【本会議・代表質問】
(2009年6月3日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 区長の政治姿勢について
    1. 経済雇用対策について
    2. 社会保障の充実について
    3. 「中野駅周辺」の大規模再開発について
    4. 核兵器廃絶の取り組みについて
    5. 新型インフルエンザ対策について
    6. その他
  2. 保育園の待機児解消について
  3. 「子どもの貧困」を克服することについて
    1. 次世代育成支援行動計画について
    2. ひとり親家庭への支援について
    3. 義務教育における私費負担の軽減について
    4. 高校生を持つ子育て世帯の負担軽減について
  4. 地域センターの再編について
  5. ゆきとどいた教育の実現について
    1. 新たな中野の教育に向けた検討について
    2. 少人数学級の実現について
  6. 西武新宿線連続立体交差化事業について
  7. その他

○議長(伊藤正信)  長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕
○30番(長沢和彦) 2009年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。

1 区長の政治姿勢について


(1)経済雇用対策について

 初めに、区長の政治姿勢についてお伺いをいたします。
 1番、経済雇用対策についてです。
 行政報告では、「経済危機への対応」の中で、「GDPが昨年末からことしにかけて2四半期連続で戦後最大の下げ幅を記録するなど、我が国が被った不況の痛手は昨年の当初に言われていた観測をはるかに上回っていたことが明らかになっている」と述べられました。何が日本経済を深刻な危機に陥らせたのか、その原因に国内産業の空洞化が投資と雇用を停滞させていること。自動車や電機などの主要な産業では、輸出比率が非常に高く、急速な海外需要の縮小により、大幅な生産縮小と設備投資の減少にあること。非正規労働者が35%に達する雇用の不安定化と所得水準の低下による消費需要の停滞が挙げられます。まさに日本経済の異常に急速な悪化は、政府が進めた「構造改革」の結果つくられた「外需頼み、内需ないがしろ」という経済のゆがみと脆弱さが一気に噴き出したものと言わざるを得ません。
 区長が「区民のへの暮らしへの影響も大きく、区内の企業業績や区民の収入、雇用状況も極めて憂慮される状況」とおっしゃったのはそのとおりです。これまで景気後退の歯どめ役をしてきたGDPの55%を占める個人消費の減少が続いています。この最大の原因は、昨年来の「派遣切り」をはじめとした「非正規切り」に見られるような雇用破壊、失業者の急増です。好況のときには安い賃金でこき使い、不況になれば、物のように使い捨てにする大企業の雇用のあり方が社会問題となりました。雇用破壊を許さない、失業者を支援する、人間らしい労働のルールをつくることが必要です。地方自治体での取り組みも重要です。国の「ふるさと雇用再生特別交付金」や「緊急雇用創出事業」の活用など、区においても一層の雇用創出を図るべきではありませんか。区長の見解を求めます。


(2)社会保障の充実について

 二つ目に、社会保障の充実についてです。
 行政報告の「中長期の戦略と10か年計画」のところで「しっかりとしたセーフティネットを形づくることが求められる」と述べ、社会保障制度の安定的な持続が危ぶまれている状況であると。さらに「国民全体が納得できる給付と、そのための受容できる負担の2点が十分に議論され、幅広い合意が形成されることが必要」との認識が示されました。
 ここで言う給付と負担のあり方ですが、負担の対象は国民だけなのでしょうか。企業の負担は全く問わないつもりですか。この10数年間続けられてきた大企業向けの減税策や法人税の実質引き下げはそのままというわけにはいかないでしょう。また、社会保険料など、社会保障における企業負担は、欧州諸国と比べてもあまりにも低過ぎます。社会保障における財源の課題は、お金の集め方と使い方という政治課題です。そのことを抜きにした議論では、行き詰まるのは当然です。また、国民の負担については、高額所得者の減税が連続的に行われ、貧困と格差が広がる中で、応能負担の原則はますます重要です。区長の見解を伺います。
 具体的な問題として、何点かお聞きします。
 一つは、24時間小児救急医療についてです。
 我が党議員団は、区内に24時間対応小児救急医療がなくなったもとで、区内病院での再開、特に東京警察病院に開設することを求めてきました。東京都も都立病院の医師の待遇改善や小児科医養成など、医師確保に取り組み始めたと聞いています。医師確保については、小児救急医療も充実させる方向です。ところが、区西部医療圏への配置は考えられていません。東京都に強く要望し、中野区内での24時間小児救急医療の実現に力を尽くすべきです。伺います。
 二つ目に、国民健康保険制度による資格証明書を発行しない取り組みについてです。
 今年度から、中学生以下の子どものいる滞納世帯に資格証明書は発行せず、無条件で短期証が交付されることになりました。また、厚生労働省は、5月3日、75歳以上を対象にした後期高齢者医療制度の保険料滞納者に交付する資格証明書について、原則として低所得や病気などで診療中の被保険者を対象から除外する方針を決めました。政府は、国民健康保険で子どものいない滞納世帯についても医療を受ける必要があり、支払いが困難であると申し出た場合は、短期証を交付する方針を決めています。
 そこで伺います。9月の一斉更新を控え、資格証明書の発行をしないよう努めることが要請されています。そのために、政府方針の周知徹底を図ることを求めます。また、区は保険料滞納者に弁明書の提出を求めていますが、保険料の即時の納付を条件とせず、申し出があれば、短期証の交付とすることを求めます。お答えください。
 三つ目に、高齢者の医療についてです。
 差別医療を持ち込んだ後期高齢者医療制度の廃止を目指すものです。同時に、実施されているもとでは、高齢者に負担を与えず、命と健康を守るために自治体行政が力を尽くすことを強く求め、質問します。
 健診の窓口負担無料化についてです。
 4月から特定検診や後期高齢者健診が実施されています。後期高齢者健診の健診項目が特定健診と同様になったことは、高齢者から喜ばれています。しかし、2年前には無料であった70歳以上の高齢者の健診自己負担は500円の有料のままです。75歳以上の後期高齢者健診は、やはり23区で中野区だけが無慈悲にもお金を払わせています。我が党議員団は、後期高齢者医療健診が実施される前から負担の無料化を求めてきました。それに対して区は、「みずからの健康づくりに意識を持ってもらう」と強弁しています。過去に、区民健診の有料化を実施したときと同じ理由を持ち出しました。しかし、この有料化は意識啓発ではなく、抑制策でしかありません。年金だけで暮らしている高齢者がいます。その年金給付も減らされているのです。無料にすべきではありませんか。伺います。
 75歳以上の医療の窓口負担は過酷です。東京の日の出町では、この4月から75歳以上の高齢者の窓口負担を無料にしました。後期高齢者医療制度の自己負担分を町が助成するものです。また、人間ドックを受診する場合も町が全額負担することにしています。
 かつて、革新都政時代に東京から始まった老人医療費無料化が全国の自治体に広がり、やがて国の制度となったことがありました。政府は、医療費の抑制策ばかり行ってきましたが、結果的に患者の重症化を招いて医療費を膨らませました。紹介した日の出町は、自己負担の助成だけでなく、健康づくりやコミュニティの推進を図り、高齢者が健康を維持しながら暮らすことを期待しています。医療費の増大もないとしています。国が医療費の削減を行い、窓口負担をふやしていることに対して傍観しているのでは、自治体の使命は果たせません。財政的にも行う体力のある東京都で高齢者医療の無料化や軽減に取り組む必要があると考えます。区長の認識を伺います。


