【決算特別委員会・総括質疑】
(2009年9月29日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 2008年度決算について
    1. 開発優先の区政運営について
    2. 区民のくらしを支える施策について
    3. その他
  2. 「中野区基本構想」と「新しい中野をつくる10か年計画」の改定について
    1. 改定にあたっての視点について
    2. 小・中学校の再編について
    3. 施設等売却の問題について
  3. 新型インフルエンザの対応について
  4. 国と自治体で貧困を解消することについて
    1. 生活困窮者の把握と対策について
    2. 生活保護行政について
    3. 「子どもの貧困」の克服について
    4. その他
  5. 入札・契約について
    1. 入札制度の改善について
    2. 公契約条例の制定について

○長沢委員 決算特別委員会に当たりまして、日本共産党議員団を代表して総括質疑を行わせていただきます。

1 2008年度決算について


(1)開発優先の区政運営について

 初めに、1番、2008年度決算について伺います。
 その第1に、開発優先の区政運営についてであります。
 当該決算年度、事務事業、中野駅周辺整備で、2億400万円余を支出しております。このうち委託料だけで約2億200万円の支出でございますが、その他で何の業務のための委託料だったのかお答えいただけますでしょうか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 委託料ですけれども、こちらは警察大学校等跡地地区、中野駅地区、そして、中野駅南口地区といった中野駅周辺のまちづくりを総合的に推進する業務です。それに加えまして、警察大学校跡地の都市計画公園道路の土壌汚染調査及び下水道の実施設計、並びに公園の基本計画の作成等々といった事業の具体化に向けた業務の委託を行ったものでございます。

○長沢委員 大変多額なお金を使われているということはよくわかるんですが、土地購入だけでなく、これまでにも委託料をはじめとしたこの費用は非常に多いと思います。例えばその前の年、07年度においても1億500万円余の委託料を支出しています。こうした調査や業務等の委託料は、今後どれだけの経費をこれからかけていくのか、その点について伺いたいんですが、いかがですか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 今後の委託費用についてでございますが、これは中野駅周辺の事業の進捗によって変動要素も大きくございます。したがいまして、現時点で委託料として具体的にお示しする数値は現在のところはございません。

○長沢委員 例えば警察大学校跡地で言えば、当初から言っていた開発事業者による開発の協力金は一向に入ってくる気配がない。また、その財政運営の考え方では、今後6年間で警察大学校の跡地や中野駅周辺の開発予算は概算額でおよそ233億8,300万円を見込んでいたけれども、本会議での区長の答弁によりますと、今後の調査や設計を行うことによりその額は明らかになる。先ほど副参事がおっしゃられたようなのと同じですけれども、そういったことが述べられました。つまり、変わること、ふえることもあるということであります。
 また、国や東京都からの特定財源の確保や、基金や起債の活用についても本会議の答弁では述べられておりますけれども、大体国や東京都からの補助金等の財源確保、これは当てになるのかどうか、この点を伺いたいんですが、どうなんですか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 国や都の補助金あるいは交付金について、現在のところは制度要項を見直すといったような動きは把握してございません。今後も国や都の動向に注意を払いながら、特定財源の確保に努めてまいりたいと思っております。

○長沢委員 政権がかわって、国のほうでも無駄な公共事業は改める、そういった方向は示されている。そういう意味では、果たして当てにできるのかということ、この懸念を抱かざるを得ないと思います。
 もう一つ、基金や起債は足りなければ、また積立金をふやす、あるいは新たな借金をこさえる、こういった意味でしょうか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 起債や基金からの繰り入れ、これにつきましては、必要に応じて適切に行ってまいるものだというふうに認識しております。

○長沢委員 そうではなくて、この事業を進めていくためには、積み立てをさらに行うということに場合によってはなる。そういうことで理解していいか。あるいは新たな起債、今現在予定はしていないが、しかし、先ほど言われているように、調査なりいろいろなさまざま行われることによって、そのことによって新たなこうした中野区としての一般財源なり、そういったことにおいて基金を積み立てていくことや新たな起債を行うこともあり得る、そのことをお伺いしたいんですけれども、いかがですか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 繰り返しになりますけれども、起債や、あるいは基金繰り入れ、これにつきましては、その充当されるべき対象事業の内容に応じて適切に行われるものでございます。したがって、適債事業の計画的な推進に努めていくというところでございます。

○長沢委員 事業は進めていくという姿勢は変わらないんだということをおっしゃったんだと思いますが、そのために区民の福祉や教育の施策が切り下げられたり、あるいは区民負担がこれからふやされるなど、こうしたことは絶対に認められないということは申し上げておきたいと思います。
 それでもう1点、ハード面だけでなく、ソフトの面でも税金支出をしてきております。例えば企業立地推進拡充として、その支出として340万円余、また、これも07年度も企業誘致活動費として1,430万円余を支出しております。そして、今年度につきましても、企業立地推進費として1,140万円を計上し、これらを合わせると2,910万円余にもなります。これらは企業の誘致、呼び込みといったことが目的でこうしたお金を計上しているということになりますか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 区内への企業の立地を促進するための取り組み及びマーケティング強化のために執行してございます。

○長沢委員 決算年度、企業立地推進の中で区内賃貸オフィスビル現況、動向の比較調査委託、この費用に115万5,000円を支出しております。また、07年でも同じ115万5,000円の同額で企業立地促進地区等の賃貸オフィスビル概要調査委託、この費用を出しています。これらは何のための調査委託なんですか。また、委託した会社は同じところですか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) こちらの調査につきましては、今後の企業立地推進施策を検討する材料を得るために、区内における賃貸オフィスビル等の現状を把握する目的で、平成19年、20年度に実施してございます。調査対象地域としては、中野駅及び東中野駅周辺、中野坂上、落合駅周辺の山手通り沿道、中野坂上駅、新中野駅周辺の青梅街道で囲まれた地域でございます。調査項目につきましては、同地区のオフィスマーケットの推移、同地区の賃貸オフィスの現状及び傾向、将来のオフィスビルの企業展望となっています。
 調査委託先につきましては、指名競争入札により決定してございますが、社名は変更となってございますが、両年度とも同一事業者でございます。

○長沢委員 さまざまなことをやられたということをおっしゃられているんだと思いますけれども、同様の調査がなぜこうした2カ年にわたって必要だったのか。しかも、昨年度来のこの不況ですから、当然ながら、この調査によって出てきた現況のそうした把握等が変わっている可能性もあると思うんです。そうすると、こういったことは毎年行っていかざるを得ないのか。行わなければ正しい情報としては得られることができない、こういったことが問題になるかと思うんですが、いかがですか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) これまで区としてはこういった基礎調査を行っておりませんでした。そこで19年度に実施したわけなんですが、実施した結果、また翌年度も実施いたしました。それにつきましては、経年変化の年度によってどれだけ差異があるかというところをつかむためでございます。その結果、賃貸オフィスについては、年度によって1年間変わった限りでは大きく変わらないということが確認できたところでございます。また、今後5年間の将来見通しということで結果の報告を受けているところでございますので、毎年の実施というところまでは必要ないということで認識をしてございます。ただ、経済動向につきましては常に変わっていくものでございます。最適な調査頻度については今後研究をしていきたいと思ってございます。

○長沢委員 御答弁ありがとうございます。それで、要するに5年間の将来見通しについても出たけれども、しかし、今日のこういった不況の中では、それでいいのかということは一方で研究しなくちゃいけない。研究するといったって、同じように調査委託をせざるを得ないということをおっしゃっているにすぎないと思うんです。今年度に企業立地指針の中で、(仮称)起創展街会社の設立の準備費用に500万円を計上している。会社については来年度早々に設立したいということでもあります。10か年計画の改定では、(仮称)中野駅周辺タウンマネジメント会社の設立運営をうたっておりますが、この(仮称)起創展街会社が(仮称)中野駅周辺タウンマネジメント会社になるというふうに理解するわけです。
 そこで伺いたいんですけれども、この会社は第三セクターでの経営になるんですか。区は幾ら出資するのか。また、相手企業はどういったところになるのか。そしてまた、株式の割合についてお答えいただきたいと思うんですが、いかがですか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今年度につきましては、会社が行う事業モデル、それによる採算性に関しての調査研究を進めまして、その検討結果を踏まえ、求められる組織の形態等についての考え方を明らかにしていきたいと考えてございます。

○長沢委員 来年度早々に設立したいということだから、今言ったことはどこかの時点で明らかにしていただかないと思っているんですが、それについてはどうなんでしょうか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今後、検討を進めまして、御報告していきたいと考えてございます。

○長沢委員 公園道路の土地購入と違って、こうした企業立地推進という形で、こういったソフト面においては一般財源だけで多額の出費をしているんです。これについても、今後、先ほどの調査委託なども当然ながら想定できるわけですけれども、どれほどの経費を支出することになるのか、わかる範囲でいいんですが、教えていただけますか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 必要となる経費につきましては、投資に見合った効果が十分に得られるよう検討評価した上で計上していきたいと考えてございます。費用につきましてはその時々で変わってくるかと思いますので、ここでは申し上げることができません。

