区議団の活動

2003年第1回定例会

(2003年2月19日〜3月14日)


【本会議・質問】池田一雄来住和行
【本会議・討論】長沢和彦牛崎のり子来住和行小沢哲雄
【予算特別委員会・総括質疑】岩永しほ子


【本会議・代表質問】
(2003年2月20日)

中野区議会議員 池田一雄

  1. 区長の施政方針について
  2. 2003年度予算案について
  3. 中野区経営改革指針について
  4. 中野サンプラザについて
  5. 障害児学級及び養護学校の児童生徒の放課後対策について
  6. その他

○議長(斉藤金造) 池田一雄議員。

○43番(池田一雄) 2003年第1回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表し一般質問を行います。
 最初に、施政方針説明についてお尋ねします。
 施政方針の内容は、予算や経営改革指針とも密接なつながりをもって展開をされておりますので、それぞれ最も関係深い項で施政方針の中身についても触れるようにしたいと思います。したがって、ここでは平和の問題についてお尋ねをいたします。
 区長は、イラクとの戦争について触れ、「我が国は憲法によって国際紛争の解決手段として武力を用いることをみずからに禁じ、戦争を放棄しています。中野区はその理念に基づいて憲法擁護非核都市の宣言を行って、広く世界に平和と連帯を呼びかけています」と述べています。
 国連安保理事会では、イラクに対する査察を継続することを主張し、アメリカのイラクへの戦争を起こすことに反対をする意見が圧倒的です。にもかかわらず、アメリカはイラクに対し単独でも戦争をしかけるとの態度を崩していません。この14日、15日には、世界的規模で戦争反対のデモ、集会が行われ、世界の平和を愛する人々の意思が示されました。ロンドン200万人、マドリード200万人、バルセロナ150万人、ローマ300万人、ニューヨーク50万人、ベルリン50万人など驚異的な大集会となっています。
 このような情勢のもとで小泉首相は、状況を見て日本として判断すると言いながら、米国の戦争計画を後押しする立場から、安保理諸国に働きかけをしています。それだけにとどまらず、19日には政府代表が国連安保理事会の会合で査察の継続の有効性に疑問が生じているとして、新たな断固たる安保理決議が必要だとアメリカの代弁者の役割を果たすまでに至っています。
 区長は、憲法擁護・非核都市宣言条例を持つ自治体の首長として、各国の外交努力と人類の英知に望みを託すだけでなく、小泉首相がアメリカにしたがってイラク攻撃を支援するかのような行動をやめるよう政府に申し入れるべきです。お答えください。
 平和の問題について関連し、平和資料館についても一言触れます。
 ゼロかありかで資料館計画を廃止してしまうのは、結局、今後の論議をやりにくくするものとなります。従来計画について、どの規模ならやれる見込みがあるのか、検討が行われるべきです。資料館の政策的位置付けは、憲法擁護・非核自治体の宣言をした中野区としては特別の重みを持っているのであります。
 さて、田中区長が初めて編成した2003年度予算案についてお伺いをしていきます。
 まず一般会計についてお尋ねします。
 区の施策に何を望むかの問いに対し、区の世論調査においていつもトップを占めるのは高齢者福祉施策の充実です。今後も高齢者人口がふえ続けていくことを考えると、極めて重要な施策であります。したがって、この分野での区民要求にいかにこたえていくかということは政策の要となります。江古田の森保健福祉施設建設用地の買い取り予算が計上され、4年後の開設に向けて、いよいよ建設への動きが始まりました。長年の区民の願いが現実のものとなってきました。我が党は、国立中野療養所の移転問題が出た当初から、地域の皆さんや医療、福祉関係者の皆さんとともに保健福祉施設建設のために運動を進めてきました。住民の皆さんは、シンポジウムを開いたり、区議会にも陳情などでの働きかけを積極的に行って問題提起をしてきました。困難な財政状況のもとでの非常に大きな施設でありますから、現状ではPFI方式という手法をとらざるを得ません。実際、今まで全国各地で実施されてきたPFI事業には、いろいろと問題を指摘されているものがあります。ただ、江古田の森保健福祉施設の場合は、それが全国初めてのPFIによる保健福祉施設建設であり、事業体の主体が社会福祉法人という他とは異なった点があり、これから起きる可能性のある諸問題について十分に留意し、慎重に進めていけば、区民の期待に立派にこたえられるものとなると思います。
 考えられる諸問題については、昨年の第3回定例会で同僚の議員から提起をしておりますが、ここでは特に住民の意向を建設とその後の運営にどう生かしていくかの問題について再度触れておきます。
 この問題については、政府のPFIに関する諸文書でも十分に触れられていません。それだけに理事者の皆さんの決意と工夫が必要とされる分野であります。事業契約を取り交わす際には、具体的な住民参加の仕組みが提起され、契約条項に盛り込まれるよう努力をしていただきたいと思いますが、現在までの検討状況と今後の取り組みについてお答えください。
 昨年の第4回定例会では、牛崎議員が熊本市の介護保険について紹介し、自立支援事業の充実ぶりについて触れました。その柱になっていたのが、市内37か所に、まさに張りめぐらされているかのような在宅介護支援センターの存在でした。今回、このセンターを2か所ふやし9か所とすることは、よりきめ細かな介護保険事業を進める上で前進です。しかし、面積が15.7平方キロという狭い中野区であってもまだまだ不足です。さらなる見直しが今後求められると思いますが、見解をお聞かせください。
 小・中学校の教育環境を改善させる点で来年度予算では大きな進展であります。区長、教育委員会関係理事者、職員の努力を多としたいと思います。
 まず小・中学校普通教室の冷房化です。この課題については、当議員団は一昨年から本会議で取り上げ、提起してきました。急速なヒートアイランド現象の進行によって耐えがたい教室の温度上昇に対し、教職員、PTA連合会の皆さん、そして何よりも子どもたちから冷房化の声が巻き起こりました。国会では、井上美代参議院議員の提起により、国も冷房化のための補助金をつけることが決まりました。これらのことが契機となって、昨年の議会では各会派からも冷房化の声が上がっていたところであります。
 昨年の第4回定例会では、当議員団は400を超える教室への冷房機設置については、区内中小業者への仕事確保の視点から発注についての工夫を求めました。そのときに紹介しました品川区の契約状況が発表されています。それによれば、対象522教室への空調設備投資をレンタル方式契約とし、四つのブロックに分けた分割発注で、区内業者を入れたジョイントベンチャー方式としています。昨日の委員会質疑では、一括で機器レンタル、設置工事、メンテナンス契約の方向で検討しているようですが、設置やメンテなどについては、ぜひ工夫して区内中小業者の仕事確保につながるよう努力を望みたいと思います。これから一斉に行われていくであろう23区の学校冷房化では、区内業者重視の傾向は強まっていくであろうと思います。お答えください。
 学校校舎の耐震補強について、子どもたちの安全確保と非常の際の避難場所として使える建物として早急な補強工事が求められていたものです。これで一応阪神・淡路大震災クラスでも建物が崩壊する危険性はなくなったわけです。しかし、より安全性を求めるならば、教育委員会の報告でも指摘をされているように、さらに必要な補強工事が求められるわけですが、これについてはどう進めるつもりですか、お答えください。
 修理の必要な校舎の問題についても、当議員団はたびたび指摘をしてまいりました。また、PTA連合会からも厳しい要求が出されていたところであり、このたびの予算で延べ23校、計7億円余の維持補修費が計上されたことを評価します。学校・幼稚園施設整備検討委員会報告でも挙げられているトイレ補修などの課題についても、今後速やかに検討されるべきだと思いますが、お答えください。
 知的障害学級の増設は、保護者の皆さんから焦眉の課題として要望され続けてこられた問題です。大和学級が都教育委員会の基準から見てもはるかに大きな規模となってしまい、子どもたちへの指導が十分に行き届かなくなる問題も起きかねない状況でありましただけに、登校時間に長い時間がかかる問題も同時に解消させることのできる区内北西部への増設は、保護者の皆さんの期待にこたえるものとなりました。ただ、教育委員会が2003年度当初からの開設を目指して十分な準備をしていれば、それが可能な状況も開けていただけに残念です。これを教訓とし、今後の障害者教育の課題に臨んでいただきたいと思います。
 現在、残された課題としては、より障害の状況に応じたきめ細かい指導を進めていくために、教員配置や教育環境の上で有利な1校2学級体制をさらに進めるべきだと思いますが、そのための手だてをどうとっていかれるのか、お答えください。
 情緒障害児の増加もつとに指摘をされている状況から、情緒障害児学級の増設は保護者の皆さんから歓迎されるものであります。
 また、心の教室相談員を小学校にも配置することは、不登校対策問題で一定の前進だと考えます。
 さらに、社会教育の分野では、図書館運営での改善が行われました。図書館蔵書購入費は毎年削減され続け、ついには10年間で7割も減らされてきた現状を当議員団は明らかにし、増額を要求してきましたが、2003年度は前年度比1,200万円の増と計上されました。図書館利用者や図書館職員からも増額が強く要望されていたことですので、この措置は喜ばれることでしょう。
 区民の行政満足度調査の中でも高位にランクされているのは図書館行政です。とりわけ蔵書の充実はその中心問題です。中央図書館などは、日曜日などいっぱいの人で埋まっています。比較的低い予算規模で効果の高い事業が展開できるのが図書館行政の特徴です。1,200万円ふえたといっても、1人当たり図書購入費では23区最低であることは変わりがないようですから、利用者の期待にこたえられる蔵書体制と図書館運営についての考え方をお答えください。
 アメリカでは、マンモグラフィーでの検査実績が上がって乳がんでの死亡率が減っていると聞きます。日本における乳がん患者の年齢分布は、45歳をピークとして山型に広がっています。したがって、今回のマンモグラフィー検査の対象年齢を50歳から46歳に引き下げたことは、極めて高い効果を発揮するものと思われます。また、35歳の分布率が50歳と同じことを見ると、今後さらに引き下げ、35歳からの検査を受ける体制をぜひつくってほしいと思います。そのためには機器の増設を含めた体制整備が必要と思われますが、いかがでしょうか、お答えください。
 さて、このように区民の願いに沿った予算計上が見られる一方、2003年度予算では看過できない事業予算が計上されています。
 まず中野駅周辺のまちづくり問題が挙げられます。
 区長は、施政方針説明の中で、基本構想の改定とまちづくりの課題及び15年度予算の説明の中と二度にわたって触れるなど、とりわけ重視されているようです。これには中野サンプラザ購入問題も含まれますが、これについては別に触れることにします。
 中野駅周辺まちづくりの問題は、この10年をとってみても実に今回が3回目の登場です。つくっては壊し、つくっては壊しで、この計画づくりだけで大変な税金の浪費をしています。まず1988年から3か年かけてつくった長期計画では、中野駅周辺整備計画に10年間で1,300億円の事業費を見込みました。そして先行的事業として北口広場整備を実施することになり、この関連の計画づくりに1億3,000万円を使いましたが、いつの間にかこの計画は中止され、そのことについての総括さえきちんと行われないまま税金のむだ遣いだけが残りました。そんな経過をたどってきたにもかかわらず、1,500万円もの予算をつけて再び中野駅周辺再開発を浮上させようとすることは、またもや税金のむだ遣いとなるのではないでしょうか。
 住民基本台帳ネットワークを切断した決断を我が党は大いに評価したところであります。ところが、2003年度予算では、「今後、安全が確認できるようになった場合、住基ネットへ再接続ができるようシステム改修などの関連予算を予算計上しています」と施政方針でも区長は述べています。区長は切断した理由を3点挙げております。第1は個人情報保護に関する法制が未整備であること、第2が個人情報の取り扱い上のセキュリティーに不安が残ること、第3に個人情報保護に関する基本法が成立していない状況のもとで行うべき個人情報の保護への配慮に欠ける点があることです。しかし、今回7,700万円の予算で住基ネット再接続の準備を進めるのは、区長として再接続に値する状況が開けたとの確証を得られているのですか。どんな確証を得られたのか、お聞きします。
 また、区長は、住民に対しても、稼働の前提は個人情報保護法に限らず個人情報保護システムが確立することであり、地方自治情報センターから提供される機関、組織での安全性が確保され、そこに区として関与できなければ、住基ネットを再開することはないと明言し、本会議でも意気高く同様な答弁をされていました。ところが、個人情報保護に関する環境が特に変わったとも思えないのに接続の準備をするとは一体どういうことでしょうか。杉並区、国分寺市、国立市など、現在ネットとの接続を切っている自治体では関連予算を計上していないと聞きます。当然の措置であります。田中区長の今回の行為は、住基ネットを批判する区民からは背信行為と厳しく批判されています。お答えください。
 一般会計、歳入に関してお聞きします。
 2003年度一般会計総額は888億5,100万円と11年ぶりに前年をわずかに上回ったものとなりましたが、区長が施政方針で述べられているように、経済情勢が好転したものによるものではありません。都区財調交付金は274億4,000万円と前年比1億1,600万円を計上しています。しかし、都区財調当初見込みでは、交付金総額では前年度対比で147億円減の7,642億円となっています。今年度、中野区分交付率の3.5パーセントを乗すると267億円となり、予算案の数字とは数億円の差があります。特別交付金を例年1億円のところ2003年度予算は5億円見込んでいますが、特別交付金は本来、交付が保証されたものではなく不安定なものです。歳入欠陥の生ずるおそれはありませんか。
 また、都が固定資産税を減免したことにより調整三税が減りました。特別区側は事前に協議がなく実施する際は、都の負担と責任において実施するべきだと迫りましたが、結局、不足分は区市町村振興基金からの貸し付けで賄うことになり、償還分を都区財調で翌年の基準財政需要額として算定するといういつもの方法で処理することになりました。また、この間、事務事業の移管で幾つかのものが特別区に移管されましたが、財源がついてこないものがあり、それらも財調の需要額算定ということになっています。財政調整率を52パーセントで固定したまま次から次へと需要額に参入すれば、当然のことながら財源が足りなくなってきますから、算定改善という触れ込みで他の分野での需要額を絞り込むということが行われます。2002年度では129億円、2003年度では238億円という巨額の数字になっています。しかし、これらについては、都区の合意が必要です。このことについて区長は区長会でどのような態度をとられたのでしょうか、お聞きします。
