【予算委員会・一般会計予算の組み替え動議の提案】
(2007年3月6日)

中野区議会議員 長沢 和彦


○長沢委員 ただいま提出しました第5号議案、平成19年度中野区一般会計予算の組み替えを求める動議について、日本共産党議員団提出者の8名を代表し提案理由の説明を行います。
 国の構造改革、成長戦略のもとで、一層の貧困と格差の拡大が進んでいます。区民1人当たりの所得の推移を見ても、5年連続で減少する一方、今年度の年金課税と定率減税の半減、障害者や介護保険の法律の制定及び改定による負担増に加え、新年度は定率減税の廃止によるさらなる増税負担増が区民生活を襲うことになります。
 区財政から見れば、新年度予算は昨年に引き続き区民税の増税による増収です。そして、特別区交付金の増額は財源配分の変更はありますが、やはり専ら大企業の利益による、それもリストラやワーキングプアなど労働者の犠牲の上になし得た収益によるものです。こうした関係からも、区が住民福祉を守る機関としての役割を発揮し、増税と負担増から区民の暮らしを守るため、憲法25条の生存権を生かすことを予算の第一に据えることが求められていると考えます。
 この点を踏まえ、我が党議員団は、区の新年度予算案が一歩でも二歩でも区民生活に寄り添って苦難を取り除き暮らしを応援するものとなるよう予算の組み替えを求める動議を提出するものです。
 地方自治の本旨に立てば、改善と充実を求めたいことは多々ありますが、まずこれだけは踏み出すべきという最小限の項目に絞り込み、本委員会で可決されるならば、実現可能であると同時に、区民要求に正面からこたえる予算の組み替えとなっています。
 その特徴の第1は、国の制度見直しなどによる影響から、負担増を軽減することです。今も述べたように、制度の改定による増税と負担増の影響は大変大きいものです。根源的には国の責任ですが、身近な政府として区が少しでもその痛みを和らげることが必要と考えます。高齢者や障害者、そして、子育て世代を襲う負担増、とりわけ低所得者への負担の軽減策を実施することを求めます。
 第2に、区民の暮らしと営業を支え、命と安全を守ることです。医療制度の改定などにより、自営業者をはじめ区民の命と健康が心配されています。早期発見、早期治療によって健康を維持することが大切です。成人健診の自己負担を改め、がん検診等の内容を充実させて区民の命と健康を守ります。
 大震災から区民の命と安全を守ることは今や自治体行政の仕事で欠かすことのできない課題です。とりわけ木造密集地域を多く抱える中野区において、その必要性と緊急性は言うに及びません。今日では、国も都も補助金を出しています。そうした制度を活用して、個人住宅への耐震診断や設計にとどまらず、補強改修工事の助成など、積極的に区民要望にこたえることが肝要です。
 第3に、福祉、教育を拡充し、子育て世代と青年の暮らしを支援することです。子育て世代は今増税と負担増による家計への直撃に加え、子育てや教育にかかわる出費の増大によって悲鳴を上げています。しかも、20代、30代のこの世代の賃金所得の落ち込みは目を覆うような状況です。そうしたときだからこそ、家計を直接温める経済的給付と、安心して子育てと教育ができる環境を整備することが欠かせません。医師確保を含めた小児救急の医療体制の整備をはじめ、出産前からの子育て支援と教育環境の充実により、子育て世代の暮らし応援と子どもたちの豊かな成長をはぐくむ一助になると考えます。
 青年をめぐる実態は青年層の多い中野区においてはより深刻です。ワーキングプアに代表されるように、企業から使い捨てにされている青年たちに心を寄せ、就労支援や家賃補助をすることで、貧困と格差の真っただ中にいる青年の暮らしを応援します。
 第4に、不要不急、大規模開発優先の歳出を見直すことです。設立目的があいまいな(仮称)中野区政策研究機構や新手のビジネスチャンスになりかねない市場化テストなど、区民参加、職員参加を形骸化し、一層の市場競争原理の推進を図ることは区政運営にとって全く必要がありません。したがって、削減をします。
 警察大学校跡地をはじめとした中野駅周辺整備に計上した予算については、その目的が大企業呼び込みであることからして、区民合意のない、いや、区民の願いに背いた計画である以上行うべきではありません。財政的にも金食い虫になりかねず、環境面からも問題が多いものです。何より区民の命と安全を守る計画からはほど遠く、見直しが必要と考えます。そのため削減をします。
 不足する財源については、基金の積み立ての減額によって補います。むだと浪費をやめ、不要不急、開発優先の予算を改めて、その分を区民の福祉、教育を優先とした予算に組み替えるべきと考えます。
 以上、組み替えの規模は一般会計予算の2%程度ですが、区がこの方向に踏み出すならば、必ずや区民の願いにこたえるものになると確信しています。委員の皆さんの御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。