○長沢委員 まちの活性化や税収増が欠かせないといってこういった開発事業をやっているわけですけれども、そのために膨大な税金を投入してどでかい箱物を誘導して企業を誘致する。さらにさまざまなインセンティブを与えて、それにもお金をつぎ込む。これでは持続可能な社会に逆行するのではないですか。既に全国でもこうした失敗例は枚挙にいとまがないです。しかも、警察大学校等跡地は住宅需要の見通しが立たずに業務商業ビルによりシフトをしたわけですけれども、その事業者がしたわけですけれども、それさえ見通しも明るくない。これはどういうふうに考えているんですか。最後に伺いたいです。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 業務商業ビルの見通しについてどう考えるのかということでございます。こちらは民間事業者の事業でございます。民間企業はみずからの事業については十分に戦略を練って、みずからの責任と判断によって事業を推進しているものでございます。したがいまして、それについて区はコメントすべきではないというふうに考えております。

○長沢委員 民間事業者が独自に判断をするといったら、では、区が言っているまちの活性化とか税収増であるとかいろんなにぎわいだとか、そういったことは民間の判断任せということではないですか。こんな無責任な話はないでしょう。もう一度答弁をお願いします。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 区といたしましては、この中野駅周辺につきましては、区の経済、活力を牽引する新しい拠点づくりということで、基盤づくり、そして、先ほどのソフト政策、相まってまちづくりを進めているところでございます。事業所に対してもこういった区の姿勢を十分共有しながら、ともにまちづくりを進めていくというところでございます。

○長沢委員 それだけは、決意だけは述べている。しかし、裏付けるものがない。そういうことがよくわかりました。
 もう一点中野サンプラザについて聞きます。区は、当該決算年度、中野サンプラザの仕組みを変更するために13億7,500万円を執行しました。そもそもこの仕組み変更による株式取得は、当初の区民への約束を反故にしたものであります。行政報告はありましたが、とても説明責任を果たしているとは思えません。大体経営に責任を持たずに後々に利益を得ようとした事業者たちをパートナーに選んだ、こうしたことが問題の背景にあったのではありませんか。いかがですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) お答えをいたします。昨年度の仕組みの変更につきましては、発足当初に予期し得なかった事態が起きてしまったものでございます。その都度適切に判断をしてきた結果ではございますけれども、サンプラザの取得運営等事業の安定性を増し、将来のまちづくりを着実に推進するため仕組みを変更したものでございます。

○長沢委員 責任問題ということについては全く触れられていません。先に進みますけれども、私たちは中野サンプラザを再開発の種地などにするのではなくて、現在の中野サンプラザを残すことをこれまでも主張してきました。しかし、区はあくまで再整備にこだわっていますけれども、これも今日の社会経済情勢を踏まえれば見直しが要請されてくる、このように考えております。再整備等の事業の今後のスケジュールに限って伺いたいと思っておりますが、このスケジュールはどういうふうになっておりますか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 中野サンプラザを所有してございます株式会社まちづくり中野21は、区と協議をいたしまして、平成24年5月末までに再整備等の計画、基本構想案を策定するということとなってございます。区といたしましては、本年度中に案を取りまとめたいと考えてございまして、所有会社において検討を進めている状況でございます。

○長沢委員 所有会社であるまちづくり中野21が中野区と今おっしゃったように協議をして、再整備に責任を持つことになっていますけれども、そもそもまちづくり中野21が再整備をしていく上でそういったノウハウがあるとは思えないんですけれども、この点はどうされますか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) まちづくりのノウハウを持ったコンサルタントなどの専門家、これを活用しながら進めているところでございます。

○長沢委員 これは経年的ですか。経年的にコンサルを雇って、それもまちづくり中野21が雇って進めていくということになるんですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) まちづくり中野21が検討における必要な負担を経営しながら、経年的になるかどうかというところは検討状況によって変わってくると思いますけれども、検討を進めているということでございます。

○長沢委員 コンサルを活用してということでありますし、そういったことにおいても、まちづくり中野21がそのための費用を今の経営の中できちんと出せるのか、その点についてはどうですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) まちづくり中野21といたしましても、重要な課題であるというふうに認識をしてございます。景気の影響もありまして、厳しい状況ではございますけれども、民間事業者の立場として検討してまいります。

○長沢委員 事業のスケジュールのことをお話しいただきますけれども、そうは言っても、あと何年かはあります。基本構想を定めるとしているのも、結局案としてはまとめるけれども、平成24年の5月までだと。その後、実施計画なり、予定では進んでいくことになっています。それだけの年月は、その間にまちづくり中野21はさまざまな経費を出していくというお話だと思いますけれども、そういう理解でいいですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 検討に当たりまして必要な経費はまちづくり中野21の中で捻出したいと考えております。

○長沢委員 検討に規定をされる、本当は必要だったと思うんだけれども、お金がないから出せない、やれない、そういった場合はどうするんですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 適切な必要なものについてはまちづくり中野21として負担をしていきたいというふうに考えております。

○長沢委員 中野区自身は、今後あらゆる形の中で、区が言っているところの再整備の計画まではこれ以上の出資はない、お金を出すことはない、それは確認していいですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 現段階では考えてございません。

○長沢委員 場合によっては、またもやお金を出すことがあり得るということをおっしゃっているんですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 原則としてございません。

○長沢委員 原則としてはないけれども、異例な事態になったら――今回のことだって異例の事態です――あり得る。こんなことは絶対許せないということだけ、このことだけは強調しておきたいと思います。ありがとうございます。


(2)区民のくらしを支える施策について

 二つ目に、区民の暮らしを支える施策についてですけれども、今言ったサンプラザ、これはためてきた財政調整基金から13億7,500万円ものお金を中野サンプラザのために出資をしたものでありますけれども、決算年度の財政調整基金の取り崩し額、16億円のうちのおよそ86%がこの中野サンプラザのために使われたことになります。それと比較して、区民の暮らしを支える施策への支援はどうであったか、このことが問われます。
 当該決算年度は、後期高齢者医療制度が実施された年度でもあります。本制度の根本的な問題とともに、中野区では、後期高齢者健診の実施のあり方と、検査項目の後退、負担の押しつけが行われました。今年度から実施上の改善と検査項目の拡大は図られましたが、他区では行っていたことが中野区で初年度から行われなかったのは怠慢とも言えることであります。高齢者に寄り添っていない区の姿勢が浮き彫りになったとも言えます。また、500円の自己負担に関しては、今もって無料にしようとしていないことはあまりにも冷たい。この点は指摘をしておきたいと思います。
 それで、具体的に事業メニューについて伺いたいんですが、一つは、がん検診についてであります。当該決算年度の執行を見ると、健康診査、がん検診は84.9%の執行率です。しかし、これは第6次補正で成人検診の受診者数と胃がん、大腸がん検診の受診者数の見込み差による減額として約2億3,460万円の減額を行ったことによるものであります。当初予算6億5,370万円で見れば、わずか50%の執行率です。この07年度も減額補正を行っていますが、そのときも見込み差でありました。あまりにも見込み差が大きいと思いますけれども、この点はどのように見られていますか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) お答えいたします。成人健診の予算の積算に当たりましては、これまでの受診率のほかに、医療制度改革に伴う国の基本的な指針や積算の考え方なども参考としたところでございます。また、生活習慣病であるとかメタボリックシンドロームなどの用語が区民に浸透してきたことなどによる健康意識の高まりなども考えまして受診率を想定いたしましたけれども、目標数値に達しなかったというふうに考えております。

○長沢委員 がん検診で言えば、軒並みに受診者の数も減っているんです。胃がんと大腸がん検診で言えば、前年度比はそれぞれ90%や80%の執行です。こうしたことは、例えば今回出していただきました厚生15のこうした資料でも見ることができます。胃がん検診、大腸がん検診、16年度からの5カ年にわたってでありますけれども、傾向として軒並み減っているんです。こういった理由は何だと考えていらっしゃいますか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) がん検診とか大腸がん検診につきましては、これまでは医療機関で区の成人健診と同時に受診することが可能でございました。医療制度改革によりまして、社会保険に加入されている方の健診はそれぞれの事業保険者が行うことになりました。その結果、こうした方の胃がん検診、特には血清ペプシノゲン検査であるとか大腸がん検診につきましては、単独での受診になったことから、受診率が減少した一因であるというふうに考えております。

○長沢委員 制度改革ということでおっしゃられていますけれども、その前の年ぐらいからもやはり減ってはいると思うんです。だから、確かに利便性とかそういうのもさまざま考えると、そういった側面はあったとは思っていますけれども、自己負担受診が検診の機会を損なっていると言えませんか。その点では無料化受診を検討していただきたいというふうに思っておりますけれども、いかがですか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) がん検診につきましては、勤務先等、他に受診の機会があるので区の検診を受けないという方もいらっしゃいます。このため、区の検診を受ける方と受けない方との負担の公平性であるとか、またはみずからの健康管理に責任を持ってもらうような意味からも自己負担金をいただいているところでございます。

