2009年第4回定例会【本会議・一般質問】長沢和彦

【本会議・一般質問】
(2009年12月2日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 地方分権改革の問題について
  2. 中野区の市場競争原理について
  3. 不況から区民生活を守る方途について
    1. 住民税の納税猶予について
    2. 国民健康保険の資格証明書発行問題と一部負担金の減免について
    3. その他
  4. 子どもの貧困を克服することについて
    1. 就学援助の拡充と支給改善について

○副議長(江口済三郎) 次に、長沢和彦議員。

〔長沢和彦議員登壇〕
○30番(長沢和彦) 2009年第4回定例会に当たりまして、日本共産党議員団の立場で一般質問を行わせていただきます。

1 地方分権改革の問題について

 初めに、地方分権改革の問題について伺います。
 内閣府の地方分権改革推進委員会が鳩山総理大臣に対して矢継ぎ早に勧告を提出したことで、地方分権の議論に拍車がかかっています。今回の地方分権の検討は、福祉や教育などの水準を不十分ながら保障するために設けられてきた国の基準を取り払い、国の責任の放棄と財政負担を削減し、それを消費税増税で補わせることをねらっていると思われます。これでは自治体が独自の施策を充実させ地方自治を発展させるどころか、福祉・教育など住民施策の最低基準(ナショナルミニマム)を確保することも難しくなってしまうことは必至です。
 国も自治体もその本来的任務は人権保障のための統治機構であり、日本国憲法の描く国家・自治体の役割は国民の暮らしが成り立つような生存配慮を基軸にしているはずです。福祉や教育の分野では、今、重要なのは分権化が進んでいない点にあるのではなく、むしろナショナルミニマムが危機に陥っている点にあります。ナショナルミニマム保障に立脚した地方自治の視点が欠落していてはだめです。国の責任放棄を容認してはならないと考えますが、いかがですか、お聞きします。
 本来進めるべき地方分権は、住民の福祉の増進を図るという自治体本来の役割を果たしていくための地方の財源を保障すること、国の勧告、是正要求、代執行など不当な地方への支配の仕組みをなくし、自治体が文字どおり国と対等で自主的な判断ができるように改めることです。
 区長は、身近な地域の問題については、身近な単位で自己決定・自己責任を持って、それぞれの地域がそれぞれに主体性を持って地域を運営していく、地域間、自治体間競争の中で国全体が栄えていくことが望ましいとの見解を述べられています。しかし、保育や医療、介護、障害者、生活保護といった社会保障分野などの国の基準の多くは、全国どこでも一定の水準の福祉を受けることのできるように定めた憲法に基づくものであり、現在でも都や特別区が独自の基準を加算しているように、基準を上回ることは自治体の裁量に任されています。
 国基準を廃止し、基準を地方にゆだねることは、自公政権の三位一体改革のもとで地方財政が痛めつけられ、深刻な状況のもとで基準を下回ることを許容するものとなってしまいます。また、自治体に自己決定・自己責任を迫り、受益と負担についてはそれぞれの自治体単位で責任を持てといった議論では、結果、住民への負担増とサービスの切り捨てにつながりかねないと考えますが、いかがですか、見解を伺います。

2 中野区の市場競争原理について

 次に、中野区の市場競争原理について伺います。
 国においては、新自由主義の構造改革・規制緩和が進められ、一方、地方自治体では、自治体版構造改革として新しい公共経営論などが言われてきました。そこで、市場競争原理の活用も強調されました。大ざっぱに言えば、一つは官から民へとさまざまな手法を使いながら、区民サービスの民営化・民間委託を推進し、もう片方で、区直営サービスも効率・採算最優先で見直しを図るというものです。
 さて、中野区では、保育園の民営化や福祉・教育施設などの指定管理者制度の導入など民間委託を次々行ってきました。施設をゼロベースから見直すことを掲げ、学校をはじめさまざまな教育・福祉施設の廃止や再編を行っていることも、根底に市場競争原理が据えられています。区政運営の手法としてきた市場競争原理、官から民へ、小さな区役所は、安心・安全を脅かし、サービスの安定と継続の確保を困難とし、公正・公平さえも危機に陥らせかねない状況を生んだのではありませんか、伺います。
 区はサービスの拡大を図ったと言いますが、当然ながら区直営でできないわけではありません。経費を削減できたと誇りますが、何が違うかといえば専ら人件費の違いであって、継続性・安定性の確保が難しくなりました。
 例えば2007年度の財政援助団体等監査結果報告において、指定管理者による施設管理で協定書に定めた職員配置基準と相違する状態があったと指摘されたことがありました。また、受託者は、次回も受託できるという見通しが全く持てない中で、行政に意見が言えない、少ない受託料で応募しなければ指定されないのではないかなどの問題にぶつかっています。しかも、委託先で専ら有期雇用の非正規職員しか雇用できないなど官製ワーキングプアをつくり出しています。官製ワーキングプアを生み出している現状をどう見ていますか、伺います。
 関係者からは、区の公的責任の後退を指摘する声が出されています。例えば保育園の民営化は、区の公的責任の放棄であり、保護者や区民はもとより、公的保育を願う私立保育園からも、全園民営化は区の責任放棄であると反対が表明されています。精神障害回復者のデイケアを来年度から民間委託することも、作業所などからは、保健師との連携によって成り立っていた、区の責任が弱まる、と心配されています。福祉・教育分野においては、官から民へをやみくもに進めるのではなく、区の公的責任をきちんと確保することが必要ではないですか、伺います。
 区の内部ではどうでしょう。成果主義を用いて職員の意欲向上を図るはずが、逆に減退しています。職員の不祥事や事故の多発などモラルハザードはきわみにあります。病気休暇・休職の増加、しかもメンタルの疾病がふえています。事業部制によるフラット化や3名の副区長制におけるトップマネジメントも、職員を削減し続けてきたゆえにとってきた手法だと考えますが、責任の所在がわかりにくく、区民から見れば全く理解しがたいものと言えます。成果主義やさまざまな組織の改編が、区民生活を守ることや住民自治の発展に役立ったと言えるのですか、伺います。

3 不況から区民生活を守る方途について


(1)住民税の納税猶予について

 次に、不況から区民生活を守る方途について伺います。
 住民税の納税猶予についてお聞きします。
 税を徴収することばかりに偏重していることが目立つ昨今の徴収業務ですが、税法にはそのことだけが書かれているわけではありません。どうしても払えないときには、ちゃんと納税者が救済されるようにもなっています。ここが公的債権と民間の一般債権が異なる最大の特徴です。なぜなら、憲法30条の納税義務は25条の生存権を達成するためにあるからだと考えます。
 ところが、生活困窮者からも税を取り立てる自治体がふえ、差し押さえを禁止している児童手当や出産一時金を差し押さえるなど、全国的にひどい実態があります。さらに、地方税等の滞納状況によって、地方自治体が実施する行政サービスを制限することも全国に広がっています。滞納者は悪人と言わんばかりに生存権的財産まで差し押さえる。行政サービスを制限する。取るためには何でもありなのか。もっと血の通った行政が求められます。
 中野区では、電話による催告や幹部職員による戸別訪問などを行っています。徴収の成果だけでなく、幹部職員による区民の暮らしの実態把握につながることを期待したいし、その視点が欠かせないと考えます。区民の生活困難の解決に対して具体的に支援を行うことが必要ではありませんか、見解を求めます。
 地方税の納税の猶予は、一定の要件に該当するときに適用されます。徴収猶予、換価の猶予、滞納処分の停止、これらは憲法の定める生存権、財産権、幸福追求権などの要請により、徴収という場面で納税者の権利を保障する貴重な制度であり、積極的な活用が求められます。納税者である区民が権利として理解していることが大切です。どのように広報し、周知を図っているのか、伺います。


(2)国民健康保険の資格証明書発行問題と一部負担金の減免について

 二つ目に、国民健康保険の資格証明書発行問題と一部負担金の減免について伺います。
 まず、資格証明書の発行についてです。この分野でも機械的に資格証明書の発行を行っています。しかし、支払い能力がある者と支払い能力がない者を明確に区分して対応しなければなりません。負担の公平性の観点から今後も資格証明書を活用するなどは、実態を把握していない証拠です。さらに、納付相談の機会を確保することが目的であるのなら、相談の機会を確保できていない現状をどう認識しているのでしょう。まずは資格証明書の発行をやめて、実態把握に努めるべきです。伺います。
 政府はことしの1月20日に、我が党の小池晃参議院議員の質問主意書に対して、当時の麻生総理大臣名で、成人であっても、病気など特別な事情があれば資格証明書の発行はしない旨の見解を示しました。この見解を踏まえた対応が必要です。被保険者への周知はどのように行ったのか、伺います。
 また、改正国保法は、その対象を中学生以下としましたが、高校生にも無条件で短期証が交付されるべきでした。現在は保険者である自治体にその裁量はゆだねられているため、区の判断で高校生も対象にすることを求めます。
 保険料の滞納がふえ続けている問題とともに、医療機関の窓口で発生する未収金も大きな問題となっています。景気の悪化でこの未収金が増加しています。2008年7月10日にまとめられた厚生労働省の「医療機関の未収金問題に関する検討会報告書」では、その状況が記され、最大の理由は、患者が医療費を支払うだけの資力がないほど生活が困窮していることだと報告されました。こうした中、厚生労働省の担当課長3者連名による「生活に困窮する国民健康保険の被保険者に対する対応について」と題した通知がことしの7月1日付で出されました。この通知では、一部負担金減免などの適切な運用を指示しています。
 中野区では、条例と施行規則で実施の要件・基準を設けていますが、運用は災害などに限られ、制度が十分に活用されていません。
 通知は、医療機関、市町村の国保部局、福祉事務所等に、国民健康保険の保険料や一部負担を支払うことが困難である被保険者が相談に訪れた場合には、いずれの窓口においても、必要に応じて一部負担金減免制度、生活保護制度、無料低額診療事業などについて十分な情報提供ときめ細かな相談対応ができるようにすることを指示しています。
 窓口に申請用紙を置き、医療機関からも支払いが困難な状態の患者には、制度の活用を勧めるよう徹底することが必要です。いかがですか。また、実施基準の緩和も検討すべきではないですか、伺います。
 次に、無料低額診療事業について伺います。
 この事業は、社会福祉法に定める生計困難者のために、無料または低額な料金で診療を行う事業で、各医療機関が実施主体となり、医療費自己負担分を無料または低額で診療する制度のことです。しかし、厚生労働省によって不当な抑制も行われてきました。さきの厚生労働省の報告書では、無料低額診療事業の紹介を提言しています。政府も昨年10月7日付で、小池晃参議院議員の質問主意書への答弁書で、この事業が低所得者の医療を確保する上で重要であることを認め、届け出があった場合は都道府県により受理されるべきものであるとしました。
 区内でも、本事業の実施を検討している医療機関があると聞きます。しかし、東京都の対応は冷たく、受理することを拒んでいるとも聞きます。政府の見解や今回の通知の意義をとらえ、東京都に申請を受理し認めるよう働きかけることを求めます。お答えください。

4 子どもの貧困を克服することについて


(1)就学援助の拡充と支給改善について

 子どもの貧困を克服することについてです。
 この間、子どもの貧困の克服について、特に教育費の問題となっている私費負担の過剰と公的負担の責任についてただしてきました。教育費の無償化を目指し、同時に今日の事態を解消するために、たとえ保護者が経済的に困難な状況であったとしても、子どもたちが心配しないで学校で学ぶことができるよう最善の努力をすることが必要です。
 就学援助の拡充と支給改善について伺います。
 さきの3定総括質疑の場でも行わせていただきました。就学援助の費目の拡大については、眼鏡代の支給あるいは補助を準要保護者にも適用することを求めたところ、就学援助の目的や経済状況、財政状況に照らして検討したいとの答弁でした。要保護者に支給され、準要保護者に支給されていない費目は他にもあります。ぜひ拡大を図っていただきたい。また、費目単価についても実費相当額にすべきです。改めて伺います。さらに、所得基準そのものを、現行の生活保護基準のおよそ1.2倍を引き上げることを求めます。お答えください。
 所得額を認定基準としていますが、認定の決定が6月末か7月初旬ごろになります。そのため、認定までの期間、給食費や移動教室、修学旅行費などを保護者が一時的に支払わなければなりません。4月から6月も一時的に保護者の負担とならないように配慮することが必要ではないですか。
 板橋区では、就学援助を受けている人が希望する場合には仮認定を行い、次年度の4月から6月の給食費などを立てかえ支給する就学援助仮認定制度があります。中野区でも検討すべきではないですか、伺います。
 就学援助は本人からの申請が原則と言われますが、文部科学省の「平成14年度要保護及び準要保護児童生徒援助費補助金の事務処理について」で「保護者の申請の有無のみによって認定することのないようにすること」とされています。さまざまな理由で保護者が申請できないことも考えられます。
 中野区の教育委員会が保護者向けに出している就学援助費のお知らせでは、「希望の方はこの制度を御利用ください」となっています。仮に希望しないとされていても、必要な子どもに受けさせることが大切なのではありませんか。子どもたちの学習権保障の観点から、申請の有無にかかわらず、教育委員会と学校、生活援護分野などが連携して、必要な子どもへの就学援助に取り組んでいく必要があります。見解を求めます。
 その保護者へのお知らせも、特別な事情の場合は相談してくださいと優しく呼びかけることも必要です。また、文部科学省通知にもあるように、日本語以外での就学援助の説明も行うことを求めます。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 長沢議員の御質問にお答えをいたします。
 地方分権改革の問題についての御質問であります。
 分権改革とナショナルミニマムを確保していくことが必要なのではないか、また、住民の負担増やサービス切り捨てになることについてのさまざまな御懸念からの御質問があったところです。
 地方分権改革推進委員会の勧告で、今回の地方分権改革は自治行政権、自治立法権、自治財政権を有する地方政府を確立することを基本理念としているところであります。国民の身体・生命を保護するために、全国的に統一して定めることが必要な場合、こういうことも当然あると思いますけれども、このことを除いて、国から地方への過剰な義務付け、枠付けを廃し縮小し、地域の実情に合ったよりよいサービスが提供できるように、自治行政権、自治立法権を拡充していくこと、このことは必要だと、こう考えております。
 ただし、自治体が自己決定・自己責任を果たしていくためには、その財源、自治財政権というのは確保されなければならないということであります。国と地方との役割分担、また、それに見合った国と地方との税財源の配分、この改革がなければならないと思っておりますし、国がやっても地方がやっても、福祉や社会保障にかかわる経費というのはふえていくんですね。国も大変赤字の状況になっております。
 したがいまして、そうした財源をどのように確保していくのか。国や地方の無駄をなくしていくにはどうしたらいいのか。また、そうした無駄を排除した上で、どうしても必要な負担というものをどのように国民の皆さんにお願いしていくのか。そういった議論が当然なされなければならない、こういうことなわけでありまして、地方分権改革を進めると、このことと同時に、負担と給付の問題というものをあわせて議論していくことが私は必要だと考えております。真の地方分権改革が実現できるように、私どもとしても積極的に行動していきたいと考えております。
 中野区の市場競争原理について、これは御質問者の言葉でありますけれども、御質問がありました。
 区はこれまで効果的かつ柔軟な区民サービスを提供するために、民間活力を生かした施策展開を推進して、区民の安全・安心の確保やサービスの質の向上と安定化を図ってまいりました。こうした取り組みを今後も区政運営の基本としていかなければならないと思っております。
 それから、施設等を民間にゆだねていくという中で、官製ワーキングプアを生み出したじゃないかと、こういった御質問もありました。官の業務のうち、民間でできる業務を積極的にアウトソーシングしたことによって、着実に民間での雇用も増加をしているという現状がありますので、指摘にあるようなワーキングプアを生み出したとは考えておりません。
 それから、保育園などの運営や障害者のデイケアなどの委託に当たって、区としてそのサービスの質の確保のための指導や、あるいは区の施策との連携支援を十分図るなど、区としての公的責任は十分に果たしている。また、今後とも果たしていかなければならないと考えているわけであります。
 それから、成果主義についてであります。目標と成果による区政運営の考え方のもとで、職員一人ひとりが区政目標を踏まえてみずからの目標を設定し、成果が上がった職員に対して処遇で報いるというようなことで、職員の意欲向上を図っているところでありまして、こうした取り組みがそのことにつながっていると考えております。事業部制導入やこうしたことの結果として区民生活の向上に寄与していると考えているわけであります。
 それから、住民税の納税猶予に関連する御質問がありました。
 滞納者から納付困難である旨の相談があった場合には、収支や財産の状況がわかる資料の提出を求め、状況に応じて分割納付などを認めているところであります。また、差し押さえなどの処分を行う場合にも、滞納者の財産の状況などを十分に調査した上で行っております。納税の義務は一律にどなたにも課せられているということであります。したがいまして、この義務については、適切に履行していただいている方とそうでない方が不公平感を抱くということがやはり私はいけないことだと思っておりますので、適切な対応が必要だと思っております。
 地方税法に基づく納税猶予については、一定の要件がある場合に区が納税を猶予することができるという制度でありまして、個々の滞納者の状況に応じて区が判断をするものであります。区といたしましては、滞納者に個別に送付する督促状や催告書及び区報や税のお知らせなどに、期限までに納付ができない場合には連絡をしていただく旨を記載して、まずは担当に相談していただくと、このことについて周知を図っているところであります。
 私からは以上です。

〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 国民健康保険における資格証明書の発行、また、一部負担金減免等の質問についてお答えいたします。
 まず、国民健康保険の資格証明書発行世帯の実態把握ということでございますが、保険料を滞納されている世帯につきましては、保険料の督促、催告や訪問等により状況の把握に努めているところでございます。資格証明書を発行する世帯につきましては、短期保険証の交付やその更新の都度、相談機会を設けており、さらに、資格証明書の発行前には弁明書の用紙を送付し、保険料が納められない特別の事情がある方は相談するよう促しているところでございます。
 また、高校生に対して短期証を発行すべきであるという御質問でございます。高校生に対して一律に短期保険証を交付することは考えておらず、特別な事情がある場合に対応したいと思います。
 次に、医療機関の窓口での一部負担金の減免についての御質問でございます。
 この一部負担金減免制度については、災害や失業等により生活困難に陥った場合に、6カ月以内の徴収猶予や3カ月以内の減免を行うものでございます。これには該当する方が少ないことから、窓口で申し出があれば申請書をお渡ししております。
 また、医療機関への周知ということでございますが、医療機関につきましては、厚生労働省の通知が既に東京都から各病院管理者あてに送付されているところでございます。
 次に、実施基準の緩和ということでございます。中野区が定めております一部負担金減免の実施基準については適正なものと認識しておりまして、緩和することは考えていないところでございます。
 次に、無料低額診療についての御質問でございます。この無料低額診療事業への届け出とその受理ということでございますが、東京都の対応が国の通知等と相違していると、仮にそういうことであるとすれば、東京都と国において解決すべきことだと考えております。
 また、ホームレスなどの生活困難者が医療を受けられないときにつきましては、路上生活者対策事業や生活保護制度で医療を含めて対応を行っているところでございます。

〔教育委員会事務局次長田辺裕子登壇〕
○教育委員会事務局次長(田辺裕子) 子どもの貧困を克服することについての中で、就学援助の拡充と支給の改善についての御質問でございました。
 まず、就学援助の費目の拡大等についての御質問でございます。
 就学援助の範囲につきましては、就学に必要な経費の援助をするという趣旨に照らしまして、社会状況や財政状況などを総合的に考えながら運用しているところでございます。こうしたことを前提にいたしまして、現在の中野区の支給費目につきましては、都区財政調整基準に従って設定をしておりまして、現段階では新たな費目の追加、あるいは実費支給の上限額の見直しについては考えておりません。
 さらに、現行の生活保護基準の1.2倍という所得基準そのものを引き上げる御要望がございました。これにつきましては、他区も同様の水準でございますので、1.2倍を変えることは考えてございません。
 続きまして、就学援助費の立てかえ給付につきましての御質問でございました。
 これにつきましては、収入が確定するのが6月になるため、事務処理上、実際に支給されるのは7月という状況でございます。それまであらかじめ一時立てかえは支給をするというようなことについては考えてございません。
 それから、就学援助費の申請につきまして、申請の有無にかかわらず、関係者が連携をして必要な子どもへの就学援助に取り組んではどうかという御質問でございました。
 保護者につきましては、新学期の保護者会で制度説明を行うほか、今後も教育だより、区報での広報や窓口での制度の周知を広く図っていきたいというふうに考えております。具体的には、お子さんの状況や家庭の状況に応じまして、担任が個別に御説明をするというようなこともまま行っているということを把握しております。
 最後に、就学援助費の保護者への説明について、特別な場合は相談してくださいというような呼びかけが必要だというようなこと、また、日本語以外での就学援助の説明をというような御質問でございました。
 保護者への御説明の文言につきましては、今後ともわかりやすい表現に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、外国人の就学につきましては、教育委員会窓口で申請をお願いしております。その際は、外国語版転入学のしおり、英語、中国語、ハングルで紹介をするとともに、窓口での案内を行っております。今後はさらに外国語版区報等へも掲載を行っていきたいというふうに考えております。

○副議長(江口済三郎) 以上で長沢和彦議員の質問は終わります。

2009年第4回定例会【本会議・一般質問】せきと進

【本会議・一般質問】
(2009年12月2日)

中野区議会議員 せきと進

  1. 障害者施策について
  2. 環境と平和について(温室効果ガスの排出削減と核のない世界の実現のために)
  3. 水害対策について
  4. その他
    1. 新江古田駅自転車駐車場について
    2. 江古田三丁目合同住宅の現状について
    3. その他

○議長(伊藤正信) 次に、せきと進議員。

〔せきと進議員登壇〕
○9番(せきと進) 2009年第4回定例会に当たり、日本共産党の立場から一般質問を行います。

1 障害者施策について

 障害者施策について伺います。
 障害者自立支援法によって、9割近い利用者の負担が施行前と比べて月平均6,751円もふえていることが厚労省の調査によって明らかになりました。低所得者はさらに増額が大きく、七、八千円もふえています。
 民主党は4年以内に障害者自立支援法を廃止すると言っていますが、当事者にすればそんなに待てません。応益負担と日割り計算はあすにでも葬り去ってほしい、都道府県や市区町村でもさまざまな形で少しでも負担を軽くしてほしい、障害者と事業者はそう願っています。
 私たち日本共産党は、憲法と障害者権利条約に沿った公的責任による総合的な障害者福祉法の創設が必要だと考えますが、応益負担の中止は障害者自立支援法廃止を待つのではなく、定率1割負担を定めた同法29条を直ちに削除すべしと提案しています。
 負担軽減策についてお尋ねします。中野区は民間福祉作業所に対して昼食費と交通費の補助金を出していますが、2010年度もこれは継続すべきであります。いかがでしょうか。
 負担増とともに工賃減も問題となっておりますが、作業所収益の基幹をなしている公園清掃の委託費が削減され、区内利用者の工賃にも影響が及んでしまいました。悪法による障害者の自立阻害に区が追い打ちをかけるのは改めていただきたい。公園清掃委託費の増額を求めます。お答えください。
 支援体制について伺います。
 療育センターアポロ園は江古田四丁目に移転しますが、今使っている三丁目の建物は2010年4月からの使い道が決まっておらず、新しい中野をつくる10か年計画第2次素案には障害者自立支援施設等としか書いてありません。移転を検討している民間福祉作業所がこの施設を活用することはできますか。具体的な方策をお持ちであれば、お示しください。
 精神障害者の退院促進支援事業は、受け入れ条件が整えば退院可能な精神障害者が地域で生活できるよう、精神保健福祉士等と連携して退院に向けてのさまざまな支援を行う制度であります。東京都の障害福祉計画では、2011年度末までに都内5,000人の対象者のうち半数の地域移行を目標に掲げています。短期入所施設は、退院促進で地域移行の外泊訓練を行ったり、地域で生活する精神障害者の病状が不安定になったりしたときのために必要な施設であります。
 ことしになって区内初となる短期入所も可能な集団生活型介護施設ができました。この六ッ星大和荘は、東京都の退院促進支援事業を申請したけれども、基礎的自治体に支援体制がなければ事業として成立しないとはじかれました。都の言い分にも一理あります。そこで、区として精神障害者の退院促進支援事業に着手すべきと考えますが、見解を聞かせてください。
 内閣府の障害者白書によれば、日本の精神障害者は50人に1人となりますが、デンマークでは10人に1人と言われています。これは日本の認定行政がよろしくないのであって、認定のあり方を是正するとともに、制度のはざまに置かれて認定されない人についてもしっかり支え合っていける社会が望まれます。
 就労などの自立した地域社会生活ができるよう支援する精神障害回復者社会生活適応訓練事業は、直営の週1回過程を2年、委託の週2回過程を1年、足して原則3年という利用期間の制限があります。伺いたいのは、ここから巣立った方のその後について区はどのようにかかわっているのか、また、本人の事情に即して利用期間や年齢65歳未満という制限は柔軟に応じてもらえないのか、あわせてお答え願います。
 昨年の秋に雇用が突然冷え込んだ際、障害のある人は障害のない人に先んじて首を切られました。1年間就職活動しましたが、面接までこぎつけることはめったになく、探しても障害者の募集が全く見つからないまま、彼らの雇用保険は給付が打ち切られてきています。
 特に精神障害者が今直面している困難の一つに、生活保護を申請したり、国保や年金の手続を自分で行う際、人との接触がうまくできないために、区役所の窓口で悔しい気持ちを味わうことがあるという問題があります。職員の精神障害者への応対について、研修などさらなる改善策が必要であると考えます。区の見解を尋ねます。

