価が上昇し始めています。生活に直結する公共料金の値上げ、食品や日用品も値上がりしています。デフレ不況の原因は、大多数の国民の所得が減り続け購買力が低下しているからです。したがって、不況克服のためには国民一人ひとりの所得の向上、安定した雇用の実現、高齢者も現役世代も安心の社会保障の実現、健全な成長をもたらす産業政策など国民生活重視の政策をとらなければならないと考えます。見解を伺います。

 株価が上昇したのは、大幅な金融緩和を見て、海外の投機マネーが低水準にあった日本の株を買いあさった結果であり、単なるバブル的現象にすぎません。その上昇していた株価も暴落しています。日本経済は不安定化していると言えます。以前のバブルは、金融政策の失敗によるものでしたが、アベノミクスは投機とバブルをつくり出すというものです。これは邪道であって、経済政策とは言えません。区長は、「景気が回復して好循環に入るということは、おのずと雇用や所得の増大が見られることと考えている。そうなるために三本の矢、これが的確に機能することが欠かせない」と述べられました。第2の矢は、財政出動をふやして景気に刺激を与えようというものです。その中身は、大手ゼネコン中心の大型公共事業と研究開発減税など大企業中心の支援策です。そして、第3の矢として成長戦略を唱えていますが、新自由主義的政策を進めるもので格差と貧困を激化させるだけです。しかも、このまま行けば、この三本の矢に加えて、社会保障の削減と消費税増税でさらに二本の矢が暮らしと経済に襲いかかることになります。直近だけ見ても、生活保護費の削減とそれと連動する施策の切り下げ、国保の値上げ、年金給付の削減などなど、区民生活への影響ははかり知れないではありませんか。その認識はありますか。伺います。

 内部留保に関する質問について、区長は、「本来、企業の内部留保は、産業の構造的転換による成長分野の創出の中で、技術開発や設備投資に向けることで企業拡大と雇用の拡大に向けられるべきものだ」と述べられ、「こうした企業の行動を促すのが政策の三本の矢だ」と答えられました。内部留保は、企業の将来を見据えた経営規模の拡大、そのための設備投資や研究開発のための資金の源泉の一つとして活用することができるため、一定額は必要です。しかし、今日の大企業の内部留保の水準は異常で、バブル崩壊直後に127兆円だったのが、今日260兆円と2倍以上に急膨張しています。その使途を見ても、設備投資や研究開発に活用するのではなく、多くが有価証券の購入や金融部門での運用、海外投資に回されています。区長も、「本来」と断りを入れていることからして、承知の上で述べられているのでしょう。景気をよくするのには、大企業の利益が出る条件をつくり、生産活動を活発化させれば労働者の賃金も上がるというのが安倍政権の説明です。しかし、実態は違ったし、これまでと同様に大企業を応援しても、中小零細企業や国民は恩恵を受けないことは明らかです。大企業は、長期不況にもかかわらず利益を上げ、内部留保もふやしてきました。一方、労働者の賃金は、内閣府国民経済計算を見ても、1997年を100としたら2011年は87.7%、マイナス34兆4,000億円と減り続けています。内部留保を社会的に還元していくことが必要とのお考えはないのか、改めて伺います。


(2)改憲論と歴史認識について

 次に、改憲論と歴史認識について伺います。

 初めに、今日の改憲論について伺います。改憲を進める勢力が憲法96条改定、憲法改定手続の緩和を憲法改定の突破口として押し出したことが9条改定の是非を超えて多くの人々の批判を広げ孤立を深めています。96条改定は、単なる手続論、形式論の問題ではありません。近代の立憲主義は、主権者である国民がその人権を保障するために、憲法によって国家権力を縛るという考え方に立っています。そのために憲法改定の要件も時の権力者の都合のいいように憲法を改変することが難しいようにしています。世界の主要国でも当たり前の原則です。現行の両院の3分の2以上から過半数にすることは、立憲主義そのものの否定であり、憲法が憲法でなくなる大改悪にほかなりません。日本弁護士連合会が断固反対の声明を発表し、また、96条の会が発足。9条改定論者からも反対と批判の声が上がっています。こうした動きに対する区長の見解を伺います。

