本会議・代表質問 来住和行

2 介護保険と高齢者福祉について

次に、介護保険と高齢者福祉についてお聞きします。
 介護報酬は2000年4月の制度発足以来3年ごとに見直され、ことし4月の5回目の改定では、全体で2.27%引き下げが実施されました。8月からは所得によって利用料が1割から2割に倍増され、区内対象者は2,438人となって、利用を控える状況も生まれています。また、特養ホームなど施設入所者で非課税の低所得者に食費・居住費を補助する補足給付に資格要件が導入され、給付対象から区内で1,371人が除外される事態となっています。特養ホーム入所希望者の要介護1と2以下の291人の方々も入居対象から外されるなど、介護保険の改悪による影響は、当事者、家族に深刻な事態を引き起こしています。区内高齢者の生活状況は、要支援1から要介護5までの生活実態は、2014年度高齢者福祉介護保険サービス意向調査報告書によると、暮らしが苦しい、やや苦しいが59%と、高齢者一般よりも10%増となっています。
 介護保険ではカバーできず、介護保険からこぼれてしまう高齢者には、区として新たな高齢者福祉の救済策が必要となっています。生活保護のボーダーでぎりぎりの方、無年金世帯など中野区が独自にヘルパーを派遣し、福祉施策として生活を支援するなどを実施してはいかがでしょうか。答弁を求めます。
 武蔵野市では、高齢者福祉と介護予防の組み合わせを総合的に実施する必要性から、武蔵野市高齢者福祉総合条例をもとに福祉施策を進めています。その一つとして、市に寄附された民家を活用したテンミリオンハウス事業を8カ所で運営し、事業費を各1カ所に1,000万円補助しています。中野区も空き家などを活用し、高齢者の居場所・介護予防の一つとして福祉事業として位置付けてはいかがでしょうか。答弁を求めます。
 さらに、介護報酬の大幅なマイナス改定は介護事業所の経営難や人手不足を一層深刻にし、事業の廃止・休止に拍車をかけています。中野区内でも1月から6月までに老人福祉・介護事業の14事業が廃止届を出して受理されています。特に全都においては、従業員数別では5人未満の小規模事業所の倒産が全体の約7割を占めています。中野区内の事業所は現在418です。事業所が廃業・休止になれば、利用者はなじみのある施設から他の施設に移らなければなりません。事業所の廃業・休止は、そこで働く介護職員から仕事を奪うだけでなく、利用者の家族に大きな損失を与えてしまいます。区内の事業所の話でも、「職員配置や給与の見直し、保険外の自己負担に転嫁している。結局、職員、利用者双方にしわ寄せが拡大している」と窮状を訴えています。
 保険者として中野区は、事業者の現状把握をどのように行っているのか。介護報酬引き下げの影響の実態を調査すべきではありませんか。同時に国に対して、公費負担拡大による介護保険事業者への介護報酬の大幅な引き上げを行うことを区長会などの機会を捉えて要望すべきではないでしょうか。答弁を求めます。
 次に、新たな総合事業への移行について伺います。
 要支援1・2の人が受ける通所と訪問介護は、17年度以降は介護保険から外され、ボランティアなどの安上がりなサービスに置きかえられることになっています。事業費には厳しい上限が設けられ、ボランティア、事業者確保にも困難が生まれてまいります。中野区は総合事業の実施に当たっての事業者の意向は確認できているのでしょうか。訪問・通所介護事業者の廃業や介護従事者不足で現状の介護水準、その質は確保できるのでしょうか。答弁を求めます。
 来年4月の移行ありきでは、区民の不安と混乱が発生するのではないか。23区でも来年4月に移行しない区もあると聞きます。中野区も十分な移行期間と準備が必要ではないでしょうか。答弁を求めます。
 次に、地域包括支援センターについてお聞きします。
 8カ所の地域包括支援センターの役割は大きなものです。相談件数も多く、その内容も介護に限らず福祉生活の全般に及んでいます。今の体制ではマネジメント業務の負担が大きく、相談業務や地域のネットワーク構築に十分に取り組めていない状況にあります。これに見合う人員体制の強化を図ることです。同時に中野区の地域包括支援センターの設置数は、23区では人口比では下から3番目であり、地域によっては30分も歩く位置にあるなど、大きな問題があります。設置数の拡大と地域包括ケアシステムの中核機関として委託事業所任せでなく、行政の責任を明確にして、対象も高齢者だけでなく、子育て家庭や、引きこもりがちな若者、生活困窮者などにも拡大し、地域福祉総合センターとしての役割と位置付けを強化すべきと思いますが、答弁を求めます。