 次に、経営改革指針についてお伺いします。
 区長は、施政方針において、経営改革指針について、2か年に行うべきことを示したと述べ、その内容は内部改革、組織と職員のあり方や区政運営の執行方法についての改革、あるいは2か年に優先的に取り組む区政の重点課題について示したと言われました。ところが、それにはとどまらない内容を指針は持っています。深く区民の暮らしにかかわる事業にまで分け入って、市場原理に任せて施策の質を低下させたり、施策そのものを大幅に削減したり、事業費縮減を目的とした統廃合を進めようとしたりと、まさに自治体リストラを全面的に進行することをねらっているように伺えます。
 指針の冒頭に経営改革の基本的視点を掲げていますが、これとよく似た文書が既に7年前の1996年12月に発表されています。経済団体連合会の提言、「財政民主主義の確立と納税に値する国家を目指して」です。指針のいうところの権限の移譲や市場競争原理の活用と同じようなことを、この提言では次のように述べています。「官民の役割分担を明らかにし、できる限り市場原理に委ねるという原則に立って」いくことを求めています。そしてそれらの目的については、「国、地方を通じた規制撤廃、緩和、行政改革、歳出の抜本的見直し等により効率的で小さな政府を実現し、民間が十分に活躍できる環境を整備することで企業の国際競争力を向上させ、新産業、新事業創出への道を開くことができる」とあけすけにその意図を語っています。ここには憲法で保障された国民の生存権、幸福権、環境権などは認めないとの強い姿勢が伺えます。中野区の指針も同じことを地方自治体の視点から進めているように見えます。
 このような自治体をつくるためには、経団連の提言は「民間以上に効率性による検証が必要であり、そのためには財務関係に加えて企業会計に見られるような管理会計的手法の導入が有用である」と指摘しています。この関連でいえば、行政評価の目的は住民サービス切り下げと職員犠牲の自治体リストラ、行政改革を推進するための手段です。行政側がABCのランク付けの評価をして施策の存続まで記述をするなどは全く誤りです。外部評価で識者に任せても、それでも住民は置き去りです。これらのことから見えてくるのは、自治体を利益を上げることを唯一最大の目標とする営利企業と同列のものと見て、専ら福祉や暮らしに対しては効率性を優先し、しかし自治体の大型投資で企業の利益につながる大規模公共事業と見れば、幾らでも税金を投入するといった説明のつかないやり方が横行しています。
 指針では、民間企業の経営手法を職員に学ばせるためニューパブリックマネージメント研修を関連する研修と組み合わせて進め、自治体の営利企業化を進行させようとしています。また、顧客満足度向上が基本的指針に第1に挙げられていますが、これも企業ベースの考え方であって、区が必要とする課題についての調査が主体で、福祉や教育など住民にとってどうしても必要な公共的仕事について、その実態をつかむのではなく、顧客である区民の満足度、意識をとらえることを重点にしているので、新たな行政需要や実際に困っている弱者の言い分を捕捉することはできません。
 このような立場で書かれている基本的な視点を住民の立場からチェックして言えることは、住民の暮らしを守る自治体本来の仕事を最優先で取り組む自治体らしい自治体をつくるのではなく、企業の論理で仕事の進め方を固め、極力、福祉や教育、暮らしの予算は削減し、一方、中野区の都市基盤づくりへの取り組みは強力に進めていこうとする経営改革指針の全体像が伺えるのです。
 それでは、具体的な項目についてお聞きしていきます。
 図書館業務の委託についての問題です。指針では、2004年には図書館業務への民間委託導入を課題にしながら、同時に施設配置、運営の見直しの項で図書館を対象に掲げ、実際には3館廃館を目指す具体的計画のアドバルーンを上げて区民論議を誘導しようとしています。統廃合についての具体論は、いずれ基本構想審議会で行われるのでしょうが、それまでに論議のレールを敷いてしまうこのやり方は、区民の意思を基礎から把握することが求められる住民参加とは異なるのではないでしょうか、お答えください。
 小・中学校の統廃合問題では、実際には既に教育委員会から区立学校適正配置検討プロジェクトチーム報告が提出されて、適正配置審議会答申とはかけ離れた立場で計画を進める準備にかかっています。後ほどこのことについては来住議員が詳しくお尋ねします。
 これらのことからいえるのは、指針は指し示す方向を明らかにするという体裁をとりながら、事実は教育委員会事務局案で具体的な統廃合案を示し、一定の方向に世論誘導を行っていることです。区内の施設配置については、3年の期間をかけて論議した適正配置審議会の答申には目もくれず、一番予算が少なくて済むやり方をつくり出すため、事務局がデスクワークを行い、それを資料として公開する、答申に基づく計画は一切示さない、これは図書館統廃合と同じようなやり方に見えます。いかがでしょうか。
 さて、予算のところでも触れましたが、指針として提起した最重要な問題が中野駅周辺再開発です。この2か年で優先的に取り組むべき事項は何か明らかになったのは、1月14日の総務委員会が初めてです。それまでにいろいろとお聞きしましたが、はっきりしませんでした。そして発表されたのが再開発ですから、これにはびっくりしました。突然そのようなビッグプロジェクトについての課題がなぜ急に出てくるのか。これは明らかにサンプラザ売却と強い関係を持っていると考えられます。
 そこで、施政方針とも関連してお聞きします。
 サンプラザ売却の問題は、警察大学校等跡地利用の中野駅北口広場整備などと合わせた幅広い視点で考えなければならないまちづくりの課題を浮き彫りにすることになりました。現在、将来の展望や総合的な計画を描くことのできていない中野駅周辺のまちづくりについて、この際、改めて調査研究を行うことにしましたと区長は施政方針で述べています。
 そこで、お聞きします。1987年以来、中野駅周辺まちづくり計画や警察大学校等移転跡地土地利用転換計画を2億3,000万円もの経費を使ってつくり、この数字については先ほど4億6,000万円というふうに出たんですが、今まで出ている予特や決特の資料を合計しても3億8,000万円にしかならないんですね。隠された資料がまだあるようでありますので、今回すべて明らかにせよという資料要求をしておりますので、この4億6,000万円という数字が出る一覧表を出していただきたいということをあえてここで申し上げておきます。
 2億3,000万円もの経費を使ってつくり、政府に既に提出をしておりますけれども、この見通しはどうなるのでしょうか。
 私は、今までに明らかにされている区長の話や経営改革指針から考えると、従来の計画を大幅に上回るような大規模駅前再開発を構想しているのではないかという疑問が拭えません。そうだとすれば、これまでの失敗をまた繰り返すことになる可能性が強いし、もし本当に実行するといったことになれば、今、区民が求めているのは、大規模な公共事業投資はやめて、緑と地球環境を守るための積極的な施策の展開ということを期待していると思うのですが、それを裏切るものと言わざるを得ません。従来の計画と異なる計画をまたつくるのでしょうか、お聞きします。
 西武新宿線との立体交差化問題も中野区全体に影響する事柄です。既に昨年の第4回定例会で当議員団として指摘をしておりますが、都と西武鉄道が出した4案には大きな問題があります。まず中野通り以外の区内で交差する他の主要幹線の渋滞を緩和するのには、全くこの案は寄与しないことです。さらに、アンダーパス方式など、既に住民から採用を拒否された方法や高架方式など全く可能性のないことがわかっているものなどを盛り込んでいることです。今回、当議員団が以前から提案をしていた中野区を入れた区、都、西武三者での検討会がつくられます。今度の検討会では、過去のむだを繰り返さず、区民の要求をしっかり受けとめた運営をしていただきたいと思います。そのためには、次の諸点についてあらかじめ明らかにして臨むべきだと思います。第1に西武鉄道の鉄道事業者としての社会的責任を明確にすること、第2に道路アンダーパス案など住民からはっきりした回答が出ている方式については再び取り上げるようなことはしないこと、これは先ほど答弁をいただいて、これはなしになったようであります。第3に現在の地下化案についての問題点を明らかにすること、第4に都市計画決定済みの地下急行線の先行実施についても正式に検討課題に入れることです。これらについての見解をお聞きします。
 サンプラザ購入問題についてお聞きします。
 区長は「サンプラザは中野の町の賑わいの中心ともいえるシンボル的な施設です。また、中野駅前にあって町の玄関口に当たる大規模な用地は、将来のまちづくりを考えたときに極めて重要です」と述べています。ですから、中野区報でも取得からおおむね10年後には、中野駅周辺のまちづくりのために用地を活用することを想定していると書いているわけです。
 サンプラザを中野区で買っておいた方がよいと考えている区民は、サンプラザが貴乃花と同じように全国に名を知られている、中野のシンボル的な建物だからという理由を挙げる方が多いようです。サンプラザの役割から考えれば、まさにそのとおりです。大ホールで行われるコンサートには全国からファンが押しかけてきます。結婚式場の利用者もかなりの広範囲な地域の人たちです。全国勤労青少年会館として実施している各種事業も対象は首都圏全体に広がっています。建物は中野のシンボル的なもので、かつ中身は広域的な事業です。そういう大事な役割を果たしている建物だから、民間には渡さないで中野区が取得し、今までと同じように全国の勤労青少年の夢を育てる場所としてずっと運営してほしいと考えているのではないでしょうか。区が取得して早くも10年後には20億円もかかる取り壊し費用をかけて更地にし、再開発の種地に供すればよいと考えている区民はそう多くはいないでしょう。厚生労働省の基本的な立場は、143名の正規職員全員の再雇用であって、それはゆずれない原則だと聞いております。となれば、中野区は赤字覚悟で10年間サンプラザを維持し、期限が来たら、さっさと壊して再開発に取りかかるというのでは、余りにも区民の期待とはかけ離れてしまうのではないかと考えます。区長は中野区が自治体としては恐らく全国で初めになるかもしれない政府外郭団体職員のリストラに、間接的であれ、関係するというおそれや第3セクターであっても今後の維持管理に大きなリスクが生まれる可能性を持つサンプラザの購入は相当慎重に対応しなければならないと思いますが、お答えください。
 障害児学級や養護学校生徒の放課後対策についてお聞きします。
 先月31日、杉並区南荻窪の「やぎのサンダル」という名前の障害児のための学童クラブを視察してきました。正確には、放課後だけではなくて学校休業日の子どものケアもやっているクラブです。「やぎのサンダル」と同系列の「ほうかごくらぶコブタの家・ネコのトランク」の概要には次のような説明があります。「小学校時代、学童クラブに入っていた障害児が中学校に行くと急に留守番ができるようになるわけではなく、生活上、仕事をやめるわけにもいかず困っていた。そこで、ちょうど閉鎖して3年目であいていたコブタの家保育園のあった一軒家を借りて、学校の放課後と休日にケアの必要な子どもたちを預かるようになった。このように最初は母親の就労保障が目的であったが、仕事を持たない母親でも、障害児がいる家庭は全く大変で、たとえ週1回でも預かってほしいという人がどんどんふえていった」とあります。そして、その活動内容を「養護学校、障害学級、普通学級から、また養護学校のバス停から子どもを迎える、そのとき1人で通所できるように練習する子もいる」と紹介しています。「やぎのサンダル」で説明を受けていますと、専従の職員が養護学校のバス停に子どもを迎えにいって一緒に帰ってきました。かなりの重度の子どもに見えました。通所してくる子どもたちは小学生から高校生までとさまざまです。
 杉並区には、このような民間の施設か7か所あるそうです。これに対し、杉並区は地域デイサービス事業として規模の大きさに準じて補助金を支給しています。「やぎのサンダル」は通所者数が週5日で8人以上、専任職員2人の基準1の施設で、758万7,000円の補助金を受けていました。施設は住宅街の中の一軒家で、家賃は別途支給されます。既にこの事業が始まって杉並区では7年が過ぎています。
 今、中野区内でも、このようなクラブが欲しいという保護者の皆さんを中心とした運動が始まっています。小学校の障害学級に通う子どもたちでは、放課後学童クラブに通う子どもたちが既に50人を超していますが、中学の障害学級や養護学校の中等部に通う子どもたちの放課後の居場所はありません。専門技術を持っていて有利な就職ができる保護者の方でも、仕方なくパート、アルバイトで時間の工面をつけて子どもを迎えにいっているとか、母子世帯の場合などでは、やむなく生活保護を受けるなどといった対応をとらざるを得ない状況です。とりわけ、養護学校に通う比較的重い障害児の放課後対策のため現在、近くの地域センターの一室を週1回借りて、保護者やボランティアの方たちの協力を得て放課後クラブを試行していますが、なかなか大変なようです。「やぎのサンダル」の職員も言っておりましたが、給料が安いのが問題だが、といってボランティアではとても続かない仕事だそうです。できれば国の施策で取り上げてほしい。少なくとも自治体が真正面から取り組んでほしいとのことでした。中野区では、まず杉並区クラスの施設の立ち上げが求められます。家を借りる家賃だけ区が負担して、活動はボランティアなどにやってもらうなどともし考えているようでしたら、それは余りにもこの事業について知らないこととなります。既に保護者の皆さん方の声は区に届けられています。ことし、年度途中からでも実施すべきだと思います。施設がオープンするまでは、希望する障害児の学童クラブの枠を拡大して受け入れられるようにすべきだと思いますが、お答えください。
 最後に、その他の項で1点、お聞きします。
 警視庁宿舎等の取り壊し問題についてお伺いします。
 先だって警視庁及び取り壊し現場責任者に対し、余りにもひどい工事の騒音、振動、埃などについて、住民の皆さんが改善方申し入れを行いました。当時は折からの北風に乗って、埃の被害は、地元の中野四丁目はもちろん高円寺南、北の方面にも飛び散り、後で警視庁の職員が謝って歩いたと聞いています。ここに至るまでも、1号館から5号館の基礎取り壊し問題で住民の皆さんは大変苦労されて、自分たちだけで解決するためにいろいろな努力をされています。そんな中で、皆さんからは、区は何の協力もしてくれないとの声があります。同じ都の事業でも、環七シールド工事には、野方地域センターの職員や建設部が毎回の地元説明会にも、また見学会のお世話にも、工事に伴うトラックの交通問題や騒音、振動などについても、住民に助言をしたり、都に注文をつける際にもいろいろと手助けをするなど、いろいろな役割を果たしています。同じような条件の警視庁取り壊し工事については、なぜ相談に乗ってあげないのでしょうか。今後どのようなかかわり方ができますか、お答えください。
 以上で私の質問を終わります。