○長沢委員 後期高齢者健診のときもそうですけれども、みずからの健康はみずからでというお話を判を押したようにおっしゃるんだけれども、実際に同じ区民でありながら、そういったことで本来は受けるそうした権利がありながら、なかなかそういうことに結びついていないということをよくよく見ていただきたいと思うんです。
 もう一つ、今おっしゃられたように、医療制度が変わったことによって保険者自身が健診を行う。また指導も行う。そういう仕組みになったのは承知しています。ただ、社会保険等の被扶養者の健診項目を区で行っている国保の特定健診や健康づくり健診や後期高齢者健診、これらは同等にやっていますけれども、これと同じようにやっていただきたい。これも区民でありながら、健康診査の内容に差がある、こういったことはいかがかというふうに思っているんですが、その点はどのような御認識ですか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 各医療保険の保険者が特定健診を実施するに当たりまして、国が定めました必須項目のほかに、どのような健診項目を追加するかということについては、それぞれの医療保険者が判断するものというふうに理解をしております。

○長沢委員 制度論から言えばそのとおりなんです。制度が変わって、つまり、これまで中野区の区民健診を等しく受けていた人たちが受けられなくなったということを言っているんです。制度の説明は私はわかっているつもりなんです。例えば中野区で今やっている健康づくり健診の35歳から39歳までの方々、これはもう制度からは外れているわけです。しかしながら、これまでやっていた。同様に一般財源を使って実施をしているわけです。だから、被扶養者へのこういう一般財源を活用して健診項目の上乗せを図る。国保の特定健診などと同様の健診、これを改めて行っていただきたいと思うんですが、いかがですか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 先ほども答弁いたしましたけれども、医療制度改革によりまして、20年の4月からは、40歳から74歳までの方の健診は、加入している医療保険の保険者の責任で行うことになったわけでございます。社会保険の被扶養者の健診を区が一般財源を投入して行うという考えはございません。

○長沢委員 医療制度が新しい政権の中で大いに変わっていただくことを期待したいと思いますけれども、そうは言っても、片方で一般財源と、一般財源を全部出せという話ではないわけです。特定健診も、それ自身は把握をして、そこの部分を上乗せをして、同じような健診項目で、つまり、これまでは成人健診、区民健診と言ってやっていた方々ですから、そういった意味合いからも、それを重ねて、これは要望しておきます。


(3)その他

 三つ目に、本会議の質問でも取り上げましたけれども、都市整備費のうちの建築費、木造住宅耐震改修助成と家具転倒防止器具助成について伺います。
 我が党議員団は、倒壊度が高いとされる個人住宅への耐震改修助成と家具転倒防止器具取りつけ助成のこの器具台の補助を求めてまいりました。まず耐震改修助成でございますけれども、予算で見込んだ30件中、決算では10件の執行にとどまっております。これはなぜだとお考えですか。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 耐震改修助成の件でございますけれども、これは結論から言いますと、当初、耐震改修を予定されていた方で結果的に建てかえを選択された方が多かったところでございます。
 ちなみに、今回御指摘のように耐震改修助成を受けたのは10件でございますけれども、それ以外に補助金なしで補強工事を行ったのが18件、それから、建てかえをした方が39件ございました。したがって、補助金の実施件数としては想定を下回っておりますけれども、実際に耐震化された住宅の件数としては一定量確保できたというふうに考えております。

○長沢委員 耐震化が進んでいるということは、そのことはよいことだと思っています。ただ、建てかえですとか、そういうのはお金がかかるものですから、私たちはこれまでも言ってきたように、ある一部分のところだけでも、それでやるだけでほどほど耐震というやつを何十万の規模でやれるわけです。そういったものに対しての助成をお願いしたいということも言ってきたところです。
 それと、今年度の予算の中でも、例えば防災ベッドという形で、そういったことも区としてもやられているわけです。とにかく大震災から命を守るという、そこの視点をきちんと持っていただきたいなというふうに思っています。耐震改修助成と言いながら、区がやっているのは補強設計費だけの助成、しかも、定額5万円だけという中身でありますけれども、安全で災害に強いまちづくりの実現のためにとして、これは商工会議所の中野支部が区長あてに出した要望書でも、あるいは中野建設業界の要望書でも、耐震改修工事助成、これを求めております。こういった助成にまで踏み出すときではないかと思っていますが、いかがですか。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今御指摘の件でございますけれども、現在設計費の5万円の補助を耐震改修などにしておりますけれども、これを受けることによりまして、所得税及び固定資産税の税制優遇措置を受けることができまして、一定のメリットがあるというふうに考えております。個人の財産を守る対策につきましては、基本的には自己負担と考えておりますけれども、住宅の耐震化が促進されますように今後さまざま取り組んでいきたいと考えております。

○長沢委員 本会議での答弁でも、都市整備部長だったと思います。木造住宅の耐震化率の向上に向けて耐震診断士の協力等を得て個別訪問や耐震相談会を実施したい、こういったことが御答弁されました。また、以前私が防災まちづくり特別委員会の場で耐震改修にかかわる質問をした際に、御答弁で、耐震改修工事をやる場合、大体リフォームをしたいという方が補強までやりたいと言う。要するに骨組みだけをしたいという方はなかなか少ないんだと、こんな御答弁もあったところであります。そうしたこともとらえて、インセンティブを与えるなどの工夫をしながら、こうした耐震改修、これを進めていく、こういったことを改めて要望しておきたいというふうに思っています。ありがとうございます。
 もう一つ、器具代の助成についても伺いたいんですが、これは以前にも指摘をしましたけれども、東京都から補助金は出ております。でも、これについてはやろうとしておりません。件数は予算の150件に対してわずか1割の15件。これは、資料を見ますと、年々件数が減っておることが見てとれます。建設の18の資料だったでしょうか。この点はどのように見ていらっしゃいますか、伺いたいと思います。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 現在区が行っております家具転倒防止金具取りつけの補助でございます。これは高齢者の方などで自力で取りつけが比較的困難な方々を対象にしまして、金具取りつけ工事業者、これは主に区の登録の耐震改修施行でございますが、同じく取りつけ業者を無料であっせんしているというものでございます。こうしたことによりまして、高齢者の方々の家具転倒防止金具の取りつけの普及を図る、そういったことでございます。この辺の件数については、今後、もう少し普及啓発活動に努めたいというふうに考えております。

○長沢委員 今後さらに普及啓発を図っていくという、そういう御答弁なんですけれども、普及啓発をしてもこの件数だったということではないんですね。器具代金は比較的安価で、個人負担の範囲内、そういう御答弁も本会議ではされていますけれども、そういうことは逆に言えば区で出せない金額でもないということではないですか。震災による死亡の原因は、圧死と窒息死で8割を占める、こうした調査結果もあります。高齢者等は寝ていなくても逃げおくれることが考えられる。事は命にかかわる問題であり、補助に踏み切るべきではないか、このように思いますが、いかがですか。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 実際、家具転倒防止金具取りつけの御相談などをお受けしておりますが、実際器具代金が必要だからやめましたというふうな事例は今のところ遭遇していないわけでございまして、この件につきましても、金具の代金は比較的安価でございますので、個人負担の範囲かなと考えております。

○長沢委員 大地震に備えて区民の命を守っていただく。そのことを区が決して忘れてはならないということ、このことは最後に指摘をして終わりたいと思います。ありがとうございます。

2 「中野区基本構想」と「新しい中野をつくる10か年計画」の改定について


(1)改定にあたっての視点について

 二つ目に、基本構想と10か年計画の改定について伺います。
 その1点目としては、改定に当たっての視点について伺います。
 基本構想は、自治体では計画体系の最上位に位置する重要なものであるというふうに認識をしています。しかしながら、なぜこれほど軽い扱いをされているのかというふうに思っています。構造改革規制緩和路線が破綻し、その誤りが地方自治体のもとでも、もちろん中野区においても明らかになっています。にもかかわらず、その考えを土台とした基本構想の改定が文言整理だけとは、あまりにもおざなりではないでしょうか。区は国とともに誤った路線をひた走ってきたその反省が必要であり、その上に立って理念と将来像を描き直すべきではなかったのか。この点を伺いたいと思いますが、いかがですか。

○高橋政策室副参事(基本計画担当) お答えします。国の政権交代によっても、区の目指すべき方向は大きく変わらないというふうに考えてございます。また、基本的な理念とか区の方向を示します中野のまちの将来像については、変更の必要がないものと考えてございます。したがいまして、10年後のまちの姿についてのみ具体的な変化があった部分について必要最小限で改定したいというふうに思ってございます。

