【本会議・代表質問】
(2008年9月24日)

中野区議会議員 来住和行

  1. 区長の政治姿勢と2007年度決算について
  2. 「区立小中学校再編計画」を中止し再検討することについて
  3. 認可保育所を増設し待機児をなくすことについて
  4. 環6(山手通り)の環境問題について
  5. その他

○議長(市川みのる) 来住和行議員。

〔来住和行議員登壇〕
○41番(来住和行) 2008年第3回定例会本会議に当たり、日本共産党議員団を代表して質問します。

1 区長の政治姿勢と2007年度決算について

 まず、区長の政治姿勢と07年度決算に関連し、後期高齢者医療制度を廃止することなど、6項目を柱にお聞きします。
 昨年8月のサブプライムローン破綻をもとに発生した金融混乱は、ついにアメリカ大手証券会社リーマン・ブラザーズが破綻する事態となり、混乱はさらに大きく深刻なものとなっています。投機マネーによる物価高騰は、生活危機、食糧危機、資源危機となって、世界全体の国民を苦しめています。今、まさに、小泉・安倍・福田内閣と引き継がれた構造改革の破綻は明らかであり、「資本主義という社会制度の是非が問われる」状況が生まれています。
 連日報道されている輸入汚染米問題。基準値を超える残留農薬やカビ毒米が、酒、菓子、おにぎり、給食にまで使用されていた事件です。本来、輸入は義務のないものです。国産米で需要は賄えるのに、アメリカへの配慮から大量の米を輸入したことにあります。構造改革と規制緩和の政治では、国民の食の安全は守れないと言わざるを得ません。
 毎年3万人以上の自殺者、若者を非正規雇用でモノ扱い・使い捨てにし、年収200万円以下の給与所得者は1,000万人を超え、区内の若者・20~30代の55%が年収100万円台となっているのです。
 この間、日本共産党議員団は、区長に構造改革と政治のあり方について問うてきました。これに対し、区長は、貧困や格差を固定化させないため、日本経済を立て直すために構造改革に取り組んで、その成果がようやくあらわれていると答弁されています。
 そこで、お聞きします。世界と日本経済の深刻さ、貧困と格差の拡大、食の安全、区民生活の実態などに照らして、区長は弱者切り捨ての構造改革の成果は今日においても上がっているとの認識でしょうか。見解をお聞きします。
 07年度決算は、特別区民税が定率減税の全廃等によって19億9,000万円の増となりました。区民への負担はこの年度だけではなく、この前々年から老年者控除の廃止と公的年金等控除引き下げが強行されており、前年度に非課税から新たに課税対象となった約8,800人など、区民は07年度以前から負担に次ぐ負担が負わされてきたのです。
 子育て世代にとっても、この年度から区立幼稚園の保育料の値上げが行われました。特別区民税の区民1人当たりの負担増は、05年と比較して1万4,000円の増、1世帯当たりで2万2,000円ふえました。一方、収納率は前年より0.2ポイント低下し91.4%となるなど、区民負担は限界に来ていると言わざるを得ません。
 日本共産党議員団は、少なくとも増税で増収となるその一部でも、困窮する区民の暮らしを支えるために、介護保険料の負担軽減や区独自のヘルパー派遣、青年の就労支援と家賃補助をすることなどを提案いたしました。しかし、区として新たな痛み和らげの手だてはとられませんでした。一方で、区民の願いに背を向け、中野駅周辺整備警大跡地の道路と公園用地の取得のために約132億円を投入し、私たちがこれまで指摘してきたとおり、今回発表となった「警察大学校等跡地まちづくり建築基本計画案」からも大規模再開発となったことは明白です。さらに、この07年度の積立基金は、前年度に比べ89億円もふやし、約364億円となったことがその特徴です。一言で言うならば、いよいよ大規模開発に乗り出す“助走”の1年となったといえるのではないでしょうか。
 今、国民は、政治の争点として税金の使い方、取り方に高い関心を寄せています。私たちは、最大のむだは年間5兆円もの軍事費と、条約上で出す義務のないアメリカ駐留軍への「思いやり予算」2,500億円を削減すること、あわせて大企業・資産家への行き過ぎた減税をもとに戻すことで生み出す7兆円の財源を提案しています。ところが、自民・公明・民主党も、財源といえば消費税の増税を持ち出します。麻生太郎自民党新総裁は、2011年から毎年1%ずつ消費税を増税し、15年までに10%前後までに引き上げる姿勢を示しました。消費税こそ低所得者に最も重くのしかかる福祉破壊税です。国民の増税への批判も大きくなっています。