○43番(池田一雄) 私も、大泉議員のように、後が気になりますけれども、大分気になる答弁がございますので、再質問させていただきます。
 まず最初に、小泉首相にイラク問題で申し入れをすることについてでありますけれども、外交は国の責任だと区長はおっしゃいました。そうしますと、従来、中野区が一貫して、アメリカであれ、ロシアであれ、どこであれ、地下核実験等を行った際には厳しく申し入れをしております。今の状況のもとでの地下核実験というのは、世界の非核の方向というものを裏切るような極めて重大な政治問題、外交問題なわけです。これについては田中区長になってからも何回か私はやっているように記憶しているんですけれども、そうすると、核実験に反対し、それを抑制するようにたしかブッシュ大統領に申し入れをしていますよね、ブッシュ大統領に申し入れするのはいいけれども、小泉首相に憲法擁護・非核平和の条例を持つ中野区として、あの条例の中には世界に訴えとか、そういう趣旨の文句もありますよね。そういう条例がありながら、それについては、これは外交問題だというふうに色分けをするのは、何としても納得がいかないですね。色分けできないのではないですか。もう一度お答えください。
 それから小・中学校の冷房機の設置については、ぜひ検討していただきたいですね。きのうの総務委員会では、課長の答弁では、何か荒川区のことが出ましたけれども、私は荒川区のことを調べておりませんが、品川区はレンタル方式で中野と同じなんですよ、中身はね。いろいろと議会からの要望もあって、また区内業者の現状をかんがみて、そういう方法を考え出したわけですから、品川はそういう地場の工場が多いところなんでしょうけれども、日ごろ、そういう点では配慮していたというふうになりますけれども、中野についても、そういう業者がいないところまでやれとは言っていないんですよ。やれる範囲でやはりやってほしいと思いますね。目黒区では、一括である企業にやらせたら、その企業の下請に冷房機設置の技術を持たない企業があって、そういうところまでむりやりやらせて技術上の不備が出てきたということが指摘されていますから、そんなことになっては困りますけれども、中野区内で既に登録をしている空調関係の業者が何社あるか知りませんけれども、相当あると思うんですよ。そういう人たちのところに十分に仕事が回るような配慮、そういう検討をぜひしていただきたいというふうに思います。
 それから住基ネットの問題でありますが、これは区民部長がここへ出てきて答弁されるというのはおかしいですよね。私の質問自身も、田中区長が大上段に振りかぶってやったわけですから、区長の決断でやられたわけでしょう。トップダウンで検討の作業が進められて、区長の決断でやられたことについて、何で区民部長が答弁するんですか。やはり区長みずからが私は答弁してほしいというふうに思いますね。
 さっきの区民部長の答弁も全然納得いかないですね。再接続できる条件には至っていないというんでしょう。それで再接続の準備を進めますって、全然これは答弁になっていませんね。もう一度、区長からお願いします。
 それから再開発の問題ですけれども、これも今まで2億3,000万円だか、4億6,000万円だか、詳しい数字、どちらが本当なのかよくわかりませんけれども、大変な金をやって進めてきたけれども、これまでの成果につきましては実現に至っていないわけでしょう。現在、計画への影響が社会変化の情勢で大きいというわけでしょう。したがって、現在の計画を変えるというんだから、政府にせっかく出してある警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案ももうだめだということになりますよね、さっきの答弁ですと。ですから、私もそういう感じがするので、1,500万円という頭出しの予算が2003年度では行われているけれども、過去の失敗を省みずまちづくりの事業をやるのですかということをお聞きしているわけです。
 とりあえず、そのところをお答えください。

○43番(池田一雄) 再々質問をさせていただきます。
 区民の声を発信するということで、核実験についてはアメリカ大統領に対して抗議を申し入れているけれども、今のイラクの戦争の危機については、これは外交問題だから発信しないんだということは、これは全然区別がつかないですね。いずれも外交問題であり、区民の声であり、片一方が外交問題でないということは通じないと思います。
 大体イラク問題については、新聞の世論調査によると国民の7割が日本でも反対をしているという結果が出ています。中野区においても、もし中野区民の世論調査をやれば、大多数の区民が反対していると思うんですよ。そういう区民の声というものを、憲法擁護・非核都市の平和条例を持った中野区として、その区長や議員というものは条例に規制されるわけですから、条例の精神に基づいて、小泉首相であれ、ブッシュ大統領であれ、あなた方、戦争を起こさないでくださいということを発信するのは区民の意思ではないでしょうか。もう一度お答えいただきたいと思います。
 それから住基ネットについては、先ほど部長も答弁をされたように、再接続の可能性というのは全く生まれていないんですよね。だから、今ネットとの接続をしている杉並区も、杉並区は直接確かめましたけれども、減額を2002年度の補正予算でやっています。通知をする必要がなくなってしまったから郵便代なんかを減額して、2003年度については、何か本当の事務的な、基本的な、保守的なわずかな予算だけを上程していて、杉並の場合には何億円にもなるようですけれども、それについては一切上程をしていないと。それについて、杉並区長は、そういう条件が生まれていないし、急速にそういう状況が生まれるとは思えないということを言っているようです。これは非常にビッグプロジェクトでありますから、急にそういう準備ができるなんてことは考えられないわけですよ。区長は、個人情報の保護の技術的なセキュリティーの問題についても触れられていましたね。この回線が物理的に別個の回線で個人情報が送られるのではなくて、IPVPMというインターネット上の仮想の回線で送られるわけですね。それについては多くの専門家が、幾ら丈夫な暗号をかけていても、それは必ず破られるということを言っているわけですけれども、それについてさえも、政府がそれでは物理的な1本の回線でやるというふうなことは全く発表しておりません。また、そういうふうにやるかもしれないという気配さえも見えておりません。ですから、あわてて中野区が準備をしなければいけないというような状況はないわけです。そういう現実を見ないで、おくれたときには区民に迷惑をかけるなどといっても、これは極めて説得力が低いのではないかというふうに思います。
 それから中野区の駅周辺の再開発でありますけれども、これは今まで4億6,000万円ですか、お金をかけてつくったのは、そんな簡単につくったわけではないわけですね。1991年の第一次長期計画の際にも3年から4年かけているわけです。それから1999年の第二次長期計画の際にも、これは事業化の予算というのは余り使われなかったと思うんですが、その際にも立派な本が出されておりますけれども、これも一次計画がだめだということがわかって、すぐにローリングが始まっていますから、3年ぐらいをやはりかけて準備をしているわけです。どんなに時間をかけて準備をしてみても、第一次長期計画では、さっきも紹介しましたように1,300億円、中野区全体のまちづくりの計画では、たしか長期計画全体の6割ぐらいを占める4,000億円だか5,000億円だかといった途方もない数字を出しているわけですから、土台そういうことを進めるということが無理な話なんですね。今度の話も、経済情勢が変わった、あるいは都市再生特別措置法でもって非常に規制緩和がなされている。1ヘクタール以上の特区をつくることも、この中野の駅前再開発では可能かもしれない、いろいろな条件の変化は確かにありますよ。条件が変化したから、たちまちそれに合わせてやってみるといっても、その基礎がもともとない中野区でやれるという見込みがない、これは結局、過去の2回、この10年間だけの2回の過ちと同じように、また途中で挫折をするというのがせいぜいの結果だというふうに私は思いますので、こういうむだな予算を上程をするということはぜひやめていただきたいということをお聞きしているわけです。

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【本会議・質問】
(2003年2月21日)

中野区議会議員 来住和行

  1. 区長の政治姿勢について
  2. 福祉施策の充実について
    1. 介護保険料、利用料について
    2. 支援費制度について
  3. 区民健診・がん検診の無料を継続することについて
  4. 「区立学校適正配置検討プロジェクトチーム報告」について
  5. 若者の就職・雇用支援について
  6. 18歳選挙権と投票権行使について
  7. 山手通りの環境・安全対策について
  8. その他