○長沢委員 小手先だけ直すようなお話みたいだけれども、現行の基本構想を策定しての間、区の財政こそ潤っていますけれども、区民の暮らしは決してよくなっていないんです。将来負担も広がっている。しかも、自治も形骸化した。それなのに基本構想の基本がそのままであるというのはあまりにも無責任ではないかと思います。このことは基本構想だけではなくて、基本構想の理念と将来像の実現のための取り組みを目標とした10か年計画においても同じであります。
 政権交代の影響もあって、区も今定例会の一般質問で、国の動向を見守るであるとか、適切に判断するなどのこうした答弁をしてきております。歴史の転換期を迎えて、新しい時代にふさわしい理念を持って10年後の姿とそのプロセスを描くべきだというふうに思っています。社会経済情勢は大きく変わる可能性が生まれているわけですから、それにこたえる基本構想と10か年計画でなければならない。当初のように、その点でも多くの区民に参加してもらえるこうした仕組みをつくって改定を行うべきではないかと思っておりますが、いかがですか。

○高橋政策室副参事(基本計画担当) 現時点におきましては、新政権の新たな制度につきましては、まだ明確になっていない部分がございます。したがいまして、今ある制度を適正に運用していくことが肝要かと考えます。また、現行の基本構想及び10か年計画でございますが、双方とも新たに策定したものでございまして、それに応じたプロセスをとったというふうに認識してございます。今回は自治基本条例に基づきまして、改定の範囲及び趣旨に合ったものとして考えてございます。

○長沢委員 そういうことでは10年後どころか1年後の姿さえ示すこともままならないのではないかと思っています。
 もう1点財政フレームについて伺います。2005年の当時の基本構想を変える際に、財政見通しを踏まえたものにすると述べていらっしゃいました。しかし、10か年計画で財政フレームを示すには示しましたが、策定からの4年間で財政運営の考え方において2度も見直しをしています。10年間もの財政フレームとは、もともとそういった修正を必要とするものであるというふうに思っています。今度の10か年計画の改定でも同様です。初めから変わるものととらえて、区民と議会に説明をしていくことが必要ではないかと思いますが、いかがですか。

○志賀政策室副参事(予算担当) 毎年度お示ししております財政フレームの考え方では、社会状況の変化をとらえて、それから、事業の進捗状況、そういったものも反映いたしまして、より精度の高いものをお示ししているというものでございます。毎年度財政フレームを改定して、結果として去年より変更が加えられているといったものでございます。

○長沢委員 ですから、これから素案から案の段階で、10年間のフレームというものは示されると思うけれども、当然ながら、それはかわれるものだと、そういうことを確認しておきたいと思います。大事なことは、区民の暮らしと要望にこたえるものであって、また、かつ無駄と浪費を改めることが肝心であり、その視点を持ち合わせていることが大事だというふうに思っています。その点のことを改めて強調しておきたいと思っています。ありがとうございます。


(2)小・中学校の再編について

 小・中学校の再編について、二つ目に伺います。
 10か年計画の改定では、統廃合はこれからも進めていくことが述べられていますけれども、しかしながら、どこの学校かは触れられておりません。少なくとも議会と区民にはこうした触れられない理由を説明すべきではなかったかと思っております。意見や質問が出たら答えるというのでは、やはり問題が大きいのではないかと思っていますが、いかがですか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) お答えします。学校再編の中後期の内容につきましては、本年4月の文教委員会におきまして、学力向上など教育をめぐる諸課題について、中長期的な展望を持って、中野区が目指すこれからの教育の方向を明らかにするため、区民あるいは学識経験者などで構成する検討会議を設置し、この検討結果を踏まえて対応することを報告させていただいたところでございます。また、この検討結果を踏まえて、平成22年度いっぱいをめどに検討していくことも既に文教委員会や区長の行政報告等で御説明させていただいているというところでございます。

○長沢委員 議会に対してはそういった御説明があった。しかしながら、今意見交換会の場合はあえてそのこと自身、要するに説明の際にされているわけで、意見や質問が出た際にはお答えしているという、区民との関係においては、やはりそのことは指摘をせざるを得ないと思っています。
 前期の再編計画の検証について伺いたいと思います。教育委員会は、昨年12月3日の文教委員会に、平成20年度統合新校開校における検証についてを出しております。委員会でもさまざまな議論があったと伺っておりますが、ただ教育委員会の見解は、統合新校は良好であり、統廃合は問題なしとの立場でございました。しかし、統合新校の校区でありながら新校に行かなかった子どもたちがいます。また、新校のほうに移ってきているという、そういった子どもたちもいるということであります。この点、なぜだか承知をされていますか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) それぞれの学校の指定校変更につきましては、その申請理由といたしましては、兄弟関係あるいは通学への配慮などさまざまな事情によるものがあるというふうに考えてございます。統合新校につきましては、子どもにとっても魅力ある教育環境が整い、新しい学校の取り組みが定着するに従い、児童数も増加していくものというふうに考えてございます。
 検証内容につきましては、学校再編で目指した集団の活性化、あるいは学力の向上の条件整備、あるいは学校行事の活性化において十分成果があったものと考えてございます。今後もこうした検証を踏まえ、また、統合新校の児童・生徒と教育委員会との意見交換あるいは学校視察等を適宜行い、再編の推進に生かしていきたいというふうに考えてございます。

○長沢委員 文教の資料の93を出していただきました。これでは、緑野中学校は平成20年度からの統合新校になっていますが、新1年生は29人が指定変更します。今年度も30人が他校に変更しています。白桜小学校につきましては新1年生は11人ということで、比較をしてみるとそう多くないように見えますけれども、しかし、これは予特の資料の中でありましたが、白桜小学校の新入学児童は推計値49人を見越したけれども、しかし、35人であった。こういったことも一方で出ているわけです。また、桃花小学校につきましても、平成20年度で22人、今年度20人がこうした指定校を変更しているわけであります。
 また、これも予特の資料でありますけれども、学校の統合に伴う在籍児童・生徒の指定校変更件数、これを見ると、桃花小学校が指定校であるのに、仲町小学校の児童59人中、指定校変更しているのは42人にもなっている。また、別な資料でもありますけれども、先ほどちょっとおっしゃった通学区域外からの就学した児童・生徒数の理由別、こうした学校再編計画に伴う特例、これは実際は統合する2年ぐらい前から、つまり、計画が示された後に、小学校も中学校も大きく動いているんです。このことをよく見なくちゃいけないと思っています。
 もう一つ統合新校の規模についてなんですけれども、中野区立小・中学校の再編計画がありますが、この中で小学校でも少なくとも12学級、学年2学級、これを維持するとしながら、実際に今年度統合新校になった白桜小学校は、この初年度に当たります今年度は10学級であります。また、緑野中においても、昨年度は11学級を予定したけれども、9学級だった。南中野も11学級だったのが9学級。また逆に桃花小は15学級だけれども、既に18学級。再編計画で目指す適正と言われているマックスのところの18学級まで既にいっているわけです。これだけの児童・生徒がいた。そしてまた、再編計画に見込んで学級数を確保できていないんだということや、また逆に、見込みよりふえた学校もあるんだと。これを一体どういうふうに見ているんですか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 答弁の繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げたとおり、私どもといたしましては、今後魅力ある教育環境をつくり上げる。また、新しい学校の取り組みが定着することによって児童数が今後ともふえていくというふうに私どもは認識しているところでございます。

○長沢委員 これは規模だけの問題ではなくて、この間に子どもたちを行政都合で振り回してきた、親を振り回してきた、そのことをきちんと総括することが必要だと思っています。この点で伺いたいのは、子どもの意見をきちんと聞いたのかということであります。子どもの権利条約の意見表明権や、中野区教育行政における区民参加に関する条例のこの遵守は欠かせないというふうに思っておりますが、条例の第4条第1項で、区民参加においては権利の主体としての子どもの参加と、意見表面権の機会が保障されるよう配慮されなければならないとして、また、その第2項では、区民が区の機関に対し、これは当然子どもも入っていると思っておりますが、直接かつ個別に意見、苦情等を申し出ることができるよう配慮されなければならない、このようにしております。これはどう確保されますか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 学校再編計画につきましては、区民と意見交換会などの議論を経まして、適正な手続に基づいて策定されていたというものでございまして、今後の中長期についても区民の御意見を聞きつつ、総合的に判断していくものでございます。また、先ほども答弁させていただきましたとおり、子どもの意見等につきましても、先ほど申し上げた検証結果あるいは児童・生徒の意見交換等での議論を今後とも生かしていきたいと考えてございます。

○長沢委員 私どもは、統廃合あるいは小規模校に当たってということでさまざまな議論というか、質問もさせていただきました。やはり問題なのは、子どもたちにとってどうであるのかということがまず第一でありますし、また、地域にとってもどうなのか。そしてまた、それを包括的に言えば住民合意が得られているか、こういったことを指摘をしてきましたけれども、今の御答弁を聞いている限り、全く今後も生かす、そういう見通しはないと、これは言わざるを得ないと思います。その辺は問題にして、これからもただしていきたいと思います。
 一方、30人学級、少人数学級の実現に兆しが見えてきております。教育委員会は学級数で適正としてきましたが、その前提が崩れることになるのではないか。やるべきことは、30人学級をはじめとした少人数学級での学校運営、そのための準備をしていくことではないかというふうに思っておりますが、この点はいかがですか。