 毎年、自・公政権のもとで社会保障費が削減されてきたことから、医療・介護が立ち行かないと、日本医師会も「社会保障費2,200億円の削減と断固戦う」と宣言しました。さらに、原油高騰と農産物自給率低下のもと、漁業・農業関係者も、営業と農政の転換を求めて立ち上がるなど、税金の使い方への怒りが広がっています。
 区長は、むだを削り財源を生み出す政治はどうあるべきとお考えでしょうか。区政運営においても、家計に軸足を置いて、健康で文化的な生活を保障することが自治体の長としての役割であり、そのことが区民の願いです。見解を伺います。
 次に、後期高齢者医療制度を廃止することについてお聞きします。
 制度への国民・区民の怒りは、時がたつほど広がっています。75歳という年齢を重ねただけで別枠の医療制度に囲い込まれ、保険料でも医療でも差別を押しつけられるからです。こんな冷酷な制度は世界のどこにもありません。
 4月、年金の天引きが始まると、全国で怒りが沸騰しました。政府・与党も「手直し」を余儀なくされ、その説明のために金額が判明したものだけでも8億2,000万円以上もの税金を投入しました。政府が巨費を投じて宣伝を繰り返さなければならないほど、この制度は国民が求める「安心な医療」とかけ離れているということではありませんか。
 この10月15日には、4回目の年金からの天引きが行われます。中野区でも健保組合に加入するサラリーマンなどに扶養されている75歳以上の方が新たな対象になります。後期高齢者医療制度の問題で、中野区役所の窓口に直接あるいは電話での問い合わせや怒りの声を寄せられた数は1万件以上。地域センターにも地域の方々が声を持ち込んでいます。怒りを越えて、悲しい、情けない、とまで声を震わせる高齢者の方々。戦前・戦後を苦労して生き抜いてこられた方々が、あの暑い夏のさなかに区役所窓口に来られ、訴えられる生の声を、区長はどのように聞き、どのように受けとめられたのか、お答えください。
 後期高齢者医療制度の廃止法案が参議院では可決されています。国民、区民の願いは、「こんな制度はやめてほしい」「廃止するしかない」、この1点です。20日、厚労相も、年齢で差別をする現制度にかわる新しい制度をつくると語るなど、現制度の根幹的な誤りを政府自身が認める新しい事態となりました。
 日本共産党の岩永議員が、「医療費削減を目的として高齢者だけ別立てにする制度は廃止することを求めるべきだ」と区長に求めたことに対し、「改善すべき点は改善した上で、安定した医療制度を持続させていくこと」と答弁されましたが、現制度ではいくら改善・手直しをしても国民・区民にとって安心の制度とはなり得ないということではありませんか。今日の新たな状況を踏まえ、本制度に対する区長の見解を伺います。
 次に、区民健康診断について伺います。
 区民健康診断も、制度変更によって、35歳以上が健康づくり健診、40歳以上が特定健診、75歳以上が後期高齢者健診となりました。
 今回、健診を受診した高齢者からの「500円の負担があるのに胸部レントゲンも心電図もない健診なんかとんでもない」という声がたくさんあります。これまで中野区は、70歳以上の方々の健診は無料でした。これまで有料だった他区の中でも、制度変更を機に高齢者への負担を軽減するために無料としたため、中野区だけが有料化となっているものです。東京日の出町では、来年4月から75歳以上の医療費と人間ドック検査料まで無料化するといいます。
 高齢になればなるほど病気になりがちです。早期発見、早期治療にこそ本制度の趣旨があります。費用の負担なく、これまでと同じように70歳以上の方々が安心して健康診断を受診できるように、無料にすべきです。お答えください。
 健診項目でも、75歳以上の後期高齢者健診には差別が持ち込まれています。健診項目に心電図、胸部レントゲン、尿酸などの血液検査を項目に入れるとともに、眼底検査も特定健診、後期高齢者健診でも実施すべきです。答弁を求めます。
 次に、非正規雇用をなくし、若者に夢が持てるようにすることについてお聞きします。
 労働のルールが壊され、派遣や請負、契約社員など低賃金の不安定雇用が広がり、働く人の3人に1人、若者や女性の2人に1人が非正規の労働者になっています。多くの人が、「明日の仕事もわからない」、「結婚もできない」という不安定な状態にあるといえます。財界・大企業の目先のもうけのために、政府が労働法制の規制緩和を続けてきたからです。特に1999年の労働者派遣法の大改悪によって、例外だった派遣労働が原則自由化され、雇用破壊が急速に広がったことです。
