【本会議・代表質問】
(2013年9月10日)

中野区議会議員 岩永しほ子

  1. 区長の政治姿勢について
  2. 2012年度決算について
  3. 保育問題について
    1. 待機児童対策と保育新システムについて
    2. 保育料について
  4. 教育施策について
  5. 域経済の活性化について
  6. 弥生町まちづくりについて

○議長(伊東しんじ) 岩永しほ子議員。

〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 2013年第3回定例区議会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表いたしまして質問を行います。

1 区長の政治姿勢について

 最初に、区長の政治姿勢についてお伺いをいたします。

 安倍首相は、アベノミクス効果によって「景気は上がっている」と述べていますが、本当にそうでしょうか。総務省の労働力調査によれば、ことし4月から6月の雇用者総数は1年前より正規雇用は53万人減り、非正規雇用は106万人もふえ、役員を除く雇用者の36%以上を占めていることになりました。従業員1,000人以上の企業では2.5倍と大企業ほど急増し、アベノミクスで加速していることがうかがえます。成長戦略でさらに派遣労働の規制緩和を進めようとしています。

 厚生労働省公表の労働経済白書は「特に若年層で非正規雇用労働者比率の上昇が顕著」と指摘しています。日銀調査の生活意識に関するアンケート調査では、物価上昇に8割以上が「困る」と回答し、アベノミクス効果で目指した2%の物価上昇を望んでいない国民が多数ということになります。区長は、アベノミクス効果により景気が回復することで景気の好循環が起き、雇用や所得の増大がもたらされると期待する姿勢ですが、本当にアベノミクスで安定雇用の拡大と賃金は増額になるのでしょうか。見解をお聞きします。

 安倍政権は「財政再建のため」と、来年4月からの消費税増税の結論を出そうとしています。消費税率の10%までの引き上げを「着実かつ円滑に実施すべき」と求めているのは経団連です。97年の増税では、消費税はふえても所得税や法人税は減り、50兆円あった国の税収は40兆円台に落ち込みました。この17年間では累計84兆円ふえたものの、税収が累計で190兆円以上も減少しています。内閣官房参与からは、予定どおり増税すると「かえって税収が下がる可能性もある」との発言がありますが、税率引き上げは財政再建のためどころか逆効果です。

 また「社会保障のため」とも説明する一方で、要支援認定者を介護サービスから外す、70歳から74歳の医療費負担を1割から2割に引き上げる、年金を10月から段階的に2.5%減らす上「マクロ経済スライド」で毎年減額するなど、社会保障制度改悪のための手順を定めた「プログラム法案」を閣議決定し、各界から怒りの声が広がっています。

 「デフレ不況」で国民の所得は減り続け、不安定雇用が増加している中で税率が上がれば物価も上がり、消費は目減りする。中小業者は価格に転化できず、赤字でも消費税は納入しなければならず打撃を受けると指摘されています。アベノミクスを評価しているという経済研究者でも、増税に対する景気対策として検討されている公共事業積み増しや法人税減税、投資減税より消費税率の増税延期のほうがずっといいとの主張です。政府与党内からも延期の声が聞こえ、各マスコミの世論調査では来年4月増税についての賛成は2割程度しかありません。「消費税増税には賛成」という人にも延期を求める声が広がっています。消費税増税の是非ではなく、この時期の増税はやめよという一点共闘を広げ、4月増税は中止すべきです。区長の見解をお聞きします。

 災害対策について。

 9月1日は関東大震災から90年目に当たり、区内2カ所で総合防災訓練が実施されました。政府の中央防災会議は防災や避難体制を強化することで被害を減少できるとの報告をまとめていますが、区内の被害を防ぐ対策の責任は区にあります。90年前とは比較にならないほど人口は増大し、人口密集地域が広がり、建物の高層化が進んでいます。主要道路沿道の不燃化や中高層マンションなどの耐震化が進められる一方で、木造住宅や雑居ビルの耐震化、防火がおくれていることへの対策が必要です。区は、弥生町や大和町の一部で都の不燃化プロジェクトの取り組みを進めようとしていますが、その他の地域の木造住宅の耐震化、不燃化をどう進めるのか。また、避難路の安全性を確保するには継ぎはぎが多く、構造の脆弱な道路の耐震化も重要です。整備計画を具体化すべきです。お答えください。

