区議団の活動

2004年第3回定例会

(2004年9月21日〜10月22日)


【本会議・質問】長沢和彦江田とおる
【本会議・討論】昆まさ子池田一雄岩永しほ子来住和行長沢和彦小堤 勇
【決算特別委員会・総括質疑】来住和行かせ次郎


【本会議・代表質問】
(2004年9月21日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 区長の政治姿勢について
    1. 国・都の動向と区民への影響について
    2. 区長の組織運営について
      (ア) 幹部職員の出勤簿偽装事件について
      (イ) 警察への職員告発問題について
  2. 策定中の基本構想と新しい10か年計画について
    1. 基本構想の根本的な問題について
    2. 暮らしを支える施策切り捨ての10か年計画について
      (ア) 小・中学校の統廃合について
      (イ) 児童館・学童クラブについて
      (ウ) 地域センターの廃止について
  3. 中野駅周辺・警察大学校等跡地のまちづくりについて
    1. 警察大学校等跡地について
    2. サンプラザの取得について
  4. 次世代育成支援・地域行動計画策定について
    1. 乳幼児医療費助成の拡大と入院給食への助成について
    2. 保育料の値上げについて
  5. 野方駅の改善について

○19番(長沢和彦) 2004年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して質問を行います。
 初めに、区長の政治姿勢について伺います。
 政府は、この10月から、国民の怒りと反対の声を押しのけて、年金改悪の実施をしようとしています。さらに、介護保険での国庫負担の削減や生活保護の加算制度の廃止など、暮らしを支える社会保障が軒並み崩されようとしています。失業率も高どまりで、勤労者世帯の年収も6年連続減り続け、6年前よりも85万円も減っている状況です。その上、三位一体改革によって、今年度以上の影響が生じてきます。区もそれについては大変厳しいとの認識を示しました。
 義務教育の国庫負担金の削減が言われています。しかし、義務教育の国庫負担金は、憲法に基づいた義務教育の無償制度を守り、財政力の違いによって自治体の教育水準に大きな差がつかないようにする上で、積極的役割を果たしています。都知事も基本的に義務教育費国庫負担金を一般財源化して地方に任せることは反対だ、国家の責任で維持しなければならないと発言しています。福祉、教育など、国民の権利である一定水準のサービスを保障するために守るべき国庫補助負担基金制度があります。
 また、地方6団体も、絶対に認められないとしている生活保護の国庫負担金の削減についても、政府与党内で、来年度からと確認されているのでは予断を許しません。区は、ことしの第1回定例会の予算特別委員会で、生活保護国庫負担金にかかわる影響額は年間で5億円ほどと答弁しています。生活保護世帯がふえ続けるもとでは、これを上回る額となります。そこで伺います。これらが行われるなら、区民の福祉、教育にとって大変な影響を及ぼします。区民の施策、事業を後退させてはなりません。見解をお聞きします。
 国の構造改革に加えて一段と激しいのが東京都の改革です。既に福祉切り捨てによる都民の痛みは深刻です。特に福祉や暮らしの補助金の削減と廃止はすさまじいものがあります。例えば、国民健康保険に対する都支出金は、中野区の決算ベースで98年度の4億4,000万円余から2003年度、2億2,000万円余と、5億以上も削減されました。そのことが国保料の値上げにつながりました。さらに、第2次財政再建推進プランで、1,200億円に上る補助金の削減、廃止を行おうとしているのです。
 民生委員の活動費や老人クラブへの助成、在宅介護支援センター事業補助、心身障害者ホームヘルプサービスや通所訓練事業、病後児保育事業などなど、高齢者や障害者、子どもにかかわる福祉関連事業だけでも、現在中野区が行っているうちの約60事業が、全体で100を超す事業が補助金の見直しと称して削減、廃止が検討されています。その上、三位一体改革で削られた事業は、都として廃止するとまでしているのは重大です。東京都の責任をきちんと果たさせ、事業を継続するように区として強く求めるべきです。見解を伺います。
 区長の組織運営について伺います。
 一つ目に、幹部職員の出勤簿偽装事件についてです。職員の労務管理を行う管理職が他人の出勤簿を長期にわたって出勤しているように偽装し、給与を支払うといった不正事件がありました。これは、内部の問題として済ますことのできない重大な問題です。地方公務員法28条、29条と、中野区職員服務規程に違反していると、懲戒分限調査委員会が開かれ、そこでの報告を受けて、区長は2人の幹部の給与を1カ月間10分の1の減給処分を行いました。しかし、このような偽装を必要とし、長期にわたって行われたのはなぜか、偽装工作をした幹部が昇格したままでよいのか、処分は妥当なのか、さらに、区長がこうした疑問に答えないのはなぜかなど、多くの疑問が区民に明らかにされないままです。自浄能力が発揮されたとはとても言えません。
 刑法の「電磁的記録不正作出及び供用」第161条の2の1項では、人の事務処理を誤らせる目的で電磁的記録を不正につくった者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられるとあります。さらに2項の公務員の場合は、10年と100万円となっています。それほど公務員の責任は重いのです。今回の事件は、地方公務員法ばかりか、この刑法にも違反しています。
 納得できないのは、区民と職員です。私たちは、6月25日に区長に対し、問題の真相解明と適正な職員の処分についての要望をしたところです。公金横領事件では、公表した上に数回にわたって報告がされました。それに照らしても、この事件の全容を明らかにすべきです。同時に、公金を不正に支出し、区政に対する信用を失墜させた責任を重く受けとめるよう、区長の謝罪を求めます。
 二つ目に、警察への職員告発問題についてです。去る8月23日、区長は、職員が区の情報を区民が開いているインターネット掲示板に書き込んだことを地方公務員法34条1項に違反するとして、刑事訴訟法により、被疑事実にかかわる秘密漏出行為を行った中野区職員を警察に告発しました。今回のことは、そもそも職員みんながのぞける庁内LANの情報をどのように扱うかのルールがないもとで起きたことです。この情報は公開してよい、この情報は公開してはならないなど、庁内LANを活用する上でのルール、システムがきちんとあったのでしょうか。
 しかも、告発した次の日に、情報管理と職員の服務規律についてという文書を発しました。掲示板に出してはならない情報が出ていたと告発をまず先に行い、職員への指導、警告は後回しとは一体どういうつもりなのでしょう。仮に出してはいけない情報であっても、本来的には職員に対しての指導、警告、管理を行うのが管理者としての務めではありませんか。それを怠っての告発というのでは、職員への見せしめとしか思えません。区長と職員との信頼関係を崩す告発といった行為は改めるべきです。区民からは、こうしたことでは職員は情報に触れなくなり、区民に必要な情報が提供されなくなると、区長の姿勢に批判的です。速やかに告発を取り下げるべきです。伺います。
 次に、策定中の基本構想と新しい10か年計画について伺います。
 初めに、基本構想の根本的な問題について伺います。基本構想は、区がどういった区政運営をしていくのかを示すものであり、区民の総意としてあらわすことが求められます。中野区基本構想検討素材ナンバー4の最初の章、新たな時代に向けての中で、みずからのことは主体的に決定し、同時にその責任も負う自己決定、自己責任と、自立と相互の支え合い、さらに公の支援を前提とした自助、共助、公助の考え方に基づき、と述べられています。このことは何を意味するのでしょう。
 自己決定、自己責任を初めとした自助や共助、公助といった考えをまずは自分で、次に地域で、最後に行政がといったぐあいに序列化し、それをもとに区政運営を行うとしているのでしょうか。これは、本来的に行政が行うべき福祉、教育の仕事を投げ出す公的責任の放棄につながる考えです。検討素材ナンバー4でも、あえてこのことを前提にしているところを見ると、こうした概念を基本構想と新しい10か年計画の基軸に据えようとしています。
 例えば、区民健診が有料化され、区民が受診しにくくなったことの行政責任は問われずに、自分の健康は自分で守れと、自己責任として切って捨てられてはたまりません。選択の自由だと言って、サービスの量と質が確保されていないのに、本人の選択の責任が問われてしまうのも納得がいきません。しかも、お金のある、なしでサービスが受けられないとなれば、命と暮らしを支える行政が責任を果たしているとは言えないでしょう。
 今、かつてないほどの所得格差、階層間の格差が拡大しています。構造改革によってもたらされ、その底流にこうした考えが据えられてきたのです。まずは自分でやれ、行政におぶさるな流の考えを区民に押しつけてはなりません。個人も地域も、そして行政も連携し、かかわってこそ、人としての尊厳が守られ、自立や支え合い、地域の自治がはぐくまれるのです。あくまでも区民の暮らしと権利を守る立場で区政運営をしていくべきです。見解を伺います。
 次に、施設配置の基本方針案について、特にそこでの核となるゼロベースといった考え方について伺います。区は、基本構想10か年計画の中で、このゼロベースをもとに、施設の統廃合などを打ち出しています。小・中学校の統廃合計画に始まり、児童館や地域図書館の削減、果ては地域センターを廃止しての区民活動センターや、保健福祉センターをなくして総合公共サービスセンターを設置するなど、これでもかといった施設の大リストラ計画です。
 どの施設も、区が長い年月の間区民とともに自治と参加を大切にしながら、福祉と教育の充実を目的に使用してきた施設です。施設が身近にあることと、職員がきちんと配置されていることで、区民の健康で文化的な暮らしを支えてきたと言えます。こうした歴史や成果を無視して、いとも簡単にゼロベースで見直すとして、区の都合でつぶしたりすることは区民無視と言えます。しかも、施設の運営については、地域での支え合いに過大な役割を求め、そのことをもって行政の直接的サービスからの撤退、縮小を論拠付けることは余りにも乱暴です。
 さらに、民間活力でといって安上がりなNPOや地域団体に安易に投げ出すことは、安定性や公平性からも問題が大きいと言えます。その上、指定管理者制度を活用して利益を求める株式会社にまでゆだねるとしたら、市場原理の中で支障と困難に直面することは明らかではありませんか。施設のゼロベースといった考えで突き進むのは、長年区が区民と培ってきた自治と参加を否定するものです。見解をお聞きします。
 区は職員の配置や施設の老朽化を挙げ、財政が厳しくなることを強調しています。しかし、国や都の失政と責任を問わずに、しかも、区民の暮らしと福祉を守ることを優先すべきなのに、サンプラザの取得や中野駅周辺まちづくりへの経費については惜しみもなく支出をし、また、しようとしているのでは、到底区民の納得は得られないでしょう。そのことを指摘して、次の質問に移ります。
 次に、10か年計画について、具体的に幾つかの施設展開についてお聞きします。
 初めに、小・中学校の統廃合についてです。基本構想10か年計画では、現在の小学校29校を21校に、中学校は14校を7校にしていくことを想定しています。そこでは、クラス定員を現行の40人学級で固定し、小学校18学級、中学校15学級を望ましい規模だと決めつけています。これは、小規模校のよさを全く無視した画一的な統廃合計画と言えます。
 9月5日付の「教育だより」では、わざわざQアンドAを用いて、小規模校の問題点として、児童・生徒の暗黙の序列が生じやすく、個人に対する評価が固定し、とか、少人数の教員だから個別指導や教育相談にかける時間が減少する、また、部活動の数が減ったり学校行事にも支障を来すといったことをあげつらっています。しかし、このように小規模校への反論を試みていますが、実態とかけ離れていたり、小規模校でなくても起き得ることを言っているにすぎません。しかも、小規模校では教員が児童・生徒全員について細部にわたって把握することが可能になるなど、教育上のプラス面があるとさすがに教育委員会もそのよさを認めざるを得ないでいます。それなのに、子どもと教育の問題を施設展開の観点からしか見ていないことにはあきれてしまいます。
 子どもや保護者、地域住民の合意なく、統廃合先にありきで進めるのは問題が大き過ぎます。しかも、こうした重大な計画を教育委員会の秘密会で決めていこうとするのは誤りです。こうしたやり方を改めて、区民と子どもたちの意見をきちんと聞く場を設け、区民参加での計画にしていくことを求めます。お答えください。
 次に、児童館、学童クラブについて伺います。小・中学校の統廃合計画に合わせて、児童館と学童クラブを減らし、運営自体も変えようとしています。区は、児童館を現在の28館から大幅に減らそうとしています。例えば、統廃合した後、都の基準で言えば10館、中学校校区で言えば7館へと減らすことになります。地域での育ちやコミュニティを強調しながら、その地域から子どもの居場所、交流の場を奪うとは一体どういう了見なのでしょう。特色のある子ども施設や中高生対応の施設をつくると説明していますが、残した児童館に特色付けをしているだけです。何が特色なのかもさっぱりわかりません。
 乳幼児親子の交流の場、子育て相談などをここで掲げていますが、現在乳幼児親子の利用で一番多いのが児童館です。こんなにも減らすことを考えていながら、交流の場、支援の場とはおかしな話です。中高生対応の施設に至っては、もっともらしく施設や事業の運営に積極的に参加し、社会性を身につけるなどと言っていますが、区の都合で勝手に青年館をつぶし、児童館や地域センター、ZERO西館などに追いやった反省もないのでしょうか。子どもたちのかけがえのない身近な居場所をなくしてはなりません。こうした計画はやめて、1学校1児童館をしっかりと守るべきです。お答えください。
 学童クラブは、児童館から学校にすべて移すとしています。子どもや保護者の意見も聞かずに、乱暴にすべて学校に移すなどとはあんまりです。子どもの居場所が学校だけというのは、育ちや安全を思えばとても心配でもあります。しかも、統廃合で学校の規模を大きくしようとしているときに、学童クラブが学校で間借り生活をすることになれば、授業や行事との関係で、クラブ児童の遊びが制限されることにもなります。現に今学校内にある学童クラブでも、校庭の片隅を使ったり、体育館などは使用できません。学校優先とならざるを得ない状況です。
 学校では、緊張の連続で息が抜けない子どもがいます。学童クラブに帰ってきて、緊張がほぐれる子どもがいることをどう思っているのでしょうか。行政の都合で、朝から夕方まで学校が居場所だと決められて、どうして子どもが安心して過ごすことができるでしょう。まして、子どもの育ちがいろいろと言われ、社会的問題として取りざたされているときにです。こうした計画は改めるべきです。見解を伺います。
 区は、その上、これまで児童館が行ってきた遊びの機能までも学校に移すことにしています。そのことで、学童クラブの機能は弱まることが心配されています。今、自治体の財政難を背景に、学童クラブを全児童を対象に安全な遊び場を提供することを目的にした全児童対策事業や、小学校の校庭、教室などを利用する文部科学省の子どもの居場所づくりプランに統合、縮小する動きが一部に広がり、混乱をもたらしています。