○議長(斉藤金造) 来住和行議員。

○21番(来住和行) 2003年第1回定例会に当たり、日本共産党区議団の立場から一般質問を行います。
 まず、区長の政治姿勢についてであります。
 施政方針で田中区長は、「経済情勢は一向に好転の兆しが見えず、日本経済と社会の将来に対する不安がますます広がっているように感じます。」と説明されましたが、一向に好転の兆しが見えないどころか、区民の暮らしを直視すれば、そこから深刻な景気の悪化は明白です。暮らしの深刻さと厳しさは、区民1人の当たりの平均年間給与収入が、2002年は98年より10万3,000円のマイナスとなったことからもうかがえます。
 ここで区長に聞いてほしい文集がありますので、御紹介させていただきます。
 「父は僕が中学2年に突然亡くなった。それまで生きていることが、自分に父親がいることが当然だったのに。
 遺書はなかった。誰も父の死を自死と決めつけることはできない。しかし1千万円を超える借金、そして保険の額は1,500万円。父の死ぬ前日、数年間一緒に風呂なんて入っていないのに、なぜか僕が入っているところに入ってきた。でも僕は中学2年で恥ずかしかったので、すぐ出てしまった。今思うと、最後に思い出というか、思い残しをしないようにしていたと思う。その最後に、僕と一緒に風呂に入りたかったんだと思う。
 僕は今とても後悔している。なんで一緒に風呂に入っていられなかったんだろうって。もしその時に父に一言言うことができたなら、背中を流しながら、「長生きしてね」って言うことができたなら、父は死ななかったんじゃないかなって。僕は今とても後悔している。あのたった数分の出来事を、僕が何もできなかったことを。」  これは、親の死を自殺と言えない、その苦悩を抱えながら生きている子どもの文集の一部です。
 全国で、毎年、3万人を超える自殺者。中野区内においても、働き盛りの40代、50代の自殺者がふえています。私は、これ以上、このような悲しみを抱える家族を絶対に出してはならないと思います。区長はどのようにお考えになりますか、まずこのことをお伺いしたいと思います。
 生活保護者数も、この5年間で1,042人ふえ、4,392人となっています。2000年の国勢調査では、区内の完全失業者は1 万190人、率で5.49パーセントと、23区中、ワースト5です。区内の企業倒産は、99年から2001年までの3年間で174件と、増加しています。これに伴い、国民健康保険の加入者がふえるとともに、保険料の滞納件数もこの5年間で3,697件もふえています。
 区民生活が目に見えて苦しく厳しいものとなったのは、97年の消費税の増税と医療費の値上げなど、9兆円の負担増が国民にかぶせられたことが原因となったことは間違いありません。橋本元首相自身が、「結果として今の不況の原因の一つとなっていること、これは私、率直に認めて国民におわび申し上げます」と明言しています。区民の生活苦の原因は、明らかではありませんか。
 田中区長は、「今や日本の社会は、行財政や産業、社会保障など幅広い分野での改革が避けられないものとなっていると言えるでしょう。しかし、その改革の方途はいまだ明らかになっているとは言えません。」と説明されましたが、国民・区民には、この4月以降の「改革」の方途は既に政府から示されているではありませんか。
 4月からのサラリーマン等の医療の3割負担、介護保険料の引き上げ、年金給付の引き下げ、配偶者特別控除の廃止、そして増税による4兆円の負担増と、とんでもない「改革」です。
 さきに紹介しましたように、97年のときはそれでも区民1人当たり給与収入が今より年間約10万円高く、景気も回復の途上にあったのです。今回の負担増が区民の家計に与える被害は甚大なものとなることは、だれでも予測できることです。
 そこで伺います。4月からの、「改革」の名による方途の道、すなわち新たな国民・区民負担は、区民の暮らしも、区財政も痛めつける、最悪の結果となるだけです。今日、区民の暮らし全体にもたらされている困難は、政治の責任によるものです。区長はどうお考えですか、明快な答弁を求めます。
 昨年12月に、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会の4師会が、「現在、政府においては、本格的な少子高齢社会に対応する医療制度の構築に向けて、聖域なき構造改革を断行している。改革の柱は、患者及び国民の負担増、医療への株式会社参入、混合医療の導入であり、財政対策と市場原理の考え方に終始している。しかし、これらの政策は、国民の健康にたいする国の責任を放棄し、国民皆保険制度を根底から崩壊させるものである」との声明を出しました。この立場から、3割自己負担の実施凍結、高齢者の自己負担軽減など掲げ、国民運動を展開しています。
 繰り返される医療保険制度の改悪によって、60床のベッドを持つ区内病院がこの1月に病棟を閉め、60床のベッドが失われました。昨年10月からの老人医療の改悪によって、在宅酸素療養中の、東中野一丁目在住の88歳の方は、携帯用酸素を抱えて通院されています。これまでの850円が8,200円の窓口負担となり、月2回の通院を1回に減らしてしまいました。
 区長は、「今後、日本の社会は大きく変化していくことになると思います。先行きが不透明な時代であっても、地方自治体の使命は、住民の暮らしとともにあり、その未来をしっかり見据えた対応をしていくことにあります。」と表明されましたが、自治体は住民の暮らしとともにあるのではなく、自治体の役割と使命は、福祉の向上と住民の暮らしを守るというところにあります。
 区民にとって、今の暮らしなくして未来はありません。日本共産党区議団が復活を求めている、この間の、切り下げられた障害者と難病患者の福祉手当、原爆被爆者見舞金は、区民の暮らし、特に弱い立場の人たちを底辺から支え、温める施策として、その復活を繰り返し厳しく求めているのです。
 区長は、「21世紀においても、私たちが安心して暮らし続けることができる、持続可能な地域社会」とおっしゃいましたが、弱い立場の区民に心を寄せてこそ、持続できる生活が地域社会で区民みんなが可能となるのではありませんか。持続可能な地域社会と言いながら、あなたがやっていることは、弱い立場にある区民が暮らし続ける土台そのものを掘り崩してしまうことになるのではありませんか。区長はこれまで、障害者、難病患者、原爆被爆者の切実な声に耳をかさない態度をとり続けてきました。区民の生活、暮らしを直視し、その厳しさの中で生きている人たちこそ、政治の光を当てることが必要です。
 そこで伺います。私は、区政が区民の暮らしを支え、応援してこそ、経済も、区財政も立ち行くと考えますが、区長の見解をお聞きします。
 次に、介護保険料、利用料についてお伺いいたします。
 4月から、第2期の介護保険事業事計画がスタートします。中野区の第2期介護保険事業計画では、4月から、低所得者に対する減額措置や短期入所の移送サービス利用料の対象拡大など、独自の軽減策の実施を計画することになっています。日本共産党区議団は、低所得者の保険料、利用料の減免を繰り返し求めてきましたが、今回の対応について一定の評価をしつつ、質問をいたします。
 介護保険の最大の問題は、措置制度では、国庫負担50パーセント、自治体負担を含めて全体の75パーセントが公費負担だったのに対し、介護保険では、給付費に対する国と自治体の公費負担の合計が50パーセントに減らされ、残り50パーセントを保険料で賄うという費用負担の構造にあります。その結果、介護保険の利用がふえれば、保険料や利用料の負担が利用者を直撃する仕組みとなっているということです。
 介護保険の問題と矛盾の原因がはっきりしている以上、ここにメスを入れることは避けて通れません。保険料の高騰を抑えるためにも、自治体の介護保険財政を悪化させないためにも、国庫負担割合の引き上げがどうしても必要です。現在、25パーセントの負担を5パーセント引き上げれば、約2,400億円の財原が確保され、4月からの保険料引き上げをしなくても済みます。
 そもそもこの5パーセントは、調整交付金として25パーセントの枠外とされているのです。だからこそ、全国市長会も、町村長会も、同じ趣旨の要望を繰り返し国に上げています。中野区も緊急に国に対し、国庫負担を30パーセントに引き上げるよう強く要求すべきです。答弁を求めます。
 昨年秋に、第2期中野区介護保険事業計画案についての区民意見交換会が開かれました。このときには、基準となる介護保険料は現在より370円高い、月額3,400円が示され、参加者から、「高過ぎる、安くならないのか」との声が寄せられました。それが半年後の今日、介護保険利用率が高くなるとの予測から、現行の3,030円の月額基準額より615円高い、3,645円との推計になっています。
 第1号被保険者の生活は、昨年秋からの高齢者医療制度の改悪で打撃を受け、さらに今後、年金の減額などが高齢者の暮らしを直撃します。それだけに、区民と高齢者への負担増はこれ以上許せません。根本的には国の負担率を引き上げることが必要ですが、それができるまで中野区で可能な対策をとることが必要です。
 既に、板橋区や品川区など都内13の自治体が基金を取り崩し、保険料を現行のまま据え置く意向といいます。中野区も、保険料を据え置くべきです。推計された月額3,645円を基準に試算すると、値上げは1人当たり年額7,380円増となります。全体では、3年間で約13億円の値上げとなります。中野区は、介護給付準備基金を既に約10億円積み立てています。これは、保険料を取り過ぎていたということからであります。基金を充てて、介護保険料を据え置くべきと考えます。答弁を求めます。
 次に、利用料についてお聞きします。
 政府は、7月から、低所得者のヘルパー利用料に対する特別措置を3パーセントから6パーセントに引き上げるとともに、2005年度には1割負担に引き上げ、激変緩和措置を廃止することにしています。私たち区議団は、区長に対し、再三、国に対し3パーセントの特別措置を継続するよう強く求めることを要求してきました。あわせて、中野区独自の判断で3パーセントの特別措置を継続することを要望してきました。このために必要な国庫予算は約10億円です。中野区だけでいうなら、現行より月々166万円程度の区の負担で、3パーセントへの軽減継続が可能です。改めて、区としてホームヘルプサービス利用者の負担軽減を継続するよう求めます。見解をお聞きします。
 次に、支援費制度についてお聞きします。
 障害児・障害者の福祉制度が、4月から支援費制度の導入に伴って大きく変わります。支援費制度は、障害者が自己決定に基づき、みずからがサービスを選択し、事業者と対等な関係で契約をする、利用者本位のサービス提供などを導入趣旨として、準備が進められています。しかし、実施直前でありながら、さまざまな問題が指摘されている状況にあります。
 国が、年明け早々、突然にホームヘルプサービス利用の上限設定を打ち出したことに対し、多くの障害者関係団体が抗議し、厚生労働省前に座り込むという事態も生まれました。このように、制度実施をめぐって、さまざまな問題と矛盾が次々と生まれ、今後も何が起こるかわからないといった状況にあり、障害者、家族、関係者の不安は解消されるに至っておりません。
 中野区は、援護の実施者として、サービス提供体制の整備、支援費の支給申請の受け付け、調査、審査と支給の決定、受給者証の交付など、速やかに処理しなくてはなりません。
 そこで、中野区における準備状況について、再度お伺いいたします。対象となるべきすべての障害児・障害者に対し、連絡はとれているのでしょうか。特に、重度障害の方々への調査、判定、決定はどうなっているのですか。
 調査等に必要な土曜日、日曜日の特別体制、専門職員の増員を含む実施体制は十分なのでしょうか。4月実施時の相談体制など、利用者本位のサービス提供ができるようになっているのですか。
 以上のことについて、答弁を求めます。   支援費制度の実施によって、障害児・障害者と家族の最も大きな不安は、サービス利用の負担がどうなるのかということです。厚生労働省は、前年度の収入、所得に応じた応能負担を継続し、公費負担水準を継続することを繰り返し強調してきました。しかし、現段階で明らかにされている利用者負担金の基準案を見る限り、居宅サービス、施設サービスともこれまで以上の負担が心配される内容となっています。既に、保健福祉部の例示の試算でも、夫か妻のどちらかが重度の障害のある場合、現行で1万1,400円の負担が、支援費に移行することによって1万5,300円となり、結局今より毎月3,900円の負担増が見込まれる例も発生するとのことです。
 厚生労働省が説明してきたような、負担は従来どおりどころではないことは明らかです。支援費に移行することによって負担増となるようなケースを出さないようにすること、負担増によって利用を控えることが起きないようにすることが重要です。自治体独自の努力が求められていますが、どのような対策をとるのか、お聞きします。
 さまざまな発達における心配を持つ就学前の乳幼児が、自分の持っている力を十分に発揮し、家族や地域の中で生活できるように援助することを目的とした、療育センターアポロ園も支援費の対象となります。通園指導や送迎バスがその対象となるため、父母の所得が高い人で毎月の負担が4,000円程度になると見込まれています。3月中旬でないと額が決定されないため、4月からの支援費移行について、利用者の中から不安が広がっています。通園回数に応じて自己負担がふえるために、通園回数を減らしてしまうケースも生まれるのではないかとの声も聞かれます。
 私のところには、「アポロ園は、障害を持っている子どもと、その疑いのある子ども、発達のおくれのある子どもなどが通園している。支援費の導入で有料になるのはおかしい」「通園グループによっては、児童館で行っている乳幼児親子事業と同じような内容になる。これまでどおり無料であってほしい」「お金がかかると、生活が苦しい人は通園しようかしまいか考えてしまう」などの声が多数寄せられています。
 療育センターアポロ園の2002年度と2003年度の歳入予算を比較しますと、2002年度は、障害児通園事業で都からの補助金が994万7,000円です。支援費となる2003年度は、1,756万7,000円の支援費に加えて、利用者の自己負担が246万3,000円となり、合計で2,030万円と、支援費制度で1,083万円の増額となります。歳入が中野区にとって大幅にふえることになります。もし、240万円の自己負担分を軽減したとしても、なお区の歳入は762万円もふえるのです。利用者の自己負担軽減をすることは十分検討できることではありませんか。
 豊島区では、負担を求めずに、今までどおりに実施するとのことです。中野区も、障害児デイサービスを福祉施策として、今までどおり運営をすることは十分可能なことです。福祉施策の充実の立場で検討すべきです。答弁を求めます。
 次に、区民健診・がん検診の無料を継続することについて伺います。
 中野区は、4月から、区民健康診断のがん検診に自己負担を導入する予算案を示しました。その負担額は、胃がん、子宮がん検診それぞれ1,000円、乳がん、肺がん、喉頭がん検診が600円などとするものです。女性の方など4,000円を超える大変な自己負担となり、早期発見、早期治療の検診の本来の目的が根底から揺らぐことになります。
 現にお隣の杉並区では、昨年からがん検診に自己負担を導入したことから、例えば肺がん検診では、前の年が2,172人の受診に対し850人減の1,327人と、激減しました。自覚症状の出にくいがんだからこそ、早期に発見し、治療の選択肢を広げることができる、ここに検診の意義があります。検診の間口を広げる努力をすべき区行政が、費用の一部を自己負担することにより、自分の健康を自分が守り、つくっていくという意識を持ってもらうことを理由とし、検診を受けられない人をつくろうとしていることです。このことは、結局、病気の発見をおくらせ、病気の重病化を招くことになってしまいます。
 区民健診の対象となるのは、主婦、自営業者、また深刻な不況で突然のリストラ、倒産にさらされている区民です。暮らしや健康に不安を抱えている区民の健康を守るためにこそ、行政の存在と役割があるのではありませんか。自分の健康は自分で守るという意識というのならば、行政の存在する意味が問われます。改めて、これまでどおり、無料によるがん検診に戻すべきです。答弁を求めます。
 今回の自己負担導入で、総額約2,700万円が今年度の区民負担額とのことですが、区民健診、がん検診を今まで受診していた方が受診しない状態が生まれることについて、どう考えておられるのでしょうか。
 2003年度は、大腸がんを含む成人健診、眼科、歯科健診までの全面有料化の導入を検討することを明らかにしています。区民は、今回のがん検診有料化が、それにとどまらず、区民健診の全面有料化導入へ道を開くものとなるとの危惧を高めています。基本健診への有料化は絶対に認められません。もちろん中野区医師会や関係者の賛成も得られないでしょう。区民健診の全面有料化導入を協議することを、医師会をはじめ医療関係者と合意しているのですか、あわせてお聞きします。
 今回の区民健診変更案では、実施内容の拡充が含まれています。健診年齢の拡充、受け付け期間の拡大などです。日本共産党区議団は、これまで健診内容の拡充について再三提案してきたところです。
 さて、近年、肺がんによる死亡が上位を占め、2001年の中野区死因統計では、肺がんによる死亡が127人とトップとなっています。肺がん死の増加の中で、既に豊島区では、悪性腫瘍などの精密検査に有効とされ、特に肺部の診断に適し、肺がん検診に有効だとして、らせん状コンピュータ断層撮影装置、いわゆるヘリカルCTを検診に導入し、昨年度だけで10人の肺がんを発見し、早期治療に役立てたとのことです。品川区では昨年10月から、区民健診に肺がんヘリカルCTコースを導入しました。このように、肺がん対策が各区で独自にそれぞれの方法で進められています。
