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【本会議・質問】岩永しほ子/牛崎のり子
【本会議・討論】来住和行/岩永しほ子/長沢和彦/山口かおり
【本会議・代表質問】
(2008年6月4日)
中野区議会議員 岩永しほ子
- 区長の政治姿勢と区政運営について
- 後期高齢者医療制度の中止・廃止を求める
- 「憲法を生かそう暮らしに中野のまちに」の取組みについて
- 中野区版の自治体市場化について
- 東中野小学校を存続させることについて
- 教育行政について
- 特定健診と子宮がん検診について
- 山手通り問題について
- 南部防災公園について
2008年第2回定例本会議において日本共産党議員団を代表し、一般質問を行います。
質問に先立ち、中国とミヤンマーの大災害で犠牲になり、被災された方々に哀悼の意を表し、お見舞いを申し上げます。
1.区長の政治姿勢と区政運営について
(1) 後期高齢者医療制度の中止・廃止を求める
政府・与党は、後期高齢者医療制度中止を求める多くの国民の声を踏みにじって4月実施を強行し、国民に大きな衝撃を与えています。国民の批判が大きく、突然「長寿医療制度」と通称名を決め、中野区も4月になって開いた地域説明会では「長寿医療制度」とし、参加された方々から「どこが長寿制度か」と批判されています。
「健康を年齢で差別するな」「社会のために働いてきたが、75歳になったら長生きするなというのか」「保険料が高い」などの批判は、連日区に殺到しました。
区内のお風呂屋さんでは、「こんな制度は許さん」と知らない人同士で話になり、ある老人クラブの会長さんは「みんな怒っている」と嘆いていました。
福田首相は、この制度が納得できないのは理解が足りないからと責任を国民に転化しました。区長は、この制度に出されている声をどのように受け止めますか。お聞きします。
国民を年齢で差別する公的医療制度など世界に例がありません。75歳になっただけで今までの保険から追い出され、扶養家族や夫婦が強制的に切り離された上、健康診断、病院の外来・入院・「終末期」までのあらゆる段階で安上がりの差別医療を押しつけられます。
「なぜ75歳か」の声に、厚労大臣や与党は「国民皆保険を守るため」と繰り返しますが、「積極的な医療より『みとり』の医療を中心にした新しい診療報酬体系をつく」れば「医療費の適正化が行われる」などの見解で明らかなように、政府の意図は医療費を削減することにあります。7年後は医療費削減額3兆円のうち2兆円を75歳以上から「捻出」するとしています。
この間、自公政権は、老年者控除や非課税措置の廃止による増税、介護保険の改悪、年金の削減を押し付けてきました。さらなる高齢者いじめを命に直結する医療差別で押しつけることは許されません。国民が納得できないのは「説明不足」だからではなく、年齢で差別する医療費削減のための制度だからです。区長の見解をお聞きします。
中野区は4月支給の2・3月分の年金から保険料を天引きしましたが、23区では14区が天引きを延期しています。
東京は独自に保険料の低所得者対策をとりましたが、それでも「高い」と感じています。この対策は2年間だけでありその先は不明。2年毎に見直される保険料は、75歳以上の人口増加や医療技術が進歩し医療給付費が増えればもっと高くなる仕掛けです。東京都では2年後は2万円、4年後は3万円の値上がりと試算しています。年金天引きは、どんなに高い保険料になっても「とりはぐれない」ためです。一人暮らしで86歳の男性は、11万6千円の年金から国保料より高い保険料7900円が引かれました。
年金が1万5千円以上ある人から天引きし、保険料が払えなければ保険証を取り上げると改悪されました。
厚生労働省は「個別事情で判断」するとの見解を示しています。ことは、命に関わる問題です。即刻保険証を取り上げることはすべきではありません。区の対応を求めます。
この制度による差別は高齢者ばかりでなく区民全体に苦しみを広げます。
75歳になっただけで、特定健診対象からはずされ、「定額制」の診療報酬導入で必要な検査が受けにくくなります。中野区医師会は「後期高齢者診療料」の届け出の留保を呼びかけましたが、妥当な判断だと言えます。この差別報酬は、投薬や手術の制限などにも拡大することが検討されています。病院追い出しが可能な「退院調整加算」や延命治療は控えめにとの「誓約書」を書かせる「終末期相談支援料」の導入など、高齢者をいっそう病院から追い出し、家族に押しつけようとしています。
さらに、65歳以上の障害者を加入させること、扶養高齢者の保険料負担、「後期高齢者支援金」を理由にした現役世代の保険料値上げの動き、65から74歳までの国保料の天引き、70から74歳までの医療窓口負担を2割に引き上げるなど、あらゆる世代に負担増と医療切りすてを押しつけ、世代間対立を持ち込んでいます。このように指摘されているさまざまな問題がありますが、区長はどのように認識されておられるのかお聞きします。
国民批判をかわすため、この制度を「長寿」と言ったことにより、制度のひどさを浮き彫りにしました。制度の一部見直しでは問題は解決しません。
国民の8割は制度を評価せず、全国で不服審査請求が相次いでいるのも当然です。東京など10都県の医師会でつくる関東甲信越医師会連合会は「後期高齢者診療料の廃止、低所得者の保険料軽減」を求めるなど、30を超える都府県医師会が制度の批判や反対を表明しています。「高齢者を切り離し、保険料を天引きするなど問題が多い」と批判する歯科医師会長もいます。
老人クラブでは、国分寺市にある28クラブのうち24クラブの会長連名で廃止の署名を呼びかけ、「『いずれ死ぬ』とばかりの制度を絶対に認めない」と各県の連合会が立ち上がっています。
国会では、日本共産党など4野党が共同して、元の老人保健制度にもどすこと、緊急的には保険料の引き下げ、国保料の年金天引き中止の法案を提出しました。政府は元に戻せば国保が破綻すると強調しますが、国保財政が危機に陥ったのは国庫負担を減らし続けてきたことによるものです。
財務省資料によれば、GDPに対する日本の公的医療費比率は6.6%と先進国の中では最低です。今年度削減した医療費を元にもどした上で、大企業や高額所得者への7兆円の減税、今年度は2083億円になる在日米軍への思いやり予算などを聖域化せずに見直せば、医療に必要な新たな財源を確保できます。
医療費の帳尻あわせのため、お年寄りの命と健康をないがしろにする制度は廃止するしかありません。区長は、区民が安心して受けられる医療、年齢での差別のない医療をすすめるために区民合意をつくる立場に立ち、この制度の中止・廃止を国に求めるべきです。お答えください。
(2)「憲法を生かそう暮らしに中野のまちに」の取組みについて
今年の憲法記念日を前にした読売新聞の世論調査では、憲法を変えることに反対は賛成を上回り、9条改憲反対は6割を超えました。5月2日には、自衛隊のイラク派兵差止め裁判で出された名古屋高裁の憲法違反との判決が確定しました。判決は「平和のうちに生存する権利を有する」との前文、戦争放棄と戦力不保持の9条、幸福追求権の13条などを引用し、国民に対し具体的に保障すべき権利と認定しています。この間の議論で9条1項と2項は別々にあるのではないことも明確になっています。「憲法を生かそうくらしに中野のまちに」のスローガンを掲げる区長の9条に対する認識を改めてお聞きします。
現在、人間らしく生きるための「生存権裁判」が9都道府県の10地裁で訴えられ、6月24日には初めての判決が東京で出されます。憲法25条の生存権の規定は世界に誇るべきものです。
中野区庁舎に掲げられている「憲法を生かそうくらしに中野のまちに」の横断幕は先駆的スローガンであり、区の基本的な立場を区民に宣言したものです。
しかし、田中区長になり公共サービスに「官から民」への市場化を持ち込み、憲法9条改憲発言以来、憲法を擁護し生かすという区政運営の基本が怪しくなっています。例えば、区を訴えた幹部職員の不正打刻裁判では、組織的に隠蔽しようとしたのではないかとの疑問が払拭されない区民不在の運営、区の組織から平和の文言削除の動き、非正規職員など官製ワーキングプアの奨励、行政サービスの享受はお金でとばかりの負担のおしつけなど、掲げている基本姿勢から遠ざかっていると指摘せざるを得ません。「憲法を生かそうくらしに中野のまちに」について区長の考えをお聞きします。
高齢者の年金は減少し、負担が増えています。青年層には非正規雇用とネットカフェ難民が増え続けています。正規雇用は長時間労働が常態化し、ILO条約違反は解消されていません。生きにくい世の中です。
この傾向は区民にも共通し、シルバー人材センターは生計維持を理由にした就労が増加し、青年が正規雇用を望む声は大きくなっています。補正予算案に示された生活安定・正規雇用を図る「生活安定応援事業」は打開策として評価するものですが、そこに携わる職員の身分が不安定な臨時職員では、制度の意図が達成されるか心配になります。