 ことしの平和宣言では、広島市長が「威嚇によって国の安全を守り続けることができると思っているのか」と「政府が核兵器廃絶を目指す国々との連携を強化することを求める」と呼びかけました。長崎市長は日本政府が「核兵器の人道的影響に関する共同声明」の賛同署名を拒否したことを「被爆国としての原点に反する」と批判し「原点に返ることを求める」と訴えました。原水爆禁止大会で採択された「よびかけ」は、日本政府に非核三原則の厳守、「核の傘」からの離脱、被爆国にふさわしい役割の発揮を求めています。中野区の非核都市宣言は「核兵器のない世界」を求めており、ヒロシマ・ナガサキの苦しみを世界のどこにも繰り返させないため、平和宣言や世界大会の「よびかけ」を支持する立場をとるべきではありませんか。見解をお聞きします。

 シリアに対し、米オバマ政権は「限定的で焦点を絞った攻撃」を示唆しました。米NBCテレビはアメリカ国民の軍事攻撃支持は42%、反対は50%と報道しています。パン・ギムン国連事務総長をはじめ各国からもさまざまな批判や反対の声が上がっています。ところが日本では自民党幹事長が「米介入を支持する」との発言をしました。今、安倍首相は「集団的自衛権」行使に暴走し、内閣法制局長官を集団的自衛権行使の積極容認派にすげかえてしまいました。歴代政府は、自衛権発動は「自衛のための必要最小限の実力行使」に限り、他国への武力攻撃を阻止するという集団的自衛権の行使はこの要件に当たらないと説明してきました。解釈改憲で「集団的自衛権」行使を強行しようとしていることに、歴代の内閣法制局長官はそろって「国会での議論の積み重ねを経て確立され、定着しているような解釈については、政府がこれを基本的に変更することは困難」と異議を唱えています。マスコミ各社が行った世論調査でも、集団的自衛権行使の賛成は3割台しかなく、反対は5割以上となっています。政権の都合で国会議論の積み重ねをほごにし、憲法解釈を変更することになれば、憲法の解釈が信頼できなくなります。憲法擁護を掲げる中野区の区長として、過半数以上の国民が反対している集団的自衛権行使に反対すべきではないでしょうか。見解をお聞きします。

 区長は、原発再稼動について「安全基準に照らして判断されるもの」、「国内のあらゆる資源を活用すべき」との立場をとっています。しかし、政府が収束宣言を出した福島第一原発では高濃度汚染水はふえ続け、汚染水漏れは非常事態です。「原発事故当初から流出は続いていた。どの研究者も同じ見解だった」との指摘がありますが、東電は930個の汚染水タンクを2人で巡回監視し、個々のタンクには水位計も設置されていません。

 安倍首相は「政府を挙げて全力で取り組む」との基本方針を決定しましたが、東電の破綻した対策の延長に過ぎず、体制も東電の「対応強化」を国が「確認」するものと指摘されています。「抜本的に」と言いながら、東電任せにしてきた姿勢は変わっていません。首相は汚染水の封じ込めを世界に公約しました。ならば、事故の収束宣言を撤回し、汚染水処理対策委員会が採用した凍土壁より粘土壁のほうが有効との意見があるように、国内外の英知を結集すべきです。そして、再稼動のための新規制基準づくりや安全審査を優先した原子力規制委員会・規制庁も申請された原発の再稼動は認めるべきではありません。区長の見解をお聞きします。