(3)「中野駅周辺」の大規模再開発について

 3番目に、「中野駅周辺」の大規模再開発について伺います。
 警察大学校等跡地の開発についてです。
 5月22日に東京都の都市計画審議会で警察大学校跡地等地区計画の変更についての諮問・答申が行われました。この答申に先立つ4月14日には、中野区都市計画審議会で2名の学識経験者を含む4名が反対する中で承認されましたが、植栽の専門家と環境問題の専門家の学識経験者がそろって反対したのは異例の事態です。
 この都計審で我が党議員団は、一級建築士事務所に委託し、作成した警察大学校等跡地の建設予定建物別日影図によれば、これまで区が説明してきた「3時間以上、2時間以上に日陰が生じる」どころか、冬至の日の8時から16時の間、中央部の都市計画公園は5時間完全に日陰となり、約半分は6時間の日陰になることが明らかになりました。南側に高さ100メートル、東西方向140メートルもの巨大壁、周囲には50メートルから70メートルという高層ビルに囲まれたわずか1.5ヘクタールの公園は、日だまりの恋しい冬場にはほとんど日の差さない寒々とした公園となり、逆に夏場には風通しの悪い蒸し暑い公園に。このような公園は、区民の望んだ公園ではありません。
 学経の委員からは、「本来、公園、あるいは緑の環境は人にとっても快適でなければならないし、防災の観点からも重要な観点だ」とし、このような環境が「人間にとっても、生き物にとっても、あるいは植物にとっても難しい状況が予測される」との指摘があり、環境を保障するための手段として、建物の高さを下げて環境を緩和する手段はなかったのかとの質問がありました。これに対し、「建物の高さはガイドラインに則して進めてきた」と答えてきたものの、このガイドラインは景観からの検討で、環境面は今後の検討だと答えています。また、他の学経委員からも、「景観的に考えると、この万丈の超高層ということが本当にいいのか」といった指摘がありました。
 そこで伺います。このような公園が快適な公園と言えるのか。環境面での検討はどうするのか。何よりもビルの高さを規制し、巨大壁となるような建物形状の変更を求めるべきではないですか。あわせてお聞きします。
 区長は、行政報告の中で、「少なくとも今後二、三年間はかつてない規模での歳入減が続くことが懸念される」と財政の厳しさを述べています。今後、警大跡地だけでなく、中野駅周辺まちづくりや中野サンプラザと区役所の再整備など、明らかになっているだけでも約234億円もの多額の税金が投入される計画が予定されています。歳入確保が厳しいとしながら、これら大規模再開発を見直すこともなく進めるのでしょうか。そのツケは区民の暮らしや福祉を削ることになるのではたまりません。見解をお聞きします。
 全国で熱病に浮かされていたような「都市再生」「再開発」の暗転が起こっています。例えば、宇都宮市が2011年春のオープンを目指していたJR宇都宮駅東口の高層タワービル建設をめぐり、大手ゼネコン清水建設ら20社でつくるグループは、経済情勢の悪化等を理由に、市に同事業からの撤退を伝えました。しかし、市は計画を撤回せず、大型箱物に固執し、新たな道を模索していることが報じられています。
 「都市再生」をうたい文句に、数多くの開発事業が全国で展開されてきましたが、その多くが架空の需要のもとに演出されたことが明るみになりました。先行している警察大学校等跡地をはじめ、中野駅周辺の大規模再開発も区の期待どおりに進む保証はありません。
 今、警察大学校等跡地の開発計画をめぐって、中野区が防災公園の面積を当初計画の4ヘクタールから1.5ヘクタールに縮小したのは違法だとして、周辺住民が東京地裁に違法確認を求める訴訟を起こしました。突き進むのではなく、立ちどまって検討し直すべきときではありませんか。伺います。


(4)核兵器廃絶の取り組みについて

 4番目に、核兵器廃絶の取り組みについて伺います。
 核兵器をめぐっては、この間に二つの象徴的な出来事がありました。一つは、北朝鮮政府による核実験の強行です。「いかなる核実験または弾道ミサイルの発射もこれ以上実施しないこと」を要求した国連安保理決議1718や、北朝鮮が「一切の核兵器及び現在の核計画を放棄する」と合意した6カ国協議共同声明にも明確に違反する暴挙です。国際社会からの批判が相次ぎました。我が党は、北朝鮮の行動に対し厳しく抗議し、北朝鮮政府に対し、これ以上の核実験を厳に慎むこと、核兵器及び核兵器開発計画を放棄すること、無条件で6カ国協議に復帰することを強く求めました。区長が北朝鮮政府に抗議文を送付したことは評価するものです。
 もう一つは、核保有大国アメリカの変化です。4月5日にオバマ米大統領がプラハで行った演説の中で、「核兵器を使用したことのある唯一の核兵器保有国として、アメリカは行動する道義的責任がある。核のない平和で安全な世界を米国が追求していくことを明確に宣言する」と述べました。米大統領として核兵器廃絶を国家目標とすることを初めて明示しました。
 我が党の志位委員長は、オバマ大統領の演説について、「人類にとっても、私たち被爆国の国民にとっても、歴史的意義を持つものであり、心から歓迎する」と表明し、核兵器廃絶のための国際条約の締結を目指す国際交渉を開始するよう求めた同大統領への書簡を送りました。そして、5月の初めに米国政府から書簡に対する返書が届けられました。オバマ米大統領のプラハでの演説は、核兵器廃絶に向けた大きな言動であると思います。区長の認識を伺います。
 平和市長会議への加盟を改めて求めます。
 平和市長会議は、核兵器廃絶を掲げ、世界134カ国・地域の3,000近い自治体首長が加盟しています。3月には清瀬市が加盟し、お隣の新宿区が23区で初めて加盟したのに続いて、国分寺市も参加することを決めています。区長の決断を求めます。