昨年7月にOECDが、日本の相対的貧困率がアメリカに続いて世界第2位になったと公表しました。
いま、堤未果さんの「貧困大国アメリカ」が注目されています。一度の病気で貧困層に転落していく現状、世界中の貧困層を誘い込み戦争を支える民間戦争請負会社などアメリカの実態がルポされていますが、アメリカの影響を受け、アメリカ型の市場競争を追及している日本でも同じように貧困が急速に拡大し、いつアメリカのようにならないとも限らない深刻な生活不安があります。
総務省の「労働力調査」では、派遣・契約社員、パート・アルバイトなど非正規雇用が占める割合は34%と過去最高を記録しました。女性では53%を超え、15から34歳の正規雇用が1年間で19万人減少している背景には、政府が、企業のいっそうの利潤追求のため、規制緩和政策によって労働基準法などの関連法を改悪したことにあります。労働者を守るべき法律を改悪して非正規雇用に切りかえ、あとは自己責任だとしたことが今日の貧困問題を引き起こし、拡大している一番の要因です。
生活を維持できない貧困は、「貧困が貧困を生む」と指摘されるように本人が苦しむだけにとどまらず、子どもや孫の世代にまで影響を及ぼし、国や地域経済の力を弱体化し、社会不安の原因ともなって、社会の存立基盤を脅かすことになります。区長は、深刻化している貧困の実態をどのように捉えておられるのかお聞きします。
憲法をくらしに生かし、住民の福祉の増進を図る具体策として健診費用の無料化を求めます。
東京の後期高齢者医療広域連合には62自治体が参加し、独自の軽減策を実施する自治体が増えています。中野区でも31日以上入院した場合に一回限りだされる「後期高齢者入院時負担軽減事業」が補正予算で提案される予定です。同様の制度は新宿や千代田区でも実施しています。私たちは区民の痛み和らげの事業を求めてきており、負担の軽減という事業は歓迎します。
一方、早期発見・早期治療で入院せず、元気でくらせるほうが本人や家族、そして区にとってもはるかに負担軽減の効果が大きい事業が健診です。70歳以上の特定健診と後期高齢者健診の対象は合わせて約4万3千人です。
広域連合が健診の実施と負担額を決めたといっても有料化したのは4自治体のみ。その一つが中野です。区は、自分の健康を自覚してもらうための自己負担と言いますが、昨年までの健診で無料だった70歳以上の高齢者を有料にし、非課税の人からも徴収します。こんなひどい仕打ちがどうして考えられたのでしょう。健康でありたいと誰もが共通した思いです。だからこそ健診を受けるのです。昨年まで有料としていた新宿区は無料化にしています。健診の機会を生かし、積極的に受けてもらうことが「税を投入する」視点に照らしても無料化は筋が通ります。中野区医師会も無料化を要望されていると聞きます。
いのちと健康を守り、元気で暮らすため、特定健診と後期高齢者健診の70歳以上を無料化してください。また、都民の健康に責任をもつ都に対し、健診などに必要な財源措置を求めることも必要です。お答えください。
(3) 中野区版の自治体市場化について
5月29日に、中野区を被告にした非常勤保育士裁判の勝利集会が行われました。この裁判は、2004年4月から区立保育園に指定管理者制度を導入するため、3月末で非常勤保育士を全員解雇したための不当解雇撤回争議でした。裁判所は区に違法性があると判断し、区長が謝罪しました。そもそも指定管理者制度は、保育分野に持ち込まれた規制緩和で企業参入を許し、導入された制度です。中野区は全国でいち早く導入しました。保護者・区民・保育士は「子どもそっちのけの民営化に歯止めを」と取り組んだ裁判勝利は、区が次々とすすめる保育市場化への警鐘です。
区の保育園民営化方針は、保育士の非正規化が問題になり、保育士が年度途中で次々と退職し子どもと保育士の信頼関係つくれず、情緒不安など子どもに影響を及ぼしています。今年、新たに新井や沼袋保育園、本郷保育園の子どもと保護者に不安な日々を過ごさせ、保育現場に混乱を起こしています。
東中野保育園と住吉保育園を廃止してできた民間の「陽だまりの丘保育園」では、4月開園時の中心だった保育士が6名も退職し、看護士まで過労で倒れ休職してしまう状況です。経験の未熟さから起きた安全対策の不備などに保護者から区に出された苦情・要望は140件にのぼりました。このような事態が起きるのは民営化した場合、保育や安全対策などを事業者任せにせざるを得ないからです。
区は、民営化している保育園の子どもたちに対する責任をどのようにお考えですか。お聞きします。
公立保育園の民営化は財界・政府がすすめる「構造改革」が保育園の市場化を推進していることにあります。さらに、政府は、自治体が責任を持つ認可園への「保育の実施制度」から「直接入所契約制度」導入への舵きりをしようとしていますが、これは市場化のテコとなる契約制度であり、「行政の関与が薄まり、公的責任は間違いなく後退する」と指摘されています。
国の保育園民営化路線に追随し「公立保育園より多様なニーズに応えられる」と推進することは、保育の質の継続を分断させることになります。区の民営化路線は保育を「もうけの場」にすることを狙う財界の要求にこたえるもので、子どもの幸せを願う区民の願いではありません。民営化方針を改めるべきです。見解をお聞きします。
田中区長は就任以来、区政運営の基本的な視点として「市場・競争原理の活用」が掲げられ、区政全般に民営化と財政効率優先の路線が強引にすすめられてきました。
今年度、谷戸学童クラブの委託に株式会社を参入させました。アポロ園の新築事業は、区の役割をゼネコンなども参加する機会が可能になる代行方式をとりました。さらに、まちづくりに及んでは、UR都市機構と全面的な連携協力の覚書を取り交わしています。その前身となる都市整備公団は、バブルがはじけた時に坂上の開発事業から途中で撤退しようとし、今は住人のいる団地を民間に売却しようとするなど、利益優先の事業体であることに違いはありません。
結局、住民の福祉の向上に取り組むべき中野区が、区政運営の基本方針に「市場・競争原理の活用」を掲げることは、自治体の市場化を広げることになり、住民サービスの低下ばかりか官製ワーキングプアの推進など、地域社会の構造まで変えてしまいます。
今日では、市場競争に勝利するために最大の利潤を追求するやり方が、現在の日本のあらゆるところで弊害を生み、企業など次々と信頼を損ない、市場競争原理を基本とする企業に対し、環境や安全などへの社会的な責任を果たすことを求めるようになっています。
中野区は自治体の市場化を拡大する「市場・競争原理の活用」方針を見直すべきです。
公共サービスの民営化がすすむなかで、自治体が受託事業者とのあいだで結ぶ契約の中に、労働者の賃金確保や労働条件を確保する条項を盛りこむ公契約条例の運動が建設関係者を中心にすすめられ、中野区議会においては国に意見書を提出しています。
これは、住民の税金を使う公的事業で利益を得ている企業は、労働者の労働条件を保障すべきであり、発注者の公的機関はそれを確保するための責任を負っているとの考えです。自治体でできる雇用対策の政策的根拠になります。
すでに函館市の「函館方式」が全国的な評価を受けていますが、国分寺市では、「国分寺市の調達に関する基本方針」が定められ、今後公契約条例への発展をめざす位置づけが明確にされています。
区は、入札や契約において元受業者に適正な周知をしているとの立場を繰り返していますが、その効果は期待できていません。区として早急に検討すべきと思いますが、見解をお聞きします。
2.東中野小学校を存続させることについて
東中野小学校の保護者や地域住民から統合の再検討・凍結を求める強い要望が出されています。地域自治を担う中心的役割を果たしている人、同窓会会長や卒業OBも連名で存続の要望書を提出されています。また、統合委員会の副会長二人は統合を検討される過程で統合に異議ありとの意見をだされています。
PTAには再編に関する特別委員会が設置され、統合に係わるアンケートの実施結果、統合新校より新宿区の落合第二小を選ぶ保護者のほうが多いこと、選んだ理由は、通学の距離・時間、通学上の安全となっています。
教育委員会が提案し、通学安全対策として新設されたガードパイプはすでに車がぶつかり破損し、変更された通学路の危険性が現実に証明されてしまいました。
教育委員会が開いた説明会では統合に納得する意見はなく、また、副区長が出席して開いた跡地活用の説明会でも、理解されるどころか乱暴な区の姿勢に批判が続出しています。いま子どもたちが学んでいる学校を、当事者である子どもと保護者、地域の願いを無視して跡地活用の計画をすすめようとするその無神経さは、教育にふさわしくありません。
教育委員会は、東中野小学校の廃校に保護者、地域住民の合意が何をもって得られていると判断されたのか、お聞きします。また、このままでは教育委員会への不信がつのり、今後の中野の教育のあり方に大きな禍根を残す懸念があります。見解をお聞きします。