 安倍内閣は交渉会合に正式参加したTPPの冒頭で「守秘義務契約」に署名し、交渉内容の説明をしないまま、年内妥結に向け政府間協議を続けています。交渉品目の9割を譲り、残りもどうなるか。「聖域なき関税撤廃」が前提ではないとの安倍首相の説明は欺瞞であったことが明らかになりました。経済主権が侵されていると言わざるを得ません。TPPに参加した場合、皆保険制度も対象となり、平均で1.3倍も高い値段でアメリカの薬を販売するよう求められ、薬代が上がります。自由診療の全面解禁が求められ、保険がきかない医療が拡大します。遺伝子組みかえ表示の撤廃や残留農薬、食品添加物の規制緩和により、食の安全が売り渡されます。農林水産業の崩壊で新たに350万人の失業者が生まれ、輸入増による一層の競争で雇用・賃金削減などで地域経済は疲弊します。国や自治体の事業・サービスの開放も対象となり、地元企業が仕事を失うことになりかねません。そして、外国企業が投資先の国や自治体の制度・施策で、例えば「学校給食などの地産地消」により不利益や損害を受けたと判断した場合、変更や損害賠償が求められ、国民や住民を守れなくなるおそれがあります。政府与党内にもいらだちが出ていますが、TPPで悪影響が認められても、もとに戻れないラチェット・ルールに縛られます。区長は参加やめよの立場に立てませんか。お聞きします。

2 2012年度決算について

 次に、2012年度決算についてお聞きします。

 この年度は、一般財源からの支出削減のために行った事業見直しにより、74事業で7億3,000万円余の財政効果を生み出そうとしました。そのため、区民のセーフティーネットであった入浴困難高齢者支援入浴が廃止され、代替事業は実施されず、入浴の機会を減らされました。生活保護世帯への法外援護一部廃止によって子育て世帯の負担がふえました。生活保護切り下げにかかわり、就学援助への影響が懸念されていますが、中野区はその先取りのように就学援助の基準を引き下げ、教育負担を重くしました。福祉タクシーに所得制限を導入し、障害者の行動機会を狭めました。

 「厳しい財政」のはずが、決算値では歳入も歳出も史上最高額となっています。財調交付金の増、前年度をはるかに上回った高い不用額、国・都からの支出金増などで、当初予算で50億円の繰り入れを予定していた財調基金の取り崩しは15億円で済ませました。歳入歳出の見積もりの甘さが余剰金をたくさん出すことにもなり、全体の基金残高は441億円以上になりました。監査は、財政指標が厳しさを増した要因は、扶助費及び公債費が増となっているためであり、債務負担行為に基づく支出予定額も増加していると指摘しています。款別では、中野駅周辺の事業担当を組織化し、人の配置をふやした都市政策推進費の執行率が一番低く、不用額の割合が最多です。開発事業のソフト・ハードの面で十分精査できていなくても、まず予算確保ありきの姿勢がうかがえます。

 結局、開発関連の財源をつくるための事業見直しとなり、切り捨てられた区民はたまりません。開発予算ありきを見直し、区民のセーフティーネットにまで踏み込む経常経費抑制は改めるべきです。見解をお聞きします。

 区は歳入を厳しく見積もった上、一般財源の充当事業を650億円内におさめる経常経費抑制に固執しています。地財法3条の2は、あらゆる資料に基づいて正確にその財源を捕捉し、かつ経済の現実に即応してその収入を算定し、予算に計上しなければならないと定めていますが、それは住民福祉の増進に必要な財源を確保するためです。国は開発費にはお金を出しても、税と社会保障一体改革などにより福祉や教育などの支出は削減され、区は大きな影響を受けています。財調交付金では財政需要額がふえる傾向にあるのは当然ですが、23区は臨時的圧縮を行い、歳入は影響を受け、一層事業後退に拍車がかかります。実際の財政運営は国や都との政策、予算編成に左右されます。セーフティーネットにまで切り込まず、国・都との負担割合や支出金をふやすなど、福祉の増進に必要な財源を確保するため、国・都に求めるべきです。見解をお聞きします。