2 環境と平和について(温室効果ガスの排出削減と核のない世界の実現のために)

 次に、環境と平和について伺います。
 12月7日からデンマークのコペンハーゲンで開催されるCOP15、国連気候変動枠組み第15回締約国会議は、温室効果ガス排出削減を目指し、京都議定書の期限が切れる2013年以降の新たな対策を決めることを課題としています。
 これまでの事前交渉では、年内に法的拘束力を持つ新議定書を取りまとめることは困難とされますが、排出大国である米中が相次いで削減目標を公表するなど、COP15で数値目標を盛り込んだ政治合意を成立させる機運は高まっています。議長国デンマークは、2050年までに世界の温室効果ガス排出量を半減させる内容での合意を目指しているようだと報じられました。
 日本政府としては、COP15に先立って、国内での具体的な削減策とアジア・アフリカ諸国への支援策を提示することが求められます。
 日本が2020年までに温室効果ガスの排出削減を目指す中期目標は、鳩山総理が9月22日、国連気候変動首脳会合で25%と表明したことから、これまでの8%から3倍に引き上げられました。この数字は、今までのような企業の自主行動計画任せではとても追いつくものではなく、削減協定など法的措置まで踏み込むことができるかどうかが問われます。
 中野区は2008年5月に環境基本計画を策定し、二酸化炭素の排出削減目標を2004年度と比較して約10%としていますが、国の新たな目標値に見合うよう、環境基本計画を見直すのでしょうか。また、どのような施策によって25%削減に近づけるのか、お答えください。
 たばこや飲み物など、自動販売機は国内に500万台以上あると言われます。業界は消費電力量を抑えた機器の開発に取り組んでおり、1991年からの15年間で半減させましたが、それでも自動販売機の消費電力量は1台当たり年間4,000から1万キロワット、日本中、全部合わせると原子力発電所一つ分の発電量にもなると言われます。区内でもそこかしこに見られ、これ以上ふえなくとも生活する上で何ら不自由ないと思われます。
 住宅都市である中野区には事業所が少なく、事業系の二酸化炭素排出削減に苦労すると思いますが、既にある自動販売機を減らすことは難しいにしても、これからはなるべくふえていかない取り組みは検討してみてはいかがでしょうか。
 核兵器の廃絶について伺います。
 気候変動首脳会合の25%発言に続き、鳩山総理は2日後の24日、安全保障理事会の会合で非核三原則堅持を誓い、日本は核廃絶に向けて先頭に立たなければならないと、核廃絶に向けた積極的な意気込みを示しました。
 安全保障理事会が核軍縮・核不拡散の論題で首脳会合を開いたのは、国連創設以来初めてのことであり、核兵器のない世界の条件をつくることを決意し、NPT、核不拡散条約第6条、核軍縮交渉義務の履行を含む決議を採択しました。
 4月のオバマ演説以来、核兵器廃絶の意識は国際的にも急速に高まっております。平和市長会議がNPTを補完する「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を4月に発表したほか、7月のG8、8カ国首脳会議は「核兵器のない世界の条件をつくる」との声明を出しました。
 反核団体らは、来年5月に開かれるNPT再検討会議を核兵器廃絶の合意形成をもって成功させようと旺盛に活動しており、署名を集めて再検討会議の5月に国連本部へ届けようと、代表派遣が数多く企画されています。
 中野区「憲法擁護・非核都市」の宣言には、「世界中の人びとと手をつなぎ核をもつすべての国に 核兵器をすてよと訴える」というくだりがありますが、核兵器を持つすべての国に核兵器を捨てよと訴える絶好機である今このとき、区として何をなすのか、お答えください。来年5月、NPT再検討会議が開かれるニューヨークに人を派遣しませんか。伺って、この項の質問は終わります。

3 水害対策について

 次に、水害対策について伺います。
 住宅を取り壊して時間貸駐車場になる土地活用がふえています。庭も何もなくしてしまい、全面アスファルトで覆いますと、熱がたまって都市の高温化に拍車をかけます。
 さて、その都市高温化によって集中豪雨がふえましたが、平面駐車場へ降り注いだ雨は道路へと直行しています。中には雨水流出抑制装置を設置している駐車場もありますが、そうでないのが圧倒的多数であると見られます。下水道法は排水設備の設置を義務付けてはおりますが、罰則がないため形骸化しており、指導も行き届いていません。
 中野区雨水流出抑制施設設置指導要綱は、公共施設及び民間の大規模施設が対象であるため、駐車場への適用は困難であるとされます。そこで、水害対策として、平面駐車場に雨水流出抑制施設の設置を促すべく、条例化や要綱の見直しなどに取り組んではいかがでしょう。都市の高温化抑制にも効果のある芝生舗装や保水性舗装がふえるよう、区の努力を喚起したいと思います。

4 その他


(1)新江古田駅自転車駐車場について

 その他として幾つか伺います。
 新江古田駅は中野区と練馬区と両方に出入口があります。練馬区の出入口には自転車放置防止の案内誘導員が毎日ではありませんが朝晩立っており、放置自転車はほとんど見られません。中野区の出入口は人がいないため、常時二、三十台置いたままになっています。歩道の舗装面に張られた放置禁止区域の印ははがれかけ、同じく放置禁止区域を表示する円錐形の赤い保安具は、なぜもっと置かないのかと思うほど少ししか置いてありません。
 新江古田駅の放置自転車は、中野区内各駅と比較すれば確かに多くないかもしれません。しかし、交差点の向こうは1台もないのに、こちらは二、三十台あるのでは際立ちます。また、区境の駅特有の現象として、練馬は警戒が厳しく中野は緩いからと、練馬区民が中野の出入口付近に自転車を置いていってしまうことも考えられますが、それだと練馬区の努力が幾らか無駄になってしまっているとも言えます。
 監視員の配置など、新江古田駅の放置自転車対策を練馬区並みに強めるよう求めます。お答えください。


(2)江古田三丁目合同住宅の現状について

 江古田三丁目合同住宅は現在、土地は都市再生機構が所有していますが、国がこれを借り受け、土地・建物とも国が管理をしています。2011年9月までに退去を終え、機構は2014年までに敷地を整備し、民間に賃貸及び譲渡することになっています。
 今後、土地活用を決めていくときに、区民と区と都市再生機構はどのような関係になっていきますか。地元意見の取り入れ方について区の認識を聞かせてください。
 既に少なくない世帯が退去を済ませていて、明かりがめっきり減ったことから、防犯のことを心配している近所の方もおります。この点についてもお答え願います。


(3)その他

 最後に、その他として、警大跡地の国家公務員宿舎建設について伺います。
 囲町袋小路の解消と中央中学校の立地は、これまであちらを立てればこちらが立たずの背反関係にありましたが、もしかしたら両立できるのではないかと思わせるような好転の兆しが見え始めました。
 11月27日、いわゆる事業仕分けによって、公務員宿舎のあり方については、速やかに関係省庁間において検討を行い、宿舎の建てかえについては、その検討を踏まえ実施することとし、それまでの間、継続案件や東京周辺以外の緊急建てかえを除き凍結することとし、継続案件についても、朝霞等凍結可能なものについては凍結するとの評価結果が出されました。
 警大跡地に予定されている国家公務員宿舎は、今年度予算計上している建設工事設計業務委託が今もって発注されていません。この分では年度内に執行できるかどうかもわかりませんし、2011年度供用開始という当初予定もおのずから後ろ倒しになるでしょう。次第によっては建設中止も十分に考えられます。
 警大跡地の国家公務員宿舎が建設中止となった場合、財務省が中野区に対してこの土地を買わないかと打診してくることが考えられます。区として、中学校の拡張用地として取得を検討するよう求めます。
 中央中学校は今でも広いと言えず、生徒1人当たりの学校敷地面積は28平米で、区立中学校平均より3割も狭い状態にあります。今のまま2,800平米のみを買い増しして統合新校になった場合、生徒1人当たりの学校敷地面積は今より下がってしまいます。2,800平米に加え、さらに国家公務員宿舎が予定されていた5,700平米を買い増しすれば、区内中学校平均を突破することができます。
 国家公務員宿舎の建設が取りやめになるかもしれないこの土地は、必ず学校用地として取得の働きかけを行っていただきたいし、決して他の目的に用いないことを約束くださるよう求め、質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) せきと議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、障害者の民営作業所などへの給食費、交通費の補助を継続するべきではないかと、こういう御質問でありました。財政状況にかかわらず、補助について必要なものは当然行うわけでありますけれども、こうした個別の案件については何ともお答えができない状況だと、こう考えております。
 それから、障害者施策の関係で、公園清掃について民営の作業所への委託が削減されていると、委託を増額してほしいと、こういうことであります。財政の見通しが大変厳しいということでありますので、工夫を行っているということしか申し上げることができないと思います。
 それから、アポロ園の跡地についてですけれども、10か年計画で現在お示しをしております障害者自立支援施設等への活用を予定していると、現在の検討状況はそこまでの段階であります。
 それから、精神障害者の退院促進事業についてであります。区は都の東京都精神障害者退院促進支援事業と連携しながら、住宅への入居支援や緊急時の相談、関係機関との連絡・調整を行う居住サポート事業を平成20年度から実施しているところであります。都の役割、区の役割をそれぞれ発揮しながら連携を進めていく考えであります。
 それから、精神障害回復者のデイケア終了後のサポートについての御質問がありました。精神障害回復者でデイケアの訓練を終える方には、一般就労や作業所、生活支援センターのせせらぎなど、それぞれの方の適性に合った場所へつなげることができるようにサポートをしているところです。また、デイケアの利用終了後も、必要に応じて保健師が訪問や電話でサポートをしているところでもあります。
 来年度からデイケアの再編を行うことを検討しておりますが、月2回午後に、利用期間、利用年齢を設けず参加できるようなフリースペースを4保健福祉センターに設置して、デイケアを終了した方へフォローを行うといったようなことも検討を行っております。
 それから、区職員の対応の研修ということであります。区の職員が精神障害者の方への窓口対応を行うに当たっては、障害を理解した上で適切な対応を行うことが必要であります。保健福祉の窓口では、障害の特性などを理解した丁寧な対応が特に必要となりますので、所管の部署での研修を行っていかなければならない、こう考えております。
 それから、環境基本計画の目標値についての御質問がありました。国が25%という目標を示しているが、どうなるのかと、こういったことであります。現在、環境基本計画では、平成29年、2017年に2004年比で約10%削減する目標を掲げております。新しい中野をつくる10か年計画の第2次素案では、現行の環境基本計画の目標値よりも高い目標値を掲げることとしております。その目標値というのは、2019年に2005年度に比べて15%削減するという目標としているところであります。
 国が言われております25%について、どのような計画で進めていくのかということが全く明らかになっておりませんので、国がそういった計画を明らかにする中で、その計画を踏まえた区としての見直しもまた必要になってくるのかと、こう考えているところであります。
 区としての目標達成の方法であります。現在、区民のCO2削減行動を促進するために、地域エコポイント制度や、それを持続的に展開するための(仮称)環境基金や風力発電を活用する事業モデルの構築などの検討を進めているところであります。意識啓発に加えて、こうした実効的な施策によってCO2の削減を促進していきたいと、こう考えております。
 自動販売機をこれ以上ふやさないための対策を考えるべきではないかと、こういう御質問がありました。区内のそこここに「冷たい」とか「温かい」とか電気が点滅しているのはいかがなものかというのは、私も考えるところであります。CO2の削減努力が報われ、また、CO2を大量に排出する方が相応の負担や義務を負うという、そういう制度の構築も必要であると、こう考えているところであります。自販機についても、他のさまざまな事例とあわせて、できるのかどうか検討していきたいと、こう考えております。
 それから、核のない世界の実現のためにという項目での御質問もありました。中野区は「憲法擁護・非核都市」の宣言を行った自治体として、毎年さまざまな平和事業に取り組んでおります。こうした日常の活動を通して、平和に関する理念の表明、実現に努めていくことが適当であると、こう考えております。
 また、さまざまな形で海外の自治体との交流もふえてきているというようなことがありまして、地域の国際化、区民の意識の国際化といったようなことなども、平和を実現していくための一つの土台として大変重要な意味を持つと、こう考えるところであります。
 ニューヨークで開催される核不拡散条約再検討会議に区として人を派遣することは、全く考えておりません。
 私からは以上です。

〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、雨水流出抑制施設設置指導要綱、これの見直しについてのお尋ねにお答えを申し上げます。
 雨水流出抑制施設設置指導要綱でございますが、水害対策の一環といたしまして、河川への雨水流入を抑制し、水害発生の軽減を図るため、敷地面積300平米以上、これの新築であるとか改築を行う建築主に対しまして、この雨水流出抑制施設の設置指導を行っているというものでございます。
 お尋ねの平面駐車場への指導でございますが、時間貸しの駐車場など、その期間が極めて暫定的である場合も多いということもございまして、他区の状況も調べてみたいというふうに考えてございます。
 それからもう1点、新江古田駅周辺の放置自転車の対策でございます。
 区では、区内全域に放置防止指導員を状況に応じて1人から10名程度を乗り入れが集中する平日の早朝、これを中心にこの要員を配置してございます。自転車駐車場への案内ですとか整理、それから指導等を行っているという状況でございます。また、即時撤去につきましては、この新江古田駅周辺において月5回ないし6回実施をしているところでございまして、本年10月の調査におきましては、同駅周辺の中野区側の放置自転車の実数、これが13台ということでございました。なお、練馬区側の放置防止指導員の体制あるいは放置の状況も、練馬区に確認をしたところ、同程度であるというふうに聞いてございます。

〔まちづくり推進室長川崎亨登壇〕
○まちづくり推進室長(川崎亨) 江古田三丁目の合同住宅に関する御質問にお答えをいたします。
 まず、地元と都市再生機構との関係でございますが、独立行政法人都市再生機構が国から用地を取得するに際して、区は機構の照会に答えて、当該地域一体のまちづくりの方針を示しております。それに沿いまして、良好な居住環境を有する住宅地を形成すべく機構が事業を開始しているところでございます。区といたしましては、防災機能の確保でありますとか環境への配慮など、区の方針を十分に踏まえたまちづくりを求めているところでございます。あわせまして、地域の皆様への情報提供にも努めるよう求めており、機構は地域ニュースに記事を寄せたほか、地元町会への説明を行っているところでございます。
 続きまして、その合同住宅の防犯体制でございますが、住宅敷地の再整備に着手するまで、住宅敷地内の安全管理等を徹底するよう、都市再生機構や国に対して伝えております。国は団地管理人による巡視や非常時の連絡体制の強化を図っていると聞いております。今後とも国や機構が安全管理を着実に行うよう、区としても十分に関心を払っていきたいと考えております。
 続きまして、警大跡地の公務員宿舎についてでございます。これにつきましては、昨日区長が御答弁申し上げましたとおり、今後、事業仕分けの結果を受けた公務員宿舎の整備方針が変わるような動きがあれば、用地取得を含め、より望ましいスペースの確保につながる検討や関係省庁に対する働きかけを積極的に行っていきたいと考えております。
 以上でございます。

○議長(伊藤正信) 以上でせきと進議員の質問は終わります。

2009年第4回定例会【本会議・代表質問】岩永しほ子

【本会議・代表質問】
(2009年12月1日)

中野区議会議員 岩永しほ子

  1. 区政運営について
    1. 「貧困と格差」から区民を守る姿勢について
    2. 保育の公的責任を果たすことについて
    3. 公契約条例の実現について
  2. 新年度予算編成と「10か年計画(第2次)」について
  3. 図書館行政について
  4. その他
    1. 弥生町三丁目都営住宅跡について
    2. 補助金のあり方について

○議長(伊藤正信) 次に、岩永しほ子議員。

〔岩永しほ子議員登壇〕
○42番(岩永しほ子) 2009年第4回定例区議会本会議におきまして、日本共産党を代表し、質問を行います。

1 区政運営について


(1)「貧困と格差」から区民を守る姿勢について

 最初に、区政運営の「貧困と格差」から区民を守る姿勢についてお聞きします。
 国民の新自由主義的「構造改革」への怒りは政権を交代させました。ところが、区長は区民を幸福にするには構造改革が必要だとし、構造改革が深刻にした貧困の実態を、産業構造の転換の中では、成長する分野、後退する分野も出てくるのは当然と済ましています。
 しかし、構造改革は国際競争力強化を名目に各種の規制を緩和・撤廃し、市場競争原理を公共サービスにまで持ち込んで競争させた結果、大企業のますますの繁栄と中小・零細企業や農業などの衰退、雇用と社会保障破壊という結果をもたらしました。政府が公的資金の投入や税制、金融面での優遇などで幾重にも大企業を支援したため、日本経済は外需依存のいびつなものとなり、国民にとっては貧困と格差を拡大させることになりました。
 ことしも暮れには90万人以上が失業給付さえ打ち切られようとしています。生み出されたのは雇用と生活破壊だからこそ国民が否定したのです。改めて見解をお聞きします。
 雇用破壊は、正規雇用を非正規雇用に置きかえることから始まり、08年9月のリーマン・ショック後は、金融・経済危機を口実とした派遣切りなど、非正規労働者を使い捨てのように大量解雇し、それは正規労働者にも及びました。日本のように社会保障が不十分な上に削減してきた国では、雇用破壊は生活破壊に直結します。大企業は労働者を苦しめる一方で、深刻な不況下でも内部留保を依然増加させています。派遣労働が原則自由化された1999年から10年間で、実に218兆7,000億円もふやし、倍加させました。異常な内部留保のため込みは内需を縮小させます。
 この急増分を企業としての社会保障や雇用などに還元すれば、3%を超える経済成長が上積みとなり、また、税収増も国の補正予算の公債費発行額に匹敵すると試算されています。内部留保を還元し、内需を拡大するようにできるのは国の責任でもあります。その役割を果たすよう区長には国に求めていただきたい。見解をお聞きします。
 区長には、今こそ実効ある「憲法を生かそうくらしに中野のまちに」を実現し、25条「健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障する立場で、「貧困と格差」のない社会に取り組む姿勢を求めたいと思います。
 特に女性の貧困問題の中でも母子家庭は深刻です。就業構造基本調査によると、女性労働者の非正規率は1997年から10年間で男性の9.3ポイントを大きく上回り、11.3ポイントにもふえています。国民運動で生保の母子加算復活が確実になろうとしているものの、子どもが希望する進路・進学がさせられるか、人並みに教育を受けさせられるかなどの不安にこたえるには、同一労働で男性の65%しかない賃金の同一化、各種福祉手当の充実、教育費の無料化など、セーフティーネットの充実が図られなければなりません。区として女性の就職相談、生活資金相談の実施などを含めた母子家庭支援のワンストップ対応が求められます。見解をお聞きします。
 政府は、12月までに失業給付が切れる人は90万人以上に達すると発表しました。雇用保険の失業給付期間を延長する全国延長給付は閣議決定で変えられます。所定日数を超えた給付措置を現行のすべての受給資格者を対象に最大90日延長となり、財源となる失業給付積立金は2010年度末で4兆4,000億円も見込まれています。その措置ができるよう国に求めてください。
 また、昨日の臨時区議会では離職者支援のための補正予算が組まれました。現在、週3回実施の離職者支援への相談は34日間で400人とのことですから、さらにきめ細かい対応ができることを期待します。この支援事業は年末年始の対応がありません。区として年末年始の対応をとることを求めます。お答えください。


(2)保育の公的責任を果たすことについて

 次に、保育の公的責任を果たすことについてお聞きします。
 経済状況を反映して、さらに入園希望がふえ、区の待機児は毎年ふえ続け、今年度も4月当初、旧定義で327人の待機児がいました。これは児童福祉法24条に基づいた保育実施責任を区が果たしていないことになります。
 先日、昨年の1月に出産し、4月からの保育園入園ができず、認証保育所も定員オーバー、育児休暇もなくなり、泣く泣く退職せざるを得なかった。最近、ベビーホテルに入園したが、月8万4,000円の支払いは大変。10月にやっと認証保育所に入園できたが、保育料が高く、自営業の手伝いに加え、パートも始めた。認可保育園に入園できるようにしてほしいなど、保護者からの訴えがありました。
 このたび、区は来年3月に本郷保育園を廃止した跡を、弥生保育園の分園として活用する提案をしました。これまで区立園での対策を拒否していたことに照らせば前進です。町田市は、保育所を新設する20年間期間限定認可保育所制度を創設しました。土地所有者が建物を建て、社会福祉法人が借りて運営します。市の補助金は、通常開設時の財政負担より5分の1で済むそうです。23区でも次々と認可園の増設が打ち出されています。区も、桃丘小学校跡の活用など、認可園の増設を急ぐべきです。あわせて、11月1日に旧定義で400人にもなる待機児が来年の4月には全員入園できるようにすべきです。あわせてお答えください。
 厚生労働省委託研究の「保育所の環境・空間に係る研究事業」では、現行の最低基準以上になるよう求めていますが、民主党政権は保育分野での構造改革をさらに進めようとしていることは問題です。
 内閣府の地方分権改革推進委員会は、保育所などの最低基準の義務付けを廃止することを提起しました。長妻厚生労働大臣は、保育園の2歳児以上1人当たり1.98平米以上という設置面積基準を東京都など待機児童の深刻な都市部の一部に限り、地方自治体に基準を定める権限を移譲すると打ち出しました。10月30日には、認可基準に達しなくても新たに指定保育所と認める改悪案も出されました。
 保育所の規制緩和が進んだ01年を境に、認可保育園での死亡事故がふえているとの調査報告が報道されています。面積基準の引き下げは待機児解消までの時限的措置とのことですが、子どもにとっては一日一日がかけがえのない生活の場です。区は、このような面積基準の引き下げで待機児対策を行うべきではありません。見解をお聞きします。
 国基準は、全国どこでも一定水準の福祉が受けられるよう最低レベルを定めたものですが、60年前のままです。現状でも極めて低く、3歳以上の面積比では、ストックホルムの4分の1、パリの半分以下です。これを廃止し、自治体裁量にと地方にゆだねることは、厳しい自治体の財政状況から見て、今より基準が下回ることが予測されます。その結果、保育所をふやして待機児を解消するのではなく、今でも狭い既存の保育園に子どもを詰め込み、安全確保の問題や子どもの成長・発達の権利を脅かし、一人ひとりの子どもの発達に応じた保育をさらに困難にしてしまいます。
 国は、保育水準のあり方を示しながら、自治体が地域性を踏まえながら国の水準を超える多様な保育、子育て支援を展開できるよう、財政援助などの環境整備に責任を持つべきです。区の見解をお聞きします。
 さらに、東京都が推進する認証保育所制度をモデルに、保育措置制度を廃止し、自治体の保育実施責任をなくし、保護者と保育園が直接入所契約を結び、応益負担の保育料制度にとの検討も問題です。認証保育所は、保育所認可の東京都の基準をなくして、企業に独自の財政的支援をする制度で始めたものです。所管の都福祉局は、この制度は待機児対策ではない。保育の市場化を推進していくものであり、現行の保育システムそのものを変えていくものと位置付けを明確にしているように、児童福祉法が適用されない託児施設です。
 07年12月、都は法人事業税の一部を国税とすることを容認するかわり、認証保育所制度を支援するよう国に約束させた経過があります。保育制度の改悪は、あすを担う子どもの育ちを保障することにはなりません。国に保育制度改悪中止を求めるべきです。見解をお聞きします。
 都福祉局は、認証保育所創設にあわせ、認可保育園の水準引き下げを進めました。あわせて、田中区長の、より快適で安全な保育環境を計画的に整えていくとの全園民営化方針で、指定管理者園や民営化園がふえました。現在、私立保育園10園ですが、その私立保育園園長会から、保育士レベルアップなど研修制度向上の補助金、一時預かり保育制度の見直しと園単独事業としての予算措置、園舎建てかえ時の用地あっせんや必要経費の補助などが要望されています。これらの要望は当然であり、区はこたえなければなりません。対応についてお答えください。


