【本会議・一般質問】
(2008年2月19日)

中野区議会議員 長沢和彦



  1. 所信表明と2008年度予算案について

    1. 所信表明について
    2. 予算案について
    3. 緊急要望について
    4. その他

  2. 後期高齢者医療制度について
  3. 人事政策と「官製ワーキングプア」等について
  4. 青年の就労と生活支援について
  5. 小・中学校再編計画と少人数学級について
  6. 西武新宿線連続立体交差事業と野方駅の改善について
  7. その他


○議長(市川みのる) 長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕
○30番(長沢和彦) 質問に先立ちまして、故藤本やすたみ議員、故小堤勇議員の急逝に当たり、哀悼の意をあらわし、謹んで御冥福をお祈りいたします。なお、我が会派の故小堤勇議員の逝去に当たりましては、区長、議長をはじめ、同僚議員、理事者の皆様の御厚情に深く感謝申し上げます。
 2008年第1回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。


1 所信表明と2008年度予算案について



(1)所信表明について

 初めに、所信表明と2008年度予算案についてです。
 区長は所信表明の中で世界での大きな時代の枠組みの変化について述べられました。いわゆるテロとの戦いを一言述べ、アメリカでの国内経済の不安や大統領選挙への動きを紹介しています。しかし、経済情勢にだけ言及し、その背景にあるイラクやアフガニスタンの戦争に触れないのはなぜでしょう。なお、テロは根絶どころか逆にふえ続けています。今日、戦争でテロはなくせないことは世界の常識であり、再びインド洋に自衛隊を派兵し、イラク戦争においても派兵を続けている日本はアメリカ政府からは歓迎されていますが、世界からは孤立しています。
 今月10日には沖縄でまたもや米兵による女子中学生暴行事件が発生しました。政府がアメリカ側に綱紀粛正、再発防止を求めてもかなわないというのがこれまで繰り返されてきたことです。沖縄や岩国をはじめ、基地強化を許さず、基地の縮小・撤去を求める声が広がっています。日米同盟のほころびと破綻は明らかです。
 経済情勢については、サブプライムローンや原油、穀物の価格高騰の原因をたどれば、投機マネーの問題に行き着きます。アメリカだけでなく、日本国内においても影響を受け、その被害は一層広がることが指摘されています。曲がり角に立っているのは、物を生産することなく、お金を投機取引に振り向ける経済のあり方です。世界の動きについて論じるのであれば、平和の問題に触れないのはあまりにも寂しい限りです。新たな歴史のステージというのであれば、それこそ世界の大局的な流れを論じることがふさわしかったと思います。見解を伺います。
 所信表明では経済格差に対する不安や不満感も大きく、また年金や医療をはじめとする社会保障制度の将来に対する信頼感もなかなか回復することができないと述べています。食品や製品の表示偽装が続出するなど、企業倫理への不信も国民の意識に大きな傷を残している。これらが相まって、国全体の将来に対する不安を広げているとの認識も示されました。国の規制緩和がこうした事態を招きました。法的な規制や事前のチェック機能が弱められるもとで、命や安全が脅かされています。同時に、行き過ぎた規制緩和によるさまざまな事件・事故、違法・脱法行為があっても、区は立ちどまって見直すこともせず、旗振りを行ってきた責任はやはり免れないでしょう。昨年発覚したコンビニエンスストアにおける収納事故は、公金収納事務が利便性の名のもとに、いかにリスクの管理と回避を考えていなかったかを露呈しました。区民の信頼を損なう事件でした。
 区長、こうした事態が構造改革や規制緩和によってもたらされたことを自覚されていないのでは困ります。区が国や東京都と一緒になって進めてきた道、それが貧困の増大と格差を広げ、不安と不満を募らせた一番の原因ではありませんか。答弁を求めます。
 日本経済について、全体のパイの大きさが変わらない中で成長して利益が上がる業種や地域があれば、他は利益が下がり、格差につながるのは当然。一層の経済成長を実現することが欠かせないと言います。ここには大企業などがもっと利益を上げ、経済成長が伸びれば、それが波及して中小企業や国民にも回りますよといったトリクルダウンの考えが根底にあります。しかし、経常利益の過去最高を更新している大企業がある一方で、サラリーマンの平均給与は9年連続で減少し、企業の倒産件数は4年連続で増加しています。昨年12月に内閣府が発表したミニ経済白書でも、好調だった企業部門の一方で、景気回復の波及がおくれた家計部門について分析せざるを得ませんでした。家計の所得が改善せず、税と社会保障の家計への負担が重くなっているからです。大企業が栄えても国民生活はよくならない。この事実を政府も認めざるを得なくなりました。改めて区長の認識を伺います。
 また、新たな経済成長の実現を前提とした上で、国民が納得し得る形で一定の負担増にも踏み込むとも述べています。あたかも国民に負担を求めなければ、安定的な社会保障制度を確立することができないかのような提案は感心しません。そもそも大企業や大資産家への行き過ぎた減税政策を正す必要があります。10年前と比べて経常利益は2.2倍にもなっているのに、減税により企業の払う税金は変わっていません。応分の負担をしてもらうことは当たり前ではないでしょうか。それなのに厳しい国際競争の中でまだまだ改革や規制緩和が必要と、財界、大企業におもねる認識を表明されています。雇用や国民生活の安心・安全、子育て支援や介護、福祉など、幅広い面に配慮したきめ細かな政策が実行されることとも言いますが、本来、規制緩和とは相入れない政策課題です。しかも今日、政府は社会保障の抑制で国民を兵糧攻めにし、消費税増税への橋渡しまでしようとしています。こうした一層の区民負担の道を歩ませてはなりません。見解を伺います。
 所信表明では道路特定財源と暫定税率の維持が求められました。一方、道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止を求める国民世論は多数を占めています。政府はこれまでの無駄と浪費の高速道路、大型道路の建設に無反省のまま、道路中期計画で際限のない大型道路建設を進めようとしています。そこでは通学路の安全確保やバリアフリー、防災対策が大事だと言いますが、59兆円の道路中期計画の中で通学路の整備は4%、防災防雪対策は2.5%、バリアフリー化は2.3%とむしろ少な過ぎます。住民の願いを大事にするなら、何より地方の裁量に任せることが大事です。高速道路よりも生活道路を優先する、大規模プロジェクトよりも住民の暮らし、社会保障を優先するなど、地方自治体と住民が予算の使い方を選択できるよう、一般財源化することこそ必要です。
 区長は所信表明の中で、国が財源や権限を集中的に握り、地方をコントロールしながら画一的に政策を進める形を批判し、地方分権を進めることをうたっているのですから、この問題でもその立場に立つべきではありませんか。改めて見解を伺います。