 そこで伺います。肺がん検診におけるヘリカルCT検査の効果をどのように評価されているのでしょうか。また、中野区においても導入への検討を始めるべきと考えますが、御答弁ください。
 次に、「区立学校適正配置検討プロジェクトチーム報告」について伺います。
 区立学校適正配置検討プロジェクトチーム報告が教育委員会事務局から示されました。報告では、「学校の適正規模・適正配置は、つまるところ統廃合の問題である。」と決めつけ、「中野区においては、区の施設のあり方や配置等について白紙から見直すことになっている。この検討にあたっては、学校施設も例外ではなく、白紙から必要な数がいくつなのかが問われることになる。」として、小学校18学級程度、児童数600人程度、中学校18学級程度、生徒数630人程度に満たない学校を早期に統廃合が必要とされる学校として、新山、向台、仲町、桃丘、谷戸、中野昭和、東中野、沼袋、西中野の九つの小学校、中学校は中野富士見中、十一中、十中、九中、三中、中央中、六中、四中、八中の統廃合を進め、中野区に必要な学校数は、現在の29の小学校を17校に、14の中学校を6校にするというものです。
 しかし、既に中野区は97年3月、教育委員会の附属機関として、児童・生徒数の減少に伴う教育環境の整備及び学校教育の充実を目的として、区立学校の適正規模及び適正配置並びにこれらに関連する事項の調査検討をするため、中野区立学校適正規模適正配置審議会を設置し、学識経験者、教職員、公募及び団体推薦の区民と区議会議員の参加のもと、2年3か月の審議を経て2000年1月に答申を得ています。
 この審議会の答申では、「本審議会としては教育的な視点を基本にしても心身ともに健やかな児童・生徒の成長を願う観点から学校教育の充実を目指した審議を心掛けた。」として、「本区の場合、小・中学校ともに学校規模において、学級数で6学級かつ児童数120人、生徒数で130人を下回る学校は現在存在しない。また、平成11年度推計値による平成17年度の学校数と児童・生徒数の推計値をみても、6学級の小学校が3校、中学校が7校と増加することが予測されるものの、児童・生徒数ではそれぞれ170人〜200人が在籍するものと見込まれている。したがって、中野区における最小学校規模を基準とする限り、小規模校を統廃合し望ましい学校規模を確保しなければならない緊急性は見あたらないといえる。」と結論付けています。
 プロジェクトチームの報告は、この審議会の答申と全くかけ離れたもので、答申を否定するものとなっています。これでは審議会を設置し、諮問し、答申を得るという意味がなくなってしまいます。
 そこで伺います。条例で設置した審議会から得られた答申の趣旨や考え方は、それを尊重するのが諮問した者−−ここでは教育委員会及び行政−−の基本的責任と立場であると考えますが、お答えください。
 次に、具体的に伺います。2000年答申では、中野区の最小学級規模を、小学校6学級、児童数120人程度、中学校6学級、生徒数130人程度としました。この考え方は、審議会が合意した最も大事な見解となりました。それはさきにも紹介したように、プロジェクトチーム報告は、小学校18学級、児童数600人、中学校18学級、生徒数630人と勝手に決めています。しかも、これは、望ましい学級数として審議会が例示した三つの例をも否定するものとなっています。教育的な視点を基本にして検討したとされる、この審議会答申の中の最小学級規模が全く考慮されておりませんが、なぜでしょうか。
 次に、審議会答申は、地域と学校の関係について、次のように述べています。
 「区立学校は地域に根ざした学校であってほしいという主張をはじめ、通学区域と町会・自治会エリアの関係、学校と社会教育との関係、学校教育への地域の人材活用、地域防災拠点としての学校など議論のテーマは多岐にわたった。こうしたテーマの多様性は、反面、区立学校がいかに地域社会と密接に結びついているかをあらわしており、児童・生徒の健やかな成長には、地域社会の教育力に負うところがいかに大きいかを示している。今後、区立小中学校の再配置を行う際には、こうした区立学校と地域社会とのこれまでの多様な結びつきに十分配慮し、地域の教育活動の拠点化など区立学校を地域コミュニティーの一つの核として見直していく必要がある。」としました。しかし、プロジェクトチームの報告は、今ある学校と地域の関係、審議会答申のこの指摘を全く無視しています。
 そこで伺います。教育委員会は、答申で述べられた学校と地域の関係について、どのような認識を持っておられるのか、お答えください。
 審議会答申を覆すような、相当乱暴な報告をまとめ、つくるに当たって、どのような新しい調査が行われたのか、どのような検証が行われたのか。答申にかかわってこられた審議会委員であった教育専門家、学識経験者等からの意見聴取は行ったのか、お答えください。
 学校選択制について、審議会答申では、選択制を主張する論と、それがもたらす弊害の大きさを指摘する論の両方を紹介し、「選択制については、先行実施している他の区市町村の状況などを見ながら慎重に検討されることが望ましい」としたものです。ところがプロジェクト報告は、学校選択制の導入による弊害が解消される根拠も見通しも示さず、いきなり「具体的な実施を検討する必要がある」と結論付けています。学校選択制の導入は、保護者や子どもたちにとって非常に重要な事柄であり、慎重な検討と区民的な議論、合意を必要とするものです。
 改めて伺います。学校選択制について懸念されている問題点はクリアできると判断しているのでしょうか、お答えください。あわせて、その確たる見通しをお持ちなら、調査した結果を含め、具体的に示してください。
 中野の教育は、これまで学校関係者、地域、父母、PTAが粘り強い運動と取り組みで築いてきたものです。それぞれの学校には、その生い立ちと、その地域の中で果たしてきたかけがえのない役割と歴史があり、地域の文化をはぐくむ源となってきました。学校のこれからについて決めるのは区民であり、そこに学ぶ児童と生徒であるべきです。
 区長に伺います。区長は、内実のある区民参加を盛んに唱えています。私たちは、97年に設置された中野区立学校適正規模適正配置審議会こそ、委員の構成から見ても、また、その審議の内容を見ても、内実ある区民参加の好例であると考えるものです。区長並びに教育委員会はどのように御認識されているのか、お答えください。
 次に、若者の就職・雇用支援についてお聞きします。
 新宿のハローワークには150台の求人情報パソコンが設置されています。受付の人によると、1日2,000人が利用しているとのことです。男女、年齢を問わず、そのコーナーの張り詰めた空気は、雇用の厳しさを実感させられるものです。特に今、大きな社会問題となっている若者の就職難は深刻となっています。この春卒業する高校生の就職内定率は66パーセントにとどまり、内定をまだ得ていない生徒は約8万400人です。3人に1人は就職先がいまだに未定です。
 内閣府の青少年白書によると、2001年の15歳から29歳の青少年の失業者は125万人です。問題なのは、新規学卒求人数の激減にあります。東京労働局によると、90年には高校卒業の求人は27万3,066人から、2000年には3万2,601人と激減しているところにあります。定職がなく、アルバイトなどで暮らしをつなぐフリーターは、働く青年の5人に1人まで急増しており、平均月収はわずか13万円程度です。これでは年金、健康保険や社会保険などにも加入できず、自立した生計を営むのも困難な状態です。このままの状態を放置すれば、企業や産業にとっても仕事や技術が受け継がれないだけでなく、日本の経済、社会にとって大きな損失をもたらすことになります。
 最近、中野一丁目の街角で、受験を前にした中学3年の男子生徒3人グループから、「おじさん、政治家なんだから、僕たちが高校を卒業するときには就職できる社会に政治家の力でしてよ」と、詰問されました。高校受験を前にした中学生に将来への夢さえ奪っている政治のあり方に、責任を感じるものでした。
 中野区は、特に深刻さを増している若者の生活実態、就職難の現状、雇用の実態をどのようにつかんでいるのか、どのように見ているのか。若者の働き方がこれからの中野の区政にどのような影響を及ぼしてくると考えているのか、見解をお伺いいたします。
 世田谷区では、既に2000年度から若者の就職を支援するため、ハローワーク渋谷と共催し、種々の取り組みを進めて成果を上げています。学校、ハローワークと区が結んで、区内高校生、30歳未満の一般区民を対象に、年4回、世田谷区合同就職面接会を開催し、2002年度は参加企業100社、求職者719人、79人の採用が決定しています。夏の区内高校生対象の合同企業説明会や、年に2回、労働、就業相談会を開催し、71件の相談を受けています。
 また、八王子市では、就職を希望しながら就職できなかった高校生の新卒者20人を1年間臨時雇用し、就職へのステップにしてもらうなどの若者支援を行っています。
 このように、若者の就職、雇用、労働問題を、国の事業だからといって人ごととせず、自治体として独自の取り組みが始まっています。これらに学んで、中野区も積極的に学校やハローワークと情報を交換し、連携し、中野区勤労者サービスセンターとも協力するなどして、若者の就職、雇用支援のため、就職面接相談会や相談窓口など検討してはいかがでしょうか、お答えください。
 次に、18歳選挙権と投票権の行使について伺います。
 今日の日本社会には、高校、大学などの新卒者の就職難や高失業、環境問題、社会保障の改悪、財政破綻など、若者の未来にかかわる重要な問題が山積しており、若者の政治参加を図ることはとりわけ重要になっています。
 日本の法体系においては、勤労者への納税の義務だけでなく、運転免許、婚姻、深夜労働への従事など、18歳になると大人として扱われます。
 既に、18歳以上の若者に投票権を与える動きが各自治体で始まりました。秋田県岩城町は、合併問題で住民の意思を問う住民投票に、永住外国人を含む18歳以上の町民に投票資格を認めました。愛知県高浜市は、テーマを限定しない常設の住民投票条例を、18歳以上に投票権を与える改正を行うなど、地方自治体で始まった、住民投票に18歳以上を参加させる動きは、国に対し、18歳選挙権を確立する方向への大きな世論づくりとなっているものと考えます。
 世界の170か国の中で、18歳以下の選挙権は148か国、サミット参加国では日本以外すべて18歳で、今や世界の趨勢です。日本はいつまでもこんな国際的な立ちおくれを続けるわけにはいきません。日本共産党だけでなく、自民党を含む主要政党はすべて18歳を入党要件としており、このことからも、18歳以上の若者に政治参加の資格と能力があることを証明しているからではありませんか。
 今、若者の間に、若者の政治参加へ選挙権の年齢引き下げをとの声が高まっているだけに、若者自身から政治参加への意見を聞くなどの場も必要です。中野区選挙管理委員会は、18歳選挙権実現についてどのような動きになっているとの認識なのか、18歳選挙権についてどのような認識を持っておられるのか。99年の第1回定例会で、18歳選挙権を中野区として独自に要望してはどうかと求めましたが、答弁は、「地区選挙管理委員会連合会で検討の推移を見なければならないと考えておりますので、検討したいと思っております」との答弁でしたが、その後検討はどのように進んだのでしょうか。
 次に、昨年11月28日に、運動神経が侵され、体の自由がきかなくなる難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者3人が、投票用紙に自分で字を書けないために郵便投票制度を利用できないのは違法だとして、国を相手とした判決が東京地裁でありました。判決は、「患者らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは、投票権を保障した憲法に違反する状態」との初めての判断を示したものです。
 公職選挙法は、投票所での投票を原則とし、例外として投票所で他の人に投票してもらう代理投票制度や郵便投票制度などを設け、同時に、不正防止のため、有権者が自分で書くことが条件とされています。違憲判決を受けた総務省は、「ALS患者の投票機会の確保は重要な課題で、検討したい」とコメントしています。今後は、ALS患者、障害者の在宅投票制度の保障が強く求められてくることになります。あわせて、在宅寝たきりの高齢者の方々への投票機会の保障がますます重要だと考えます。
 そこで伺います。投票権の保障について具体的にどのようなことを検討されているのか、お聞きします。
 視覚障害者用の点字投票用紙について伺います。これまで視覚障害者から、点字投票用紙に選挙名の記載をしてほしいとの声が寄せられていました。特に、二つの投票が同時に実施される際に必要です。北海道選挙管理委員会では、今回の知事、道議選挙から、点字用紙に「ちじ」「どうぎ」と、選挙名の点字シールを張り込むことにしたそうです。中野区も、これまでは視覚障害者が投票用紙の種別を自分で確認できるようになっておりません。障害者の不安を取り除き、視覚障害者の投票権の保障を具体的に図るべきと考えますが、御答弁をください。
 最後になりますが、山手通りの環境・安全対策についてお聞きいたします。
 板橋区から中野、そして目黒区までの11キロ区間の地下高速道路中央環状新宿線と山手通りの街路整備工事が同時進行のため、工事が長期化し、沿道住民、特に地域商店では生活と営業への被害が大きくなっています。一方、将来の環境対策については、地域からの粘り強い運動と、議会と区側との連携もあり、成果を上げつつあります。山手通りにおいては、計画とされていた6車線を4車線とし、歩道は換気塔以外は5メートルを9メートルに、さらに自転車帯の設置などが実現し、街路のあり方については地域での協議が始まっています。しかし、何といっても、換気塔や本町出入り口の環境問題です。
 昨年12月10日に、住民組織の山手通り関連5区連絡会は、首都高速道路公団との交渉を行いました。ディーゼル排煙など浮遊粒子状物質(SPM)を高効率で除去する電気集じん機について、換気塔に設置することを確認しました。このことは、同じく昨年11月29日の、東京都、公団による東部地域における説明会でも同趣旨の約束を公団側は行っています。
 公団が実用化に向け京浜島で行っているのは、先ほど紹介したディーゼル排煙に含まれる浮遊粒子状物質(SPM)を除去する電気集じん機と、NO2 除去の低濃度脱硝装置、この二つの装置です。二つの装置は連結しているものの、別々の装置であります。中野区は、今後も公団に対し引き続き低濃度脱硝装置と土壌による大気浄化装置についての導入を強く働きかけるとともに、電気集じん機と低濃度脱硝装置の双方の除去率を100パーセントに高めるよう求めていくべきです。公団への要望に対する公団側の中野区への回答は、文書で求めるべきと考えます。あわせて御答弁ください。
 2003年度予算案に、新規事業として、東中野駅前広場整備予定区域の交通量実態調査の予算が490万円計上されています。東中野駅周辺における工事帯は月単位で大きく変更され、その都度、歩行者、自転車の流れは激変しているのが実態です。事業主が実施したことし1月20日の4測定地での調査結果によると、昨年6月の同測定地との比較では、20パーセントから60パーセントと、すべての測定地において、人と自転車の流れは大きく変化しています。工事帯の大きな変化が起きている中で、幾ら交通量の実態調査をやっても、基礎的なデータとしては参考にならないということです。6月末には山手通りの信号も一部変更が予定されるなど、流動的です。
 2002年第3回定例会において、東中野駅前広場整備について提案をさせていただきましたが、「広場の整備について地元住民の広範な意見を取り入れていく検討の場をつくっていく」とのことでした。
 広場の整備について、地元ではどんな意見、要望があるのか。それについてどんな調査が必要なのか。まず検討の場づくりから始めていくことではないでしょうか。実態と動きを見ない拙速な調査はすべきでないと考えます。御答弁を求めます。
 最後に、街路整備に伴う山手通りの横断歩道のあり方について伺います。先行整備される早稲田通り、大久保通りの交差点における歩行者の安全対策は、地域住民にとって大きな関心事です。先行整備が始まった大久保通りの宮下交差点については、中野区は95年3月、山手通り沿道地区まちづくり構想を示し、山手通り拡幅を契機に、町並み形成と沿道環境の改善、向上を図るということから、宮下交差点には、出会い、交流の場となる広幅員歩行者デッキの整備概念図を区民議論に持ち込みました。横断歩道については、歩行者が安全に山手通りを横断でき、高齢者や身障者の利用にも配慮し、現状を基本とし、形状や設備を検討していくというものでした。
 宮下交差点を接点として、塔山小学校、東部地域センター、宮園高齢者会館、特定郵便局、氷川神社などの施設があるだけに、横断歩道の将来的あり方は、地域にとっても、まちのありようにも大きな影響を与えるものとなるからです。昨年6月の塔山小学校の調査では、262名の全校児童の約半数、128名が登下校時に、宮下交差点に設置されていた横断歩道を利用しています。
 そこで伺います。これまで構想として示されてきた宮下交差点歩道橋構想は取りやめたのでしょうか。取りやめたとされるならば、それにかえて、歩行者の安全、とりわけ通学児童の安全を守る横断歩道のあり方はどこで協議し、検討してこられたのでしょうか。今後、スクランブル交差点に代表される、歩行者と車を分離する歩車分離方式などの地域の要望、意見を反映できる場をつくるのか。また、そこでの中野区の果たすべき役割があると考えますが、あわせて御答弁をください。
 これで私のすべての質問を終わりにいたします。ありがとうございました。