○伊藤(正)委員長 以上で提案説明を終わります。
 続いて、組み替えを求める動議に対する質疑に入りますが、なお、質疑につきましては、最初に御確認いただいたとおりですのでよろしくお願いをいたします。
 質疑をされる方はマイクの使用をお願いいたします。マイクは4本用意してありますので、委員の方々にはマイクの受け渡しに御協力をお願いいたします。
 それでは、第5号議案、平成19年度中野区一般会計予算に対する組み替えを求める動議について質疑をお受けいたします。質疑はありませんか。

○大内委員 質疑をお許しいただきましてありがとうございます。
 まず、共産党議員団の全員の方から今回出たということですけれども、ということは、皆さん予算には反対という立場でこれは出されているということですか。

○長沢委員 予算原案そのものは、またその採決、判断する時期があると思いますので、そのときに表明をしたい、このように思います。

○大内委員 採決する時期というのは、多分すぐ採決をやると思います。ただ、分科会では、すべての分科会で反対の立場でしたっけ。

○長沢委員 今回こうした組み替えを行って再提出を求めるということですので、原案については私どもは極めて問題があるというふうな認識には立っております。

○大内委員 では、予算原案の賛成、反対ということは改めてとしたいと思いますけれども、この組み替え動議、一つずつ区切ってやると時間がかかりますので、皆さんに御迷惑がかかりますのでやりませんけれども、本来、予算原案の方にも非常にいい政策というものがたくさん入っているんですけれども、例えば共産党のいろいろな政党の新聞等にも、中学生までの医療費を無料にしましたよね。あれは原案に入っているのは御存じですか。

○長沢委員 存じております。

○大内委員 あともう一つ、野方駅のたしか基本設計にも入っていることは御存じですか。

○長沢委員 よく存じております。

○大内委員 そのほかに1件1件やりますと、とにかく原案の中でも載っていることなので、この組み替えについても特に聞きませんけれども、これが通らなかったとして、原案に反対されるということは、そういった先ほど共産党も進めている政策すべての予算に反対されるということになりますので、よく判断されたらよろしいかと思います。
 それでは、ビラを回収した方がいいといういろいろな意見もございますけれども、ぜひそういう時期に来たら、多分間もなく来ると思いますけれども、休憩中にするなどして、もう一度議員団で諮らなければいけないということなんでしょうか。それは、これ以上は、余計なお世話になるのでやめておきます。区長の方にお聞きしますけれども、この提案の内容からすると、非常に跳ね返りのあるランニングコストやセンター等の人件費がふえるように予想されます。我々区政を預かる責任政党、自民党としては、民社クラブ議員団としては、当然このような財政運営を無視した提案は難しい。受けるのはちょっと大変だろうと思います。区長はこの組み替え動議の御提案についてどのように考えをお持ちなのか、区長にも見解をお聞きしたいと思います。

○田中区長 この提案の歳出の増加分だけを見ましても、大体20億円あるわけであります。そのほとんど大部分が経常的な経費というか、これを始めると毎年毎年義務的に出していくという、そういった性質のお金になっているということであります。一方、削減するというふうに見直すというふうに提案されている歳出の方を見ますと、この年だけの経費というものが、これもほとんど大部分というふうになっております。したがいまして、毎年20億円からの、ここに書いてあるだけで歳出がふえる要素、毎年毎年どうしてもかかっていく歳出がふえる要素があるということです。
 委員がおっしゃられたように、こういうことを実現するとすれば、またやめるという市場化テストであるとか、公会計改革であるとか、さまざまな歳出削減に向けた努力をやめる。そういうことになるとすれば、そのことによって人件費が増加していったり、経費の削減ができなかったりといったようなことも当然あわせて出てくるわけです。少なくともここに書いてある約20億円の歳出増になった場合、来年度の予算では20億円その部分が丸々足りなくなるわけです。
 御提案の中では、足りなくなったら基金の積み立てをやめればそれで済むではないかと、こういうふうに言っているわけですけれども、財政調整基金のうち、一時的な不足に対応できる年度間調整に充てるというふうに予定している分は58億円程度、18年度末の予定で58億円程度です。つまり、20億円ずつ毎年歳出規模を今の歳出規模からふやしていくということは、3年間でこの財政調整基金の年度間調整分がなくなって、それがどんどん赤字になって、その先は積み重なっていくということになっていくわけであります。私は、当然そうした財政をいたずらに膨らませて区の財政を破綻させて区民の暮らしを危機に陥れるようなことを受け入れるわけには断じてまいりません。