○喜名指導室長 お答えいたします。現政権は、教員が子どもと向かい合う時間を確保するために教員の増員を公約としているところでございます。しかし、30人学級の実現につきましては、現時点で何ら具体的な動きはないと認識しております。したがいまして、これまでお示ししております適正な規模の考え方については変更はございません。

○長沢委員 確認しておきますけれども、30人学級なり少人数学級が具体的な動きが出てきた場合には、その場合には検討するということですか。

○喜名指導室長 仮に国の学級定数の見直しが行われた場合は、それに連動いたしまして教員の定数がふえまして、学校によっては教員がふえることになります。これにつきましては、既に少人数指導の実績もございますので、教室配置の変更以外、特段の準備は必要ないというふうに考えております。

○長沢委員 統廃合の再編計画との関係で伺っているんです。学級の規模という形で言っているわけです。学級数という形で学校の規模を規定しているわけです。そのことが変わることがあるではないか。それはいかがですかと伺っているんです。

○喜名指導室長 繰り返しますけれども、現時点ではまだ30人学級の実現については何ら具体的な動きがないと認識しております。前政権の概算要求では5,500人規模の増員ということを言っておりますが、それも見直しになりました。また、今の文部科学大臣も定数については何ら言及をしておりませんので、現時点では何も変更はないというふうに考えております。

○長沢委員 またさっきの答弁に戻っちゃいました。現時点ではと、お役人だからそういう形で言わざるを得ないのかもしれません。しかし、これは後戻りしません。これは必ずなります。そうなったときに考えますではなくて、統廃合、再編計画との関係で私は伺っているんです。きちんとそれは準備をしておかなくちゃ、考え方も、これまで言ってきたことと変わるわけですから、そのことはよくよく検討しておかなければならない。このことを強く要望しておきます。


(3)施設等売却の問題について

 最後に、施設売却を伺います。全体にかかわる問題として、区の財産イコール区民の財産というふうに思っております。あまりにも目先の財源にとらわれ過ぎていないか。意見交換会の場では、これだけの施設を挙げておいて、最小限の売却とも述べていらっしゃいました。しかも、保育園や学校といった福祉、教育施設が大半であることも、この点もやはり見過ごせないというふうに思っております。
 先ほども触れましたけれども、改定されても10か年計画がそのままというわけにはいかないだろうと思います。区民目線からも、将来の需要をあまりにも見ていないのではないか。新たな区民要望にこたえられないのではないかというふうに思っておりますけれども、売却方針、この点を改めるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○田中政策室副参事(企画調整担当) 区全体の施設配置におきましては、効率的な施設配置であるとか、あるいは新たな活用内容への転換を行った上での売却といいますものは、施設整備を着実に進めるための財源確保の観点からも非常に重要であるというふうに考えているところでございます。また、施設の将来利用についてでございますけれども、今後活用方法を検討する施設等という形で整理をさせていただいた中で一定の想定を行ってございまして、今後の活用も見越して素案の作成を行ったものでございます。

○長沢委員 これは大事な問題なので、改めてどこかほかの場でまたやりたいと思っております。
 もう一つ個別の問題で、一つだけ伺います。野方小の跡地の売却が出ておりますけれども、広大な敷地であります。これはどこに売却する予定でありますか。

○田中政策室副参事(企画調整担当) 10か年計画の素案でお示しをしておりますのは売却という方針でございまして、具体的な売却先等については、現時点では決まってございません。

○長沢委員 この点について、区民、地元住民の意見をきちんと聞くべきであるということ、この点を要望しておきたいと思います。

3 新型インフルエンザの対応について

 3番目に、新型インフルエンザの対応について伺います。
 小・中学校での学年、学級閉鎖については、逐次御報告をいただいております。また、直近の区内公共施設での感染状況についての御報告をいただきたいと思っておりますが、同時に定点医療機関についても報告をお願いしたいと思っております。いかがでしょうか。

○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 現在でも小・中学校の休業状況、それから、区内の私立の学校あるいは保育園等の施設についての集団発生状況について御報告を週2回というペースでさせていただいてございます。また、区内の定点医療機関における患者数、これにつきましても、ホームページ上では区民にお知らせをしてございますが、今後定期の報告の中に適宜あわせて御報告をさせていただこうというふうに存じてございます。

○長沢委員 報告をお願いするというのは、報告の仕方をお願いするのではなくて、では、今で言えば、定点医療機関に関して報告をお願いできますか。

○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 今後、週1回になりますけれども、直近の定点医療機関の患者数については御報告をさせていただきます。

○長沢委員 直近は幾つですかということを伺ったつもりです。

○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 今週金曜日の御報告の中で触れさせていただこうと思ってございます。

○長沢委員 いずれにしても、ホームページには出している。いろいろな媒体を使ってそれは御報告をいただければと思います。
 国が9月の初旬に各自治体に招集をかけたというふうに伺っています。そこでの内容は何だったのか、それを受けて中野区健康危機管理対策本部でいかなる方針を持ったのか、これについてお答えいただきたいと思いますが、いかがですか。

○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 9月初旬の会議でございますけれども、内容は主に新型インフルエンザワクチン接種の基本的な考え方について、接種対象者の優先順位や実施体制等についての説明がございました。ただ、同時期に実施中でありましたパブリックコメント、その結果も踏まえて、実施内容の決定を改めて説明会を実施して説明をするという方針で会議は終わってございます。また、区としては、そういった状況でしたので、今後出される国の方針決定を受けて、早急に対策を進めることといたしました。

○長沢委員 情報提供や、先ほども広報、啓発についてはさまざまな媒体を通じて行っているということは評価をしたいと思っていますが、区内の入院事例などの情報、これを共有できるよう、個人情報に配慮しつつ、的確に情報提供を実施していただきたいと思いますが、この点はいかがですか。

○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 区内の入院事例の情報に関しましては、入院事例の情報、重症化事例ですが、現在東京都が区も含めて個人情報に配慮し、医療機関名、地域等も伏せた上で公表を行ってございます。個別に中野区民の入院治療について、区が情報提供する考えはございません。

○長沢委員 もう一つ、タミフルや抗ウイルス薬や検査キット、マスク等の必要な薬品、医療資材の不足がないようにチェックして、区内医療機関からの要望にこたえられるようにしておくことも大事だと思っております。こういったことは東京都と連携して進めていただきたいと思っています。
 今パブリックコメントをやっているさなかであるということで、国からの指示はまだないということですが、同時に、新型インフルエンザワクチン接種が必要な区民に遅滞なく行われるよう、やはり準備をしていただきたいと思っておりますし、その際、日本感染症学会から、子どもへのタミフル等の投与が有効と、こうした見解も示されているわけでありますけれども、的確にこうした情報を収集して、区内医療機関や東京都、あるいは国と連携して対応に当たっていただきたいと思っていますが、この点はいかがでしょうか。

○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 国や学会関連等の情報につきましては、医師会等医療機関や、東京都と連携し、これまでも適宜情報提供を行うよう努めてまいりました。今後も引き続き実施していく方針でございます。

○長沢委員 区職員の健康管理と感染拡大の防止に当然努められていると思っておりますが、どういった状況でしょうか、この点を最後に伺いたいです。

○尾﨑経営室参事(人事担当) 新型インフルエンザの感染拡大防止につきましては、8月27日付で職員に向けて、自分がかからない、他人にうつさないための具体的な注意事項、あるいは同居の家族が発症した場合の対応、さらには職場として感染を拡大させないための清潔保持や所属長による基礎疾患を有する者の把握、それから、本人及び家族の発症例の人事担当への報告等について周知徹底をしたところでございます。

○長沢委員 どうもありがとうございました。この項の最後に、資格証発行との関係で伺います。
 本会議の場でかせ委員も伺いましたけれども、資格証明書発行世帯への短期証交付については、御答弁では一律に交付をしない、このような答弁でもありました。そこで伺いますが、発熱などの自覚症状のある人に対しては、支払いの弁明がなくとも短期証を交付する、このように理解していいですか。

○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) お答えいたします。個別に判断することになると思いますが、新型インフルエンザの御相談があれば、適切に対応したいと考えてございます。

○長沢委員 どうもありがとうございました。

4 国と自治体で貧困を解消することについて


(1)生活困窮者の把握と対策について

 次に、四つ目に、国と自治体で貧困を解消することについて伺いたいと思います。
 その第1に、生活困窮者の把握と対策についてであります。これは1点だけでありますが、伺います。
 あってはならない貧困が広がっておりますけれども、まず第1に着手すべきことは、貧困率の測定です。政府は、1965年までは国民生活基礎調査における生活保護と同等の消費水準にある世帯数、低消費水準世帯、この推計を行っていましたが、その後はそうした統計をとっていません。生活保護の捕捉率、これは生活保護基準以下で暮らす人々のうちの保護受給者の割合も発表していません。必要とする人の2割程度しかカバーできていないのではないかとの指摘もあります。ゆえに国は貧困の定義も持ち合わせていません。貧困率の測定と貧困の実態調査、これを復活するよう政府に要望していただきたいと思いますが、いかがですか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) お答えいたします。要望を行う予定はございません。