(5)新型インフルエンザ対策について

 5番目に、新型インフルエンザ対策についてです。
 今回の新型インフルエンザは、「弱毒性で季節性インフルエンザと類似点が多い」と国は地域内での感染者の発生時も保育施設、学校などの休園・休校は自治体の裁量で判断すべきと決めました。当面、季節性インフルエンザと同様の対策が主となると見られますが、ウイルス変異やパンデミックの可能性も否定できません。区の検討状況をお聞きします。
 また、感染症のベッドは、この4年間で3,400床が減少となっています。都内の感染症指定医療機関は10病院92床しかなく、人口当たりでは全国平均よりはるかに少なくなっています。しかも、区西部医療圏では空白域となっています。区として感染症ベッドの確保に努めるべきではありませんか。伺います。
 保育施設などが休園したときの緊急時保育はどうなるのかも心配されています。板橋区が区立保育園数カ所で緊急時保育を実施することにし、保護者からの申し込みを受け付けました。豊島区、足立区、品川区、千代田区などでも実施を決めています。中野区では、医療に従事する保護者と子どもの緊急時保育をはじめとした対応を検討していると伺っていますが、具体的な検討状況をお聞かせください。
 5月に予定していた中学校2校の修学旅行が中止となりました。今回の措置は、教育委員会部局で検討を重ねての結果であると思っています。それでもやはり、3年生にしてみれば、中学校生活の最後の楽しい行事であり、3年間を通じても最も思い出深いのが修学旅行だと思います。台東区や板橋区では延期して実施することを決めました。中野区においても検討されているのであれば、お聞かせください。

2 保育園の待機児解消について

 次に、保育園の待機児解消について伺います。
 景気の悪化が進む中、共働きをせざるを得ない家庭がふえ、認可保育所の待機児が急増し、大きな社会問題になっています。中野区の4月1日時点の保育園待機児は、旧定義で327人、新定義で190人もいます。中野区は10か年計画で、当初、今年度中に待機児をゼロにとの目標を示していました。あまりの見込み違いではありませんか。2005年度から認可保育園の定員は減少しています。今年度の定員数は3,144人です。4月の時点でこの待機児数ですから、今後深刻な状況になることは間違いありません。区は、これまでの議会答弁で「認可保育園の増設は考えていない」と述べましたが、今年度だけの問題ととらえているのでは困ります。また、保育需要を人口動態でしか見ていないことも誤りです。しかも、保育需要は、認証保育所の誘致や認可保育園での定員増、家庭福祉員の増員で解消できるとしか考えていないようです。今日の社会経済状況から、保育需要は今後もふえ続けることをきちんと見ることが必要です。また、保護者が求めているのは認可保育園であることも明らかです。区の考えでは、待機児の減少にはなっても解消は図れません。保育の実施責任は中野区にあります。どうされるおつもりか、伺います。
 東京都の福祉保健局は、6月1日に「安心こども基金」と「都独自の支援策による保育所等の緊急整備について」を出し、今年度の整備目標を1.5倍に引き上げるとしています。これらの支援策により、事業者と区の負担を軽減し、保育サービスの整備を図ることにしています。こうした支援策を積極的に活用すべきではありませんか。我が党議員団は、4月10日に区長に対し、「保育所待機児解消の対策を求める申し入れ」を行いました。その中でも触れたことですが、昨年度まで区立桃が丘保育園が使用していた桃丘小学校の空き教室は、そのまますぐにでも活用できるのではありませんか。また、区長と議長あてに旧高根保育園跡地、現在高根公園となっていますが、その跡地に認可保育園の設置を求める要望書が提出されています。検討するべきではありませんか。伺います。
 区は、定員の弾力化を口にします。しかし、子どもが安全に、安心して保育園生活を送る上で問題です。全国社会福祉協議会が先ごろ行った研究結果でも「現在の最低基準は、食事をとるところと寝るところの分離など、さまざまな課題がある。したがって、検討を行う場合は、少なくとも現行の最低基準以上のものとなる方向で行うことが重要である」としています。施設整備基準が制定以来60年を経過した今も改正されていないことがいかに保育の充実に背を向け、国際的に見てもおくれているかは明白であることを指摘しておきます。

3 「子どもの貧困」を克服することについて


(1)次世代育成支援行動計画について

 次に、「子どもの貧困」を克服することについて伺います。
 最初に、次世代育成支援行動計画についてです。
 国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩氏によれば、我が国の子どもの貧困率は1990年代から上昇し、2004年には14.7%に。7人に1人が貧困です。また、貧困は子どもに健康面でも、学習形成の面においても不利をもたらすという事実が指摘されています。さらに日本は、税と社会保障によって子どもの貧困を減らすのではなく、逆にふやしています。所得再分配が機能せず、OECD諸国で日本は唯一子どもの貧困率を上昇させている国です。低所得者層の税負担が重く、支給される給付が少な過ぎるからです。そして、子どもは大人以上に手厚く守られなければなりません。子どもは親を選べませんし、親の貧困や病気は子どものせいではありません。最も自己責任論が通用しない世界がここにあります。どんな環境に生まれようとも、すべての子どもに当たり前の医療や環境、教育を与えよう。この見地が大切です。改定中の次世代育成支援行動計画(後期計画)に「子どもの貧困」克服を重要な柱として位置付けることを求めます。お答えください。