教育委員会は教育水準の向上に努めなければならず、指導上、保健衛生上、安全上及び管理上適切なものにしなければなりません。ところが東中野小学校での対応は子どもと保護者、地域に不安を増幅しているだけではないでしょうか。
協議会議事録では、検討当初は、東中野と塔の山小学校を統合し、三中に新校を設置するとの考えが示され、後に昭和小学校と統合する計画になっています。その頃から幹線道路を横断する通学路への懸念が出されていましたが、20年度の見直しでと、その対策を先送りした結果、東中野小学校の子どもたちが負担を押しつけられました。乱暴な統合計画は、東中野小の子どもたちが新宿区の学校を選ばざるを得ないように追い詰めています。
統合はすでに決まっていることだからというのでは、地域の実情に合った教育に取り組む責任ある教育委員会のとるべき姿勢とは言えません。地域性に柔軟な対応をすることも教育委員会に必要なのではないでしょうか。見解をお聞きします。
当初、小規模校の良さを認めると言っていた教育委員会が、今では「学校の小規模化が進んだことにより、人間関係の固定化が進む、運動会など学校行事の活気が失われる、良い意味での競争意識が薄れるなど、集団教育の良さが生かされにくくなり、子どもたちにとってマイナスの面が目立つようになりました」と「教育だより」で小規模校を否定しています。しかし、小規模校は、校長をふくめすべての教職員が児童・生徒一人ひとりの顔を知っていること、子どもの学力を伸ばす取り組みが一人ひとりにできること、学年を超えた子ども同士のつながりが強いことなど、全国的に評価が高まっています。
区の教育行政区民参加条例や、子どもの権利条約の立場は、学校の主人公は子どもたち、保護者、子どもたちを支える教職員、OB、地域住民ということです。地域文化の核となり財産でもある学校を残すか廃止するかは子どもたちを中心とする住民が決めることで、合意なしにすすめることはできません。そこでは「東中野小学校を残す」と決意しているではないですか。
教育委員会には、統合しても昭和小学校の小規模化が解消される確信がないのですから、良い教育環境を整備する責任を果たし、将来に亘って禍根を残さないためにも、今からでも廃校の提案を止め、関係者との話し合いを継続することが必要です。答弁を求めます。
今年度、教育委員会は学校再編の中期・後期計画を見直します。
教育委員会は、仲町小学校の存続を求める地域の声に耳をかさず廃校しました。その時点で、仲町小の子どもが進学する九中も統合されるため、2度も統合を経験することを問題としながら、その解消には8年かかり小学校の統合が遅れるとの判断で、子どもたちを犠牲にする道を選びました。
今年4月に開校された学校では、学校規模が大きくなって戸惑う子どもたち、それまでの学校PTAの特色ある活動がなくなったこと、中学は受験生の不安が大きかったなど多くの問題が指摘されました。野方小統合では最初は沼袋小に仮設の設置、から始まり、次に六中を改修するとなり、今度は法務省跡地に新設をと次々に変わり、子どもも保護者も、関係者が翻弄されると不満が募っています。沼袋小学校の障害児学級の行き先が決まらず、校長が「なにか良い方法はないか」と職員に聞く始末です。
この間、30人学級の問題では、あくまで40人学級を前提にやるしかないというように、計画策定過程では、クラスの数はどうか、工事は簡易かが議論の中心を占め、再編計画がどのように教育を良くするかという議論はみあたりません。
計画の見直しにあたり、現在の計画をストップし、世界的・全国的にも主流の少人数学級を前提にして、前期では生かされなかった区民参加条例にもとづいて見直すことを求めます。お答えください。
3.教育行政について
区内に住所を持つすべての人を参加対象にした教育行政区民参加条例は、区民意見を尊重して教育行政をすすめるという区の基本条例であり、教育委員会の法規範です。それは、区の教育行政の全般に亘って基準にすべきことであり、条例に則らなければなりません。しかし、1997年に制定されて以来、この条例に基づいた参加の機会はなく、条例が生かされていません。
教育要覧では「条例の精神を現実のものとしていくことが要請される法規範である」となっていましたが、2005年版からは「法規範」が消えています。これでは条例を形骸化してしまうのではないかと疑問が生じます。
教育委員会は、条例に基づく具体的なルールの検討を必要としながら、未だに検討をしていないのは何故ですか。早急に具体化すべきです。見解をお聞きします。
学校の環境整備についてお聞きします。
緑野中では、校舎一階の改修が夏休みに行われるため、すでに改修が終わっている一階の図書館に職員室を移動します。そのためようやく4月末に開館した図書館の図書を再びダンボールに詰めて片付けることになるそうです。
桃花小学校では、体育館の工事に伴い廃校の桃が丘小に仮移転予定の「きこえとことばの教室」が、警備予算の問題から年度末の3月半ばの移転に変更したと聞きます。子どもや保護者に戸惑いがありました。来年度から体育館ができるまでの2年間も、児童や「きこえとことばの教室」の親子が廃校になった桃が丘小に通うことになります。
また、桃花小は図書館スペースが広げられず、準備室に図書があふれんばかりに平積みになっています。図書整理に必要なパソコンは1台しかなく、子どもたちが使用していない時間を指導員が使うという状況です。
統合は教育環境を良くするより、急ぐあまり、段取りの悪さばかりが目立ち関係者に負担と徒労感を与えています。
桃花小の体育館工事では、校庭を使う授業に影響がでないようにすることや、図書館の事務に必要なソフトとパソコンを配置すべきです。お答えください。
統廃合になった学校の図書整理が大変だったとお聞きしました。2月から4月にかけ、図書館指導員が勤務時間では間に合わず、勤務日以外、土日も含めて整理されたそうです。
現在、新校の図書館整理のため二人体制となり、指導員のいる開館時間が長くなっています。今日、学校図書館活動はますます重視され、いっそう期待されますが、非常勤であるため勤務日に制限があり、月曜から金曜までの全日配置ができません。
今後、子どもの土日や長期休みなどの開館も必要になってきますので、指導員の複数配置を検討すべきです。見解をお聞きします。
4.特定健診と子宮がん検診について
(1) 特定検診について
今年度から始まる特定保健指導がどのように実施されるのか明らかではありません。区民に分かるような解決が緊急にせまられています。また、国保加入者に対し特定検診の実施が義務付けられ、対象者約5万7千人すべてに受診券を郵送する準備をされていますが、当初より遅れ7月になるとのことです。受診は2万6千人と推計していますが、受診促進の対策が必要です。対応をお聞きします。
(2) 子宮がん検診の普及を
子宮がんの8割近くを占める子宮頸がんが20代、30代の女性に急増し、発症率や死亡率が2倍とのことです。子宮頸がんは原因がウイルスと特定され、ワクチンの活用や定期健診によってほぼ予防と完治が可能と各国は予防に力を入れ、成果をあげています。
原因が分かっていて予防できるのに、日本では急増しているのは検診の遅れが第一に指摘されています。アメリカの8割、フランスやカナダの7割、韓国の4割を超える受診率に比べ、日本ははるかに低い24%程度です。定期的な婦人科健診の受診は、20代では2割前後、30代で4割程度との民間調査結果もあります。中野区の子宮がん検診は20歳以上が受診でき、受診者の3割ほどが20から30代のようです。
受診しない理由は「恥ずかしい」「面倒」があげられていますが、感染から初期がんになるまでに10年あり、その間に健診を受けていることが重要です。そのためにも子宮頸がんに対する10代からの意識啓発が重要です。学校教育でも、区民がん検診でも啓発の取り組みを求めます。お答えください。
国にワクチンが接種できるよう求めることも重要です。また、厚労省は、検診受診率を50%にしたいようですが予算措置は自治体まかせです。これでは自治体の懐次第ということになりかねません。国に対し予算措置を求めてください。見解をお聞きします。
5.山手通り問題について
昨年の12月22日に開通した地下高速道路新宿線は、この5ヶ月に何件もの交通事故が発生し、5月17日には長者橋出入り口付近で5台もの玉突き事故が起きました。いつ地域住民が巻き込まれるかと不安です。また、毎日の交通量は3万5千台あり、出入り口付近の渋滞も指摘されています。都に渋滞対策を求めてください。
