【本会議・代表質問】
(2013年2月19日)

中野区議会議員 岩永しほ子

  1. 区長の政治姿勢と新年度予算案について
    1. 所信表明と政治姿勢について
    2. 新年度予算案について
  2. 災害対策について
  3. 教育行政について
    1. 学校再編計画(第2次)案について
    2. 少人数学級について
    3. 図書館(学校、区立)施策について
  4. 区内事業振興について
  5. 弥生町三丁目の不燃化特区について

○副議長(久保りか) 岩永しほ子議員。

〔岩永しほ子議員登壇〕

○42番(岩永しほ子) 2013年第1回定例区議会本会議におきまして、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

1 区長の政治姿勢と新年度予算案について


(1)所信表明と政治姿勢について

 区長の政治姿勢と新年度予算案について。まず、所信表明と政治姿勢についてお尋ねをいたします。

 区長の所信表明は、「政権交代が素早く効果をあらわし、デフレ克服と景気対策、そして、成長戦略は大いに歓迎すべき」とたたえています。昨年末の総選挙で復活した自民・公明政権は、デフレ克服、TPPや原発、沖縄の基地問題など、解決の道を示すことができません。デフレ不況からの脱却では、大胆な金融緩和として打ち出された2%物価目標は、期待感から株価は上がったものの、実体経済の最善に結びつかず、雇用の安定と賃金引き上げで内需を活発にする具体性に欠けていると経済学者や経済専門家は指摘しています。厚労省の労働経済白書は、「労働者の所得の増加が消費の増加を通じて日本経済の活性化につながるという、日本経済のマクロの好循環を取り戻すことが必要」と述べています。首相は、日本共産党の国会質問で、企業に賃上げ協力を要請すると答弁し、12日に経済界に協力要請をされました。働く人の所得減がデフレの最大要因であり、デフレからの脱却は雇用を拡大し、国民の所得をふやすことです。区長の見解をお聞きします。

 安倍首相の機動的な財政政策の柱は公共事業、成長戦略の柱は規制緩和です。今までも、景気回復と取り組んだ公共事業で借金を膨らませ、国債残高は700兆円にもなるのに、国内総生産は20年前と変わりません。小泉内閣時代に推進した規制緩和は、派遣労働者を急増させ、格差問題を大きくしました。働く人の平均給与年額は1997年をピークに2011年までには66万円も下がっています。一方、資本金10億円以上の企業の経常利益は1.6倍になり、内部留保は260兆円です。日本共産党の国会質問に対し、財務相は、企業は、巨大な内部留保を賃金や配当、設備投資に回さず、ため込んできた。安倍首相は、内部留保を賃金に使うことが、ひいては企業の収益につながると答弁。収益が上がっても、働く人の所得につながらず、そうした結果が内部留保になっていることを認めています。内部留保の活用は、避けられません。区長は、内部留保の活用は、企業活動の縮小を余儀なくし、経営破綻をおそれる企業もふえるとの見解でした。今回の政府対応とは違います。改めて見解を伺います。

 当議員団は、11月末に9万枚の区民アンケートを配付し、1,200人から回答が寄せられました。前年に比べ負担がふえたとの回答は7割に上り、年金でこんなに税や保険料を払うことになるとは思っていなかったという声が多数ありました。区政課題に対する回答数の多かった順では、国保料や医療費引き下げ、特養ホーム増設、介護保険料・利用料引き下げ、耐震対策の拡充、待機児解消となり、それぞれ5割前後になっています。区への期待が強く示されています。国保料や介護保険料の引き下げ、特養ホーム増設、木造住宅耐震補強助成、認可保育園増設など、区の姿勢で取り組めます。こうした区民に応える姿勢が求められているのではないでしょうか。見解をお聞きします。

 区民に対し、「社会が向き合っている限界をみずからの問題として、国が何かしてくれるのを待つのではなく努力すべき」と述べています。それでは、区民の努力が実を結ぶ区政運営がなされているでしょうか。自治基本条例では、「区民の多様な参加を保障し、区民の意思に基づく決定と運営を行うことを区政の基本とし、執行機関は行政運営における公平性及び公正性を確保し、区民の権利及び利益を保護しなければならない」と定めています。ところが、2010年度以降、住み続けられる中野を展望して、区民が自主的・主体的に活動と努力をしてきた拠点である消費者センター、環境リサイクルプラザ、地域センター、男女共同参画センター、高齢者福祉センターと多くの区民施設が廃止され、施設の廃止にとどまらず、区民の自主的・主体的活動を疲弊させています。区の責任と役割を縮小し、区民を区政の主権者ではなく客と扱うことで、区民との協働を回避しているのは区長ではありませんか。お答えください。