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【本会議・討論】
中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例に対する討論(3月14日長沢和彦)

○10番(長沢和彦) ただいま上程されました第38号議案、中野区国民健康保険条例の一部を改正する条例について、日本共産党議員団の立場から反対の討論を行います。
 本条例は、国保保険料を所得割額、均等割額ともに値上げするものです。保険料は、この不景気の中で今でも区民の大きな負担になっていますが、これに追い打ちがかけられることになります。
 区は、保険料算定をめぐる状況を「制度改正の実施により医療費の伸びに抑制がかかったものの、昨今の厳しい経済・雇用情勢を反映し、保険料算定の基礎となる住民税の伸びは期待できないことや、被保険者の増、14年度に例外的に11か月算定された医療費が12か月に戻ることなどにより、結果として医療費総額は増大している」、したがって「保険料を相当程度引き上げざるを得ない」と説明しています。
 厳しい経済・雇用情勢の中で、リストラ、倒産などにより国保受給者がふえており、それだけに自治体の公的責任が求められているわけです。しかし、本条例は、医療費総額が増大しているから、それをそのまま被保険者の保険料負担増に転嫁してもやむを得ないというものです。しかも、保険料値上げとあわせて、所得割と均等割との賦課割合については、中間所得者層への負担偏在の解消として、改定のたびに均等割を引き上げ、今回も賦課割合を1ポイント改善すると称して、低所得者に負担増を強いるものとなっています。
 法定減額では救われず、条例減免でも運用の工夫が行われないのでは、恒常的な低所得者対策はないに等しいのが現状です。にもかかわらず、区は「これ以上の負担軽減は負担の公平性から見て好ましくない」とまで言って、突き放しています。しかし、負担の公平を言うのであれば、累進制度による実質的な平等を本条例のように弱めることこそ問題です。
 政府が4月に強行しようとしている健康保険の3割自己負担については、今日、日本医師会を初め多くの反対があるのは周知のとおりです。その上、国保保険料の値上げを行えば、区民の受診抑制に拍車をかけることになります。また、現在でも大きな問題になっている保険料未納者と、これに対する資格証の発行などの制裁措置の増大をもたらすことは明らかです。
 本条例は、区長会が値上げを各区に押しつける形で、23区が足並みをそろえて行うことによるものですが、区民がどういった影響を受けるのか、このことを中野区が区長会などで主張した形跡はありません。
 そもそも国がまともな景気対策もとらず、誤った経済政策で国民を苦しめています。さらに、さまざまな負担増計画によって大打撃を受けることになります。これでは、国民の命と健康を守れないばかりか、ますます保険財政を逼迫させるといった悪循環から抜け出せません。しかも、国保財政については、国庫支出金と都支出金の削減が大きな圧迫を加えています。こうした状況の打開を目指すことこそが区長会と中野区に求められていたわけです。しかし、ここでも検討の跡は見られません。
 苦労している区民を何とか支えるよう、区は最大限努力することが求められています。そのこともしないのでは、区民の暮らしを支えるべく自治体の責任と役割を発揮したとは言えません。したがって、本条例には反対を表明し、討論とします。