3 保育問題について


(1)待機児童対策と保育新システムについて

 保育問題についてお聞きします。

 最初に、待機児童対策と保育新システムについてお尋ねします。

 4月1日付中野区の認可保育園待機児童は480人、新定義では147人でした。待機児童のために区が認可保育園増設に踏み出したことは評価します。しかし、賃貸マンション活用など「待機児解消加速化プラン」は保育新システムの先取りと言われ、企業が参加しやすく保育の民間開放をさらに促進すると指摘されているだけに、緊急一時的なものでなければなりません。現場からは、保育士と保育の質の確保が課題だと指摘されています。「プラン」の柱の一つになっている「小規模保育事業」の保育士配置基準は、国の子ども・子育て会議において、有資格者は5割あれば認可すると確定しました。

 厚生労働省が報告した2012年中の保育施設における事故報告集計によれば、負傷事故は前年の75件が127件へとふえ、うち認可園では2件から6件へとふえています。死亡事故は14件が18件にふえ、うち12件が認可外施設で起きています。認可保育所の事故は、大規模化、民営化、定員増の詰め込み、職員の非正規化などが影響しているとの指摘がありますが、こうした事態に「保育所及び認可外保育施設における事故防止について」との厚生労働省課長通知が3月に出されています。待機児童をゼロにしたという横浜市では、認可園のうち企業立は26%になる中、電車が5分おきに走る高架下に保育園が設置されています。また、川崎市では企業立が30%になり、産廃の一時置き場の隣に設置される事態です。待機児童対策になるなら何でもよいわけではありません。事故が起きないよう保育士研修や集団での検証などでリスクを小さくし、子どもの命と育ちを保障することを最優先にした保育の質を向上させる責任は区にあります。見解をお聞きします。

 区は、今以上の株式会社の参入を拡大せず、現在放置されたままの本郷保育園跡地を耐震化して保育園を開設するなど、区有地や施設、国や都の用地活用を真剣に検討して認可園を増設すべきです。見解をお聞きします。

 区は2015年4月実施の子ども・子育て新システムのため「子ども・子育て会議」を設置されました。新システムについては、保育関係者だけでなく、研究者などからも反対の声が上がり、日本弁護士会も意見書を提出し、当初に削除されていた「市町村の保育実施責任」を児童福祉法に残させました。子ども・子育て支援法が施行した場合に発令される児童福祉法24条1項では、保護者が保育園の入所を求めれば、区はそれに応えて保育園に入所させる責任を負うとの規定をしています。保育所はこれまでどおり市町村の責任で実施され、保護者は区に申し込み、入所先が決定されて保育の提供を受けることになります。しかし、同条2項では、保育所以外の認定子ども園や地域型保育事業などで必要な保育を確保する措置を講ずるものとしており、その場合の利用は事業者と利用者との契約で決まります。子どもの保育を受ける権利に違いはなく、同じように保障されなければなりません。保育園に入りたくても入れないのは区に責任があるのですから、どの施設であろうと保育の実施責任を区が負うことに変わりはありません。見解をお聞きします。

 区のスケジュールでは、12月までに延長保育や学童クラブなどの子ども・子育て支援事業のニーズ調査をすることにしていますが、提供される事業が今より後退することがあってはなりません。また、保育の必要性、必要時間の認定を受ける認定の仕組みづくりは来年5月ころにまとめる予定となっています。短時間保育と認定された場合、例えば親の仕事が午後からだと子どもは午後からの登園になるなど、子どもの生活時間がばらばらで生活リズムが崩れ、保育が細切れになるなどの問題が懸念されています。国が示すのは最低基準ですから、少なくとも中野区としては子どもの発達に必要な時間として、短時間保育は8時間以上とすべきです。お答えください。