環境省検討会は今年4月、微小粒子状物質「PM2・5」がぜんそくや心筋梗塞、肺がんに影響を与えると発表し、病気との関連が公式に認められました。WHOは06年にガイドラインを策定していますが日本には基準がありません。浮遊粒子状物質全体では環境基準を達成していますが、微小粒子状物質汚染は都市部でぜんそく患者が増加する深刻な実態にあります。環境基準設定を求める大気汚染公害患者のとりくみで、国は、PM2・5の影響調査と環境基準設定の約束をしました。山手通りの浮遊粒子状物質除去率は100%ではなく、微小粒子状物質への不安があります。除去するためにも環境基準が必要です。区として、国や都に対し、早急に基準を設定するよう求めていただきたいと思います。お答えください。
6.南部防災公園について
東大海洋研究所跡に予定している南部防災公園は、方南通りに接する部分がありません。特に東側と北側の道路は狭く、いざと言う時の避難に弊害がないのか心配するところですが、区はどのような見解ですか。お聞きします。
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【本会議・一般質問】
(2008年6月5日)
中野区議会議員 牛崎のり子
- 介護保険料と利用料の軽減について
- 介護従事者の人材確保について
- 業者婦人に対する支援策について
- 生活保護行政について
- 環境対策について
- 地球温暖化問題について
- ごみ問題について
- 学校給食への緊急支援を
2008年第2回定例会にあたり、日本共産党議員団の立場から一般質問をおこないます。
1. 介護保険料と利用料の軽減について
はじめに、介護保険についてうかがいます。
介護保険料と利用料の軽減策についてお聞きします。
介護保険法が施行されて8年が経過しました。この間に法「改正」が行なわれ、高い保険料・利用料や介護サービスの削減などによって、必要なサービスが受けられない状況が出ています。
介護が必要な人を社会全体で支えるという法律の趣旨に逆行する事態に利用者・家族からは悲鳴が上がっています。これでは保険料を支払っても介護保険を利用できない「保険あって介護なし」という事態がいっそう激化し、高齢者介護が根底から崩れかねません。政府の責任が厳しく問われます。
こうしたもと、各自治体では様々な軽減策がとられています。中野区においても、独自の軽減策をおこない、負担をやわらげ必要なサービスを受けられる一助としていることは、重要です。そこで、まず保険料についてうかがいます。
区は、現行の第3期介護保険事業計画の策定の際に、それまでの保険料6段階を8段階に分け、更に低所得者への軽減策も継続し行なってきました。区民の経済的な負担感や不安をやわらげる措置であると思います。
昨年10月に厚生委員会に示された「介護保険の運営状況」をみると、2007年度、介護保険に関して区民からうけた苦情の件数は301件あり、このうち保険料に関してが251件と多数を占めています。これは、税制改正による影響が考えられますが、介護保険料の滞納状況をみても、第2段階の滞納額が最も多く、続いて、第4段階の激変緩和対象外の人たちがそれに続きます。つまり、低所得者ほど保険料負担が重くのしかかり、支払う能力を超えているということです。
来年度からの第4期介護保険事業計画の策定にあたっては、いっそうの負担能力に応じた保険料設定が望ましいと考えます。すでに港区や新宿区などでは、2006年4月に保険料を10段階に分けています。
現行の8段階を、もっと細かく分けることが必要ではないでしょうか。うかがいます。
また、低所得者に対する減額措置を講じていることは評価できますが、それでも利用者数は昨年度1年間でわずか39人と、この制度を利用するためのハードルが高いといえます。
港区では「減額措置対象者の世帯の収入基準を一人世帯で預貯金は300万円以下、一人増えると100万円を加算して非課税申告によって軽減し、家賃、地代を上乗せ97万円を限度額に控除しています。北区では、世帯全体で預貯金300万円以下と設定し、渋谷区でも、1人世帯で預貯金350万円以下、一人増えると100万円加算しています。しかも預貯金の対象額だけでなく、さらに、住民税非課税である第4段階以下の世帯に関しては、2割の保険料の減額制度を実施しています。
第4期の「計画」策定に際し、こうした、低所得者に対する保険料の減額措置策を拡充すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
2つ目に、利用料の軽減についてうかがいます。
介護保険「改正」後、それまで伸びていた介護サービスの利用が、減っている傾向が全国各地で生まれました。
中野区でも、要介護認定を受けながら介護サービスを利用していない人数が2002年に1,493人であったのが、2006年には2,134人に増え、要介護認定者数全体の割合からみても2割の方たちは利用していません。特に、訪問介護事業をみると、2005年に約6万3千件あった利用件数が、法改正後の2006年には、約5万件まで減少し、前年度対比で2割もの利用件数の落ち込みがみられます。また、通所介護や福祉用具貸与といったサービスも、前年度対比で14%の利用件数の減少がみられます。昨年度を振り返ってみても、予算に計上しながらサービス利用が大幅に落ち込んでいる実態がみてとれます。多くの高齢者のところで、要介護認定が下げられるなど、国の抑制策の影響により必要なサービスが受けられない事態を招いていることは問題であり早急な改善が求められます。同時に、必要なサービスを受けられるよう区が支えることも欠かせません。現在、区がおこなっている利用に対する支援策だけでは不十分です。利用料の軽減を行ない、少しでも利用者が増えるよう努めるべきです。
利用料の軽減策の検討を求めます。お答えください。
2.介護従事者の人材確保について
次に、介護従事者の人材確保についてうかがいます。
介護現場の7割以上の事業者が「だんだん運営が難しくなっている」と感じています。そんな深刻な調査結果が、介護サービス事業者らで作る「改定介護保険制度調査委員会」でまとめられました。
介護保険法「改正」後、職員の退職や転職が相次ぎ、特に、東京23区や政令指定都市などでの高い離職率が顕著になり、このままではサービスの低下につながるとして、国に制度改正の見直しを求めていくとしています。
また、財団法人介護労働安定センターの調査によれば、介護職員の離職率は、20.3%。実に1年間に5人に1人の割合で離職しています。
介護福祉専門学校も、入学希望者が激減し、定員割れや募集停止、さらに、閉校になった学校さえ出てきています。
深刻な人材不足をこのまま放置すれば、地域の高齢者介護の体制は維持することが困難になり、さらに崩壊しかねない危機的な事態に直面しています。
人材不足がおきている最大の原因は、低賃金をはじめとした劣悪な待遇にあります。身分不安定な非正規労働者の増大が日本社会の大きな問題になっていますが、介護職員で約4割、訪問介護では8割にものぼっています。
常勤であっても、介護職員の平均給与額は月22万7千円で、全労働者平均の37万3千円の6割程度にすぎません。若年の正規職員や常勤パートでも、年収200万円に満たない労働者が多く存在し、ワーキングプアといえる実態が浮き彫りになっています。
もう一点は、介護報酬の削減によるものです。制度施行からすでに2度にわたる給付改定で大幅な介護報酬の引き下げがおこなわれました。介護福祉に従事する職員が増えない、増やせない原因となっています。
こうした深刻な事態を前に、政府・厚生労働省も動き出さざるをえなくなっています。14年ぶりに改善への具体的な中身に触れた「福祉人材確保指針」を昨年8月に出しました。中野区議会では、先の第一回定例会において、国と都に対して「社会福祉事業従事者の確保対策を求める意見書」を全会一致で採択しています。区としても人材確保のための財源措置を国と都に要求することを求めます。
いま、述べてきたように、この事態を放置するならば、事業者ばかりか、一番の影響を受けるのは、利用者と家族であることは言うまでもありません。関係者の苦労に応えるために、区としても支援の検討を求めます。
千代田区では、4月から介護施設の非正規職員の正規職員格上げ、パート職員の時給引き上げなどの労働環境改善の措置などを行なった場合、区独自の費用助成をおこなっています。施設が職員を確保し、定着しやすくすることが目的です。
先進的な取り組みを参考に、実施にむけてぜひ検討してください。
また現在、政府・厚生労働省は、報酬改定を来年度に行なう予定で作業をすすめています。介護報酬の引き上げも欠かせません。国に求めてください。お聞きします。
3. 業者婦人に対する支援策について
次に、業者婦人に対する支援策についておききします。
地域に根ざした中小業者を支援することは、中野区の地域経済を活性化することにつながります。中小業者は、営業生活の場が同じで「24時間市民」とも言われています。その特徴を生かし、地域社会のコミュニティが、有効に機能するために不可欠な役割を果たしているといわれる存在です。その営業と暮らしを支える女性家族従業者と女性経営者、いわゆる「業者婦人」は、家業を支え、家族を守り、地域社会の相談役としても大きな力を発揮しています。