 北朝鮮の核開発に抗議文を送られたことは評価いたします。北朝鮮の核開発と核実験は、地域の平和と安定への危険な逆行です。対話のテーブルにつけるため、中国を含めて一致した実効ある制裁が必要です。区長は、東アジアの情勢は、世界全体にとって大きな不安定要因にあるため、国が毅然とした態度をとることを強く望んでおられます。毅然とした態度は、平和的解決の姿勢で臨むのか、一層緊張を高めて軍事的解決の方向で臨むのかによって、日本の進む道が違ってきます。また、他のアジア諸国との関係強化が重要と指摘されました。東南アジアでは、1986年に東南アジア友好協力条約を締結し、内政不干渉、紛争の平和的手段による解決、武力による威嚇の禁止と武力行為の放棄などを約束している地域です。区長が「交流のチャンネルを多様に生かした関係改善の努力が必要であり有効」と述べておられるように、また、自治体間交流を図るという姿勢を示されているように、日本はアジアの一員として軍事的な緊張関係を高めるのではなく、平和的な外交力を発揮して解決に臨むことです。見解をお聞きします。


(2)新年度予算案について

 次に、この項で、新年度予算案についてお尋ねをいたします。

 新年度予算案では、健診費用の負担軽減に踏み切ったこと。認可保育所と認可園分園増設、避難所物資の拡充を盛り込んだこと。また、女性の乳がんは16人に一人とこの20年間で2倍にふえており、検診の拡充などは私たちの要求でもあり、評価します。乳がんは発見が早く、診断と適切な治療が行われることで治癒率、生存率が高くなっていることからも、自己チェック表でリスクを知り、生活習慣を見直すなど、意識啓発に取り組むことも重要です。

 一方、5,000円の障害者福祉手当2種を65歳以上は半額にしながら、事業見直しでも、経常経費見直しでも温存されているのは開発関連経費です。中野駅周辺地区整備に2,500万円以上を増額し、駅周辺だけでもハード・ソフト合わせて1億円以上となっています。結局、新年度予算案も開発優先と言わざるを得ません。厳しい財政状況といって、区民へのセーフティネットを後退させる一方で、中野駅周辺開発関連の聖域扱い、これは見直すべきです。お答えください。

 区長会は、21年度以降、都区財調の基準財政需要額を臨時的圧縮してきました。今日までの総額は23区で2,000億円もの減少を許したことになると言われています。財調財源を圧縮した分の財源対策をしなければならなくなったのですから、需要額の臨時的圧縮ではなく、必要な都区間配分の割合を変更することを求めるべきでした。25年度の財調協議では、臨時的圧縮の扱いはどうしましたか。伺います。

 所信表明では、「基金の取り崩しを見込んだが、基金には限りがある」と相変わらずの主張を繰り返しています。基金の取り崩しは将来の不足につながると言いながら、毎年度当初予算と決算値は大きく異なり、積み増しを繰り返しています。区は、一般財源650億円に見合う歳出を行おうと経常経費削減を強行しています。例えば、就学援助のように財調財源でほぼ充当される事業を縮小するなど、到底納得できません。物価や自然増の要素を含めても、その範囲でしか福祉、教育、生活関連事業を予算化しないのでは、区民に犠牲を転嫁することになります。経常経費の節減といって、区民のセーフティネットにまで切り込む削減をやめ、財産費を別枠にしたり、剰余金を全額積み立てる中野ルールを改め、特定財源も含め財政運営のルールに立ち返るべきです。見解をお聞きします。

 さて、厚労省は、来年度から子宮頸がん、ヒブ、小児肺炎球菌の3ワクチンを定期予防接種に加えることを決定しました。実施内容は検討中だと思いますが、区民の混乱や抑制にならず、円滑な運営が必要です。また、ワクチン接種と妊婦健診は基金による国庫補助が行われていましたが、新年度からは普通交付税対応になります。25年度の財調協議では想定できなかったことです。新たな財源を確保すべく都と協議することを求めます。見解をお聞きします。