 また、歴史認識についても伺います。安倍首相は村山談話の見直しに言及し、「侵略の定義は学会的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係でどちらから見るかで違う。歴史家、専門家に任せるべきだ」と述べました。こうした無定見な侵略戦争への無反省論から脱して、ともかくも過去の侵略と植民地支配を国策の誤りと認めたのが村山談話です。この到達点から、歴史認識を大幅に後退させようという姿勢は許されません。日本維新の会の橋下徹代表の「慰安婦制度は必要だった」の発言が国内外から批判を浴びています。安倍首相も軍の関与と強制を認めた河野談話の見直しを主張し大きな国際問題となりました。最低限の節度をも踏み外した言動によって、安倍政権は韓国や中国の政府とまともな外交交渉を行う土台をみずから壊すこととなっています。歴史認識に欠かせない村山談話と河野談話について区長の見解をお聞きいたします。


(3)核兵器廃絶について

 核兵器廃絶について伺います。2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて、ジュネーブで開催された第2回準備委員会で、日本政府が核兵器の非人道性を告発し、核兵器不使用を主張した共同声明への署名を拒否しました。共同声明の内容は、「いかなる状況下でも核兵器が二度と使われないことは人類生存の利益」と指摘していますが、日本政府は、「いかなる状況下でも」という一文の削除を要求した末に、それが受け入れられないからと署名を拒否したのです。これは一定の状況下での核兵器使用を正当化するものにほかなりません。2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議では、核保有国を含む189の国々が核兵器のない世界の平和と安全を達成することを決めました。今それを実行に移すときです。また、北朝鮮の核問題をめぐり、核には核での議論も飛び交い、国民、区民の不安は増していると思われます。全ての国の政府に、速やかに核兵器全面禁止条約の交渉を開始することが求められています。憲法擁護・非核都市宣言をしている中野区の首長として、あらゆる機会をとらえて発信をしていくことが必要ではないですか、見解を伺います。


(4)原発再稼働と原発輸出について

 次に、原発再稼働と原発輸出について伺います。昨日は、原発ゼロを求める人々6万人が国会前に集まり、原発要らない、再稼働反対の声を安倍政権に突きつけました。7月には原子力規制委員会の新規制基準が施行され、再稼働の審査が始まります。安倍首相は安全基準に照らして安全だということになれば、再稼働を進めたいとしています。しかし、新基準は過酷事故で放射性物質を放出することが前提となっており、もはや安全基準という看板さえ使えなくなったものでしかありません。福島第1原発は事故が収束したどころか危機的状況の真っただ中にあります。高濃度の放射性物質を含む汚染水をタンクにためていますが、40万トンに迫り、小学校プールの1,000杯分、限界に近づいています。しかも、その後の汚染水をためておく計画は不明確というありさまです。こうしたもとで再稼働など許されません。大体、原発に絶対安全はないことは国民が体験し、政府も認めたことです。しかも、あと数年後には使用済み核燃料、いわゆる死の灰が満杯になって貯蔵できなくなる。最終処分の方法がないもとで、こんな無責任なことはありません。同時に、安倍政権は原発の輸出を進めようとしています。首相は、原発メーカーの代表らと中東などを訪問し、原発のトップセールスを行いました。日本で大事故を引き起しながら他国に平気で原発を売り込むことほど罪深いことはないでしょう。成長戦略の名で原発を売り込みたい。そのためには国内で再稼働させておかなければならない。それが安倍政権のもくろみと言えます。こうした原発再稼働と原発輸出についての区長の見解を伺います。

2 新しい中野をつくる10か年計画について

 次に、新しい中野をつくる10か年計画について1点伺います。

 新しい中野をつくる10か年計画の中で、まち活性化戦略に関連して、区役所の移転について伺います。

 3月18日の中野駅周辺地区等整備特別委員会に「中野駅周辺まちづくりグランドデザインVer.3に係わる公共施設配置のあり方について」が示されました。中野区役所の配置については、中野四季の都市区域3区有地を候補地として検討するとされています。

 平成23年度9月から始まった中野駅周辺まちづくり推進会議の中で、中野駅南側地域の活性化につながる機能配置とあわせて、駅ビル誘致に関しての議論が進められてきました。区が南北の均衡ある発展が大事だとし、南口周辺に、全区民が交流する公共的な機能を検討すると説明する中、駅ビルについては、当初は猛反対しようという機運が強かったという地元商業者の委員も、ライバルだが協力し合うと態度を軟化させています。