(2)ひとり親家庭への支援について

 二つ目に、ひとり親家庭への支援について伺います。
 母子・父子家庭という配偶者のいない「ひとり親家庭」がふえています。生活保護を受けている母子家庭への母子加算が2005年度から段階的に減らされ、ことし4月に全廃されました。全国で対象の世帯数は10万500世帯。中野区では101世帯が対象となりました。かわりに支給するとしている「就労支援費」では、病気・障害や育児で働けない世帯には支援がありません。その世帯数は全国で約3万世帯。中野区では21世帯の方々が支援から外されています。最も生活が困難になる人に一番厳しい仕打ちです。母子加算は、「低所得母子世帯の水準と比べ、生活保護のほうが高い」との理由で廃止されましたが、貧困な状態にある母子世帯の底上げこそ必要です。子どもの貧困化、貧困の継承を断ち切ることが社会的課題となっているとき、廃止はそれに逆行します。国の補正予算の議論の中で、与党からも「母子加算をもとに戻すべきではないか」との声が上がりました。廃止撤回を求めることを要望します。
 父子家庭も緊急に支援する必要があります。児童扶養手当法では、父子家庭は収入にかかわらず、支給対象から除外されています。厚生労働省が見直しをやらない根拠にしていたのは、全国母子世帯等調査です。父子家庭の平均年収は421万円で、母子家庭の213万円を上回っています。ところが、年収300万円未満の父子家庭が37.2%も占めています。一部の世帯を除けば、父子家庭の支援も切実さは変わりありません。区内の父子家庭は264世帯です。父子家庭の経済状況が厳しくなっていることは、厚生労働省自身の調査からも明らかです。今年になって政府も国会で「取り扱うべき問題になってきた」と答弁しています。児童扶養手当法の改正をはじめ、新たな対策を拡充することが求められます。
 また、自治体独自の支給が広がっていることも重要です。23区内でも港区が昨年度から実施しました。中野区においても実施の検討を求めます。お答えください。


(3)義務教育における私費負担の軽減について

 3番目に、義務教育における私費負担の軽減についてです。
 義務教育における保護者の負担(私費負担)も、低所得の保護者にはつらいものです。本来、義務教育は無償の原則。義務教育に必要な費用は、教科書以外も基本的に無償にすべきものです。少なくともその負担を極力減らしていくことが要請されています。教材費や修学旅行費、給食費など、学校教育にかかわるこれらは受益者負担とされ、保護者の私費負担となっています。しかし、ほとんどは学校教育として集団的に行っているもので、個人の判断で取捨選択できるものではありません。経済状況が厳しいもとで、私費負担の軽減が必要ではありませんか。検討することを求めます。


(4)高校生を持つ子育て世帯の負担軽減について

 4番目に、高校生を持つ子育て世帯の負担軽減についてです。
 都立高校の授業料減免の生徒が急増し、1999年度は全日制の都立高校生のうち、減免を受けているのは4.5%だったのが、2006年度は13.3%と3倍近くに増加しています。「高校に入るために保護者が借金をせざるを得ない」、「経済的な問題で修学旅行に参加できない」、「学費を稼ぐために夜中までアルバイトをしている」、「学費を払えずにやめざるを得ない」状況も出ています。
 私立高校では、経済的な理由で中退した生徒の割合が2年連続で高い状態にあります。国民生活金融公庫総合研究所の教育負担の実態調査によると、学校に通うために必要な費用は、国公立高校が年間50万8,000円、私立高校が90万8,000円であり、低所得者ほど家計にとって重い負担となっています。
 高校教育は、日本社会において最低限度の教育になりつつあります。高校の準義務教育化、授業料の無料化の声が広がっています。学費を払えずに高校卒業・入学ができない若者を一人も出さない取り組みが必要です。
 そこで伺います。高校奨学金を無保証人・無利子・返済猶予つきにすることを東京都に求めてください。さらに、大きな困難を抱える生徒のための返済不要の「給付制奨学金制度」の創設も必要です。不安定雇用や低賃金が増加している現在、借りても将来の返済の展望が持てないため、受けたくても受けられない状況が広がっています。京都府や千葉市、川崎市、横浜市、大阪市、神戸市などでは既に実施しています。東京都でも実施することを要望してください。伺います。

4 地域センターの再編について

 次に、地域センターの再編について伺います。
 4月の区民委員会に、地域センターの(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編方針(案)が示されました。再編方針(案)についてお聞きします。
 昨日まで、再編方針(案)について各地域センターで説明会が開かれました。再編方針については、地域活動の支援機能を住民みずからの意思と力によって運営・活用される15カ所の(仮称)区民活動センターを開設し、地域自治を推進していくとしています。4月に出された再編方針(案)では、(仮称)区民活動センターの業務運営を一括で運営委員会に委託するとしていた方針を変更し、施設の維持管理と集会室等の提供に関する業務は区が実施するとしました。しかし、その業務はシルバー人材センターなど民間の団体に委託するというものです。新たな再編方針(案)の大きな変更点は、転換した(仮称)区民活動センターの委託方法と、もう一つは、職員配置を示さなかったことです。ところが、区民説明会では、民間団体に委託する業務も運営委員会が受託してもよいとし、区とのパイプ役の職員を複数配置するとも言っています。
 そもそも10か年計画によって検討が始まって以来、何度となく方針が修正・変更され、そのたびに議会も町連も振り回されてきました。今回示された再編方針(案)は、3月までの検討を基本にしながら、運営委員会の選択肢を広げたとまで述べていますが、4月の区民委員会ではそのような説明をしていません。議会に報告のなかったことが地域説明会で示されるのはなぜですか、伺います。
 再編方針(案)は、これまで地域センターで総合的、一体的に行っていた業務運営をばらばらにしてしまうものです。区は、職員を引き上げてしまい、地域の実情を知らずにどうやって調整を図り、運営委員会を支えることができるのですか。地域自治の推進と言いながら、これでは自治の形骸化であり、公的責任の後退です。運営委員会がスタッフに再委託するようでは、一層区の責任は弱まらざるを得ません。こうした指摘もあってか、職員を配置するに至ったと推測できます。
 地域防災の面でも不安が残ります。地域防災は区の責任で行うとしていますが、地域のことや住民との交流がないのに、地域防災機能が発揮できるのでしょうか。依然として運営委員会の担い手となる町会・自治会の役員からは、区の責任のあいまいさが指摘されています。「区の下請けか」といった声もあります。地域自治は、住民と職員の協働でこそ発展させることができます。見解を伺います。
 行政サービスの提供、窓口サービス機能の再編として、5カ所の(仮称)地域事務所を開設するとし、住民票や印鑑証明、税証明などの自動交付機による発行や、住民税、国民健康保険料のコンビニ等の活用による納付など、より身近な地域できめ細かく行政サービスを提供すると言います。また区は、「区民にできるだけ不便をかけないようにしたい」と説明し、「区民サービスは拡充されこそ後退ではない」とまで言っていました。しかし、地域センターは単なる申請や発行、支払い、行政サービスの受け付けや案内を行う窓口ではありません。地域住民の意見や苦情、提案などを受けとめる場でもあるわけです。しかも、一方通行ではなく、住民と職員による双方向により、暮らしと自治を支えてきたと言えます。まさしく地域自治の拠点として存在しているのです。そうした地域における身近な窓口が減ることになります。
 また、自動交付機の使用にとまどう高齢者や、コンビニ等での納付を避ける区民もいるでしょう。集約された(仮称)地域事務所と、それ以外の地域で受けられる行政サービスの内容に格差が生じてはなりません。また、個人情報の保護、交通不便地域からの移動、高齢化による生活圏域のありようにも影響します。説明を受けた区民から「結局職員を減らすための計画だ」との声が出ているように、再編方針(案)は住民生活に寄り添ったとは言い難いものです。示された再編方針(案)は再考すべきです。お答えください。