 今月15日に行われた区長会において、4月から国保料を大幅に値上げする案が確認されたと報道されました。旧ただし書きに移行したことに伴う経過措置を廃止し、新たに住民税非課税世帯に2年間の軽減策を行うとしています。それによると、23区で対象者は47万人から11万人に減ります。中野では1万6,000人が3,000人に減ると聞いています。均等割は1,200円値上がります。年金世帯、年収500万円以下の給与所得4人世帯など、負担増が襲いかかる保険料引き上げは中止すべきです。所得が減り、払いたくても払えない保険料の滞納に拍車がかかります。国民皆保険制度を維持するためにも、払える保険料にすることが求められます。そのためにも国と都に財政措置を求めることです。改めて見解をお聞きします。

 教育費の軽減として実施されている就学援助は、憲法第26条、教育基本法第3条、学校教育法第19条を根拠に実施されています。認定基準は、生活保護基準により算出しています。その倍率は23区でもそれぞれですが、中野区は1.2倍でした。しかし、事業の見直しによって、今年度から生活保護基準1.15倍へと引き下がりました。収入基準を引き下げたため認定されなかった世帯があり、教育費の負担が家計を圧迫します。23年度区内の認定割合は、小学校23%、中学校31%を占め、年々ふえています。都政新報の調べでは、23区で中野より基準が上回るところは20区あります。生活保護の扶助基準の何を含むかによって、就学援助の認定基準が変わりますが、財源は特別区交付金によっておおよそ措置されています。中野区の認定基準の算定に含まれていない児童養育加算を加え、教育費の軽減を図ることを求めます。お答えください。

2 災害対策について

 次に、災害対策についてお尋ねいたします。

 都は、新年度予算案で非構造部材耐震化の支援に85億円計上しました。学校体育館や校舎の天井材、照明器具の落下防止工事など、小・中学校及び幼稚園で活用できます。区は、新年度に学校窓ガラス飛散防止工事を予算化しました。非構造部材の調査を行い、必要な対策をすべきです。お答えください。

 学校再編に伴う避難所確保について、「近隣で活用できる施設などを確保する」と答弁されています。地域を見回しても、校庭ほどの広さがある地域はどこにあるでしょうか。防災倉庫確保、拠点医療救護所の確保など、具体的に示すべきです。お答えください。

 いざという時、避難生活に必要な仮設住宅が速やかに供給されるため、国交省は、1都8県と協議を始めました。仮説住宅の建設は都が責任を持ち、被災情報を得て供給することになっています。区は、建設予定地を定め、情報提供することになっています。東日本大震災での仮説住宅供給では、自治体による違いがありました。東京都の対策を待つだけでなく、区としても迅速な対応ができるよう検討しておくことが大事です。見解をお聞きします。

3 教育行政について


(1)学校再編計画(第2次)案について

 3番目、教育行政について。まず、学校再編計画(第2次)案についてお尋ねします。

 区教委は、学校再編第2次計画を3月には策定しようとしていますが、区民合意はなく、問題は残されたままです。例えば、平和の森小へと統合される際、校庭が学校施設基準以下になることが問題になりましたが、新しい学校ができるまでの我慢だと無理やり計画を推進しました。そのため、平和の森小は狭い校庭で、運動会は事故が起きないよう工夫していますが、正常ではありません。さらに、ことし4月1日見込み児童数は581人となり、設置基準では校庭5,810平米必要となるところ、3,690平米しかないまま子どもたちは卒業してしまいます。平和の森小の新築計画は2019年開校予定となり、おくれにおくれています。子どもたちへの責任はだれが取るのですか。よりよい教育環境にはほど遠く、地域・保護者の声を無視して強行し、子どもたちを振り回した、見通しに無理な統合であったと反省すべきではありませんか。お答えください。