 こうした推進会議での議論を受けて、区はグラウンドデザインVer.3を策定しました。「区役所の位置については、周辺地域のにぎわいへの配慮やまちづくりに寄与する最適な配置を検討する」と抽象的に表現しながらも、中野四丁目の区役所予定地は単に区有地とされ、中野二丁目再開発地区には、業務、商業、住宅、公共公益機能の集積による南口のにぎわいの核の形成とされました。同時に、中野駅の上空活用は必須のものとして駅ビルの誘導が強く打ち出されています。

 また、区役所移転先の再検討の理由として、当初は、南側の活性化と並んで防災の観点が推進会議で語られてきました。「警大跡地には都市計画公園が拡大することになったが、さらに防災空間を拡大するという考え方もある」という推進会議の委員の発言や公園拡張予定地の「東側に続く敷地を区役所予定地とするのが最適かどうか、区全体の防災性を高めるという観点から改めて検討していく」という区の説明が中野駅周辺地区等整備特別委員会にも報告されてきました。区役所の配置を考える上での防災空間再拡張の観点はどうなったのでしょうか。明らかに南側での区役所移転の検討を行い、グランドデザインVer.3で表記したのではないですか。わずかの間でまたもとの位置での検討となったのはなぜか伺います。

3 介護保険について


(1)特別養護老人ホームの増設について

 次に、介護保険について。

 最初に、特別養護老人ホームの増設について伺います。私ども議員団で行った区政アンケートには、区政にやってほしいことに回答を寄せていただいた半数の方が特別養護老人ホームの増設を求められています。2010年の東京都の名寄せにより、区が承知している特養ホーム待機者は1,200人以上いらっしゃいます。今年度、東中野に特養ホームが開所しました。この後、区の計画に上がっているのは旧富士見中跡地での整備計画だけです。上鷺宮地域において、新しい特養ホームの建設が予定されているようですが、現在近隣住民との話し合いがされているさなかであると聞いています。区がいかに計画どおり、1施設、定員数100人の整備を進めていくのか伺います。また、そもそも今期の計画の100床の整備では待機者がふえていくことからして間に合いません。整備目標を引き上げると同時に早期の整備が求められますが、いかがですか、伺います。

 都議会での我が党都議団の質問に都知事も、「施設整備も大事ですし、在宅支援も進めていかなければならない」と答えています。しかし、都はふさわしい整備目標計画としていません。例えば、埼玉県は、国が補助金を廃止したときに、独自に1床当たり300万円の県単独補助を実施するなどの努力をして、特養ホームの整備数でいえば、実数で東京よりもはるかに進んでいます。東京で整備を促進しようとすれば、用地確保への支援が決定的に重要です。東京都は、用地費助成を打ち切るかわりに定期借地の一時金への補助の新設や整備費補助単価引き上げなどを行ってきたと言います。しかし、介護事業者への補助は大幅な減額となっています。東京都に用地費助成の復活を求めるべきと考えます。お答えください。

 また、公有地の活用も重要です。都は介護保険事業者に対し、未利用の都有地を50%減額して貸し付けを行っています。また、区がみずから学校跡地などを事業者に貸し付けた上で、独自に整備費を補助した場合は、包括補助により最大1億6,000万円まで補助することで区有地の活用を促しています。活用を検討すべきではないですか、伺います。


(2)地域包括支援センターについて

 次に、地域包括支援センターについて伺います。

 平成21年度から23年度までの第4期計画の法定給付費の実績を見ると、地域支援事業費も年々ふえていました。前年度決算の実績はまだわかりませんが、その予算額は前々年度よりふやしてもいました。第5期介護保険事業計画によれば、平成25年度は、4億2,900万円余と見込んでいたのが、実際の今年度予算額は3億6,800万円余。なぜこんなに減ったのでしょう。制度で地域支援事業の経費は、介護給付費の3%以内とされています。しかし、介護給付費に比して地域支援事業の経費は少な過ぎます。もっとふやせるのではないですか。区民からは地域包括支援センターが身近にない、相談や申請に行くのに遠い、不便との声を聞きます。きめ細かな支援が必要です。地域包括支援センターへの委託料をふやして体制を強化し、アウトリーチなどによる高齢者支援の充実を図るべきではないですか、伺います。