(2)予算案について

 予算案について、2点に絞って伺います。
 今も指摘したように、区民の暮らしと将来不安はますます深刻さを増しています。65歳以上の高齢者は、非課税措置廃止の緩和策も来年度はなくなり、またもや増税です。住民救済策が、特に高齢者、障害者、ひとり親家庭など、弱者や低所得者への救済策が必要です。
 区は税制改正に伴う介護保険料の激変緩和措置の延長については、来年度も継続実施することを決め、1月21日の厚生委員会にて報告しています。厚生労働省からの政令通知があったとはいえ、保険者、つまり区の判断として実施を決めたわけです。このような措置は、軽減措置の継続を決めた国民健康保険同様に歓迎するものです。しかし、財政運営の考え方(中長期財政フレーム2008年改定)では、事業の評価・改善のところで、「経常事業の中での新規・拡充に充てる財源は原則として既存事業の見直しによって確保し、経常的な事業費は一定の額に抑制する」と記しています。必要な事業を区民の視点からでなく、財政面からしか見ないやり方は間違いです。国や都がやめたら区もやらないといった姿勢ではなく、あくまでも区民生活に寄り添った予算とすべきです。所信表明で格差に触れながら、高齢者や障害者、子育て世代や青年層、こうした階層や低所得者など、弱者の実情について言及されないのはどうしてですか。何よりも暮らしを守り、支えることを最優先に取り組むことが求められているのに、なぜその決意が示されないのでしょうか、お尋ねします。
 もう1点、ため込みと開発優先の予算のあり方を改めることを求めます。
 今年度末に基金残高はおよそ363億6,000万円にもなります。これは区政史上最高の額です。額もさることながら、区民生活がいわば底が抜けてしまったような不安と危機に見舞われているこの時期のため込みです。
 警察大等跡地の用地買収では、起債発行など新たな負担が生じました。中野駅周辺まちづくりでは2008年度以降、本格的な大規模開発が予定され、東中野駅前広場と軌道上空活用にも多額の税金が投入されることになります。区民の厳しい暮らし向きをよそに、ため込みと開発が優先されていると言わざるを得ません。無駄を省き、不要不急な事業については見直しや先送りを行うことが欠かせません。例えば中野駅舎の改築は、事業者であるJRが責任を明らかにしないもとで慌てて行う必要はありません。見解を求めます。