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【本会議・討論】
イラク情勢をめぐる査察継続に賛成し、平和解決を求める意見書への賛成討論(3月14日牛崎のり子)

○11番(牛崎のり子) ただいま上程されました議員提出議案第4号について、日本共産党の立場から賛成の討論を行います。
 ブッシュ米政権がイラク攻撃に道を開く安保理決議・米英修正案を今週中にも採択に持ち込もうと画策するなど、イラク問題をめぐる情勢は緊迫した重大な局面を迎えています。
 2月15日に行われたイラク戦争反対世界一斉行動では、ロンドンで200万人、ローマで300万人、マドリードで200万人、バルセロナで150万人、ニューヨークで50万人と、世界600か所以上の都市、1,000万人を超える人々による反戦・平和の運動が、ベトナム戦争反対の運動を上回る史上空前の広がりとなっています。
 東京でも2月14日、2万5,000人、3月8日には4万人と、平和を求める声が広まっています。
 イラク問題の現在の局面で何よりも重要なことは、国連による査察が本格的軌道に乗りつつあるということです。3月7日の国連査察団の報告は、3か月の査察について、ミサイル廃棄など実質的な進展と成果があったとして、イラクの協力が積極的、自発的になってきたことを歓迎し、数か月の査察継続が必要だとしています。さらに、武装解除のための未解決の問題点を明らかにし、今後の作業計画を3月末に報告するとしています。
 これは平和的解決のための査察の有効性、査察の継続・強化の必要性を裏付けるものであり、イラクが国際社会の一致した声を真摯に受けとめ、査察に即時・無条件かつ全面的に協力することを改めて強く求めるものとなっています。
 米・英・スペインの3カ国は、3月17日までを期限として、イラクに軍事解体の証明を求める修正決議案を提出しました。イラクの積極的な協力があったとしても、数か月の査察継続が必要と国連査察団が述べているものをわずか数日間で行えという、無理難題であり実現不可能な要求を突きつけることで、軌道に乗り始めた査察を無理やり中断させ、武力行使に道を開くものです。修正案がどんなに筋の通らない暴論であるか明らかであり、決して認めるわけにはいかないものです。フランス・ロシア・中国・ドイツなど、主要加盟国の過半数の国々が決議案に反対していることは当然です。
 一方、ブッシュ大統領は、安保理事国に圧力を加える一方で、新たな国連決議の承認が得られなくてもイラク攻撃を開始し、フセイン政権打倒を目指すと述べるなど、なりふり構わず戦争への道を突き進もうとするもので、国連と平和を求める諸国民への最悪の挑戦であると言えます。
 一層重大なことは、ひたすらアメリカに追随し、米英の修正案をいち早く支持することを表明し、さらに安保理での多数派を工作するなど、小泉内閣の対応は許しがたいものです。修正案が武力行使につながることには一言も触れず、国際社会の最後の努力として支持を表明するなど、内外の世論を欺くものと言わざるを得ません。
 世界の圧倒的多数の国々は戦争反対、平和解決を求め、人権、宗教、信条などあらゆる立場を超えて立ち上がっています。とりわけ米英など政府が戦争推進でも、ロンドンやロサンゼルスなどの市長の戦争反対の姿勢は、住民の命に責任を持つ自治体の長として、平和を求める当たり前の姿となっています。
 最近の各種世論調査でも、日本の国民の8割が日本政府のアメリカのイラク攻撃支持の表明に反対するなど、批判が高まっています。
 3月12日には、日本共産党、民主党、社会民主党、自由党、自民党の5党の女性国会議員42名が「米国等のイラクへの武力攻撃に反対することを求める意見書」を小泉首相に手渡すなど、党派を超えた平和の行動を起こしたことは大きな意味があります。
 直近では、北区議会、福生市議会が「イラク問題の平和的解決を求める意見書」を全会派一致で採択しています。
 中野区議会においても、憲法擁護・非核都市宣言、平和条例を持つ区の誇りにかけて、意見書が述べているように、戦争放棄の憲法を持つ日本が国連憲章を尊重し、世界の平和のために力を発揮すべきであり、日本政府と国会はアメリカのイラク攻撃に反対し、国連による査察の継続・強化による問題解決を世界に訴えるべきです。
 何よりも戦争によるとうとい人命のはかり知れない犠牲を出さないことを願って、意見書に対する賛成討論といたします。

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【本会議・討論】
患者負担増の凍結・見直しについての陳情に対する賛成討論(3月14日来住和行)

○21番(来住和行) ただいま議題に供されました第5号陳情、患者負担増の凍結・見直しについてに関し、賛成の立場から、日本共産党議員団を代表し、賛成討論を行います。
 なお、後にかかります第9号陳情も、多くの部分でその主旨が重なりますので、第9号陳情への関連も含め、ここで述べたいと思います。
 本陳情の主旨は、高齢者医療の自己負担の見直しと、健保本人3割負担の凍結に関する意見書を政府及び厚生労働省に提出することを求めるものであります。
 理由にありますように、昨年10月から高齢者の患者負担が改定され、在宅の寝たきり患者や在宅酸素療法を受ける患者、抗がん剤使用の重症患者等の負担金が数倍から10倍に上がり、在宅療法の中断や我慢から、症状が重症化する事態がふえています。一部負担金の上限を超えた対象者は、中野区で既に2,580人になっており、医療費に対する不安は、健康破壊や生活不安となって拡大しています。
 これに加えて、本年4月から健保本人の負担金が2割から3割に引き上げられようとしています。
 このことについて、日本医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会が共同声明を出し、国民の健康に対する国の責任を放棄し、国民皆保険制度を根底から崩壊させるものとして政府を厳しく批判し、3割自己負担の実施凍結、高齢者の自己負担軽減などを具体的に求めています。
 既に北海道議会を初め、多くの道府県議会及び市町村議会などで次々に意見書が採択されていることは御存じのとおりであります。
 97年に健保本人の負担が1割から2割に引き上げられたときに比べ、現在では、中野区民の所得は年間約9万円も減っております。一方、介護保険、国民年金、雇用保険などの社会保険料の1人当たり支払いは約4万2,000円もふえているのです。長引く不況で区民の生活が苦境に立たされているときに、新たに医療費負担をふやせば、一層の受診抑制と重症化をもたらすことは明白です。結果として医療費総額をふやし、保険会計の一層の悪化が進むなど、悪循環の道をたどることになります。
 問題を解決する道は明白です。一つは、国が次々に減らした医療への国庫負担割合をもとに戻すことです。老人医療は83年度に44.9パーセントだったものが、2002年度には31.5パーセントに、国保は80年度57.5パーセントだったものが、2000年度には36.3パーセントに、政管健保は91年度16.4パーセントだったものが、92年度から13パーセントに国庫負担が減らされているのです。
 もう一つは、世界と比較しても異常に高い薬価を適正なものに正すことです。これも繰り返し指摘され、是正が求められていることですが、この不況の中で製薬企業が大きく利益を伸ばしているにもかかわらず、政府はいまだに薬価本体にメスを入れるだけの対応はしていません。
 政府は、凍結したら医療保険財政が破綻する、医療費が払えなくなると言いますが、これは事態を逆さまに描き出す意図的な宣伝です。政府が取り組むべきことは、国庫負担の見直しと高過ぎる薬価の是正です。国民はここを正す勇気を政治に求めているのではないでしょうか。
 今、多くの医療関係者から、健保本人3割負担を強行すれば、国民皆保険そのものが崩壊するとの指摘があり、その心配の声が高まっています。政府はこの指摘を真剣に受けとめ、抜本的な対策をとるべきです。
 以上のことを申し述べ、第5号陳情に対する賛成討論といたします。

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【本会議・討論】
一般会計予算への反対討論(3月6日小沢哲雄)