にもかかわらず、高齢化が進み、東京商工団体連合会婦人部協議会の「08年業者婦人実態調査」では、60歳代が半数近くを占めています。年間所得は200万円未満の人が増え、「商売の展望が持てない。将来にわたって生活が不安だ」など、限られた収入でのやりくりに苦労し、子育て、介護に追われ、商売、資金繰りの不安や医療費などの負担が生活を脅かしている実態がはっきりと示されているように、業者婦人は大変劣悪な環境に置かれています。
そこで伺います。区は「業者婦人」の担っている役割、おかれている状況についてどのように認識しているのでしょうか、お聞かせください。
国は「男女の均等な機会と待遇の確保」のなかで、「家族従業者の実態把握等」を盛り込み、2002年に22年ぶりの実態調査を行なっています。中小企業庁部長は「調査は非常に意味があった、労働状況の改善の一方で、経営面でのニーズなどが改めて把握された、調査を踏まえて施策が促進されるように努力してきた」ということで評価し、その後、歴代の経済産業大臣も「1回限りではなく今後も行なっていく、海外との比較なども踏まえてより細やかな調査をしていきたい」繰り返し述べています。
また、東京都の男女平等参画室長は「実態をつかむことは大事なことです。そこから施策が見えてきます」と述べています。業者婦人は大変劣悪な環境に置かれています。2006年に、中野区(子ども家庭部・男女平等分野)の担当者と、中野民主商工会婦人部との懇談を行なったとききます。この中で切実な区内「業者婦人」の声や要望を聞いているはずです。中野区では女性企業家・家族従業者「業者婦人」の健康・労働などの実態調査をこれまで一度も実施していません。「業者婦人」のこうした声に少しでも応える支援が検討できるのですから、ぜひ「実態調査」を行なっていただきたいのですが、見解を伺います。
業者婦人は、妊娠や病気、けがの休業所得補償がなく、税法上では一人の人間としての働き分が認められていません。そのため業者婦人は長い間、社会的経済的地位の向上をめざし、傷病手当、出産手当を法的給付にしてほしいと運動しています。
女性家族従業者が一人前の人間として、その働き分が経費として認められていない原因は、「所得税法56条」の「親族が受けた支払の対価は必要経費に算入されない」ことが重くのしかかっていることにあります。業者婦人にとって、病気で仕事を休むということは、収入が途絶えること、仕事を失うことを意味します。産休休暇も法定日数42日以下しかとれない人が大半です。必要な休みも取れず無理して働き続け、健康を損ね医療費の負担に苦慮しているという深刻な実態が広がっています。高知県の業者婦人の要求が実って、高知県議会では国に対して「所得税法56条の廃止を求める」意見書が全会派一致で採択されました。
中野区はこうした切実な声や実態をどのように受け止めているのかうかがいます。また、所得税法56条の廃止を国に対して求めるべきものと思いますが、いかがでしょうか。
4. 生活保護行政について
次に、生活保護行政について伺います。
政府の進める「構造改革」路線によって、たしかに大企業はバブル期を上回る空前の利益を上げましたが、労働者・国民の所得は減り、貧困層は拡大しつづけています。中野区においても、10年前と比べると区民一人当たりの所得は、30万円以上も減少し、生活保護受給者も1.7倍にも増えています。よく「格差」「格差」と言いますが、こうした貧困の拡大という面から捉えることが重要です。この貧困の拡大、とりわけ生活保護受給者の増大という事態を、区はどのように認識されていますか? お聞きします。
弱肉強食の構造改革路線による貧困化が進行するなか、所得の再分配機能を果たすべき税制や社会保障は、累進課税の弱まりと社会保障予算2200億円抑制路線のもと、その機能は年々弱まるばかりです。ですから、最後の命綱ともいうべき生活保護行政がきちんとその役割を発揮することが何にも増して重要です。
しかし、この間、中野区も含め多くの自治体では生活保護の法外援助施策を廃止し、国は03年、04年に生活保護基準を引き下げたのに続き、老齢加算を段階的に廃止し、削減してきた母子加算も来年には全廃の予定です。こうした事態の中、「これでは生きていけない」「子どもを育てていけない」「近所の人の葬式に行けず、その日は居留守をつかった」などの声が出ています。憲法25条で保障した「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を国が侵害しているとして裁判に訴えるという事態もあちこちでおこっています。
私がお聞きした、上高田にお住まいの女性は「食事と入浴と光熱費を削っている。米1合を炊いて1日3回に分けて食べている。」また、新井にお住まいの方は「日が暮れても電気はつけない。テレビの明かりをたよりに夕食をとっている。食料は閉店間際の値引き品でしのいでいる」。そして「親戚の葬式にも出られない。つらい。…情けない。」とおっしゃっていました。
私は生活保護の引き下げはもう限界だと思います。これ以上生活保護が引き下げられると、もはやセイフティーネットの役割を果たせなくなるところまで落ち込んでいます。国はこれ以上の切り下げはおこなうべきではありません。区の認識をうかがいます。
生活保護が切り下げがすすむなか、今度は厚労省は、通院移送費を削減しようとしています。この「移送費見直し」方針は、文字通り受け取ると、これまで交通手段のない人が通院に使ったタクシー代などに支給されていた移送費を、災害現場からの緊急搬送などに制限するというものです。これでは利用者は生活保護費から交通費を新たに捻出しなければならなくなり、実質的な生活保護の切り下げです。しかも、厚労省が提案の理由としているのが、北海道滝川市で起きたタクシー代の巨額不正支払い事件です。この事件は、市と福祉事務所が、タクシー会社とグルになった暴力団世帯の言いなりになって起きたことが明らかになり、住民監査請求がおこなわれている問題です。
東京都は埼玉、千葉、の三都県と横浜市など四市の生活保護担当課長と連名で、「通院移送費は最低生活上欠くべからざるもの。支給範囲の運用については自治体の意見を聞いて慎重に検討して」とする意見書をあげています。厚労省の社会援護局長も「基準を厳しくしたということではない。」と述べています。一人ひとりのケースに沿った支援ができるようにすべきです。機械的に対応すべきではありません。答弁を求めます。
この国民生活の最後の命綱である生活保護行政の分野で、全国あちこちで無法が横行しました。北九州市では、生活保護の申請さえ認めない「水際作戦」、道理のない非情な「保護打ち切り」によって三件の餓死・孤独死事件が相次いで起きました。北九州市を生活保護行政のモデルにと考えていた国も、事の重大さから、生活保護を必要とし適用しなければならない生活状況にある世帯への給付もれがないよう対策を強化することとしました。厚労省は、生活保護の適正な実施の項目の中で「生活保護を受けられるべき者が受給できるよう『漏給の防止』について徹底を図るための対策を強化する」と明記する文書をだしています。また、3月に開かれた都道府県の担当者を集めた会議でも、申請権の尊重や、一方的な生活保護からの排除を戒めています。
全国的には、生活保護を必要とする人で実際に生活保護を利用している割合は2割前後にとどまっているといわれている中で、大変貴重な、そして当然な方針だと思います。区としても、不正な生活保護受給が起こらないよう努めるのは当然ですが、生活保護を必要とする人がきちんと受給できるように、よりいっそうの努力が求められていると考えますが、いかがですか?
人間らしい最低限度の生活を保障するために、日常生活をサポートする生活保護のケースワーカーの仕事は大変だと思います。新規申請の処理、医療券を取りに来る人への対応、入院する病院を探す仕事、家庭内や親戚間での揉め事の相談、給与証明書や収入証明書の提出の催促、転居の相談、就労のための同行、などなど、そしてその都度全て記録に整理しておかなければなりません。個々のケースが本当に尊重されなければならない業務だけに、なおさらだと思います。生存権を守る最前線の職場の体制が量的にも質的にも保証されないと、業務の適正さも職員のやりがいも失われかねません。
ところが、中野区では現在、社会福祉法で定められた職員の標準数換算で3名不足しており、また、今年三分の一もの職員が入れ替わったと聞きました。これでは、受給者と向きあうということが不足し、この間全国で見られた、仕事を増やさないようにと生活保護の申請を不当に拒否したり、保護打ち切りを強要したりする行為が、職員の側で意図しなくとも、その忙しさと経験不足のために起きかねませんし、不正受給も見抜けず不正受給数が増大することにつながるのではと、心配になります。
適正な生活保護業務のためには、職員を増員すべきです。また、資格や経験のある職員が一定程度いることが望ましいと思いますが、いかがでしょうか?