(2)保育料について

 保育料についてお聞きします。

 区は、来年度から保育料を引き上げようとしていますが、国民の所得が減り続けている今、子育て世帯にとって打撃になります。特にひとり親家庭の半数が貧困層と言われ、区民も例外ではありません。区の保育園利用でひとり親家庭の児童は192人とのことです。値上げ計画を怒っている30代の女性は母子家庭です。昨年、月2,000円の定期昇給があり、ひとり親家庭支援施策の所得制限額230万円より1万7,000円を超えたため、児童扶養手当の1万円が支給されず、ひとり親医療費助成、上下水道基本料免除、都営交通費助成、粗大ごみ手数料免除などが活用できなくなりました。加えて息子は誕生日がきて3歳になったために児童手当が5,000円減額です。入りで1万5,000円減り、負担は月平均3,000円以上ふえました。この家庭はD4階層ですが、3歳クラスになり保育料が下がる予定でしたが、新たな所得区分分割によって値上がりするため、実質的な効果がありません。毎月の所得20万円にこれまでより減収・負担増の影響は2万円以上となるこの世帯にとって、保育料の値上げは生活維持の困難さに拍車をかけます。値上げ幅が最も大きく影響する階層は、3歳未満児の改定後の所得税1万5,000円以上3万円未満の階層で、85%以上です。この世帯層の給与所得額は、共働き、子ども1人では月11万円から14万円くらいです。子育て世帯の負担軽減は社会的に求められているところですが、この値上げ計画は子育てに逆行するではありませんか。見解をお聞きします。

 値上げ計画では、認証保育所への保育料補助は新たな税の投入はせず、値上げした認可保育所保育料の範囲で賄うこととしていますが、弱い世帯に認証保護者補助金を支払わせようと言うのですか。認証保育所に入らざるを得なくしているのは、区が認可保育所をつくらないからではありませんか。児童福祉法が定める区の責任を放棄して、そのツケを認可保育園の保護者に回すのは全くの筋違いです。2年後には新システムによって保育料が変わる可能性もあります。今回の保育料値上げ計画は見送るべきです。お答えください。

4 教育施策について

 次に、教育施策についてお尋ねします。

 決算に見る学校の維持補修費の執行率は、小学校で94%程度、中学校は91%程度であり、小規模修繕費や校舎等営繕工事費を残しています。施設整備費では、小学校が校舎等営繕工事費を残しています。予算額は前年度より減っているのに改善されない状況があり、学校現場やPTAから出されている施設設備改善要望には毎年要求されているのに改善されていない学校があり「あったらなおいいね」ではなく「なくてはならない必要な事柄」だと中P連は改善を求めています。学校生活と授業に支障のある箇所の改善として、具体的に学校名で示されている雨漏り、黒板の改善、トイレの改善と増設、循環が悪いプールなど、抜本的な対応を求めます。お答えください。

 校舎の老朽化が問題になり、文科省は学校施設の長寿命化を図る検討会を立ち上げています。区教委はこの夏休み中に再編対象校と築50年を迎えた学校施設調査を行いました。その結果によって、大規模改修や改築などの対策が立てられることになります。耐震化は実施されているものの、調査対象校以外に向こう10年以内に築50年を迎える学校は5校、築40年以上は8校あります。再編による統合校の施設・設備は新しくなっていますが、躯体としては40年、50年になる学校もあります。教育委員会として長寿命化の整備計画を持つべきではありませんか、お答えください。

