【本会議・代表質問】
(2011年6月22日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 大震災・原発事故からの復興と中野区の震災対策及び区政運営のあり方について
    1. 東日本大震災からの復興について
    2. 原発依存からの脱却について
    3. 中野区地域防災計画の見直しについて
    4. 密集住宅市街地における災害対策について
    5. 区政運営のあり方について
  2. 区立小・中学校と保育園の耐震化について
  3. 「地域主権改革」について
  4. 介護保険制度の改定と第5期介護保険事業計画の策定について
  5. その他

○議長(大内しんご) 長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕
○31番(長沢和彦) 2011年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問をいたします。
 質問に先立ち、東日本大震災で被災をされた皆さんに心よりお見舞いを申し上げます。
 また、我が会派の議員が不正転入事件にかかわったことに対し、区議会並びに区長、職員、そして、区民の皆さんにおわびを申し上げます。

1 大震災・原発事故からの復興と中野区の震災対策及び区政運営のあり方について


(1)東日本大震災からの復興について

 大震災・原発事故災害からの復興と中野区の震災対策及び区政運営のあり方について。
 初めに、東日本大震災からの復興について伺います。
 中野区の岩沼市や東松島市、亘理町など被災地の救援と復興支援については、高く評価し、敬意を表するものです。また、我が党議員団は独自に石巻市に行き、救援・復興支援を行ってきました。引き続き救援・復興支援に力を尽くす決意です。
 復興に当たっては、被災者の生活再建と地域社会の再建を復興の土台にすべきです。復旧・復興の課題は山のようにありますが、すべての被災者がもとの生活を取り戻し、立ち上がることを復興の基本理念に据えなければならないと考えます。計画をつくるのは住民合意で、実施は市町村と県・国が連携して、財政の大半は国の責任でを原則にすべきです。被災地の実情を無視した上からの青写真の押しつけはとるべきではありません。
 ところが、衆院で可決した民主・自民・公明3党提出の復興基本法案は、生活の基盤である住まいと生業の再建が復興の土台であるにもかかわらず、こうした肝心の点はあいまいで、大企業の要求にこたえる新成長戦略を進めるものとなっています。
 例えば漁港の集約と企業参入を進める水産復興特区。現在、漁業権は優先的に漁業協同組合に与えられています。漁業者は、とり過ぎたりしないよう丁寧に漁獲高や種類を管理し、漁場を耕してきた。とれるだけとり、もうからなくなると撤退する、そんな大企業の参入を許せば、復興どころか漁場は荒廃してしまうと憤っています。
 阪神・淡路大震災のときにも、住民の意見も聞かずに国が勝手に急いで都市計画の線引きをやったり、神戸空港をつくったりしました。それが今日では、新長田地区再開発事業を見ても、建物は建ちましたが、もともとあった長田のよさは失われてシャッター通りとなり、神戸空港も赤字に陥っています。
 今度も被災者が置き去りにされようとしていますが、この轍を踏んではいけません。被災地にも赴いた区長に、復興に当たっての御所見を伺います。
 大震災の復興財源には復興税を、復興財源に消費税増税をといった議論があります。折しも社会保障改革集中検討会議が社会保障改革案を発表し、消費税を2015年までに10%に引き上げることを明記しました。将来的には社会保障給付に係る公費全体を主として消費税で賄うことを打ち出すなど、社会保障を消費税収の範囲に抑え込む暴論です。同時に、国民生活と日本経済の活力を奪うことによって、国を挙げての復興にも大きな障害となります。
 行政報告の中で区長は、復興増税も社会保障負担の増加も最終的には避けて通れないと言います。しかし、国民に増税と負担増を強いることでしか財源を確保できないのでしょうか。復興財源をどのように確保すべきか、国民的な議論が必要です。
 私どもはまず、金額的にも最も大きい大企業や大資産家への減税を中止することで2兆円。歳出では、不要不急の大型公共事業の見直しや米軍への思いやり予算、グアム移転などの経費の削減など、歳出の無駄を削って復興に回すことが必要と考えます。
 国の1次補正予算で、国会議員の歳費を半年間30%削減することになりました。これ自体は当然ですが、わずか22億円で、復興財源に比べたらスズメの涙にもなりません。政党助成金は年間320億円にもなります。血税分け取りのこの制度こそ廃止が求められます。
 ただ、こうした無駄をすべて削ったとしても、20兆円を超える震災復興財源のすべてを賄うことは不可能です。したがって、一時的には国債発行によって復興財源の一部を賄うことも必要です。震災復興のために発行する国債は、通常の国債とは別建てにして、市場を通さずに売り出すことを我が党は震災復興国債として提案しています。個人だけでなく、大企業に購入してもらうようにする。余剰資金の有効活用になり、経済全体にプラスに影響をもたらすことになります。もちろん借金であることには違いがありません。何年か後には返済財源を確保する必要があります。ただ、そのときには震災復興の一定のめどが立ちますし、景気回復を見込むことも可能になるでしょう。区長の見解をお聞かせください。