○長沢委員 その理由を言ってください。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 貧困の実態については、国のほうにおいて適切な調査を行うということはございますけれども、さまざまな国の貧困に対する施策について、施策が出るたびに、最近では個別施策の中で対象者の予測を行っておりますので、生活援護担当としては早急にこの貧困に対する調査について国に要望するというような必要性は感じておりません。

○長沢委員 これは1点だけ伺うということで言いましたけれども、区も中野区内における貧困の状況というのは実際はつかんでいらっしゃらないわけです。つかみようがないわけです。国にかわって区がやるんですか、やれないでしょう。これは、もともと1960年代のところでやめたというのは、要するに貧困はなくなったという認識のもとでやめているわけです。そういうことは発表しています。しかし、今日の事態において、さまざまにOECDの調査とかいろいろ出ております。あるいはマスコミなんかでも、いろいろな角度からではありますが、そのことをとらまえて出しています。こういった事態の中できちんとそのことを調査する。もともとやっていたことですから、そのことを復活していただきたい。これは結構です。強く要望しておきたい。


(2)生活保護行政について

 もう一つ、生活保護行政について伺います。
 申請窓口体制の拡充と改善を求めてお聞きをします。窓口に相談、申請に行ったら何時間も待たされる。こうした声が最近後を絶ちません。11時に行ったら、午後にしてください。4時に行ったら、翌日にしてください。こういった例も珍しくありません。込み合っている原因は、今日の不況のもとで推測できるわけでありますけれども、そうした状況に対して的確にこたえなければならないというふうに思っています。
 相談件数の推移を御報告していただきたいと思いますが、いかがですか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 相談件数につきましては、厚生26の資料を見ていただきながら御説明をさせていただきます。
 相談件数は、平成17年度、4,345件、平成18年度、3,594件、平成19年度、3,575件、平成20年度、4,134件、平成21年度7月末現在で2,011件となっております。

○長沢委員 現在の窓口を担当する相談員は何人いらっしゃいますか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 係長を入れ6名おります。

○長沢委員 人と場所をふやすなど、改善が必要になっているという、そういう御認識はありませんか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) この間の景気の動向の影響を受けまして、相談者が増加しているということについては認識をしております。今年度も臨時的対応として、他の分野の中の職員を充てて相談をするという措置もとっておりますけれども、来年度以降につきましてもそういった状況を勘案しながら、窓口体制の強化を拡充する必要があるというふうには考えております。

○長沢委員 ぜひその点を強めていただきたいと思っています。ありがとうございます。


(3)「子どもの貧困」の克服について

 この項の3番目に、子どもの貧困の克服について伺いたいと思います。
 その第1は、教育費の軽減についてであります。保護者の負担、私費負担の軽減について伺います。文教資料31、中野区立の小・中学校に通わせる親の私費負担、20年度で見ますと、年間1人当たり小学校の最高単価の合計は6万6,286円、最低単価の合計で4万9,830円になります。中学校でも、最高単価の合計で8万327円、最低単価合計でも6万5,804円になります。実際にはこの最高と最低の間の負担になると思われます。
 加えて、小学校高学年での移動教室、4,836円と、夏季学園、1万5,834円のこの負担、どちらも最低の単価でありますけれども、これが加わります。また中学校では、2年生の移動教室、8,983円、3年生の修学旅行費、5万1,742円、夏季学園、1万5,630円、いずれも最低単価でありますけれども、この負担を考えると、かなりの私費負担になります。これ以外に、卒業記念アルバム代を加えると、6年生では8万円を超えるんです。中学3年生では14万円を超す。いずれも最低単価での計算でありますが、これだけの私費負担が必要とされています。
 そこで伺いますが、教育委員会は何を根拠に保護者の負担、私費負担としているんですか。また、その範囲はどういったものなのか伺います。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) お答えをいたします。根拠というお尋ねでございますけれども、東京都教育委員会で定めました義務教育学校運営費標準というものがございます。それに従いますと、利益が児童・生徒に直接還元される性質の経費につきましては保護者負担というふうにされてございます。例えば学習ノートなどの教材費、ユニフォームなどの部活動費、修学旅行などの交通費や入場料、学校教育費などがこれに当たります。

○長沢委員 本来義務教育でありますから、これは無料が原則であるというふうに認識しております。義務教育に必要な費用は基本的に無償にすべきであるとも思っております。少なくともその負担を極力減らしていくことが要請もされています。新聞、テレビなどのマスコミでも、教育費の家族依存と公費の乏しさがさまざま取り上げられているところでありますけれども、義務教育における私費負担は、不況の折、給与、賃金が抑えられている中で、子育て世代には大変つらいものであります。また、就学援助は受けていない低所得者にとっては過酷とも言えます。私費負担を軽減するための施策が必要であると思いますが、いかがですか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 区では、これまで社会科見学や移動教室のバス代、それから、遠足交通費の公費負担を実施してございます。経済的に厳しい状況の家庭には、就学援助など、その個別事項に基づいて必要な対応を図っており、就学援助を受けられる世帯で未申請の世帯につきましてはぜひとも申請をしていただきたいというふうに考えてございます。

○長沢委員 就学援助のそういったことをとらまえて、そのことを積極的にということはそのとおりだと思っています。ただ、同時に全体としても私費負担が、これが非常に家計を圧迫しているという、そういった事実もあります。今自治体でもさまざま私費負担を減らしていこう、あるいは公費で支出をする、こういった取り組みも広がっているところであります。例えば府中市では、学習帳や連絡帳類、ワークテストなどを公費負担にしております。この辺では、今おっしゃられましたけれども、中野区でも私費負担から公費負担に見直すなど、あらゆるものがあるかと思っております。私費負担の軽減を改めて図っていただきたいと思っておりますが、検討してほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 先ほど御答弁をいたしましたように、利益が児童・生徒に直接還元される性質の経費につきましては保護者負担というふうに考えてございまして、現在のところ、保護者負担の軽減を拡大するという考えはございません。

○長沢委員 考え方でありますけれども、教材費とか給食費とか修学旅行費という学校教育にかかわるものが、今言ったように個人に還元されるというものでは、受益者負担という名目で徴収をされているというふうには理解というか、そういうものだと解釈をしています。しかし、公費で支出できないということではないんです。しかも、ほとんどは学校教育として集団的に行っているもので、基本的には個人の判断でそのことを取捨選択、これはできるものではないんです。ぜひとも教育委員会がきちんとこのことをとらまえて検討していただきたい、このことを強く要望しておきたいと思っております。ありがとうございます。
 就学援助の二つ目に、拡充について伺いたいというふうに思います。就学奨励受給者、これは要保護と準要保護の子どもさんでありますけれども、小・中学校の総児童・生徒数の24%と、この決算年度、10年前と比較して5%も増加をしております。就学援助費の支給については、実費支給の全額が出るわけではありません。例えば中学校の修学旅行費については、上限6万5,000円であります。卒業記念アルバム代は、小・中学校とも上限が1万1,000円であります。ところが、先ほど使わせていただきました文教資料の31を見てもわかるように、修学旅行の最高単価は上限を超えております。卒業記念アルバム代も、小・中学校とも最高額は上限額を超えています。この2008年(平成20年度)では、差額の1万4,000円を払わなくてはならなかったということであります。児童・生徒は、そのことを理由に学校を選べません。これは見直しが必要ではないですか。伺います。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) お答えいたします。この就学援助の制度というのは、経済的な理由によりまして義務教育を受けることが困難な児童・生徒の保護者に対して、就学に必要な経費を援助するというものでございます。上限額につきましては、経済状況の推移などを見ながら考えてまいりたいと考えています。

○長沢委員 この点も自治体独自の上乗せもできるというものでありますので、今副参事がおっしゃられたように、状況を見て検討していきたいということでありますから、すぐにでもこれは検討していただきたいというふうに思っています。
 もう1点、就学援助の費目の拡大についても伺いたいと思います。その一つは、これは本年度の第1次補正で出されました子どもの学習支援のための給付、ドリルとか練習帳とかそういったもの、これを買うために国の補正対応としてこれは第1次補正で出されました。これは対象は被保護世帯の子どもに対する教育支援費でございますけれども、準要保護世帯へのこれの拡大を図っていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 先ほど申し上げましたとおり、就学に必要な経費を援助するということで、どこまでが就学に必要なものか、あるいはそれをどこまで税金で負担すべきかということにつきまして、今後財政状況やあるいは社会状況を勘案しながら考えてまいりたいと思います。