 第2次再編計画案は、小中連携のため、通学区域を変更することを打ち出しています。再編や通学区域変更によって、児童・生徒数がふえる学校の大規模改修は、基本的に校舎が広くなることは考えにくく、区の児童・生徒の推計値をもとに計算してみました。すると、再編によって桃園小、神明小、十中、それから新しく中学校になる若宮小が、通学区域変更によって谷戸小、二中がそれぞれ校庭が基準以下の不適合になりました。北中野中は、通学区域を変更することで、現在の12学級が10学級になり、小規模化しないよう、通学区域を再検討してほしいとの意見が出されています。教育委員会は、適正規模の範囲内だから問題ではないと言います。であるならば、現在適正規模の神明小は、わざわざ新山小の通学区域を半分にしてまで統合しなくてもよいことになります。1月18日に行われた教育委員と区民の意見交換会でも、地域で行われた意見交換会でも、前期で東中野小をなくされ、2次計画で三中までなくさないで。新山小をなぜ半分に分けるのかなど、学校再編の見直しを求める声が出されています。区教委は、小規模校解消の根拠を中央教育審議会の小・中学校の設置運営のあり方などに関する作業部会資料を引用しているだけで、中野区の学校や子どもたちの特色、現状から語っていません。全体のために必要な計画と繰り返すばかりです。基準以下になる校庭の学校を生み出し、区民の合意が成り立っていないまま計画策定を強行するべきではありません。スケジュールを含め、再検討をすべきです。お答えください。


(2)少人数学級について

 次に、少人数学級について伺います。文科省は、子どもと正面から向き合うための新たな教職員定数改善改革案を固め、新年度から5年間で中3までの35人学級を推進しようとし、予算要求をしていましたが、自公政権はその計画を見送りました。教育条件整備の後退にほかなりません。そうした中、都教委は、少人数の効果が顕著にあらわれていると評価し、今年度の小学1年・2年の35人学級に加え、新年度は予定どおり中1ギャップ教員加配を決定しました。2月4日付日本教育新聞は、「教育環境の整備では、1学級あたりの児童・生徒数を減らし、教職員数を増員することも極めて影響が大きい。財務省と文科省は引き続き定数改善の話し合いをすることを合意している」と報道しています。文科省の検討会議がまとめた報告は、「かつてないほど学級担任の負担は増大している」と指摘している上、全国知事会、全国市長会などからも「子どもたち一人ひとりにしっかりと向き合った生徒指導を行うためには必要不可欠」と定数改善の要望が出されています。区教委としても、少人数学級を国に求めていただきたい。お答えください。


(3)図書館(学校、区立)施策について

 次に、図書館についてお尋ねします。国は、24年度から5年間で学校図書館図書標準の達成を目指す財政措置をしました。学校図書館担当職員の配置の財源措置も含まれています。残念ながら、区は不交付団体のため、この措置は活用できません。しかし、おくれている図書標準の達成は急がれます。また、人的配置は重要な役割を発揮します。23区では、学校図書館への指導員配置実施は中野が最初でした。全国に誇る教育活動の大きな成果を上げてきました。今日では、各区でも人的配置が進み、勤務時間は週5日間、1日5時間の区もあります。こうしたことに加え、荒川区では、二人の担当職員を配置して学校図書館支援室を開設しています。中野区の学校図書館指導員は、週16時間の勤務です。さらに、学校教育の活発化と充実のため、またスキルアップのため、指導員の勤務日数や時間数をふやすことを求めます。見解をお聞きします。

 ことし4月から、区立図書館全館を一括して民間指定管理者に委託されます。受託事業者の司書率は6割とのことで、現在7割の司書がいる図書館では下がってしまうことになります。また、中野区の図書館活動を経験した人たちがいなくなるのは問題です。区の図書館業務要求水準書では、「学校との連携は、情報拠点として有効に機能するよう運営すること」としか示されていません。これでは学校図書館との連携や研修などを含めた支援が事業者任せになってしまうおそれがあります。学校図書館との連携や支援など、これまで築き上げた取り組みをどのように保証するのか、お聞きします。

 予算案では、知的資産関係の職員は短時間を含む3人となっています。これでは、区民の求めに応える図書館運営が事業者任せになってしまうおそれがあります。例えば、図書館の資料選定基準や選定手引きがあるからといって、現場にもいない、直接区民の声を聞く場を持たないでは、形式的な関与になってしまい、困ります。事業者には利用者懇談会の開催を求めていますが、区民の求めに応える資料と情報提供を事業者任せにしないためにも、職員のかかわりを高めるためにも、住民の意思を反映させる図書館運営協議会の今期の任期が終了した後も存続を求めます。お答えください。