(2)原発依存からの脱却について

 次に、原発依存からの脱却について伺います。
 東日本大震災により引き起こされた東京電力福島第一原発は、これまで経験のない過酷事故を引き起こしました。これは、国や電力会社などが原発の大事故は起きないとしてきた安全神話による人災です。福島第一原発事故はまだ続いており、危険で困難な原発の処理、引き続く放射能の被害への対処と災害復旧対策は何年にもわたり長期化すると言われています。原発事故の危機収束の展望を政府が責任を持って示すことが大切です。その上で、政府が放射能被害への国民の不安にこたえる措置をとることが求められています。
 私ども議員団は、独自に区内の公園など59カ所68地点の放射線量の測定を行ってまいりました。区は今後、本格的に放射線量の測定が必要となる場合に備え、区内の小学校、保育園等で試測を行って、計測器の精度や実用性を検証するなどの予備的対応を行うとしています。試測とはいえ、子ども施設の測定を決めました。加えて、子どもたちが通う公園、広場などでの測定も必要ではないでしょうか。定点での測定と公表の実施を求めます。お答えください。
 当面の過酷事故に対する原子力防災と緊急時対策、独立した規制機関の確立が求められるとともに、今後、原発依存からの撤退と再生可能エネルギーへの転換は避けられません。そもそもこんなに狭い島国で、しかも地震多発の日本で54基もの原発が存在すること自体が異常です。今の原発技術は本質的に未完成で危険なものです。核燃料棒の中に蓄積される放射性物質を原子炉の内部に絶対かつ完全に閉じ込める技術を持っていません。加えて、我が国のほとんどの原発で使われている軽水炉は構造上の問題があります。さらに、使用済み核燃料を後始末する方法が見つけ出されていません。これらの課題が未解決のまま推進されているのが原発行政の現状です。
 福島第一原発事故を機に、原発の縮小・廃止を求める国民世論が鮮明となっています。各界の有識者などから原発政策を転換すべきだとの発言も相次いでいます。世界でもスイスやドイツに続いてイタリアが国民投票で原発からの撤退を決めました。
 エネルギー政策のあり方や低エネルギー社会の取り組みは、国民的な議論と合意形成が必要です。資源エネルギー庁の資料をもとに見ても、日本の太陽光と風力、バイオマスなどのエネルギーを合計した潜在量は12兆キロワット時ほどあり、原発の総発電電力量の40倍程度にもなります。地域特性に応じて、風力、太陽光、地熱、小型水力発電など新エネルギー開発を推進すべきです。日本でも原発ゼロへ、期限を決めた原発撤退の取り組みが必要ではないでしょうか、御所見を伺います。