○長沢委員 もう一つは、めがね代の補助をぜひともお願いしたい。この費目の拡大の二つ目、これを質問させていただきます。生活保護を受けていれば、めがね購入費は保護費として支給されています。しかし、就学援助ではされてはいません。墨田区では、既にめがね購入費が就学援助の対象になっており、150人の児童・生徒にわたっています。1人当たり2万円ほどの費用であります。近年、子どもの視力は低下をしています。また、文部科学省の調べでは、中学生の2人に1人が視力が1.0未満という結果も出ています。また、小学生からめがねを必要とする子どもも少なくありません。ぜひこれも区でも実施をしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) これも同様なことになりますけれども、費目の拡大につきましても、公費負担、私費負担の区別、あるいは就学援助の目的に照らして、経済状況あるいは財政状況に照らして検討してまいりたいというふうに考えています。

○長沢委員 一連のこういう子どもの貧困という形で取り上げさせていただいたのは、もう既に御存じのように、実際にそうした経済的な貧困の問題が教育の格差としてあらわれているとさまざまなところで指摘をされています。少なくとも憲法の26条、また、あるいは教育基本法の第4条においても、差別されてはならないと、そういうことがきちんと定められているわけであります。それは、教育を受けることは基本的人権の一つであって、経済的理由で妨げられるべきではないのだと、ここのところをぜひとも教育委員会がきちんととらえていただいて、今私がるる述べさせていただきましたけれども、こうした支援をぜひお願いしたい、このことを要望しておきたいと思っています。


(4)その他

 この項の最後に、多重債務の対策について伺いたいと思っております。
 多重債務の対策につきまして、相談者のアクセスは現在どのようになっているのか伺います。

○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 多重債務者へのアクセスでございますけれども、国や東京都でも取り組んでございますが、区におきましては、消費者センター、消費者相談で受付をしてございます。また、そういったPRをチラシ等でさせていただいているところでございます。

○長沢委員 全庁的にはどういった取り組みをされていますか。

○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 全庁の連携のあり方でございますが、多重債務者の発見につながる接点となると思われます税務、国保、生活援護、区民の声といった担当部署の職員によりまして、多重債務問題対策情報連絡会、こういったものを持ちまして、年2回ほど開催してございます。この場におきまして、情報交換ですとか、あるいは消費者相談につきまして職員の理解を高め、現場職員を通じて相談者のほうへPRするなどの対策をとっているところでございます。

○長沢委員 今おっしゃられた多重債務問題対策情報連絡会に教育委員会は入っておりません。多重債務の問題をどのようにとらえて発見し解決していくのか。このこと自身、子どもを通じて家庭に最も近いところにある部署である教育委員会としてはどのようにお考えですか、伺います。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) お答えいたします。すべての子どもに義務教育を円滑に受けさせるということは非常に大切なことであるというふうに考えております。そのためには、家庭の経済基盤が健全であるということが望ましいというふうに考えています。

○長沢委員 給食費の滞納などで保護者から相談があった場合は、消費者センターとも連携をとることが求められているというふうに思っています。他の自治体では、給食費等の未納による多重債務の発見に至る場合があるというふうに伺っています。子育て世代のところで、多重債務の相談も、これもやはり多くなっています。借金のことで困っているといった区民が発するシグナルをどうキャッチしていくかが大事であると思いますが、教育委員会のこの多重債務問題対策情報連絡会、この会議体への参加を求めたいと思いますが、いかがですか。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 多重債務に陥ることになるときに、消費者相談につなげていくというのは一番大切であるというふうに考えています。今後必要に応じて関係部署と連携を図ってまいりたいと考えております。

○長沢委員 質疑を続けさせていただきます。

5 入札・契約について


(1)入札制度の改善について

 5番目に、入札・契約について伺います。
 その初めに、入札制度の改善について伺います。
 まず、総合評価方式の改善について伺いたいと思います。2000年12月に策定した中野区入札・契約制度改革基本方針に基づき、総合評価方式が昨年度の試行実施に続いて、今年度は基本的に全案件について実施を行うことにしております。その際、評価基準の見直しも行われたところであります。新基準によりますと、評価配点合計は、特別簡易型で24点、簡易型で32点であります。今回の見直しは配点加点でありましたけれども、評価項目と評価内容など、一層の改善が必要と考えております。その際、総合評価方式においては、何をどう評価するのかが大きなポイントと言えます。
 ダンピング受注が公共工事に従事する建設労働者の低賃金、不安定雇用などの労働条件の悪化を招いていることから、評価項目として2省協定賃金、公共工事設計労務単価の水準を確保していることや、建退共退職一時金制度、もしくは企業年金制度に加入していることなど、こうしたことを加えることをぜひ検討していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) お答えを申し上げます。これまで中野区の総合評価方式の実施に当たりましては、企業の技術力と企業の信頼性、社会性を評価するものとして設計してまいりました。つまり、工事の品質を確保する観点から、評価基準の評価項目を設定し、契約の相手としての企業を評価するという内容として整理をしてきたものでございます。この評価の項目等を設計するに当たりましても、試行の段階での分析、検証、それから、参加事業者へのアンケート調査等をした上で見直し、検討をした結果として現在の制度があるところでございます。
 もとより、こういった制度の実施に当たりましては、本年度等の本格実施の結果も今後も検証して、必要な改善は加えていかなければならないというふうに考えているところでございます。ただし、御指摘がございました2省協定賃金の水準確保や、建退共加入等を評価項目とするということについては、現在のところ考えてございません。建設事業者が本来対応すべき事柄については、別な観点からの対応が必要だろうと考えているところでございます。

○長沢委員 公共工事の品質確保の促進に関する法律、公共工事品確法と言われていますが、これの施行の背景となったのは、著しい低価格による入札が急増するとともに、工事中の事故や手抜き工事の発生、下請業者や労働者へのしわ寄せ等による公共工事の品質低下に関する懸念が顕著だと、こうした認識は持たれているというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) お答えいたします。総合評価方式によりまして、発注者の責務を明確化し、価格と品質で総合的にすぐれた事業者を落札者とするために、評価基準によって企業の技術力のほか、企業の信頼性、社会性を評価点で加点することによりまして、工事の品質確保を図っていけるというふうに考えてございます。こうした総合評価方式の実施によりまして、必要な技術的能力を有する建設業者のみが競争に参加することによりまして、ダンピングの防止、不良不適格業者の排除ができるようになるというふうに認識しているところでございます。

○長沢委員 今の御説明もよくわかるんですが、公共工事の品確法の趣旨に従えば、元請、下請とも、労働条件、賃金、そういったものを確保していくというところ、そういったことについてもぜひ位置付けていただきたい。また、ぜひ評価項目として入れていただくことを検討していただきたいということは要望しておきたいと思います。
 もう一つ、区の総合評価方式の中で、災害協定に基づく活動の評価基準に記されている地元自治体と災害協定ありとしてあるわけでありますけれども、区外業者であっても、地元自治体でこの協定を結んでいれば、これは配点をされるというものなのでしょうか、伺います。

○長田経営室参事(契約担当) 委員御指摘のとおり、区外事業者が地元の自治体と協定を結んでいれば加点されるということでございます。

○長沢委員 本格実施が始まる前に、2度ほど事業者の方々にアンケートをされています。その実施結果の中でも、中野区との防災協定の有無に変更などの意見が幾つか見られました。中野区との災害協定がないのに、地域社会貢献という形で配点をされているということ、これは区内業者との協定に限って配点をした。たしか1点だったと思うんです。これを配点することを求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 先ほど来御説明をさせていただいてございますが、総合評価方式の目的、趣旨というものは、価格と品質で総合的にすぐれた事業者を落札事業者とするというところにあるものでございます。区外事業者であっても、地元自治体と協定を結んでいれば、その企業としての社会性、信頼性の観点から評価することができるというふうに考えているものでございます。

○長沢委員 社会貢献、社会性ということではそうかもしれないけれども、ただ、地域ということになりますと、その地域において、例えば災害があった場合は、そこと協定を結んでいるからそちらのほうに行くわけです。中野区の中において、災害協定を区と結んでいるということは、仮に配点のあり方を少し格差をつける、区内業者に有利にする、そういったことはやはり必要ではないかというふうに思っているんですが、いかがですか。

○長田経営室参事(契約担当) 区内事業者に着眼点を置いてお答えをいたしますと、区内事業者につきましては、営業拠点の所在地が本店が区内にあるということで3点加点をするというような対応をとっております。さらに中野区と防災協定を締結していれば1点加点されるというような状況で、他の区の総合評価方式の施行の内容を見ましても、中野区の評価の方法がすぐれているというふうに自負をしているところでございます。

○長沢委員 区内事業者のところは、今御説明がありました。それで、この不況の折というか、そういうところにさらなる加点をされているということも承知はしています。その上に立ってではありますけれども、そういう総合評価の中身で地域社会貢献という形で位置付けているわけですから、その点については区内業者の協定ということ自身、そこに重点を置いていただいて配点をしていただきたい、これは要望しておきたいと思います。
 もう1点なんですが、評価分類の企業の技術力のうち、企業の施行能力で、過去3年間の工事の実績や成績が評価内容となっておりますけれども、これはいかなる理由からなんでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 企業の施行能力を評価する上では、過去の工事実績から、直近の3件の工事成績を評価するというふうにしてございます。これは、直近の工事の評価をすることによって、企業本来の施行実績を評価するということになるという判断からこのようにしているものでございます。

