本会議・一般質問 羽鳥だいすけ

4 18歳選挙権の実現に伴う主権者教育について

 続いて、18歳選挙権の実現に伴う主権者教育についてお尋ねをいたします。
 ことし6月に公職選挙法が改正され、18歳、19歳の青年に選挙権が与えられることになりました。日本共産党は、1922年の結党以来、18歳選挙権の実現を強く要求していた歴史からも、今回の改正を歓迎したいと思います。
 そして、これから大事になってくるのが、青年が投票所に足を運び、政治に参加していくことです。1人でも多くの青年が政治参加をしていくために、中野区にはさまざまな点から施策展開が求められています。
 そこでまず、18歳選挙権の成立に伴い、青年への政治参加をふやしていくために施策展開をしていく重要性について中野区選挙管理委員会の認識をお尋ねいたします。
 青年の政治参加への関心を高めていくためには主権者教育が重要です。青年が社会の問題をみずからの問題として捉えられてこそ、投票にも「行ってみよう」と思えます。主権者教育は、直接に選挙権とかかわってくる高校生だけでなく、中学生の段階からも行っていくことが求められています。選挙管理委員会では、主権者教育として、区内小・中学校への投票箱や記載台の貸し出しを行っているとお聞きしました。また、ことしからは模擬投票の新たな取り組みを始めたとお聞きをしました。
 そこで、選挙用具の貸し出しを、昨年度、今年度はどのくらいの区内小・中学校に行ったのでしょうか。また、模擬投票の取り組み校数について及び実施した中身についてお答えください。
 この取り組みは、区内にある高校ではどの程度取り組まれたでしょうか。また、より多くの高校に模擬投票などを広げていくために、申し入れやプレゼンなどを行っていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 1972年に18歳選挙権を実現したドイツでは、政治的中立を保った政治教育はどう実現できるかと真剣な検討を行い、政治教育の目的は民主主義を育てることだとして三つの原則が確立されました。第1は、教師の意見が生徒の判断を圧倒してはならない。すなわち、意見を押しつけてはならないということです。ここで注目すべきは、教師が自分の考えを述べること自体は禁止していない点です。政治的中立性は大切だが、中立の客観的な基準は定められないからです。第2は、政治的論争のある問題は論争があるものとして扱うということです。第3は、政治教育を通じて自分の関心・利害に基づいた政治参加能力を獲得させる。つまり、自分の頭で考え、自分の言葉で意見を言えるようにするという原則です。この原則に立った教育を行うことが政治的問題を自分事として判断する主体を育て、青年の政治への意識を観客から当事者に変え、民主主義の担い手を育てる、その信念が貫かれています。中野区、ひいては日本でもこのような教育が求められているのではないでしょうか。
 模擬投票の取り組みにおいては、文部科学省が高校生向けに出した主権者教育についての副教材「私たちが拓く日本の未来」では、「実際の選挙に合わせて模擬選挙をやってみよう」という項目があり、政党や政策を比べてみようと呼びかけられています。実際の政治テーマを扱うことは、自分の選択がどう社会を形づくっていくのかを学んでいくために非常に重要だと思います。中学校でもこうした取り組みが必要ではないでしょうか。
 そこで、実際の選挙公報などを使って選挙の争点や訴えを学ぶ取り組みを推進してはいかがでしょうか。
 また、例えば、区長選挙の候補者や区議会議員などが学校に出向き、自分たちが選挙で訴えた公約や争点について話してもらう、生徒から質問を受けるなどの取り組みを主権者教育の取り組みの中で検討してはいかがでしょうか。
 または、青年の政治参加への意識を高めるという点では、主権者教育という枠で授業の一環として取り組むことだけでなく、日常の学校生活全般において子どもたちを意思決定に携わらせていくことが必要だと考えます。日本も批准している子どもの権利条約第12条では、子どもは自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利を持っているという、いわゆる意見表明権がうたわれています。この意見表明権においては、単に子どもたちの意見の言いっぱなしにするのではなく、子どもたちが学校を形づくる主体として扱うことが求められています。例えば、学校のトイレが和式になっていて使いにくいだとか、電気が切れているのに交換されていないといった学校の施設改善の要求でもよいですし、自分の学校の校則を改善する必要があるのではないかなど、自分たちを取り巻く学校生活のさまざまな場面で子どもたちの意見を学校生活に反映していく仕組みが必要であると考えます。そのように自分の身の回りのことを自分たちで考え、決めていくという取り組みを少しずつ積み重ねていってこそ、いざ選挙権を持ったときに、自分たちの町や国のことを真剣に考えなければいけないとなっていくのではないでしょうか。
 そこで、校則のあり方についてお尋ねします。
 現在の区立中学校において校則はどのようにして決められるのでしょうか。そして、校則の決定に生徒をかかわらせることを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 これまでお尋ねしてきたことは、日本国憲法や子どもの権利条約の理念、条文から必然的に導き出されるものです。中野区が単なる投票率向上策というだけでなく、主権者教育や子どもの意見表明権を大事にする学校を実現させていき、身の回りの問題を我が事として捉えられる主体的な人間を育てる施策を展開することを期待しまして、この項の質問とさせていただきます。