(3)緊急要望について

 三つ目に緊急要望についてです。原油価格の高騰が国民の暮らしと営業、日本経済を襲っています。それに続き、電力・ガス料金の値上げ、食料品から日常生活品に至るまで価格上昇を招き、この動きは消費者物価全般へ波及しつつあります。区内業者からは消費の落ち込みに加えて、この事態に大変だ、厳しいの声が出ています。
 そこで伺います。一つ目、区として影響調査を行い、相談窓口を設けるべきではないですか。二つ目、低所得者や高齢者、障害者、ひとり親家庭世帯に福祉灯油券などの発行を考えてはいかがでしょうか。三つ目に、公衆浴場への燃料高騰分の補助の実施を求めたいと思います。公衆浴場設備助成事業の中で、クリーンエネルギー使用の場合に増額対応を行っています。しかし、それでは十分といえません。
 以上について答弁を求めます。


2 後期高齢者医療制度について


 次に、後期高齢者医療制度について伺います。
 後期高齢者医療制度の実施が近づいていますが、制度が知られるにつれて不安と怒りの声が広がっています。中止や見直しを求める意見書・請願を採択した地方議会が505議会にも上っています。それほど欠陥だらけの制度だということです。日本共産党は4月からの実施の中止・撤回を掲げつつ、制度の改善に力を尽くすものです。
 2月12日の東京都後期高齢者医療広域連合議会で、低所得者対策を講じた条例の一部改正が行われました。この結果、1人当たり軽減後の実質的な保険料は約8万9,300円となります。11月の広域連合議会で附帯決議が上げられ、当初と比べて低所得者の保険料の軽減が図られたことは一歩前進です。しかしながら、今年度の国保の保険料水準に比べ、なお高い状況にあります。
 区内の75歳以上の高齢者約2万8,000人のうち、今回の軽減策の対象となる人数は現時点では把握できないと言います。しかし、年金収入の高い人は現行国保より保険料が低くなりますが、年金収入370万円以下の人は軒並み負担増になります。国も東京都も、軽減策への支援は行わないとしています。国と都に軽減策をしっかりと求めるべきではありませんか。また、それが実施されるまでの間は区独自の支援策が必要と考えますが、いかがですか、お答えください。
 65歳から74歳で、寝たきりや障害のある人も後期高齢者医療制度の対象となり、制度に入るかどうかを選ぶことになります。区内には260人ほどの方がその対象となっています。しかし、国保の保険料が定まっていないことや診療内容が別体系であることから、今の時点ではどちらを選ぶかの判断が下せない状況にあります。区は対象となる方々が不利益をこうむることのないように、情報を正しく、かつ積極的に公開し、体制も整えて対応することが必要です。答弁を求めます。