 世田谷区や品川区では、安心して子どもを預けられないといった声が出ています。全児童対策事業を進めることで学童保育をつぶした川崎市では、低学年と高学年が混在したことで、毎日のように事故が起きてけがが絶えず、骨折事故まで起きました。2カ月の間に60件の事故報告がされたといいます。そのため、今学童保育をつくり直しています。自治体にとって、目先の効率化を追求して学童保育をつぶしたことが、かえって財政負担を重くした典型的な事例と言えるでしょう。
 区は、全児童対策事業に吸収することはしないと言います。学童クラブの独自性をきちんと守ることがいま一層必要です。また、学童クラブの運営を職員が行っていたものから、NPOなどの団体へ委託しようとしています。学童クラブは、低学年を対象にした保育の専門性が問われる仕事です。障害児もいます。人の配置などのきめ細かな対応が必要です。しかも、安上がりな委託で安定した運営などできるのでしょうか。
 設置の目的に沿って、定員制で専任の複数の指導員を配置し、専用ルーム、おやつ、計画的、体系的な指導、そして、連絡帳や保護者会、個人面談、お便りなど、保護者との連絡が密にとれる手段を持ち、実行しています。これらの機能が果たされていて学童クラブと言えます。その上、安定的に継続して行うことが必要な事業です。委託でも平気と言われても、保護者の不安と心配はなくなりません。委託すべきではありません。保育園での民営化や民間委託での区の無責任なあり方を見ても、混乱は避けられないでしょう。行政責任をきちんと果たすべきです。お答えください。
 次に、地域センターの廃止について伺います。区は、地域センターを廃止するとしていますが、これまで区は地域の区長室としての機能と、話し合いの場としての直接参加の住区協議会を用いて、参加の行政を展開してきました。15の地域センターがその地域地域で議論を重ね、さまざまな要求を取り上げ、その実現に力を注いできたと言えます。こうした自治と参加の位置付けと取り組みが後退させられようとしています。
 区民活動センターと名称を変え、行政の窓口業務は本庁舎以外に4カ所の区民活動センターに併設することを検討しているようです。これまで区民は、身近に地域センターがあることでさまざまな申請や相談が気楽に行えました。区は住民票発行や印鑑登録、介護保険の申請などの窓口サービスの拡充を図ってもきました。区民サービスがきめ細かく行える保障であったと言えます。しかし、示された計画では、地域の身近な申請や相談窓口が姿を消すことになります。区民は極めて不便な状況に置かれることになります。
 住民の自治と参加の場であった仕事も、区民活動センターとして、町会、自治会などで構成する運営協議会に委託し、管理運営を任せようと考えているようです。単なる部屋貸しに変えようというのでしょうか。ある町会の役員は、何でもかんでも地域に、町会にということに、それでは行政は一体何をやるのかと憤慨していました。一般の会員に至っては、そうした動きさえも知りません。しっかりとした合意もなく進めている証拠です。結局職員の数を減らし、地域センターの維持が難しくなることをもって、地域にその仕事と責任を肩がわりさせることが目的なのかと言わざるを得ません。地域センターは廃止すべきではありません。見解を伺います。
 次に、中野駅周辺まちづくり、警察大学校等跡地利用についてお聞きします。
 中野駅周辺まちづくりについての区の説明は、議会や区民の問いに対して、説明責任を果たしたなどとは全く言えない状況です。なぜ現跡地利用転換計画を捨てるのかと問えば、清掃工場建設が中止され、サンプラザ問題が新たに出てきたから見直ししていると答えるばかりで、説明にも何にもなっていません。区にはお金がないから開発者負担で整備すると言いながら、それでは何百億円かかるかわからないサンプラザ整備や交通ターミナルづくりをなぜ計画に入れているのか説明がされていません。区の財政負担が軽かった目黒区の都市計画公園づくりや、杉並区の防災公園づくりの具体例を示しながら、同じ手法をとるべきだとの議会や区民の提案にしっかり耳をかそうともしません。囲町公園まで入れてわずか1ヘクタールの公園で、震災で逃げ込んできた人々を守れるのか、科学的な説明は一切していないのです。
 区民参加のことで言えば、計画づくりを新都市建設公社に丸投げし、調査検討委員会などと、あたかも住民参加があるかのように装って、最初から区が決めていた開発者負担方式を強引に押しつけたにすぎません。区の素案は、それをほとんど丸写しにしたもので、まじめに検討したそぶりさえ見せませんでした。一体どこに住民参加があるのですか。
 その上に、今回重大な情報隠しが露顕しました。区民が財務省に情報公開を求め、公表された中野区と財務省との打ち合わせ記録に書かれていたことは、議会ではもちろん、区民にも発表されていないものでした。財務省の資料では、コンサルタント会社である日建設計の社員の氏名などは黒塗りでつぶしてありましたが、打ち合わせの内容はほぼ公表されていますから、国の立場で考えても隠すことはないと判断されたものでしょう。しかし、私たちから見れば、今まで委員会で質問してもとぼけて答弁しなかったもの、全く最初から報告しないものなど、隠していたとしか思えない情報がいっぱいです。日建設計が区との契約関係もないのになぜ国との重要な協議の場に参加しているのかという疑問も出ています。
 財務省から、マスタープランが上位計画であり整合性はどうかとただされながら、議会にはそのやりとりは全く報告していません。この問題については、議会でも言われていることですから、隠してきたとしか思えないではありませんか。しかも、区役所の建てかえ用地の取得問題については、財務省から何度も指摘されている重大事項であるにもかかわらず、ただの1回も報告されていません。8月25日の協議では、地区計画案及び計画容積率の考え方という、委員会でも何度も質問されていることについて、財務省に説明しています。
 また、囲町公園を跡地中央部に移転させることについても協議されていますが、これも議会にとって初耳です。これらは、この協議の後開かれた委員会でも一切報告されませんでした。こんなことで、一体どこに情報の共有があるのか。隠すことでもないことをどうして隠そうとするのか。この問題だけではありませんが、区長が情報公開を避ければ避けるほど、それから遠のいていくように思えるのは多くの人々の実感ではないでしょうか。
 そこでお聞きしますが、今回財務省が公開した情報については、すべて報告する必要があると思いますが、いかがですか。
 このような状況のもとで、多くの区民が熱望し、現跡地利用転換計画でも主要なコンセプトである最低4ヘクタール以上の防災公園を確保するためには、さまざまな補助制度を活用でき、代金の支払い期間も長い、都市再生機構が事業実施する防災公園街区整備事業の優位性がますます高まってきたと思います。区も検討を約束したのですから、実質的で正確に、かつしっかりと誠実に検討すべきです。そのためにも、11月から都市計画決定手続に入るとの現スケジュールを変更し、引き延ばすべきです。お答えください。
 財務省もどの方式が区にとって有利なのか、シミュレーションで明らかにすべきだと指摘しています。当然のことながら、それらの検討結果は議会と区民に明らかにされるべきものと考えますが、いかがですか、答弁を求めます。
 サンプラザの取得について伺います。区は、中野サンプラザ取得、運営に当たって、出資、運営会社と協定を結び、新会社、株式会社まちづくり中野21を設立しました。今後、雇用・能力開発機構との譲渡売買契約をしていくとしています。おおむね10年間今の形態で運営していくことになりますが、その後は再整備を行うことにしています。サンプラザの土地を取得したかったために、その理由として、民間に勝手な開発をさせないために区が関与することが必要などと言ってきました。
 しかし、区役所と一体の再開発、超高層のビルが建つことになれば、民間の開発とどこが違うのか。にぎわいの心、中野の顔などと言っても、かえって民間事業者が取得した方がましといったことになりねかません。しかも、区は、将来にわたって公共公益的な活用は視野に入れていません。つまり、区が関与するのはそこまでで、区役所の跡地ともども、民間に売り飛ばす可能性が大きいと言えます。これでは、区のサンプラザ取得の目的は、民間開発事業者のために土地を用意してあげるだけかと言わざるを得ません。区民世論は、サンプラザを残して、買うべきではない、と二分していました。区のサンプラザ取得はそのどちらの声にも背を向けるものです。まして、将来に民間開発事業者の手に渡る可能性など、どれだけの区民が承知し、また納得しているのでしょう。問題が大き過ぎます。見解を伺います。
 次に、次世代育成支援・地域行動計画策定に向けた取り組みについて伺います。
 現在計画づくりに向けて、庁内での議論がされていると聞いています。国は、次世代育成支援推進のために、必要な予算の確保に努めるとの附帯決議がありながら、一切行っていません。子育て支援に本気で取り組むつもりがあるのか疑わしいところですが、区としてきちんと取り組むべき重要な課題であることは間違いありません。区は、昨年度、子育て支援アンケートを実施し、その調査結果をまとめたアンケート調査報告書が出されました。今後、調査報告書などをもとに、区民の参加を得ながら、中野での子育て、子育ちをしっかりと支えていく計画となるよう求め、お尋ねします。
 初めに、乳幼児医療費助成について伺います。乳幼児医療費の無料化については、既に国会では全会一致で少子化対策推進決議が採択され、乳幼児医療費無料化の必要性と国の責務を決定しています。政府は、この決議の実行に責任を負わなければなりません。中野区からもあらゆる機会をとらえて国に対し制度化の実現をしっかりと求めるべきです。答弁を求めます。
 区独自の取り組みも大切です。アンケート調査結果では、子育ての悩みの問いに対して、子育ての出費がかさむことが、就学前乳幼児で約49%、小学生では約50%と最も多くなっています。さらに今後の子育て支援策として進めてほしいことに、就学前乳幼児で約83%、小学生で約74%が子育て費用の助成を挙げています。区は、2002年度に、就学前までの子どもに対し、所得制限をなくし、助成の拡大を図ってきました。
 今後は、小学生も対象にした医療費助成の拡大の検討を求めた昨年第4回定例会での我が党議員団の質問に対し、就学前までの乳幼児医療費助成の所得制限を撤廃したので、この周知と定着を図ることが重要と答えられました。既にその期間は十分とられたと思います。全国の自治体では、対象年齢の拡大が図られつつあります。23区でも、既に今年度から港区と北区が対象年齢を拡大し、来年1月から、品川区が始める予定にしています。新宿区においても、議会で検討する旨の答弁がされました。
 2003年の医療制度の改定の中では、乳幼児3歳未満の医療費については、2割負担に引き下げられました。ゼロ歳児から2歳児までの分の区の負担が減ったわけですから、対象年齢を引き上げることも可能ではないでしょうか。策定中の基本構想10か年計画では、子育て負担の軽減として、この事業の推進に触れています。小学校児童への対象年齢の拡大を強く求めます。お答えください。
 次に、乳幼児の入院時の食事療養費負担への助成、いわゆる入院給食の助成について伺います。既に23区では、13区が実施しています。中野区に隣接する練馬、新宿、渋谷、豊島区でも実施され、区民に喜ばれています。
 これまで区は、行わない理由として、食事代については、入院か否かにかかわらず必要なものだから、個人負担が原則だとしてきました。しかし、それは違います。本来的には、入院治療の一環としての食事です。ですから、食事療養費としているのではありませんか。食べたいものを食べられるといった話ではないのです。病気や病状によって、食事に対する指導があります。すべての入院患者さんに対して、とった食事の種類や量などをカルテに記載し、きちんと把握しているのです。そして、子育て負担の軽減を図る上でも必要なことです。実施すべきではありませんか、お答えください。
 次に、保育料の値上げについて伺います。本定例会で保育料の改定を行う予定にしています。その理由の一つに、中野区の保育料は23区中最低のレベルになっていることを挙げています。しかし、今子育ての出費がかさむという保護者の声が多いときに、保育料が最低のレベルなどと嘆く必要はないでしょう。保育料は階層別で金額が定められていますが、それでも少子化に拍車がかかるのではと心配されています。
 二つ目の理由に、保育サービスを提供するには相当額のコストがかかっていることを挙げています。あたかも保育料を上げなければ保育サービスが安定的に行えないかのような理屈です。しかも、一方で、効率化の名で、合意もなく民営化、民間委託を進めているのでは不見識と言わざるを得ません。
 三つ目に、認証保育所など、利用料が認可保育所より高く、同様の保育サービスを提供している保育施設を利用している保護者との利用負担の不公平感の是正を図ることを挙げています。そもそもどうして施設配置も職員体制も違うのに、同様のサービスだと言えるのでしょう。ここに区が言う保育サービスの考えが透けて見えます。
 そこで伺います。一つは、安定した保育サービスを行うことは実施責任のある行政が担っているものです。それを保護者、区民に転嫁するような理由はおかしいと思いますが、いかがですか。しかも、国や東京都の相次ぐ保育にかかる補助金の切り捨てに対しては何も触れられていません。どのように考えているのか、あわせてお聞きします。
 二つ目に、東京都の認証保育所実態調査結果が7月末に公表されましたが、それによると、利用者の半数が保育料が高いことを不満に挙げています。さらに、充実してほしいことについては、保育料の値下げが76.4%と最も多くなっています。区のアンケート調査結果からも、認証保育所を初め認可外保育施設に現在預けている方の今後の意向として、約50%の方が認可保育所に預けたいと回答しています。利用負担の不公平感を言うのであれば、保育料の高い認証保育所の保育料の是正こそ東京都に求め、区としても認可保育園の拡充を図るべきです。事の解決の方向が逆さまだと思いますが、いかがですか、お聞きします。
 次に、野方駅の改善について伺います。
 初めに、北口開設調査について伺います。今年度の予算で北口開設に向けた調査費がつきました。地元では大変歓迎されています。既に設計会社に調査を委託したと伺っていますが、現在の進捗状況についてお聞かせください。
 8月、9月と、野方駅で人身事故が続きました。大変痛ましい事故であったわけですが、原因にかかわらずこうした事故が発生すると、あかずの踏切解消と駅の改善の問題がちまたでは話題となりました。一日も早い設置を望みたいと思いますが、検討状況を地元の住民や団体にはいつごろ、どのように示すのか、お聞きします。
 野方駅のバリアフリー化についてです。先般区議会で、地元の町会や利用者の会が求めていたエレベーター、エスカレーター等のバリアフリー化の陳情が全会一致で採択されました。実現については、北口開設の計画とあわせてというお話でしたが、地元では、北口開設調査費がついたことで、バリアフリーはどうするのかという声がとても大きくなっています。中野区福祉団体連合会の来年度要望でも、これまでの1団体から数団体が文書で要望を挙げています。現在どういった検討状況にあるのかお尋ねします。
 以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