(3)要介護認定・要支援認定について

 三つ目に、要介護認定・要支援認定について伺います。要介護認定の結果、要介護1から要支援2に変更となり、買い物に行ってもらっていたのにしてもらえなくなったなど、それまで受けていたサービスが内容・量ともに受けられなくなって困っているという利用者の声を聞きます。介護認定は、全国共通の調査項目や主治医意見書により認定されており、画一的で個々の介護サービス利用者の実態に沿ったものになっていません。国では、次期の介護保険制度改正に向けて介護給付費の抑制を図る方向で議論・検討がされているようですが、保険者である区として、区民や利用者の立場に立った認定制度の抜本的な見直しを求めるべきだと思いますが、いかがですか、伺います。

4 学校の教育環境について

 次に、学校の教育環境について伺います。

 平和の森小学校の教育環境について伺います。平和の森小は、児童数、学級数とも区内最大規模の小学校になっています。平成23年度に再編新校となりましたが、当時から普通教室の確保などが心配され、さまざまな改善を施してきたと伺っています。法務省東京支所の移転先での着工がおくれたことに伴い、教育委員会からの報告では、早くても平成31年度の新校舎の開設、本年度を入れても6年間を今のところで過ごさなければなりません。平成24年度の中野区立小中学校人口推計、35人学級を想定した学級編成が示されましたが、平成25年度は全体で18学級と推計していたのが、新1年生が4学級となったために19学級になっています。はなから見込みが違っています。推計どおりになるとは限らないということです。差し当たって、来年度以降も1年生が4学級になる可能性もあります。

 先日、平和の森小学校を見せていただきました。さまざまなところで苦労の跡が見えます。例えば、少人数指導の教室確保のために、準備室や他に活用していた部屋を改修する。家庭科の準備室にも、音楽で使用する楽器や図工で使う備品が置かれている。また、校庭も狭いために、休み時間は屋上や体育館に分かれて、先生方の見守りのもとで遊んでいました。今後、普通教室や教育活動に必要な部屋をどのように確保していくのでしょうか。冷暖房設備など積極的な支援も必要であると考えます。伺います。

 中野区立小中学校再編計画(第2次)が示されました。私たち共産党議員団は、中野区内の小中学校の統廃合再編の見直しを申し上げてきました。同時に、今述べた平和の森小については、新校舎の完成を待っての再編にも言及してきたところです。教育委員会は、子どもたちと学校現場に過度の負担をかけたことを教訓としなければならないはずです。第2次で行われる若宮小と大和小の再編。一度若宮小に移って大和小に新校舎を建てることになっています。その間に、若宮小での教室を確保できるのか。近隣の住宅状況の変動で平和の森小と同様のことが起きかねないとの懸念があります。また、中野神明小、多田小、新山小の再編は3校を統合して2校の統合新校に。その位置は、中野神明小と多田小に設置するとしています。工事期間の2年間は、それぞれ新山小が仮校舎になります。新入学児童の中には、新山小まで通えない。通学路の安全確保が心配と指定校への入学をやめようと考えている方々もいます。あまりにも統合再編にかかわる子どもたちに負担をかけることにならないでしょうか。教育委員会は再編計画を策定する過程で、子どもたちに極力負担をかけないように検討がなされたように言いますが、これでは子どもたちと学校現場の負担は大きいと言わざるを得ません。そうした認識はあるのか伺います。

 次に、少人数学級の推進についても伺います。国は少人数学級の推進を見送りましたが、東京都では加配による中学1年の35人学級が行われました。少人数学級推進の流れをとめてはならないと考えます。仮に今年度と同様であれば、小学校2年から小学校3年に進級するときに学級数が減ることも生じかねません。小3・小4はギャングエイジとも言われ、難しい学年。小学校に入って、少人数で落ちついて学習できたのに、3年生になった途端に40人の教室になると先生の目も行き届かない。いじめや不登校などの問題が出てもくるとの学校現場の声があります。保護者も全学年で少人数にしてほしいと切望しています。計画的な少人数(35人)学級を求めるべきです。また、加配による対応も検討すべきではありませんか。お答えください。

5 公契約の適正化について

 次に、公契約の適正化について伺います。

 公共工事に従事する建設労働者、職人の労務費の算定根拠になる設計労務単価を全国で平均15.1%に。東京都、そして中野区もそれにならって引き上げを決めました。しかし、この間、建設労働者の賃金は際限なく切り下げられてきたことを見れば十分とは言えず、適正な賃金につなげていく一歩であると考えます。