3 人事政策と「官製ワーキングプア」等について


 次に、人事政策と官製ワーキングプア等について伺います。
 職員2,000人体制に向けての方策が2月5日の総務委員会で示されました。10か年計画の行政革新の取り組みを強化するため、2006年の8月に出された中野区人材育成計画をより具体的に示した方針だといえます。その中心は人件費削減と新規採用の抑制です。そのために民間にできることは民間へと、民営化・民間委託を行い、残った職員には能力開発を進め、任期付職員や再任用を活用するというものです。しかし、民営化・民間委託を区民の反対を押し切ってまで強引に進め、区民サービスについては満足度といった物差しだけを当てはめて、何か事が起きてから対応するといった姿勢は問題です。ですから、きちんとした検証もされていません。
 また、職員に対しては少数精鋭の職員体制を構築するため、能力開発を行うとしています。そのために研修なども行うようですが、この間の研修の多くが、専ら公共性なり公務労働をゆがめる市場競争原理版であったことからして、区民が歓迎できるものではありません。しかも、成果主義の導入を一層進めるに至っては職員一人ひとりをばらばらにし、職員間の連携・協力が図られない事態を招きます。既にそうなりつつあると職員から悲鳴が上がっています。さらに職員の超過勤務の実態が改善されていないことも看過できません。要は安上がりな行政を行っていく、そのための方策でしかありません。区民福祉を守る自治体としての使命、役割からはかけ離れています。2,000人体制ありきの区政運営は改める必要があります。見解を伺います。
 次に、官製ワーキングプアについてお聞きします。
 有期雇用や非正規雇用の賃金等の改善を求め、伺います。
 アルバイトなど臨時職員の時給は、昨年度まで一般事務が800円、保育士が900円と23区で最低レベルでした。市町村を含めた東京全体の平均より大きく下回ってもいました。今年度になって改定され、一般事務が830円、保育士が920円となりましたが、やはり東京全体の平均一般事務850円、保育士955円を下回ったままです。しかも、2006年度との比較のため、さらに他の自治体との差が広がっていることも考えられます。
 今春闘では、連合や全労連の組合が最低賃金額として時給1,000円以上の引き上げを求めています。今や国民的な喫緊な課題であると考えます。区みずからがワーキングプアをつくり出している事態は改めなければなりません。さらなる時給のアップを図ることなどの改善に取り組むことを求めます。
 次に、民営化・民間委託によって受託した事業所で働く社員、職員の待遇と労働条件についてです。
 民営化・民間委託の目的が専ら財政削減にあることは明らかです。しかし、事業の安定と継続、専門性の問題の根底に安上がり労働の実態があります。区の事業を民営化・民間委託しても、公共性は喪失しません。また、失ってはならないはずです。したがって、区が実態把握に努め、適切な点検と指導を行うことが必要と考えます。同時に、事業によっては経営的に厳しい状況にあることを直視すれば、必要なサービスを量・質ともに提供できるよう、補助金などの支援をすることは自治体行政として当然です。答弁を求めます。
 さらに業務委託、請負契約が正しく行われているかお聞きをいたします。
 地方自治体の職場における偽装請負を是正させるための厚生労働省・地方労働局による指導が、2006年秋以降、相次いで報道されています。憲法や法令の遵守、社会的公正さが要求される地方自治体の職場の中にも、偽装請負、違法派遣のような違法不当な雇用が蔓延しています。中野区においてはどうでしょう。業務の民間委託問題に加え、受注先が違法・不当な雇用となっていないかが厳しく問われます。
 例えば、第4回定例会での学童クラブの民間委託にかかわる我が党議員の質問に対し、児童館の区職員と受託した事業者職員との日常的な連携関係の構築を言いながら、指揮命令権など、受託事業者の独立性を侵すことなく運営が行われると答えています。しかし、対象となるのは一人ひとり個性を持つ子どもたちです。委託業務内容を幾ら事細かに契約仕様に定めても、限界があります。また、連携関係を築くほどに、違法性が強まるといった矛盾に陥ります。現行の学校給食調理業務の委託についても同様です。指示系統を全く分離した運営となっているのか甚だ疑問です。少なくとも区が行っている業務委託、請負契約の実態を第三者も交えながら調査し、議会、区民に報告すべきではありませんか、お答えください。


