【本会議・一般質問】
(2007年2月22日)

中野区議会議員 岩永しほ子

  1. 障害者自立支援法の「改善策」について
  2. 耐震補強工事助成の実施について
  3. 山手通り問題と郵政宿舎跡地などについて
  4. 地域センター廃止計画について
  5. 幼稚園障害児介助員などの対応について

○31番(岩永しほ子) 2007年第1回定例区議会本会議におきまして、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。

最初に、障害者自立支援法の改善策についてお聞きをいたします。
昨年実施された障害者自立支援法は、応益負担見直しを求める全国的な運動によって、法施行後1年もたたないうちに、政府と厚生労働省は改善策を出さざるを得ませんでした。これは、利用料の上限額引き下げと食費負担のさらなる軽減、課税世帯のうち、住民税所得割が10万円以下の世帯への負担軽減、事業者が日払い方式で受けた減収分の保障を9割に引き上げるなどの激変緩和と、民間作業所などが新制度に移行するための経過措置となる特別補助の実施です。しかし、利用料の軽減策や事業者の減収保障対策は、今年度分には遡及しないものです。中野区は、今回の見直しを知らせる案内を関係者に送り、軽減の対象者や対象世帯の把握に努めていると聞きます。新たな軽減対象となる世帯は、4月から6月までに所得割10万円未満の認定を受ければ、今後2年間は有効、7月からは住民税のフラット化による影響で、16万円までが対象になることなども早目に知らせ、一人ひとりが不利益を講じないようにするべきです。お答えください。
上限額が引き下げられたとは言え、利用料の1割負担をしなければなりません。23区では半数以上の区が障害者とその家族を支援するために、1割負担を軽減する方策を実施しています。区長は、障害者支援の拡充が必要と施政方針で表明しているのですから、1割負担の軽減策を実施すべきです。お答えください。
事業者への日払い方式により生じた減収保障と通所施設の送迎サービス助成は、国が包括的な基金制度をつくり、都が実施主体となって07、08年度に実施されます。減収への補助率は9割ですから、1割分は補助されません。事業者が減収を理由に運営を継続できなくなることは、利用者のみならず区にとっても重大です。そうした事態が起きないよう、都と区の対策を求めます。お答えください。
自治体にとっても影響は深刻なことから、全国市長会や全国知事会は、地域生活支援事業の財源措置、障害者程度区分認定の改善、負担軽減と所得保障などを国に求めています。今回の改善策は、法の枠組みを守りつつ、3年後の見直しまでの措置という期限つきですから、応益負担による制度の根本解決にはなりません。事業者にとっても、安定的に事業を継続し、新体系に移行する保障となるのか。3年後はどうなるのかという新たな不安をつくり出しています。区として真の障害者自立支援のために、応益負担の見直しを求めるべきと思います。見解をお聞きします。

次に、耐震補強工事助成の実施についてお聞きします。
先日墨田区のまちづくり公社と地元住民などが参加する京島地区まちづくり協議会がつくった「命を守る簡易耐震改修のモデルハウス」を見学しました。築70年になる呉服屋さんだった空き店舗を有料で借り受け、その建物に地元大工さんなどが実際に5種類の工法を実施し展示してあります。逃げ道を確保できるよう、家の壁と天井に添わせたいのちの門となる門型フレーム、強さ約3倍と書いた筋交い補強、1階の天井、2階の床を補強する構造用合板、ダンパーを使用した壁の補強など、それぞれの仕組みがわかり、予算と工期も示され、各家の事情や予算に合わせて実施できることがわかります。大がかりな工事をしなくても、耐震工事を実施できることが実感できます。
ちなみに、モデルハウスは商店街の休憩所や公共トイレとしても提供されています。このモデルハウスの工事費用100万円は国の補助金を活用しています。中野区でも区内の建設関係者などと相談し、墨田区のように空き店舗などを活用し、区民が目で見てわかり、耐震の取り組みが一層進むよう働きかけてはいかがでしょうか、お聞きします。
中野区が実施している耐震診断助成の一般診断では、今年度200件の予定数を超え、補正を組んだ対応で11月までに337件の実績を上げています。補強工事は自己資金ですが、58件実施されています。耐震対策の計画も、助成範囲の中でしたら、耐震工事に結びつきやすいのでしょうが、さらに工事助成があれば、もっと工事が進むでしょう。04年4月から06年8月末までの耐震診断助成の実績では、985件の木造簡易耐震診断が実施されています。うち建築基準法が定める、一応安全レベル1.0以上のものは1割しかなく、9割が一応安全レベルに達していません。私たち議員団は、これまでも簡易耐震工事、いわゆる「ほどほど耐震」など、耐震化への工事助成を提案してきました。23区では20区が耐震工事助成を実施しています。残る3区のうち、既に千代田区は高齢者などへの工事助成を実施し、練馬区は新年度から実施します。いよいよ個人財産への補償は問題と言い張っている中野だけが何もないということになってしまいます。まちづくりを強調するならば、まず災害に強いまちにすることが優先されます。区政世論調査を見ても、防災に対する強い要望があります。
国は昨年7月に、耐震改修促進計画の策定と補助制度整備の促進を求める通知を出しました。耐震化促進のために、個人の特別減税も創設しています。都は住宅マスタープランや地域防災計画の素案に、住宅の耐震化と家具転倒防止策の促進を盛り込みました。練馬区の耐震改修促進計画素案では、個々の住宅や建築物は都市を構成しており、耐震性の向上は災害に強いまちづくりを行う上で不可欠であるとしています。国、都、22区の取り組みは、耐震工事助成は災害に強いまちづくりのために不可欠なことを示しています。個人財産への補償は問題という中野区は、時代から取り残されてしまいます。耐震化の特別減税は、改修工事をした場合の住宅120平米までの固定資産税を2分の1減額し、所得税では費用の10%、上限20万円の控除申告ができます。この所得税控除は、自治体に工事助成制度がないと申告できません。このままでは中野区民は耐震補強工事の助成がないだけでなく、自己資金で行った工事の税金控除すら受けられないことになります。中野区も直ちに耐震改修工事助成を実施すること、積極的に耐震改修促進計画を定めることを求めます。お答えください。