○議長(山崎芳夫) この際、申し上げます。
 議事の都合上、会議時間を延長いたします。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の質問にお答えをいたします。
 三位一体の改革は、地方分権改革の一環として、国庫補助負担金の見直し、また、地方交付税の見直し、そして、国から地方への税源移譲ということを行って、地方自治体の自主性の向上を目指すものであります。これらの影響は、まだ十分明らかではありませんが、区としては、国や都の動向を見据えながら、持続可能な区政運営の実現に向けて改革を推進していかなければならないと考えております。
 国、地方を通じて、歳出超過の財政構造を改善することなく改革を進めることは困難であります。それぞれが安定した財政基盤を確立し、必要なサービスを確保するよう努力していく必要があるというふうに考えております。
 都の制度改正や補助金の見直し等については、都の果たすべき役割という観点から、区とも十分な協議を行うよう強く要望をしていきたい、そのように考えています。
 出勤簿の偽装事件についてであります。このたびの事件について、この場をかりて、区民の皆様に区政運営に関し不安を与えたことについておわびを申し上げるところです。
 処分の適用については、出勤簿の不適正処理の原因、結果、職員の職責、社会的影響など、総合的に判断をしたものであり、適正なものと考えています。
 事件の内容については、6月8日の庁議で報告をし、庁議報告としてその内容を中野区ホームページに掲載をするほか、区議会の総務委員会でも報告をしているとおりであります。また、区民の皆様からいただいた多くの御意見にも、その都度対応させていただいているところでありまして、区長として説明責任を果たしていると考えています。
 それから、秘密とされるべき情報の外部への漏洩に関しての職員の告発の問題についてであります。現実に明白な違法行為が行われたこと、このことによって、区が本来秘密とするべき情報が外部に漏洩をし、区の業務執行に重大な支障が生じ、結果的に区の信頼が損なわれることになった。このことのため、告発を行ったものであります。告発を取り下げる考えはありません。
 自己決定、自己責任といったことについての御質問であります。自己決定、自己責任は、主体性と自立性を重んじる考えであって、補完性の原理は、人間の尊厳を個人の意思の尊重と自立に求めた上で、問題は、当事者にとってより身近なところで、自分の意思により近い形で解決されなければならないとする考え方であります。区民一人ひとりの意思の尊重と自立を進めるためには、公共が必要な支援を確保していくことを前提とするものでありまして、行政の責任を放棄するものではありません。
 それから、施設配置の見直しについてであります。現在の区の施設のすべてを多くの財源と職員を投入して今後も維持し続けることはできない状況にあります。一方で、今の施設は、ライフスタイルの変化、あるいは少子・高齢化の進展などによります区民のニーズの変化に対応し切れていない、そうした状況もあります。施設運営の手法やサービス提供方法など、選択の幅が広がっている現在、真に必要とされるサービスを見きわめ、それを区民に提供していくためにどのような方法がよいかといったことを考えるため、ゼロベースの視点に立った検討を進めているところであります。
 児童館の問題であります。児童館の機能をさまざまな形で分化、発展させていこうという考え方であります。この計画は、各年齢層それぞれのニーズに適切にこたえるため、子どもの居場所を分化、発展させようというものであります。事業内容としては、学校や地域と連携して子どもの問題に積極的に取り組んでいく、そうしたことのほか、乳幼児親子への対応として、さまざまな機能を充実させること、また、中高生対応の施設を整備することなどを考えているところであります。このように児童館機能を新たな形に変化させることによって、地域との連携を一層深めた事業展開が可能となる子ども施設へと発展させていきたい、そう考えています。
 学童クラブを学校の中に設置をするということについてであります。小学校に学童クラブを導入することについては、教育委員会と協議をしながら進めているところでありまして、放課後の過ごし方についても、子どもにとって最も望ましい姿で実現できると考えています。学校内に学童クラブを入れることによって、小学生が放課後も校庭や体育館を使い安心して伸び伸びと過ごすことができる、そう思っています。また、学校内で学童クラブを利用できるため、安全面からのメリットもあると考えています。
 また、児童館の遊び場機能が学校に入ってくることによって、学童クラブの子どもたちとその他の子どもたちとの交流、連携が日常的に行われ、地域の人たちも加わった学校を中心とした地域の健全育成の拠点となっていくというふうに考えているところであります。
 学童クラブを民間に委託をするといったようなことについてという質問がありました。学童クラブの運営についても、区の基本的なスタンスとしては、区の行うサービスのうち、効率性や質の面から、民間で提供できるものについては民間にゆだねる、この方向を原則としたいと考えているところです。学童クラブは、もともと民間団体の自主的な活動から発展してきたという経緯もあって、民間活力の活用には十分なじむ事業であるというふうに考えています。
 仮に制度的にきちんとしたものを担保した上で民間の力を利用するとすれば、例えば保育時間の延長でありますとか、夏休み中の給食の提供など、利用者ニーズを踏まえたより柔軟なサービスも期待できるのではないか、そのように考えているところです。
 それから、区民活動センターに関連する御質問です。(仮称)区民活動センターは、地域の人々が集い、自主的、主体的な活動を行う拠点として位置付けているところです。地域で運営をしながら、地域の人々がさまざまな事業を実施する場として活用されることを期待をしているところです。
 地域センターの窓口については、集約し、効率性を高めていきたい、そう思っています。また、コンビニや郵送サービス、あるいは電子申請といったさまざまなサービスの拡充といったようなことも考えていきたいと思っています。
 福祉関係の窓口業務については、在宅介護支援センターを整備するなど、これまでも対応してきているところですけれども、今後、(仮称)総合公共サービスセンターにおいて、総合的に保健福祉の相談、申請に応じられるよう、地域の中で保健福祉のサービスが総合的に取り組めるよう体制をつくっていきたい、そのように考えているところであります。
 サンプラザについて、中野区のにぎわいと活性化のためには、中野サンプラザは不可欠な立地にあり、その再整備内容については、中野駅周辺全体のまちづくりと整合を図りながら進めるべきと考えております。そうしたことが可能になるように、区が適切に関与していく必要があると考えています。サンプラザの運営の実績を踏まえ、その後の再整備によって、駅周辺全体のまちづくりに寄与するものというふうに期待をしているところです。まちづくりにあっては、適切な都市計画のもと、秩序ある民間の活動が誘導されることも地域の活性化という観点から欠かせないと考えています。
 私からは以上であります。

〔教育長沼口昌弘登壇〕
○教育長(沼口昌弘) 学校再編についてお答え申し上げます。
 この学校は、集団での活動を通じて社会の中で生きる力を身につけていく、そういう場だと思っております。学校で学習や行事などの集団活動が活発に行われて、子ども同士の触れ合いや友人関係が広がっていくことが大切だと思います。このためにも、適正な学校規模を目指し、教員数の確保なども図っていく必要があると思います。
 教育委員会での再編についての論議は非公開で行っておりますが、これは、いろいろな学校名が挙げられて議論されるので、不確定な校名が出ることによる区民への影響を避けるとともに、公正な協議を確保するという観点からの対応でございます。
 今後、教育委員会としての案をお示しすることになると思いますけれども、その場合は、区民に説明し、幅広く意見交換をしてまいりたい、そのように考えております。

〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私から、警察大学校等跡地につきましての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、財務省のメモでございますが、これにつきましては、財務省の認識をあらわすメモでございまして、区が関与したり責任を負えるものではないというふうに考えております。
 財務省との打ち合わせメモのうち、御指摘の内容についてでございますが、まず、都市計画マスタープランとの整合性についてでございます。これにつきましては、特別委員会においても議論されているところでございます。また、区役所の建てかえにつきましても、移転の可能性をまちづくりの考え方においてお示しをしているところでございます。
 それから、8月25日の協議におきます地区計画案、それから、計画容積率の考え方でございますが、これにつきましては、一般論といたしまして、新都市建設公社の方から財務省にお示しをしたという内容でございます。
 他の事項につきましても、区としての決定事項として財務省と協議をしたというものではなくて、例えば一つの選択肢として、実現化が可能かどうか協議をしたものでございます。さまざまな可能性について、その都度それらをすべて公開するということは、協議を進める上でも適切でないというふうに考えてございます。
 なお、必要な検討事項につきましては、区といたしまして整理を行った上で、議会に責任を持って報告をしてきているところでもございますし、今後もきちんと報告をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、防災公園街区整備事業の導入という御提案がございました。中野区が警察大学校等跡地内に土地を取得をして公園を整備するという、この整備することに当たって、事業手法の一つとして、防災公園街区整備事業があるというふうに認識をしております。そこで、現在検討を行っているところでございまして、スケジュールを変更する予定はございません。
 その次に、どのような手法が区にとって有利なのか、シミュレーションで明らかにして、その結果を議会と区民に公開すべきであるというお考えでございますが、事業手法などにつきましては、現在検討を行っている段階でございます。検討結果につきましては、公開をしてまいりたいというふうに考えております。
 最後、野方駅の改善でございます。
 野方駅北口開設とバリアフリー化に関しましては、本年7月に調査委託を発注をしてございます。現在、鋭意その調査を進めているという状況でございまして、地元などへの情報提供につきましては、検討結果を踏まえまして、めどが立った時点できちんとお示しをしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