 さて、私たち議員団は、公契約条例の制定やそれに向けた検討組織の立ち上げを繰り返し求めてきましたが、区長からは、「労働基準法や最低賃金法などの法体系によって守られるべきものである」との答弁がされてきました。ちなみに、公契約条例の制定がこれらの法律に違反・抵触するものでないことは政府見解でも明らかにされています。

 公契約の現場では、公共サービスの劣化と従事する労働者の低賃金が進行しています。関係する労働者の賃金、労働条件の悪化と雇用の不安定化がサービスの劣化をもたらしていると言えます。長期不況による公共工事の入札競争の激化の影響を受けた建設産業の労働組合を中心に求める動きが活発になりました。さらに、経費節減を目的とした民間委託などのアウトソーシングの広がり、国や自治体の臨時・非常勤職員の増加などを背景に、公契約における適正な賃金水準の確保を求める動きが建設業以外の分野にも広がっています。

 そこで4点伺います。

 1点目に、区長は、国が公契約法を制定する必要があるとのお考えをお持ちですか。伺います。

 2点目に、今日の自治体での公契約条例の制定など、全国の自治体での公契約の適正化の取り組みをどのように見ていらっしゃるのか伺います。

 3点目に、区として公契約条例の制定を視野に入れた公契約の適正化の検討を行うべきではないですか。

 そして、最後4点目に、またその間にも総合評価方式に労働条項を加えることを検討すべきではないでしょうか、お答えください。

6 指定管理者制度の情報公開について

 次に、指定管理者制度の情報公開について伺います。

 平成24年度財政援助団体等監査の結果に関する報告が3月に出されました。その中で、指定管理者が協定に反して適正な業務の履行がなされず、また、所管も適切な指導・監督を怠っていたとして、指摘事項として載せられています。監査からの指摘がなければ、このような事態が明らかにされなかったということです。また、指定管理者による保育園の管理運営において、職員へのパワハラ、退職強要が現在も訴えられています。

 指定管理者を所管する実施機関は、適正な業務の履行を十分確保するため、指定管理者への指導・監督の一層の徹底を要望するものです。さらに、区の施設の使用料改定の議論の際には、何ゆえに当該使用料の金額となったかの積算根拠が十分でないなど、議会、区民への情報提供が不十分であると考えています。指定管理者制度を導入して9年が経過し、指定管理者による施設の管理運営がふえています。公の施設の管理運営については、区民に十分な情報提供がなされることが重要であることは言うまでもないことです。指定管理者制度が導入されたとしても、管理運営についての積極的な情報提供、情報公開への適切な対応を確保し、区民の知る権利が保障されるべきと考えますが、いかがですか、伺います。

7 大和町の特定整備路線と防災まちづくりについて

 次に、大和町の特定整備路線と防災まちづくりについて伺います。

 区が特定整備路線沿道の防災まちづくりを進めるには、いわゆる道路整備に伴い生まれる残地を巻き込んだ建物の共同化が有効な手段の一つになると言われています。しかしながら、木密地域における区の既存助成制度を活用した建物共同化の実績は数件にとどまっています。地権者が多ければ、一層困難になると思いますが、特定整備路線沿道における共同化促進はどのように進めていくのか伺います。

 東京都は、木密地域の防災まちづくりを一層加速させるため10年プロジェクトを立ち上げ、その推進策として不燃化特区制度を創設しました。そこでの支援は、特区制度の支援メニューを区が実施する場合、その財源の2分の1を都が補助するものがほとんどであり、当初期待されていた特別な支援とはかけ離れた内容となっているのではないですか。区も2分の1の財源の負担を負うため、その規模によっては、区民にとっては有益な支援メニューを選択しないこととならないのか伺います。