5. 環境対策について
次に、環境対策の一番目として、地球温暖化問題について質問します。
二酸化炭素の排出量は、2050年までに全世界で1990年時の半分以下に削減しなければなりません。この長期目標を達成するために、先進国が牽引し、2020年までに1990年比で25から40%削減する中期目標を定めることが重要です。
5月に開かれたG8、先進8カ国環境相会合で、日本が二酸化炭素排出削減の中期目標について具体的な提起をしなかったことは、世界中から注目されていただけに批判も強く、サミット議長国としての資質が問われる結果となりました。1月のダボス会議で福田首相が提起をした、わが国の国別総量削減目標の取り組みの方向を、区長は評価していると本会議で答弁しましたが、このセクター別アプローチ、業種別積み上げ方式だけでは国別総量目標は達成されないことが、同環境相会合で事実上確認されています。
業種別積み上げ方式は利潤追求の企業活動と相性が良いようですが、国際社会には受け入れられませんでした。
区長の見解をお聞かせください。
太陽光熱利用の促進について伺います。
政府は昨年末、太陽光発電の普及を進めるため、一般住宅への太陽光パネル設置を2030年までに全世帯の約3割へ拡大する方針を明らかにしました。
太陽光発電装置は初期費用が250万円以上とまだまだ敷居が高く、意欲があっても導入に踏み切れない人が多いのが実情です。中野区環境審議会が2006年に実施した「区民環境行動・意識調査」では、約半数の区民が、太陽光発電機器の設置について「関心はあるが費用がかかりすぎる」と答えています。現在、都内で太陽光発電の普及に助成金をつけている自治体は、品川区、杉並区、足立区、港区、武蔵野市、三鷹市、調布市、町田市、小平市です。中野区としても区民の太陽光発電装置の導入に補助金をつけるべきだと考えます。来年度からでも実施できるよう努力することを求めますが、お答えください。
また、東京都が昨年6月に策定した「東京都気候変動対策方針」では、太陽光発電と並んで、高効率給湯器などの普及促進、太陽熱市場の再生を掲げています。先ほどの「区民環境行動・意識調査」では、太陽熱温水機器の設置についても、約半数の区民が「関心はあるが費用がかかりすぎる」と答えています。そこで、区民が太陽熱温水機器を設置することに区として補助金をつけてはいかがでしょうか。お答えください。
次に、ごみの問題について尋ねます。
まず、家庭ごみの有料化についてです。
9割以上の区民が、ごみの発生抑制やリサイクルに協力したいと思っていて、一つの方策として家庭ごみの有料化が盛んに議論されているようですが、2007年の第三回定例会でも言いましたが、私たちは家庭ごみの有料化は実施すべきでないと考えています。
中野区廃棄物減量等推進審議会は、家庭ごみ有料化による区の手数料収入額は年7億8千万円と試算しています。言い換えれば、区民の負担が年間7億8千万円増えるということです。23区では2009年度の推奨袋廃止に合わせ、いっせいに有料化が実施されるのでないかと心配です。貧困の拡大、物価の上昇、増税負担増給付減の中、さらなる負担を強いることは認められません。
東京都日野市は1999年まで可燃ごみや不燃ごみに資源の混入が多く、資源化率は中野区の計算式で6%ほどでした。家庭ごみの有料化によって資源ごみの分別が進み、2006年度24.5%まで達しました。日野市ごみが減った直接の原因は資源化の促進であり、有料化はそれを後押しする間接的要因だったと思います。中野区はと言いますと、2006年度の資源化率が22%で、日野市に近い数字が出ています。ですから、資源化が充分な域に達している中野の場合、家庭ごみを有料にしても、日野市のような資源化の飛躍という形でのごみ減量は望むことができません。
さて、全国的な傾向として、家庭ごみの有料化が実施されるとスーパーやコンビニのごみ量が増えることが分かっています。新潟県上越市内のコンビニエンスストアチェーンでは、市がごみ有料化を実施したとたんに、市内各店舗の可燃ごみが1.5倍から2倍にまで増えてしまいました。家庭ごみの排出先が集積所から店のごみ箱に変わっただけで、発生量はそれほど減っていないのではないかと指摘する声もあります。無料のごみ箱があればそこに捨てるのは無理もないです。家庭ごみ有料化のこうした事態について、区の認識をお聞かせください。
次に、ごみ減量の手立てとして、以前から取り上げております生ごみについて伺います。
三重県が行なっている「ごみゼロプラン推進モデル事業」は、自治体が住民や事業者、NPO団体などと協同して実施する実験的・先駆的なごみ減量の取り組みに対して半額の補助を行なうものです。生ごみの堆肥化に取り組む住民が増えたほか、商工会議所との協力で地域産業における需要調査を行なうなど、地域活性化にも貢献しているそうです。
東村山市は、生ごみの集団回収を実施しています。5人以上で登録し、決められた集積場所に週一回、専用バケツに生ごみを入れます。市が委託した業者が回収し、堆肥化工場に運ばれます。2005年に始まり、現在は約200世帯まで広がりました。
生ごみの肥料化は、できた堆肥の受け入れ先が見つかりにくいという出口問題がありますが、穀物価格の高騰にともない、生ごみの飼料化が急速に脚光を浴びるようになりました。
行政主導で全区的に実施するには課題が大きすぎるかもしれない生ごみの資源化ですが、有志による小規模な取り組みであればさほど費用はかかりません。半額助成をはじめ、区が積極的にかかわって応援し、広げていただきたいと思いますが、区の考えをお聞かせください。
6. 学校給食への緊急支援を
最後に、その他として区立小中学校の給食について、一点うかがいます。
小麦や牛乳などの価格高騰が、食材の値上げとなって学校給食の現場を直撃しています。
報道によりますと、足立区などは、「内部努力だけでは諸物価の高騰に対応できない」と、補正予算で不足分をまかなうことにしたとあります。
中野区としても、給食の質を落とさず、保護者に負担を求めることにならないための緊急支援策を講じるべきです。答弁を求めます。
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【本会議・討論】
東中野小学校を廃止する条例案に対する反対討論(6月17日来住和行)
上程されました第62号議案に日本共産党議員団を代表し反対の討論をおこないます。
本議案は、東中野小学校を廃校し、中野昭和小と統合するとともに、中野富士見中学校と第一中学校を統合するというものです。
学校の歴史には、それぞれ創立の経過があります。学校があるゆえに、そこにくらし、住み続けてきた人々もいます。学校は、住民と区民の手によって育まれてきた区民の歴史的財産であり、文化的、教育的資産です。
教育委員会はもとより、区行政と議会は住民に代わって区民の財産を守り育てる義務と責任があります。
本議案に反対する理由の第一は、合意が得られていないということです。東中野小学校の統廃合の再検討を求める趣旨の6400筆の署名が東中野小学校同窓会の飯田雄一会長と「東中野に学校を残す会」会長名で、区長と教育長に要望書が提出され、2月15日には「統合の再検討を求める」要望書が区議会議長に提出されています。
この間開かれた3回の区主催の住民説明会は280名が参加し、圧倒的に、統合計画の見直しを求める意見が多数でした。5月に実施された東中野小学校PTAの統合アンケートでも、統合に賛成した保護者は1人だけという結果です。このことからも、地域と保護者の理解は得られていません。
また、「学校統合委員会」の副委員長をはじめ複数の委員から統合反対の態度表明がされ、さらに5月26日に区議会議長に、「統合の見直しについて」の陳情書が同窓会会長と父兄有志代表名で提出されています。
中野区と教育委員会に問われているのは、説明のあり方や不充分さではなく、東中野小学校と中野昭和小学校を統合することに道理がなく、地域と保護者の合意は得られていないということです。
反対の第二の理由は、児童の安全が確保されていないことです。子供の安全を確保することは、すべてにおいて最優先されるべき重要課題です。
東中野小と昭和小の統合においては、これまで地域と保護者から通学安全対策での強い要望が出されていたのに、区側は無視してきました。区は、あわてて本年4月22日初めて、10項目の対策を示したのです。
東中野小PTAから2004年11月に「直線で1.4kmとあるが、実際に歩いてみてのことか」「山手通り、早稲田通りについてどのように検討したのか」「青原寺交番前の交差点は事故が多い」などの意見が地域と保護者の共通の要望書として提出されています。
小学校PTA連合会からも同年12月に「抜本的な安全対策」を求める要望書が出されています。
区が安全対策の目玉のひとつとしてきた、新たな通学路に指定した上高田中通りのガードパイプも、布設し2カ月後には車にぶつけられ曲がるなど、区側提案の安全対策に保護者、地域の信頼は得られていないのです。
小さな身体にランドセルを背おい、手に道具を持ち、早稲田通り沿いを歩き、山手通りを横断し、危険な上高田中通りを30分も通学する計画でありながら、交通安全対策の検証を区も教育委員会も実施してきませんでした。だから、対策の提案も出せなかったのです。せっぱつまって今回出した提案も、警察だのみのものなど抜本的な安全対策とは到底いえません。