5 ゆきとどいた教育の実現について


(1)新たな中野の教育に向けた検討について

 次に、ゆきとどいた教育の実現について伺います。
 初めに、新たな中野の教育に向けた検討についてです。
 行政報告で「今後の教育のあり方」として教育について述べられています。いじめ、校内暴力、学力のゆがみなど、日本の教育は大きな問題を抱えています。この間、政府、文部科学省は詰め込みと系統性のない学習を実態とする「ゆとり教育」や数値目標化など、道理のない教育改革を押しつけ、子どもの成長・発達を阻害するような「競争と管理」の政策を強めてきました。その結果、今、子どもたちや学校現場がどういった状況なのか。競争に追い立てられ、一人ひとりが大事にされていません。学習指導要領と競争とえり分けの教育政策が意図的に学力格差を拡大し、それが低学力の子どもを急増させています。行政報告を伺っていると、そうした問題には触れず、一層極度の競争をあおるようにも聞こえます。競争と詰め込みでは、本当の学力は生まれません。既に国連・子どもの権利委員会から日本政府に、日本の教育制度に対して、あまりにも競争的なため、適切な措置をとるよう勧告されていたではありませんか。どの子も伸びる、どの子もわかる教育を進める、そのために政治・行政の責任で行うことは、教育条件の整備ではありませんか。そうした姿勢はないのですか。伺います。
 新たな中野の教育に向けた検討では、「検討会議」を設置するとしています。ここでは、区民公募は考えていないようですが、区民参加を保障するためにも行うべきではなかったでしょうか。意見交換会やパブリックコメントだけが区民参加であるかのような姿勢ですが、それは違います。自治基本条例について、あまりにも狭く解釈しています。目的に照らして適正に運用すべきです。また、教育行政参加条例の遵守も欠かせません。実質的な区民参加と子どもや現場の声をきちんと受けとめる姿勢が必要ではないでしょうか。そうでなければ、課題の整理と解決と言いながら、問題と矛盾を広げ、望まれる学校教育に縁遠いものになると危惧します。見解を伺います。


(2)少人数学級の実現について

 二つ目に、少人数学級の実現についてです。
 東京都以外のすべての道府県で公立小学校の少人数学級が実施されて3年が経過しています。多くの都民、区民が、どの子も大切にする教育をと願っています。東京都も中野区も、児童・生徒が集団の中で互いに切磋琢磨し、社会的適応能力をはぐくむため、学級には一定の規模が必要であるとの考えを示し、基礎学力の向上に配慮し、指導を行っていくためには、教科の特性に応じた多様な集団を編成できる少人数指導が有効との見解を示しています。
 しかし、全国では少人数学級が評価されてどんどん広がっている。今や40人学級が妥当などと言っているのは東京都だけです。日本共産党東京都議団がことし行った調査で、少人数学級について各県で共通しているのは、生活面でも学習面でも効果があると分析していることがわかりました。例えば、山形県や大阪府では、欠席日数が減ってきたことが報告されています。大阪府では、小学校1年生の1学期、実施前の2003年度と比べると、延べ欠席数は1万人減少しました。きめ細かな対応をすることができて、子どもたちの安心感が増して、休まずに元気に学校に通うことができたということです。学習面でも、全体の8割の学校で到達率が上昇しました。また、兵庫県では、少人数学級により活気が乏しくなったり、競争心が弱くなる傾向が見られるかといったアンケートを行っています。「いわゆる切磋琢磨が弱くなるか」という質問に「そう思わない」が8割、「どちらかといえば思わない」を合わせれば97%です。「子ども同士の幅広い仲間づくりが難しいか」の質問には、「そう思わない」「どちらかといえば思わない」を合わせて98%です。さきの言い分は、全国の実践によって否定されました。東京都だけが取り残された少人数学級です。実現を東京都に要望すべきではありませんか。伺います。
 中野区独自の取り組みを進めることも必要です。足立区では、今年度から小学1年生を対象に、35人を超える場合、学年に対して副担任を導入しました。副担任は、35人以上の学級が生じた場合は1名を配置、3学級以上生じた場合は2名配置され、担任とともに学習指導、生活指導、給食指導も行い、校外学習にも同行します。この結果、学習において全教科で少人数指導も可能となり、少人数学級に近い効果を生むとされています。新たな中野の教育に向けた検討を行うのであれば、きちんと検討事項で取り上げて、早急に検討を開始すべきです。伺います。