 このような状態が放置されれば、中野区のこれからの将来を支えるべき基盤が失われていくことになりかねません。雇用のあり方を、雇用・労災保険等の社会保険と年金・医療制度が確保されるよう、改悪以前の労働法制に戻す抜本改正こそ急ぐべきと考えます。見解をお聞きします。
 同時に、自治体に働く臨時職員の改善も必要です。中野区の労働条件は、社会保険・雇用保険はあるものの、時給は一般事務の23区平均が879円に対し830円、保育士は968円に対し920円と、低く抑えられています。ここでの労働条件の改善向上を求めます。同時に私たちは、若者の積極的な雇用を行い、職場の活性化と技能の継承を計画的に進めることを提案してきました。正規職員の新規雇用をふやすことを求めるものです。あわせてお答えください。
 さらに、若者が多く住む中野区、人口の5人に1人が青年です。新宿区では、民間賃貸住宅家賃助成で区内への若者世代の定住化を促進しています。学生・勤労者向けで月額1万円、最長3年間。ファミリー世帯で月額3万円、最長5年間です。昨年は、募集に対し、倍率は3から6倍と大変好評です。中野区においても、まず18歳から29歳の学生及び勤労単身者に対し家賃助成の実施を行い、若者支援に乗り出してはいかがでしょうか。お答えください。
 原油・原材料価格の高騰から暮らしを守ることについて伺います。
 まず、中小業者への支援についてお聞きします。
 原油・原材料高騰の悪影響は全業種に及び、業者の営業は深刻な状況にあります。政府のセーフティネット保障対策も実施されていますが、業種が運送業や建設業等に限定されているため、窓口への申請も土木と運送業が中心になっています。
 中野区の経営支援特別資金の利用も、既に8月末で350件となっており、今年度から受付期間も長くなったこととあわせ、営業経営環境も厳しくなっていることから利用者は増加しています。この融資制度は、景気低迷により経営に支障を来していることが条件です。
 同旨の融資で、中央区、練馬区では本人負担の利率を0.1%とし、江東区でも0.2%です。ところが、中野区は本人負担分の利率を0.4%としていたのを、07年度になって0.5%に引き上げています。景気低迷の中だからこそ、区内の事業者が継続して営業、経営ができるよう、本人負担率を引き下げるべきではありませんか。答弁を求めます。
 中野区に対し、クリーニング生活衛生同業組合から「原油高騰に伴う補助金交付に関する陳情書」が提出されました。既に渋谷区では、クリーニング業者への支援として1店舗当たり年額20万円を助成します。
 中野区は、原油・原材料費の高騰が中小業者を直撃している現状と実態を把握するとともに、例えば住民税の納税猶予・分納などの要望に真摯に対応すること、国保料、介護保険料の減免・猶予すること、また、都の制度融資借入先への返済凍結を求めるとともに、区融資について返済猶予などの対策を検討するとともに、相談窓口を開設するなど、個別・具体的な支援の対策を検討することを求め、答弁を求めます。
 次に、学校・保育園給食への影響に対する対応についてお聞きします。
 食料品を中心とした物価の値上がりにより、小・中学校及び保育園の給食に大きな影響が及んでいます。食材費の値上げを理由に、給食費の値上げを行った区市も出ています。現場ではさまざまな工夫と努力がされていますが、「食材選定に関し価格を最優先、質の低下はやむを得ない」、「国産小麦粉の使用をやめた」など、質や安全が二の次になりかねない事態も懸念されます。食育を推進するためにも、できるだけ国産の食材を使用したい。しかし、国産の食材は価格が割高との悩みも聞かれます。
 そんな中、中央区は補正予算3,700万円を組み、給食食材費に投入を決めました。これ以上の安い食材のやりくりは、メニューの固定化と食育の推進に反する事態になりかねないとの判断からと聞きます。足立区も同様の対応を決めました。ほかに6区と2市で食材費への補助について、9月または12月議会に補正予算が予定されています。現場からは、せめて安全な米を直接まとめて学校・保育園に区から支援してほしいとの声が寄せられています。杉並区、狛江市では農産物の現物支給・支援も検討されています。
 日本共産党の都議会議員団は、都知事に対し、給食費の保護者負担を抑え、給食の質を確保できるよう、区市町村に給食食材の補助を行うことを要求しています。現物での支給をはじめ、給食費の値上げで保護者負担とならないよう、区としての対応を強く求め、答弁を求めます。
 ここまで提案してきたものは、いずれも緊急・切迫した区民の要望であり、07年度積み増しした基金の一部を回すことで実現可能なものです。このことを申し上げ、次の質問に入ります。