5月23日に本議案関連を議決した教育委員会においても、「今後とも通学安全対策については教育委員会の議題としていく」ことを確認せざるをえませんでした。このことからも議決した教育委員会自身が安全対策は万全でないことを認めているものです。
「子供たちにもしものことがあったら誰が責任をとってくれるのか」といった説明会での地域、保護者の切実な訴えはもっともな声と受けとめるべきです。
また、昭和小の保護者からも、子供の交友関係が山手通りを横断して拡大することに、不安が表明されていることも無視できません。
子供の登下校時における安全対策がいまだ確定せず、子どもの安全といのちの保障に対し、地域と保護者にその理解が得られていないのが第二の問題です。
反対の第三の理由は、乱暴な計画であるということです。戦時中に塔山小学校、桃二小学校があったにもかかわらず、東中野小学校は現在の第三中学校所在地に開校されました。空襲で焼失したもののこの地域には一つの小学校が本来必要と、現在の位置に設置され51年の歴史をきざんできました。
中野富士見中学校もまた、49年におよぶ、歴史を重ねてきた点においては、変わりはありません。
中野区における学校統合再編についての検討は、2000年1月に「適正規模適正配置審議会答申」として「小規模校を統廃合し、望ましい学校規模を確保しなければならない緊急性は見当たらない」との結論を得ていたものです。
ところが、田中区政になって「すべての施設をゼロベースで見直す」として、これまで小規模校の良さを認めていた教育委員会も、人間関係の固定化が進む、学校行事の活気が失われるなどの理由をあげ、小規模校を否定する論を展開しました。しかし、いずれも財政効率の尺度からのものです。
学校の存在が住民の心にどのような位置を占めているのか、地震、水害等の避難場所、子供を通しての情報発信、地域コミュニティの基地としての重要な拠点、何より子どもの立場、教育的視点からの検証もない中で、計画は15年間で小学校29校を21校に、中学校14校を9校に削減するというものです。統合ありきのモノサシをあてて切り捨てる、乱暴な計画を強行したことにあります。
最後に、東中野小学校における教育方針は全体として地域、保護者の方々の支持と理解のもとに実践され、高い信頼を得てきました。区と教育委員会はここにこそ自信と確信を持つべきです。これからもそこを拠り所として子供の成長と教育に責任を負う行政を推進すべきです。
学校は子供が主人公であり、学校は保護者と地域の協力・協同の力をもって、それを活かしてこそ豊かに育まれるものです。
合意のない乱暴な統廃合は、中野の教育現場により一層の困難を持ち込み、区政への信頼も失いかねないことを強く指摘し反対の討論とします。
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【本会議・討論】
児童館廃止条例案に対する反対討論(6月17日岩永しほ子)
日本共産党議員団を代表し、上程されました第57号議案「中野区立児童館条例の一部を改正する条例」に反対する立場から討論を行います。
中野区は、10か年計画に沿って2014年度までに児童館を7館廃止するとしています。その計画推進の1番目が議案として上程された塔山児童館です。
塔山児童館は東部地域センターに併設して、1983年に25番目の児童館としてようやく開館しました。その児童館にある塔山学童クラブは、塔山児童館ができる20年前に区内4つの学校で「子どもクラブ」として開始していた学童保育事業の一つでした。本議案で廃止となれば、遅くに児童館に移行した学童クラブが真っ先に学校に後戻りすることになってしまいます。
中野区の児童館建設は学童クラブの歴史と密接な関係があります。学校の空き教室を使って始まった学童保育は、安全対策や活動スペースなどの苦労が多く、1966年に「校庭開放と区別して学童保育の確立を」と望む区民から請願が出され、区議会で採択されました。そして、10年の間は毎年2館ずつのペースで児童館建設が始まりました。
1973年には「幼児グループ」事業がはじまり、その頃から、児童館の行事は子ども実行委員会を組織するなど子ども主体となり、次第に地域から大人の参加も広がりだしました。1978年には区の児童館条例が全面的に改正され、児童福祉法や東京都の設置基準に基づき、スペースの確保、児童への健全な遊びの提供、乳幼児親子や小・中学生への情操育成など、子育てネットワークの核として活動を展開しています。学童クラブと一体となって取り組む児童館まつり、親子育成事業などでのボランティア参加や地域との連携を深めることにより、児童館が「人づくり」の役割も果たしています。
こうした活動の展開ができるのは、子どもが歩いて行ける身近な距離に児童館があり、職員配置と、地域団体や父母などによる運営協議会の設置などでの民主的な運営がされているからです。
ところが、10か年計画によって遊びの機能が学校に移行され、キッズプラザ事業とする位置づけは、条例もない設置根拠に乏しいものに変えられようとしています。先にも触れましたが、児童館が、地域に住むすべての乳幼児親子や児童・生徒の健全育成事業に取り組めたのは、事業目的が明確であり、そのために必要な設置基準などが示された条例があったからです。なんの根拠も示されないまま子どもたちは学校に押し込められ、当該学校以外の子どもたちが参加できず、場所を提供するだけのキッズプラザでは地域との連携も深められず、「連携と人づくり」という、これまで築いた地域の財産が継承されません。
また、学童クラブが児童館建設に道を開き、1972年に児童館事業として位置づけたことにより、学校から児童館に移行してきたものを再び学校に閉じ込めてしまい、その上民間に委託しようとするのでは明らかな事業の後退です。加えて、学校への移転は体育館や校庭などの使い方と安全対策、具合が悪くなったときの静養スペースを確保する対策などは今より後退することも目に見えています。児童福祉法に基づいて制定された「放課後健全育成事業の実施について」で求められている「施設や運営を向上させる努力」をすることとにも逆行したままです。
児童館の廃止による問題は、子どもたちの活動と居場所を奪うだけでなく、地域の養育力と子育てネットワークの低下を招きます。
中野区が少子化対策を喫緊の課題としているときに、子どもたちの身近にあって健全育成を地域住民とともに取り組んでいる児童館廃止に区民の合意はありません。納得のいかないまま、廃止することは、子育て支援が財政効率を優先させたものとなり、子どもたちに負担をおしつけるものとなります。児童館を廃止することは見直すべきです。
以上を指摘して、本議案への反対討論とします。
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【本会議・討論】
高校歴史教科書における「集団自決」の記述に関する請願に対する賛成討論(6月17日長沢和彦)
ただいま上程されました第5号請願と第6号請願に対し、日本共産党議員団の立場から賛成討論をおこないます。
両請願は、高校教科書検定による「日本軍の関与」がなかったかのような修正・削除に対し、同記述を回復することを文部科学省に求める意見書の提出を求めたものです。
両請願にたいする賛成理由の第1は、通説とされている「日本軍の関与・強制」を削除する根拠がないからです。
教科書の記述で、沖縄戦の住民虐殺が書かれるようになったのは、80年代になってからです。検定で日本軍による住民殺害の記述を認めるという文部省の方針を受け、翌1983年に、家永三郎氏が『新日本史』で日本軍の住民殺害を書き、検定申請します。
文部省はこのときに、住民殺害に削除の意見はつけませんでしたが、「沖縄戦の記述の一環として、・・・最も犠牲者の多い集団自決を加える必要がある」との検定意見をつけます。その結果教科書は、「沖縄戦は地上戦の戦場となり、…砲爆撃にたおれたり、集団自決に追いやられたりするなど、非業の死をとげたが、なかには日本軍のために殺された人々も少なくなかった」という記述になりました。この検定に対して、家永氏が第3次教科書訴訟をおこし、南京大虐殺、731部隊などと並んで、沖縄戦に対する検定も裁判の争点になりました。この裁判の中で、国側は、「集団自決」について、日本軍によって犠牲にされたのではなく、国のために自ら殉じた崇高な死であるという殉国美談として描き出します。これに対して、現地沖縄もふくめ、歴史研究者たちは、家永訴訟を支援し、「集団自決」は日本軍によって強制されたものであることを徹底して明らかにする取り組みをすすめます。その結果、最高裁の判決は、検定を容認するものでしたが、判決の中で、「集団自決」については、「崇高な犠牲的精神によるものと美化するのはあたらないとするのが一般的であった」とし、「軍による住民殺害とともに集団自決と呼ばれる事象を教科書に記載することは必要と考えられ、また、集団自決を記載する場合には、それを美化することのないよう適切な表現を加えることによって他の要因とは関係無しに県民が自発的に自殺したものとの誤解を避けること」と述べています。