〔子ども家庭部長柳澤一平登壇〕
○子ども家庭部長(柳澤一平) 次世代育成支援、地域行動計画策定に関係いたしまして何点かお答えを申し上げます。
 まず、乳幼児医療費の無料化について、国に対し制度の実現を求めるべきであるという御主張でございました。国における乳幼児医療費助成制度の創設につきましては、特別区長会を通して要望してきた経緯があるところでございます。
 次です。医療費無料化対象の小学校児童までの拡大を求めるということでございました。医療費助成の対象年齢拡大につきましては、直ちに取り入れる考えはございませんが、今後、子育て支援策全体の中で検討していきたいというふうに考えております。
 3番目に、乳幼児の入院時の食事費用の負担助成でございます。食費は入院、在宅ともに共通する経費でございまして、平均的な家計における食費を勘案した額の負担を求めることは、在宅との費用負担の公平化を図るものでございまして、入院時の食事療養費負担への助成を実施する考えはございません。
 次に、保育料の値上げに関しましての御質問でございました。多様な区民ニーズに対応するため、保育サービスの拡充を図ってきておりまして、そのために相当なコストがかかっているところでございます。保育の実施につきまして、保護者にも適正な負担を求める必要があると考えてございます。
 国等の保育にかかる運営費については、三位一体改革の中で一般財源化されたわけでございまして、これに伴いまして、都の負担金も廃止をされましたが、これにつきましては、都の役割について今後も十分協議していきたいというふうに考えております。
 それから、もう一つでございますが、認証保育所の保育料についての御質問でございました。認証保育所は、大都市の特性に配慮した都独自の基準による保育所でございまして、大都市特有の多様化している保育ニーズに柔軟に対応するものでございます。それぞれの保育サービスに応じた保護者の負担は必要と考えているところでございますが、認可外保育施設の補助制度創設など、保育制度全体の充実について、特別区長会として国に予算要望を行っているところでございます。
 以上でございます。

○議長(山崎芳夫) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。

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【本会議・一般質問】
(2004年9月24日)

中野区議会議員 江田とおる

  1. 2003年度決算について
  2. 新しい基本構想と10か年計画について
    1. 「自由と尊厳」を守ることについて
    2. 「子どもにとって質の高いサービス」について
    3. 環境問題とまちづくりについて
    4. 学校用地等の売却について
  3. 教育問題について
    1. 少人数学級について
    2. 図書館行政の今後のあり方について
    3. 警察と学校の相互連携について
  4. 江古田の森保健福祉施設について
  5. 住民参加を閉ざす教育委員候補者選びについて