(3)中野区地域防災計画の見直しについて

 次に、中野区地域防災計画の見直しについて伺います。
 3月11日の大震災と原発事故災害を踏まえ、地域防災計画の見直しが求められています。どう見直すのかが重要であると思います。
 防災対策の理念として、自助・共助・公助が強くうたわれるようになりました。市民の側からではなく、政府を含む行政側から強調されています。自助・共助が社会を営む限りでは本来的役割と考えられても、自治体行政がわき役でよしとしているのであれば問題です。区民の責務で防災の基本を自覚し、みずから災害に対して備える手段を講ずるよう努めなければならないとしても、行政がそのための環境を整えることや支援を行うことに責任を果たさねばなりません。災害に備えることも身の安全やまちを守ることも難しい住民と地域の状況があることを知るべきでしょう。
 また、自助・共助・公助は、地域社会に生じている災害危険の現状が行政の手に余る状況にまでなっていることのあらわれとも言えます。しかし、そのことも都市政策の失敗や社会システムのゆがみの結果を地域に押しつけるものと見ることができます。コミュニティー自体が崩壊しかねない地域事情と、なぜコミュニティーが衰退するのかを直視することなく、自助・共助の美名のもとに住民に過大な防災活動を分担させる考え方では、結局、地域防災力の充実には結びつかないのではないでしょうか。行政が補助的な支援者としての位置付けでは、防災に関する責任の後退であると考えます。区が果たすべき役割など、公的責任を具体的に計画に明記することを求めます。
 地震規模(マグニチュード)の見直しにより、被害想定とその対策が求められています。東京都も見直しの検討に動き始めました。見直しの際、区有施設の安全対策として、現在の耐震改修計画を早急に見直すことは当然ですが、マンション、アパート、一戸建てなど個別の被害想定と安全対策が必要ではないですか、伺います。
 また、例えばいわゆる住宅団地を含めて中高層共同住宅への居住が一般的となり、区内でも30メートルを超える高層マンションは多数存在します。これまでの大地震でも、住戸内における負傷者の多数発生、ドアの開閉不能、給排水設備や供給処理設備の損傷、あるいはエレベーターの停止と閉じ込めなどの防災課題が明らかとなりました。また、今回の大地震では、都心の超高層ビルで長周期地震動による大きな揺れが発生しました。区内でもオフィスだけでなく、住宅の高層階での家具の飛散による事故や居住者の孤立、ライフライン事故など、超高層ビルの安全は未知数です。長周期地震動の対策が急がれると考えますが、見解を伺います。
 現行の中野区地域防災計画では、第3編の大規模事故等対策計画で予防・応急対策などを記していますが、原発事故を想定した対策の記述はありません。当然、改定の際には原子力防災対策についての記述が必要と考えますが、いかがですか、お答えください。


(4)密集住宅市街地における災害対策について

 次に、密集住宅市街地における災害対策についてお聞きします。
 中野区では、これまでも木造住宅密集地域整備促進事業などを行ってきています。大震災後、防災についての関心も高くなっていると思われます。したがって、住宅密集地域の多い区内での独自事業の創設も研究・検討すべきだと考えます。例えば神戸市では阪神・淡路大震災後、数年を経た段階で、幅員4メートル未満の細街路に対して、住民合意で道路中心線を確定すれば、4メートル未満であっても舗装整備を行うという路地・まち再生事業を行いました。必要とされる住宅の建てかえがなかなか進まないのは、市道を中心とする幅員4メートル未満道路での敷地境界と道路中心線が確定していないことに原因があるとの認識から、制度化に踏み切りました。これは被災地域だけでなく、都市に普遍的に見られる細街路敷地が抱える大きな整備課題であり、都市計画の問題として重要との指摘があります。木造密集地域の改善は、将来に向けて大きな、しかも困難な課題です。改善のためには多様な選択肢が必要ではないですか、伺います。
 もう1点伺います。現在、西武新宿線の地下化に伴うまちづくりの検討が行われています。地下化後の上部利用については、緑の遊歩道などを整備し、災害時には緑の防火遮断帯と避難路として活用が図られるよう、関係機関と協議をしていただきたいと思います。答弁を求めます。