○44番(小沢哲雄) ただいま上程されました第5号議案、2003年度中野区一般会計予算案に反対する立場から討論を行います。
 最初に、この予算案を編成し、区政を運営する基本的立場となっている田中区長の所信表明で述べられている幾つかの考えについて問題を感じますので、指摘したいと思います。
 一つは、いわゆる「持続可能な成長の実現」、あるいは「持続可能な地域社会と行政」ということについてであります。
 「持続可能な成長の実現」とか「持続可能な地域社会と行政」ということに異議を唱える人は、今やだれもおりません。しかし、少なくない学者の言を借りれば、「これほど多用される概念はほかには少ないにもかかわらず、具体的な内容、達成手段や組織については確定した理論はない、論者によって解釈が異なっている」、「あたかも呪文のような役割を果たしている」との厳しい指摘もあります。
 もともとこの概念は、いつごろ何を契機に語られるようになったかといえば、1989年にフランスでアルシュ・サミット、いわゆるグリーンサミットが開かれ、地球環境の保全が国際政治の最優先課題であるとしたこと。さらに、これを受けて国連が1992年にブラジルのリオデジャネイロにおいて環境開発会議を開き、ここで「維持可能な発展が人類の共通の課題」として承認され、行動綱領として御承知の「アジェンダ21」が採択されたことにさかのぼります。
 すなわち、市場競争原理にひた走った主要先進資本主義国の成長至上主義、大量生産、大量消費をこれ以上続ければ、オゾン層の破壊など、地球そのものが維持できなくなる全人類的危機が迫っていることが背景にありました。日本の大企業も市場もその大罪に加担していたことは重大です。
 ところで、「持続可能」と訳すか「維持可能」と訳すかによって、その概念も政策も大きく異なることは御承知と思います。サステナブル・デベロップメントが最初に日本に紹介されたのは、外務省が翻訳した「持続可能な発展」という日本語でした。しかし、これに対して、著名な経済学者である都留重人氏や財政学者の宮本憲一氏など、多くの学者、研究者は「維持可能な発展」という日本語が適切だとしています。「持続可能」という立場だと、主体的に開発を持続するために環境を保全することを示しているのに対して、「維持可能」という立場に立てば、地球という客体を維持できる範囲で経済や社会の発展を進めるべきだということで、両者は似たようでいながら根本的に違い、政策上でも大きな違いが生ずるとされています。
 田中区長は、どこからこの言葉を引用されたのかわかりませんが、これらの言葉の持つ重み、解釈、実現のための政策、手段などきちんと吟味して使われるよう希望します。あわせて、これからは「維持可能」と表現されるよう提案しますので検討を求めるものです。
 次に、「官による管理と規制から民の自由で豊かな活動へ」とも言っています。これも今や流行り言葉になっています。田中区長において、この言葉をどのような意図で使われているのか疑問です。官=公、すなわち公共という概念なのか、官と公の区別をしっかり持った上での引用なのか、何かの機会に議会にも区民にも正確に説明されるよう期待するものであります。しかし、もし官=公、公=官という概念でいるとすれば、大きな問題があるのではないでしょうか。
 確かに中央集権の官僚機構による行財政支配の仕組み、政官財の癒着とこの三者による護送船団方式の構造など、政府の欠陥は経済も政治もだめにし、もはや末期的症状を呈しています。この官を改革することは待ったなしであります。しかし、官と公の概念をごちゃ混ぜにして、本来的に市場の欠陥を是正するべく生まれた近代社会の公共の概念と、必要とする公による市場への関与を全否定し、民の自由な活動にゆだねるとするならば、余りにも乱暴過ぎて見識を疑わざるを得ません。
 しかも、民と簡単に言い切っていますが、民といえば一般的には人民、国民、または住民を指します。しかし、区長の考えの中には、市場競争下、営利と採算を旨とする株式会社も、非営利法人のNPO、NGOも、そして住民・区民も十把ひとからげで言っているような気がします。それでは大ざっぱ過ぎるのではないでしょうか。
 政治の欠陥が重要な問題であると同時に、この民の中にくくられている民間株式会社、実はこの営利と採算を至上命令とする市場がつくり出す欠陥も今や大問題になっています。地球環境に重大な危機をもたらし、維持可能な社会を危険にさらしているのも、リストラで大量の失業者を生み出しているのも、貧富の差の拡大、対立をつくり出しているのも、教育の荒廃と人間としてのモラルの荒廃をもたらしているのも、テレビやマスコミが垂れ流す退廃文化も、談合などによる公共経済の腐敗も、まさに市場主義の欠陥なのであります。
 このような市場競争原理がもたらす欠陥を深く認識することなく、市場競争原理の活用とか経営改革指針などと市場用語を区政に無批判に持ち込んだり、民の自由で活発な活動などと手放しで持ち上げたりというのは、余りにも慎重さに欠けるのではないでしょうか。
 以上、田中区長の区政運営と予算編成の基本姿勢について指摘した上で、今年度予算案についても指摘してまいりたいと思います。
 既に本会議や予算特別委員会で我が党の立場を述べていますので簡略にしますが、1つは、教育環境の整備、小中学校全部の普通教室冷房化に関してです。これは、議会からの一致した要求もあって予算化されたものであります。しかし区長は、「本当はやりたくなかった」と、とんでもない本音を公式の場で述べられましたが、これは重大な失言ではないでしょうか。市場原理の欠陥がつくり出したヒートアイランド現象などによる耐え難い、異常な教室の暑さを放置することは許されません。子どもを我慢させるというなら、大人はどうするのか、社会はどうするのか、明確な対案が示されなければならないのです。
 確かにガス冷暖房機からCO2が排出されます。しかし、教育委員会事務局がこれら機器の導入に当たって調査したところによれば、現在使われているFF暖房機を冬季に使った場合と、今回導入するGHP及び電気蓄熱式冷暖房機を夏季、冬季に使った場合との比較で、排出されるCO2、これは大気汚染にかかわるものですが、前者で年間1教室当たり43万7,246キログラム−CO2、後者は48万2,014キログラム−CO2と、ほとんど変わらないとしています。しかも、新しい機器を入れてFF暖房は使用しなくなります。不幸中の幸いとでも言えるでしょう。また、もともと学校は広い校庭と樹木などでヒートアイランドを防止する都心の貴重な資産と評価されています。冷房機の設置がヒートアイランドの原因になるとのような区長の認識ですが、それはいささか不正確ではないでしょうか。
 ヒートアイランド現象は、文字どおり「熱の島」と言われるように、その原因は大気をふやす働きをする森林や畑をつぶし、開発して宅地造成し、密度の高い敷地いっぱいの住宅を建て、ビル、工場、高速道路、巨大ビルを建設し、人工熱、放射熱、大気汚染物質を放出した結果、夏の最低気温が下がらなくなった気候現象を指すものであります。小中学校教室冷房化は、影響は全くゼロとは言いませんが、さきの原因をこそしっかり認識するべきではないでしょうか。
 そのことから言えば、むしろ都市再生のかけ声で汐留などに超高層ビルが何棟も建ち上がっていますが、これこそ東京湾の海風を遮り、都心のヒートアイランド現象の最大の原因になると多くの科学者は警告しています。超高層ビル建設こそ都市におけるエネルギー浪費の象徴であり、ヒートアイランド現象の一番大きな原因の一つと言って間違いありません。
 維持可能な地域社会づくりと明らかに矛盾するものであります。田中区長は、御自身の主張を一貫させる立場がおありならば、これらのことについても十分見識を深め、巨大開発などにきっぱりした発言をすべきではないでしょうか。
 知的障害学級や情緒障害学級の増設についても、1年おくれとはいえ評価できるものであります。また、子育て不安への対応、児童虐待、病後児保育などきめ細かな対応を切に求めるものであります。道路、公園、橋など生活に密着した土木事業は手を抜くべきではないと、私たちは主張してきました。予算的にはまだ十分とは言えませんが、その努力は歓迎するものであります。
 しかし、本年度予算案で黙過できない重要問題について、この際意見を述べます。
 一つは、高齢者福祉や保育園など、公共サービスを民間に委託する方向をさらに大きく進めようとしている問題です。
 田中区長は、公的サービスは官から民へという政策のもと、全面民間委託にする考えであろうと思います。公務員によって行われてきた福祉サービスは効率性に欠ける、財政負担が大変というのが理由だと思います。一理ないわけではありません。しかし、この路線には多くの問題があります。ここでは、三つのことを指摘しておきます。
 中野区の場合、「福祉は人」という合言葉で、区職員による非常に質の高いサービスを提供してきました。介護、保育、教育の現場は民間レベルをしのいでいると言われてきました。職員の努力の結果だと思います。我々もそれを実感してきました。しかし、民間委託によってこのような質の高い、貴重なサービスを提供してきた人的財産が失われていくこと、新たな人的財産が育たないことを放置してよいのかということが一つです。
 また、委託を受けた民間は、委託費のほとんどが人件費相当分ですから、そこから利潤を上げるとすれば、この人件費相当の操作、すなわち人件費をどうやって浮かすか、安上がりの労働力をどう確保するかに関心が集中しがちになると言われています。このようなことが、長い目で見たとき、提供されるサービスの低下をもたらすことにならないのか、不安はぬぐい去れません。これが二つ目です。
 さらに、受け皿となるNPOは、わずかの数にすぎません。区が期待する以上にNPOは育っていませんし、先々育つ環境も厳しいものがあります。その結果、受託先はほとんど民間会社で、しかも区外業者です。区内産業の育成にもつながっていません。区民の雇用にも効果はなく、区への税の還元もほとんどないと思います。これが三つ目の問題です。民間委託の問題は、今後このような問題も視野に入れて議論をすべきではないでしょうか。
 なお、今年度予算案全体については、我が会派は特別委員会に予算修正案を提出しましたが、否決されました。私たちが修正案を提出した基本的な立場は、区政の使命は、最初から最後まで区民の暮らしを守ることに尽きるという信念からのものです。私たちの政党としての使命もまさにそこにあるからであります。田中区長が提案しているこの予算案は、区民の暮らしを守り、支えるという視点も施策も不十分です。現下の大不況の中、さらに負担の追い打ちをかけるような予算は認められるものではありません。ですから、削られた福祉の復活やがん検診の有料化を削除することとか、これ以上の介護保険料の負担を区民に押し付けるべきではないという立場で修正案は一貫しているものであります。
 区民の要求にこたえる最も重要な議会活動の一つは、予算の修正権の行使であると言われています。この際、このことを否定するかのような特別委員会における部長の答弁についても一言述べておきます。「首長の予算提案権を侵すもの」という答弁は、議会制民主主義を否定する軽率な答弁ではないでしょうか。議会の予算の増額修正権については、確かに「長の予算提案権を侵さない範囲において認められる」としています。予算提案権を侵さない範囲というのは何を指すのかといえば、法的に定まったものはないのであります。私が議会に出た当時は、昭和39年の自治省行政局長の通知で「新たな款項を加えること、事項別明細にない事項を取り上げた結果、既存の款項に影響を及ぼすものであれば当該新たに取り上げた事項、継続費、繰越明許費、債務負担行為について新たな事項を加えること」など、極めて限定的な通知でした。この通知でいけば、今回の増額修正は何ら問題はないのであります。
 ところが、昭和52年の行政局長通知で、「当該予算の趣旨を損なうような増額修正をすることは、長の発案権の侵害になると解する」と拡大し、議会の権能を狭めようとしました。地方議会から厳しい批判の声が上がったことは、古い議員なら周知のことであります。余りにも一方的な見解との厳しい批判を意識して、「地方公共団体の予算審議において、議会が予算修正を行おうとするときは、長と議会の間で調整を行い、妥当な結論を見出すことが望ましい」という2項が加わりました。我が党は、今回もそれにのっとった努力をしています。いずれにせよ、議会の権能を低下させる発言は聞き流すわけにはいかないのであります。
 次に、中野駅周辺まちづくりについて、サンプラザ問題が絡まっていますので、やはりその関連も含めて問題を指摘します。
 中野駅周辺まちづくり調査について、費用面からの問題は既に指摘させていただきました。私は、この調査をしようという区長の意図について問題を指摘したいと思います。
 中野駅周辺まちづくりについては、戦後50年以上にわたる今日まで、区政史上の大きな争点として論争が続いてきました。その論争は、大別すれば際立った違いを持った二つの流れであります。一つは、新宿の副都心として業務ビルを立地させ、商業核とするというもの。いま一つは、現状を保存し、オープンスペースを大事にして、自然と広場と区民の憩いの場とすべきという、維持可能な地域社会を意識した主張であります。この後者の流れは、例えば警察大学校の敷地について、中野刑務所敷地、今の平和の森公園と並んで、区民の二大広場と避難場所と位置付けてきたことからも、また、現に駅周辺の貴重なオープンスペースがつぶされることなく守られていることからもうなずけるものであります。
 ところで、区長は、この調査に託す御自身の考えや信念をはっきりと述べていません。しかし、サンプラザ買収問題と一体としてまちづくりを考えたいという意図を述べているところから推察すると、先ほど紹介した流れから言えば、区長は、前者に近い業務商業の巨大ビルを誘致し、中野の顔をつくる方向に傾いているように思わざるを得ません。もしそうだとすれば、警大跡地を含め、自然環境の復元と安らぎと安心のまちを望む多くの区民からは、強い違和感が噴出することは間違いありません。どうか、環境破壊、維持可能な地域社会と矛盾するような大規模開発に傾斜しないよう、厳しく求めるものであります。
 サンプラザ買収問題についても触れておきます。中野サンプラザは、1973年、雇用保険事業を行う旧労働省の外郭団体、雇用促進事業団(現在の雇用・能力開発機構)によって開設されました。全国勤労青少年会館の名称のとおり、働く青少年のためのメッカとなることが期待されていたのであります。ところが、政府は2001年、特殊法人等整理合理化計画の中で中野サンプラザを含め、雇用・能力開発機構が所有する全国2070か所の勤労者福祉施設を廃止することを決めました。
 サンプラは、勤労青少年のための施設という他の施設と違った特徴があります。現に、国の委託による無料の相談センターでは、心理カウンセラーによる職業相談、職業適正検査テスト、職業情報の提供などが行われており、年間6万人が利用していると言われます。国の廃止決定は、こうした勤労青少年のための国の責任を放棄するもので、許されるものではありません。また、厚生労働省は、みずからの外郭団体における運営の失敗を自治体に肩代わりさせようとしていることも認められるものではありません。中野区が買わなければ民間に処分するというのも、これまた実にひどい話であります。
 私は、まずこれらのことについて、行政も議会も認識を共通させる必要があるのではないかと考えています。そして、こうした視点からこの問題を早急に政治問題化させることが重要ではないかと考えています。さらに、地方分権の考えに立てば、厚生労働省の外郭団体への委託事務を地方自治体に委譲するという可能性も検討するべきだろうと思います。その可能性も検討し、例えば負担付き贈与で地方自治体に無償譲渡させることも追求するべきではないでしょうか。仮に中野区が委託を受けて、勤労青少年の相談事業を引き継ぐとした場合、少なくとも厚生労働省が補助金として支出していた4億円を続行させることも検討の対象にするべきではないでしょうか。
 いずれにせよ、今のままでは交渉がデッドロックに陥る可能性があります。買うか買わないかに問題を狭めないで、それを打開する道を議会の知恵と政治的力、区民の世論に求めるべきであります。議会との十分な協議が深められることを望んでやみません。
 以上をもって、2003年中野区一般会計予算に対する反対の討論といたします。
 なお、一言ごあいさつをさせていただきます。御案内のとおり、私も8期32年の区議会議員の生活を今期で引退いたします。この次は、衆議院7区の国政に転出をします。この期をもって私と同じように議員をおやめになられる方々もいらっしゃいます。どうぞ健康にお気をつけて、中野の区政を末長く一緒に見守っていきたいと思っております。また、多くの方々が来期の議席にも挑戦されます。ぜひ皆さん、しっかり頑張って、この区政壇上で奮闘していただきたいと思います。
 また、田中区長を初め、区長を支えていらっしゃる特別職、あるいはまた議会参与の皆さん、どうぞ中野の区民が日本全国に対して、この区が私たちにとって誇れる区なんだというような区づくりのために一層意を尽くしていただきたいと思います。
 以上をもちまして、私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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