○長沢委員 この点は事業者アンケートの実施結果の中で、区内業者だけは、過去3年間では一番仕事のないときで実績が非常に少ない、こうした意見が見られました。他の自治体の総合評価方式を見てみますと、5年間としているところが多いように感じるところであります。この点では、区内業者の意見を幅広く聞いていただいて、その辺のところをぜひ実態に合ったものとして検討していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 総合評価方式を事業者の方たちもさまざまな評価をしていらっしゃることと思います。ただし、先ほど来御説明させていただいてございますように、総合評価方式の一番の評価の項目のかなめになります施行能力というものをどのように図るかという観点から申し上げると、直近の工事の実績というものでその施行能力を図っていくのが適切であるというふうに考えているところでございます。

○長沢委員 いずれにしましても、区内業者の意見を聞いていただくということは、区内業者を育成していくという観点からも大事なことだと思っております。
 入札制度改善の二つ目に、小規模登録制度の改善について伺いたいと思っております。登録件数、工事、物品、それぞれ何件が今現在登録をされているのか。また、登録事業者をふやす努力としてはどういったことを心がけられているのか。まとめてではありますけれども、伺いたいと思います。いかがですか。

○長田経営室参事(契約担当) 本年の9月1日現在でございますが、登録事業者数の総数は64事業者でございます。内訳として、工事という品目で登録をしているものが33事業者、それから、物品につきまして登録している事業者が41事業者、数としては、これは64を超えますが、二つの種目に登録している者がございますので、このような内訳になってございます。
 それから、この制度の開始に当たりましては、やはり事業者の理解、登録をしていただくということが必要になってまいりますので、区報、それから産業振興分野のメルマガ、ホームページ、チラシ等により周知を図ってきたところでございます。今後も登録事業者への受注機会をふやすために、機会を見て制度の周知を図ってまいりたい。このことによって、登録事業者の登録数も増加をしていきたいというふうに考えてございます。

○長沢委員 ぜひその辺をよろしくお願いしたいと思います。同時に、発注者側の区がこの発注はどうなのかということをお伺いしたいんですが、直近の発注状況につきましてはお示しをいただけなかったわけでありますが、そうは言っても、せっかくの制度でありまして、区内事業者に積極的に仕事を受注してもらう、そのために活用を図っていただきたいと思っておりますが、これにつきましては担当者としていかように受けとめていらっしゃるか伺いたいんですけれども、いかがですか。

○長田経営室参事(契約担当) 先ほど御答弁させていただきましたように、この制度が活用される一つのポイントは、各品目につきましての登録事業者数がふえるということが一つのポイントだろうというふうに考えてございます。それとあわせまして、庁内の各分野への周知というものも工夫をさせていただいてございます。毎月登録の方針を私ども契約担当のところでしてございますが、この最新の登録状況を庁内LANを使いまして新着情報という形で掲載をして、最新の登録事業者の状況を周知をしているところでございます。この形によりまして、各分野における活用を促進してまいりたいと考えてございます。
 それから、こうした毎月の働きかけとあわせまして、実際の実務に当たります担当者への周知も図っていくことが必要かと考えてございますので、担当者への説明会を実施するなどして、発注の拡大に努めていきたいと考えてございます。

○長沢委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。


(2)公契約条例の制定について

 この二つ目に、公契約条例の制定について伺いたいと思います。
 根本的には、国が公契約の制度を確立する、このことが欠かせないというふうに思っております。先ほど総合評価方式の評価基準といいますか、評価項目のお話もさせていただきましたけれども、やはりこうした公契約がきちんと定まっていれば、あえてそういったところに入れなくても済むといいますか、実際はそういったことが確保される、労働条件、賃金、そういうふうにも理解をしているところであります。
 公契約とは、そもそも公共事業や公共サービスについて、発注する公的機関と受注する事業者との間で結ばれる契約のことでありますけれども、この公契約の中に、生活できる賃金など、人間らしく働くことのできる労働条件を確保する労働条項というんでしょうか、こうしたことを定めることが現在の日本の中で極めて必要になっている、このように私は認識をしているところであります。同時に、自治体での検討実施も現在行われつつあります。これまで函館方式が全国的には注目をされていたところでありますけれども、一昨年の国分寺市での基本指針に続いて、千葉県野田市は、全国初の公契約条例制定に向けて、この議会に条例案を提出いたしました。
 ちょっと紹介をさせていただきますが、目的として、国の制度を強く望むということに続いて、市として先導的にこの問題に取り組んでいるとして、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図るとしております。また、公契約の範囲を定め、労働者の最低賃金で毎年農水省と国交省が公共事業の積算に用いる労務単価や市職員の給与条例を勘案して決定をします。
 また、受注者の義務としては、この条例の適用を受ける労働者の適用範囲や、市長が定める最低賃金額を掲示して周知をさせる。そして、公契約の解除については、この最低賃金が守られない場合は、契約の解除で生じた損害額の賠償を求めることができる。また、事業者名を公表するということであります。契約受注者の責務として、下請事業者が最低賃金を下回った場合に、契約受注者が連帯して労働者に賃金を支払う、こうした義務を負うというものでございます。これは新聞にも載りましたが、極めて画期的なこうした条例が制定をされるとしているところであります。
 区としても、こうした公契約の条例、今るる述べましたけれども、こうした問題についてぜひ研究をしていただきたい、このように思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 私ども中野区としては、2007年に策定をいたしました中野区入札契約制度の改革基本方針に基づきまして改革を進めていく。そのことの到達点として、あるべき契約の姿が構築できるというふうに考えてございます。具体的には、先ほども御答弁の中で言及をさせていただきましたが、総合評価落札方式の評価基準、多様な社会性を考慮する、多様な評価項目等によって、その実が上がっていくというふうに考えてございます。社会状況の変化、他の自治体等の情報の把握については努めてまいりたいと考えてございます。

○長沢委員 特にさまざまな要件といいますか、今も評価項目のお話をされましたけれども、その点については私どもも評価もしているところもあります。ただ、同時に、今の不況下の中で、極めて深刻な事態になっていると、この辺については御認識もあるというふうに思っています。公契約の問題につきましては、先ほどこの項の冒頭に言わせていただきましたけれども、国がきちんと法律として確立をする、こういうことは欠かせないんだろうというふうには思っております。しかしながら、同時に元請と契約状況や雇用実態などを調べる必要性といいますか、こうしたことは今日ますます高くなっていくと、このように思っております。
 そこで、調査権ということにつきましては、こういうことは実際に自治体に付与されているものではありませんが、アンケート調査など、こういったもので実態把握そのものに努めていただきたいと、こういうふうに思っているんですが、その点はいかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 私どもは契約として考えますと、あくまで区と、それから契約の相手方の企業との関係ということを基本として考えていかなければならない。その関係の中で、良質な公共工事を実施するという観点から、物事としては発想して行動していかなければならないというふうに考えてございます。区では、受注工事の作業等につきましては、工事主管分野の担当職員が監督員として工事現場を監督し、現場での安全管理、工程管理等を的確に行い、適切な指導等も行っているところでございます。こういった状況を踏まえまして、区として改めて元請等、それから下請との関係などについてのアンケート調査を実施する考えは持ってございません。

○長沢委員 実態の把握ということでは、繰り返しになりますけれども、そういった把握は、ただ現実に中野区内においても、元請が請けまして区の契約をして、しかしながら、それが下請のところにきちんと賃金を支払わなかったと、こうした例も現実に受けております。そういったことを少なくともきちんと把握をしていく、そのこと自身は改めて必要になってきているのではないかと思っておりますが、もう一度御答弁いただけますか。

○長田経営室参事(契約担当) 先ほども答弁の中で、本来建設事業者が持っているべき責務、果たすべき責務については、別の観点からの対応が必要だということで御答弁を申し上げました。これにつきましては、国土交通省等も、業界の団体を通じまして必要な指導を行っているところでございます。私どもも下請の契約に関しましては、適正な対応、下請事業者の保護等を留意する必要があるというふうに考えてございます。この観点から、下請取引の適正化等についてのお願いという文書を受注業者に渡すということで、適正化についての行政的な指導は引き続き続けてまいりたいと考えております。

○長沢委員 行政指導、そういう形でお願いをしているということであります。そうしたお願いをしているもとでもあったということでありますので、今後もそういったところをきちんととらまえていただきたいというふうに思っています。
 最後の厚生労働省の労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(告示37号)につきましては、また別の機会に取り上げさせていただきたいと思っております。準備をしていただいた皆さんには、また改めてこのことを伺いたいと思っております。
 以上ですべての質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○いでい委員長 以上で長沢和彦委員の質疑を終了します。