(5)区政運営のあり方について

 次に、区政運営のあり方について伺います。
 行政報告では、区の財政体力に応じた区政運営を行うため、新しい目標体系に基づく事業のあり方や執行体制、事業・制度内容の見直しを行うと述べています。別のところで、財政問題についても、具体的には今年度以降の課題としていた事務事業の見直しについて、より一層の踏み込みを図ると、これまでの行革と区民負担を改めるのではなく、一層切り込むことを宣言しています。しかし、これまでも、そしてこれからも進める職員削減による人手不足と施設の廃止・売却が、震災をはじめ災害や大規模事故時には応急対策、復旧・復興を進める上で障害になりかねないのではないですか。さらに、ごみの有料化や保育料、区有施設の使用料の値上げなど区民に新たな負担を押しつけるのでは、この不況の中、福祉と暮らしの後退になりかねないのではありませんか、伺います。
 今日の被災地での住民同士の支え合いは確かに本物であり、力強いものを感じます。行政報告では、この震災の経験から、いざというときの安心・安全を守るためにも、地域の支え合いのネットワークをさまざまな取り組みで強化していくことが欠かせないと述べています。そのことはそのとおりだとしても、一方で区民負担や福祉の削減を行うのでは、支え合いの基盤を弱めてしまい、本当に地域の支え合いを推進するつもりがあるのか、疑問を抱かざるを得ません。区が行おうとしている支えあいネットワークも、一部の人たちだけで取り組むのでは長続きはしないし、疲弊してしまいます。いざというときのために、区民の暮らしをしっかりと応援する中で、支え合いの取り組みを図ることが肝要ではないですか、見解を伺います。
 また、今回の大地震では、小・中学校での帰宅困難者対策として避難所の開設に加え、地域センターが避難者を受け入れました。余震が続く中で、地域住民の方の自主避難に対応したと伺っています。防災拠点としての役割を発揮したと言えます。区民活動センターになっても、地域での防災拠点としての機能と役割が求められています。その点では、地域活動の推進を図ることを目的とした運営委員会や、集会室の貸し出しや管理運営を受託した民間事業者にその役割を担わせることはできません。職員が担うことになると思いますが、緊急時・災害時のために、地域の住民と職員との防災体制の確立と防災訓練を実施すべきではありませんか、伺います。

2 区立小・中学校と保育園の耐震化について

 次に、区立小・中学校と保育園の耐震化について伺います。
 そもそも当初の計画では、今年度中にすべての区立小・中学校の耐震化は終了するはずでした。耐震化を先延ばししたことへの批判は免れません。大地震もあり、保護者、関係者から早急な耐震工事の実施が求められています。
 これまでの安全・安心交付金にかわり、学校施設環境改善交付金要綱が今年度よりつくられました。また、東京都が補正予算で、耐震化のための補助の基準を、Is値0.3未満の対象をIs値0.3以上の施設についても単価差の2分の1の補助を実施することを決めました。子どもたちが通う学校の安全確保、そして、地域の避難所としても耐震化は欠かせません。国と都の交付金の活用を図って、残された7校13施設の耐震化を急ぐべきです。答弁を求めます。
 中央中は、今年度いっぱいは現在の校舎、体育館を使用することになります。ここの体育館の耐震性能評価はDランクと危険が高いままです。生徒の安全を確保するためにどのような対策をとるのか、伺います。
 関連して、旧第六中学校についてお聞きします。廃校により既に教育財産ではありませんが、避難所に指定をされています。ここの体育館の耐震性能ランクはやはりDです。地域防災組織の方からも心配と不安の声が出されています。現在、売却なり等価交換なり東京都との協議の内容が明らかにされないもとで、いつまで避難所として使用するかもわからない状況です。地域住民の避難所として安全対策を図るべきではないですか。なお、体育館はほこりだらけで、すぐに使用できる状態になっていません。管理についても対応を図るべきです。お答えください。
 保育園についても同様のことが言えます。10か年計画で示している民営化予定の区立園の耐震化は行われていません。民営化それ自体に問題はありますが、次元の違う話として、耐震化による安全を確保しなければなりませんが、どうされるのか伺います。
 また、この間、既存の区立保育園施設を民営化した私立保育園から耐震改修が求められてきました。今年度、やっと1園での実施が予算化されたところです。改修を望む他の私立保育園からは、区による具体的な計画と支援が求められています。園舎の耐震強度については、当該民営化園から本当に大丈夫なのかと指摘をされてきたところです。社会福祉施設等耐震化促進事業を活用して、独自に耐震診断を施してきたといいます。改修に向けて区がきちんと見通しを示すべきではないですか。
 しかも震災の関連で見ても、災害時における児童等を対象とした避難所施設利用に関する協定書を平成16、17年に区長とそれぞれ既存施設を譲り受けた私立保育園で締結をしています。震災時など二次避難所として施設を提供することにしている点からも急ぐ必要があるのではないですか、答弁を求めます。