4 区内事業振興について

 4番目、区内事業振興についてお尋ねします。09年12月から実施された金融円滑化法は、リーマンショックを受け資金繰りが悪化した中小企業や住宅ローン利用者が活用しています。ところが、3月末で終了されようとしています。東京商工会議所調査では、経営に影響がある──6割、帝国データバンクの企業意識調査によれば、法終了後に再度変更を申し込めば金融機関が厳しくなる──5割以上の回答となっています。既にもとの返済額をと迫る金融機関もあります。国は、金融機関に対し、貸付条件の変更や円滑な資金提供に努めるよう促していくとしていますが、区内業者の資金繰りくの破綻を招きかねません。1月22日、中野・新宿・杉並の民主商工会が合同して、東京信用保証協会新宿支所へ申し入れを行い、「協会は基本的対応は変わらないが、金融機関がどう対応するか」と回答されています。区は、区内事業者への資金提供、仕事づくり支援の立場で銀行に協力を要請すること。また、経営改善計画策定に知恵をかす相談などが受け付けられるようにすることを求めます。お答えください。

 区が新年度に開始する産業振興拠点事業は、3月までに東京建物と契約を交わすことで賃借権が成立します。区は、この賃借権をもとに民間の事業共同体に年間1,400万円で賃貸し、産業振興拠点として区内ICTコンテンツ関連産業の集積・創出の促進を図ること。それを活用した産業振興の促進を行うとしています。この事業共同体は、スペースの一部を転貸できることになってますが、その面積に上限が設けられていないことが気になります。練馬区は、定期借地権で民間に貸し付け、産業振興会館を建設し、中小企業の経営相談から支援までをワンストップで実施する。区内産業経済団体が連携して事業が行われるようにすると報道されています。中野区の産業振興拠点事業が、商店街や区内産業団体との連携なども視野に入れた取り組みを行い、区内事業が振興するようにすべきです。見解をお聞きします。

5 弥生町三丁目の不燃化特区について

 最後に、弥生町三丁目の不燃化特区についてお尋ねをいたします。

 区は、弥生町一丁目から四丁目の防災まちづくりに関するアンケートを行っています。不燃化特区に指定された三丁目周辺を先行して、25年度に地区計画を策定し、26年度から実施することを住民に説明しています。都は、不燃化特区を重点的・集中的に実施するための制度案を公表しました。原則として、都市計画事業、または土地収用適格事業にすることにより、強制的な取得も可能にしています。支援策では、戸建てから戸建てへの建てかえでも設計費助成や建てかえ後の住宅に固定資産税と都市計画税5年分の全額免除、老朽家屋は跡地活用にかかわらず除却費を全額助成するなどを挙げています。一方、都は、住民の合意形成が最優先の姿勢も示し、木密地域の住民の年齢や資産状況の傾向を踏まえつつ、不燃化対策や防災部門とまちづくりや高齢者部門との連携が望ましいとも触れています。弥生町三丁目は、6メートル道路にするために、現在の道路を活用するほか、新規に拡幅整備する道路を示し、周辺地区避難経路ネットワークの形成を図ろうとしています。大事なことは、区が強権を発動せず、住民理解と合意に基づいてこそ事業が成功することです。防災部門や高齢者部門も加え、連携した取り組みを具体化すべきです。また、都の制度案は、区が2分の1を負担するからといって住民負担になることは避け、支援策を具体化すべきです。見解をお聞きします。

 以上で私の質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕

○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、所信表明と政治姿勢について、雇用拡大と勤労者の所得拡大についてという質問であります。給料が下がったからデフレになったということではなく、デフレだから給料が下がったり、物の値段が下がったりしているので、そこのところの考え方がいささか違っているのかなというふうに思います。デフレから脱却して、景気が回復して好循環に入るということは、おのずと雇用や所得の増大が見られることと考えております。そうなるための方策が問題なのでありまして、金融政策、財政政策、そして成長戦略と、こういうふうに言っている政策の3本の矢、これが的確に機能することが欠かせない。私はこのように考えております。