5 地域経済の活性化について

 次に、地域経済の活性化についてお聞きします。

 区内企業・業者は住民として、また地域経済の核でもあり、この層が減少することは地域社会に大きな打撃となります。1999年、国は「中小企業基本法」で自治体にも地域振興の責務があることを明らかにし、2010年には中小企業憲章を閣議決定しています。区は地域経済の活性化政策を明らかにしなければなりません。その上では区の発注は地域の建設業者、労働者のみならず、金融機関や商工業、サービス業などを循環することで活性化につながっていきます。そうした中、今回の区発注工事における労務単価を引き上げを示したことを評価します。しかし、この引き上げ額から労働者に幾ら支払われるのかは事業者任せであり、実際に支払われたかは事業者と労働者間の問題として、区は関与しない姿勢をとっています。地域経済を活性化する上で、公共事業で支払われる税金が適正に執行されているか確認できるようにすることは必要です。その意味では「労働基準法や最賃法に従い、労使合意で実現されるべきもの」と民間任せにせず、公契約条例によって区発注事業の充実と品質を確保することは重要です。見解をお聞きします。

6 弥生町まちづくりについて

 最後に、弥生町まちづくりについてお尋ねをします。

 弥生町三丁目周辺における不燃化特区の取り組みは、都営アパート跡地を活用するコア事業と避難経路ネットワークの形成、不燃化促進などです。コア事業では、東京都が示す支援策によれば、種地は先行取得することとしています。区は都営アパート跡地を種地にと位置付け、活用方法は都と協議するとしていますが、どのような協議状況ですか。お聞きします。

 関係する住民への支援策について、都市基盤部長は「不燃化特区の支援策は、費用対効果と地域実情に則し最も効果のあるものを選択、活用する」と答弁されました。都は既に支援メニューを示しており、区のスケジュールでは今の時期必要な支援策などの要項を整備するとしていますが、示されたのは財政支援のみです。権利者などへの直接支援に向けた取り組みはどのようにしているのかお聞きします。

 2020年までに不燃化領域率を7割にする目的ですが、例えば避難経路ネットワークで6メートルにする新設・既存道路が8本あります。拡幅で立ち退きとか家屋の建てかえという問題が生じますが、沿道には高齢者や女性のみの世帯があります。この間もただしてきましたが、この事業によって追い立てたり、新たな負担が生じることがないよう対応すべきです。お答えください。

 弥生町地域は東京都の防災重点整備地区に指定されています。区は昨年度から防災まちづくり説明会の開催やアンケート調査などに取り組んでいます。災害に強いまちにする場合、道路拡幅が中心で議論されますが、まちの様子に合わせた取り組みが必要です。例えば、一丁目の一部には狭隘道路が多く、京都市のように細街路や袋小路の建物不燃化制度や墨田区の避難経路協定のように区の支援も含め修復型の防災まちづくりを住民とともに検討することも考えられます。見解をお聞きします。

 以上で質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えいたします。

 いわゆるアベノミクスの評価についてであります。金融、財政、成長戦略の三つの矢が機能することによってデフレから脱却し、景気が回復することによって経済の好循環が起き、雇用や所得の増大がもたらされる、この三つの政策の矢が機能すればということですが、雇用や所得の増大がもたらされると考えております。その成果が経済指標にもあらわれ始めているということについて、好感を持って受けとめているところであります。第四の矢と言われるオリンピック招致が実現したことで、今後経済への波及効果もまた生まれてくるものと考えております。

 消費税の増税についてであります。

 来年の4月については中止すべきという御意見でありました。消費税増税については、法の附則によって施行前に経済状況が好転していることを条件として実施することとなっている、このように承知をしております。したがって、政策効果や経済状況を見て政府が判断するものであります。

 それから、不燃化10年プロジェクトに関連して、プロジェクト以外の地域での木造住宅の不燃化及び道路の耐震化等についての御質問がありました。

 不燃化促進事業や木造住宅密集地域整備事業を実施している地域などにおいて、耐震性能が低い木造住宅を耐火、または準耐火建築物に建てかえをする際に、費用の一部助成を行っております。これらは地域全体として安全性を高めるという公益的な目的に基づくものであります。区道の舗装についてですが、これは設計基準に基づき適切な構造で施行しているところであります。区道の補修計画について、道路の劣化状況を見きわめながら計画的に整備を行っているところであります。道路の構造物である橋梁の耐震化はこれまでも実施してきておりまして、今後も昨年度策定をいたしました橋梁長寿命化計画に基づいて修繕工事を実施していく予定であります。