3 「地域主権改革」について

 次に、「地域主権改革」について伺います。
 地域主権改革一括法案が成立をしました。我が党議員団はこの間、法案の問題点を指摘し、ただしてきたところですが、改めてお聞きをします。
 国はすべての国民にナショナルミニマムを保障する責任があります。このため、保育所や高齢者・障害者施設、公営住宅などについて、運営や設備の最低基準を定めています。地域主権一括法は、その最低基準の決定を地方にゆだねるもので、関係41法律の改定に及びます。これには当然見直しをされるべき条例の委任化や事務手続の簡素化につながるものも含まれますが、ナショナルミニマムを保障する国の責任を投げ捨てるものが中心で、住民生活と命に直結する部分が多いことが問題です。議論されている法令の義務付け、枠づけの見直しも、今まではこれを守りなさいと国が課してきた基準を、従うべき基準と標準と参酌すべき基準に分け、標準、参酌すべき基準になるにつれて自治体の裁量で決められる度合いが強くなるものです。
 特徴は、地方自治の充実がナショナルミニマムと切り離されて、あるいはそれと対抗する形で出されていることです。マスコミでも、ナショナルミニマムとは基本的に官僚の既得権益というものと完全にイコールでくくられてしまっています。しかし、求められる地方自治とは、国家による基本的人権保障と強く結びつき、その責任の上に築かれるものであるはずです。国のナショナルミニマム保障の上に、住民に身近な各自治体の創意工夫が上積みされて、よりよいサービス提供が生まれます。あるいは、自治体の先進的な取り組みが中央政府の政策を充実させることにつながります。それこそが日本国憲法が求める地方自治の姿ではないですか、見解を求めます。
 保育園を例に伺います。東京都などの大都市では当分の間標準でいいという附則が入ったことで、実質的に面積基準の緩和が行われることになりかねません。待機児対策としての詰め込み保育を今まで以上に強くすることになります。
 震災との関連で防災基準も重大です。保育所の防災基準は、一般の建物よりもかなり厳しい基準が課せられています。2階に保育室がある場合には準耐火建築でなければなりません。屋内階段のほかに、火が回らないように区画された避難用階段か滑り台をつけなければならないのです。しかし、これを参酌基準にしてしまうというのです。現行の水準を後退させてはなりません。改善こそ必要です。
 その点で、定員の弾力化や認証保育所での待機児解消は、人員配置や施設整備など保育の質や、今回のような大地震が起きた際に問題となります。14日に、面積基準の緩和を検討してきた東京都児童福祉審議会・専門部会が事実上態度表明を断念しました。特別区区長会の代表や認可保育所の責任者の代表が、面積基準の緩和は子どもにしわ寄せがいく施策だとそろって反対したことによるものです。
 今年度においても、認可保育園を希望して入れなかった子どもさんが356名もいます。区は待機児をゼロにすると区民と議会に述べてきましたが、弾力化や認証保育所の誘致などでは解消されないことが明らかになりました。そもそも認可保育園を希望する区民の願いにこたえられていません。必要なのは認可保育園の大幅な増設と充実です。答弁を求めます。

4 介護保険制度の改定と第5期介護保険事業計画の策定について

 次に、介護保険制度の改定と第5期介護保険事業計画の策定について伺います。
 制度改定では、要支援と認定された軽度者への介護サービス切り下げを打ち出しています。一つは、介護予防・日常生活支援総合事業を創設し、市町村の判断で、要支援者のうちの一定部分を総合事業に移すことを可能とするものです。
 もう一つは、2種類以上の在宅サービスを組み合わせる複合型サービスの創設です。法律が明示するのは、訪問介護と小規模多機能型居宅介護の組み合わせだけですが、省令で対象の拡大ができることになっています。問題なのは、複合型サービス事業者への報酬を市町村の判断で国の基準より低くすることが可能とされています。そこで伺いますが、中野区の判断となった場合、少なくとも現行の介護サービス水準を後退させることなく維持すべきではありませんか、答弁を求めます。
 今度の改定の目的は、公費抑制と重度者向けに重点化することにあります。在宅での重度者の受け皿として法律に盛り込まれたのが巡回型訪問介護・看護です。これを高齢者専用の集合住宅とセットで整備すれば、特養ホームの待機者解消も図れると説明がされています。しかし、介護も看護も人材不足の中、巡回型訪問介護・看護が成り立つかどうかは不透明です。しかも、サービス量をふやしても、事業所への報酬は一定の包括払いとされるのでは、必要な介護を必要な時間提供できないおそれがあります。特養ホームには低所得者向けに食費と居住費の軽減がありますが、高齢者住宅には家賃助成もなく、低所得者は入れません。在宅も施設もサービスの拡充が必要です。
 さて、現行の第4期介護保険事業計画では、特養ホームの増設により700床の見込みを設定していました。しかし、現在630床にとどまっています。中部圏域の東中野に1カ所50床が増設される予定ですが、第4期の計画で掲げていた南部圏域での整備については計画さえありません。第5期介護保険事業計画で、不足している南部圏域での特養ホームの建設をはじめ、希望する区民の願いにこたえるためにも、増設を計画に盛り込むべきであります。お答えください。