○41番(江田とおる) 2004年第3回定例会にあたり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。
 まず、2003年度決算についてお聞きします。
 03年度、平成15年度の一般会計歳出総額は839億5,500万円で、16億9,300万円を基金に積み立てながら、剰余金、実質収支を8億6,100万円出しています。
 行財政5か年計画の初年度、平成13年度は、積立金が29億円余、剰余金が39億円余でありました。翌14年度は、積立金が27億円余で、純剰余金は10億円近い額になっています。この間の区民福祉の切り捨てがいかに大きなものであったかをあらわしている数字だと思います。
 区は、05年度には、基金への積み立ても可能になると、行財政5か年計画で書きましたが、05年度どころか、01年度の初年度から29億円の積み立てを行い、03年度末の基金残高は、103億円余になっております。区民不在、ため込み中心の区政になっていることを、まず指摘しておきたいと思います。
 区長の経営改革指針や、いま策定を進めている基本構想・新しい中野をつくる10か年計画の方向を見れば、基金の積み立てをさらに激しく強行しようとしていることは、明らかであります。
 持続可能な区政とか、将来、施設の建て替えに費用がかかるなどを口実に、区民がいま必要としているサービスを切り捨てるのは間違いです。自治体のあり方を根本からゆがめるもので、とても容認できるものではありません。区長の見解をお聞きします。
 03年度は、田中区長が就任後初めてつくった予算でありました。介護保険料の減免、小中学校の普通教室冷房化、障害児学級の増設など、一定の区民要望が反映させられたものでした。その一方で、中野駅周辺再開発の調査費が計上され、がん検診の有料化、国保料の値上げ、2つの区立保育園の民営化など、見過ごせないものも予算化されました。
 これを是正するため日本共産党議員団は、中野駅周辺まちづくり調査委託、予算1,470万円の削減、がん検診の無料化の継続、行財政5か年計画で削減された原爆被爆者見舞金や障害者福祉手当、難病患者福祉手当の復元などを内容とする予算修正案を提案いたしました。これは、賛成少数で否決されましたが、区長の姿勢をただす大事な提案であったと思っております。
 この中で一番の問題は、中野駅周辺の再開発事業につながる中野駅周辺まちづくり調査の予算でした。この調査を受託した財団法人新都市建設公社は、六本木防衛庁跡地など、都内各地の巨大再開発事業を参考に、開発者負担の方式による計画づくりを進めてきました。これは、区民合意を何よりも大事に進めてきた中野区のまちづくりの手法を無視し、中野区都市計画マスタープランを無視し、01年、中野区、杉並区、東京都の三者がまとめた警察大学校等移転跡地の土地利用転換計画案に至る経過をも全く無視したものです。箱物行政はやらないという区長の公約にも反するものでありました。
 現在、警察大学校等跡地利用をめぐって区民世論は大きく分かれ、区長に対する批判が高まっています。原因は行政の継続性、一貫性を無視して進める強引な区長の区政運営に問題があるのではありませんか。区長の見解をお聞きします。
 国保会計で3億7,000万円余の赤字が出ていることに出納閉鎖直前まで気付かず、区長の専決処分で16年度予算から繰上充用するという異例の事態が生じました。収納率を上げることが求められ、調定額に対する収納額に目を奪われて、肝心の予算額に対する収納額を誰もチェックしていなかったという説明でした。つまり、掲げられた目標に対する達成率、成績だけに目を奪われ、現実の足元を見ていなかったということであります。
 この問題を始め昨年から今年にかけ、普通では考えられないことが次々に起きています。なぜこのような事態が生まれるのか。職員は、トップを信頼し、創意工夫を凝らして、生き生きと仕事をしているのでしょうか。上意下達と朝令暮改、財政効率優先の区政が進められる中で、仕事の喜びや希望をなくしているのではないでしょうか。私は、区長の政治姿勢と区政運営に問題があるのだと思います。お答えください。
 次に、基本構想と10か年計画についてお聞きします。
 中野区の新しい基本構想と10か年計画の策定が進められ、現在、検討素材No4が発表されています。以下、検討素材No4という言葉を省き、それぞれ基本構想、10か年計画と呼ばせていただきます。
 新たに策定しようとする基本構想の冒頭に、中野のまちの基本理念の第1に、すべての人々の自由と尊厳を守り、大切にすると書かれています。中野区は、財政難を口実とする行財政5か年計画によって、非常勤職員の首切りや、障害者や難病患者の福祉手当、原爆被爆者見舞金等の削減、小学校卒業アルバム代と中学校修学旅行の交通費補助の廃止など、膨大な数の事業の縮小、廃止、見直しを行ってきました。5ヵ年の初年度だけで39億円余もの純剰余金と29億円余の積立金をしたことを見ても、区民生活への影響の大きさがわかります。
 障害者の第2種福祉手当、月額7,750円を5,000円に引き下げることに対し、月額2,750円が障害者にとっていかに大事かということを切々と述べ、福祉手当を削らないでと繰り返し訴えられたことを、私は今も思い出します。不自由な体を酷使して作業所等で一生懸命働いても、月1万円そこそこにしかならない障害者の方にとって、2,750円がどれほど大きなものであったか。区は一切考慮することなく、他の手当と一緒にばっさり削減をしました。
 今度の基本構想には、自立自助や共助、あるいは地域自治などの言葉が散りばめられています。要するに、自分のことは自分でやれ、できないことはみんなで助け合えというもので、中野区の責任を限りなく減らしていこうとするものです。これでは人間の尊厳は守られません。問題は極めて具体的です。人間としての尊厳を守るには、自治体が住民の権利を守り、シビルミニマムとしての最低保障を果たすことです。とりわけ、憲法25条の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障する立場に立つことが重要です。区長の見解をお聞きします。
 基本構想では、子どもにとって質の高いサービスが提供されることになっています。ところが、10か年計画では、区立保育園は民営化すると書かれており、実際には原則として全て民営化することになっております。子どもは一人ひとり異なる個性を持っています。それぞれに育つ環境が違い、成長の度合いも異なります。健康状態も日ごとに変わります。保育士はその子どもの姿を見て状態を把握し、的確に対応することが求められます。子どもの未来を見通し、子どもの気持ちを受け入れながら成長を促していくという非常に知的熟練を要する大事な仕事であります。子どもの育ちがおかしいと指摘されるようになって久しくなります。身体的障害や知的障害、ぜんそくやアレルギーなどのほかに家庭環境の影響による発達の遅れなどでコミュニケーションがうまくとれず、奇声を発したりパニックを起こす子どもが増えています。一方、核家族化と少子化の中で、親の育児に関する基本的な知識、能力が低下していることも問題になっています。
 このようなときだからこそ、保育士の力量を高め、名実ともに子どもの最善の権利を守るにふさわしい保育園をつくっていくことが自治体の大事な仕事ではないでしょうか。質の高い保育を実現するには、保育士の雇用関係が安定し、知的熟練を積み重ね、保育者としての専門性を発揮することが大事です。
 区は民間に委託すれば財政負担が安くなるからいいと言います。民間企業が安上がりの保育を行うためには、人件費を削減する以外に方法はありません。最近保育に参入している業者は、人件費を安くするために保育士を1年契約の社員として雇っています。低賃金と厳しい労働のために職員の入れ替わりが激しく、経験の蓄積すらできない状態に置かれています。そのために、業者は詳細な保育マニュアルをつくって、それに従って経験がなくとも保育ができるようにしているのが実態です。マニュアルとは本来機械の取り扱い説明書のことです。マニュアルでは子どもは育てられません。
 区は民営化によって延長保育や休日保育ができると言います。保育のメニューが増えることを口実に、肝心の子育ての質を投げ捨てるのは本末転倒で、基本的な間違いであります。財界の方針で、保育への企業参入が全国で広がっていますが、保育の論理を無視して企業の論理に従い、安上がり保育に突き進むことは、将来に重大な禍根を残すことになります。
 子育てを粗末にしては中野の未来を語ることはできません。区立保育園民営化の方針を撤回し、質の高い保育サービスを実現するための努力をすべきではありませんか。答弁を求めます。
 環境問題と住み続けられるまちづくりについてお聞きします。
 今年の夏は異常に暑い日が続きました。7月20日は特に暑い日で、大手町では観測史上最高の39.5度を記録しました。同日の東京都環境科学研究所のデータによりますと、荒川区、渋谷区、新宿区、墨田区など12区28地点で40度を超え、足立区では42.7度を記録したとのことであります。この異常気象は、東京湾岸に沿って林立する高層オフィスビルやマンションなどの巨大ビル群が海からの風を妨げ、ヒートアイランド現象を悪化させることが元凶だと言われています。
 東大や国立環境研究所などの研究グループによりますと、今世紀末には日中の最高気温が30度以上になる真夏日が3倍になり、降雨量が19%増えると予測をしています。事態を重視して、この現象を緩和し、改善するための調査や研究が国や自治体、民間機関で取り組まれています。
 去る8月24日の午後、杉並区長の呼びかけで、石原国土交通大臣、練馬区長、大田区長、武蔵野市長などが参加した「都市のみどりを守る」緊急フォーラムが杉並区の公園用地で開かれ、600人が参加をいたしました。中野区からも私たちの議員団を含めいろんな人が参加しています。その報告によりますと、それぞれの区長、市長が、緑と公園を守り、増やすためにどんなに努力をしているか、そして、どれほど成果を上げているかを語り、石原大臣は国の美しい国づくり政策大綱や景観三法などに触れながら、ヒートアイランド現象の緩和や防災上の観点からも、緑の保全に国として力を尽くすとの積極的な発言があったとのことであります。
 ここでは、国と自治体による共同研究や区市長村のネットワークづくり、グリーンベルト地帯をつくる構想なども話し合われたとのことで、参加者はこの集会の成果に大きな喜びと期待を語っておりました。
 広い緑の公園があると、そこでは日中で約3度気温が下がることが検証されています。夜間、市街地では道路や建物に蓄熱されているため高熱が続きますが、緑地では緑が水蒸気を出し、余計な熱をためないため、その差は7度から8度にもなるそうであります。いかに緑の効用が大きいかがわかります。
 大都市に住む私たちにとって、自然との共生や今ある緑と広場を保全することが重要な課題になっています。緑地は一たん奪われると取り返しがつきません。それだけに、10年後などと言われず、100年後、200年後を見据えた判断が求められる時代に入っております。
 基本構想では、公園の整備や緑地の保全は、安全で快適な都市基盤整備の中に位置付けられていて、環境問題としての位置付けはされておりません。環境問題は、クリーンエネルギーとごみ問題、屋上や壁面の緑化など、実に寂しい状況にあります。公園の整備と緑地の保全は環境問題の一つの課題として位置付けられるべきではないでしょうか。さらに、警察大学校等跡地の緑については全く触れられておりません。緑地保全の中に明確に位置付けるべきだと思います。見解をお聞きします。
 地域の住環境を良好な状態で守ることが、今重要な課題となってきています。最近の投資型ワンルームマンションなどの増加で、地域の環境悪化が大変心配な状態になっています。最近のマンション建設は、建築基準法ぎりぎりのものが多く、交渉を重ねても設計変更に関わるものは建主が頑として譲ろうとしないケースが多くなっています。どこでも同じような事態が生じており、このまま放置できない問題になっております。
 日本共産党議員団は、こうした状況の変化を踏まえ、昨年と今年の2回にわたって、中高層建築物の紛争予防条例の改善を求める一般質問を行ったところであります。地域の住環境を守るための方策を改めて検討すべきだと思います。そして、その方針を基本構想の中で明らかにすることを求めたいと思います。考えをお聞きします。
 10か年計画を見ますと、学校の統廃合で不要になった校舎のうち、転用計画のないものについては売却することになっています。さらに、地区内の狭小な公園を廃止し、再編するということが基本構想検討素材No4で新たに付け加えられました。緑と広場の保全は、先ほども述べたように極めて重要な課題となっています。公有地は区民の財産であり、地域の環境を守る上からも大事な役割を果たしています。当面不要だからというだけでむやみに売却していいはずはありません。売却すれば、マンション業者や建て売り業者の手に落ちていくことも十分あり得ます。貴重な区有地を大事にし、活用方法を十分検討すべきであります。少なくとも10か年の計画の中にあらかじめ売却を記しておくことは再検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。考えをお聞きします。
 教育問題についてお聞きします。
 日本共産党議員団は、どの子にも行き届いた義務教育が受けられるように、30人以下の少人数学級の実現を求めて全国的な取り組みを進めてきました。教育関係者と父母の取り組みが高まる中で、既に何らかの形で42道府県が少人数学級に取り組み始めました。新たに佐賀県が実施の方向を示しましたので、来年は43道府県となる見通しであります。いじめや不登校など、子どもたちと学校は、これまでにない多くの困難を抱え、小学校入学後も落ち着かない小1プロブレムは、学級崩壊の原因の一つとも言われています。少人数学級に踏み出した自治体では、不登校や保健室登校が減り、落ち着いて授業ができるようになった。子どもたちのコミュニケーション能力や知識・理解が全体として伸びるなどの成果があると報告されています。子どもたちからはもちろん、教員や保護者からも大変喜ばれています。
 文部科学省は、こうした全国の動きを受け、昨年11月の都道府県教育委員会あての事務連絡で、少人数指導のための加配定数を04年度から少人数学級に運用してもよいとの考えを示しました。さらに、今月3日の事務連絡では、05年度から加配定数を少人数学級にも自由に使える定数として配分するとして、さらに踏み込んだ考えを示しております。
 授業ごとにクラスを解体して習熟度別少人数授業を行うのと、生活と授業の場を解体することなく少人数クラスで勉強し合うのとでは、基本的にものの考え方が違います。少人数学級が望ましい教育の姿に近いからこそ全国に広がり、文部科学省もそれを追認する形で認めているのであります。このことは、イギリス、フランス、イタリア、アメリカなど先進諸外国の例を見ても明らかで、日本ほどクラスの人数が多い国はありません。
 さて、残念なことに、東京都教育委員会(都教委)は、今現在も習熟度別少人数授業に固執し、少人数学級には背を向けています。しかし、これは近いうちに都教委自身が乗り越えなければならない課題になってきています。
 中野区は、都教委の方針に従って少人数授業を行っているという理由で、少人数学級には消極的な態度をとってまいりました。しかし、状況は大きく変わっています。中野区でも、少人数学級を視野に入れた考え方に立つべきです。都教委に働きかけるとともに、今後中野区教育委員会が策定する予定の教育行政ビジョンでは、30人以下の少人数学級を視野に入れた計画づくりをすべきであります。教育委員会の考えをお聞きします。
 図書館行政のあり方についてお聞きします。
 中野区の図書館行政は、ここ数年の間に大きく変化をしています。図書資料購入費が劇的に削減されて、一時は23区の中で断トツの最下位になりました。新刊の購入が落ち込み、雑誌を並べる書架ががらがらという惨さんたる状態にもなっておりました。回復の努力がされているとはいえ、その後遺症はまだまだ残っています。今年、23区で初めて地域図書館の館長を除く全面的な業務委託が強行され、中央図書館の窓口業務も委託されました。さらに、今度の10か年計画では、地域図書館を削減すると書いております。特別区教育長会は、図書館長の必置義務を廃止するために図書館法を変えるよう東京都に要望書を出しました。これは、指定管理者制度を図書館に導入しようとするもので、教育委員会内部からこうした動きが出ていることに危機感を覚えます。
 さて、教育委員会は、03年7月当時、地域館は建て替え時期がきたら魅力ある空間としての図書館に建て替えていくとし、その際に現行図書館数の削減を検討することにしておりました。ところが、今度の10か年計画では、地域館の建て替えはいつの間にか消されて、削減することだけが書き込まれております。区民が求めているのは、身近で気軽に利用できる図書館であります。とりわけ高齢の方や子育て中の若い方々にとって、これは最低必要条件です。一方的な地域館削減が行われるとするなら、既に後退している中野区の図書館行政がさらに大きな落ち込みをすることになります。再編計画を撤回するよう求めます。
 図書館の果たすべき役割はますます重要になっています。最近は創業支援、ビジネス支援や急速なIT化による情報格差を是正するための図書館機能の充実など、新たな取り組みが求められています。中野区の場合も地域館に特色を持たせようとしていますが、それらはいわば付加価値的な意味合いで特色を持たせるべきであって、あくまでも地域館としての基本的なレベルアップを図るべきものだと思いますが、どのようにお考えですか、お聞きします。
 子どもの読書活動の推進に関する法律が制定され、全ての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動ができるように環境の整備をすることが求められています。文部科学省告示で、公立図書館の設置や運営に関する望ましい基準が示され、図書館の内容を充実させることが社会的な要請となっています。区民の要望と社会的要請にこたえられるように、中野区の図書館行政の後退を取り戻すことは急務であります。図書資料の内容と図書館活動の充実に力を尽くすべきです。そのために、中野区における図書館行政が今後目指すべき方向と決意を区民に明らかにすべきだと思います。見解をお聞きします。
 次に、警察と学校の相互連携制度についてお聞きします。
 去る7月15日の文教委員会で、児童・生徒の健全育成に関する警察と学校の相互連携制度に関する協定を結びたいとの報告がありました。これは、中野区教育委員会と警視庁との間で結ぶもので、具体的には警察から学校に逮捕事件、ぐ犯事件、その他の事案を連絡し、学校から警察に対して非行等問題行動や学校内外での安全確保に必要な事案を連絡するという内容になっています。逮捕はもちろん、ぐ犯、触法、不良行為等の広範なものがこの中に含まれることになります。これまでも事情によっては警察と学校の連絡が行われてきましたが、今度はこれを協定によって制度化しようとするもので、児童・生徒の人権と将来に関わる重要な問題をはらんでおります。
 子どもたちが過ちを犯すのは当たり前のことです。時には法に触れるような事件を犯すこともあります。しかし、子どもたちは、周囲から支えられ、励まされながら、やがてみずからの力でその課題を乗り越えて社会人として成長していくものではないでしょうか。だからこそ、青少年の人権を守るための特別の配慮が必要なのです。協定を結ぶことによって制度化されれば、時間がたつに従って連絡することが普通のこととなることが予想されます。この協定は結ぶべきではないというのが、私たち日本共産党議員団の基本的な考えであります。どうしても結ばざるを得ない場合、次の諸点に十分配慮して対応するよう求めたいと思います。
 まず第1に、個人情報保護審議会での慎重な審議を経て、人権を守る視点で万全を期すこと。
 2つ目に、対応を学校任せにしないで、中野区教育委員会が連絡や記録に関するガイドラインをつくり、子どもの人権を侵すことのないにように努めること。
 3番目、担当する警察署にも子どもの人権と教育的配慮に関する申し入れを行い、学校と警察の双方が同じ認識に立てるように努力をすること。
 4番目、個別事案ごとの許可制になるのが望ましいことですが、包括的な許可制になる場合には、毎年、適正な運用が行われているかどうか、チェック体制を確立すること。
 以上のことを求めたいと思いますが、答弁をお願いします。
 江古田の森保健福祉施設についてお聞きします。
 6月30日に、田中区長と社会福祉法人・南東北福祉事業団理事長との間で、事業権契約が結ばれました。順調にいけば来年7月に着工となる予定であります。契約が結ばれたことでもありますので、改めてここで区の見解をただしておきたいと思います。
 1つ目は、利用料はどの程度に設定される見通しかということです。土地を無償貸与した上でのPFI事業ですから、社会福祉法人の利用料設定を実質的に下回るものでなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
 2つ目、区民の優先利用を確保する努力をしていただきたいことであります。介護保険等の建前から言えば、優先利用はないのでしょうが、待機者の状況等を見ますと、区民の皆さんに地域の施設に入ってほしいという気持ちは切実です。ぜひこの努力をしていただきたい。
 3つ目は、地域医療に長く貢献してこられた3つの病院との関係を良好なものにし、協力関係をつくり上げることが極めて大事なことになっています。そのための区の努力が求められますが、今後どのように進めていくのか、予定をお聞きします。
 4つ目、地域の住民を始め区民の雇用の場として重視する必要があります。施設利用者の直接処遇に関わる仕事以外にも給食調理、清掃、警備などなど、下請けまで含めれば、数百人の雇用の場になることが考えられます。区民の雇用の場として積極的に事業者に働きかけることを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
 5つ目に、今後、協議組織やモニタリング、運営懇談会などの立ち上げが行われることになります。いずれもサービスの水準維持と、利用者、住民などの意向や要望を反映させるための組織として、極めて大事な役割を果たすものであります。この中で、利用者、住民の意見を反映させる組織として運営懇談会が大きな役割を担うことになります。この運営懇談会の組織形態と実際の役割について、現在考えられていることを明らかにしてください。
 以上、5点についての答弁を求めます。
 最後に、中野区教育委員にふさわしい人材推薦の仕組みについてお聞きします。
 区長が、新たに実施しようとする教育委員にふさわしい人材推薦は、自薦、他薦で人材を登録し、区長の候補者選びの参考にしようとするものであります。
 公開の場で区長に対する意見発表会が行われることになっておりますが、区民は傍聴するだけで、発言したり、質問したりすることはできないことになっています。これでは住民参加の道は、どこにもないではありませんか。
 02年第2回定例会で、私は、就任直後の区長に、「中野区民の自治の営みとしての教育委員準公選をどのように評価するか」とただしました。区長は、「教育自治を発展させる上で意義のあるものであった、今後とも教育に区民の意思が反映するように努めたい」と答弁されております。しかし、今回の人材推薦制度には、教育委員になりたい人が手を挙げ、または、教育委員にふさわしいと思う人を区民が推薦し、後は意見発表会のパフォーマンスがあって、最後に区長お一人の判断で決めるというものです。この制度のどこに区民参加や区民の意思を反映させる道があるのでしょうか、お聞きします。
 八王子市の教育委員候補者の公募の仕組みは、社会教育委員や小中学校PTA連合会長などを含む選考委員会をつくり、その選考委員会が市長に対して内申を行うことになっています。
 多摩市の場合は、規則によって市長が候補者を選出する際の方法を定めています。課題論文や面接の結果に加えて、男女の比率、年齢構成、居住地域の均衡なども考慮することにしています。そして、応募者がいないときのみ、公募以外の方法により選出することができるとなっています。
 中野区の場合は、選考委員会もなければ、選考にあたっての基準もありません。しかも、登録者の中から必ず選任されるものではないとの断りまで書かれております。自薦、他薦で人材を募りながら、気に入った人がいなければ無視してもいいことになっています。これでは、人材推薦という制度をつくりながら、その制度を生かすも殺すも区長の胸三寸ということになります。区民に対しても自薦、他薦で候補者に応募した人に対しても大変失礼な話ではありませんか。仕組みの改善を行うべきです。答弁を求めます。
 以上で私の質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 江田議員の質問にお答えをいたします。
 2003年度決算について剰余金が出た、積み立て重視の区政になってはいないかということですけれども、三位一体改革で、自治体がそれぞれ自治体の権限をきちんと強めていく、自治体がそれぞれに持続可能な運営をしていくようにするというような方向で時代は動いているわけであります。
 三位一体改革で国に対して提言をするに当たって、地方6団体が同意をした内容があります。その中では、日本という国を、護送船団方式の国から自己責任の国に変えていこうと、そうした中で個々の自治体がそれぞれに責任を持って区民の、あるいは市民の立場に立った善政競争をしていこうというようなことを、地方6団体がみずから意思統一をしているという内容であります。そうした中で、持続可能な財政運営というのは、本当に欠かせない前提となっているところであります。
 施設の改修等に備えて基金を積み立てることは誤りだという御発言もありましたけれども、投資をしたり施設建設をする、そうすればその施設財産が年ごとに減価をしていくというのは、当然のことでありまして、それに備えた基金の積み立て、対応をしていくということは、財政運営の中で絶対に欠かせないことであります。
 平成15年度中野区財産に関する調書では、各積立基金と運用基金等を合算した基金合計額は、平成16年3月31日現在で103億300万円余りとなっております。適切なことを行ってきた結果というふうにも思っているところであります。
 景気が長期間にわたり不安定で不透明な状況に置かれ、特別区税や特別区交付金など、一般財源収入が今後とも大きな伸びを期待できない中、将来の財政需要に備え、計画的な財政運営に意を用いることは、区政運営を行う上で当然であります。
 年度により、人件費や公債費が著しく増減した場合は、一般財源がこれに連動して大きく変動することになるわけでありますから、区政運営は、非常に不安定なものとなってしまうわけであります。そうしたことから、将来に向けて安定した区政運営が可能となるよう、施設の維持管理や職員の退職への対応、また、一時的に多額の財源を要する要因等に備えて財政調整基金や減債基金等への計画的な積み立てを開始したものであり、今後とも着実に進めていく責任があると考えているところであります。
 それから、中野駅周辺まちづくりの調査委託に関して、誤っていたのではないかといったようなことであります。
 警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案の提出以降、清掃工場の建設中止など、警察大学校跡地を取り巻く社会環境が大きく変わったわけであります。このことから、東京都、杉並区、財務省とも了承を得た上で見直しを始めたものであります。このため、新たな視点によって、警大を含めて駅周辺全体の将来像を検討すべきという判断から調査は行ったものでありまして、当然ながら、警大跡地の大部分が所在する区として、中野のまちづくりという観点から、まず、中野の考え方を明確にするための検討であり、調査であります。調査にあたっては、この方針についても、東京都、杉並区と連絡調整をとりながら進めているところであります。
 このように15年度の調査は、警察大学校跡地を含めて、中野駅周辺全体のまちづくりのために行った必要な調査であって、予算執行に誤りがあるということは、全く考えておりません。
 それから、国保会計の繰上充用ほかのミスについての御意見がありました。国民健康保険特別会計の繰上充用を区長の専決処分とせざるを得なかった問題については、予算額に対する収納額でとらえるべき数値を、調定額に対する率でとらえてしまったこと、あるいは予算額に対する収入と支出のチェックが組織的に不十分といったようなことで、極めて単純なミスから発生したものであります。
 今後こうした事態が二度と生じないように、関係部門職員によるチェックシステムなどの再発防止策を講じたところであります。
 区政全体にわたって職員の意欲を引き出し、創意工夫を図るということは大変重要なことでありますので、日ごろからそうした区政運営に努めているところであります。
 それから、基本構想と10か年計画について、自由と尊厳を守る、このことを、この憲法25条が言うところの生存権をしっかり保障していくことを書き込むべきではないかということであります。
 基本理念のところで言っている自由と尊厳は、生存権も含み基本的人権の最も基礎にある考え方だというふうに思っているところであります。そうした基本理念は、新しい基本構想全体を貫く理念でありまして、全体を通して具体的に描いていきたいというふうに考えております。
 それから、保育園が委託民営化されていく中で、質の高いサービスについてということでの御質問でありました。民営化園の事業者については、十分な教育を受け、意欲と情熱を持った職員が基準を上回る数で配置され、多様な保育サービス、メニューが行われていると考えています。また、日常の運営では、日々の保育がきめ細かく行われ、職員研修も十分実施されているところであります。
 そうした運営の中で、保護者の意見を区の側としても受けとめながら、適切な保育サービスが提供されるように運営をしているところであります。
 このように、民営化園における保育サービスは、区民の期待に十分こたえたものであり、区としても保育サービスの充実をさらに効率的に高めていくためには、民間活力の活用が必要であると考えております。
 環境問題と中野区のまちづくりについてということです。
 ヒートアイランド現象は、熱吸収効果のある緑の減少に加えて、コンクリート構造物の蓄熱や空調等の人工排熱の増加も原因と考えております。これからのまちづくりにあたっては、率先して環境への負荷を軽減するために、建築物の屋上や壁面緑化の推進、また道路、公園における舗装の研究、そして、公園緑地の適切な手段による充実といったようなことをさまざまに工夫を凝らして取り組んでいくつもりでおります。
 住環境の問題についての御質問もありましたが、ヒートアイランド現象や都市の住環境を改善していくためにも、土地の有効利用によってオープンスペースや緑地を確保していくことが必要というふうに考えているところでありまして、地域の住民の合意を踏まえつつ、そうしたまちづくりを進めていきたいと考えております。
 それから、学校用地等の売却について、安易な売却はするべきではないという御意見でありました。施設の再配置の結果として、区有地を売却することも想定しているところであります。これが一時的な財源不足を補うということではなくて、新たな時代に即した新しい公共サービスの展開のために、計画的に行われなければならないというふうに考えているところであります。
 私からは以上です。