2 「区立小中学校再編計画」を中止し再検討することについて

 「区立小中学校再編計画」を中止し、再検討することについてお聞きします。
 中野区は、2005年度から5年ごとに前期、中期、後期の3期に分けて、区立小・中学校の統廃合を進めてきました。来年度がこの5年ごとの改定年に当たることから、教育委員会は再編計画の改定作業に着手しました。
 桃園第三、仲町、桃丘小に始まった統廃合計画は、来春が東中野、中野昭和小学校と続きます。中学校は、第六中と第十一中が統合され、中野富士見中と第一中が来春統廃合となります。廃校となった学校、されようとしている学校は、これまで地域で培われ、引き継がれた学校の歴史を地域から消し去られることになります。
 この間、仲町小、中野富士見中、東中野小の保護者・地域から少なからぬ「学校を残して」の切実な声がどれだけ寄せられたことか。仲町小から統合の桃花小に通う保護者からは、大きな学校、30人超のクラスとなり、子どもが落ちつかない状態が続き、「仲町小がよかった」と子どもが言うなどの悩みが語られています。また、地域のお祭りでみこしをかつぐ子ども集団が崩れてしまったとの町会役員の嘆く声も聞かれます。
 前期計画の最後となる丸山、野方、沼袋小学校の場合でも、統廃合の場所、時期に大きな変更が生じたこと、沼袋小学校に設置している情緒の障害学級も、当初の計画では野方小学校に設置することになっていたものを、この学級だけを沼袋小学校に残すなどの重大な変更が行われようとしていることに、「新校が建つまで統合するのを見合わせるべきだ」との意見が強く出されています。
 9月18日の教育委員会に区教委により提供された「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価等について」の外部評価結果の中でも、「保護者との間で合意形成がうまくいっているとは言えない」との指摘があります。前期計画強行の中でわき出た「学校を残して」の要求。さらに前期計画で起きているさまざまな矛盾からも、「再編計画」そのものに問題があったということではありませんか。見解を求めます。
 中野区において学校統廃合、再編については、「区立学校適正化規模適正配置審議会」の設置に始まり、2年数カ月に及ぶ審議を経て、「小規模校を統廃合し望ましい学校規模を確保しなければならない緊急性は見当たらない」との結論を得ていたものです。
 当時の文部省も「小規模校には教職員と児童・生徒の人間的ふれあいや個別指導の面で小規模としての教育上の利点も考えられるので、総合的に判断した場合、なお小規模校として存置し充実するほうが好ましい場合もある」との通達を出しているのです。さらに通達は、住民合意について、「学校規模を重視するあまり、無理な学校統合を行い、地域住民等との間に紛争を生じたり、通学上著しい困難を招いたりすることは避けなければならない」、「学校統合を計画する場合には、学校のもつ地域的意義等をも考えて、十分に地域住民の理解と協力を得て行うよう努力すること」としているのです。
 中野区教育委員会では、さきに紹介した審議会答申を根拠なく否定し、「全体として白紙から考えるべきである」として、05年小中学校「再編計画」を決定したのです。もともと学校の統廃合は、子どもたちや保護者、地域、学校から要望したものではなく、中野区の財政難を理由とした「10か年計画」の一貫の施策で進めたもので、教育的検証はされていないのです。「再編計画」が1学級の児童数を40人とする40人学級を前提条件としていることにもあらわれています。40人学級に固執しているのは、全国で東京都だけです。
 中野区内の学校を30人学級にすることで、小学校で62学級、中学校で27学級がふえることになるのです。教育委員会が今やるべきことは、何より少人数学級、30人学級の実現を早急に図ることではありませんか。そして、中学校PTA連合会などから出されている67項目の施設改善要求に着手することです。学校統廃合について、中央教育審議会も来年6月ごろに報告を出し、09年には新たな通達が出されることにもなるといいます。
 まず、これらの情勢を踏まえること、既に中・後期再編計画の対象校に挙げられている第三中学校関係地域からは、区長・教育長に対し「学校を残せ」の陳情が町会長をはじめ地域から提出されています。教育委員会と中野区には、これらにどうこたえるのかが問われています。中野区教育委員会と中野区は、「小中学校再編計画」を中止し、保護者、学校、住民の参加のもとに抜本的に再検討をすべきです。見解を求めます。