 それから、ヒロシマ・ナガサキの歴史を繰り返さない立場についての御質疑であります。ヒロシマ・ナガサキでの悲劇を二度と繰り返させてはいけない、このように考えております。両市の宣言について、両市がそれぞれにさまざまな思いを託したものでありまして、真摯に受けとめているところであります。こうしたことに支持、不支持といった政治的な対応を行う考えはありません。

 また、御指摘のありました世界大会におけるよびかけ内容については賛同できません。

 それから、集団的自衛権の行使についての御質問がありました。

 集団的自衛権の行使については、国においていまだ議論の途上にあると認識しております。我が国が専守防衛を前提として有効な防衛力を行使する権利を有する、このことは言うまでもないと考えております。その具体的内容の一つとして、集団的自衛権のあり方を議論することは重要だと考えております。議論そのものは国政の場で行われることであり、国民の正当な代表である国会議員の議論にも注目をしていきたいと考えております。

 原発の再稼動についてであります。

 原発事故対策については、国を挙げて全力を挙げて対策していかなければならない、このように認識をしております。原発の再稼動については、十分な検証やそれを踏まえた安全対策の再構築などが必要であり、これについて安全基準に照らした審査が行われ、安全と判断されることにより稼動するものと考えております。

 それから、TPPの参加についてであります。

 社会保障や将来の税負担を支えていけるように、国の経済の形を新しい時代に向けた形につくり直していく継続的な展望は必要であり、そのためにもアジア・太平洋の経済連携の中で基本的な自由貿易の枠組みを構築し、各国が公正なルールに基づく経済活動を行うことに参加することは不可欠だと考えております。

 2012年度決算について、事業見直しと国・都への要望についての御質問であります。

 事業の見直しに当たっては、事業の必要性や効率性、負担の公平性などの観点から、全ての事業を対象として点検を行っております。その上で真に必要な区民サービスの充実や基盤整備を行い、持続可能な区政運営を行っていく必要がある、このように考えております。

 社会保障や各種手当など、国や都の責任において実施すべき施策については、財源の裏付けを含め、時代に則した制度設計を行い、自治体に負担が生じないよう、毎年度国や都に要望活動を行っているところであります。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 教育施策について、まず、学校施設の改善についての御質問がございました。

 学校等からの意見や要望を踏まえ施設の改善に取り組んでおり、また、毎年実施している安全点検により、緊急度に応じて優先順位を設け、維持補修を行っております。今後も学校などからの意見や要望を踏まえ、効率的、効果的な対応を図ってまいります。

 次に、学校施設の長寿命化整備計画についての御質問でした。

 今年度実施している学校施設の調査診断結果を踏まえ、長寿命化など中長期の学校施設の整備計画の策定に取り組んでまいります。それ以外の学校につきましては、築後50年をめどに逐次調査を行い、計画をしていく考えでございます。

〔子ども教育部長髙橋信一登壇〕

○子ども教育部長(髙橋信一) 私からは、保育問題についてお答えいたします。

 初めに、待機児対策と保育の質でございます。区といたしましては、保育施設の安定した運営がなされるよう、国や都が定めた基準を確保するだけではなく、質の高いサービスが提供できるよう事業者を選定しているところでございます。また、運営開始後も日常的な指導を通じまして保育の質や環境が保障された保育になるよう、しているところでございます。

 次に、待機児対策における区、都、国有地等の活用についてでございます。

 認可保育所はこれまで区立保育園の建てかえ、民営化の中で行う規模を拡大して定員をふやしてきたところでございます。区有地や国有地、都有地につきましては、保育施設を設置する地域や整備時期等の条件を踏まえ、活用できるものがあれば活用したいと考えてございます。