 6 西武新宿線連続立体交差化事業について

 次に、西武新宿線連続立体交差化事業について伺います。
 昨年の第1回定例会で質問しましたが、改めて伺います。
 新規着工準備区間となった中井駅から野方駅間については、現在、東京都において構造形式や施工方法の検討が行われていると聞いています。西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟の目的は地下化であり、区民はそれを望んでいます。東京都に求めるべきとの質問に区は、「地下化が望ましいと考えている」と述べ、今年度に「都の調査・検討の中で方向性が決まっていく」とのお答えでした。この機を逃さず、東京都に中野区と区民の意志をきちんと伝えるべきではありませんか。伺います。
 5月25日に「野方のまちの未来を描こう会」全体会が野方地域センターにて開かれ、参加をさせていただきました。そこで、西武新宿線沿線まちづくり計画のもとになる議論が行われていました。それぞれ4カ所で行ってきたまちづくり勉強会での意見がまちづくり計画に生かされることが望まれていますし、当然それにとどまらず、今後より多くの住民の意見を聞くことになると思います。進め方としては、専ら行政側の課題の提起や解決のあり方の議論に終始せず、住民が意見を出しやすくする工夫と、何よりも住民合意を大事にすることが欠かせません。それだけに、多くの住民参加を促し、意見交換の場も繰り返し行っていくことが必要と考えます。見解を伺います。
 以上で、私のすべての質問は終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えをいたします。
 経済雇用対策についての御質問であります。一層の雇用創出を図るべきではないのかという御質問でありました。
 区では、この間、緊急経済・雇用対策事業として、公共事業の前倒しなどによりまして地域の経済対策と雇用創出のための積極的な取り組みをしてきたところであります。これによる経済波及効果や雇用創出の効果について、一定の期待が持てると考えているところであります。今回、政府が打ち出しております第2弾の緊急経済対策についても、前回同様着実に実施をするための準備を進めていきたいと考えているところです。
 また、行政報告の中で、国民の給付と負担の議論を進めるべきだという内容につきましての御質問がありました。
 企業と国民とを何か分けて議論されているようでありましたけれども、企業の収入というものも国民が働いて稼ぎ出しているものであります。企業の負担も国民の負担の一部ということで、当然、企業の負担も今後負担と給付の議論をしていく中では一緒に考えていくべきだと考えております。企業の負担がふえれば、従業員に対する分配が減るという影響もあるかもわかりませんし、また、新たな投資の意欲を削ぐといったようなこともあるかもわかりません。さまざまな要素を勘案しながら負担と給付の関係、また経済の持続性、成長性といったようなことを考えていく必要があると、このように認識をしております。
 24時間の小児救急医療についての御質問がありました。
 中野区では、小児初期救急医療として、午後7時から10時まで医師会の協力のもと、中野総合病院で小児初期救急医療を実施しています。区西部保健医療圏、新宿区、中野区、杉並区ですけれども、この小児二次救急施設として、ことしの4月からこれまでの4病院、東京女子医大病院、東京医科大学病院、慶応大学病院、国立国際医療センターに加えて、隣接している杉並区の河北総合病院が指定され、従来にも増して充実した小児救急医療体制が整備されたところであります。子どもの夜間の病気に救急受診が必要な状態かどうかについては、保護者への啓発が必要であると考えておりまして、新生児訪問の際に、子どもの病気に関する冊子や区内医療機関の案内などを配付して24時間の電話相談を紹介するなど、適切な受診をしていただけるよう努めているところであります。
 保険証の一斉更新に関連しての御質問でありました。
 9月の保険証一斉更新に当たっては、資格証明書を発行しないことを求めるということでありました。資格証明書を発行している世帯の中学生以下の子どもに対しましては、本年3月に短期証を送付いたしました。資格証明書を発行する場合は、医療費の一時払いが困難であるときは相談するように周知をし、必要な場合は短期証の発行という対応をしていくわけであります。保険料の滞納の解消を図るためには、短期証や資格証明書を活用していくということであります。
 それから、滞納者に対して資格証明書を発行するに当たり、申し込みがあれば短期証を発行するべきだという御質問がありました。
 保険証の即時交付でなくても、分割納付の約束とその履行の確認、これができれば短期証での対応を行っているところであります。
 長寿健診の自己負担の無料化についての御質問もありました。
 長寿健診の自己負担につきましては、社会全体でこの制度を支える、負担の公平を図るという意味からも、一定の負担をお願いしているところであります。金額についても妥当なものと考えており、無料にする考えはありません。
 それから、後期高齢者の医療制度に関連して、高齢者医療の無料化や軽減に取り組む必要があるのではないかという御質問であります。
 後期高齢者医療制度創設の基本的な考え方の一つは、高齢者世代と現役世代がそれぞれ負担するという制度にするというものであります。医療費の負担については、法によって高齢者の所得に応じた負担割合等が定められているところです。高齢者にも応分の負担をしてもらうということが法の基本理念でありまして、東京都が無料化を行うという判断は妥当ではないと、このように考えております。
 警察大学校跡地の公園についての御質問もありました。
 公園を含めて、警察大学校等跡地の中心部に整備されるオープンスペースは、駅至近に生み出される3ヘクタールを超える空間であります。建物やその外部空間と一体となった魅力やにぎわいをつくり出すことによって、利用者を引きつける快適な空間としていきたいと考えております。建物の高さ等、現在事業者から示されている基本計画は、地区計画による高さ規制やまちづくりガイドライン等のルールに沿ったものでありまして、新たな規制を行うという考えはありません。
 それから、中野駅周辺のまちづくりなどの見直しについて、立ちどまって検討し直すべきではないかという御質問でありました。
 サンプラザ地区を含めて、中野駅周辺一体のまちづくりは、警察大学校等跡地のまちづくりを契機として新たなにぎわいをつくり出していくこと、また、その経済活動を区内全域に波及させ、中野の地域経済とまちの活性化を牽引していくことを目的としているものであります。かなり長期間に及ぶものでもありますが、中野区の将来の活性化、そしてそのことによって支えられる区民の暮らしや教育、福祉など、これからの中野区を築いていく上で大切なことであると、このように考えております。経済状況なども見きわめながら、また、都や国の特定財源の確保にも努め、まちづくりの時機を逸することがないように、長期にわたる大規模な事業を着実に進めていきたいと考えております。
 オバマアメリカ大統領がプラハで行った演説の中で述べられたことについての認識を問いたいという御質問でありました。
 今回のオバマ大統領の演説について感じるところもありますけれども、一国の指導者のこの発言の背景にはさまざまな要素があり、政治的に多様な意図が総合されたものと考えております。自治体の首長が賛意や反対を述べるような立場にあるとは考えておりません。
 それから、平和市長会議への加盟についてという御質問であります。
 これまでにも申し上げてきたとおり、平和市長会議については、参加して行動するに際して、数多くの海外自治体の意思をどのように確認するのか。また、区の発言がその決定過程でどのように取り扱われるのかなど、区民の総意としての意思を託すには不明な点が多く、加盟することは考えておりません。
 それから、新型インフルエンザ対策に関連しての御質問がありました。
 新型インフルエンザ、今回のものは弱毒性で季節性のものと類似点が多いとされているということで、地域の実情に応じて柔軟に対応していくというふうになっているところですが、ウイルス変異の可能性やパンデミックの可能性も残る。そうした中で、どのような対策を検討しているのかという御質問でありました。
 区民の健康を守るという視点から、迅速な対応によって新型インフルエンザの感染拡大を防ぐことが対策の基本であります。海外におきます新型インフルエンザ発生状況を受けて、区は、4月27日に健康危機管理対策本部を立ち上げ、状況に応じて適正に対応してきたものであります。区としての対策は、区民に対する適切な情報提供や区内での感染拡大を防ぐための発熱相談と検査体制との連携、マスク等の備蓄の確保、感染拡大防止のための民間施設を含めた学校や保育園等の運営方針などについて対応してきているところです。今後も推移を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えているところです。
 感染症病床の確保についての御質問もありました。
 感染症病床に関しては、都内全域を対象に東京都が整備する位置付けとなっているところです。新型インフルエンザ対応としては、都内の感染症指定医療機関がまず対応し、さらに不足する場合を想定し、入院を受け入れる協力医療機関を東京都が調整して確保を進めております。区としては、区内医療機関の実情を踏まえて東京都と連携し、区内医療機関に対して協力を求めてまいります。
 それから、新型インフルエンザの対策と保育園での緊急時対応についての御質問がありました。中野区でも必要とする世帯が多いので、対応を検討するべきだという御質問であります。
 新型インフルエンザの感染拡大防止のために保育施設の臨時休業を行うことからすれば、緊急時の保育については、限定的にかつ感染防止に十分留意して対応する必要があります。医療関係業務に従事する保護者等で、どうしても保育サービスの利用が必要となる場合に限り、各保育園で少人数の保育を実施するという基本的な方針を健康危機管理対策本部会議で確認をしているところであります。
 それから、保育園の待機児解消についての御質問がありました。認可保育園の増設による待機児解消対策をという趣旨であります。
 待機児解消対策は、区立保育園の民営化による認可保育園の定員増や認証保育所の開設誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて行ってきております。今後も総合的に対策を進めてまいります。
 東中野保育園跡地施設を活用した私立保育園の分園の開設、南台2丁目への認証保育所の開設、それから保育室の認証保育所への移行、新井保育園跡への私立保育園の開園、区立やよい幼稚園跡の認定子ども園に認可保育園としての受け入れがある。こうしたことなどから、来年4月には待機児童数の大幅な解消が図れるものと考えております。
 それから、教育のあり方についての御質問もありました。私のほうからは、行政報告の中での私の述べたことについての御質問についてお答えをさせていただきます。
 今、教育現場で子どもたちが競争に追い立てられているといったような御認識だったようですが、私はそのような認識は持っておりません。子どもたちが将来たくましく生きていくためにも、確かな学力と健康な体、豊かな心を身につけることは重要であります。学力という面では、基礎をだれもが着実に身につけるということが必要です。そのためのきめ細やかな配慮を行っているところであります。さらに、学びをより自主的、積極的なものにするためには、適切な競争性ということも教育効果を高める上で重要であります。ゆとり教育と言われる状況の中で、日本の子どもの学力が総体的に低下したと言われることについては、学習内容の構成の問題もあると思いますし、よい意味での競争すら封じるかのような現場の風潮があったように思うと私は考えているところであります。
 私からは以上です。そのほか、それぞれ担当からお答えをいたします。

〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 新型インフルエンザ対策につきましての中で、修学旅行についての質問にお答えいたします。
 5月下旬に実施予定でございました二つの中学校につきましては、新型インフルエンザの感染拡大に伴い、修学旅行を中止したところでございます。最近では、臨時休校となっておりました近畿地方の学校も再開されるなど、発生状況も収まりつつあることから、6月以降の修学旅行につきましては実施する方向であります。
 また、修学旅行を中止した2校につきましても、改めて実施する方向で検討しているところでございます。
 それから、子どもの貧困を克服することについてという項の中の義務教育におけます私費負担の軽減についてお答えいたします。
 教材費や給食費など、児童・生徒に直接還元される性質の経費は保護者負担となっておりますけれども、経済的に厳しい状況の御家庭には就学援助、就学奨励など、その個別事業に基づきまして必要な対応を図っているところでございます。区といたしましては、所得状況にかかわらず、一律に私費負担を軽減するというようなことは考えておりません。
 それから、ゆきとどいた教育の実現についてという項の中で、検討会議への区民公募ということをしないのかということでございます。
 (仮称)新たな中野の教育に向けた検討会議は、教育をめぐる諸課題のうち、学力向上の取り組みの推進、それから中野区における連携教育、学校と地域の連携、特別支援教育の充実等、早期に検討が必要な課題について検討を行うために設置するものでございまして、学識経験者、学校、PTA、青少年育成団体など関係者に委嘱し、設置するものでございます。この検討会議におきまして学校や子どもの状況などを踏まえた検討が行っていただけると考えておりますけれども、その検討の過程では、区民からの意見を聞く機会を設けていきたいと考えております。
 それから、少人数学級につきまして都への要望をしたらどうか。それから、先ほどの検討会議への議題にしたらどうかという御質問がございました。
 教科によりましては、一定規模の学習集団が効果的なものもございまして、少人数学級よりも少人数指導の充実に区としては取り組むことは重要であるというふうに考えております。したがいまして、中野区として東京都に少人数学級の実現を要望する考えはありません。同様に(仮称)新たな中野の教育検討会議の検討事項としても考えておりません。

〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕
○子ども家庭部長(竹内沖司) 私からは、子どもの貧困を克服することについてのうち、幾つかの御質問にお答えをいたします。
 まず、次世代育成支援行動計画の中で位置付けることについてでございますけれども、区ではこれまで、ゼロ歳から中学生までのお子さんを対象とした乳幼児医療費や子ども医療費の自己負担分助成による無料化や適切な義務教育環境の整備などに努めてきたところであり、次世代育成支援行動計画に策定に当たっても、これまでの取り組み姿勢は変わらないところでございます。
 次に、父子家庭を児童扶養手当の支給対象とすることについてでございますけれども、父子家庭への支援として、現在区では、都制度である児童育成手当の支給、ひとり親家庭等医療費助成などの医療費助成、ひとり親家庭対象のショートステイ事業、それからホームヘルプサービスなどを実施しているところでございます。父子家庭に対するこれらさまざまな取り組みや、そこでの父子家庭の実態などから勘案して、直ちに独自に手当を支給する考えはございません。
 次に、高校生の奨学金についてのお尋ねでございます。
 高校生を持つ子育て世帯が経済的に厳しい状況に置かれる場合もあることは認識しております。しかし、都が実施している東京都育英資金貸付事業などで対応しており、返還不要な奨学金制度などについて要望することは考えてございません。

〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 子どもの貧困を克服することについての質問のうち、母子加算の撤回の要望についてお答えいたします。
 生活保護における母子加算の廃止は、母子世帯の消費支出の状況や生活保護を受ける世帯と一般世帯との所得の均衡について検証を行った結果、母子世帯という世帯累計に着目した加算は必ずしも必要ないものと判断され、就労支援策を講じつつ、廃止の見直しがなされたものでございます。区から国に対して撤回を求める考えは持っておりません。

〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 私のほうから、地域センターの再編についての幾つかの御質問にお答えさせていただきます。
 まず、今回の再編方針(案)について意見交換会での区の説明についてというお尋ねでございます。
 今回の地域センターの(仮称)区民活動センターと(仮称)地域事務所への再編方針(案)の考え方は、基本的にはこれまで議会への御説明させていただいたものと変わるものではございません。ただ、行政報告の中でも触れさせていただきましたが、地域の実情に応じて運営委員会が運営の方法を選択できる、そのように運営の方法の幅を広げたものでございます。このことについて今回、議会をはじめ運営委員会の世話人会、また、区民との意見交換会でも御説明をさせていただいているところです。
 パイプ役職員の配置について示さなかったということでございますが、区の支援体制の図のところでは、さまざまな運営委員会による運営が円滑に行われるまで配置する考えであるということをお伝えしているところでございます。地域によって、初めて区民の方がこの案について知るわけになったわけでございますので、いろいろな質疑をいただきました。その中で、いろいろお答えする中での回答ということで、そのお答えするスタンスは、これまで説明してきたものと変わっているものではないというふうに考えてございます。
 2番目に、(仮称)区民活動センターの運営の考え方についてでございますけれども、区は、今申し上げたとおり、運営委員会の運営が円滑に行われるようになるまで(仮称)区民活動センターには地域と行政のパイプ役としての職員を配置する。それと同時に、本庁に地域担当副参事、また、担当の職員を配置して日常的に地域の実情を把握して情報交換を行い、また、必要な支援が密に行えるような体制を整える考えでございます。
 また、災害時、地域防災体制の拠点、それから地域本部の開設などについては、これまでどおり職員が責任を持って行う体制をしっかり整えてまいりたいと考えております。
 もう1点、再編の中での(仮称)地域事務所も含めた再編方針(案)の再考をすべきだというふうな御質問でございました。
 今回、この(仮称)地域事務所など行政サービスの再編強化案、これについてもこれまで地域センターで行っている行政サービスの取り扱い量とか、それから提供の方法、こういったものを精査、工夫することで区民の皆さんの利便性を高めていきたい。これをねらいとしているものでございます。具体的には、時間延長でありますとか、土曜、日曜、こういったときも利用できるように、諸証明の発行については自動交付機を設置し、また、住民税についてはコンビニエンスストアなどを活用して、いつでもより身近なところで収納できるようにする、そのように考えているものでございます。あわせて、地域自治を発展させるためには、地域住民の組織した運営委員会が主体となって地域の実情に沿った運営を柔軟に行うことが必要不可欠と考えておりますので、地域センターの(仮称)区民活動センターと、それから(仮称)地域事務所への転換、これについての考えを変更することは考えておりません。

〔まちづくり推進室長川崎亨登壇〕
○まちづくり推進室長(川崎亨) 西武新宿線連続立体交差事業に関する御質問にお答えをいたします。
 初めに、区の意思を東京都に伝えるべきとの御質問でございました。中野区といたしましては、西武新宿線踏切渋滞解消促進期成同盟における要望活動をはじめ、さまざまな場所で東京都に限らず、国に対しても連続立体交差事業の早期実現と地下化についての働きかけを行っているところでございます。昨年、第1回定例会後の4月18日にも期成同盟の大会を開き、都や国に対し要望を行ったところでございます。今後とも東京都や国に対し、必要な働きかけを行っていく考えでございます。
 次に、住民参加についてでございます。
 西武新宿線沿線のまちづくりにつきましては、地域の住民の皆様を中心としたまちづくり勉強会などで実りある議論が重ねられてきているところでございます。こうした成果を踏まえて、区として西武新宿線沿線まちづくり計画の素案をこのほど取りまとめており、今定例会の委員会で報告する予定でございます。これまでのまちづくりの議論を幅広く多くの皆様に共有をしていただき、区民全体の総意となる計画を策定していくことが重要であると考えております。計画素案につきまして、多くの皆さんの御意見を伺うため意見交換会を行い、計画策定に反映していくことを予定しているところでございます。

○議長(伊藤正信) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。