本会議・一般質問 羽鳥だいすけ

2 要医療的ケア児施策の実施について

 続いて、要医療的ケア児施策の実施に関してお尋ねいたします。
 医療の進歩によって、産まれてきてもこれまで助からなかった子どもの命が助かるようになってきました。同時に、経管栄養や人工呼吸器、酸素吸入等の医療的ケアが必要なまま退院し、地域で暮らす子どもがふえています。重症心身障害児は都内では現在1,600人ほどになると推計されています。この中には医療的ケアが必要な子どもは入っておらず、大変な思いを抱えられている保護者はいるものの、実態は把握されていません。
 世田谷区では、ことし、区内の医師会や障害者団体などと協力して、区内の社会福祉法人と共同で障害児・者の在宅療養者の状況やニーズ、介護者・看護者の状況などを聞く「医療的ケアを要する障害児・者等に関する実態調査」を訪問面談やアンケートによって行っています。そのことによって、障害児・者の医療的ケア等の実態や介護サービスの利用実態、困窮や介護者・看護者の健康状況など、さまざまなことが明らかになっています。中野区においてもこのような実態調査が必要かと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
 先日、医療的ケアが必要な子どもを持つ親の会の方々が要請に来られました。そこでお聞きしたのは、現行の保育と障害者行政の制度のはざまに落ちてしまい、十分な支援が受けられず、親子が社会から孤立し、育児疲れなどから児童虐待にもつながりかねない実態でした。鼻から栄養を受ける経鼻栄養が必要なお子さんのお母さんは、育児によって心身とも疲れ果ててしまったつらい思いを語ってくださいました。世田谷区による調査でも、18歳未満障害児の介護者・看護者で1日の睡眠時間が6時間未満である方が7割近くに達することが明らかにされています。また、2006年、東京地方裁判所は、医療的ケアがあるからといって一律に保育所での保育を認めないとすることは違法であるとの判決を下しました。23区内にも医療的ケアを行いながら保育を実施しているところや、杉並区のようにそうした子どもを預かることのできる保育園を誘致している区もあります。中野区でも他区の事例を学びながら要医療的ケア児を受け入れられる体制を整えていくべきではないでしょうか。
 また、先ほど紹介した実態にあるように、要医療的ケア児を持つ保護者の負担は大変なものがあります。そこで、そのような家庭の負担の軽減のため、要医療的ケア児が利用可能なショートステイや一時保育、居宅訪問を整備する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 移動の負担も大変なものがあります。先ほど紹介した世田谷区によるアンケートでも、「通院に時間がかかる」、「交通費の負担が大きい」という声が寄せられています。さまざまな医療機器や物品を携えての移動は困難で、タクシーを利用せざるを得ない場合も多くあります。
 そこで、要医療的ケア児を持つ家庭にタクシー券を配ることも検討してみてはいかがでしょうか。中野区の積極的な施策実現を求めまして、この項の質問といたします。