山手通り問題と郵政宿舎跡地などについてお聞きします。
山手通り地下の首都高速道路新宿線の工事がおくれ、高速5号線熊野町から高速4号線につなぐ西新宿ジャンクションまでをことし12月、その先高速5号線への目黒大橋までは09年度中に開通を予定しています。これまで東京都や首都高速が説明してきたアセスメントと車の交通量推計は、全線開通を前提にしたものでした。しかし今回の計画では、中野本町出入り口は全線が開通するまでの2年間、新宿で合流する高速4号に乗らない車の出口となり、池袋方面に向かう車や近隣の混雑を避けようとする車の入り口となり、車が集中し、そのために本郷通りや山手通りが渋滞するのではないか。本町一丁目の相生通りに車が流れ込むのではないかと、ますます不安になります。先日首都高速の人たちと話しましたが、状況が変わったことによるアセスなどは実施していないとのことでした。地元へは昨年の「山手だより」の配布でお知らせされただけです。山手通り問題に関係する地域住民や団体は、排気ガスや換気塔対策、歩道の確保、バス停の改善などについて運動してきました。山手通りの整備もおくれ、沿線住民の工事被害は長期化しています。区は、公団とともに今までの説明と違ってきた現状についての住民説明会を実施すべきです。お答えください。
私は、昨年の決算特別委員会において、本町二丁目の郵政宿舎跡地を区が取得するよう求めました。地域からも取得を求める陳情がなされています。持ち主の共済組合連合会は、今後は測量や土地管理などの調査をすること、独自に鑑定し、公表しないが、売却の予定価格を決め、一般競争入札に先立ち当該自治体の意向を聞き、合意できれば区と随意契約を結ぶことになると話していました。区は、08年度に当該用地を取得する意向を示しました。整備などには地域が参加する検討会を設置することが肝要です。地域住民の願いにこたえて取得できるよう、時期的な対応もあわせた努力を求めます。お答えください。

地域センター廃止問題についてお聞きします。
区は10か年計画において地域センターの職員を引き上げ、行政窓口サービスは南中野、東部、野方、江古田、鷺宮の5カ所に統合する。オンラインシステムを廃止して、区役所に電話などで申し込んだ住民票をコンビニで受け取る。区民活動センターの管理は、地域の町会、自治会などでつくる運営委員会に委託し、自主運営とする考え方を示しました。しかし、区民からは強い反発が出され、見直さざるを得ませんでした。その後、地域調整をする職員の複数配置、コンビニ委託はやめ、区民活動センターの運営委員会が雇った人が住民票などを受け渡す。運営は地域の自主運営ではなく、区が一定の運営マニュアルをつくるなど、考え方がくるくると変わってきました。私たちは、施設に職員を配置する以上、職員がオンラインシステムを使って行政窓口サービスを実施することが、プライバシー保護の問題でも、無駄のない現実的な対応であることを提案し、見直しを求めてきました。改めて区の対応を求めます。お答えください。
区が委託先と考えている町会との話し合いでは、区民活動センターへの転換目的がわからない、区は町会に仕事を押しつけようとしている、といった声をはじめ、運営委員会に責任を持たされても困る。職員行政が主体となって担うべきだと、区の考え方に批判的です。さらに町会は、自主団体であり、会員のための組織であるとか、窓口サービスの集約によって、住民サービスの低下を招くのではないかなどの意見も出されていますが、当然のことです。しかし区は、新年度に区民活動センターへの転換に関する予算を盛り込みました。問題の解決がなく、当初からの計画が変わり、今後の見通しもはっきりしないまま、計画を進めることはやめるべきです。他区でも、地域への委託が失敗している例があります。それらを教訓として、区の計画を白紙に戻し、区民が納得できるものに検討をし直すべきです。見解をお聞きします。