〔教育委員会事務局次長金野晃登壇〕
○教育委員会事務局次長(金野晃) 教育問題についての御質問にお答えいたします。
 まず、少人数学級についてでございますが、学級を児童・生徒の社会性を養うための生活集団として、その教育効果を考えた場合、一定の学級の規模が必要であるというように考えております。児童・生徒の実態に応じたきめ細かな指導、重要なわけでございますが、それについては、単に1学級の児童数、生徒数のみに着目するのではなく、教科の特性に応じた少人数指導、これが重要だというように考えております。教育委員会といたしましては、少人数指導の充実等に努めてまいりたいという考え方でございます。
 次に、図書館行政の今後のあり方についてでございます。
 地域図書館について御質問がございましたが、地域図書館について、ITの急激な進歩発展、それから図書館に対する区民や社会の要望の変化などを踏まえまして、蔵書の充実やITを活用したサービスの実施など、区民に親しまれる図書館にしていきたいというように考えております。そのため、施設の配置や図書館の役割を含め、全体で検討しておりまして、さらに検討を進めて、今後の図書館行政の展望を明らかにしていきたいと考えております。
 次に、警察と学校の相互連携制度についてでございます。
 警察と学校の相互連携については、これまで実態として行われていたものをきちんと明らかにして実施していくようにしようというものでございます。既に中野区の個人情報保護審議会の審議は経ておりまして、現在、教育委員会でガイドラインの作成の検討を行っているところでございます。この仕組み、あくまで児童・生徒の健全育成をねらいとしたものでございますので、協定の相手、連携の相手となる警察とも相互にその趣旨を十分踏まえて進めていきたいというように思っております。
 また、適正な運営が図れるよう、この制度による情報提供につきましては、教育委員会としても、運用状況を把握し、適正な運営に努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。

〔保健福祉部長菅野泰一登壇〕
○保健福祉部長(菅野泰一) 江古田の森保健福祉施設につきまして、幾つかの御質問にお答えいたします。
 まず、特別養護老人ホームの施設利用料、いわゆるホテルコストについてでございます。ホテルコストにつきましては、施設の建設費用等に全体の床面積に占めます個人の居室及び準個人的スペースの割合を乗じまして算出するものであります。これは、補助や介護報酬の設定など、現在の制度体系の中では、これを徴収することが一つの前提となっております。江古田の森の施設につきましては、かなり大規模な施設でございますので、建設単価が低く抑えられるために、最近都内にできました他の類似の施設に比べましても、ホテルコストにつきましては、比較的低い水準となる見込みでございます。今後、補助協議の中で、都の指導等を経まして、11月ごろまでには額を決定する予定でございます。
 続きまして、区民の利用率を高める可能性というんですかね、そういうことについて努力をしてほしいという御質問でございました。
 特別養護老人ホームの入所者の決定にあたりましては、選定事業者は中野区特別養護老人ホーム優先入所等に関する指針に則った上で、区と協議を行い決定することになります。しかしながら、特別養護老人ホームにつきましては、特定地域の住民だけが利用するものではなく、広域的に利用されるべきものであると解釈されておりまして、区民優先を選定事業者に義務付けるということはできないものでございます。御理解いただきたいと思います。
 続きまして、地元3病院との関係であります。
 先般こしみず議員からも質問が出ましたように、地元3病院から要望書が出ておりまして、今後、地元3病院と十分協議をしてほしいというような要望がございました。そこで、先日、区も加わりまして地元3病院と南東北福祉事業団との意見交換会を行いました。その場で、南東北福祉事業団につきましては、3点の要望につきまして十分説明を行いまして一定の御理解を得たところでございまして、今後とも密接な協力関係を築き上げていく旨が確認されたところでございます。
 区といたしましては、今後医師会の対応も含めまして、引き続き両者の良好な関係づくりに努めてまいりたいと思います。
 それから、区民の雇用の場として施設に働きかけてほしいということでございました。選定事業者の提案書によりますと、職員につきましては、中野区及び近隣地域から採用することを原則とするというふうにしております。雇用創出の機会でもございますので、できる限り区民の雇用の場となるよう選定事業者に対しまして、区として働きかけてまいりたいと思います。
 それから、運営懇談会の形態と役割についての御質問でございます。
 運営懇談会は、本施設の利用に関する事項や事業運営に関する事項等について協議し、施設の適正かつ円滑な運営に資するため事業者が設置するものでございます。懇談会の構成員につきましては、地域住民、それから利用者、福祉や医療の関係者等を考えているところでございますが、住民の意見反映の場となるように設置してまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。

〔総務部長石神正義登壇〕
○総務部長(石神正義) 私から、教育委員の候補者選びについてお答えさせていただきます。
 この仕組みにつきましては、法律に基づいて区長が教育委員候補者の選定に際しまして、これまでの仕組み、二度ほど実施しておりますが、この中では参加者の減少であるとか、推薦候補者の減少、こういったことが起きておりました。こういったことを見直しまして、区民の意見をより反映する仕組みとしまして、教育委員にふさわしい人材を幅広く求めるということから、今年度から実施するものでございます。
 この仕組みは、自薦、他薦で応募していただきまして、登録をしてもらうということでございますが、このプロフィールであるとか、応募理由、また考え方、こういったものを事前に公表したり、登録者によってみずからの意見を発表してもらうということを、区民の方が傍聴できるようにするということで、これまでこういったプロセスを区民の方が知ることができなかったため、わかりやすくするということで、候補者の選定に関する情報、また選定までの過程、こういったものを明らかにしていく、区民にわかりやすい仕組みにしたというものでございます。
 以上でございます。

〔江田とおる議員登壇〕
○41番(江田とおる) 2点にわたって再質問をさせていただきます。
 1つは、冒頭の私の質問です。
 区長は、将来施設の建て替えに費用がかかることに積み立てをするのは間違いだというふうに私が言ったという、こういう言い方をしました。私はそういうことは言っていないわけです。これまで5か年計画で既に03年度の末には103億円の基金が積まれているけれども、さらに今後の基本構想や10か年計画でさまざまな施設の廃止が行われようとしているわけですから、このままいけば相当な基金の積み立てになっていくんではないか。そういう意味で、持続可能な区政とか、将来施設の建て替えに費用がかかるということを口実として、今ある区民サービスが切り捨てられるのは間違いだというふうに言っているわけです。ですから、建物を建て替えるために基金を積み立てるというのは間違いだという、こういう短絡的な言い方はしておりません。
 区長の答弁の仕方というのは、時々こういう答弁の仕方をされます。質問とは違う一部分をつまみ出して、区長自身の別の土俵をつくって、そこに議論を持っていくというやり方をよくされますけれども、私の質問の全体を見て答弁をお願いしたいと思います。これが第1点です。
 それからもう1点、保育園の民営化問題です。
 区長は先ほど、民営化した園においても教育も十分も行われ、研修もやられて、質の高い保育がやられているという趣旨の答弁をされたかと思います。それで、実はですね、03年、この決算年度に民営化した保育園の指定管理者というのは、実は、区長も御存じだと思いますが、東京都内でも非常にレベルの高い社会福祉法人でした。ここは私たちも何度か視察に行っておりますけれども、みずからお金を出して施設の改修をするとか、さまざまな努力をしておられまして、本当に、さすがここはうわさだけあって立派な保育をしているというふうに私たちも思いました。
 しかし、04年に委託をしているところから変わってきております。新たに保育に参入してきた企業が入ってきております。それで、中野の場合、今まで2億円だった保育園の運営費をこの民間企業は1億5,000万円で受託をするということになっております。例えば、三鷹市などの場合には、ある企業が落札しましたけれども、ここは三鷹市が運営していたときの半分の費用、半分以下の費用で受託をするという形になっておりまして、これは、どこの自治体でも民営化の際に、企業が参入した場合には、必ずそういう形で受託する費用が3分の2、あるいは半分ぐらいに減らされる。そこで、じゃあ、なぜそれだけ落としても採算が合うのかというと、それは人件費を落とすからであることは、はっきりしているわけですね。新しく中野が指定管理者で委託したところも、恐らく15万、16万ぐらいの費用だと思うんですが、例えば大田区では、落札した企業は12万から13万で保育士を雇っています。1年契約です。ですから、12、3万の給料で保育の仕事をしながら生活をしていくというのは、並大抵のことではない。そのうち続かなくてやめていく。そういうことで、実際に働いている保育士がぐるぐる変わる、これが実態です。現在の04年に中野が委託したところでも、保育士が次々に変わるという状況が生まれてきております。
 先ほどの区長の答弁は、今の実態を余りにも踏まえていない答弁というふうに聞こえましたが、そのことについて改めて、区長はどのように考えておられるか。その2点お聞きいたします。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 再質問にお答えをいたします。
 詳細は覚えておりませんが、将来の施設の建て替え等に備えて基金をため込むのは間違いだというふうに言われたように記憶したものですから、私はそれに基づいて答弁を申し上げました。
 基金をため込まなくて、基金を適切に積み立てなければいけないことを口実としてサービスを切り捨てるのは間違いだと言われたということに基づいて改めて答弁をさせていただきますが、適切なサービスを区民の価値に基づいて提供していく、そのために必要な財政運営、将来を見通した財政運営を行っていく、そのためにも適切な基金の積み立ては必要なわけであります。
 それから、保育園のことでありますが、民営化されることによって人件費が下がる、人件費が下がればすなわち人の労働の質も下がる、あるいはサービスが低下するといったようなお立場、これもそうおっしゃっていないと後で言われるかもわかりませんけれども、私はそのように聞こえました。私はそうは考えておりません。人員も固定して、固定的な雇用制度の中で人員がサービスを提供しているという公共部門に比べて、労働力市場の中で一般的な人件費、そうしたコストのもとで適切な人材を手にすることができる。適切な人材を求めることができる。そうした民間の事業者が行うサービスは、当然適正なサービス水準の保持のための努力のもと運営されることによって、公共部門が行うサービスよりも、一面では柔軟で価値の高いサービスが提供できるというふうに考えているものであります。