5 その他

 その他のところで2点伺います。
 野方から高円寺駅間のバス路線が廃止をされて2年半以上が経過をいたしました。今も野方地域の方々からバス路線の復活を求める声を聞きます。環七にある野方駅南口から商店街までの坂道がつらいなど、高齢者の方からそうした声が強く出されています。以前と同様の運行ダイヤでなくても、1時間に一、二本でよいから運行してほしいとも言います。区からも関東バスに野方-高円寺駅バス路線の復活を求めていただきたいと思います。答弁を求めます。
 もう1点、関東バス野方停留所に雨よけの屋根を設置していただきたいと思います。雨の日などは運行ダイヤが乱れがちになります。当然、バスを待つ人たちがバス乗り場で並ぶことになります。土地は中野区の所有です。運転に支障が生じぬよう関東バスと協議をして、実現を図っていただきたいと思います。お答えください。
 以上ですべての質問を終わります。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えをいたします。
 東日本大震災からの復興の考え方についてということであります。神戸市の例なども引いての御質問でした。
 将来に向けた復興については、国の復興再生基本計画にのっとり、県または市町村が主体的に地域の実情を踏まえ、住民の意見を聞きながら、きめ細やかな復興計画を策定するものとされております。市町村が作成する復興計画の実施について、県・国は責任を持って連携・協力し、必要な財源を確保し、支援していくべきだと考えているところです。
 それから、復興財源について、震災復興国債というお考えをお聞きいたしましたけれども、どういう形であろうと返さなくてよい借金はないのであります。国債である以上、国民が負担して償還することに違いはないということです。復興したら景気は回復しているかもしれないから、このぐらいの借金は返せるんだと、こういったような御発言もあったですけれども、私はそういう簡単なことではないだろうと、こういうふうに思います。
 それから、放射線量の試測及び定点での測定ということであります。
 放射線の測定については、広域的かつ継続的、十分な精度管理に基づいた対応が必要であると考えております。そのため、区に近接をし、また、測定実績のある東京都健康安全研究センターにおける測定値を参考にしております。同センターの測定値は、6月15日に東京都が区内2カ所で実施をした空間放射線量、この測定結果とほぼ同じ値でありますことから、区として定点的な測定を現在行う予定はありません。
 また、今回の試測につきましては、学校、保育園等の校庭や園庭を対象に行うことを考えております。試測結果についてはどう取り扱っていくのか、公表の仕方を含め今後検討していきたい、こう考えております。
 それから、原発依存からの脱却についてという御質問がありました。
 経済や社会システムを維持する上で原子力発電への一定の依存というのは急速には転換できません。また、原子力発電をゼロにするという判断は、原発事故の収束過程や今後の安全対策などが明らかでない現時点で語ることはできない、こう考えております。
 原子力発電の安全性の再構築の道筋や代替となる発電方法の実現可能性、太陽光には資源的制約、また時間的制約が、風力にも時間的な制約があります。地熱、小型水力などについては、立地可能な箇所数がそう多いわけではありません。そうした実現可能性などを地球なども含め、地球温暖化防止の視点、これも踏まえながら、幅広く議論していく必要がある、こう考えております。
 私からは以上です。その他、それぞれ担当のほうからお答えいたします。