3 認可保育所を増設し待機児をなくすことについて

 次に、認可保育園を増設し待機児をなくすことについて伺います。
 保育を必要と認められながら認可保育園に入れないでいる子ども、保育所待機児は、0歳児から2歳児までの合計で218名にもなりました。新入園を迎える4月1日で見ても、0、1、2歳で06年までは50人から80人台であった待機児が、07年から180人台へと倍増したのが特徴です。4月1日に入所できなかった保護者の不安と怒りは大きく、区政そのものへの不信の声となっています。
 3月に廃園となった東中野保育園、住吉保育園へ通園可能な地域で待機している数は、07年4月で東中野12名、中央17名、本町13名と、3町合計で42名にもなり、廃園した東中野保育園の定員規模数が待機児となっています。
 中野区は、41園あった区立園を27園まで廃園し、公的責任を放棄し、もっぱら民営化と認証保育所、家庭福祉員などの民間頼みが、待機児増の結果となっているのではありませんか。見解を求めます。
 計画の中身はどうか。区立園の東中野、住吉の廃園に続き、南江古田、野方保育園の廃園、そして区立園の建てかえに伴う民営化です。新たな認証保育所の誘導や認定こども園に期待するなど、ここでも民間頼みで、待機児を解消するための中野区としての抜本的なみずからの施策を持ち得ていません。
 区が頼みにしている東中野駅前の日本閣超高層マンションの認証保育所も9月にオープンしました。待機児の保護者からは、保育料が高くてとても無理との声が寄せられています。30人の定員ながら、6人の入所にとどまっています。
 「新しい中野をつくる10か年計画」の成果指標の数値目標では、来年の09年度には待機児率をゼロにすることになっていますが、目標達成の見通しと数値目標設定の根拠、未達成となる待機児率についてお答えください。
 東京都も、都全体としての待機児が激増しているために、その対策に乗り出しています。その一つとして、都有地を認可園設置に積極的に提供することを明言しています。
 中野区は、児童福祉法第24条「児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあったときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない」、この立場で「10か年計画」待機児対策を見直すべきです。区立園廃止と民間頼みの保育行政をきちんと転換し、施策として認可保育所の建設を位置付けて、待機児の解消を図るべきではありませんか。答弁を求めます。
 待機児解消の一つとしている認定こども園は、区立みずのとう、やよい幼稚園が2010年4月から民間事業者によって開園となります。幼稚園と保育園の機能を持つとされています。ここでも、月々の幼稚園の保育料は事業者が設定することになっています。現在の区立幼稚園の保育料は、月額9,900円、入園料は2,400円となっています。配布された保護者への案内では、認定こども園となる、みずのとう幼稚園が月2万6,000円程度、教材費、給食費、設備費などを加えて、月額3万9,000円程度になります。やよい幼稚園が月額別途費用を入れて3万3,000円程度とされており、二つの園で月額7,000円もの違いが生まれることになります。さらに、幼稚園児が保育園的機能を利用する場合は、別途保育料を支払うことになります。
 そこで、お聞きします。入園料はいくらになるのか、毎月の保育料でどのくらいになるのか、区立園との違いはどのくらいになると予測されるのか、幼稚園利用、保育園利用のモデルでお答えください。少なくとも区立園の負担を超えないようにすべきではありませんか。区としての新たな保護者補助を検討しているのか、お答えください。

4 環6(山手通り)の環境問題について

 次に、環6(山手通り)の環境対策についてお聞きします。
 中央環状新宿線、山手トンネルが昨年12月に一部開通し、1日平均約3万5,000台が地下トンネルを走行しています。地下トンネルの車の排気ガス除去は、換気所において二酸化窒素(NO)、浮遊粒子状物質(SPM)ともに、1日の管理目標値としていた80~90%台の除去率をクリアしていると首都高は発表・公表しています。
 中野区も、独自に環6の二酸化窒素汚染状況調査、交通量・騒音・振動調査を実施してきました。NO調査は、20年前から山手通り換気所を中心に沿道及び後背地の12カ所を特定し、年2回実施してきたところです。地下トンネル開通後となる1月の測定では、昨年1月との比較で、全体的な濃度は下がったが、沿道から50メートルの後背地点で55ppmの高い濃度が測定される結果が出ています。
 全面開通後には、地下、地上で8万台の車の走行が予測されるだけに、区としても独自の環境調査は重要なものとなります。住民団体が環6を中心に実施している年2回のNO2簡易測定は、本町60カ所、東中野65カ所、新宿150カ所で測定を実施しており、中野区の測定データとも照合して取り組まれてきているものです。
 中野区は、この調査を環境調査に対応する職員減から、外部委託で実施してきました。ところが、今年度から予算が計上されず、調査を中止し、12カ所の測定採取器も撤去しました。この調査費用は、07年度決算で執行額は26万円でしかありません。環境に対する区民の要求・要望が高まっていることから、環6沿道の二酸化窒素汚染状況調査測定を再開することを求めます。お答えください。
 東京都と首都高は、地下トンネル供用開始後に環境影響評価(アセスメント)を実施することを約束しています。本格アセスを前に、実測値調査を実施し、そのデータが本格アセスの基礎になるとも言われています。中野区は、東京都、首都高任せにすることなく、調査の範囲、データの公開などを要求していくことが大切です。実測値調査と本アセスメントの時期、規模についてどうなっているのか、お答えください。
 この8月から、東京都大気汚染医療費助成制度が始まり、18歳以上のぜんそく治療が無料となりました。中野区への申請件数は8月で513件となっています。申請するには、医者の証明書提出が条件となります。申請時の費用負担を軽減してほしいとの声が聞かれます。東京全体での申請者は1万3,000人で、当初予測していた7万8,000人からすると約18%にとどまっています。
 中野区は、独自のポスター、チラシをつくるなど、また区内医療機関への周知協力を依頼するなど、努力を行ってきました。引き続きこの制度を知らせていくことは大切と考えます。そもそもこの制度は、大気汚染でぜんそくで苦しんでこられた患者の方々が、車製造メーカー、首都高、東京都を被告として争ってきた裁判が和解してできた制度です。この方々が制度の周知のために独自に作成した立て看板などの利用も呼びかけられています。8月から、中野区大気汚染障害者認定審査会で認定審査が行われています。一層の周知の方法も工夫しつつ、取り組みを強めていただきたいと思いますが、答弁を求めます。