こうして、「集団自決」については、自発的に国のために殉じたのではなく、日本軍によって犠牲にされたという趣旨で、「日本軍によって集団自決に追い込まれた」「強いられた」という表現が教科書でなされるようになっていきました。
今回の文部科学省の検定意見は、最高裁の判決でさえ認定した記述を、今日では通説となっているものを20年ぶりに書きかえようというわけです。
第2に、文部科学省のこれまでの言明に反して、係争中の一方の主張を検定意見の根拠にしていることです。
沖縄戦をめぐっては、2005年から「新しい歴史教科書をつくる会」が策動をはじめています。現会長の藤岡信勝氏らが中心となって、「沖縄戦の授業案」なるものが雑誌に掲載されました。そこで藤岡氏が、問題にしたのが「沖縄戦で民間人が軍の命令で集団自決させられた」という記述でした。
同年夏には、その「つくる会」が支援をし、座間味島の元日本部隊長の梅澤裕氏と渡嘉敷島の部隊長の弟が、軍命令があったと書いたのは、名誉毀損であると、大江健三郎氏と岩波書店を相手取って損害賠償、出版差し止めを提訴しました。問題は、今回の検定での文部科学省の検定理由の1つにこの裁判があげられていることです。しかも、検定意見が出されたのは、地裁で確定される前です。係争中の一方の側の主張を根拠にすること自体、異常のきわみです。ただし、その裁判においても大阪地裁は、日本軍による命令を推認できると判断し、被告の全面勝訴となりました。
また、この検定の担当の調査官は、「つくる会」の歴史教科書・改訂版の監修者を代表する研究グループに所属していた経験をもつ人物であることも、国会の場で明らかにされました。こうした事実からも、今回の検定が、学問的な検討のうえにおこなわれたものではなく、侵略戦争を美化する特異な立場から、極めて政治的におこなわれたものであり、認められません。
第3に、沖縄戦研究で明らかになった、「集団自決」においての日本軍の関与・強制という事実を削除するものであるからです。
今回裁判で争われた、座間味島の梅澤裕部隊長の「自分は軍命令を出していない」という証言・手記は、すでに1986年に、『沖縄県史』編集に関わっている沖縄資料編集所の雑誌に掲載されています。すでに、20年前に、部隊長がはっきりと自分は軍命令を出していないと主張していることが、公式の出版物で刊行されている。つまり、今になって出てきた新しい事柄ではありません。
沖縄では、日本軍によって、住民に対して「絶対に捕虜になるな」「捕虜になることは恥である」という教育や宣伝がやられました。また、学校、役場や新聞などあらゆる媒体を通してもおこなわれました。捕虜になるのは恥だということとセットで、「軍官民一体」「共生共死」が繰り返し強調され、日本軍が玉砕するときには、住民も一緒に死ぬのだということが叩き込まれていったのです。さらに、渡嘉敷島や座間味島を含め慶良間諸島では、あらかじめ日本兵から手榴弾が配られていました。その状況下で米軍が上陸してくる。逃げ場も無い小さな島で、とりあえず山に逃げる。しかし、もうだめだ、日本軍も玉砕だと思い込む中で、「自決」がはじまったのです。「自決」がはじまったときに、渡嘉敷島でも座間味島でも、「軍命が下された」と聞いたとの証言がたくさんあります。同時に問題は、直接の軍命だけにあるのではなく、日本軍と日本軍によって指導された戦時体制によって、米軍が上陸してきて追い詰められた状況下で、自分たちは死ぬしかないと思わされていたことにあります。アメリカ軍は住民だとわかれば保護しました。ですから、客観的に見れば住民は生き延びることができた。にもかかわらず、自決するしかないと思い込まされ、死ぬための手段として手榴弾が日本軍からあらかじめみんなに配られていた。「集団自決」を考えるとき、それが基本的に、日本軍がいたところで起きていたことを見るのも大事な点です。軍がいなかったところでは「集団自決」は起きていません。そこでは、移民帰りの人だけでなく、戦争に疑問を持つ人、民間人が犠牲になることはない、と素直に考える人はあちこちにいましたが、彼らがそうした考えに基づいて、住民たちを説得し米軍に集団で投降できたのは、日本軍がいなかったからです。日本軍がいれば、そうした人たちはスパイ、裏切り者として殺されていました。
そのことを教科書で一言で表現すれば、「日本軍によって集団自決を強いられた」「日本軍によって集団自決に追いつめられた」となります。これが、この20年来の研究の成果を踏まえての教科書の記述なのです。
教科書には、“部隊長の命令によって集団自決が起きた”という書き方はどこにもされていません。より抽象的な日本軍という言い方で、その責任を明らかにしています。にもかかわらず、文部科学省の検定についての説明では、「部隊長の命令があったとは言えないから」と、およそ理由にならない理由をあげて、日本軍による強制を削除する理由にしているのです。
「集団自決」における日本軍の「軍命」を否定する人々は、それは、戦後に援護金を受け取るためのつくり話だったと言います。しかし、これもまったく根も葉もない話です。一昨年、歴史研究者が、アメリカ軍の公式資料から「集団自決」に関するものを見つけ、沖縄タイムスに発表しました。これは、アメリカ軍が慶良間諸島に上陸した直後の文書です。住民の証言の多くが収集された70年代以降の証言内容とまったく同じ証言が、1945年3月末、集団自決の直後の時点で、米軍によって記録されていたのです。ですから、軍命とは、戦後に援護金欲しさに後から作り上げたものという主張に何の根拠もないことは、この資料からも明らかです。
文部科学省のいうような、日本軍の関与・強制を否定する研究などどこにもありません。日本軍が「集団自決」に住民を追い詰めたこと自体を否定する、論理も何もない政治的な意図をもった主張だと言わざるを得ません。
最後に、検定制度について述べます。
「集団自決」から「日本軍の関与・強制」の記述を削除する教科書検定は、学問的な通説を逸脱した、文字通り一方的な立場から行われたものです。まさに教育への政治介入そのものであり、文部科学省が検定を撤回しなかったばかりか、訂正申請を修正させてまで「強制」記述を改めなかったのは、教科書検定制度の危険性を浮き彫りにしています。誤った検定意見を撤回し、正しい記述を回復するのは当然であり、政治的な介入がまかり通る密室の教科書検定制度そのものを、抜本的に見直すことが不可欠です。
以上述べて、第5号請願並びに第6号請願の賛成討論とします。
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【本会議・討論】
新井保育園転園計画と保育環境を整備することを求める陳情に対する賛成討論(山口かおり)
ただいま上程されました第1号陳情「新井保育園転園計画を凍結し、保育環境を整備することについて」を、日本共産党の立場から賛成討論いたします。
本陳情は、新園運営事業者の募集を延期し、転園計画を3年間凍結し、新井保育園として保育するために園舎等を設置することを区に求めるものであり、2030筆の署名が届けられています。
新井保育園については、耐震性の問題により、現在の保育園施設での保育を続けることが困難なことから、新園が建設されるまでの間、近隣の保育園に転園する計画が進められています。しかし、その計画に対して、陳情者である新井保育園の保護者たちからは、入園の際に民営化に伴い転園が発生するという説明を受けておらず、生活や仕事に混乱が生じているという声がだされています。
その後、区は新井保育園の民営化に関する説明や、保護者との話し合いの場を何度か持ってきましたが、5月に開催された説明会の際にも、転園に関しての質問や意見が多くだされ、保護者の不安は払拭されていません。受け入れ先である沼袋保育園では、高齢者会館の一部を活用するなどして、園児を受け入れる予定ですが、沼袋保育園での保護者説明会においても、受け入れによって保育室が狭くなることや安全性の観点からやはり多くの不安の声が出されており、区議会議長に対しては新井保育園の転園計画を見直すように求める要望書が1475筆の署名とともに出されています。両園の保護者に対して、十分な説明がなされ、納得が得られているとは到底いえない状況にあります。
また、中野区では4月1日時点で待機児童が144人も生み出されており、区がどのようにこうした待機児童に対して保育環境を整備する責任を果たしていくかが問われています。新井保育園では現在、待機児童数が特に多い0歳児、1歳児の園児募集が停止されており、さらには来年度も園児募集の停止が続くことから、待機児童の増大に拍車をかけています。
新園の事業者の募集が既に行われていますが、4月に民営化事業を開始した陽だまりの丘保育園では、民営化による保育の質の低下や安全対策が大きな問題となり、転園を望む声や受け入れ先がないためにやむなく引っ越しまで検討しているという保護者もいると聞きます。職員の体制や安全性などに多くの苦情や問い合わせが区や東京都に出されており、区の民営化計画によってさまざまな問題が生じています。これ以上、区は、保護者の合意なく、強引な民営化計画を進めるべきではありません。
区が、保護者の声に応え、転園計画を見直し、十分な保育スペースを確保できる園舎などを設置するよう努力することを求め、賛成討論といたします。
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