(3)公契約条例の実現について

 次に、公契約条例の実現についてお聞きします。
 党議員団は繰り返し条例制定を求めてきましたが、区は業務委託などの事業者選定に当たり、事業実績、正規・非正規の割合などを評価し、選定し、区内の雇用をふやしているとの態度をとり続けています。その間に条例制定の自治体がふえています。
 千葉県野田市は、自治体の低入札価格が下請事業者や業務従事労働者の賃金低下を招く状況が起きていると、国に公契約に関する法律の整備と速やかに必要な措置を講ずることを求める一方、市の公契約条例では、公契約にかかわる労働者の賃金は、農水省や国交省の労務単価や市職員給与を勘案して決定。契約受注者には労働者のさらなる福祉の向上を求め、最低賃金額などを徹底すること、下請業者への支払い賃金が最低賃金を下回った場合、契約受注者が連帯して労働者に賃金を支払うことを義務付けています。
 ことし8月に区内小学校での工事を契約した会社が、その工事の下請業者に区の工事完了検査前に会社を整理すると通告しました。区の契約金の7割近い工事をした下請業者は約束どおりに契約金を払ってもらえず、困って区に相談しましたが、区は民民のことであり、区との契約者に支払いを済ませています。こうした区発注事業で起きた問題を救済できる何らかの仕組みとして、また、公契約事業従事者の労賃の保障など、公契約条例が必要です。お答えください。

2 新年度予算編成と「10か年計画(第2次)」について

 新年度予算編成と「10か年計画(第2次)」についてお聞きします。
 政府の行政刷新会議は、2010年度予算に向けた点検の事業仕分けを行いました。これはもともと小泉内閣時代の行政改革推進法によって規定されたものであり、民間の仕分け人には小泉構造改革を推進した人も多く含まれています。
 仕分けにより、最先端の研究などを含む国立大学運営費交付金削減に九つの大学長が連名で反対を表明。全国老人クラブ連合会理事は、無差別じゅうたん爆撃だと、一般病床への食費・居住費の新たな負担を批判。また、パート労働者の均等待遇推進等助成金の削減、延長保育事業の見直しなど、生活に直結するものまで削減の対象にした問題があります。聖域を設けないとしながらも、政党助成金や1,200億円もするヘリ空母などの軍事費を除外。思いやり予算は基地労働者の賃金水準を対象にし、グアム新基地建設予算は対象外。本当にただすべきむだな事業が対象になっていません。
 何がむだか見直しは必要ですが、効率性の観点ばかりで仕分けし、現場の意見を反映しない乱暴なやり方に批判が高まったのは当然です。今度の事業仕分けについての区長の見解をお聞きします。
 区の新年度予算編成方針では、第二次10か年計画の初年度に当たるため、計画の着実な推進を基本に経常的経費を抑制するとしています。とにかく新規事業はおろか、拡充事業も認めないという意気込みのようです。10か年計画の団体意見交換会では、計画実行の財源はすべて税金、計画を実行するための財源確保は難しいのではと問われ、国庫補助金など流動的な要素があり、現時点では盛り込めないと答弁しています。確かに新年度の財政状況は、税収の落ち込みや国の動向による財源確保など厳しさが十分予測されます。その中で駅周辺再開発などを進めれば、それだけ区民生活へのしわ寄せを受けるのは必至です。
 既に08年23区高齢者1人当たり老人福祉費では、中野区は119円、16位という結果です。区内事業者からは、区の発注が大幅に削減され、会社が成り立たなくなるのではないかとの不安が出ています。駅周辺のまちづくりはあるが、地域まちづくりが抜けているとか、北口開発に重きを置き過ぎている。まち活性化には既存のまちの発展が欠かせない。駅から離れた地域の施策が十分考えられていないとの批判も出されています。区民にこたえるためには、10か年計画で計画している駅周辺などの再開発をストップして、暮らし応援に努める予算編成を基本にすべきです。見解をお聞きします。
 区は、今年度中にサンプラザの再整備構想案をまとめ、それをもとに、まちづくり中野21が24年5月末までに再整備計画を作成するとしています。区長は箱物行政を否定して当選されましたが、区の身の丈に合った箱物は否定しないとの見解を示し、区民合意ができていた警大等跡地利用計画を一方的に転換し、今日のような大規模再開発を推進しています。この計画地の用地費が2倍に膨れ、民間主体であったサンプラザの出資が2億円から13億円に膨れ上がるなど、到底身の丈に合っているとは言えません。
 区に決定権があっても、金融団との協議がなければ、サンプラザ再整備計画も成り立ちません。計画立案を急ぐべきではありません。加えて、財政状況を勘案すれば、再開発を推進する10か年計画の改定は見送るべきです。見解をお聞きします。
 新年度の具体的な施策についてお聞きします。
 国民健康保険には、窓口負担を軽減する限度額適用認定証があります。このような減免制度は国保、住民税、介護保険など、事業ごとに紹介されています。区や都の減免制度がわかる手引き書の作成を求めます。
 次に、民主党が国民に約束した後期高齢者医療制度の廃止を先送りしたことに国民の不満が広がっています。加えて、来年度は後期高齢者医療制度の保険料改定に当たり、12%負担増との報道もあります。都にはオリンピック招致費用として積み立てた4,000億円があり、その活用方法が注目されています。そうした都に財政支出を求めることも含め、保険料の引き上げはやめるべきです。
 次に、65歳以上の死因の4番目が肺炎です。8,000円ほどかかる肺炎球菌ワクチン接種助成は、現在九つの区に広がっています。また、ヒブワクチンは区が実施すれば、都からの補助金があり、既に5区が実施し、実施決定や検討区もふえています。区の助成を求めます。
 さらに、区の保育園臨時職員の時給や税務事務アルバイト時給は830円、交通費別と募集しています。他区と比較しても低く、人材確保するためにもアルバイト賃金の引き上げを求めます。

3 図書館行政について

 次に、図書館行政についてお聞きします。
 教育委員会は、図書館への指定管理者制度導入を10か年計画で突然打ち出しました。導入自治体がふえていると言いますが、図書館設置自治体の1割にもなっていません。一方、導入しないと表明しているところは35%以上に上ります。23区では、荒川区、豊島区、渋谷区など9区が導入しないことを明らかにしています。図書館長は導入しない理由として、自主事業で収益を上げることを想定したこの制度が公共図書館になじむのか。5年程度のサイクルで交代することで、選書やレファレンスに欠かせない事例や経験の蓄積が継続できるかなど、たくさんの懸念が出されています。参議院では全会派一致の「なじまない」との附帯決議を出していますが、導入を否定したものではないと区教育長は答弁しています。
 中野区教育委員会として、指定管理者制度を導入する場合の問題点をどのようにとらえておられるか、お聞きします。また、窓口の民間委託による図書購入費の増額などと言われてきましたが、いまだに区民要望にこたえたものになっていません。今度も同じようにサービス拡充を図れると説明します。
 2006年の毎日新聞に載った図書館受託事業者が、図書館法に無料貸し出しの原則があり、入館者がふえれば赤字になる。全くうまみのない事業だと言っています。これが民間企業の本質です。教育委員会は、この制度により一層区民サービスの向上に寄与すると言われますが、それは教育委員会の怠慢です。この制度でなければ、質の高い、区民に開放された図書館サービスが提供できないのでしょうか、お聞きします。
 さらに、図書館の設置は、区内どこでも図書館と位置付け、身近なところで触れるよう充実するとしながら、交通至便なところでの整備をとも言います。これは矛盾します。本当に身近なところに図書館を整備するならば、少なくとも現在の8館体制を維持すべきです。お答えください。

4 その他


(1)弥生町三丁目都営住宅跡について

 その他についてお聞きします。まず弥生三丁目都営住宅跡の管理と活用についてです。
 弥生町三丁目にある都営川島町アパートは、ことしの3月末で廃止されました。跡地について、地域住民が利用できるよう区が購入することを求めた陳情が出された経過があります。あの密集地域にせっかくできた用地ですから、活用についてさまざまな期待があります。例えば区がいまだに具体化できない南部地域での特別養護老人ホーム建設と、すぐそばにある弥生福祉作業所保護者からは、親なき後に活用できる、そうした複合施設になどとの期待です。
 都が跡地利用を計画しなければ、売却ということになりますから、区として情報収集するなど、住民の切実な期待にこたえる努力を求めたいと思います。また、住民がいたときには、花が咲き、実がなる樹木などで区の緑化に貢献していましたが、現在はフェンスで囲まれて、雑草が生い茂り、町会などからの要請で都が草刈りをしました。街灯が残され、夜の暗さは解消されていますが、定期的な敷地の管理と安全対策を都に求めてください。あわせての御答弁を下さい。


(2)補助金のあり方について

 補助金のあり方についてお聞きします。
 区は、予算編成方針で、補助金・助成金の見直しを指示していますが、どのような視点で行うのかが肝心です。例えば前議会で問題にされた納税貯蓄組合は、毎年26万円程度が補助されています。区は、年1回提出される会報で事業を確認しているとのことです。06年度に会員名簿が作成されていますが、例年とほぼ同額の補助です。この組合への交付金条例は、申請内容の錯誤または虚偽があったときは返還させることができるとし、現在、補助金をめぐって住民監査請求が出されています。区は、組合員が4,000人と報告されましたが、その中には本人に承諾なしの人もいます。そうしたことが判明した場合、申告内容に錯誤または虚偽があるということになりませんか、お聞きします。
 現在、町会には、公益活動として、町会の加入・未加入にかかわらず、1世帯150円×世帯数を上限に補助が出ています。新たな事業委託をしようとする区に対し、町会への財政支援を考えるのかとの声もあります。区の補助金のあり方についての答申では、区当局は特定の区民や団体に特別の援助を行うことによって自由な批判を妨げるような結果を生じないようにしなければならない。補助金のあり方は、効果があること、重要性の優先、平衡を失わないこと、公平であること、範囲を限定することの5点が挙げられています。区はこの基準で補助金を実行してきたはずですが、見直しはこの基準を堅持して行われるものと思いますが、見解をお聞きします。
 以上で私の質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 岩永議員の御質問にお答えをいたします。
 いわゆる構造改革に対する見解についてという御質問がありました。構造改革ということが、大資本を支援して日本経済をいびつにさせたという、そういった御認識のようでありますけれども、グローバリズムという考え方があるのではなくて、私は世界がグローバル化している現状があると、こういうふうに認識をしています。お金も人も物も国境を越えて自由に動き回っている、そういう社会であります。そういう中にあって、日本の企業は、私たち日本人一人ひとりは、世界じゅうの人と、世界じゅうの国と競争を強いられる、そういう環境に生きているわけであります。そういう中で日本という国が将来にわたって安心して暮らしていくことができるような国にしていく。そのことが大切だというふうに考えております。そういう意味で、産業全体が強くなり、経済が強くなっていく。そのために改革をしていくことも必要だということがあると、こういうふうに考えているわけであります。そうした中で、経済が強くなっていくという中で、分野によって強くなっていくものがあったり、あるいは衰退をしていく。このこと、これもやむを得ないことだろう。こんなふうに思っております。
 そういうことの一方で、大切なのはやはりセーフティーネットをきちんと確立をすると、こういうことだと思っております。例えば同一労働・同一賃金といった労働賃金の仕組みをきちんとつくっていくであるとか、あるいは失業した方に対する給付、あるいは職業訓練の制度、そうしたものをきちんと機能するものにしていくと。そういったことも大変重要なことだと、こんなふうに考えているわけであります。
 それから、大企業がたくさん内部留保を現在持っているんだから、それを吐き出させるように国に求めるようにと、こういった御質問でありましたけれども、およそそういったことを国に要望することが区の役割とは到底考えておりません。少なくとも考えはということでいいますと、例えば企業の内部留保にいたしましても、一度に吐き出させれば企業の体力が失われて、新しい投資であるとか、あるいは企業運営の原資を損なうと、こういうことにもなっていくわけでありまして、そう簡単に、持っているんだから全部使っちゃいなさいと、こんなことを言って企業が強くなるとは思いませんし、企業が弱くなって企業が破綻すれば、またたくさんの失業者が出てくると、こういったようなことにもなるわけであります。
 それから、母子家庭支援のワンストップ対応についてという御質問がありました。区役所3階の子ども総合相談窓口では、母子家庭の相談窓口としてさまざまな相談を受けております。就職相談、生活資金相談などは関連分野や関連機関との連携を図り、相談内容の取り次ぎや紹介などを行って、母子家庭が必要な支援を受けられるように努めているところであります。
 それから、失業給付の期間の延長を国に要望するべきだと、こういったことであります。国が固有に持っている国の事務であります。そういう意味で国が現在の状況、また制度の目的等を十分に踏まえて判断をするべきだと、このように考えております。
 それから、年末年始の対応をということでの求めでありました。昨年の例も含めて年末年始の休業期間中の急迫保護、急迫する状態の方に対する保護ということですけれども、急迫の保護については、中野区の場合、多くの件数が出るとは、これまでのことなどを含めて考えられないというふうに考えております。例年どおり宿直等の対応や連絡体制をもって十分に対応していきたいと、このように考えております。
 それから、待機児解消対策についての御質問がありました。待機児童の解消につきましては、区立保育園の建てかえ・民営化による定員増や認証保育所の開設誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えでありまして、来年の4月までに大幅な定員増を見込んでいるところです。
 本年4月時点での認証保育所等へ入園している児童を除いた待機児童数は190人でした。この規模への対応は十分できるようになると、こう考えております。
 それから、保育所の最低基準についての見解についての御質問がありました。地方分権改革推進委員会の第3次勧告に対して、公表された厚生労働省の対応方針では、施設等の基準についてはすべて条例に委任した上で、人員配置基準、居室面積基準及び人権に直結する運営基準に限り、全国一律の最低基準を維持することとされております。なお、東京等に限り、このうちの居室面積基準だけは待機児童解消までの一時的措置として自治体が合理的な内容を定めることができるとしているわけであります。こうした自治体の自主性と、また実情に応じた対応、自治体なりの工夫を凝らした対応をしていけるような形にしていくと。このことについては、私としては歓迎していきたいと、こういうふうに考えております。
 しかしながら、厚生労働省の対応方針は、まだ今のところ方針ということであります。この考え方は、子どもの成長や発達、人権の保障、そういったことに配慮したものであると考えているわけでもありますので、具体的に制度変更になった場合には、区として適切に対応していきたい、こう思っております。
 それから、保育制度の改悪を中止することを求めるようにと、こういうことであります。保育制度につきましては、地方分権改革推進委員会のほか、規制改革会議や社会保障審議会少子化対策特別部会などでそれぞれ議論されてきていたわけでありますけれども、現在、国として保育制度改革の内容の取りまとめが行われているわけではありませんので、中止を求める対象がないと、こう考えております。
 それから、私立保育園からの要望に当然対応していくべきだと、こういう御質問であります。私立保育園に対しましては、私立保育園側と十分な協議を行って、必要な支援を行っていきたいと、こう考えております。
 それから、公契約条例の実現についてという御質問がありました。契約は、区と元請会社が行うものであります。下請と元請との関係等については、民民の関係となります。直接区が立ち入ることはできません。しかし、下請業者に対して工事代金の支払いを遅延しないようにといった元請事業者に対して文書によって適切な指導を行っているところであります。こうした取り組みを具体的に行っておりますところから、公契約条例を制定していきたいという考えは現在は持っておりません。
 それから、事業仕分けについての考え方についてという御質問がありました。これは先ほど申し上げたとおりでありますけれども、現在のやり方を見ておりますと、これがどのように予算に反映されていくのかというのは不明なところだと思っておりますので、今後その推移を見守っていきたいと、こう思っております。
 国民の目に見えるところで財政のむだが議論され、評価されるようになった。このことは大変歓迎すべきことだと考えております。しかし、事業仕分け全体のあり方については、先ほど申し上げましたように個別の事業だけを取り上げて、そして、いいか悪いかといったような形で見ていくと。そういうやり方では行政活動の全体を改善する見直しにはつながっていかないのでありまして、先ほども言いましたように中野区の取り組みなどもぜひ勉強していただいて、PDCAサイクルを国の運営に取り入れていただきたいと、こう思う次第であります。
 それから、財政調整交付金の認識についてであります。過去に例を見ないほどの厳しい経済状況であります。そういう意味で緊縮財政を基本とせざるを得ない。このことはどなたも認識していただいていることだと思っております。そういった中でも事業の優先順位を明確にして、区民の暮らしを守るために必要な施策は着実に実行していきたいと、こう考えております。
 サンプラザ地区の再整備については、昨年区議会で議決をいただいたサンプラザ地区にかかわるまちづくり整備の方針の議決時における区議会の付帯意見も踏まえ、サンプラザ地区再整備構想案の策定に取り組んでいるところであります。
 中野駅周辺開発の優先をしている10か年計画の改定ならば、やめたほうがいいのではないかと、こういう御質問でありました。改定中の10か年計画も現行の10か年計画と同様、優先的に取り組む戦略としてまち活性化、地球温暖化防止、元気いっぱい子育て戦略、健康・生きがい戦略といったようなことを位置付けているところでありまして、10年後の中野に向けてバランスよく取り組みを進めていきたいと考えております。
 それから、さまざまな制度の減免制度がわかる手引をつくるべきだと、こういう御質問でありました。特別区民税及び国民健康保険料、介護保険料については、それぞれ法、条例によって減免の要件が定められております。対象者からの申請によって、個々の事情を判断して決定しているものでありまして、第1に直接窓口または電話で担当に相談してもらうことがスムーズな手続につながると考えております。
 それから、納税貯蓄組合に関連してであります。納税貯蓄組合連合会に対する補助金交付に当たっては、同連合会を構成する納税貯蓄組合の組合員数、これについては交付の要件とはなっておりません。
 それから、団体の補助金のあり方についてであります。現在、この補助金については、公益性の観点から行っているわけでありまして、町会・自治会活動について交付している助成についても、活動の実績を反映した内容となっておりまして、適切な補助であると、こう考えております。
 補助金については、対象事業の目的や成果等を勘案し、実情や評価も踏まえ、区民の多様な公益活動を生かし、地域で役立てていく上で適切な補助となるように実施をしているところであります。
 私からは以上です。

〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) アルバイト賃金の引き上げについてお答えいたします。
 アルバイト賃金につきましては、毎年、職員の給与及び他の自治体の賃金を考慮して決めているところでございます。来年度については現在、検討、調査をしているところでございます。

〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 図書館行政につきまして、お答えいたします。
 まず、中野区として指定管理者制度の問題点はどう考えているかということでございます。現行の業務委託につきましても適切な運営が行われておりまして、指定管理者制度が導入された場合も、効率的、効果的な運営が適切になされるものと考えております。
 それから、指定管理者制度以外に、本当に区民サービスの向上はできないのかという御質問でございます。常に最小の経費で最大の効果を上げることを念頭に置かなければならないと思います。指定管理者制度におきましては、事業者によります主体的なマネジメントが可能となりまして、さまざまな経営や事業執行としての工夫改善が生かされ、区民サービの向上に資するものと考えております。
 次に、8館体制を維持すべきだという御質問でございます。さきに取りまとめました「図書館の新しいあり方」に示したとおり、今後、地域図書館の整備を図っていく場合、多くの区民にとって利用しやすい交通の利便性の高いところで、必要な施設規模、内容と機能を有するものとして整備を進めていく考えでございます。

〔副区長西岡誠治登壇〕
○副区長(西岡誠治) 私からは、弥生町三丁目都営住宅に福祉施設等の整備を要望することについてお答えいたします。
 当該都営住宅跡の活用方針については、いまだ都から何ら方向性が示されていない段階でございます。都に要望することに意義がございますのは、都が公有地として保有をする場合でございます。都も私ども中野区と同様に財政状況が一層厳しくなっており、都が直接活用を行うことが可能かどうかについては、都の判断によるものでございます。今後の推移を見守ってまいりたいというふうに考えております。

〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 後期高齢者医療における保険料の改定についての御質問にお答えいたします。
 現在、広域連合では、国の概算要求ベースで保険料改定の検討をしているところでございます。負担の軽減につきましては、今後、国の措置などの考え方が示されていくことになります。広域連合としても保険料の負担軽減について、国、都、関係機関に要望していく考えであると承知しているところでございます。

〔保健所長田原なるみ登壇〕
○保健所長(田原なるみ) ワクチン接種の公費負担についてお答えいたします。
 まず、肺炎球菌ワクチンにつきましては、国の検討会が治験を収集しつつ、有効性・安全性等の研究を進め、国としての考え方が示されることとなりますので、その検討の推移を見守りたいと考えております。
 次に、ヒブワクチンにつきましては、区議会からも国に意見書を出していただいておりますが、予防接種法上の位置付けがなされていない状況でございます。財政状況が極めて厳しくなっていることを踏まえまして、助成の実施につきましては慎重に判断してまいります。

〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) 弥生町三丁目都営住宅跡の管理についてお答えいたします。
 これまでも適切な管理について申し入れを行ってきたところですけれども、今後とも地域の声は適切に伝え、対応を求めてまいりたいと考えております。

○議長(伊藤正信) 以上で岩永しほ子議員の質問は終わります。

2009年第3回定例会【決算特別委員会・総括質疑】せきと進

【決算特別委員会・総括質疑】
(2009年10月1日)

中野区議会議員 せきと進

  1. 警大跡地大規模再開発の問題について
  2. 雇用と住宅の施策について
  3. 資源化事業について
    1. 蛍光管について
    2. 剪定枝、落ち葉について
    3. その他
  4. 哲学堂公園と野方配水塔について