4 青年の就労と生活支援について


 次に、青年の就労と生活支援について伺います。
 中野区の就労・求人支援サイト「ぐっJobなかの」が開設され、多くの方がアクセスしていることが見てとれます。また、ハローワークと連携した区内就職面接会が11月に開催をされました。企業、事業者の17のブースが並び、120名ほどの参加があったと伺っています。しかも、その1割程度の方々が就職に結びついたことは喜ばしいことです。来年度以降も続けていくと伺っていますが、1回だけとせず、回数をふやすとともに、求職者も事業者も一層参加できるよう、宣伝をはじめ、取り組みの工夫を求めます。お答えください。
 一方、こうした就職面接会でさえ敷居が高いと感じている青年がいます。次に、住居のない、いわゆるネットカフェ難民の対策を求めます。
 東京都は4月から住居喪失不安定就労者サポート事業を開始します。ネットカフェや漫画喫茶等で寝泊まりしながら、不安定な雇用形態で就業する住居喪失者に対してサポートセンターを設置し、生活支援、住居支援、さらにハローワーク等と連携した就労支援を実施することにより、安定した生活への促進を図ることを目的としたものです。区は関係機関との連携を強調してきました。このたびの都の事業に対しても積極的に情報を収集し、区の取り組みに生かすことを求めます。
 また、職業訓練している間の生活保障が欠かせません。現在は生活援護分野が窓口になって、緊急一時保護センターや就労の自立支援を進める自立支援センターなどに一定期間入所して、職業訓練などの取り組みが行われています。しかし、現在の状況から見て十分とはいえません。都のサポート事業では住居相談業務が支援内容として行われます。速やかに結びつけることを求めます。同時に、家賃が手取り収入の半分を超える事態が中野区においても厳然とあります。区でも家賃助成や無利子貸し付けなどを検討すべきです。お答えください。
 我が党議員団は繰り返し青年の相談窓口の開設を求めてきました。関係機関との連携や調整を行う場になると思いますが、何より身近にあることが大事で、交通費などの出費を心配することもなく訪ねることができます。相談窓口の開設を改めて求めます。お答えください。


5 小・中学校再編計画と少人数学級について


 次に、小・中学校再編計画と少人数学級について伺います。
 2月4日の文教委員会で、法務省矯正研修所東京支所等の移転に伴う学校用地としての活用についての報告がされました。矯正研修所の移転後の跡地を、野方小、沼袋小の統合校用地に活用するというものです。想定スケジュールでは、平成23年4月に野方小の位置で新校舎として統合することにしていました。それが平成28年4月に、矯正研修所跡地に新校舎として開校することになっています。現在の野方小を建てかえて狭い敷地での新校とするより、近くで広い場所を確保して新築するといった見直しは理解できるものです。そうであるならば現行のスケジュールをストップして、野方小と沼袋小の統合は平成28年4月として開校すべきではありませんか。もちろん、平成21年度から始まる丸山小と沼袋小の統合についても時期を改めることが必要となります。当然ながら、沼袋小の地域スポーツクラブの活動拠点への転換も見合わせることも必要です。要は子どもたちの最善の利益を考えることが何よりも大事です。子どもも親も、だれも好き好んで統合を受け入れているわけではないのですから、全く新しいところに学校がつくられるのであれば、教育活動の展開にふさわしい学校となるよう、専門家や関係者を交えた検討機関を設けて進めるべきではないでしょうか、お尋ねします。
 教育委員会では、来年度予算案の中で中後期の再編計画の検討を行うことにしています。ファミリー向けマンション建設など住宅事情が変わる中、地域での対象児童・生徒数にも変化が生じてくるでしょう。そもそも40人学級を前提とし、小学校18クラス、中学校15クラスを適正な規模としていることが教育環境の改善と言えるのでしょうか。さらに小規模校を認めないことは、区民の願いに反していると指摘してきたところです。費用負担のことがまず第一にあるため、子どものこと、学校のことは二の次になっています。教育に係る費用負担については国や都に及び腰のままです。東京都は依然として拒否していますが、今や少人数学級は全国で当たり前の流れなのにです。
 来年度予算案で習熟度別少人数指導の拡大を図ることにしています。しかし、習熟度別少人数指導の拡大で学力向上につながるのか。子ども同士の差別、競争をあおることにもなりかねないことを危惧します。1日の大半を過ごす学校においては、1学期を単位とした生活の場が自分の居場所として安心感を与え、大切であることは、学校関係者や識者からも指摘されています。一人ひとりの学力向上と個性の発揮は少人数学級でこそ実現できると思います。杉並区や足立区においても足を踏み出しました。中野区においても中後期の再編計画は白紙とし、少人数学級の実施を検討すべきではありませんか、伺います。