 それから、内部留保、また内部留保ということなのかもわかりませんけれども、民主的な国の、市場経済の国でありますので、企業の内部留保を強制的に吐き出させるというようなことができるわけではありません。また、企業も好き好んで内部留保をしているということでもないだろう、私はそう思っております。本来、企業の内部留保は、産業の構造的転換による成長分野の創出の中で、技術開発や設備投資に向けることで企業活動の拡大と雇用の拡大に向けられるべきものということであり、こうした企業の行動を促すのが、先ほど申し上げた政策の3本の矢だと、こういうふうに理解をしているところであります。安倍首相が業績が改善した企業の賃金引き上げを要請したということでありますけれども、ぜひそれが実現するよう私も望んでおります。

 それから、共産党議員団の実施したアンケートに基づいて、区が行うべき重点事項についての御質問がありました。公共サービスは適切に財源を確保しながら、財源に見合ったサービスを提供するものでありまして、必要な自己負担もお願いしながら、さまざまな政策手法を用いて、区民要望を踏まえ、区民福祉の向上に努めているところであります。区といたしましては、幅広く区民の要望を把握して、行政運営を行っていると考えております。実施されたアンケートの結果についてお示しいただけるのであれば、さまざまな区民の声の一部として参考とさせていただきます。

 それから、区民との協働についてという御質問がありました。区民との協働を回避しているのではないかといったような御質問だったと思います。区政や政策の目的と合致する区民団体の活動については、必要に応じて支援を行うなどの取り組みを行っております。また、町会・自治会をはじめとする多くの区民団体と連携して、団体本来の目的と区政の目的をともによりよく実現するための協働の取り組みを積極的に進めているところでありまして、着実に成果を上げているところであります。

 それから、国際交流・平和についての御質問でありました。東アジアをめぐるさまざまな国際関係の中で、私は所信表明の中で、日本は毅然として言うべきことは言い、行うべき行動はきちんと行うべきだと、このように申し上げております。そうした基本の姿勢を明確にしていくということが平和外交を進めていく上でも基本になるだろうと、このように思っております。国家間の改善につきましては、そうした毅然とした態度に基づいて、幅広い交流チャンネルが機能することが重要である。自治体間の交流もその一つだととらえております。国家間の関係に要らざる容喙をすることなく、区民・自治体レベルでの交流で何ができるのか、今後西城区や陽川区との間で具体的に話し合いを進めていきたい、こう考えております。

 それから、中野駅周辺の大規模開発計画を見直すべきだという御質問であります。区は、中野区基本構想におきまして、中野のまちの将来像として「持続可能な活力あるまちづくり」を筆頭に掲げております。そのかなめとなるのが中野駅周辺のまちづくりであります。実際、中野四季の都市(まち)を契機とするまちづくりの進展によって、名だたる企業や複数の大学の進出が実現しました。これらによって、昼間人口や来街者の増加、区財政や地域への経済波及、中野の存在感・イメージの向上などなど、さまざまな効果があらわれてきていると思っております。中野駅周辺まちづくりは、駅周辺だけでなく、区全体の持続可能性を牽引するものであり、今後も中野の活力や可能性、安心・安全をさらに拡充するため、中野駅周辺のまちづくりを着実に進めてまいります。

 それから、財調交付金についてであります。足りないのだから、都に求めて配分割合をふやしてもらえばよいではないかと、こういったような御質問でありました。現在の55%対45%という比率についても、相当熾烈に詰めた議論を都区の間で行った上で勝ち取った比率であります。足りなくなったからもっとよこせというような議論を乱暴に東京都に吹っ掛けることが、都と区の関係をよくするということはない。むしろ、都区の関係を悪化させてしまうことにつながると、こういうふうに思っておりますので、都区との協議については、これまでの経緯を踏まえ、着実に区の立場を主張してまいりたいと、このように考えております。

 財調制度については、制度の成り立ちからしまして、先ほど申し上げました配分割合、これを基本にしております。財調財源、この範囲内でなければ交付額というのはあり得ません。したがって、需要に対して財源が十分でない場合にはさまざまな工夫を行って、各区の財政需要に応えることとしているところです。21年度から実施をされている臨時的起債充当もその一つでありまして、25年度も同様な措置は行っております。