○せきと委員 2009年第3回定例会決算特別委員会に当たり、日本共産党の立場から、総括質疑を行います。

1 警大跡地大規模再開発の問題について

 初めに、警大跡地大規模再開発の問題について伺います。
 私たちは、これまで警大跡地の大規模再開発は、中野駅周辺の巨大開発の呼び水であり、開発が開発を呼ぶ、とめどない開発の連鎖によって、区の費用負担は際限なく膨らむのではないか。だから、警大跡地の再開発に踏み出してはならないと繰り返し主張してきました。
 まず伺います。警大跡地の事業費総額は幾らになりますか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 警察大学校跡地の整備費ということで、まず中野区が整備をいたします都市計画公園と道路がございます。都市計画公園につきましては、現在設計作業中でございます。ちなみに、この都市計画公園と道路、用地取得につきましては、約132億円を要したところでございます。整備費につきましては、現在設計作業中でございまして、具体の数値は現在お示しすることはできません。

○せきと委員 では、中野駅地区の事業費総額は幾らになりますか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 中野駅地区についてでございますが、こちらは今年度中に具体的な整備の計画でございます。中野駅地区整備計画案を作成する予定でございます。整備費につきましても、この検討の中で深めてまいりたいと思っております。現時点では、そちらにつきましても、具体的な数値でお示しすることはできません。

○せきと委員 全体の規模がいまだ明確でないものに突き進もうということであります。
 次に、開発協力金について伺います。
 2008年度決算に関連いたしまして、財政運営の考え方(2008改定)の中で、2008年改定の説明で、2008年度、開発事業者から40億円の開発協力金が入る見込みと承りましたが、これは支払われましたか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 平成20年度でございますが、こちらについては開発協力金、これはまだ御協力をいただいてございません。

○せきと委員 なぜ入ってこなかったのですか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 開発協力金につきましては、御協力いただく時期等につきまして、開発事業者と協定を結ぶこととしてございます。平成20年度はまだそちらの協定を結ぶ段階に至っていなかったということでございます。

○せきと委員 2007年改定の財政運営の考え方でも、同じように2007年度、19年度中に入金見込みと書かれていたものが入ってこなくて、結局20年度に回ったものであります。
 それでは、ことし21年度、2009年度は入ってくるのでしょうか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 現在、開発事業者とこの協定につきまして協議をしているところでございます。

○せきと委員 開発者負担の原則というのが最初に議事録にあらわれるのは、2003年6月でありました。道路や公園等の都市基盤の施設整備につきましては、開発者による整備の手法を追求していきたいと区は述べておりました。途中から、中野区も開発者の一員であるとの見解が示されるなど、形を変えてきた開発者負担の原則ですけれども、最終的には2006年12月に開発協力金として条例と要綱がつくられました。開発協力金の問題点については、任意の寄附金に過ぎないこと。金額が妥当かどうか、検証するすべが何もないこと。警大跡地の開発事業者が支払う協力金であるのに、その協力金は警大跡地では使うことができないことなど、これまでも指摘をしてきたところであります。警大と中野駅の事業費、まだ未定というお答えをいただきましたけれども、今後はそれに加えて区役所やサンプラザと、開発がどんどん波及していって、開発の総額がどれほどに膨らむかは想像もつきません。改定されましたグランドデザイン、バージョン2、全体構想の第2版を見ますと、策定範囲をこれまでの80ヘクタールから110ヘクタールへと大幅に拡張してしまっております。これは、私たちが指摘してきたとおり、開発の規模がどんどん膨らんでいくということの証左だと思っております。
 一方、その財源はというと、2年続けて開発協力金の見込みが外れた問題ですとか、今後の区役所整備には国や東京都の交付金が期待できないなど、将来、区民に負担が転嫁されることは間違いないのであって、到底認めることができません。
 さて、グランドデザイン、バージョン、全体構想のこの第2版では、10か年計画の改定素案にも見られますけれども、これまで「中野の顔づくり」としていたのを、「東京の新たな活動拠点」と、範囲だけではなく、その志も大きく拡張しております。第2版で区は、次のように述べています。「中野駅周辺は、(中略)多摩方面からセンターコア再生ゾーンへ向けたにぎわいの玄関口を形成している」、このように書いてあります。この描写が本当にふさわしいのは中野駅周辺だろうかと疑問に思います。大半の人が「多摩方面からの玄関口」と聞いて思い描くのは、新宿ではないでしょうか。大体、玄関口は敷地内になければおかしいのであって、中野駅はセンターコア再生ゾーンの外にあるのですから、玄関口という位置付けは間違っております。玄関先が正しい描写であります。東京の新しい活動拠点は、身の丈に合わない大風呂敷であり、区民の理解は得られないと思いますが、いかがでしょうか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) グランドデザインにつきましては、これまで数多くの意見交換会を実施させていただきました。その中で、区民の方々からは、期待をする声も大変多くちょうだいしているところでございます。私どもは、この中野駅周辺のまちづくりを通じて、東京の新たな活動拠点となることで、より力強く中野区全体の経済や活力を牽引するものだというふうにとらえております。グランドデザインで示したまちづくりを着実に進めることで、実現できるものと考えております。

○せきと委員 玄関口は新宿がよりふさわしいのではないかということを申し上げましたが、その新宿で、新築ビルの空室が今大変に目立って仕方がありません。都心の五つの区における業務施設の空室率は18カ月も悪化を続け、ことし8月にようやく横ばいの7.57%となりました。ただし、新築に限った場合、空室率は25.11%になります。中でも新宿は見るにたえない惨状を呈しており、区全体で8.74%、新築の場合は何と48.35%、人ごとながら、本当に心配になってしまいます。警大跡地に建築される業務・商業施設について、区は入居率をどれぐらい見込んでいるのでしょうか。土地所有者である中野駅前開発特定目的会社は、つくった建物の入居率まで面倒見るのでしょうか。その責任はありますか。空室が余りに多かった場合、どういうことになりますか。お答え願います。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 特定目的会社の事業責任等についてでございますが、民間企業が建設する建物、その入居率ですとか、空室が多く出た場合の対処、これにつきましては、各企業の事業性にかかわることとなってしまいます。これについて、区としてはお答えできるものではないというふうに考えております。
 ただ、事業者は、この厳しい環境下におきまして、懸命に戦略を練り、みずからの責任や判断で計画を推進しているものでございます。警大跡地の開発につきましては、まさに中野区の活力を牽引するリーディングプロジェクトだという認識を区も、事業者も持っているところでございます。よりよいまちづくりを目指して、ともに計画を推進しているというところでございます。

○せきと委員 区は、来年度早々にも第三セクターを設立すると言っております。よその自治体を見る限り、貸しビル業が失敗した際には、このタウンマネジメント、まち管理会社が責任を負っております。この例が当てはまるならば、警大跡地の事業不振のツケは、結局中野区に回ってくるということではありませんか。新宿で半分しか埋まらないものが、中野で埋まるとはとても思えません。
 区が警大跡地に超高層建築を呼び込もうとしていることについて、我々は機会あるごとに見直すよう求め、立ちどまるよう忠告してきました。開発者負担の原則や、際限なく広がる事業規模と中野区負担の問題は、2003年から何一つ解決しておりません。そればかりか、経済危機にまつわる空室の問題など、問題はむしろふえる一方なのではないでしょうか。このまま突き進んではならないことを声高に訴え、この項の質問を終わります。

2 雇用と住宅の施策について

 次に、雇用と住宅の施策について伺います。
 米証券大手のリーマンブラザーズが破綻したのは、昨年9月15日、リーマンショックから1年が経過しました。内需を壊し、外需に頼った日本経済のゆがみが顕現した1年でもありました。2008年10月~12月期における国内総生産の落ち込みについて、日・米・独・仏・英5カ国を比べますと、日本13.1%の減少、アメリカ5.4%減、ドイツ9.4%減、フランス5.5%減、イギリス7.0%減、震源地の米国よりも日本のほうが大きな損失を出したことがわかります。聖域なき構造改革路線が、極端な外需頼み、外貨依存の道をたどりました。よく「アメリカがくしゃみをしたら、日本が風邪を引く」と言いますが、風邪で済まない体質にみずから改変してしまったため、外貨が崩れたあのとき、ただならぬ打撃をこうむったわけであります。
 厚労省によれば、派遣切りや雇いどめに遭った人は、昨年10月からの推計で23万人にも上ります。寮を追い出されて住居を失った人は3,400人、緊急対策が迫られる中、本日10月1日から厚労省が設置した「失業した人に住宅手当を支給する制度」が始まりました。これはどんな制度なのか、御紹介ください。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 国の住居喪失離職者などに対する支援の概要について、御説明をいたします。
 国の制度は、三つの支援策が柱となっております。第1の支援策は、住宅手当特別支援措置事業といいまして、先ほど委員が説明をされましたように、離職者であって、就労能力及び就労意欲のある方のうち、住宅を喪失したり、または喪失のおそれのある方に対して住宅手当を支給するということで、住宅及び就労の機会の確保を目的としたものでございます。また、この支援については、就労相談員を配置しまして、生活や就労の支援を行うといったものでございます。
 次に、第2の支援策としまして、先ほどの住宅手当を支給すると説明いたしましたが、この住宅手当を支給するまでの間に生活費が必要な方には、臨時特例つなぎ資金といった制度で資金の貸し付けを行うといったことも行います。
 また、第3の支援策としましては、総合支援策として、就職が決まるまでの生活支援費や一時生活再建費を貸し付けるといったようなものもございます。
 この第1に御説明しました住宅手当を支給するものにつきましては、市区町村の福祉事務所が中心となって担い、第2、第3の生活資金の貸し付けなどにつきましては、社会福祉協議会が担うという仕組みとなっている制度でございます。

○せきと委員 ありがとうございます。この制度は、9月20日の区報でも紹介されておりますが、問い合わせは多いのではありませんか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 問い合わせは多く、就労相談員を1名配置しておりますか、その相談員とあらかじめ就労面接を行うことになっております。この面接の予約も、もう既に二日ほどいっぱいとなっております。

○せきと委員 もう大変問い合わせも、予約もいっぱいであるということであります。離職によって、住居を喪失、またはそのおそれのある方へ住宅手当緊急特別措置事業、こういう制度でありますけれども、区はこれをどのように評価していらっしゃいますか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 生活困窮に陥る前の方を対象とした新たなセーフティネットの施策としての構築は、評価に値するものと考えております。区としましては、こういった動きと連動しまして、今年度補正予算のほうで区の単独事業として入居初期費用の給付についても実施したところでございます。

○せきと委員 緊急一時の施策とはいえ、いよいよ家賃補助に踏み切らざるを得ない状況が生まれたと言えます。蕨市のように、ネットカフェへ寝泊まりする人へ、その店の住所で住民票を置くことを認める自治体もあらわれました。こうしたせっかくの救済措置も、安定雇用をふやさない限り、長続きはしません。
 そこで、就労支援について伺います。
 まず、生活援護の窓口へ就労関係の相談がふえているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 就労関係の相談はふえておりまして、厚生28の資料をごらんになってください。それをお示ししながら御説明したいと思いますけれども、稼働者の離別や手持ち金の減少といったようなものはふえております。こういった項目の中に、就労の相談業務がふえているということがございます。

○せきと委員 この厚生28の資料を見ましても、相談件数全体がぐんと上がっているとともに、手持ち金の減少が相談原因であるといった方の数もぐっと上がってきております。手持ち金がないということは、おそらく仕事がないということでありましょうから、こうした就労支援の緊急性がいよいよ高まっているのではないかと、このように思います。
 先日の総括質疑でも、幾ら探しても仕事につくことのできない社会状況が、この1年間で生活保護受給世帯が急増している大きな理由として挙げられる、こういう報告でありました。ことし7月の完全失業者数は、1年前と比べ103万人増の359万人であり、そのうち会社都合で失職した人は前年比2倍近くふえて121万人に上ります。完全失業率は、全体で5.7%でありますが、25歳未満では9.9%、25歳未満の男に絞ると12.0%、青年が多く住むまち中野区として深刻な事態であると言えましょう。中野区は、ことし2月、合同就職面接会を行いましたが、その結果をお聞かせください。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 2月13日にハローワーク新宿と共催で合同就職面接会を開催いたしました。会場は、勤労福祉会館となってございます。求人事業者は20社、人材確保に苦労する介護保険事業者を10社という内訳で、実施をいたしました。求職者は184人、採用人数は13名という結果でございます。

○せきと委員 半数が介護関係という話でありました。応募が184名という多さも驚きますけれども、そのうち就職に13名しか結びつかなかったという少なさも、大変な心配事であります。20年度の補正予算で、無資格者が訪問看護員の資格を取得するときに、中野区が10万円まで手当を出す制度ができました。今年度も続いておりますが、区民の利用状況はどうか、お知らせください。

○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 当該の資格取得助成は、無資格者の新規採用、または資格を取得することを条件に新規採用の内定を行った介護事業者に対しまして助成を行うことにより、雇用を促進するというものでございます。昨年度の実績は、助成の活用をした人数は8名でございます。今年度は、9月末現在、5事業者、5名の申請を受けてございます。

○せきと委員 昨年度8名、今年度5名というお話しでした。昨年度の区が見込んだといいますか定員枠、予算をつけた人数は、昨年度、今年度、それぞれ何人ずつでしたか。

○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 昨年度は10名で予算措置をしてございます。今年度は45名を想定して、予算措置をしてございます。

○せきと委員 昨年度は10分の8でしたけれども、今年度は、今のところですけれども、45分の5と、大変就職につながっていないと言わざるを得ない状況だと思います。就労希望者が多い一方で、介護の現場では人手不足が続いております。介護職の就労がふえない、あるいは長続きしない理由は何だと考えますか。

○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) 介護職の就労につきましては、夜勤があるとか、それから多忙な業務であるとか、労働条件が厳しい。その割には、他の業種に比べて賃金が安いのではないかということが一般的に言われていること。こういった実態がございまして、介護職の雇用、あるいは定着につながりにくい状況かなというふうに認識してございます。

○せきと委員 私もそのとおりだと思います。国の介護報酬が低過ぎることが、まず最大の原因だろうと思っております。また、介護労働現場がいかに過酷かと、こういう番組をこれでもかと放送しているテレビの悪影響もあるかもしれません。区として、この制度の周知や事業者への働きかけということはされておいでですか。

○遠山保健福祉部副参事(介護保険担当) この制度を活用して、その従事者をふやしていくということにつきましては、対象事業者にこの助成制度を活用するよう働きかけているところでございます。
 また、先ほど御質問にもございました合同面接会、昨年2名の実績がございますので、そういったことも期待しているところでございます。

○せきと委員 ありがとうございます。ますますの御努力を期待いたします。
 その就職面接会ですが、杉並は昨日、9月30日に就職面接会を実施いたしました。杉並区は、今年度合計3回、来年度はさらに回数をふやしたいと申しております。中野区としても、年1回と言わずに面接会を年度内に複数回開催すべきではありませんか。また、昨今の厳しい就労条件をかんがみるに、就労支援のさらなる体制強化が必要と考えます。お答えください。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 就職面接会につきましては、21年度、今年度につきましては2月に予定をしてございます。また、今後につきましても、ハローワークと調整をしながら、ミニ就職面接会の開催など、検討してまいりたいと考えてございます。

○せきと委員 ぜひ多くの方が就労につながるような施策の充実をお願いしたいと思います。
 次に、住宅施策に移ります。
 住む場所を失った人への家賃助成は、麻生政権、よくやったと思います。しかしながら、他方、生存権を保障する目的で新家賃を助成するのであるなら、住む場所を失ってからではなく、住む場所を失わせない施策こそがまことのセーフティネット(安全網)ではないかとも思うものであります。
 中野区住宅白書2008には、区民が中野区外へ引っ越してしまう転出の理由として、「家賃・地代が高いから」というのが第2位に挙がっていますが、家賃が高過ぎるために中野区に住んでいられなくなった人が多いと考えて間違いありませんか。

○登都市整備部副参事(住宅担当) 家賃そのものはいわゆる市場関係、マーケットメカニズムによって形成されておりまして、中野区内がほかと比べて特に高いというようなことは一概には言えないと思いますが、借りている人にとっては高いと感じている方が多いのかなと思います。

○せきと委員 中野区だけが特別高いというわけではないというのは、もちろん承知しております。都内23区が特に全国と比較しても高いという傾向は出ています。また、家賃が高いこと自身は中野区の責任ではありませんが、そこに住んでもらうためにいろんなことが考えられるのではないかと、このように思います。
 新宿区は、学生・単身勤労者向け家賃助成制度をやっておりますけれども、こうした制度はやはり必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○登都市整備部副参事(住宅担当) 学生ですとか、あるいは勤労単身者、若い層でございますけども、こういった方に対する家賃助成、新宿区がやっておりますけども、月1万円、30人の方に支給しているということでございますけども、中野区としましては、区独自でこういった家賃助成については考えていません。

○せきと委員 2008年の住宅土地統計調査が発表されました。空き家率は、平成15年の12.2%から13.1%に上昇し、過去最高。空き家が全体でふえてはいるが、家賃が安い住宅はむしろ不足と、このように出ております。神戸大学大学院の平山洋介教授は、次のように述べます。「家賃補助を制度化し、供給すれば、たくさんあいている家を住宅に困っている世帯に配分でき、大きな政策効果が上がると思う。欧米で家賃補助が拡大したのは、住宅ストックを有効に利用し、住宅保証に役立てるためである。日本政府が家賃補助制度に踏み切った意義は大きい。住宅施策の流れは、家賃補助の方向に向かっていくに違いない」と、このように考えております。
 さて、生存権を保障する上での家賃助成とは別に、子育て支援兼定住応援といった性質の家賃助成もあります。
 まず伺います。子育て世帯の人口動態、定住か、転出かといった傾向について、区は把握していらっしゃいますか。

○登都市整備部副参事(住宅担当) 中野区の動向でございますけども、18歳以下の子どもを持っている世帯、特に30歳代の世帯につきましては、転出が多いという傾向が見られます。

○せきと委員 第3次中野区住宅マスタープランにもそのとおりの記載がされておるとおり、区内へ引っ越してきた人、転入者よりも、出ていく転出者が多い。子育て世帯にはそういう傾向があると言えると思うんです。中野区住宅白書に戻りますと、30代男女の7割が「ずっと、または今のところ住み続けるつもり」と回答しているのに、実際には住み続けることができずに、子育て世帯は転出超過、転出のほうが多くなっているという様子になってしまっております。中野区は、子育て世帯の定住支援、住み続け応援のためにどんな施策を行っていますか。

○登都市整備部副参事(住宅担当) 定住への支援ですけども、住宅政策に限りますと、例えば区営住宅ですとか区民住宅のような、区が直接住宅を提供するという施策がございます。それ以外に、都営住宅や住宅供給公社の住宅の建てかえの際に、ファミリー向け住宅の供給の促進、これを要望しておりますし、また、現在区有地を活用して民活への供給ということにも取り組んでいるところでございます。

○せきと委員 先ほども指摘しましたが、家賃が高過ぎることが転出理由の上位であります。これらの人たちは、7割が住み続けるつもりだったのに、転出してしまったというわけです。
 賃貸住宅にお住まいの中野区民に、子どもが生まれたとしましょう。子どもは地域の宝であるし、親御さんにも先々地域活動の面で期待がかかります。こういう御家族が区外に出ていってしまうのを、ただ手を振って見送ってはいけません。どこかに引っ越そう、どこに引っ越そうかと考える際、中野区に住みかえ支援があったなら、中野区かそうでないかという二択が先に頭にあると考えます。北区、新宿区、台東区、豊島区、文京、目黒が子育て世帯に対し、家賃助成や同じ区内での住みかえに限り手当を支給する。所得制限等はありますけれども、こうした制度を実施しております。子育て支援、区内定住応援の観点は多分にあると考えます。中野区にはそれがないから、引っ越し先を考える人は、真っさらに近い状態で検討を始めていないだろうかと、このことであります。中野区も家賃助成を検討すべきと考えますが、いかがですか。

○登都市整備部副参事(住宅担当) 家賃は生活費の一部でありまして、区独自でそういったところに助成するということは、現在のところは考えておりません。

○せきと委員 今後とも、この問題については求めていきたいと思います。ありがとうございました。

3 資源化事業について


(1)蛍光管について

 次に、資源化事業について伺います。最初に、蛍光管についてであります。
 私がことし2月20日の本会議質問で、蛍光管の資源化に取り組むよう求めたところ、区は、「不燃ごみとして家庭から排出される蛍光管は、清掃一部事務組合の不燃ごみ処理センターで資源の回収処理がされております。区としては、資源回収は考えていないところであります」とお答えになりました。蛍光管の物質構成を見てみますと、重量比でガラス92.2%、電極ほか3.9%、口金1.6%、このようであります。
 まずお尋ねします。経済産業省の品目別廃棄物処理リサイクルガイドラインでは、使用済み蛍光管についてどのように記述されていましたか。

○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) お尋ねの経済産業省の品目別廃棄物処理リサイクルガイドラインでございますが、そこでは「事業者は「3R」に配慮して設計を進め、蛍光ランプの小型化、長寿命化、水銀使用量の減量化を進めること」などが記されていることは承知してございます。また、自治体による回収・リサイクルの支援、広報普及活動の実施及びリサイクル技術の開発等の取り組みの推進なども記述されてございます。

○せきと委員 この自治体による回収・リサイクルとあるからには、一般家庭から排出される使用済み蛍光管を自治体が回収し、リサイクルすることが、経済産業省としては望ましいと考えているというふうに読み取ることができると思います。
 さて、清掃一組の不燃ごみ処理センターに電話で確認しました。ここで行っている資源回収とは、まず破砕して、次に自動選別機にかけて鉄とアルミを回収することであって、蛍光管の9割を組成しているガラスは一向に回収されません。蛍光管には口金にわずかにアルミが使用されているものの、これは全体で見ればごく微量であります。蛍光管の資源化とは何かと申しますと、日本電球工業会は、使用済み蛍光管の資源有効利用に当たっては、まず封入されている水銀の回収と、資源としてリサイクルすることが優先されなければならないとしております。ところが、清掃一組不燃ごみ処理センターでは、口金のアルミが回収されているかもしれないといった程度であって、電球工業会が優先されなければならないとした水銀はもとより、蛍光管の9割を占めているガラスさえも有効利用はされていないというのが実態ではありませんか。これで資源の回収がされておりますという御答弁は、本当に残念でなりません。
 そこで伺いますが、中野区環境基本計画が2008年5月に、中野区一般廃棄物処理基本計画が2006年にそれぞれ改定され、蛍光管の取り組みが大きく後退してしまっておりました。特に、一般廃棄物処理基本計画は、これまで「蛍光管や水銀体温計等の拠点回収及び資源化を検討します」と書いてあったものがそっくりなくなってしまいましたが、この理由をお聞かせください。

○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) 蛍光管の資源回収につきましては、回収したものを安全に集積しておきますストックヤードが必要なことから、区では清掃工場の建設計画の中で、こうした資源化施設の整備を考えてございました。しかしながら、工場の建設計画自体が見直され、資源化のための環境整備ができなくなったという経過がございます。こうした状況の変化や、蛍光管を行政が回収し、資源化することには財政負担も大きいことから、平成16年に改定しました一般廃棄物処理基本計画では、記述を削除したところでございます。