〔江田とおる議員登壇〕
○41番(江田とおる) 再々質問になりますが、保育園の問題に絞ってお聞きします。
 区長は、04年度に委託をされた保育園の実態というのは、調査しておられますでしょうか。保育士がどれだけ交代をしたのか、あるいは定着をしているのか、こうしたことを踏まえての御発言だったでしょうか。非常に抽象的な一般論でお答えになりましたけれども、もう少し中野の現実の、今起きている保育の実態に即した答弁をお願いしたいと思います。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 当然、保育サービスの担当が区にはいるわけでありますから、指定管理者になった園の運営についても、常にその状況を確かめているということは当然であります。
 それぞれの場面でそれぞれに評価されること、あるいは評価できないこと、起きることがあろうかと思いますけれども、全体としては大変うまくいっているというふうに理解をしているところです。

○議長(山崎芳夫) 以上で江田とおる議員の質問は終わります。

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【本会議・討論】
2003年度一般会計決算、国保会計決算の認定に対する反対討論(10月13日昆まさ子)

○40番(昆まさ子) ただいま上程されました認定第1号、2003年度中野区一般会計歳入歳出決算について、日本共産党区議団の立場から反対討論を行います。
 03年度は、田中区長が就任後、初めてみずから予算編成をされた年度でありました。区民は、住民の福祉と暮らしを支える予算になるようにと期待も大きかったと思います。そういう中で、小・中学校の普通教室冷房化、知的障害学級、情緒障害学級の増設など、区民の要求が実現されております。しかし、この年度は、これまでの中野区政のあり方を大きく変質させたところに特徴がありました。
 まず、第1点は、区長は中野区経営改革指針によって「顧客主義」や「市場原理と競争原理の活用」などを強調したところです。「民間でできることは民間で」と称して、本来区で行うべき仕事を投げ出し、さまざまな施策、事業を民営化や民間委託の方向を大きく打ち出したものとなりました。
 例えば、保育園でいえば、財政負担が安くなるというだけで、中野区の未来を担う子どもたちの成長や発達を全く視点に置いていません。これでは公的保育の責任を投げ捨てるものと言わざるを得ません。さらに、特別養護老人ホームや高齢福祉センターなどの民営化や民間委託を進めたのもこの年度です。
 第2点は、新たに区民負担を持ち込んだことです。がん検診の有料化を導入しました。区内の中小業者や商店の方々にとって、区のがん検診は病気の早期発見・早期治療になることから無料化の継続を求めていました。区民健診の受診率が毎年伸びているのに、がん検診は有料化によって受診率が下がっていることを見ても、負担が影響していることは明らかです。これでは区民の命と健康を守ることはできません。
 第3点は、このように区民生活に必要なサービスを削減し、また、後退させながら、16億9,300万円の積み立てをしました。さらに、中野駅周辺まちづくりとサンプラザの調査委託など、大規模再開発に大きく乗り出したことです。区民の合意がないもとで進めることは、重大な誤りであることを指摘せざるを得ません。
 この際、中野区国民健康保険特別会計についても一言申し上げます。
 03年度国保会計の3億7,000万円の赤字により、04年度予算から繰り上げ充用するという異例の事態が発生しました。区民の生活実態とかけ離れた区長の成果主義、成績主義がもたらしたゆがみと指摘せざるを得ません。
 区民の最も身近な区政のあり方が強く問われています。住民の福祉の増進を図ることを基本とする自治体本来の役割を果たす区政運営を求め、反対討論といたします。

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【本会議・討論】
「BSE対策で、引き続き全頭検査の維持を求める意見書」への賛成討論(10月22日池田一雄)

○42番(池田一雄) ただいま上程されました議員提出議案第13号、BSE(牛海綿状脳症)対策で、引き続き全頭検査の維持を求める意見書につきまして、日本共産党議員団の立場から賛成討論を行います。
 BSE病、つまり変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は、異常プリオンたんぱく質を含んだ牛肉を食べるとかかる病気です。発症者はすべて同一の遺伝子型であるMM型であって、日本人の93%がこのMM型の遺伝子を保有していることがわかりました。つまり、日本人はBSE病に極めてかかりやすい民族だということです。
 この病気は、2年以上の長い潜伏期間の後、行動異常、運動失調等の神経症状を呈し、発病後2週間から6カ月の経過で死に至るというもので、治療法は現在のところ全くありません。したがって、この対策のためには、第1にBSE発生国からの畜産物等の輸入停止、第2に牛への肉骨粉等の給与を停止すること以外に道はありません。すなわち発生国である米国から牛肉を輸入するのであるならば、全部の牛肉を検査し、BSE牛が見つかれば、それを排除した上でなければ、輸入しないという日本国民の命を守る上で極めて当然の対策が講じられなければならないという結論となります。
 米国政府は、米国が国際獣疫事務局の定めるBSE低リスク国であると勝手に宣言し、したがって不徹底なBSE対策でよいと言っています。しかし、肝心の国際獣疫事務局からは、低リスク国の証明であるBSE暫定正常国としての承認を受けているわけではありませんから、実際には低リスク国ではないのです。そういうもので米国のBSE検査体制は極めてずさんであることが米国の農務省自身によって明らかにされています。
 ことし5月3日にテキサス州でBSE感染の可能性のある牛1頭が見つかりましたが、検査をしないまま処分されたとの報告です。さらに、7月13日には検査対象の4分の3が検査されていなかったことも報告されました。
 BSE感染の可能性を示す中枢神経障害の疑いのある牛が、2001年10月以降の2年半で680頭も存在していたにもかかわらず、その4分の3が検査を受けていなかったと米下院政府改革委員会で農務省から報告されたのです。
 この検査体制の不備は、日米BSE協議における専門家及び担当者会議でも取り上げられました。したがって、日本政府は、対策なしでの輸入の危険性を十分承知しているのです。にもかかわらず、政府は20カ月齢以下の若い牛を検査から除外するというBSE対策見直し案を内閣府の食品安全委員会に諮問したのです。
 米国のBSE対策でその致命的欠陥とも言うべき点は、日本では当たり前にやられている生産履歴追跡システムがないという点です。そのため牛の月齢管理ができていないのです。だから、30カ月齢以上の牛の危険部位の除去といっても、正確にその牛が30カ月齢以上かどうか確定できません。米国政府は、牛の歯の生え方で30カ月齢を判定できるとしていますが、個体差はクリアできません。
 さらに、現在輸入再開の際、全頭検査から20カ月齢の牛を除外するとしていますが、その年齢確認の手だては全くなく、対応できないことになります。
 このような欠陥だらけのBSE対策しかできていない米国からの牛肉輸入は、多くのリスクを伴うことになるのです。だからこそ半年にわたって輸入禁止措置をとってきたのではありませんか。輸入が再開されることになれば、店頭にはアメリカ産の検査抜きの牛肉と、自治体が全頭検査した牛肉が並ぶことになります。店頭では、原産国の表示があるけれども、レストランに行って食べるときはどちらの肉が出てくるかわからないことになります。
 これほど大変なことが引き起こされるのに、なぜ米国は執拗に若い牛の検査抜きの輸入を日本に迫るのでしょうか。その背景には間近に迫った大統領選挙で、輸出再開をブッシュ大統領に迫る米国畜産農家や、食肉業界の圧力があると指摘されています。小泉内閣は、アメリカの無理強いに唯々諾々と従おうとしているのです。
 日本の畜産農家は、消費者とともに小泉内閣の全頭検査体制緩和の方針に対し、批判の声を上げています。そのもとで全頭検査の継続を表明した県は10月18日現在、岩手県を初め、福島、長野、三重、兵庫など、畜産の盛んな県13県に及び、今後ますますふえると言われています。
 全頭検査を堅持し、同等の検査を日本向けの牛肉輸出国に求めることは、国民の命を守る上で絶対に譲れない一線であるがゆえに意見書に賛成するものであります。

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【本会議・討論】
「生活保護の国庫補助率を引き下げないことを求める意見書」への賛成討論(10月22日岩永しほ子)

○31番(岩永しほ子) ただいま上程されました議員提出議案第14号、生活保護の国庫補助率を引き下げないことを求める意見書に、日本共産党議員団の立場から賛成する討論を行います。
 今、区民は小泉構造改革が強行されている中で、どうすれば暮らしていけるのかという厳しさに直面させられています。そのことは15年度決算でも明らかなように、区民一人当たりの所得は落ち込み、一方では負担がふえています。失業者の増加と長引く失業期間など、働く人たちへの痛み、児童扶養手当の改悪による母子家庭への痛み、介護保険料の引き下げと年金の減額による高齢者への痛み、次々と襲いかかる社会保障改悪が、区民の生活を破壊しています。区内でも生活苦を理由にした自殺が多くなっているという痛ましさです。
 こうした中で、生活保護の相談や申請が増加しています。かつては中小企業の社長や自営業者など、今まで余りいなかった階層からの申請がふえ、生存権の受け皿である生活保護は、今は一部の人たちが受けるというだけの制度ではなくなっていると指摘されています。ところが、政府与党が合意した三位一体の改革において、生活保護の老齢加算や、母子加算の廃止、国庫負担割合の引き下げなど、制度の見直しと改悪が進められようとしています。
 生活保護の国庫負担金の負担割合は、法の制定時は国80%、自治体20%でしたが、現在は国が4分の3、自治体が4分の1に変更されています。政府は、この割合を国が3分の2、自治体が3分の1にすると提案しています。それに対し、ナショナル・ミニマムの実現は国の責任であり、これ以上の自治体負担は困難と、全国から反対が表明されています。
 9月の都議会では、国の責任で国民生活の基盤を支える基礎的な行政サービスであり、負担率引き下げは国の責任放棄であり、三位一体改革に名をかりた地方への一方的な負担転嫁に過ぎない。財政運営に大きな影響を及ぼすことになり、断じて容認できないとの意見書を全会一致で上げています。
 このように、国の負担割合が3分の2に引き下げられれば、中野区の影響は8億3,000万円余にもなります。区の財政運営上でも、区民の生活を守る上でも認めることができません。国に対し、負担割合の引き下げを行わないように求めることは、中野区議会としての責任を果たす立場ではないでしょうか。中野区議会の良識に訴え、賛成討論を終わります。

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【本会議・討論】
「東京都として少人数学級の実施を求める意見書」への賛成討論(10月22日来住和行)