 それから、財調交付金の財産費などを別にしたりしながら、650億円という一般財源の範囲を定めて財政運営を行うのはおかしいと、こういったような御質問でありました。区財政は、得られる収入額の中で収支均衡するように求められておりまして、区民サービスの基本的財源は一般財源であります。中野区では、安定的な財政運営を行うとともに、政策の安定的かつ計画的な実施を担保するために、基準となる一般財源規模を定め、歳入の不足や歳出の超過がある場合には、基金の取り崩しや起債の発行などを行い、歳入の超過がある場合には基金に積み立てるなどして、中長期的な収支の均衡を図っております。必要な区民サービスを持続的に提供するために重要な取り組みであると、こう考えております。

 また、財産費についてですが、財産費は一般財源に区分される特別区交付金の中で算定されておりますが、対象となる都市計画事業の経費に見合ったものであります。長期的な区債償還費用が4年間で措置されるため、その4年間は当該年度の所要額を上回る交付があります。これを他の一般財源と同様に扱って使っていたことが過去の財政危機の一因となったことを十分に認識する必要がある、このように思うわけであります。

 また、新たに法定化される3ワクチンの財源についてであります。特別区長会として国に対して財源を責任持って国が担保するよう要求をしているところであります。

 それから、国民健康保険の保険料引き上げをやめて、国や都に財源措置を求めるべきだと、こういう御質問でありました。東京23区の国民健康保険料は、他の政令指定都市に比べて格段に低い保険料であります。国民健康保険という制度の中で、全国同じような制度で、同じような負担で、国民皆保険の制度が運用されるべきという立場で私どもは物を考えていかなければならない、こう考えております。国民健康保険料の引き上げを抑えるために、改めて国や都の負担を設けるということは、その財源として税金を新たに国民に転嫁することになります。ふえ続ける社会保障費の負担について、国や自治体がどう分担していくのか、国民にどれだけ負担をお願いするのか、国民的な議論が必要だと考える次第であります。

 それから、就学援助の認定基準額で、児童養育加算を追加するべきはないかということであります。就学援助の認定基準の見直しについては、認定率や区内小・中学校に在籍する児童・生徒の世帯の経済状況などを勘案の上行ったものであり、現段階で認定基準額の算定に児童養育加算を追加して認定基準を引き上げる考えはありません。

 私からは以上です。

〔教育長田辺裕子登壇〕

○教育長(田辺裕子) 災害対策について、学校施設の非構造部材の耐震化の実施についての質問です。

 学校施設については、天井板、照明器具、空調機器の設置状況など、施設の非構造部材の安全性について調査を行ったところでございまして、緊急度に応じて必要な改正を行ってきております。窓ガラスにつきましては、今年度、飛散防止対策の実施状況調査を行い、来年度に廊下側の窓ガラスに飛散防止フィルム貼付工事を小・中学校で一斉に行う予定でございます。都の補助金につきましては、今回の事業規模は補助基準に満たないため、活用は行わない予定でございます。

 次に、教育行政について、学校再編計画(第2次)案について御質問がございました。

 初めに、平和の森小学校の新校舎の建設延期についての御質問です。平和の森小学校につきましては、統合に当たり、校舎、体育館など大規模改修を行い、子どもたちは充実した学校生活を現在送ってございます。新校舎の建設につきましては、法務省矯正研修所等の移転後、できる限り早期に新校舎が建設できるよう国と調整を図ってまいります。

 次に、再編計画の改定の再検討をということでした。既に小規模化が進んでいる学校があり、小・中学校の連携や学校と地域、家庭との連携の推進、校舎の老朽化への対応など、早期に取り組んでいく必要がございます。再編計画の改定につきましては、区民との意見交換会を24回行い、さまざまな御意見をいただいたところでございますが、全体として区民の意見を踏まえたものになったというふうに考えています。現在、学校再編計画(第2次)案によりパブリックコメント手続を行っているところでございまして、改定に向けて着実に手続を進めてまいります。

 次に、少人数学級についての御質問でした。小学校1年生から中学校までの35人学級については、既に特別区長会で要望しているところでございます。中野区としては、学級の編成について、東京都の学級編成基準にのっとり進めてまいります。

 次に、図書館施策についての御質問です。

 初めに、学校図書館指導員の配置日数の増加についてです。中野区では、学校図書館指導員を他区に先駆け配置を進めてきたところでございまして、全校に週4日の配置は他区に比べても高い水準であると考えてございます。この中で、十分に教育効果を上げていると理解をしています。