○せきと委員 日本電球工業会によりますと、この蛍光管に使用される水銀は無機水銀であって、人体への影響は少ないとされております。しかし、これが川や海に放出された場合、微生物によってメチル水銀に変化をし、食物連鎖を通じて魚介類に取り込まれ、行く行く人体へも影響を及ぼす。こういう指摘もされているところです。経済産業省が憂慮しているのは、水銀を回収してほしいということであります。国産の蛍光管に含まれる水銀の全体の量、総量は、国内年間需要の水銀量の23%という大きな比率を占めております。これを有効に活用し、再利用すればよいものを、このうち85%も埋め立て処分しているという状況であり、もったいないし、毒であると、このように私は考えます。
 蛍光管の資源化は、予算上の問題があるとおっしゃいましたけれども、私はそうは思いません。資源の曜日に集積所に出して、収集車がスプレー缶を集める要領で回収する。清掃事務所など拠点の角に蛍光管だけを一まとめにしておいて事業者に渡せば、それで済む話であります。品川区が集積所で、中央区は小学校、江東区は事業所で、蛍光管の拠点回収を行っております。中野区にも蛍光管の資源化の検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) それぞれの自治体では、資源化施設の整備状況、財政状況、それからごみの排出実態、こうしたものを踏まえまして、資源として回収する品目の優先順位を決めてございます。ストックヤードがない、資源化施設のない当区では、蛍光管の資源回収につきましては、費用対効果の面、それからごみ減量・資源化の推進という観点から、現時点では実施は適切ではないと考えてございます。
 なお、蛍光管の回収につきましては、基本的には拡大生産者責任のもとで、事業者などがリサイクルすることが望ましいとも考えてございます。

○せきと委員 私は、第2次10か年計画の素案に、ステップ2、段階2のところで「新たな資源回収事業の実施」とありまして、これに蛍光管が入ってくるのではないかと期待していたのですが、そうではなさそうであります。では、この10か年計画の素案では、どんな品目の新たな資源回収を検討しておいでか、御紹介ください。

○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) 10か年の素案では、厨芥類などの生ごみ、これを回収しまして、堆肥化とかバイオガス化、そういったものを現在想定してございます。

○せきと委員 それは10か年計画のところで、ステップ1ではないですか。私がお尋ねしたのは、ステップ2の「新たな資源回収事業の実施」でありますが、いかがですか。

○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) ステップ1では、モデル実施という形でもって進めまして、その試行・実証を受けて、ステップ2でもって事業化を進めるというふうに考えてございます。

○せきと委員 当会派としてたびたび取り上げてまいりました廃食用油の再資源化、それと、私が先ほど求めました蛍光管につきましても、検討を深めていただきたい。こうしたことをお願いしまして、廃食用油についての質疑は割愛いたします。


(2)剪定枝、落ち葉について

 次に、剪定枝葉について伺います。
 区道や区立公園で集めた木の葉、木の枝は、現在どのように処理していますか。

○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 公園や街路樹の剪定は事業者へ委託しており、その使用についてはすべて民間リサイクル施設へ搬入するよう、仕様書で義務付けられておりまして、リサイクルされているということでございます。

○せきと委員 それでは、都道や都立公園ではどのようにされていますか。

○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 都道や都立公園でも、剪定枝葉は民間リサイクル施設に搬入していると聞いております。

○せきと委員 ありがとうございます。一昨年の12月に、区が桜の枯れ葉から腐葉土をつくり、樹木の土壌改良剤として活用する取り組みを、明星大学吉澤教授らと連携して実施したとの報道があり、早速私もそのとき中野清掃車庫を見に参りました。堆肥づくりはうまくいったのか、どのように活用したのか、お答えください。

○齋木清掃事務所長 この試みは、清掃車庫内の樹木の落ち葉から腐葉土をつくり、これを敷地内の植え込みの堆肥として活用しているものでございます。

○せきと委員 ありがとうございます。この腐葉土を囲みの中で攪拌している作業中に私お邪魔いたしまして聞いたお話では、中野区花と緑の祭典等ででき上がった腐葉土については区民の方にお配りしたいというようなこともおっしゃっていたんですが、それはどうなりましたか。

○齋木清掃事務所長 よそのところへ供給するほどの量にはなりませんので、先ほど申し上げましたとおり、敷地内の植え込みの堆肥として活用していると、こういうことでございます。

○せきと委員 そのとき、現場の方がおっしゃっておりましたように、秋には枯れ葉を燃やすごみに出して、春には腐葉土を購入する。こうした区民が随分おりますけれども、こうした方々に枯れ葉から腐葉土をつくるのを一緒にやるような取り組みを区が行えば、区民が排出するごみがまた減るのではないかと思います。堆肥・腐葉土と聞くと真っ先に気になるのはにおいですけれども、私がかいだ限り、においは一切ありませんでした。吉澤教授は偉い、このように感服した次第であります。改定されたみどりの基本計画に、「落ち葉・剪定枝葉のリサイクル促進」として、「街路樹・公園から発生する剪定枝葉は、チップや堆肥にして公園等で利用するほか、区民や事業者も利用できるような仕組みづくりに努めます」とありますけれども、これはいつから実施するのですか。

○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 委員御指摘のみどりの基本計画との関係でございます。今年度から試行的に、平和の森公園で落ち葉の一部を中野区造園緑化業協会の協力によりまして堆肥化し、先々花と緑の祭典等で一般の区民に無料配布をする予定をしており、既にこの取り組みを始めているところであります。このような取り組みをさらに広げていきたいというふうに考えているところでございます。

○せきと委員 みどりの基本計画は、今御紹介いただいた部分の、そこの続きなんですけれども、「また、地域住民との連携協力のもと、民有地の落ち葉等を堆肥にしてリサイクルするよう努めます」、このように書いておりますが、これは家庭系の落ち葉や剪定枝葉を今後は燃やすごみとしてでなく、資源として回収するような方策を研究なさると解してよろしいでしょうか。

○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 現在、条例に基づく民有地の保護樹林から発生する落ち葉は、昨年から試行的に無料回収して、民間リサイクル施設に搬入しているところでございます。今後、今委員御指摘の一般民有地の落ち葉、もしくは剪定枝葉についても、例えば場所を特定し、その場所に持ち込んでいただくような仕組みといいましょうか、そのシステムを研究していきたいというふうに考えているところでございます。

○せきと委員 ありがとうございます。


(3)その他

 次に、その他として伺います。
 古紙や鉄くずの価格が暴落し、一部の資源化市場は食うや食わずの目に遭っております。要求資料の区民19、びん・缶、乾電池、ペットボトルの分別回収における経費と財源の内訳一覧を示します。アルミ缶・スチール缶の売却益が2007年度は6,100万円余であったのに対し、2008年度は4,700万円余、2割以上も減っております。では、回収量はというと、資料の区民20、2007年度と比べ、2008年度はアルミ・鉄とも1割前後ふえております。昨年秋、北京五輪特需の終了による大幅な値下がりと、さらに追い打ちとばかりに米国発の金融危機が起こり、価格が一気に暴落いたしました。鉄は10分の1、紙も2分の1という恐ろしい急落ぶりであります。伺いますが、区はこうした現状を承知しておられますか。

○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) こうしたリサイクル品目につきましては、市況が事業者に大きく影響を与えるということにつきましては承知してございます。

○せきと委員 中野区の古紙は、2007年度から全量集団回収に移行しており、業者にではなく、集団回収実施団体に対して区は報奨金を支払う仕組みになっていることは存じております。そうはいっても、相場の暴落によって、業者が倒れてしまわないよう、区として何か手だてを講じることはできないものかと思うのですが、いかがでしょうか。

○橋本区民生活部参事(ごみ減量担当) 御案内のとおり、古紙の集団回収は実践団体と、それから回収事業者との間での民民の契約で成り立っております。したがいまして、区が直接的にそこに入っていくということにつきましては、慎重になる必要があるのかなというふうには思っております。
 なお、将来にわたって集団回収が安定的・継続的に展開できるような、そういった方策、これにつきましては、回収団体、それから回収事業者、区を交えまして、どんな方策が考えられるのか、そういった話し合いの機会を設けていきたい、このように考えてございます。

○せきと委員 報奨金は、相場と連動しているわけでは決してないので、業者がお手上げをしてしまえば、行政回収へ後戻りとなりかねません。何よりも、暮らしと業者を、営業をにぎわすために、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

4 哲学堂公園と野方配水塔について

 次に、哲学堂公園と野方配水塔について伺います。
 ことし2009年2月19日、区立哲学堂公園が東京都の名勝に指定されました。また、みずの塔の愛称で親しまれる野方配水塔について、現在、区は国の有形文化財への登録を申請中とのことであります。インターネットで「みずの塔」を検索すると、遠方から見物に来られる愛好家が随分いらっしゃることがわかります。哲学堂野球場の照明に照らし出される夜のみずの塔は荘厳で、とても美しいですね。中野区のみずの塔が建造されたのは1930年でありますが、翌年には板橋の大谷口にうり二つの配水塔が建造され、両者は同じ水かさを保って周辺を潤していたと言います。大谷口のみずの塔は2005年に解体されてしまっただけに、我らがみずの塔は長く残ってほしいと願ってやみません。
 さて、みずの塔は、空襲時の弾丸の傷跡を残す中野区の平和史跡であります。みずの塔公園内の説明板にもそう記載されております。
 まず伺いますが、みずの塔が被弾したとされるのはどの場所か、お答えください。

○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 野方配水塔の階段室部分に弾丸を受けたことを示す説明板をみずの塔公園内に設置してございます。この説明板は、2005年3月に、当時の平和担当が、空襲を実際に経験された方のお話を聞き取り、お伺いした上で、作成したものでございます。

○せきと委員 これがその説明板の――みずのとう幼稚園側に示されておりますが、これで間違いありませんか。

○小田政策室副参事(平和・人権・国際化担当) 当時、空襲を経験された方のお話を複数伺いまして、作成させていただいたものでございます。

○せきと委員 説明板には、これは拡大ですけれども、みずのとう幼稚園側というふうに書いてあります。ところが、みずのとうの愛好家がブログの内で、傷跡の位置について故障を申し立てているではありませんか。かれらによれば、幼稚園側ではなく公園側、ふすまの穴を補修したような幾つかの白い正方形こそが真の被弾箇所であると言っております。しかも、中野区教育委員会に問い合わせた回答であったと、こういうふうに書いてありました。2008年1月に教育委員会からそのような回答を得たと書いてありますが、教育委員会はこれに間違いありませんか。

○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 中野区の歴史にかかわる質問というのは、生涯学習担当で答えております。御質問の件は、その一つとして電話で照会されたものであると思われます。ただ、その際に、弾痕の位置について、ここがそうであるというような断定的なお答えはいたしておりません。配水塔の銃弾の跡につきましては、地域で古くから言われていることでもありますし、これは事実だと思いますが、塗装されているということもありまして、その正確な位置につきまして、生涯学習では正確に把握していないということでございます。

○せきと委員 公園側ではなく、幼稚園側が正しいということでありました。
 さて、このブロガーは、みずの塔が、今お話にありました塗り直される前の30数年前にも訪ねており、そのとき塔の写真を何枚か撮影なさいました。教育委員会は、戦後から塗り直しまでの間のみずの塔の写真は持っておられないということだったんですが、このブログを書いた方は個人的に写真を撮って、保存しておるということでありました。これがその写真です。塗り直される前の写真を見ると、区が指している幼稚園側の2カ所は、銃弾跡とおぼしき傷は全く見当たらず、どうも区は旗色が悪いのではないか、このように思います。区はこの2カ所を指しておりますけれども、塗り直し前の同じ場所はのっぺりとしておって、そうした穴は一切あいておりません。また、塗り直し前の写真を見ると、区が指し示している場所からわずかに外れた場所に、小さな丸い穴が10個ほどついていて、こちらのほうがよほどそれらしい。現在の銃弾跡は、塗り直した際に銃弾跡らしくつけた模造ではないのかと、このブロガーは展開しておられるんです。その赤丸が区が指し示した部分であり、赤丸のところには穴はあいておりません。白く囲ってある部分は、塗り直し前には穴がたくさんあいていのが、塗り直し後はきれいになってしまっていると、こういうお話でありました。この点について、区はどのようにお考えですか。

○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) まず、私は、生涯学習としては把握していないと申し上げましたので、幼稚園側だというふうに申し上げてはございません。
 それと、この銃弾痕が確認できる当時の写真等、これは区では保管しておりません。保管されておりません。この30年前に撮影されたという写真につきましては、30年前に撮影されたかどうかも含めまして、確認はできません。

○せきと委員 確認は区としてはしようがないということだろうと思います。みずの塔が国の有形文化財に指定されれば、来年度にも補修の設定に入ると聞きました。そこで補修を機に、銃撃の跡を特定するとともに、復元して露出させ、文化価値を一層高めたらいかがかと思うが、どうでしょうか。

○石田都市整備部副参事(公園・道路整備担当) 配水塔の補修設計は、原則として建造当時の姿に戻すということが前提でありまして、外壁の傷や穴は躯体への影響があるため、埋めるということを前提に考えております。具体的な方法につきましては、東京都の教育庁並びに文化庁の指導を仰いでまいりたいと、そのように考えているところでございます。

○せきと委員 先ほど来の区の説明を聞きましても、ここが銃撃を受けたというのは、近隣の住民の方からのお話によって推定したものであり、確認をすることは難しいという話でした。また、そうであっても、近隣の住民の方の話から、このみずの塔が米軍の銃撃を受けたという事実は間違いなかろうと。だからこそ、みずの塔は平和史跡に指定されているんだと思います。今後、そうした補修によって銃撃の跡が復元されることを私は望みますけれども、仮に埋められてしまったとしても、引き続き平和史跡としての位置付けは変えずにいただきたい、このように願っております。
 次に、哲学堂公園について伺います。
 このたび、哲学堂公園にワグナー・ナンドールの彫刻作品「哲学の庭」がやってくる運びとなりました。老子道徳経を愛読する者として、「哲学の庭」は老子が最前列、イエスや釈尊と並んで配列されているという点でも大歓迎であり、早く来ないかと心待ちにしているところであります。
 さて、第2次10か年計画の素案を開くと、哲学堂公園周辺の景観計画なるものが載っておりますが、これはどういったことか御紹介願えますか。

○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 中野区では、御指摘のように、10か年計画の素案のところに記述をいたしました。魅力ある都市景観の形成を図るために、景観法に基づく景観行政団体となる。あるいは、景観計画を策定し、景観行政を進めていく。そういったことを目指しまして、取り組みを始めようと考えているものでございます。
 それで、先ほども御紹介ありましたように、東京都の名勝にも指定を受け、さらにナンドール氏の彫刻も新たに設置される哲学堂公園。さらに、国の文化財登録の予定をされている野方配水塔につきましては、中野区を代表する文化的な遺産、あるいは歴史的な遺産でございますので、中野区にとって景観上も重要な場所であるというふうに考えてございます。これらの遺産のすぐれた風致と、調和のとれた周辺の景観を保全し、あるいは整備をしていくために、計画策定を計画しているというものでございます。

○せきと委員 こうした景観計画を策定することによって、どういった効果が期待できますか。

○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 景観整備を進めることによりまして、周辺の風致、あるいは潤いを高めることができます。それが地域の住民の方々、あるいは区民の誇りや愛着につながると思いますし、あるいはまちの魅力の向上につながること。さらに、区外から訪れる人たちが哲学堂公園に多く訪れていただく。いわゆる都市観光にもつながる等々の効果があると考えております。

○せきと委員 観光資源としても期待しているというお答えでありました。お話の中にも出てきましたが、確認しておきたいのですか、みずの塔公園もこの計画区域に含まれますね。

○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 両公園ともにすぐれた価値を持っているということでございますし、互いに近くにございますので、訪れる方が回遊も想定されますので、これら両地区の周辺を一体的に取り扱っていくことが適当だろうと考えております。

○せきと委員 この質問に当たりまして、みずの塔の写真を撮ろうとしたんですけれども、必ず電線が入ってしまって、きれいに撮れません。景観上も電線はないに越したことはないと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 御指摘のように、電柱・電線は景観上の阻害の要因になっているというふうに言えるかと思います。景観の阻害要因を排除したり、あるいは潤いを高めて町並みを形成をする。あるいは、快適に歩けるような道づくりをしていく。そういったようなところは、検討の対象になるんではないかと考えております。

○せきと委員 電線のなくすことを検討の対象になろうかというのは、大変踏み込んだ御答弁だったと思います。しかし、哲学堂公園は、新宿区との区境でありますので、中野区だけで実現するものとはちょっと思えませんし、かなり難題がたくさんあるんではなかろうかと思います。
 景観のことで、もう一つ質問いたします。
 新青梅街道は、不動産の捨て看板が大変多く、これも景観を台なしにしている要因となっております。中野区の捨て看板対策は、回収処分作業委託と2008年度から始まった除却協力員制度があります。決算書を見ると、2008年度は約1万5,000の違反広告物を除却したと、このように書いてありました。それでも哲学堂公園の周りは、捨て看板が耐えません。対策を研究し、景観計画に明記していただきたいと思いますが、区の考えをお聞かせください。

○滝瀬都市整備部副参事(交通・道路管理担当) いわゆる捨て看板などの違反広告物の対策についてでございますが、区においてはこれまで、職員による道路パトロール、それから事業者への委託による撤去回収処分、さらには除却協力員により撤去・指導の対策を講じてまいりました。委員御指摘の点につきましては、今後パトロールの強化、また不動産業界等においては、既に自主規制を行っているところもございますけれども、申し入れを行うなど、さらなる促進を促していきたいと考えているところでございます。
 なお、哲学堂公園の東側の区道でございますけれども、新宿区の管理道路となってございます。新宿区へ撤去等の強化を促すとともに、連携を図った対策を講じていきたいと、そのように考えているところでございます。

○田中都市整備部副参事(都市計画調整担当) 景観計画への明記ということにつきまして、お答えをさせていただきます。
 捨て看板は、景観計画の対象に盛り込む以前に、東京都屋外広告物条例、あるいは軽犯罪法等の法令に違反している行為でございますので、防止されなくてはいけないというふうに認識をしているものでございます。
 それから、平成17年になるんですけれども、東京都屋外広告物審議会によりまして、東京における今後の広告物規制のあり方という答申が行われてございますが、その中で、捨て看板は景観を阻害するだけではなく、歩行者の安全を妨げるなどの交通安全上の問題も引き起こしており、根絶が必要と、そういった指摘がされているところでございます。
 これらを踏まえますと、哲学堂公園周辺の景観整備の計画を考えるときに、捨て看板も含めましたいわゆる屋外広告物の取り扱い、あるいは誘導といったようなところについて検討していく対象になるんであろうというふうに考えてございます。

○せきと委員 電線と電信柱がなくなれば、捨て看板も同時に大いに減るんだろうと思います。こうした電線をなくしていくといった事業は、せいのでみんな一遍になくすということはできません。必ずどこかから始まって、広がっていくという性質のものであります。それが必ずしも哲学堂公園周辺でなくてもよいのですけれども、哲学堂公園周辺の景観計画に大きく期待をしております。
 以上で私のすべての質問を終わります。その他はありません。ありがとうございました。

2009年第3回定例会【決算特別委員会・総括質疑】山口かおり

【決算特別委員会・総括質疑】
(2009年9月30日)

中野区議会議員 山口かおり

  1. 障害者施策について
    1. 障害者自立支援法について
    2. 所得保障について
    3. 通所施設への送迎補助について
    4. その他
  2. 保育施策について
    1. 認可保育園の待機児解消について
    2. 本郷保育園について
    3. 私立保育園への支援について
    4. その他
  3. 学校施設の環境整備について
    1. 学校間格差の解消について
    2. 心の相談室について
    3. その他
  4. 公共施設のバリアフリー化について
    1. なかのZERO小ホールへのエレベーター設置について
    2. その他
  5. 環境対策について
    1. 太陽光熱利用機器の設置促進について

○山口委員 第3回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から総括質疑をいたします。

1 障害者施策について


(1)障害者自立支援法について

 質問は通告どおり行わせていただきます。
 最初に、障害者施策についてお聞きしたいと思います。
 まず、障害者自立支援法について伺います。
 新政権のもとで、障害者自立支援法についても廃止する旨の発言が大臣からありました。応益負担については人権侵害ということで、全国各地で今、裁判で争われています。自立支援法の最大の欠陥である応益負担の廃止と、事業者に大変な減収をもたらしている日額払いのこの方式を月額払いに戻すこと、こういったことは、これから始まる臨時国会で速やかに決めていただきたいところですけれども、新事業体系への移行については現在進行中の課題でもあります。
 決算書では民営福祉作業所に対して障害者自立支援法移行支援の補助金が支給されておりますし、個々の作業所施設でも現在移行準備中のところが少なからずあります。今後は障害者権利条約の批准を視野に入れた新法が制定されることになろうかと思いますけれども、どのような制度変更があろうとも、いずれにしても地方自治体として、障害のある方の働く場や暮らしの場が成り立っていくような行政支援が必要と考えます。
 まだ新事業体系への移行が一つもされていない精神障害者共同作業所の移行支援についてお聞きいたします。第2回定例議会での私の質問に対して区は、東京都の助成制度の活用など、事業者が障害者自立支援法のもとで主体的に運営していけるよう支援をし、施設の確保については作業所が民間等の建物を借用して行うことを考えているというお答えでございました。その後どうなっておりますでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) その後、現在お示しをしております新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の素案の中で、民営の障害者自立支援施設などに御利用いただける場としまして、東中野小学校跡地、中野五丁目の用地などを計画化しております。精神共同作業所についても、機能強化のための移転先として御検討いただき、御活用いただければと考えております。

○山口委員 東中野にありますあとりえふぁんとむなどは、移行する上でメンバーをふやさなきゃいけない。そうなると、当然、今のスペース上は手狭になっていくために、やっぱり場所の確保が課題となっております。先ほど言われた自立支援施設も当然選択肢となってくるかというふうに思うんですけれども、一方で、地理的に、すばる作業所、工房なんかは野方にありまして、地域でこれまで地道に、地域に根差した運営をしてきたという実績もあるかというふうに思います。現在も、今既に狭いスペースで、作業する上で支障が出ているということなんですけれども、区有施設の提供がここで無理であるということであれば、新しい移転先で引き続き家賃の補助等も必要になってくるかと思いますが、その点についてどうでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) すべての施設が今回お示しをした中でやっていくということは無理でありまして、引き続き民間の建物を活用して作業所運営されるといった施設もあろうかと考えております。そういった場合の家賃の助成につきましては、自立支援法移行後の施設への助成制度全体の中で検討したいと考えております。

○山口委員 移転をして補助がなくなってしまったということになると、何のための移転かよくわからなくなってしまいますので、ぜひ前向きな検討をお願いしたいというふうに思います。
 前回も質問させていただいたんですけれども、もう1点、唯一まだ区内で法人化されていない東部作業所の問題です。小規模作業所として、この作業所は特別に困難を抱えていると思うんですけれども、区としてはこの作業所に対してどうしていくべきであるというふうにお考えでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 東部福祉作業センターにつきましても、今回計画化をしました施設の活用、それからまた、都の助成制度の活用などによりまして、事業者の方が主体的に運営をしていけるような、そういった方向に基づきまして、引き続き相談と支援をさせていただきたいと考えております。

○山口委員 主体的にというお言葉だったんですけれども、どうも事業所の方とお話をしていると、新事業体系のイメージ自体があまり持てていらっしゃらないようにも見受けられます。区のほうでも同じくイメージが持てていないとなかなか事が前に進みませんので、ぜひ、十分に作業所の意向を聞きながらも、一定の方向性なりは示していただきたいと思うんですが、この点いかがでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 制度のことなどにつきまして、区のほうではきめ細かく情報提供するとともに、相談についてもさらに充実した相談というものをしていきたいというふうに考えております。