最後に、幼稚園障害児介助員などの対応についてお聞きします。
区立幼稚園の障害児介助員は、通年介助として13名が予算化されています。現実にはアルバイトで対応しているため、半年ごとに変わり、安定した介助体制ではありません。幼稚園の現場からも、通年対応が要望されています。教育委員会は、介助時間が短時間であり、夏休みが1カ月あるので、アルバイト以外の対応は難しいと言います。しかし、小中学校の介助員は任期付き短時間勤務員が適用され、保育園でも2時間の任期付き勤務員制で、150人ほど配置されています。通年での安定した体制がとれれば、だれからも喜ばれます。何らかの工夫をして、幼稚園での改善を求めます。お答えください。
さらに、学童クラブでの障害児対応について、昨年の決算特別委員会において改善を求めました。新年度はアルバイトで対応し、数十円程度の引き上げをしたと聞きますが、根本解決にはなりません。早急に改善すべきです。お答えください。
以上で私の質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。
障害者自立支援法についての御質問であります。
今回実施される軽減策について、障害者の皆さんに対して御案内をする際に、一人ひとり不利益が生じないように十分に配慮をするべきだという御質問でありました。この点については十分に配慮をしてまいりたいというふうに思っているところであります。
また、1割負担をさらに軽減する、あるいは応益負担の見直しを国に求めるべきではないか等の御質問もありました。障害者自立支援法は、利用者が利用料と所得に応じた負担をするとともに、国と自治体が責任を持って費用を負担し、必要なサービスを確保・充実させて、障害のある人の地域での自立した暮らしをしっかりと保障し支えるという制度であります。この制度の趣旨から、区は独自に定率負担を変更する考えはありません。また、国に対し、サービス料と所得に着目した負担の仕組みの変更を求めるつもりもありません。今回、国において、法の着実な定着を図るために、利用者負担のさらなる軽減、事業者に対する激変緩和措置などの特別対策が実施されることになりました。区としても周知を図って、着実に対応していきたいと思っております。
耐震補強工事についてであります。
区の耐震相談窓口では、安価で信頼できる耐震改修工法、装置の事例一覧集や、木造住宅の耐震リフォーム事例集などによって、簡易な補強事例、装置についても区民に御説明をしているところであります。木造住宅の耐震補強工法、装置等の展示会の開催については、これまでも実施してきているところでありまして、今後もこれまでどおり実施をしていきたいと考えております。
それから、耐震補強工事制度の工事についての助成をつくるようにということであります。
耐震補強工事については、みずからの生命財産を守る対策であり、基本的には区民みずからの責任で対策をとるべきと考えているわけであります。個人の財産に対して、他の方の税金を投入するといったようなことについての問題もあるというふうに考えているところであります。
税の減免について、国や都に申し入れを行っているところでありますが、税の減免が中野区の区民の方も受けられるように、耐震診断に続く設計の一部について、補助として執行することとしたものであります。
それから、山手通りの問題についてであります。
今回の段階的な供用開始によりまして、山手通りを通行していた車両の一部が高速道路を利用することになりまして、山手通りの交通環境が改善されるわけであります。このことにより、周辺街路への交通緩和にも寄与することも考えられるわけであります。環七通りからの中野本町出入り口の利用は、本郷通りだけでなく、方南通り、水道道路からの利用もあるため、本郷通り等に極端に集中するといったようなことは考えにくいと思っております。
説明会の開催要望につきましては、首都高速道路株式会社に伝えておきます。
それから、本町二丁目の郵政公社跡地の取得についての御質問がありました。
本町二丁目郵政公社の跡地につきましては、安心安全なまちづくり、地域の活性化などの観点から、その利用も視野に入れているところであります。なお、現段階においては、国家公務員共済組合連合会における当該用地の処分方法について、未定であると聞いております。
それから、地域センターの仮称区民活動センターへの転換についての御質問もありました。
地域センターで行っております窓口サービス機能については、区民の方の利便性を確保しながら、5カ所の仮称地域事務所に集約をすることで、小さな区役所の実現を図ることを目指しているわけであります。地域センターの窓口を現在の形でそのまま維持していくということは考えておりません。
それから、仮称区民活動センターへの転換については、19年度はどのようにしたら地域にとってより有効な運営ができるか、それぞれの地域で十分に話し合って、その具体化に取り組んでいきたいと考えているところであります。
それから、障害児対応の介助員についての御質問でありました。
現在、臨時職員で対応している幼稚園や学童クラブの障害児対応職員につきましては、職員配置の考え方などを整理していく中で、既に小中学校で配置をしております任期付き短時間勤務職員、この制度の導入を図っていくよう、現在事務的に条件を整理しているところであります。
○議長(高橋ちあき) 以上で、岩永しほ子議員の質問は終わります。