 続きまして、指定管理制度を導入するに当たりまして、学校支援等についての御質問がございました。小学校におけるブックトークや図書館担当教員や学校図書館指導員を対象とした合同研修会など、これまで行ってきた学校支援につきましては、指定管理者においても継承することとなっています。既に具体的な内容の事業計画が提出されてございまして、適切に実施できるものと考えています。

 最後に、図書館運営協議会についての御質問がございました。図書館運営協議会については、指定管理者制度の導入を踏まえて、そのあり方について検討してまいりたいと考えています。

〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕

○都市基盤部長(尾﨑孝) 私からは、災害対策について、まず学校再編に伴う避難所等についてでございます。避難所として指定している学校施設について、再編により学校としての用途が廃止にあった場合においても、避難所として使用できる限りは指定を継続いたします。再編後の学校跡施設の用途などにより、避難所としての使用が困難になる場合においても、避難所の再編や学校以外の施設の利用等を積極的に行い、地域において必要な避難所、防災倉庫、拠点医療救護所等の防災機能の確保を図っていく考えでございます。

 それから、区による仮設住宅供給についての御質問でございます。災害時における仮設住宅の供給は、都営住宅等の公的住宅の活用、民間賃貸住宅の借り上げ及び仮設住宅の建設によりますが、いずれも東京都が広域的な見地から行うこととされております。区は、あらかじめ用地の整備状況等を確認の上、公園等のオープンスペースを仮設住宅の建設予定地として定めておりますが、オープンスペースや住宅のストックが少ない地域にとっては、区域内のみで必要な仮設住宅の確保を行うことは難しく、広域的な調整が不可欠であると考えております。そうした広域的な調整が円滑に行われ、必要な被災者に速やかに仮設住宅が供給されるよう、区としても東京都との連携に十分に当たるとともに、区内の被災状況の把握、相談体制の整備等を適切に行ってまいりたいと考えております。

 次に、弥生町三丁目の不燃化特区についてでございます。事業の進め方についてでございますけれども、弥生町三丁目周辺地区のまちづくりに当たっては、これまで地域の皆さんに対する丁寧な説明や意見交換を積み重ね、また、皆さんと一緒になってまちづくりの検討を進めてきておりますが、今後とも皆さんの理解と合意形成に基づいてまちづくりを進めてまいります。まちづくりに当たっては、従来から庁内の関係分野が十分に連携して進めてきているところでございます。また、木密地域不燃化10年プロジェクトとして取り組むことを踏まえますと、スピード感を持って進めることが重要であると考えております。

 最後に、事業実施に当たっての支援策についてでございます。住民や権利者の負担を少なくし、インセンティブを講じることは、避難経路の拡幅や不燃建築物への建てかえを促進する上で有効になると考えております。不燃化特区に対する支援策の考え方については、このほど東京都から示されましたが、具体的な制度構築は今年度末になります。その支援策を十分に吟味した上で、住民や権利者に対する負担を軽減できるような支援策の活用について今後検討してまいりたいと考えているところでございます。

〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕

○都市政策推進室長(長田久雄) 区内事業振興についてお答えをいたします。

 まず、金融円滑化法終了に伴う金融機関への働きかけ等についてでございます。個々の事業者の状況によりましては、一定の影響はあるものと推測をされますが、金融円滑化法の二度にわたる終了延長のプロセスで、経営改善計画を中心とする相談・指導が行われてきたことから、大きな影響はないと想定をされているところでございます。区といたしましては、現時点で金融機関への特段の働きかけや窓口設置は考えてはおりません。なお、区として昨年新設された国による認定経営革新等支援機関や中小企業再生支援協議会等の経験ある専門家による相談支援機関について、区ホームページで紹介をしているところでございます。

 次に、産業振興拠点と区内商店街の活性化等についてでございます。産業振興拠点については、そのあり方を含め、ICTコンテンツを活用した区内産業振興施策について、区内商工団体等によって構成する中野区ICTコンテンツ産業振興協議会において意見交換等を重ねてきたところでございます。産業振興拠点の目的は、ICTコンテンツを活用した区内産業振興の促進であり、その対象は広く商店街や多様な業種・業態を含むものでございます。今後とも区として区内商工団体等と協力していくとともに、それらの産業振興を促進していく拠点となるよう対応をしてまいります。

 以上でございます。