○山口委員 ぜひ、どういった事業体系が本当に可能であるのか、採算がとれるのかというようなことを、具体的な相談で支援のほうをお願いしたいというふうに思います。
 東部作業所の利用者の方ですとか、知的の障害をお持ちの方でも重度重複の方など、ほかの施設の利用者の方からは、身体的な機能障害が時間の進行とともに成人期だんだん重くなってしまうということで、二次障害が生まれてしまうということをお聞きしています。そういう意味で、やはり区のほうでもリハビリ活動に対しての支援が必要となってくると思うんですけれども、この点いかがでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 作業所に通所されている利用者さんの中でリハビリが必要な方への対応といたしましては、障害者福祉会館で行っています自立訓練、リハビリなどを相談支援の中で御紹介させていただくなど、個別の方々の状況に合わせた支援をしていきたいというふうに考えております。

○山口委員 こうした方たちは、現状ある障害者福祉会館でのサービスがなかなかちょっと時間の制限もあって不十分だというようなことなんです。現在、障害者福祉会館は送迎バスを出されておりますけれども、ここも定員の関係で利用できたりできなかったりということもあるそうなので、ぜひ実態のほうをよく把握していただいて、手を打っていただきたいというふうに思います。
 また、東部作業所の移行支援に当たっては、そういったOTさん、PTさんの配置ですとか、プログラムを組めるような人材配置、スペースの確保も視野に入れた上での検討のほうをよろしくお願いしたいというふうに思います。


(2)所得保障について

 次に、所得保障の支援について伺います。
 昨年行われた区の保健福祉サービス意向調査によりますと、就労による定期的な収入があるとする障害のある方が3割を切っている状況です。ほとんどの方が就労からはまともに所得を得ていないという状況が依然続いております。決算書では雇用促進事業委託費用、これは平成20年度、2,800万円余の支出と、19年度に比べますと400万円ほどふえているんですけれども、残念ながら就職者数を見ますと、39人が22人とかなり減っている状況がございます。これはどのような原因ととらえていらっしゃいますでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 平成20年度に障害者福祉事業団への委託料を増額いたしまして、就労支援員を1名増員しましたが、経済危機の影響から、全国的にも障害者の就職・雇用が減少いたしまして、中野区民の就職者数についても同様に減少したというふうに分析しております。

○山口委員 障害のある方の一般就労というところでは、昨今の雇用情勢の悪化でもろに影響を受けられていることであろうと思います。また、定着支援のためにも、生活支援の分野、異性の問題から金銭管理の分野からかなり労力を割かれてしまうということを担当者の方もお話しされておりました。今後、平成23年度の2年後には、昨年の倍以上の50人に一般就労者を伸ばすと福祉基本計画の中にあったかと思いますけれども、どのような方策をとるおつもりでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 引き続きまして民間企業への雇用の働きかけを強めますとともに、特例子会社の誘致、それから、作業所の方で就職のできる方へのきめ細かなそういった訓練ですとか支援を行いまして、多方面の取り組みによりましてぜひ目標を達成したいというふうに考えております。

○山口委員 今おっしゃられた民間企業への働きかけですけれども、牛崎議員のほうで昨年、企業の採用増に向けての取り組みを質問しましたところ、就職準備フェアですとか、企業への採用の相談会を実施していて、こういった事業をさらに拡充させていきたいというようなお答えがあったかと思います。その点で、現状、検討状況はどうなっておりますでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 経済団体との懇談会も開いておりますが、経済界といいますか、雇用する側にとっても、どういったことがあれば障害者の方の雇用がしやすいのか、そういったことも十分研究しながら進めていかなければならないと思っております。新しい中野をつくる10か年計画(第2次)の素案の中では、中小企業の障害者雇用を奨励する仕組みの創出というふうに掲げてございますが、何か区独自で新たな仕組みをつくることはできないか、そういったことも含めて検討しているところでございます。

○山口委員 経済団体との懇談会等を開かれていたら、もう十分御承知おきかと思いますけれども、やはり東京中小企業家同友会の調査でも、なかなか障害のある方との接点を持つことが難しいというような結果も出されています。そういった意味では、区が障害者雇用を一企業任せにせずに、フォロー体制、互いに理解を深め合う、そういった接点の場を持っていくこともやっぱり必要ではないかなというふうに思っております。
 来年からは雇用納付金、法定雇用率の未達成企業の対象ですけれども、それが300人から200人と下がる、対象がふえることもございますから、そういった意味ではインセンティブが働いていくかとは思いますけれども、実際に昨今の経済情勢の中ではなかなか厳しいものがあると思います。
 具体的にお聞きしますが、区は区内の障害者を雇用創出するという目的で、昨年、IT関連企業であるアイエスエフネットハーモニーという特例子会社を商工会館に誘致されたと思います。商工会館のトイレの改修費用などに2,000万円余支出したことに決算ではなっておりますけれども、その後、区民の障害者雇用はこの特例子会社において進んだんでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) ことし3月にその特例子会社を開設しておりますが、その後、区民の雇用というのはふえてはいない状況でございます。

○山口委員 まだふえていらっしゃらないということなんですけれども、区内の障害者の就労、雇用を進めていくということでの誘致をされたというふうに記憶をしております。せっかくお金をかけて、それまでの利用者の方にも一定移動してもらうといったことがあったかというふうに思っております。ほかの作業所施設や障害者福祉事業団とも連携を図りながら、ぜひ雇用のほうを進めていっていただきたいと思います。いかがでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 当該の特例子会社につきましては、雇用自体をふやしていく予定だったところが、経済危機の影響からか、雇用をふやしておりません。そのため区民もふえていない状況でございますが、今後、雇用をふやすに当たりましては、区民の雇用をしていただくよう働きかけをしていきたいと考えております。

○山口委員 先ほどのお話の中で、やはり区として、行政として民間の事業所との接点を、障害のある方との接点をつくっていくべきではないかということを言わせていただいたんですけれども、体験実習というのも一つの方策であるというふうに思います。この特例子会社において、区内の障害のある方の実習の受け入れはどのようになっていますでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 実習の受け入れなどにつきましては、積極的に行われているところでございます。

○山口委員 東京コロニーでは、福祉系の事業所などに実習を受け入れられている経験がかなりあるということで、ほかの作業所や施設では区の体験実習だけというところがほとんどであります。こうした経験交流もぜひ自立支援協議会などで行っていただきたいというふうに思うんですけれども、区としても、区内にほかにも特例子会社があるかというふうに思います。ここでの体験実習の受け入れについて働きかけるということはできますでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 作業所などに行かれている方の就職に関しましては、事前に企業での実習を行われることが大変役に立つものとなっております。区内の他の特例子会社においても、そういった企業実習の受け入れを進めていただけるよう働きかけをしていきたいと思っております。

○山口委員 特例子会社に限らず、杉並や練馬といったところでは、区が業務委託している民間の事業所にも実際に働きかけを区がやって、体験実習の受け入れ先を毎年定期的に確保しているというようなことをお聞きしています。就労移行支援事業を行う事業所の数をさらにふやしていくことを区は障害者福祉計画の中で見込んでおりますし、そうした事業を展開していく環境を整える意味でも、ぜひ民間事業所への働きかけも積極的にお願いしたいというふうに思います。
 次に、区の発注拡大について伺います。
 障害のある方の就労の場としては区内の作業所が大きな役割を担っております。こうした福祉的就労の場での工賃は、皆さん十分御承知おきと思いますが、大変厳しいものがあります。中野区福祉作業所では5年前9,000円台であった月額の工賃が年々下がって、昨年は6,000円台にまで落ち込みました。ここから利用料負担としてまた1,500円何がし取られることになりますから、手元に残るのは本当にわずかです。
 第2回定例会で私の質問、作業所に受注拡大をということに対しては、発注業務の拡大については、昨年度、区から障害者就労支援施設などへの物品及び器具の発注状況について調査を行った。この調査結果をもとにして、現在、区の発注業務の促進に向けて検討を行っているところというお答えをいただいています。現在、どのような状況になっているんでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) お答えを申し上げます。
 ここ数年の傾向ということで、平成17年度から20年度にかけての4カ年についての実績を件数、契約金額、事業数によってお示しをさせていただきたいと思います。平成17年度15件、5,128万円余でございます。4事業者でございます。平成18年度12件、4,310万円余、3事業者でございます。平成19年度14件、7,305万円余、4事業者でございます。平成20年度15件、5,560万円余、5事業者、以上でございます。

○山口委員 事業所の数については、公園清掃などの仕事は障害者福祉事業団のほうで調整して、それぞれの作業所等に仕事を分配されていると思いますので、実際には事業所の数はそれよりも多いというふうに思いますけれども、それにしても、金額でありますとか件数などは、あまり経年で見ても変化がないというふうに言えるかというふうに思います。今後の発注増に向けて、区は具体的に優先発注の仕組みをつくっていくべきと考えますけれども、この点いかがでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区は既に、発注可能なものについてはなるべく施設のほうに発注をするようにということで働きかけをしてございますが、今後さらにその方向を強めまして、施設への発注をふやして、施設の利用者の工賃アップにつなげていきたいというふうに考えております。

○山口委員 今年度に入りまして、公園清掃の委託事業が清掃回数1割カットされたというふうにお聞きしています。この件で、障害のある方の所得にかなり響いているということです。第2期中野区障害福祉計画では、今言われましたように、区の業務の委託増ですとか発注増を進めて、大幅な工賃アップを目指していくということがうたわれております。一方で、実際には既存の業務委託まで削減されるというのは、やはり矛盾したお話ではないかなというふうに思います。次年度の予算編成に向けては、既存の事業についても検討されることと思いますけれども、障害者の所得保障、あるいは直接区民の生活にかかわる部分がサービス低下することのないように、最低限維持していただきたいと思います。


(3)通所施設への送迎補助について

 次に、通所作業所への送迎補助の充実についてお聞きいたします。
 障害の重い方たちが通所する生活介護事業所からは、送迎に対する補助を行ってほしいという声が寄せられています。江古田の森で行っている生活介護の事業では、国から通所サービス利用促進事業補助金300万円が支出されておりますけれども、区単独の補助はございません。これはすべて送迎のための費用として消えるということです。ほかに行き場がないため、本来入院するような医療ケアが必要な方も5人受け入れているため、特殊なケアが必要な車いす利用者も含めますと、送迎は4台、2往復、朝夕ピストン輸送で何とか回していると。入所の事業から補てんしてやりくりをしているということです。送迎でかなりの赤字が出ているようですけれども、採算がとれるだけの必要な送迎補助を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 現在のところ、江古田の森の生活介護の送迎事業につきましては、国の臨時特例交付金事業による補助があるところでございまして、区としてもその補助によって、事業者の努力と工夫によって運営をしていただきたいというふうに考えているところです。

○山口委員 努力と工夫はもう既にされていると思いますけれども、開所以来2年でさらに重度化が進んでいるということです。今後、送迎を手厚くしていただきたいという要望でございますので、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 あわせて、社会福祉法人あいいく会からも、高齢化に伴って歩行が困難になるといい、通所に支障を来しているという声をお聞きしています。新事業体系への移行に伴って、南中野にある第五杉の子作業所が第一に移転してきますので、ここでも送迎の問題が出てくるということです。ここも必要な補助は検討すべきではないでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) 区内の作業所などの障害者施設に通所する方のうち、移動の困難な方につきましては、障害者福祉会館を中心に運営しております送迎バスを区内各地のほうに運行いたしまして対応しています。今後、そういったバスへの需要の増加はあるというふうに考えておりますが、送迎バスの運行の工夫によりまして、今後も需要の増加については対応していきたいというふうに考えております。

○山口委員 こぶし園では送迎費用補助を含んだ委託料を出されていますし、障害者福祉会館の通所利用者についても7,000万円余の会館バス費用が出されているかというふうに思います。同じ生活介護事業者であるあいいく会さんですとか江古田の森については、区として送迎の補助はありません。障害者の通所を支援する体制を各事業所任せというのではなく、区として実態を把握して援助する方策を検討すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○朝井保健福祉部副参事(障害福祉担当) それぞれの実態に合わせた、それぞれの利用者が通所できる仕組みを整えなければならないと思っております。それで、小さいあいいく会の一つひとつの作業所が通所バスを持つというのは事実上困難なところもございますので、障害者会館の送迎バスを区全体の送迎バスとして運用することによって対応していきたいというふうに考えております。

○山口委員 障害者福祉会館のバス、現在7台運行ということで、かなり今でもいっぱいだということですので、こちらの見直し自体が必要であるということであれば、それぞれの利用実態に見合った形で見直していただくようによろしくお願いしたいというふうに思います。
その他の項目はございません。

2 保育施策について


(1)認可保育園の待機児解消について

○山口委員 保育施策についてお聞きいたします。
 初めに、認可保育園の待機児解消についてお聞きいたします。
 9月7日の厚生労働省の調査では、認可保育所に申し込みながら満員で入所できない待機児童がことし4月1日時点で2万5,000人余と1.3倍、昨年の3割増しに急増しているという報道がございました。中野区でも、ことしの4月時点で認可保育園に希望しても入れない子どもたちの数は327人でした。これだけ待機児が発生している原因としては、やはりこれまでの区の需要の見積もりが誤っていたと言わざるを得ません。
 少子化を理由に保育園の増設は区は行ってきませんでした。平成19年度時点で認可保育園の待機児数は184人、平成20年度になると待機児童はさらにふえまして259人です。その解決策として区がとった手だての一つが区立保育園の民営化です。決算書では多額のお金が区立保育園の民営化に使われております。しかし、結果的に今年度また待機児童が旧基準で327人発生しております。区は、待機児解消の方策が果たして有効であったというふうにお考えでしょうか、どうでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) お答えいたします。
 本会議でも答弁してございますけれども、待機児童の解消については、区立保育園の建てかえ民営化による定員増や、認証保育所の開設誘致、それから家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えでございます。特にゼロ歳児から2歳児までの待機児が多い状況の中では、今までの政策は基本的な方向性としては間違っていないというふうに考えてございます。

○山口委員 区としては頑張ってきたというような認識であろうかというふうに思います。10か年計画では既にゼロになっていることになっております。さまざまな経済情勢ですとか要因はあるかというふうに思いますけれども、結果できませんでしたというのでは、児童福祉法に照らしても、行政責任を果たしているとは言えません。
 区は待機児解消の解決策として認証保育所も誘致しておりましたけれども、昨年10月、東中野に誘致したハッピースマイルが開設後2カ月して経営破綻を起こして廃園となりました。区は補助金1,300万円余を支出していたわけですけれども、このお金は今後返ってくる見込みはほとんどありません。全く無駄なお金の使い方と言えます。経営破綻したら、即刻子どもたちや保護者の方たちに影響があるようなリスクの高い認証保育所を認可保育園のかわりに待機児解消の施策とする区の考え方にそもそも無理があるのではないでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) ハッピースマイルの東中野駅前園の突然の閉鎖を踏まえまして、東京都の認証保育所の認証手続が厳格化されてございます。財務状況につきまして、区が都に推薦する段階で確認を行うとともに、東京都におきましても、会計の専門家が参加して認証審査会を行いまして、都と区で二重にチェックするように手続が改められてございます。また、区では、推薦に当たりまして現地調査を行うなど、事業者の運営能力や保育の実態の把握に努めてございます。したがって、事業の破綻のリスクについては、現在とり得る最善の努力が行われていると考えてございます。

○山口委員 地方自治体としてできる施策は限界があるかというふうにも思います。現在認証保育所に入られている方が現状に満足されているかということもあるかと思います。現在入所中の認証保育所の保護者の方で、認可保育園のほうに入所を希望されている方の数を教えていただけますか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 本年の4月1日時点での数字でございますが、区内及び区外の認証保育所に入所している児童数は209人でございまして、そのうち認可保育所に入所申請していた児童数は58人でございます。

○山口委員 実際に認証保育所に入っていても、やはり認可保育園に希望されている方がこれだけいらっしゃるということです。ことし3月に発行した中野区子育て支援アンケート調査の中で、今後利用したい、または足りていないと思う保育サービスの1番に認可保育所33%とあります。区が対策としている認証保育所についてはわずか6.9%です。調査結果で明らかなように、保護者の利益は第一に認可保育園です。認可保育園を増設することが親の願いであり、また、子どもさんの利益を第一に考えたときにまず区がやるべき仕事のはずです。
 東京都議会第3回定例議会では、待機児解消に向けて認可保育園の増設計画をつくるように求めた日本共産党議員の質問に対して東京都は、平成22年度移行の整備計画については、今年度策定する次世代育成支援後期行動計画の中で具体的に定めていくと答弁しております。東京都も計画的に増設していく方針を示しておりますけれども、中野区もこれを受けて必要な数を増設する計画を持つべきではないでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 認可保育園の開設につきましては、基本的に10か年計画(第2次)の素案にお示しした計画に沿って建てかえ民営化を進めていく考えに変わりはございません。

○山口委員 今後の定員数のほうが年度ごとに資料で示されておりますけれども、それを見ますと、私立保育園への民営化ということで、大規模化するということでややふえてはおりますけれども、新規の建設はないように見受けられます。
 児童福祉法24条には、保育所の入所申し込みに対しては、自治体が保育所に入所させる責務が明記されています。ただし書きに「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない」とありますけれども、あくまでやむを得ない場合です。区が責任を持って必要な認可園を増設し、定数分を確保すべきであることを申し上げておきます。
 次に、待機児解消のための緊急避難的な施策として、空き施設の活用について伺います。
 現状、直近の保育園の待機児童数、どうなっておりますでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 直近の8月時点でのデータでは、新定義で169人、旧定義では289人でございます。

○山口委員 区長は10か年計画の改定の意見交換会の中でも、待機児童は何年間もかけて解消するよりもすぐに解消すべき問題という趣旨の御発言をされておりました。また、担当者のほうからも、委員会の中で、待機児解消として空き施設の活用に努力していきたいという御発言もたびたび聞かれております。すぐできる手だてとして、旧桃丘小学校跡地の暫定活用を復活させるべきではないですか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) これにつきましては、桃丘小学校の跡につきましては、本来事業の目的がございまして、これを害しない範囲ということでございますので、待機児対策として活用する考えはございません。

○山口委員 文化的な施設活用というのも大変結構でございますけれども、今、大変に困っている方がいるわけですから、優先順位を考えて利用のほうを御検討いただきたいというふうに思います。
 南中野地域では南台児童館が10月中旬から空き施設となります。ここで暫定利用として保育園の分園としてでも活用できないでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 南台児童館につきましては、耐震性能や施設規模が十分でないことから、待機児対策としての活用は考えてございません。

○山口委員 耐震性能は改修すればいいかというふうに思うんですが、この地域には、通園できる距離に待機児童がことし4月時点で20名以上発生しております。ぜひ活用のほうを御検討していただくよう要望を申し上げておきます。
 さて、来年度ですけれども、さらなる待機児が生まれないための方策が必要です。区が示している来年度の保育所の定員増について伺いたいと思います。来年度はどのように定員増を見込んでいるんでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 来年の4月1日時点でございますが、本年の4月1日と比較して265人の定員増を見込んでいるところでございます。内訳につきましては、認可保育園が、本年7月に開園した陽だまりの丘保育園の分園、それから新井保育園の開園、それから聖ピオ保育園の建てかえによる定員増、区立やよい幼稚園跡の認定こども園の認可保育園の開園、合計で229人の増となってございます。それから、認可外保育所でございますが、南台と東中野への認証保育所の開設、それから、龍の子保育室の認証保育所への転換、区立みずのとう幼稚園跡の認定こども園の認可外保育施設、合計で82人の増を見込んでございます。ただ、私立保育園の定員減と本郷保育園の廃園で46人の減がございますので、差し引き265人の増を見込んでいるところでございます。

○山口委員 旧基準ですと、認可保育所の定員増だけ見ることになりますので、認可保育園を希望する方たちの受け皿として、今年度の申込数で考えますと、来年度の定員ではまだ100人分は足りないということになります。例年夏を境にして、また待機児童、だんだんと数がふえていきます。現在の待機児童数、先ほどお答えいただきました289人ということですから、昨年の待機児童数、9月以降139人分ふえておりますので、単純計算で上乗せいたしますと、待機児童の数は来年400人を軽く超えることになります。来年度、この計画で本当に待機児解消ができるのか疑わしいと言えます。
 9月25日付読売新聞の記事には、公立保育園の民営化が停滞しているという記事が掲載されていました。行革の一環として各地で進められてきた公立保育園の民営化をことしに入って延期、凍結する自治体が相次いでいる。民営化は保護者の反発が強く、運営を引き受ける民間事業者も不足している。保育園に入れない待機児が急増する中、時間がかかる民営化より、新規の保育園開設を優先したいという事情があるようだと記事にはあります。
 中野区も、昨年夏に新しく委託先が決まった新井保育園は福岡県の社会福祉法人ですし、また、ことし1月に決まった南江古田保育園は大分県の社会福祉法人と、いずれも遠方を本拠地とする法人となっております。手を挙げる法人自体が少なくなっている中で、本当に保育の質を保つことができるのか、待機児解消に有効な手だてであるのかは疑問が残ります。
 全国的にこうした民営化を見直す傾向がありますけれども、区の全園民営化という方針を見直すお考えのほうはおありでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) これまでも区立保育園の民営化につきましては、保護者の理解を得ながら進めてきているところでございますので、確かに時間がかかるという点はございます。また、民営化の事業者の募集に関しても、全国から応募があったことも事実でございます。しかし、事業者が運営する認可保育園の視察を行いまして、また、財務診断も行って総合的に評価をしているところでございますので、保育の質や運営能力の高い事業者を選定できているというふうに考えてございます。したがって、多様な保育サービスを拡充するため、区立保育園の民営化を着実に進めていく区の方針に変更はございません。

○山口委員 今年度から開園している桃が丘さゆり保育園の園長さんも、地域に根付いていくのには長年かかる、時間が非常にかかる、保護者の不安は率直に感じているというふうにお話をされております。コスト削減のための民営化ですけれども、お認めになりましたように、大変時間がかかる。また、職員が全員入れかわることで、子どもたちにも一番やはり負担がいきます。乳幼児の生育環境はその後の人生に大きく影響いたします。この代償はあまりに高いと思います。立ちどまって見直すべきであることを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。


(2)本郷保育園について

 次に、本郷保育園について伺います。
 決算では園舎のリース料に1,600万円余の支出がされております。現在、区は10か年計画のもとで、来年3月には本郷保育園を廃止するとしています。弥生町五丁目の仮園舎にいる子どもたちのうち、卒園する園児を除いて17名の子どもたちがおります。半年先のことですので、保護者の方たちは日々不安の中にあると園長先生もおっしゃっております。私自身も保護者の方から、一体どうなるんだろうかと不安の声を随分前からお聞きしております。保護者の方に説明会を開催し、アンケートをおとりしたと聞いておりますが、その結果はどうだったでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 本郷保育園の園児の定員に関しましてアンケート調査を実施してございます。結果は、定員の対象となる現在2歳児クラスから4歳児クラスの園児のうち、本郷保育園が現在地に移転する以前から入所していた園児12人のうち、弥生保育園への転園を希望している園児が9人、それから、他の保育園への転園を希望している園児が5人という結果でございます。

○山口委員 本郷保育園については、保護者の方たちから昨年2月に保育園の存続を望む陳情のほうが出され、3月に区議会で採択がされております。弥生保育園への継続希望が9人というお話でした。定員の弾力化でも限界があるかというふうに思います。本郷保育園を廃止せず、継続して続けてほしいというのが親の願いでありますけれども、ぜひこの願いに沿う形で対応していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 本郷保育園の廃止に関しては変更ございませんが、保護者の方の転園の希望につきましては、さまざまな工夫を行いまして、できる限り実現できるように努力してまいりたいと考えてございます。