〔都市基盤部長服部敏信登壇〕
○都市基盤部長(服部敏信) 私からは中野区の地域防災計画見直しにかかわる質問ほか、数点の御質問にお答え申し上げます。
 まず、地域防災計画の見直しの項で、自治体防災の責務・役割についての御質問がございました。
 災害から区民の命やまちを守るためには、自助、共助、そして公助の三つの柱が大事であると考えてございます。この三つの柱がそれぞれの役割を果たしていくことが地域防災の基本と考えてございます。
 続きまして、建物種別ごとの被害想定という御質問がございました。
 地域防災計画では、地域におけます安全性の度合いや建物の構造等を踏まえまして、被害想定を算出しているところでございます。個々の建物の安全対策につきましては、耐震診断等別な他の施策が必要と考えてございます。
 続きまして、長周期地震動の対策の御質問がございました。
 長周期地震動につきましては、これまで明らかにされてこなかったものでございますが、さまざまな現象が起きていることは認識してございます。区内にも中高層の建築物がございますが、それらに対する長周期地震動の影響につきまして、今後解明していく必要があると考えてございます。
 続きまして、原発被害の想定の御質問もございました。地域防災計画にかかわりましての想定がございました。
 地域防災計画は、区内で発生いたしました大災害や事故に対応するものでございます。遠隔地で発生しております今回の原発事故などにつきましては、計画の対象として扱うものではないと考えてございます。
 次に、密集市街地におけます災害対策の御質問でございます。密集市街地の改善の事業についての御質問がございました。
 木密事業や不燃化促進事業を行っております区域に対しましては、これまでもパンフレットやまちづくりニュースの配布、建てかえ相談会の開催などを通じまして周知を行ってきてございまして、今後ともさまざまな手法を用いながら事業の周知を図っていきたいと考えてございます。
 御指摘の密集市街地の改善につきましては、事業の規模、また、多くの部門にわたる事業であることから、国や都の役割があるものと考えてございます。したがいまして、区独自の事業の創設は考えてございません。
 区政運営のあり方の項で、地域住民と職員との訓練の実施という御質問がございました。
 地域センター再編後も災害対策は区の職員が責任を持って行ってまいります。地域住民と区職員とが連携・協力する訓練といたしましては、避難所の開設や運営を協力して行う訓練をこれまでも行ってまいりましたが、引き続き内容を充実させまして行っていきたいと考えてございます。
 また、小・中学校並びに保育園の耐震化にかかわりまして、旧第六中学校の体育館についての御質問がございました。
 旧第六中学校は避難所として指定されておりますので、用地売却後におきましてその機能を引き継ぐことを東京都に求めてきてございます。体育館は原則として、避難所として使用する考えはございません。
 その他の最後の項に2点ございました。関東バスの路線復活の御質問でございます。
 関東バスは平成20年9月に路線の再編等を行いまして、高円寺駅-野方間の路線を廃止し、さらに先の練馬駅まで行く高円寺駅-練馬駅間の路線に統合してございます。関東バスからは、バス停の位置以外は路線のルートが完全に重なっていることから、採算上復活は困難との意向を確認してございます。区といたしましても実現は困難と考えてございます。
 最後に、野方停留所の屋根の設置の件でございます。御提案の停留所につきましては、屋根のような構造物を道路上に設置することは、道路関連法令に定める要件を満たすことが難しいことから、設置できないと考えてございます。
 以上でございます。

〔都市政策推進室長遠藤由紀夫登壇〕
○都市政策推進室長(遠藤由紀夫) 私からは西武新宿線の地下化後の上部利用についての御質問にお答えいたします。
 西武新宿線の連続立体交差事業による鉄道の上部空間の活用につきましては、これまでの地元のまちづくり勉強会などの成果を踏まえながら、連続立体交差事業の進展に合わせ、地域とともに検討し、西武鉄道をはじめ関係機関と協議を行ってまいりたいと考えております。