○大内委員 区長のあれを聞くと、財政調整基金ですか、年度間調整に使わなければいけない。今まで共産党が、蓄えてはいけないといったお金を使わなければいけない、そういった基金は要らない、ほとんどの金を残してはいけないんだ、でも、そのお金がなければ、こういう組み替えの動議をやるためにはできないという非常に皮肉なものなんですけれども、もう一度聞きますけれども、この動議、採決が終わった後、間もなく予算、本会議場ではないですけれども、こちらの全体会で多分伺うんですけれども、その他もろもろ、共産党も進めてきた、再度言いますけれども、中学生の医療費無料、そういったものが凍結といいますか、否決にするとしばらくできなくなっちゃう。そういったことも考えられるんですけれども、また野方駅の基本設計、ここまで来てとめちゃうのかとか、今後は、共産党は私たちが提案したけれども、私たちはその予算を含めた全体に反対をしたという立場になりますので、ぜひ慎重に全体予算については臨んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。

○長沢委員 予算の中では、当然ながら私どもが提案もさせていただいたというか、質疑の中でも、また要望としてもさせていただいたものがさまざまあるというふうに思っております。ただ、予算の判断というか、議決の仕方としては、総体として見るわけでありまして、その点では全体としてどうなのか。つまり、平たく言えば、ごちそうがあって、その中で若干の毒があってぴりぴりする程度ならいいけれども、猛毒で死んでしまうような、そういう予算であれば、それは当然ごちそうはおいしそうだけれども、それには手を出せない、そういうことであります。
 また、区長からありました。区長に対する議会としての再提出を求めるというものでありますから、ただ考え方として、20億円の経常経費がかかるというお話でありますけれども、私たちはそういう極めて形而上学的な見方をしなくて、政治行政自身が国なり東京都の動きなりが当然あるわけでありまして、そういうところでは、当然ながら、私も先ほど触れました地方自治の本旨を発揮する。つまり、1自治体として国に対してさまざまな機会の中でそういったことを要望していくこと自身は、これはあるだろうというふうに思っています。
 現実に障害者の自立支援法が1年もたたずにしてああいう改善策を国がとったというのは、それだけの関係者の皆さんや住民の運動、私どもも当然その先頭に立って頑張ってきましたが、そうしたことが改善をされたことを一つ見ても、あるいは介護保険での軽度者へのベッドの取り上げとか、こうしたことも例外的な措置が盛り込まれるようになったということも、やはり現実的に国の政治そのもの自身にはるかな影響を与えた。
 大事なことは、今現実にこの区民の皆さんの増税や負担増自身によって本当に塗炭の苦しみを味わわされている。これに少しでも痛みを和らげる。そのこと自身を基金にため込むのではなくて、それを使って少しでもやわらげる施策をやられたらどうですかということをこの間主張させていただいた。その一定の提案ということで御理解いただければと思います。

○伊藤(正)委員長 他に質疑はありませんか。佐藤委員。

○佐藤委員 質問させていただきます。
 これは、まず、数がわからないんですけれども、正確な額を教えてください。

○長沢委員 歳出の増額につきましては、21億9,354万9,000円です。また、歳出減額につきましては、88億9,100万円ということで、差し引いて67億円というものであります。歳入自身がやはり87億円ありまして、差し引いて不足分としてはおよそ20億円ということになっております。

○佐藤委員 たくさん挙げられている中で、これから考えなければならない項目もあると思うんですが、全体的な考え方がよくわからないのでお伺いするんですけれども、最初の1ページ目に出ております低所得者の見舞金。この低所得者の見舞金ということの意味というのはどういう意味でしょうか。

○長沢委員 低所得者への一時金を支給するという意味でございます。

○佐藤委員 どうして見舞金という言い方なんですか。

○長沢委員 悪政によって大変被害を受けているということにおきましては、その方にお見舞いをする。対象としましては、未成年者を除く住民税の非課税者ということで計上をさせていただいたということです。

○佐藤委員 私はこの見舞金というのは、病気の方にあげたりしますけれども、非常に失礼です。前から気になっているんですけれども、人権を大事にという方たちがどうしてこの失礼な言葉遣いをたびたびされるのかなということが気になっておりまして、あえて全体的ないわゆる考え方について伺ったんです。そもそも所得格差を埋めていくということは、例えば所得が低い方に対して、ただお金を差し上げればいいとだけでは済まないと既に言われているところです。
 その生活そのものがなぜ所得格差があるのか。その所得格差を埋めていくためのいわゆる自立支援、仕事を提供したり開発したり、そういった自立支援策を受けていかないと、所得の低い方は所得の低いままに置かれてしまうという、低いままでいいのかという考え方が一番最初に出てきているというところが私は気になります。そういう意味での自立支援の方向性についてはどのように考えていらっしゃるのかがこの全体的な流れの中から見えてこないと思うんですけれども、そういうお見舞金という考え方に対していかがお考えなのか、再度お伺いをします。