○山口委員 陳情を議会として採択したことの重みや保護者の願いのほうをぜひぜひよく酌んでいただいて、御判断していただきたいと思います。要望にしておきます。


(3)私立保育園への支援について

 次に、私立保育園への支援について伺います。
 私立保育園の中でも、新しく園舎を建てかえた保育園と違いまして、区立保育園の園舎をそのまま引き継ぎ民営化した園については、施設の老朽化が問題になっています。先日、その中の一つ、あけぼの保育園を見てきましたら、施設を利用する上で支障が出ておりました。ドアの取りつけ部分を紙やテープで補強しているような状況で、外壁塗装については20年来手がつけられていない、空調もメンテナンスが必要というふうな状況でした。施設から要望書も出されているとのことなんですが、どのように回答されておりますか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 区立保育園の園舎の譲渡を受けた私立保育園4園の施設については、老朽化が著しいという現状は把握してございます。建てかえあるいは耐震工事につきまして私立保育園の側から要望が出てございますけれども、それにつきましては、民間保育所の施設整備費補助要綱に基づきまして、経費の一部の補助等支援をしていきたいという回答をしてございます。

○山口委員 古い園舎を撤去し仮園舎を建設する費用となりますと、かなりの金額になってまいります。決算書では、旧桃が丘保育園の仮園舎に対して改修工事に3,700万円余、区立保育園営繕費用として支出がされておりました。桃が丘さゆりや陽だまりの丘保育園といった新しく民営化したところについては、区が古い園舎を撤去し仮園舎を建設する費用も負担している。園の自己負担は新しい園舎の建築のみで済みました。そういう意味では、同じ民間委託でもかなり不平等が生じております。必要な施設整備については区として助成すべきと思いますけれども、古い園舎を撤去する費用、あるいは建てかえの際の仮園舎の用地、建物の費用、これについて区の支援はどのようにお考えでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 古い園舎の撤去の費用につきましては、国の補助制度もございますので、その活用をしていきたいというふうに考えてございます。
 それから、仮園舎を建てて建てかえ工事等行う場合につきましては、仮園舎の設置場所等につきまして、区として支援をしていきたいというふうに考えてございます。

○山口委員 園舎を建てかえるに当たっては、都の補助制度を活用しても自己負担が2億円近くなるというお話でした。準備資金を積み立てる期間もなく、本当に困っていらっしゃるということです。ぜひ区からの援助をよろしくお願いしたいというふうに思います。


(4)その他

 その他で1点お聞きいたします。
 ことし3月には「区民の声」に2件、認可保育園に申し込んだが不承諾となり困っている方のお声が届いております。どちらもかなり切実ですけれども、その一つに、ベビーホテルを利用しており、月額約9万円かかるが、4月から家族総出で働くことになり、約23万円の費用になっている。ベビーホテルの利用者は補助の対象外となっていて、これでは認可保育園や認証保育所を利用したいのにベビーホテルを利用しているというような、本当に困っている区民に対する制度にはなっていない。私たちは今、保育を必要としている。今回入園できなかった待機児への対応をどのように考えているのかということがあって、それに対して区は、認可保育所に入所できず、ベビーホテルを利用せざるを得ない方への補助などのあり方については、他自治体の情報を収集するなど対応を検討しているとあります。どのような検討状況になっているんでしょうか。

○白土子ども家庭部副参事(保育園・幼稚園担当) 23区の状況を調査いたしました。ベビーホテルの利用者に対して保護者補助を実施しているのは杉並区のみでございました。杉並区の場合には、都などが定める認可外保育施設指導監督基準を満たすことが条件でございます。保護者の負担の公平性の問題については認識してございますけれども、財政状況が大変厳しい中、財政状況を踏まえて検討する必要があると考えてございます。また、ベビーホテルに関しましては、ほかにも難しい問題があるというふうに考えてございますので、十分検討したいと考えてございます。

○山口委員 保護者に対しての補助については、ぜひ、ひとしく保育を受ける権利を持っている御家庭に対して、公平性の観点から前向きに御検討いただきたいというふうに思います。
 以上でこの項の質問は終わります。ありがとうございました。

3 学校施設の環境整備について


(1)学校間格差の解消について

 次に、学校教育施設について質問いたします。
 本会議で牛崎議員がお聞きした中学校の施設整備の件での質問です。
 決算では、中学校の施設整備費に1億4,000万円余の支出がされており、そのほとんどが体育館、校舎の耐震補強に充てられています。施設維持補修に関しては1億5,000万円余となっておりました。
 実際に見て回った学校施設についてなんですけれども、写真を撮ってまいりました。これは北中野中学校の女子トイレです。ドアが腐食し、ひび割れ、壁もかなり傷んでいます。そもそも生徒数に見合うだけのトイレの数になっておらなくて、生徒にかなり不便を強いているということでした。
 二中のトイレは下水管のにおいが上がってきて、何年も悪臭がひどいということです。換気扇を回していると、そのすぐ隣の教室に風で悪臭が流れていって、生徒が気分が悪いと言って保健室に体調不良を訴えるということでございました。
 これは北中野中学校の教室の窓枠、上の部分の窓枠なんですけれども、ガラスが外れやすくなっているため、「さわるな危険」と張り紙がしてありました。廊下も塗装がはげていて、体育館の裏手の階段は両端部分が崩れているような状況です。裏門なんですけれども、電気錠が壊れていて、手動での開閉となっていました。
 体育館についてでございますが、第四中学校は照明が暗くて体育の授業に差しさわっている。
 これは区内で最も古い第五中学校の体育館の天井ですけれども、資材の剥落があって、テープで継ぎはぎをしてパッチワーク状になっています。詳しく見るとわかるんですけど、何か穴があいたような、そういったような状況に、大分手を入れていらっしゃいます。床面も一部浮いたような状態になっておりました。
 実際に4校だけ見てきたわけなんですけれども、これはほんの一部でございました。以上の施設整備は授業や生徒の安全上にも支障が出ていることですから、校割などではなく、早急に改善すべきかと思います。
 牛崎議員が本会議で聞いておりましたけれども、計画的に施設整備を進めていくというお答えでした。どういう計画で、どういう手順で、順番で進めていくのでしょうか。まず、トイレについてお聞きしたいと思います。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 本会議で次長のほうから御答弁を申し上げましたとおり、施設改善につきましては、毎年実施をしてございます学校施設の安全点検等の結果を踏まえ、財産管理分野と連携をしながら、危険度、緊急度に応じて改善を進めていきたいというふうに考えてございます。トイレについても、その計画の中で進めていきたいというふうに考えてございます。

○山口委員 毎年同じ要望が出されているのに改善されていないというのはどういうことでしょうか。北中野中学校では1階の来客用トイレだけ工事がされていたんですけれども、ふだん生徒が使うところこそ優先してきれいにすべきではないかなというふうに思います。ぜひ来年度には整備をしていただきたいというふうに思います。
 次に、体育館の施設整備についてはどうでしょうか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 体育館の施設整備につきましても、点検等を踏まえて計画的に、危険度、緊急度に応じて改善を進めていきたいというふうに考えてございます。

○山口委員 地域開放もされておりまして、非常に公共性の高い設備かと思います。耐震化とあわせて必要な整備をお願いしたいというふうに思います。
 最後、特別教室の冷房化についてはいかがでしょうか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 特別教室の冷房化につきましては、統合の際の新校の施設整備等にあわせて今まで実施をしてきてございます。これにつきましても、施設整備全体の枠の中で考えていきたいというふうに考えてございます。

○山口委員 冷房化することの必要性についてはそもそもどのようにお考えでしょうか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 特別教室の中ではその必要性のあるところもあるというふうに考えてございますので、これからの施設整備の中で考えていきたいというふうに考えてございます。

○山口委員 必要性のあるところもあるというお答えなんですが、特別教室については、冷房がついていないところで、暑さのために夏の間その教室が使えないで、カリキュラムを変更したり、あるいは熱中症で倒れたりする先生もいるとお聞きしています。実際に授業を行う上で支障が出ていると言えます。教育環境を整えることが行政の一番の責任であるはずです。格差が出ないように早急な対応を求めたいというふうに思います。お言葉にもありましたように、統合新校には既に冷房がついております。学校統廃合の関係で冷房のついているところ、ついていないところと出てくるのは、やはりこれはあからさまに格差を生んでいると言わざるを得ません。
 現在の維持補修の予算ですけれども、財政難の当時に抑制した低い額のままで配分がなされております。中学校について言いますと、維持補修の予算に、10年前の98年度までの額を見ますと、現在の倍の4億円以上の予算が立てられておりました。その後は大体この半分の額に落ち込んでおります。施設整備について言えば、98年度は3億円の予算規模であったのが、2000年から3,000万円台とその1割に落ち込み、ずっと抑えられておりましたけれども、08年度、ようやく耐震化により2億円台に戻っております。
 一方で、08年の決算を見ますと、義務教育施設整備基金、ここに7億円以上が積み立てられております。統廃合計画を前提として予算を立てるのではなく、現在学んでいる生徒の教育環境を整えることをまずもって優先していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 何度も御答弁を申し上げておりますけれども、学校の施設整備につきましては、全体の施設整備の枠の中で計画的に実施をしていきたいというふうに考えてございます。

○山口委員 統廃合計画を前提としてということを申し上げましたけれども、やはり生徒の毎日使っている環境ですから、優先順位を考えて予算を立てていただきたいというふうに思います。
 以上でこの項の質問を終わります。


(2)心の相談室について

 次に、心の相談室について伺います。
 心の相談室は、小・中学校に配置されて以来、学校にとっては頼れる存在です。決算では生活指導相談事業となっています。南中野中学校では、開校後、昨年1年間で子どもの相談回数が660回、半年で電話相談は24件あったということです。第二中学校では、週に1回来るスクールカウンセラーへの相談に昨年1年間で757回子どもの相談があったということです。そのうちの8割、569回が単なる話し相手だったということですが、そのうち2割の約200件は不登校やいじめ、情緒不安定など悩み事の相談になっているということです。気軽に話せることで信頼関係ができ、悩み事を打ち明けることにつながっているということです。
 保護者からの相談は、電話相談や不登校の子どもと保護者が一緒に来校して相談するケースも含めると、二中で昨年137回スクールカウンセラーが受けていたということでした。その前年には違うスクールカウンセラーの方がいらっしゃったそうなんですが、年間数十件しかなかったということで、その方の人柄に負うところがかなり大きいようです。
 電話での相談については保護者からが一番多く、学校に来て相談はしにくいので、職場から保護者がかけてくるケースが多いということです。相談したことを子どもに聞かれたくない、授業中なので聞かれないので安心ということですが、現在、保護者や生徒が心の相談室に電話をかけますと、まず、学校の代表電話につながってから心の相談室につながる仕組みになっております。これでは、自分が相談することを先生など学校関係者には秘密にしておきたい方については、相談したくてもできません。学校とも相談して、心の相談室に直通でかかる電話を設置されてはいかがでしょうか。

○喜名教育委員会事務局指導室長 お答えいたします。
 教育相談室に改めて直通電話を敷設するということになりますと、新たな回線を引くということになります。この場合、当初の経費がかなり高額になるほか、後年度予算も相当額発生し続けることになりますので、このような状況から、新たな回線を敷設するということではなく、スクールカウンセラーが勤務している時間のうち一定時間を電話相談に充てるとか、スクールカウンセラーへの相談の際は匿名で取り次いだりするというような工夫をもちまして、既存の電話を活用する方法を考えてまいりたいと思います。

○山口委員 既にそういった工夫はされております。費用的に非常に厳しいということでしたら、携帯電話も検討していただきたいんですが、どうでしょうか。

○喜名教育委員会事務局指導室長 その辺も検討しておりますけれども、実はスクールカウンセラーの第一義的なねらいは、子どもたちから直接話を聞くということでありますので、電話相談が主になってしまいますと、子どもたちがスクールカウンセラーの部屋に来たときに相談ができないというような状況になってしまうということもありますので、改めて、電話相談であれば教育センターの電話相談がございますので、そういうのも御活用いただきたいというふうに思います。

○山口委員 秘密にしておきたいという方の要望には、では、こたえられないということでしょうか。

○喜名教育委員会事務局指導室長 今お話ししましたように、例えば一定時間、この時間はスクールカウンセラーが電話をとるというような仕組みをつくるとか、もう既にやっておりますけれども、スクールカウンセラーの電話については匿名で取り次ぐとか、そういうことができますので、改めてその部分をやっていけば、匿名性は担保されるというふうに思います。

○山口委員 声でわかってしまうんですよね。それは本当にそのとおりなんですよ。わかってしまうので、匿名にしてもやっぱり……。携帯電話の検討については、学校のほうからも要望をお聞きしていますので、ぜひ前向きに御検討していただくようにお願いしまして、この項の質問は終わりたいというふうに思います。

4 公共施設のバリアフリー化について


(1)なかのZERO小ホールへのエレベーター設置について

 次に、公共施設のバリアフリー化についてお聞きいたします。
 まず、なかのZEROの件で伺います。
 なかのZERO小ホールについては、年間の利用者も22万人と多く、公共性の高い施設です。年5回は利用するという老人大学の参加者からは、小ホールに至るまでの階段の上りおりがつらいということをお聞きいたしました。建物の横手の入り口から入るとエレベーターがありますが、この小ホールは中2階に位置しておりまして、エレベーターがとまりません。このエレベーターを利用しても、やはり階段を上るかおりるかしないといけません。小ホールに至るまでにエスカレーターかエレベーターをぜひ設置してほしいという要望が出されておるんですが、検討していただきたいですが、どうでしょうか。

○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) お答えいたします。
 小ホール内に新たにエレベーター、エスカレーター設置ということになりますと、本体、控室のスペース確保とか、非常に難しいと。それから、多額の工事費用が必要となると考えておりまして、非常に困難であろうと思います。今ちょっとお話がありました東側の入り口から入った正面のエレベーターでございますけれど、これは一たん階段で地下におりていただかなければならないんですけれど、数段おりましてエレベーターに乗ってしまえば、全く階段を上ることなく小ホールに入ることができるわけでございます。大変だという方については、こちらを利用していただくように御案内を申し上げていきたいと、そのように考えてございます。

○山口委員 東側の入り口からというお答えだったんですけれども、お年寄りの方たちにとってはかなり遠回りになるという苦情が出ております。技術的に費用的な問題はあるかと思いますけれども、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。要望です。
 もう1点、放置自転車の問題についてお聞きいたします。
 駐車場に人が配置されなくなってから、かなりの放置自転車がとめられるようになっております。駐輪場よりも放置されている台数のほうが日中は多いくらいで、目に余るものがございます。人を置くようにすべきではないでしょうか。

○飯塚教育委員会事務局副参事(生涯学習担当) 歩道上に自転車が放置されていることでございますけど、地下駐輪場に本来はとめていただくということになってございます。この地下駐輪場に誘導するための掲示物を数カ所に設置して、警備員を巡回させるなどしてきたわけなんですが、今後さらに対策を強化して、地下駐輪場のほうに誘導していきたいと考えています。

○山口委員 誘導するにしても人がいないと、誘導する方がいないので、なかなか進まないかというふうに思います。ぜひ検討していただきたいというふうに思います。


(2)その他

 その他で、方南町駅のバリアフリー化について伺います。
 交通バリアフリー整備構想によりますと、2016年を最終目標年次としてバリアフリーを進めることになっておりますけれども、この達成状況はどのようになっていますでしょうか。

○登都市整備部副参事(都市計画担当) バリアフリーですけど、鉄道駅のバリアフリーということからしますと、区内に16駅ございますけども、バリアフリーに全く未対応なのが、きのう佐野委員から御質疑がありましたけども、中野新橋駅でございます。その他の駅につきましては、現在整備中または、十分とは言えないにしても一定の対応はなされているものというふうに考えております。

○山口委員 駅のバリアフリー化あるいは放置自転車対策も、ここ近年で整備のほうがかなり進められているかというふうに思います。未着手の早急な整備が必要な箇所については、重点的に整備のほうをお願いしたいというふうに思います。
 この整備対象駅とはなっていないんですけれども、南台や弥生町にお住まいの方が杉並区にある方南町駅もよく利用されております。整備案の中では年間1万5,000人余りの方たちが利用されているということです。しかしながら、この方南町駅にはエレベーター、エスカレーター、多目的トイレ、いずれも設置がされておらず、安全対策もされておりません。
 南台の都営住宅にお住まいの車いすを利用されている方は、方南町駅にはエレベーターが設置されていないので、中野富士見町駅まで行かなければならない。電動車いすでも20分から30分かかる。アップダウンも激しく、途中の道も障害物がたくさんあり、夜道は危ないし、ぜひ方南町駅に設置してほしいと話されています。丸の内沿線では、支線では中野新橋駅が現在工事中になっており、方南町駅だけがいまだに残されております。中野区としても杉並区と連携しながら、東京メトロにバリアフリー化を働きかけてはいかがでしょうか。

○登都市整備部副参事(都市計画担当) 方南町駅は杉並区にございまして、杉並区側は現在、東京メトロに対し、再三エレベーターの設置等を要望しているというところでございます。中野区としても、必要があれば、メトロあるいは杉並区にはお伝えをしていきたいというふうに思っております。

○山口委員 ぜひ後押しをして、実現に至るようよろしくお願いしまして、この項の質問を終わりたいというふうに思います。

5 環境対策について


(1)太陽光熱利用機器の設置促進について

 最後に、環境対策について伺います。
 私たちは太陽光熱利用機器への設置助成を直ちに行うようにと繰り返し求めてまいりました。2005年度末で打ち切られた国の補助金制度ですけれども、2009年度には復活しておりますし、1世帯当たり約20万円の補助金を受けることができます。また、東京都も2009年度から1キロワット当たり10万円を助成する制度が始められております。
 要求資料、区民分科会関係の29番、省エネ機器等設置助成制度の有無、23区の状況を見ますと、他区ではほとんど何らかの省エネ機器等設置助成制度を設けております。中でも一番左にあります太陽光発電システムについては、すべての区が助成を行っております。融資を行っている区が3区ございますけれども、個人に対しての融資助成を行っていないのは中野区だけというふうになっております。ほかの区では既にほとんどが始めている中で、早期に助成すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) ただいまのお尋ねでございますけれども、これまで本特別委員会でもお答えしてまいりましたことの繰り返しになりますが、現在準備検討してございます中野地域エコポイント制度、こういった仕組みを構築する中で、お尋ねの件も含めまして考えてまいりたいというふうに考えてございます。

○山口委員 東京都の助成制度の期限が2011年度までと時限措置となっております。来年度その制度ができましても、実際に区民が助成制度を受けられるだけの原資を積み立てられるのか、見通しもまだ具体的に示されておりません。来年度から一般財源を使って太陽光機器設置への助成制度を開始すべきと考えますが、いかがですか。

○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) これも既にお答えしてきたことにダブりますけれども、(仮称)環境基金、こういったものを創設いたしまして、そちらを原資としましてこういったポイント制度、助成制度の原資に充てていきたい、こういう考えでございます。

○山口委員 新政権のもとで、90年度比で温室効果ガスを25%削減すると宣言がされております。しかしながら、前政権のもとで、2007年には90年度比9%まで京都議定書の目標基準から逆にふやしている現状がございます。目標に対してどのように近づいていくのか、とれる手だてを尽くすことが各自治体レベルで求められていると思います。国内屈指の住宅都市である中野だけが23区の中で一般家庭用の太陽光熱設置の助成を実施していないのはおかしいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、中野エコポイント制度といったような助成、ポイント付与制度、こういったものを創設しまして対応していく考えでございます。

○山口委員 この資料にもありますように、既に中野区はおくれを他区と比べましてもとっております。ぜひ一歩前に踏み出していただきますようにお願いをいたしまして、私のすべての質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

2009年第3回定例会【決算特別委員会・総括質疑】長沢和彦

【決算特別委員会・総括質疑】
(2009年9月29日)

中野区議会議員 長沢和彦

  1. 2008年度決算について
    1. 開発優先の区政運営について
    2. 区民のくらしを支える施策について
    3. その他
  2. 「中野区基本構想」と「新しい中野をつくる10か年計画」の改定について
    1. 改定にあたっての視点について
    2. 小・中学校の再編について
    3. 施設等売却の問題について
  3. 新型インフルエンザの対応について
  4. 国と自治体で貧困を解消することについて
    1. 生活困窮者の把握と対策について
    2. 生活保護行政について
    3. 「子どもの貧困」の克服について
    4. その他
  5. 入札・契約について
    1. 入札制度の改善について
    2. 公契約条例の制定について

○長沢委員 決算特別委員会に当たりまして、日本共産党議員団を代表して総括質疑を行わせていただきます。

1 2008年度決算について


(1)開発優先の区政運営について

 初めに、1番、2008年度決算について伺います。
 その第1に、開発優先の区政運営についてであります。
 当該決算年度、事務事業、中野駅周辺整備で、2億400万円余を支出しております。このうち委託料だけで約2億200万円の支出でございますが、その他で何の業務のための委託料だったのかお答えいただけますでしょうか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 委託料ですけれども、こちらは警察大学校等跡地地区、中野駅地区、そして、中野駅南口地区といった中野駅周辺のまちづくりを総合的に推進する業務です。それに加えまして、警察大学校跡地の都市計画公園道路の土壌汚染調査及び下水道の実施設計、並びに公園の基本計画の作成等々といった事業の具体化に向けた業務の委託を行ったものでございます。

○長沢委員 大変多額なお金を使われているということはよくわかるんですが、土地購入だけでなく、これまでにも委託料をはじめとしたこの費用は非常に多いと思います。例えばその前の年、07年度においても1億500万円余の委託料を支出しています。こうした調査や業務等の委託料は、今後どれだけの経費をこれからかけていくのか、その点について伺いたいんですが、いかがですか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 今後の委託費用についてでございますが、これは中野駅周辺の事業の進捗によって変動要素も大きくございます。したがいまして、現時点で委託料として具体的にお示しする数値は現在のところはございません。

○長沢委員 例えば警察大学校跡地で言えば、当初から言っていた開発事業者による開発の協力金は一向に入ってくる気配がない。また、その財政運営の考え方では、今後6年間で警察大学校の跡地や中野駅周辺の開発予算は概算額でおよそ233億8,300万円を見込んでいたけれども、本会議での区長の答弁によりますと、今後の調査や設計を行うことによりその額は明らかになる。先ほど副参事がおっしゃられたようなのと同じですけれども、そういったことが述べられました。つまり、変わること、ふえることもあるということであります。
 また、国や東京都からの特定財源の確保や、基金や起債の活用についても本会議の答弁では述べられておりますけれども、大体国や東京都からの補助金等の財源確保、これは当てになるのかどうか、この点を伺いたいんですが、どうなんですか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 国や都の補助金あるいは交付金について、現在のところは制度要項を見直すといったような動きは把握してございません。今後も国や都の動向に注意を払いながら、特定財源の確保に努めてまいりたいと思っております。

○長沢委員 政権がかわって、国のほうでも無駄な公共事業は改める、そういった方向は示されている。そういう意味では、果たして当てにできるのかということ、この懸念を抱かざるを得ないと思います。
 もう一つ、基金や起債は足りなければ、また積立金をふやす、あるいは新たな借金をこさえる、こういった意味でしょうか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 起債や基金からの繰り入れ、これにつきましては、必要に応じて適切に行ってまいるものだというふうに認識しております。

○長沢委員 そうではなくて、この事業を進めていくためには、積み立てをさらに行うということに場合によってはなる。そういうことで理解していいか。あるいは新たな起債、今現在予定はしていないが、しかし、先ほど言われているように、調査なりいろいろなさまざま行われることによって、そのことによって新たなこうした中野区としての一般財源なり、そういったことにおいて基金を積み立てていくことや新たな起債を行うこともあり得る、そのことをお伺いしたいんですけれども、いかがですか。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 繰り返しになりますけれども、起債や、あるいは基金繰り入れ、これにつきましては、その充当されるべき対象事業の内容に応じて適切に行われるものでございます。したがって、適債事業の計画的な推進に努めていくというところでございます。