6 西武新宿線連続立体交差事業と野方駅の改善について


 次に、西武新宿線連続立体交差化事業と野方駅の改善について伺います。
 一つ目に、連続立体交差化事業についてです。
 西武新宿線の連続立体交差化が中井から野方駅の間について採択されました。野方から井荻駅間はどうするのでしょうか。区は一体的にとの解釈を示して、議会、区民に説明してきた経緯があります。また、設立した西武新宿線踏切対策渋滞解消促進期成同盟の目的からして、あくまでも地下化を求めるのではないのですか、伺います。
 区はこれまで西武新宿線まちづくりに関する調査を行ってきました。また、周辺まちづくり勉強会ではまちづくりに対する検討を行ってきています。これらは区のまちづくりの計画にどのように生かされてきたのか、また今後どのように生かされるのか伺います。
 二つ目に、野方駅の改善についてです。
 北口の開設とバリアフリーの実現に向けて動き出したことを歓迎するものです。南口の駅前広場の活用については駅前商店街に接していることもあり、地域住民の皆さんが憩える場所にしていただきたいと思います。現在でも駅前待ち合わせや幼稚園児の引き継ぎ場にしているところを見かけます。高齢者や子ども、買い物客などが憩える場所となることを望みます。あわせて、野方振興組合などがイベントなどを行う場としても活用できないか、西武鉄道に働きかけていただきたいと思います。答弁を求めます。
 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えいたします。
 所信表明の中で平和問題について触れるべきではないかという御質問がありました。今日の世界の動きの中でさまざまな状況、経済やあるいは地域紛争、いわゆるテロとの戦いなども重要な要素と考えているところであります。所信表明のそのくだりについては、新たな世界の動きを概観的に押さえて日本の行くべき道を述べたかったものでありまして、お望みの内容になっていないのは、立場が違うわけですから当然のことだと思っております。
 それから、構造改革、規制緩和についてであります。日本が国際競争力を高めて持続的な成長を維持していく、そのような国になるためには、構造改革や規制緩和の一層の推進が必要であるということは述べているとおりであります。また一方で、その改革の成果を社会全般に波及していくように配慮し、国民生活を守るためのきめ細かな政策を実現していくことが必要だということも述べてきているところであります。
 それから、道路特定財源についてであります。地方自治体が使い方を選択できる一般財源化が必要ではないかといった御質問でありました。国が一般財源化したからといって、地方の自主財源に直ちになる保障はないのであります。特に地方交付税不交付団体においてはその見通しは小さいように感じられるわけであります。地方自治体においては生活道路整備にも道路特定財源が充てられております。着実に道路整備や維持・補修を行う上でも特定財源であることが妥当だと考えております。
 道路特定財源は受益者負担の原則に基づいて、自動車利用の基盤整備による国民生活の向上と、自動車による社会的な負荷に対する適正な負担を実現する仕組みであります。今日においても、なお道路や交通基盤の整備の必要性は多大でありまして、道路特定財源は今後とも必要だと考えているところであります。
 それから、既存事業の見直しについてであります。財政運営の考え方の主眼は、区民や地域にとって本当に必要な施策や事業は何かという区民の視点から事業を取捨選択し、選択した事業のために必要な財源を確保していくという政策主導で財政運営を行うことであります。何ら事業を見直すことなくいたずらに事業を拡大するということは、経常経費がどんどんふえて財政破綻につながるということでありますので、そうした考え方はとらないということであります。経常事業のPDCAサイクルを徹底し、事業を抜本的に見直すとともに、コスト管理を徹底することで区民サービスが向上し、区民に必要な施策が推進できるというふうに考えているわけであります。
 中野駅地区の整備についてであります。JRが責任を明らかにしないもとでは駅地区のまちづくりは慌てる必要はないという御質問でありました。本年4月に開院となります警察病院の利用者や、警察大学校跡地の整備に伴って増大する乗降客数への対応については、これは喫緊の課題であると考えております。駅施設、南北通路のあり方等、中野駅地区がどうあるべきか、JR東日本も含めてその具体化を図ることが急務であると考えているところであります。
 景気の動向が大変厳しいということで、区内事業者への支援についての御質問がありました。景気動向を見ると、厳しい状況であるということについては認識をしているところであります。相談窓口等について、現在の経営相談の中で十分対応できているものと考えております。
 公衆浴場への石油高騰についての燃料高騰分の補助の実施という御提案もありました。公衆浴場それぞれにおいて重油を用いたり、あるいはガスを用いたり、あるいは廃油を用いたりなど、使用している燃料が一律ではありません。そうした現行の状況の中で燃料高騰分、重油の高騰分の補助というのはなかなか実施が難しいと思っております。