8 その他

 その他について1点伺います。

 西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の大会宣言及び大会決議について伺います。5月17日に野方WIZ区民ホールにて、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟決起大会が開かれました。踏切渋滞の解消に向けてこうした大会が開かれることは歓迎するものです。ただ、大会宣言と大会決議に期成同盟の目的である区内全線地下化の実現を促進することに触れていません。そもそも2004年1月の期成同盟結成大会での宣言文、活動方針及び規約の目的を記した第2条で、区内全線地下化をうたっています。ところが、次の2008年の大会から区内全線地下化の文言はなくなりました。確かに中井から野方間の連続立体交差化事業の計画は、地下化と沼袋-野方間の一部が掘割式となっています。だからといって、地下化の実現を外していいとはならないはずです。野方以西の踏切渋滞解消の事業を決めていく上でも、期成同盟の唯一の目的である「地下化の実現を促進」を外してしまう理由は見当たりません。そうした手続もされていません。なぜ地下化の実現を期成同盟の大会宣言並びに決議から除いてしまったのか。規約は今日も存在しているのか伺います。

 以上で全ての私の質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えいたします。

 デフレ脱却のための国民生活重視の政策についてという御質問がありました。金融、財政、成長戦略の三つの政策が機能することによってデフレから脱却し、景気が回復することによって経済の好循環が起き、雇用や所得の増大がもたらされる、このように考えております。長沢議員の御質問の中でもあったように、健全な成長をもたらす産業政策、つまり、成長戦略というものが大変大事だというふうに私は思っております。

 それから、区民生活への影響についてであります。人口減少と少子高齢化が同時進行する中で、強固な財政基盤、社会保障基盤を構築するためには、適切な経済成長とともに、給付の削減や消費税を含む負担の増加ということは避けることができない、こういうふうに認識をしているところであります。

 大企業の内部留保についてであります。企業の内部留保は、産業の構造的転換による成長分野の創出の中で、技術開発や設備投資に向けることで企業活動の活発化と雇用の拡大に向けられるべきものという考えに変わりはありません。2月に安倍首相は、業績が改善した企業の賃金引き上げを要請しているところでもあり、その実現について望みたいというふうに考えております。

 それから、改憲論と歴史認識についての改憲論の問題であります。新しい価値観の反映や時代の要請などに基づいてよりよい憲法のあり方について、国民の間で議論が活発に行われることは大切なことであると考えております。改正手続も憲法で定められているところであり、そのあり方について議論したり提案がなされることは、決して不相当なこととは考えておりません。

 それから、村山談話、河野談話について見解をということでした。外交上の極めてデリケートで重要な問題であり、自治体の長として不用意に言及するべきではないと考えております。政府の対応に信頼をし、見守ってまいりたいと考えております。

 それから、核兵器廃絶に関連しての御質問がありました。「いかなる状況下でも」という一文の削除を要求して受け入れられなかったため日本政府は拒否したといったような前提であります。これに基づいて、憲法擁護・非核都市宣言をしている中野区の首長としての見解をという御質問でありました。本来、一般的にこうした外交については、国政の課題であり、区長として発言する立場にはないと考えております。

 この宣言をしているということがありましたので、若干触れさせていただきますと、この「いかなる状況下でも」ということについて、現在の核抑止力によって成り立っている平和というものまで否定することにつながるのだとすれば、私はこういったことについて慎重である、このことについては十分理解ができるところであります。そうした核抑止力による現在の平和という現実、これを受け入れない。あるいは無視してまでこの憲法擁護・非核都市宣言があるとは私は考えておりません。もしそうでないとするのであれば、これはこの宣言についてもう少し議論をしたほうがいいのかなと、こんなふうに思うところであります。

 それから、原発再稼働と原発輸出についてということであります。原発再稼働が必要な状況になり審査が行われるとすれば、安全基準に照らして安全と判断されることにより稼働するものだと考えております。国の成長戦略を策定する上で、国内のあらゆる資源を活用するべきことは言うまでもないことだと私は考えております。

 それから、新区役所の位置についてであります。区役所など公共施設配置については、北側、南側にかかわらず、中野駅周辺全体を範囲としてさまざまな可能性を検討してまいりました。区全体の防災対応力強化の観点も踏まえ、現在、中野四季の都市区有地での検討を進めているわけであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 平和の森小学校の教育環境についての御質問がございました。平和の森小学校の普通教室の確保につきましては、現校舎内で対応可能なものというふうに考えてございます。

 また、冷暖房設備の必要な教室につきましては、適切に対応していきたいと考えております。

 次に、学校再編計画(第2次)における施設整備についての御質問がございました。仮校舎として使用する若宮小学校は、再編計画(第2次)で推計している学級数の普通教室が確保できると考えております。また同じ計画では、学校運営や子どもたちへの影響を考慮し、学校運営しながらの改修工事では支障が生じるため、工事期間中は仮校舎を使用して学校運営をすることとしたものでございます。