○長沢委員 前段総論的に自立支援ということでそういうお話もありました。現実に今の政治のもとで、つまり、今の貧困や格差自身が自然現象として起きたのではないというふうに私たちは思っております。そういう意味では、構造改革の中で、まさにこういったものをつくり出してしまった。一つは、労働者の働く形態自身を変える。いわゆる正規から非正規に変える。また、例えば所得自身においても、労働者自身の賃金事情はずっと抑えられてきているというのがあります。さらに言えば、本来的には所得の再分配機能であります社会保障制度自身が、本当に言ってみれば貧困格差自身を是正する役割を持つものが、それを逆に広げているような役割を今果たしているというふうに思っております。さらにそういったときに、増税という、こういったことが現実にこの貧困と格差自身を大きく拡大をさせた要因だろうと思っています。
 そういう中で、当然ながら私たちは、今委員がおっしゃられたような施策そのもの自身はさまざまあると思っています。しかし、冒頭にというか、説明の中でも申し上げましたが、少しでもその痛みを和らげる。少しでもそれを是正する。そうしたことでこういった提案をさせていただいたということが1点であります。
 見舞金ということでありますが、見舞金という言い方そのもの自身は行政としては一般的に使われてきた言葉かなというふうに思いまして、その点についてはそういうことで御理解いただければというふうに思っています。

○佐藤委員 従来のやり方の福祉行政の中で見舞金という言葉は使われてきたと思います。だけれども、所得の格差、あるいは低い方たち、困っている方たちをそのままにしておいて、いわゆるお金の手当てだけで支援すればいいかという考え方ではなくて、それがなぜ起きているのかということをそれによって政策全体をつくっていくことを補うという形ではなくて、つくっていくことが求められていると思いますので、そういった流れがもう少し見えるようにここは書きかえていただきたいと思いました。

○伊藤(正)委員長 他に質疑はありませんか。飯島委員。

○飯島委員 簡単に2点ほど。結局差し引きしてこの組み替え動議が実現されると予算規模は20億円減るという話がありましたが、20億円ふえるんですか、減るんですか。
 それから、財源を積立金の減額で賄う、こう言っておりますが、積立金の減額とはどういうことですか。積立金を幾らから幾らに減額するんですか。

○長沢委員 全体の予算規模としては、この歳出のところの86億7,000万円余が財政規模として減額になるということでありまして、積み立ては、今回27億円の積み立てを予定をしていますので、そこからの減額ということで出しているということです。

○飯島委員 ふえるようなことを言っていなかった……。86億円の減額は、要するに言っていることでどのくらいの財政規模になるんですかと言っているんです。
 積立金はそこからいかなる積立金から幾ら減額するんですか。内容によっては、積立金からの減額は可能じゃないものがあるかもしれませんし、共産党の方針に反するようなことになる。もう一度正確に、20億円をふやすと言っていませんでしたか。

○長沢委員 財政の規模全体とすれば、大きく減額になるものだと思っております。といいますのは、歳入のところで、当然ながら、例で言いますと中野駅の周辺整備のものが国からの補助金なり東京都からの交付金なりが大きく減ることにもなりますし、そういうことでは財政全体の規模としては大きく減るものということです。
 基金の方の積み立てに対する減額というのは、何からということではなくて、ここで言ったのは、減額実施によって20億円足りない歳出増額についての差し引きのものについてはそこから補てんをするということで提案をさせていただいたということです。

○飯島委員 つまり、要するに歳出増分、歳出減分、歳入減分、こうなっていますね。歳出増分の増の部分と歳入減分の減の部分では、歳出の部分が多いから、20億円余ふえるわけでしょう。その分を積立金を積み立てないことによって予算のバランスをとりたい。要するに組み替えだから、言いたいことは言いました。こっちで少し考えたら、そういうどこからどうしようといいんだけれども、積立金の積み立てを減額することによって埋めてくださいと、それはお任せします、こういういわばスタンスとしては極めて無責任としか言いようがないようなスタンスで言っているとしか思えないんですけれども、当然積立金の減額なら、どれからどのぐらい減額するべきなのか。どの積立金なら、あなた方がおっしゃるようなため込みではないのか。こういうことをはっきりさせるのが本来の筋でしょう。そうではないですか。だって、積立金はため込みなんでしょう。積立金の額は残るんでしょう。全部減額されるの。積立金はこの組み替え動議を実施した後も残るんですか、残らないんですか。

○長沢委員 積み立ての額として、19年度に入れるのが27億円ということで言えば、残るのかと思っています。

○飯島委員 そういうのは何がいくら残るんだとか、考えなければならないでしょ。それから、細かいことはやりませんけれども、いずれにしても極めて無責任としか言いようがない。こういう組み替え動議だということを最後に一言申し上げておきます。