 それから、低所得者や高齢者、障害者等に福祉灯油券の発行を考えてはどうかということであります。暖房もまた各家庭ごとにさまざまなやり方で行われているところでありまして、低所得者に対して灯油券の発行を行うという考えはありません。
 それから、後期高齢者医療制度についてであります。区独自の保険料の軽減策をということであります。後期高齢者医療制度の保険料賦課については、広域連合で統一的な考え方をとっておりまして、中野区独自に軽減策を行うことは考えておりません。
 障害認定者の後期高齢者制度への移行についてであります。老人医療受給資格の障害認定の取り下げを届け出ることによりまして、後期高齢者医療制度に移行せず、本人の負担が軽くなる場合もあります。対象となる方については、制度の趣旨を説明した文書を1月に送りました。障害認定の取り下げ等についてお知らせをしたところであり、個々の相談に応じているところであります。
 それから、職員2,000人体制について、2,000人体制ありきの区政運営は問題でないかということであります。職員を採用するということは、30年から40年の雇用を継続的に保障することにつながるわけであります。したがいまして、人事政策においても30年から40年スパンの展望を持って進めるべきであります。30年から40年先の社会を展望しますと、人口減少や高齢化がさらに進み、公的資源の財源の減少は避けられないわけであります。安定的な公共サービスを提供していくためには、そうしたことを見越した定数管理計画が必要となるわけであります。こうしたことを踏まえて、職員2,000人体制の早期に着実な実現を進める必要があると考えているところであります。
 それから、非正規職員の処遇についてとする質問であります。任期付職員については、公務員法の趣旨を踏まえて適切に対応していきたいと考えております。任期付短時間勤務職員の給料については、正規職員に準じて決定しているところでありますが、職務能力に応じた均衡を勘案して、来年度から改善を図るところであります。臨時職員の時給につきましても、平成19年4月から引き上げたところでありますが、今後も必要があれば臨機応変に見直しを行ってまいります。
 それから、委託先の職員の処遇に関連しての御質問であります。事業者が雇用する労働者の待遇につきましては、基本的には使用者と労働者の問題であると考えております。区といたしましては、過度な価格競争がサービスの低下につながるということが懸念されるということでありますので、サービスの調達に当たっては内容と価格の両面から事業者を選定いたしたり、あるいは入札において最低制限価格を設定するなど、その防止に努めているところであります。
 民設民営の保育園などについては、さらに必要なサービス水準を確保する観点から補助を行っているところであります。
 民営化・民間委託の目的が専ら財政削減にあるというふうに御理解されているようでありますが、サービスの質をよくしていく、そして財政の効率化に期するといったようなところ、多様なサービスでよりよいサービスを追求するということも目的であることをつけ加えておきたいと思います。
 それから、業務委託、請負契約の実態について、偽装請負等実態について調査をする必要があるのではないかということであります。区が発注をしております業務委託の履行確認は、現場で十分に把握しているところであります。業務委託、請負契約の実態調査を行う考えはありません。
 それから、西武新宿線の連続立体交差事業についてであります。野方以西の問題であります。今後とも中井・野方駅間の着実な推進とあわせて、野方駅以西の事業化に向けた取り組みを国や東京都に向けて、区民の皆さんとともに積極的に働きかけていきたいと考えております。
 それから、あくまでも地下化を求めるべきではないかという御質問であります。区としては沿線のまちづくりを進めていく観点などからも地下化が望ましいと考えているところでありますが、この方式については来年度の都の調査・検討の中で方向性が決まっていくわけであります。区といたしましても、真にあるべき立体化のあり方について検討をし、都や国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 それから、計画策定にかかわる委託調査等の反映ということについての御質問もありました。駅周辺のまちづくり構想、これは区がつくったものであります。これを策定していく上で、過年度に行いました調査や、あるいは周辺のまちづくり勉強会での検討内容などを反映させてきたところであります。今後ともまちづくり勉強会の内容等について、沿線のまちづくりを区が責任を持って行っていく中で十分に検討の成果を生かしてまいりたいと思っております。
 それから、野方駅の南口にできる駅前広場についてであります。地域の区民の皆さんにとってもよりよい広場となるように、西武鉄道と交渉を行って一定の広場面積を確保したところであります。駅利用者や一般の方の待ち合わせ場所、また憩いの広場や地域のイベント広場としても利用できるよう考えているところでありまして、西武鉄道とさらに協議をしていきたいと考えております。
 私からは以上であります。そのほかはそれぞれ担当の部長等からお答えをいたします。