〔政策室長竹内沖司登壇〕
○政策室長(竹内沖司) まず、区政運営のあり方についてのうち、事業見直しによる災害対応及び区民への影響についての御質問にお答えをいたします。
 災害時にあっても、区民の安全で安心な生活を守るためには、地域支えあいネットワークなどの施策を着実に進展させていくと同時に、今回の震災対応を進めていくことが重要であると考えております。一方で、大震災の発生により、区財政がさらに厳しくなることが見込まれており、区の財政体力に応じた区政運営を行うためには、事業見直しを着実に実施し、目標と成果による区政運営を強固で機動的なものとすることにより、業務運営の効率化と必要な区民サービスの維持を実現していきたいと考えております。
 次に、「地域主権改革」についてのうち、ナショナルミニマムに関連する御質問にお答えをいたします。
 地方分権として、補完性の原理に基づく国の責務、それから、セーフティーネットとして定める基準、こういったものを守った上で、地方がみずからの地域に責任を持ち、都市地域間競争を行っていくことによって、住民にとっての価値や満足度を高め、国全体の活力を高めていくことになると考えております。住民にとって必要な施設の運営ですとか、設備の基準などについては、地域の実情に応じて住民の意見を聞きながら、地方自治体が主体的に定めていくことができることこそ、真の地方自治の実現につながるものだと考えております。

〔子ども教育部長村木誠登壇〕
○子ども教育部長(村木誠) 私からは区立小・中学校と保育園の耐震化についての中で、まず、区立小・中学校の耐震化のお尋ねに対してお答えをさせていただきます。
 区立小・中学校において耐震性能がBランク評価とされた、耐震改修が実施されていない学校が7校ございます。今回お示しをいたしました緊急対策中野2011の中で、区有施設の耐震改修計画の改定をすることとしてございます。この計画によりまして、区立小・中学校につきましても早急に見直しを行い、耐震改修を早期に完了するよう取り組んでまいります。なお、改修に当たりましては、国などの交付金を活用していきたいと、このように考えております。
 次に、中央中学校体育館の関係でございますが、中央中学校の体育館につきましては、生徒の生命・安全確保の観点から、現在、体育の授業や部活動、全校行事等、代替施設での使用の可能性について検討しているところでございます。早急に結論を出していきたい、このように考えております。
 続きまして、区立保育園の耐震化でございますが、今後、民営化を予定している区立保育園5園につきましても、区立小・中学校と同様、早急に見直しを行い、耐震改修を早期に完了するように取り組んでまいります。
 続きまして、私立保育園の耐震化でございますが、既存の区立保育園を民営化した私立保育園につきまして、都補助のほか、区の補助金を活用して行った耐震診断におきまして、強度上補強をすべき箇所が見つかった園があるということは承知をしてございます。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)におきましても、区立園の施設改善につきまして支援を行うこととしております。保育園を設置・運営する社会福祉法人の判断に基づき、都が実施している補助制度等を活用し、改修支援を行ってまいりたい、このように考えてございます。
 次に、地域主権改革にかかわります認可保育園の増設にかかわる御質問にお答えをいたします。
 認可保育園の定員の弾力化につきましては、児童福祉法最低基準におけます1人当たりの面積基準を遵守した上で、可能な範囲での定員増を行っているところでございます。区は区立保育園の建てかえ民営化による定員の拡大を計画的に進めるとともに、認証保育所や家庭福祉員などのさまざまな保育サービスを複合的に組み合わせまして、保育園の待機の解消に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
 以上でございます。

〔区民サービス管理部長登弘毅登壇〕
○区民サービス管理部長(登弘毅) 私からは介護保険制度の改定とサービス水準の確保についての御質問にお答えします。
 今回の介護保険制度の改定により新たに創設された介護予防・日常生活支援総合事業あるいは複合型サービスの詳細な内容につきましては、国からまだ提示されておらず、引き続き情報収集に努めたいと考えております。
 また、これらの制度の導入については、中野区保健福祉審議会での審議も踏まえ、適正なサービス水準の確保や給付と負担のバランスなどを十分勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
 以上です。

〔健康福祉部長田中政之登壇〕
○健康福祉部長(田中政之) 私からは特別養護老人ホームの増設についての御質問にお答えをいたします。
 第4期介護保険事業計画で整備することとしております南部・中部圏域での特別養護老人ホームの整備につきましては、引き続き可能性を追求してまいります。
 また、第5期介護保険事業計画の策定に当たりましては、現在審議が行われております保健福祉審議会での施設整備における検討を踏まえ、計画を策定してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

○議長(大内しんご) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。