 なお、旧本郷保育園につきましては、保育施設として面積が狭く、土地建物に関して耐震上問題があり廃止したものでございます。

 続きまして、区の保育の実施責任についてでございます。

 子ども・子育て支援新制度におきましても、認可保育所における保育は市区町村が実施することとされております。私立保育所につきましては現行制度と同様に区市町村が保育に要する費用を委託費として支払い、保育料の徴収を行うこととなります。また、その他の保育施設については保護者がみずから施設を選択し、施設と契約することになるため、認可保育所とは異なるところになります。全体として区は需要調査を含め、必要な保育や子育て支援の方策を計画的に確保する責務を負っているものでございます。それを着実に果してまいりたいと考えます。

 続きまして、子ども子育て新制度におけます短時間保育利用についてでございます。

 国の検討過程においては、親のフルタイム就労を想定した保育標準時間利用とパートタイム就労を想定しました保育短時間利用の2区分の保育必要量を設けることが予定されてございます。しかし、保育標準時間利用と保育短時間利用の制度の詳細につきましては、国が検討しているところであり、その状況を踏まえ、適切に対応していきたいと考えます。

 続きまして、保育料の見直しによる子育て世代への影響についてでございます。

 今回の保育料の見直しは、平成19年の税制改正を反映することで実質的値下げとなっている状態を解消することや、高額所得者層の応分の負担を求めるなど、適切に応能負担をしていただくためのものでございます。

 なお、ゼロ歳児から3歳児未満につきましては、急激な負担増に配慮する必要もあることから、経過措置を設けることとしてございます。

 最後に、認可保育所保育料の引き上げの見送りについてでございます。

 保育料につきましては、在宅で保育を行っている保護者とのバランスとか、認可保育所や認証保育所等の利用者の負担のバランスをさまざま考慮する必要がございます。昨年度、中野区保育サービス利用者負担額適正化審議会の答申のとおり、認証保育所保護者補助金の見直しに当たっては、認可保育所保育料の見直しとの組み合わせによって財源を生み出し、税による追加負担は極力避けて進めることが必要と考えてございます。認可保育所保育料と認証保育所保護者補助金については、負担の公平化を早急に実施することが必要と考えているものでございます。

〔経営室長川崎亨登壇〕

○経営室長(川崎亨) 地域経済の活性化についての項でお尋ねがありました公契約条例の制定についてお答えをいたします。

 労働者が適正な労働条件で働き、賃金の支払いが保障されるということは、労働基準法や最低賃金法などに従い、基本的には労使の合意により実現されるべきものと考えており、公契約条例の制定に取り組む考えはございません。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、弥生町まちづくりについての御質問にお答えいたします。

 川島町アパート跡地活用の進捗についてでございます。川島町アパート跡地につきましては、避難道路の整備や道路拡幅に伴う代替地の確保など、地区全体の防災まちづくりに資する先導的な事業として位置付けており、早期の用地取得に向け、東京都と協議を進めているところでございます。

 次に、権利者への支援についてでございます。

 老朽建築物除却費助成や戸建て建てかえの際の設計費助成など、権利者への支援は都の不燃化特区制度に基づき区の要綱を制定し、区民等に周知を図り施行していきたいと考えているところでございます。

 次に、避難道路の整備に伴う沿道居住者への対応についてでございます。

 避難道路の整備方法につきましては、積極的な買収方法による整備も含め、検討を進めているところでございます。整備に際しましては、権利者の意向を十分に伺い、補償等についても説明し、生活再建が図れるよう努めていきたいと考えております。

 最後に、不燃化特区以外の弥生町のまちづくりについてでございます。

 弥生町三丁目周辺地区は特に早期の改善が求められており、不燃化特区として防災まちづくりを先行させることとしておりますが、それ以外の弥生町一丁目から四丁目地区においても不燃化特区の進捗を見つつ、引き続き地域の方々と防災まちづくりの検討を進めていきたいと考えております。