〔区民生活部長大沼弘登壇〕
○区民生活部長(大沼弘) 青年の就労と生活支援についてお答えいたします。
 平成19年度はおおむね35歳以下の若年者を対象としてハローワーク新宿、杉並区と共催して実施しました。参加事業者は17社で、区内事業者2社も含まれていました。今年度の実績を踏まえ、ハローワーク新宿などと連携し、面接会の回数をふやすなど検討していきたいと思います。
 次に、住居喪失不安定就労者サポート事業についてはぐっJobなかのを活用し、情報の提供の拡充に努めていきたいと思います。
 次に、生活支援ですが、都が予定しているサポート事業については、区の生活相談窓口と十分に連携をとりつつ準備を進めていきたいと思います。また、青年層を対象とした区独自の家賃助成や、無利子貸し付けなどの新たな政策については現在のところ考えていません。
 相談窓口です。現在、就労や求人などの情報提供を積極的に行っており、相談窓口を開設する考えはありません。
 以上であります。

〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 小・中学校再編計画と少人数学級につきましてお答えいたします。
 法務省矯正研修所中野支所が移転した場合のスケジュールの変更につきまして、野方小、沼袋小の統合時期や沼袋小跡地の利用の見直しをしたらどうかというお尋ねでございました。
 学校再編は適正な規模の学校をつくり、集団教育のよさを生かした教育を行うことを目的に進めているものでございます。沼袋小学校は特に小規模化が著しく、早期に再編する必要があるため、前期再編計画の対象校としたものでございまして、統合時期の変更は考えておりません。また、統合の時期を変更しないため、地域スポーツクラブの活動拠点としての整備も計画どおりに進めていく予定でございます。
 また、専門家等を交えた検討機関の設置をということでございました。教育委員会では、区立小・中学校校舎の改築を円滑に進めるために設置いたしました学識経験者、また区民、学校関係者などで構成いたします検討会の報告を受けまして、昨年8月に学校施設整備の考え方を取りまとめたところでございます。野方小学校・沼袋小学校統合委員会ではこの考え方をもとにいたしまして、新校に取り入れていくべき機能を検討いたしまして、野方小学校・沼袋小学校統合新校校舎改築についての考え方というのを取りまとめたところでございます。今後、校舎建設に際しましては、この統合委員会で取りまとめた考え方を踏まえ、さらに地域や保護者、学校関係者などの意見をお聞きし、反映しながら、地域が誇れる魅力ある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
 それから、中後期再編計画を白紙化したらどうかという御質問がございました。学校行事などの集団活動を活性化し、多様な子ども同士の触れ合いにより社会性をはぐくむためには、学級数だけでなく、一定の集団規模を確保することが必要でありまして、そのため学校再編に取り組んでいるところでございます。中後期の学校再編につきましても、前期に引き続き小規模校を解消し、学校規模の確保を図ることを目的として実施いたします。このため平成20年度を目途に計画を改定する予定でございます。
 それから、少人数学級の実施をという御質問がございました。少人数習熟度別指導につきましては、教科の特性に応じまして、児童・生徒一人ひとりの習熟に応じたきめ細かな指導ができ、学力の向上に結びつくものであると考えております。少人数指導を推進してきております算数、数学におきましては、区の学力にかかわる調査結果では、目標値に達した児童・生徒の割合が増加しております。教科によりましては一定規模の学習集団が効果的なものもございまして、区としては少人数学級よりも少人数指導の充実に取り組むことがより重要であると考えております。
 以上であります。

○議長(市川みのる) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。