○30番(来住和行) ただいま上程されました議員提出議案第16号、東京都として「少人数学級」の実施を求める意見書に対し、日本共産党議員団の立場から賛成の討論を行います。
 1学級の定員を国基準の40人より少なくする少人数学級は、既に42道府県が何らかの形で実施に踏み出しました。残る5都県のうち佐賀県が実施の方向を表明するなど、少人数学級実施は大きな流れとなっています。
 少人数学級に踏み出した自治体では、不登校や保健室登校が減り、落ち着いて学習ができ、子どもたちのコミュニケーション能力や、知識、理解、技能が全体として伸びるなど、教員、保護者、子どもたちから歓迎されています。
 少人数学級は、学習集団としてはもちろん、生活集団としても大きな成果を上げています。今日いじめや不登校など、子どもたちと学校はこれまでになかった困難を抱えています。小学校入学後も学級が落ち着かない、小1プロブレムは学級崩壊の原因の一つと言われています。とりわけ小学校低学年の問題や、困難の解決のためにも少人数学級は最低限の土台であり、待ったなしの課題となっています。
 中野区内のことし5月1日現在で1クラスが30人以上の学校が小学校1年生で9学校、2年生で14学校、3年生で11学校、同じく中学校の1年生で8学校となっています。東京都公立小学校校長会も2004年7月に都教委に対し、小学校一、二年生の学級定数を30人程度にすることを重点要望事項として要望いたしました。
 東京では30人学級を求めて、毎年100万人を超す署名が都議会に寄せられ、市長会や教育長会も少人数学級を繰り返し求めております。
 少人数学級は、もはや全国の共通認識であり、世界の流れです。21世紀を担う子どもに最善の教育的条件を整えていくことにこそ、政治の責任と役割があることを強く指摘し、賛成討論といたします。

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【本会議・討論】
「教育基本法の改正に関する意見書」への反対討論(10月22日長沢和彦)

○19番(長沢和彦) ただいま上程されました議員提出議案第17号、教育基本法の改正に関する意見書について、日本共産党議員団の立場から反対の討論を行います。
 教育基本法をめぐっては、来年の通常国会に改正案の提出かという緊迫した局面に入っています。提案しようとしている改正の中身を、その大筋を書き込んだ自民・公明与党の中間報告を見てみると、その核心は教育基本法が確立しようとした教育における民主主義的理念そのものの変質にあることがわかります。
 第1に、教育行政は教育を支配してはならないという制約を取り払い、教育行政が教育の上に君臨できるようにすることです。教育基本法では、教育行政について、第10条で規定しています。第1項の不当な支配は、教育と教育行政とを分離し、教育行政の教育内容、教育方法への介入や、支配を禁じる点に眼目がありました。それは戦前の教育制度及び教育行政によって、教育の自主性が尊重されず、また学問の自由が不当に拘束されるという痛切な反省があったからです。
 その上で、第2項で教育行政の目標を諸条件の整備確立に限定したのです。中間報告は第1項の「教育は」を、「教育行政は」にするといいます。これでは教職員や保護者、市民団体からの教育行政への批判を、教育行政への不当な支配と決めつけ、封ずる条文になってしまいます。教育行政への制約を、国民への制約にすりかえる詐欺的な改正と言わなければなりません。
 さらに、中間報告は、国家による教育支配を行うための手段として、教育振興基本計画を法律に盛り込もうとしています。振興基本計画と聞くと、条件整備の計画であるかのように見えますが、中身は似て非なるものです。文部科学省の政策を教育基本法上の裏付けのある政府全体で決定するものに格上げし、その力で全国の自治体と学校を従わせようというものです。これは教育の条件整備の計画ではなく、政府が教育の内容や方法、あり方を上から示して実行させるという国家による教育支配そのものです。
 既に、文部科学省による教育改革のもとで、学校現場では子ども不在の改革に振り回されて、落ちついて教育できないという悲鳴が上がっています。これからの教育に必要なことは、この間失敗を続けた上からの教育改革を反省し、国民に直接責任を負う子ども、保護者、教職員、住民らが参加してつくる教育改革の方向へかじを切りかえることです。教育振興基本計画を基本法に入れることは間違ったやり方をさらに強めようというものです。
 第2に、愛国心などを教育の目標に入れることです。中間報告は、現行法の第1条の人格の完成を残す一方、教育の目標という条項を新たに立てて、そこに愛国心、公共心などを入れるとしました。愛国心については、字句上、「国を愛する心」にするか、「国を大切にする心」にするかは未定ですが、どちらに決まったところで、ねらいは変わりません。小泉首相は、だれでも国を愛する心というのは当然持っていると言いますが、これは何の説明にもなっていません。問われているのは、愛国心など、心やモラルのありようは、国民一人ひとりの見識や社会の自主性にゆだねられるべきではないかという点であり、それを法律に書き込んで、国家が方向づけをしたり、強制することは民主主義のもとで許されません。愛国心、公共心などの徳目を法律に掲げることは、国家が国民の心の領域に足を踏み入れ、国家が心や徳目を国民、子どもに対して指示することを認めることです。
 これを徹底して行ったのが戦前でした。教育勅語に徳目を並べ、お国のために血を流せというゆがんだ愛国心を国民に植えつけ、侵略戦争に駆り立てました。これを二度と起こさないように、教育基本法は国家が心、徳目を国民に示すという形を拒否し、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求するなど、国民の価値観にかかわる内容も憲法の精神から直接導かれ、教育勅語体制を新しい教育に転換する上で、最低限必要なものに抑制しました。心の問題を法の立入禁止区域としたわけです。これを破って国家が足を踏み入れればどうなるでしょうか。国家には心が見えませんから、国家は一人ひとりを目に見える行動で縛ることになります。
 これまでもこの立場で君が代・日の丸が教育現場に押しつけられてきました。さらに、この春、東京都ではこれまで以上の強制に乗り出しました。都教育委員会の幹部職員は、生徒や教職員が口を開けて歌っているかどうかを一人ひとりチェックして回り、教員の処分まで行いました。基本法に心を書き込むことは、こうしたことを法の名によって推進することになりかねません。
 第3に、前文を書きかえて、憲法との関係、そのものを断ち切ることです。基本法の前文では、簡潔に憲法の精神にのっとり、基本法があることが述べられています。中間報告は、この「憲法の精神にのっとり」をなくすことを検討するとしています。憲法にのっとった教育基本法制定を、かつてあった話として封じ込め、社会が変化したんだから、新しい教育基本法が必要になったという形で、憲法との関係を断ち切ろうというのがその内容です。
 また、改正論には、財界からの動きもあります。例えば財界団体の総本山である日本経団連の主張の大筋は、禁止性を重視してきたこれまでの教育のあり方を根本から見直す必要があり、そのために教育基本法の見直しを進めるべきであるというものです。
 しかし、これまでの教育は禁止性を重視といっても、その実態は競争中心の教育にほかなりません。その日本経団連が今日受験教育の結果、知的世界が狭い人間ばかりだと嘆きます。しかし、受験教育は禁止性を求めて、財界主導でつくり上げてきたものですから、本当に身勝手な言い分です。問題はこのゆがんだ考察から出てくる結論です。
 財界は教育にトップ層の強化に向けた取り組みを求め、その障害に教育基本法があると見ています。財界の狭い視野からは、すべての子どもの人間的成長をめざす基本法の理念が、できる子の能力を伸ばすことへの障害と見えるのでしょう。現行の学習指導要領を取りまとめた人物は、そのねらいについて、これからはできない子どもに使っていた労力をできる子どもに使うと述べていますが、財界はそういう要求を基本法改正に託そうとしているのです。
 中間報告には、「一人ひとりの能力の伸長、能力に応じた教育を受ける機会」などの文言がありますが、これらがこうした方向に使われるとしたら、大きな問題です。
 このように国家、教育行政が大手を振って教育を支配し、愛国心など、国民、子どもの心の領域に国家が踏み込み、憲法との関係を断ち切る与党の教育基本法改正案は、まさに民主主義から国家主義への教育理念の大改悪と言わなければなりません。政府筋は、新しい時代にふさわしい教育基本法と言ってきましたが、実際の姿は戦前の教育原理を再現するかのような古い国家主義に過ぎないということです。
 ここで、世論調査にあらわれている基本法論議に期待するものとして多かった公共心、倫理観についても触れておきます。大人の中でもすぐかっとする人がふえ、子どもの深刻な事件が相次ぐ中、人の痛みがわかる子どもになってほしい、優しい子どもに育ってほしいという思いは、多くの国民の気持ちです。この国民の気持ちにつけ入る形で改正を主張する人たちがいることは見過ごせません。
 佐世保の小学校の事件が起きたとき、安倍晋三前自民党幹事長は、佐世保市でこの国、この郷土のすばらしさを教えていくことが大切だと演説し、教育基本法改正を主張しました。また、平沼元経済産業相は、教育基本法では個人の尊厳が強調されている。個人の尊厳が行き過ぎて教室破壊が起こり、生徒同士が殺し合いをする荒廃した状況になってきていると述べました。
 しかし、これほど子どもの現実にかみ合わない話はありません。上から愛国心や郷土のすばらしさを説いて、今の子どもたちがモラルをはぐくむでしょうか。現実に進んでいることは、子どもたちが周りから愛され、自分の悩みが受けとめてもらえる経験が大変乏しくなっていることです。個人の勝手やエゴは見せつけられても、個人の尊厳はだれからも認められない。そんな中で、他人への思いやりははぐくめるでしょうか。自分が人間として大切にされていることが実感されてこそ、人は他人への思いやりを持つことができます。今、子どもたちに必要なのは、周りから愛されること、基本法でいえば、個人の尊厳を与えられることです。個人の尊厳は、一部の人たちが言うように、個人の勝手をはびこらせるものではありません。逆にそれを厳しく戒める立場です。個人の尊厳は、みずからと同時にすべての他者に認められるものだからです。
 社会のモラルが揺らぎ、子どもに深刻な影響を与えているときだけに、私たち大人がどのようにしてモラルを形成するかが鋭く問われています。ここには大きく言って個人の尊厳から出発して、民衆が主体的にモラルを形成するのか、国家的な権威に頼って上から形成するのか、モラルをめぐる二つの道があるんだと思います。この点で中間報告が規律を守り、真摯に学習する態度を含め、さまざまな徳目を子どもに求め、その態度の涵養を強調していることは見過ごせない問題です。モラルの面でも改正論は極めて有害なものと言わなければなりません。
 昨今、子どもの教育についていえば、保護者や教職員を初めとする多くの国民は、尽きない泉のような要求や、不満を持っています。このことは、基本法を変えたら解決できる話ではありません。子どもたちは今さまざまな生きづらさ、悩みを抱えながら生きています。そのとき、政府が個人の心の領域にまで踏み込んだり、子どもや保護者や教職員の意見を不当な支配と排除して、教育行政が教育に君臨するための法律が果たして必要でしょうか。子どもの人間的成長を何よりも大切にする学校、子どもや保護者の声に耳を傾ける学校、教育行政は少人数学級など、教育条件の整備に当たる。欧米には例のない高額な教育負担の解消、子どもと接する時間がとれないのに、過労死するほど多忙な教員の過重勤務の解消、こうした願いを実現することこそ、国民が望んでいるものです。
 これらは教育基本法に基づき、それを生かしてこそ実現できるものです。したがって、本議案に反対し、討論とします。

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【本会議・討論】
「日の丸・君が代の押しつけに反対する陳情」への賛成討論(10月22日小堤 勇)

○9番(小堤 勇) ただいま上程されました第29号陳情、「日の丸・君が代」の押し付けに反対することについてに対し、日本共産党議員団の立場から、賛成討論を行います。
 東京都教育委員会は、昨年10月、入学式や卒業式など、学校行事での日の丸・君が代に関する実施指針を決めました。これにより、児童・生徒を中心とした創意ある入学式、卒業式が、日の丸・君が代の強制の中で、重苦しいものになってきました。都教委は、教職員職務命令で、君が代を起立して歌わせ、不起立の場合、これに反したとして減給、戒告を含め250人以上に及ぶ教師を処分しました。多くの子どもが君が代を歌わない場合も、教師の指導に問題があるとして、67人を厳重注意処分にしています。
 さらに、都教委はこの8月には指導に基づいて処分した教員に対し、みずからの思想、信条に反して反省を迫る再発防止研修を強行しました。この研修は、教員の内心の自由を侵し、より厳しい処分を振りかざして、自己の考え方を変えさせることを意図するものであり、断じて許されないものです。7月23日の東京地裁決定は、研修を繰り返すならば、違憲、違法の問題を生じる可能性があるとしています。
 また、都教委は、49校の都立高校の卒業式、入学式での君が代斉唱時に保護者の起立状況まで調査していたことが、保護者からの情報公開請求で明らかにされました。日の丸・君が代を強制し、児童・生徒が立って歌わないと、先生の指導が問われ、当局の方針に従わないとして処分されます。こうなれば児童・生徒は立たざるを得なくなります。心を痛める児童・生徒をこれ以上つくってはなりません。
 日の丸・君が代については、平和や民主主義、国民主権と基本的人権などに対する理解と認識、世界と日本の歴史をどのように見、そこからの教訓を将来どのように生かすかによって立場が異なります。日の丸・君が代の押しつけを、強権をもって強引な手段で押し進めることは、時代錯誤と言わなければなりません。このことをもって本陳情の賛成討論といたします。

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