 続いて、少人数学級の推進についての御質問がございました。中野区といたしましては東京都が定めました学校編成基準を踏まえて対応していく考えでございます。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の御質問についてお答えいたします。

 今回の決起大会において、中井駅から野方駅間の連続立体交差事業の着実な推進と野方駅から井荻駅間の連続立体交差事業の早期実現を図ることなどの大会宣言と決議を区民、区議会を含む期成同盟加盟団体が全会一致し採択をしたものでございます。

 期成同盟の規約は、区内全線地下化の実現を促進することとしており、期成同盟の意思は明確でございます。

 私からは以上でございます。

〔健康福祉部長野村建樹登壇〕

○健康福祉部長(野村建樹) 私からは、特別養護老人ホームの整備目標の見直し、また区有地活用等何点かの御質問にお答えいたします。

 東京都の整備目標等を踏まえました第5期の介護保険事業計画数、これについては妥当なものであるというふうに考えてございます。また、次の計画改定に向けましては、改めて特養待機者の実態把握等を行うなど、必要となる整備数を検討してまいりたいというふうに思ってございます。

 また、現在、東京都の包括補助制度は利用してございませんが、既に東中野、あるいは富士見中学校跡地の区有地を活用した特養の事業者誘導整備を図っておるところでございます。特養整備につきましては、介護保険事業計画で定めました内容に基づきまして、今後も適切に整備誘導を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

〔地域支えあい推進室長瀬田敏幸登壇〕

○地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) 私からは、地域包括支援センターの委託料についてお答え申し上げます。

 地域包括支援センターの委託料は、地域の高齢者人口に比例して一定の増額をすることとしております。平成25年度につきましては105万8,000円増額してございます。また、地域包括支援センターは、高齢者会館などにおきまして、アウトリーチによる相談会の実施のほか、地域や家族からの御相談に応じまして、きめ細かな訪問を行いながら支援を実施しているところでございます。

〔区民サービス管理部長白土純登壇〕

○区民サービス管理部長(白土純) 私からは、介護認定制度の抜本的な見直しを求める御質問についてお答えをいたします。

 要支援2と要介護1の認定は、実態調査と医師の意見書に基づき介護認定審査会において適正に行われていると認識しており、介護認定制度の抜本的な見直しを求める考えはございません。なお、介護度の変更に伴いケアプランを変更する場合には、利用者に対して丁寧な説明をするように担当のケアマネジャーに求めていきたいと考えております。

〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 私から二つの質問項目についてお答えいたします。

 初めに、公契約の適正化についてでございます。労働者が適正な労働条件で働き、賃金の支払いが保障されるということは、労働基準法や最低賃金法などに従い、基本的には労使の合意により実現されるべきものと考えております。したがいまして、公契約法、あるいは公契約条例は必要ないと考えております。全国的に見ても、条例制定は限られている状況にあると思います。

 次に、総合評価項目に労働条件を加えるべきではないかという御質問ですが、労働基準法などに規定をされる労働条件につきましては、本来使用者が守るべきものでありますので、総合評価方式の評価項目に加えることは適当でないと考えております。

 2つ目、指定管理者の情報公開についてでございます。指定管理者が管理運営している施設についての情報提供は適切に行っているところでございます。区に報告をされました指定管理者の管理運営に関する情報は、情報公開条例の対象となる区政情報であり、情報公開請求があった場合は、条例の規定にのっとり適切に対応していくこととしております。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、大和町の特定整備路線と防災まちづくりについての御質問にお答えいたします。

 まず、特定整備路線沿道の共同化促進についてでございます。大和町中央通りの沿道においては、小規模な残地や接道条件の悪い敷地について、近接する土地との共同化が可能となれば、土地の有効利用や町並みの整備につながるものと考えております。このため、共同化に向けた関係権利者間の合意形成等を支援できる専門家の派遣など、不燃化特区制度の支援策を含めて適切な支援を行っていくことにしているところでございます。

 次に、不燃化特区制度の支援策についてでございます。支援策については、費用対効果とともに地域の実情に即し、最も効果のあるものを選択し、活用していきたいと考えております。