5 その他

 最後に、その他として、「中野区における『ペットとの共生』のための提言」に関連してお聞きします。
 中野区「ペットとの共生を考える懇談会」は、ことし3月、半年に及ぶ論議を経て、区長への提言が行われました。それによると、中野区には登録されている犬は8,095頭、猫は06年度の都の調査で推計すると約2万頭、飼い主のいない猫は約3,000頭とされています。犬の運動場所の確保問題や、災害時におけるペットへの対応など、区として解決すべき課題はたくさんあります。
 ここで、飼い主のいない猫を減らすという点について伺います。全都で約12万頭と言われる飼い主のいない猫、その対策として、既に19の区で不妊・去勢手術代助成の制度を実施しており、成果が報告されています。残されているのは、江東、江戸川、葛飾、そして中野区だけです。お隣の渋谷区でオス5,000円、メス7,000円、新宿区ではメス9,000円の助成をするとともに、飼い猫にも助成を行っています。隣接区間で助成実施区とそうでない区が長期に放置されていることは、施策の効果に影響が出てきます。現在、中野区では、個人やグループのボランティアに頼っているのが現状です。本提言でも、行政の役割の一つとして不妊・去勢手術への助成を挙げています。東京都もこの5月、「区市町村包括補助事業」を立ち上げ、「飼い主のいない猫対策」としても選択できる事業としてスタートさせています。これらの事業を活用するなどして早く制度化することが、飼い主のいない猫をこれ以上ふやさないこととなり、制度の効果をより高めることができます。
 そこでお聞きします。急ぎ助成制度を確立し、実施を図るべきと考えますが、明快で具体的な御答弁を求めます。
 これで私のすべての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、構造改革の成果についてという御質問でありました。
 御質問の中で、今日の経済状況を指して資本主義の限界であると、このような御発言もあったわけでありますが、そうした御発言であるとすれば、私とは根本的に考え方が異なっているということであります。
 資本主義というものをどのようにとらえておっしゃられているのか、わかりませんけれども、資本制と市場メカニズムに基づいて経済社会を運営していく。そして市場の暴走や失敗というものを政府が政策によって是正したり改善したりしながら、社会全体の構成、これを増大させていくという今日の私たちが普通に考えている社会システム、これが私どもは正しいというか、これに基づいて政府も動いていくべきであるし、私どももこれに基づいて動いていくべきだと、このように思っております。
 仮にそれに対置するものが、生産手段の国有化等、政府の力に基づく市場の統制というのでしょうか、統制経済、計画経済というものを想定されているんだとすれば、歴史的にそのような取り組みがどこを見ても失敗をしている、悲惨な事例しか見られていないというのが現実であろうと、こう思っているわけであります。そういった意味で、根本的に考え方が違っているということからまずお答えをしていかなければならないかなと思ったので、申し上げたところです。
 構造改革の成果についての御質問ということでありますけれども、格差の固定化を防ぎ、将来にわたってこの国がこれからも活力を持ち続けていくために、そのためには新たな経済の発展の方向性や発展し得る社会の活性化というものが欠かせないわけであります。そういう意味で、将来にわたって持続可能な国をつくり上げていくためには、まだまだ改革や規制緩和が必要であると、このように考えているところであります。
 今日の経済状況というのは、米国の不動産市況の低迷に端を発して、サブプライムローンというようなものが破綻をする、そのことに基づいて金融危機が起きている、それに伴うさまざまな経済事象であるわけですけれども、私が申し上げたような日本の国の活性化を考えていく構造改革というものとは次元の違う問題であると、このように考えているわけであります。
 それから、生活保障についての御質問がありました。国民が安心して生活設計していくためには、将来にわたって安定的な社会保障制度が確立される必要があるわけであります。そのために、行政のむだは徹底して排さなければならないと、このように考えております。見解の違うところは、やはり国防、防衛に関する経費を一切すべてむだであると、このように断じるお立場は、私はとれないということが違うのかというふうに思っております。まず、行政のむだは徹底して排さなければならない、このようなことであります。
 さらに、さまざまな改革を進め、経済活動を活性化しながら、給付を支えられる負担のあり方などについても着実に議論をし、財源を確保していく、このことが必要だと考えております。
 自治体といたしましては、地域の行政に責任を持ち、徹底してむだのない効果的な行政運営をするとともに、地域経済の活性化を図りつつ、住民サービスの維持、向上を図り、地域の発展や住民福祉の増進に努めていきたい、このように考えているところであります。
 それから、後期高齢者医療制度の廃止という動きを受けての御質問ということであります。廃止という動きとは聞いておりません。区への御相談やお問い合わせについての状況は、私も把握をしているところであります。主なものは、制度の内容に対する疑問、御意見等に対する御説明、あるいは保険料の内容及び計算方法などについての御相談等であるわけであります。
 長寿医療制度については、さまざまな御意見があるところですけれども、安定した医療制度を、保険制度を持続させていくことが区民の健康を維持するために最も大切なことであるという考えは、私も変わっておりません。今後、制度に変更があるような場合には、情報を適切に収集をして、的確に対応していきたい、こう思っております。
 それから、70歳以上の方の健康診断、500円の自己負担を無料にすべきではないかという御質問であります。健診については、医療費と同様に受診者が一定の自己負担をすることで制度がつくられております。受診に際してお願いをしている現行の自己負担額は、妥当なものと考えております。
 健診項目の充実については、後期高齢者健診、長寿健診の健診項目については項目をふやす場合には区の財源で行うこととなるわけであります。健診項目について、区独自に対応すべきことがあるか、検討していきたいと考えております。
 それから、改悪以前の--改悪というのは議員の言葉でありますけれども、改悪以前の労働法制に戻す抜本的改正こそ急ぐべきだという御質問であります。国は、10月上旬を目途に労働者派遣法の改正案づくりを進めていると聞いております。区としては、その動きを注目してまいりたいと考えております。
 それから、職員の採用に関する御質問もありました。23区の臨時職員の時間給については、その時間給の中に交通費相当分を含んでいる区があったり、別途支給をしている区があったりと、一概に比較することはできないのであります。中野区は、交通費を別途支給をしておりますので、低いとは考えておりません。今後も他区の状況等を踏まえながら、必要があれば見直しを行っていきたい、このように考えております。
 それから、若者の正規職員の新規雇用をふやすべきだという御質問もありました。職員の採用については、本年1月に策定した職員2,000人体制に向けての方策においてその方針を示しているところであります。退職者等を考慮しながら、職務に必要となる職員については今後も計画的に採用をしてまいります。
 それから、非正規雇用をなくし、若者が夢を持てるようにすることについてということであります。若年層への家賃補助をするべきだということであります。学生及び勤労単身者を対象とした区独自の家賃助成については、考えておりません。
 それから、中小企業者の支援についての御質問で、経営支援特別資金に関する御質問がありました。平成19年度の経営支援特別資金の利率は、金融機関との協議によりまして2.0%から2.3%と0.3ポイント上がったわけであります。この上乗せ分を区と利用者で、区が2、利用者1、2対1の割合で負担するという考えで経営支援特別資金の本人負担率は0.5%としたところであります。これを引き下げる考えはありません。
 それから、中小業者の支援についてという御質問がありました。経営相談につきましては、毎日専門相談員によります商工相談を実施しているところであります。そして、経営資金の支援については、毎年度、社会経済状況を踏まえながら融資のメニューを検討し、融資制度として用意をしているところであります。税や保険料などについては、それぞれの制度の中で御相談を受けているところでありますので、御理解をいただきたいと思います。
 それから、学校・保育園給食の対応であります。学校給食の最近の食材の値上がりに対しましては、国や都の栄養の基準を満たしつつ、献立を工夫して対応しているところでありまして、年度内の値上げはないと聞いているところであります。
 なお、区立保育園の給食にかかわる経費は、保育料の中に含まれているわけでありまして、原油高騰に伴い給食の原材料価格が上昇しても、直ちに保護者の負担増になるといった仕組みとはなっていないものであります。
 私からは以上であります。そのほか、それぞれの担当の部長等からお答えをいたします。

〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 学校再編計画につきましてお答えいたします。
 再編計画の中止と再検討という御質問でございました。
 学校再編計画につきましては、適正規模の学校をつくり、今後の中野区全体の教育環境を整備するという観点から、区民との意見交換や区議会での審議などいろいろ議論を重ねまして、適正な手続に基づき策定したものでございます。今後もこれを着実に実施していく考えでございます。

〔子ども家庭部長田辺裕子登壇〕
○子ども家庭部長(田辺裕子) 認可保育園を常設し待機児をなくすことについて、区が区立保育園を廃止して公的責任を放棄した結果、待機児が民間頼みになってふえているのではないかという御質問でした。
 保育所全体の定員は、区立保育園の一時的な募集停止などにより一時的に減少しましたが、平成22年度以降は区立保育園の民営化、認定こども園、認証保育所の開設、家庭福祉員の増員などにより拡大していく見込みでございます。したがいまして、区立保育園を廃止し、民営化したことによって待機児の増加の原因になったというふうには考えておりません。また、区が保育行政の責任を放棄したことになるというふうにも考えておりません。
 民間の力が保育サービスの拡充には非常に重要というふうに考えておりまして、区は民間の力が大いに発揮できるよう民間事業者を支援するとともに、利用者に対しましては、不公平・不利益な取り扱いを受けることのないよう、相談や対応に努めてまいります。
 次に、2009年度の待機児0%の目標達成の見込みと目標設定の根拠についてです。「新しい中野をつくる10か年計画」における2009年度の目標は、2005年度の0.88%という待機児の数値をもとに保育需要を予測して設定したものでございます。待機児が増加している現状では、2009年度の目標、保育園の待機児率0%の目標の達成は難しいと考えております。2009年度の待機児率につきましては、今年度開設された認証保育所や、来年4月に桃が丘保育園・児童館の跡に開設予定の私立保育園などの定員増加分の動向を十分見きわめてまいります。
 また、区立保育園の建てかえ、民営化による認可保育所の開設につきましては、定員の拡大、延長保育の拡充、地域の子育て支援など多様なサービスが期待でき、待機児の解消も図れますので、引き続き推進してまいります。
 最後に、認定こども園の入園料、保育料に対する補助制度等についての考え方についての御質問でございました。区立幼稚園から転換する、やよい、みずのとうの認定こども園におきましては、幼稚園機能だけを利用する場合は私立幼稚園と同程度の入園料や保育料となる予定でございます。保育園機能を利用する場合は、保育園の認可を受けますやよい認定こども園の場合は、認可保育園の保育料と同額になる予定でございます。一方、幼稚園型のみずのとうでは、認証保育所など認可外保育施設の入園料や保育料がおおよその目安となります。
 認定こども園を利用した場合の保護者補助のあり方につきましては、保育園や認証保育所などそれぞれの施設を利用した場合の区の補助制度を適用していく考えでございます。

〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 環6の環境問題について、二酸化窒素汚染状況調査の再開についてお答えいたします。
 区の測定採取器は、年に2度採取しているのみの簡易な測定ということもあり、より精度の高い都の観測システムの補完としては十分に機能し得ない現状などを勘案し、撤去したところでございます。東京都の観測装置により、時間単位での常時観測ができ、環6の環境状況は把握できるところであります。
 以上です。

〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 山手通りの環境アセスメントの時期と規模についての御質問がございました。
 この環境アセスメントにつきましては、東京都環境影響評価条例、これに基づいて実施をすることというふうになっておりまして、この首都高、中央環状新宿線の現在の開通区間について、この11月ごろに第1回目を開始する予定というふうに聞いております。また、中央環状新宿線の全区間、この完成後の平成22年度になりますが、その時期にさらに第2回目のアセスを実施する予定となってございます。
 また、環境アセスの調査対象項目でございますが、大気汚染、騒音、振動などの11項目について実施をするということでございます。

〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 大気汚染医療費助成の質問にお答えいたします。
 大気汚染医療費助成につきましては、これまで18歳未満を対象としていたわけですが、昨年の大気汚染訴訟の和解により、都は本年8月より気管支ぜんそくについて全年齢を対象に助成を開始し、区市町村が窓口となって事務処理を行っているところでございます。
 この事業のPRにつきましては、区としても区報、ホームページで広報するほか、医療機関に依頼して対象者への周知を図るとともに、区独自のポスターを作成、掲示するなど、積極的にPRに取り組んできているところでございます。

〔保健所長浦山京子登壇〕
○保健所長(浦山京子) 飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用助成についてお答えいたします。
 現在、懇談会の答申を踏まえ、区としてペットと共生する地域社会について総合的な施策のあり方を検討しているところであります。
○議長(市川みのる) 以上で来住和行議員の質問は終わります。