○長沢委員 事業は進めていくという姿勢は変わらないんだということをおっしゃったんだと思いますが、そのために区民の福祉や教育の施策が切り下げられたり、あるいは区民負担がこれからふやされるなど、こうしたことは絶対に認められないということは申し上げておきたいと思います。
 それでもう1点、ハード面だけでなく、ソフトの面でも税金支出をしてきております。例えば企業立地推進拡充として、その支出として340万円余、また、これも07年度も企業誘致活動費として1,430万円余を支出しております。そして、今年度につきましても、企業立地推進費として1,140万円を計上し、これらを合わせると2,910万円余にもなります。これらは企業の誘致、呼び込みといったことが目的でこうしたお金を計上しているということになりますか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 区内への企業の立地を促進するための取り組み及びマーケティング強化のために執行してございます。

○長沢委員 決算年度、企業立地推進の中で区内賃貸オフィスビル現況、動向の比較調査委託、この費用に115万5,000円を支出しております。また、07年でも同じ115万5,000円の同額で企業立地促進地区等の賃貸オフィスビル概要調査委託、この費用を出しています。これらは何のための調査委託なんですか。また、委託した会社は同じところですか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) こちらの調査につきましては、今後の企業立地推進施策を検討する材料を得るために、区内における賃貸オフィスビル等の現状を把握する目的で、平成19年、20年度に実施してございます。調査対象地域としては、中野駅及び東中野駅周辺、中野坂上、落合駅周辺の山手通り沿道、中野坂上駅、新中野駅周辺の青梅街道で囲まれた地域でございます。調査項目につきましては、同地区のオフィスマーケットの推移、同地区の賃貸オフィスの現状及び傾向、将来のオフィスビルの企業展望となっています。
 調査委託先につきましては、指名競争入札により決定してございますが、社名は変更となってございますが、両年度とも同一事業者でございます。

○長沢委員 さまざまなことをやられたということをおっしゃられているんだと思いますけれども、同様の調査がなぜこうした2カ年にわたって必要だったのか。しかも、昨年度来のこの不況ですから、当然ながら、この調査によって出てきた現況のそうした把握等が変わっている可能性もあると思うんです。そうすると、こういったことは毎年行っていかざるを得ないのか。行わなければ正しい情報としては得られることができない、こういったことが問題になるかと思うんですが、いかがですか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) これまで区としてはこういった基礎調査を行っておりませんでした。そこで19年度に実施したわけなんですが、実施した結果、また翌年度も実施いたしました。それにつきましては、経年変化の年度によってどれだけ差異があるかというところをつかむためでございます。その結果、賃貸オフィスについては、年度によって1年間変わった限りでは大きく変わらないということが確認できたところでございます。また、今後5年間の将来見通しということで結果の報告を受けているところでございますので、毎年の実施というところまでは必要ないということで認識をしてございます。ただ、経済動向につきましては常に変わっていくものでございます。最適な調査頻度については今後研究をしていきたいと思ってございます。

○長沢委員 御答弁ありがとうございます。それで、要するに5年間の将来見通しについても出たけれども、しかし、今日のこういった不況の中では、それでいいのかということは一方で研究しなくちゃいけない。研究するといったって、同じように調査委託をせざるを得ないということをおっしゃっているにすぎないと思うんです。今年度に企業立地指針の中で、(仮称)起創展街会社の設立の準備費用に500万円を計上している。会社については来年度早々に設立したいということでもあります。10か年計画の改定では、(仮称)中野駅周辺タウンマネジメント会社の設立運営をうたっておりますが、この(仮称)起創展街会社が(仮称)中野駅周辺タウンマネジメント会社になるというふうに理解するわけです。
 そこで伺いたいんですけれども、この会社は第三セクターでの経営になるんですか。区は幾ら出資するのか。また、相手企業はどういったところになるのか。そしてまた、株式の割合についてお答えいただきたいと思うんですが、いかがですか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今年度につきましては、会社が行う事業モデル、それによる採算性に関しての調査研究を進めまして、その検討結果を踏まえ、求められる組織の形態等についての考え方を明らかにしていきたいと考えてございます。

○長沢委員 来年度早々に設立したいということだから、今言ったことはどこかの時点で明らかにしていただかないと思っているんですが、それについてはどうなんでしょうか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 今後、検討を進めまして、御報告していきたいと考えてございます。

○長沢委員 公園道路の土地購入と違って、こうした企業立地推進という形で、こういったソフト面においては一般財源だけで多額の出費をしているんです。これについても、今後、先ほどの調査委託なども当然ながら想定できるわけですけれども、どれほどの経費を支出することになるのか、わかる範囲でいいんですが、教えていただけますか。

○高橋区民生活部副参事(産業振興担当) 必要となる経費につきましては、投資に見合った効果が十分に得られるよう検討評価した上で計上していきたいと考えてございます。費用につきましてはその時々で変わってくるかと思いますので、ここでは申し上げることができません。

○長沢委員 まちの活性化や税収増が欠かせないといってこういった開発事業をやっているわけですけれども、そのために膨大な税金を投入してどでかい箱物を誘導して企業を誘致する。さらにさまざまなインセンティブを与えて、それにもお金をつぎ込む。これでは持続可能な社会に逆行するのではないですか。既に全国でもこうした失敗例は枚挙にいとまがないです。しかも、警察大学校等跡地は住宅需要の見通しが立たずに業務商業ビルによりシフトをしたわけですけれども、その事業者がしたわけですけれども、それさえ見通しも明るくない。これはどういうふうに考えているんですか。最後に伺いたいです。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 業務商業ビルの見通しについてどう考えるのかということでございます。こちらは民間事業者の事業でございます。民間企業はみずからの事業については十分に戦略を練って、みずからの責任と判断によって事業を推進しているものでございます。したがいまして、それについて区はコメントすべきではないというふうに考えております。

○長沢委員 民間事業者が独自に判断をするといったら、では、区が言っているまちの活性化とか税収増であるとかいろんなにぎわいだとか、そういったことは民間の判断任せということではないですか。こんな無責任な話はないでしょう。もう一度答弁をお願いします。

○松前まちづくり推進室副参事(拠点まちづくり担当) 区といたしましては、この中野駅周辺につきましては、区の経済、活力を牽引する新しい拠点づくりということで、基盤づくり、そして、先ほどのソフト政策、相まってまちづくりを進めているところでございます。事業所に対してもこういった区の姿勢を十分共有しながら、ともにまちづくりを進めていくというところでございます。

○長沢委員 それだけは、決意だけは述べている。しかし、裏付けるものがない。そういうことがよくわかりました。
 もう一点中野サンプラザについて聞きます。区は、当該決算年度、中野サンプラザの仕組みを変更するために13億7,500万円を執行しました。そもそもこの仕組み変更による株式取得は、当初の区民への約束を反故にしたものであります。行政報告はありましたが、とても説明責任を果たしているとは思えません。大体経営に責任を持たずに後々に利益を得ようとした事業者たちをパートナーに選んだ、こうしたことが問題の背景にあったのではありませんか。いかがですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) お答えをいたします。昨年度の仕組みの変更につきましては、発足当初に予期し得なかった事態が起きてしまったものでございます。その都度適切に判断をしてきた結果ではございますけれども、サンプラザの取得運営等事業の安定性を増し、将来のまちづくりを着実に推進するため仕組みを変更したものでございます。

○長沢委員 責任問題ということについては全く触れられていません。先に進みますけれども、私たちは中野サンプラザを再開発の種地などにするのではなくて、現在の中野サンプラザを残すことをこれまでも主張してきました。しかし、区はあくまで再整備にこだわっていますけれども、これも今日の社会経済情勢を踏まえれば見直しが要請されてくる、このように考えております。再整備等の事業の今後のスケジュールに限って伺いたいと思っておりますが、このスケジュールはどういうふうになっておりますか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 中野サンプラザを所有してございます株式会社まちづくり中野21は、区と協議をいたしまして、平成24年5月末までに再整備等の計画、基本構想案を策定するということとなってございます。区といたしましては、本年度中に案を取りまとめたいと考えてございまして、所有会社において検討を進めている状況でございます。

○長沢委員 所有会社であるまちづくり中野21が中野区と今おっしゃったように協議をして、再整備に責任を持つことになっていますけれども、そもそもまちづくり中野21が再整備をしていく上でそういったノウハウがあるとは思えないんですけれども、この点はどうされますか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) まちづくりのノウハウを持ったコンサルタントなどの専門家、これを活用しながら進めているところでございます。

○長沢委員 これは経年的ですか。経年的にコンサルを雇って、それもまちづくり中野21が雇って進めていくということになるんですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) まちづくり中野21が検討における必要な負担を経営しながら、経年的になるかどうかというところは検討状況によって変わってくると思いますけれども、検討を進めているということでございます。

○長沢委員 コンサルを活用してということでありますし、そういったことにおいても、まちづくり中野21がそのための費用を今の経営の中できちんと出せるのか、その点についてはどうですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) まちづくり中野21といたしましても、重要な課題であるというふうに認識をしてございます。景気の影響もありまして、厳しい状況ではございますけれども、民間事業者の立場として検討してまいります。

○長沢委員 事業のスケジュールのことをお話しいただきますけれども、そうは言っても、あと何年かはあります。基本構想を定めるとしているのも、結局案としてはまとめるけれども、平成24年の5月までだと。その後、実施計画なり、予定では進んでいくことになっています。それだけの年月は、その間にまちづくり中野21はさまざまな経費を出していくというお話だと思いますけれども、そういう理解でいいですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 検討に当たりまして必要な経費はまちづくり中野21の中で捻出したいと考えております。

○長沢委員 検討に規定をされる、本当は必要だったと思うんだけれども、お金がないから出せない、やれない、そういった場合はどうするんですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 適切な必要なものについてはまちづくり中野21として負担をしていきたいというふうに考えております。

○長沢委員 中野区自身は、今後あらゆる形の中で、区が言っているところの再整備の計画まではこれ以上の出資はない、お金を出すことはない、それは確認していいですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 現段階では考えてございません。

○長沢委員 場合によっては、またもやお金を出すことがあり得るということをおっしゃっているんですか。

○田中経営室副参事(サンプラザ関係事業担当) 原則としてございません。

○長沢委員 原則としてはないけれども、異例な事態になったら――今回のことだって異例の事態です――あり得る。こんなことは絶対許せないということだけ、このことだけは強調しておきたいと思います。ありがとうございます。


(2)区民のくらしを支える施策について

 二つ目に、区民の暮らしを支える施策についてですけれども、今言ったサンプラザ、これはためてきた財政調整基金から13億7,500万円ものお金を中野サンプラザのために出資をしたものでありますけれども、決算年度の財政調整基金の取り崩し額、16億円のうちのおよそ86%がこの中野サンプラザのために使われたことになります。それと比較して、区民の暮らしを支える施策への支援はどうであったか、このことが問われます。
 当該決算年度は、後期高齢者医療制度が実施された年度でもあります。本制度の根本的な問題とともに、中野区では、後期高齢者健診の実施のあり方と、検査項目の後退、負担の押しつけが行われました。今年度から実施上の改善と検査項目の拡大は図られましたが、他区では行っていたことが中野区で初年度から行われなかったのは怠慢とも言えることであります。高齢者に寄り添っていない区の姿勢が浮き彫りになったとも言えます。また、500円の自己負担に関しては、今もって無料にしようとしていないことはあまりにも冷たい。この点は指摘をしておきたいと思います。
 それで、具体的に事業メニューについて伺いたいんですが、一つは、がん検診についてであります。当該決算年度の執行を見ると、健康診査、がん検診は84.9%の執行率です。しかし、これは第6次補正で成人検診の受診者数と胃がん、大腸がん検診の受診者数の見込み差による減額として約2億3,460万円の減額を行ったことによるものであります。当初予算6億5,370万円で見れば、わずか50%の執行率です。この07年度も減額補正を行っていますが、そのときも見込み差でありました。あまりにも見込み差が大きいと思いますけれども、この点はどのように見られていますか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) お答えいたします。成人健診の予算の積算に当たりましては、これまでの受診率のほかに、医療制度改革に伴う国の基本的な指針や積算の考え方なども参考としたところでございます。また、生活習慣病であるとかメタボリックシンドロームなどの用語が区民に浸透してきたことなどによる健康意識の高まりなども考えまして受診率を想定いたしましたけれども、目標数値に達しなかったというふうに考えております。

○長沢委員 がん検診で言えば、軒並みに受診者の数も減っているんです。胃がんと大腸がん検診で言えば、前年度比はそれぞれ90%や80%の執行です。こうしたことは、例えば今回出していただきました厚生15のこうした資料でも見ることができます。胃がん検診、大腸がん検診、16年度からの5カ年にわたってでありますけれども、傾向として軒並み減っているんです。こういった理由は何だと考えていらっしゃいますか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) がん検診とか大腸がん検診につきましては、これまでは医療機関で区の成人健診と同時に受診することが可能でございました。医療制度改革によりまして、社会保険に加入されている方の健診はそれぞれの事業保険者が行うことになりました。その結果、こうした方の胃がん検診、特には血清ペプシノゲン検査であるとか大腸がん検診につきましては、単独での受診になったことから、受診率が減少した一因であるというふうに考えております。

○長沢委員 制度改革ということでおっしゃられていますけれども、その前の年ぐらいからもやはり減ってはいると思うんです。だから、確かに利便性とかそういうのもさまざま考えると、そういった側面はあったとは思っていますけれども、自己負担受診が検診の機会を損なっていると言えませんか。その点では無料化受診を検討していただきたいというふうに思っておりますけれども、いかがですか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) がん検診につきましては、勤務先等、他に受診の機会があるので区の検診を受けないという方もいらっしゃいます。このため、区の検診を受ける方と受けない方との負担の公平性であるとか、またはみずからの健康管理に責任を持ってもらうような意味からも自己負担金をいただいているところでございます。

○長沢委員 後期高齢者健診のときもそうですけれども、みずからの健康はみずからでというお話を判を押したようにおっしゃるんだけれども、実際に同じ区民でありながら、そういったことで本来は受けるそうした権利がありながら、なかなかそういうことに結びついていないということをよくよく見ていただきたいと思うんです。
 もう一つ、今おっしゃられたように、医療制度が変わったことによって保険者自身が健診を行う。また指導も行う。そういう仕組みになったのは承知しています。ただ、社会保険等の被扶養者の健診項目を区で行っている国保の特定健診や健康づくり健診や後期高齢者健診、これらは同等にやっていますけれども、これと同じようにやっていただきたい。これも区民でありながら、健康診査の内容に差がある、こういったことはいかがかというふうに思っているんですが、その点はどのような御認識ですか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 各医療保険の保険者が特定健診を実施するに当たりまして、国が定めました必須項目のほかに、どのような健診項目を追加するかということについては、それぞれの医療保険者が判断するものというふうに理解をしております。

○長沢委員 制度論から言えばそのとおりなんです。制度が変わって、つまり、これまで中野区の区民健診を等しく受けていた人たちが受けられなくなったということを言っているんです。制度の説明は私はわかっているつもりなんです。例えば中野区で今やっている健康づくり健診の35歳から39歳までの方々、これはもう制度からは外れているわけです。しかしながら、これまでやっていた。同様に一般財源を使って実施をしているわけです。だから、被扶養者へのこういう一般財源を活用して健診項目の上乗せを図る。国保の特定健診などと同様の健診、これを改めて行っていただきたいと思うんですが、いかがですか。

○岩井保健福祉部参事(健康推進担当) 先ほども答弁いたしましたけれども、医療制度改革によりまして、20年の4月からは、40歳から74歳までの方の健診は、加入している医療保険の保険者の責任で行うことになったわけでございます。社会保険の被扶養者の健診を区が一般財源を投入して行うという考えはございません。

○長沢委員 医療制度が新しい政権の中で大いに変わっていただくことを期待したいと思いますけれども、そうは言っても、片方で一般財源と、一般財源を全部出せという話ではないわけです。特定健診も、それ自身は把握をして、そこの部分を上乗せをして、同じような健診項目で、つまり、これまでは成人健診、区民健診と言ってやっていた方々ですから、そういった意味合いからも、それを重ねて、これは要望しておきます。


(3)その他

 三つ目に、本会議の質問でも取り上げましたけれども、都市整備費のうちの建築費、木造住宅耐震改修助成と家具転倒防止器具助成について伺います。
 我が党議員団は、倒壊度が高いとされる個人住宅への耐震改修助成と家具転倒防止器具取りつけ助成のこの器具台の補助を求めてまいりました。まず耐震改修助成でございますけれども、予算で見込んだ30件中、決算では10件の執行にとどまっております。これはなぜだとお考えですか。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 耐震改修助成の件でございますけれども、これは結論から言いますと、当初、耐震改修を予定されていた方で結果的に建てかえを選択された方が多かったところでございます。
 ちなみに、今回御指摘のように耐震改修助成を受けたのは10件でございますけれども、それ以外に補助金なしで補強工事を行ったのが18件、それから、建てかえをした方が39件ございました。したがって、補助金の実施件数としては想定を下回っておりますけれども、実際に耐震化された住宅の件数としては一定量確保できたというふうに考えております。

○長沢委員 耐震化が進んでいるということは、そのことはよいことだと思っています。ただ、建てかえですとか、そういうのはお金がかかるものですから、私たちはこれまでも言ってきたように、ある一部分のところだけでも、それでやるだけでほどほど耐震というやつを何十万の規模でやれるわけです。そういったものに対しての助成をお願いしたいということも言ってきたところです。
 それと、今年度の予算の中でも、例えば防災ベッドという形で、そういったことも区としてもやられているわけです。とにかく大震災から命を守るという、そこの視点をきちんと持っていただきたいなというふうに思っています。耐震改修助成と言いながら、区がやっているのは補強設計費だけの助成、しかも、定額5万円だけという中身でありますけれども、安全で災害に強いまちづくりの実現のためにとして、これは商工会議所の中野支部が区長あてに出した要望書でも、あるいは中野建設業界の要望書でも、耐震改修工事助成、これを求めております。こういった助成にまで踏み出すときではないかと思っていますが、いかがですか。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 今御指摘の件でございますけれども、現在設計費の5万円の補助を耐震改修などにしておりますけれども、これを受けることによりまして、所得税及び固定資産税の税制優遇措置を受けることができまして、一定のメリットがあるというふうに考えております。個人の財産を守る対策につきましては、基本的には自己負担と考えておりますけれども、住宅の耐震化が促進されますように今後さまざま取り組んでいきたいと考えております。

○長沢委員 本会議での答弁でも、都市整備部長だったと思います。木造住宅の耐震化率の向上に向けて耐震診断士の協力等を得て個別訪問や耐震相談会を実施したい、こういったことが御答弁されました。また、以前私が防災まちづくり特別委員会の場で耐震改修にかかわる質問をした際に、御答弁で、耐震改修工事をやる場合、大体リフォームをしたいという方が補強までやりたいと言う。要するに骨組みだけをしたいという方はなかなか少ないんだと、こんな御答弁もあったところであります。そうしたこともとらえて、インセンティブを与えるなどの工夫をしながら、こうした耐震改修、これを進めていく、こういったことを改めて要望しておきたいというふうに思っています。ありがとうございます。
 もう一つ、器具代の助成についても伺いたいんですが、これは以前にも指摘をしましたけれども、東京都から補助金は出ております。でも、これについてはやろうとしておりません。件数は予算の150件に対してわずか1割の15件。これは、資料を見ますと、年々件数が減っておることが見てとれます。建設の18の資料だったでしょうか。この点はどのように見ていらっしゃいますか、伺いたいと思います。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 現在区が行っております家具転倒防止金具取りつけの補助でございます。これは高齢者の方などで自力で取りつけが比較的困難な方々を対象にしまして、金具取りつけ工事業者、これは主に区の登録の耐震改修施行でございますが、同じく取りつけ業者を無料であっせんしているというものでございます。こうしたことによりまして、高齢者の方々の家具転倒防止金具の取りつけの普及を図る、そういったことでございます。この辺の件数については、今後、もう少し普及啓発活動に努めたいというふうに考えております。

○長沢委員 今後さらに普及啓発を図っていくという、そういう御答弁なんですけれども、普及啓発をしてもこの件数だったということではないんですね。器具代金は比較的安価で、個人負担の範囲内、そういう御答弁も本会議ではされていますけれども、そういうことは逆に言えば区で出せない金額でもないということではないですか。震災による死亡の原因は、圧死と窒息死で8割を占める、こうした調査結果もあります。高齢者等は寝ていなくても逃げおくれることが考えられる。事は命にかかわる問題であり、補助に踏み切るべきではないか、このように思いますが、いかがですか。

○豊川都市整備部副参事(建築担当) 実際、家具転倒防止金具取りつけの御相談などをお受けしておりますが、実際器具代金が必要だからやめましたというふうな事例は今のところ遭遇していないわけでございまして、この件につきましても、金具の代金は比較的安価でございますので、個人負担の範囲かなと考えております。

○長沢委員 大地震に備えて区民の命を守っていただく。そのことを区が決して忘れてはならないということ、このことは最後に指摘をして終わりたいと思います。ありがとうございます。

2 「中野区基本構想」と「新しい中野をつくる10か年計画」の改定について


(1)改定にあたっての視点について

 二つ目に、基本構想と10か年計画の改定について伺います。
 その1点目としては、改定に当たっての視点について伺います。
 基本構想は、自治体では計画体系の最上位に位置する重要なものであるというふうに認識をしています。しかしながら、なぜこれほど軽い扱いをされているのかというふうに思っています。構造改革規制緩和路線が破綻し、その誤りが地方自治体のもとでも、もちろん中野区においても明らかになっています。にもかかわらず、その考えを土台とした基本構想の改定が文言整理だけとは、あまりにもおざなりではないでしょうか。区は国とともに誤った路線をひた走ってきたその反省が必要であり、その上に立って理念と将来像を描き直すべきではなかったのか。この点を伺いたいと思いますが、いかがですか。

○高橋政策室副参事(基本計画担当) お答えします。国の政権交代によっても、区の目指すべき方向は大きく変わらないというふうに考えてございます。また、基本的な理念とか区の方向を示します中野のまちの将来像については、変更の必要がないものと考えてございます。したがいまして、10年後のまちの姿についてのみ具体的な変化があった部分について必要最小限で改定したいというふうに思ってございます。

○長沢委員 小手先だけ直すようなお話みたいだけれども、現行の基本構想を策定しての間、区の財政こそ潤っていますけれども、区民の暮らしは決してよくなっていないんです。将来負担も広がっている。しかも、自治も形骸化した。それなのに基本構想の基本がそのままであるというのはあまりにも無責任ではないかと思います。このことは基本構想だけではなくて、基本構想の理念と将来像の実現のための取り組みを目標とした10か年計画においても同じであります。
 政権交代の影響もあって、区も今定例会の一般質問で、国の動向を見守るであるとか、適切に判断するなどのこうした答弁をしてきております。歴史の転換期を迎えて、新しい時代にふさわしい理念を持って10年後の姿とそのプロセスを描くべきだというふうに思っています。社会経済情勢は大きく変わる可能性が生まれているわけですから、それにこたえる基本構想と10か年計画でなければならない。当初のように、その点でも多くの区民に参加してもらえるこうした仕組みをつくって改定を行うべきではないかと思っておりますが、いかがですか。

○高橋政策室副参事(基本計画担当) 現時点におきましては、新政権の新たな制度につきましては、まだ明確になっていない部分がございます。したがいまして、今ある制度を適正に運用していくことが肝要かと考えます。また、現行の基本構想及び10か年計画でございますが、双方とも新たに策定したものでございまして、それに応じたプロセスをとったというふうに認識してございます。今回は自治基本条例に基づきまして、改定の範囲及び趣旨に合ったものとして考えてございます。

○長沢委員 そういうことでは10年後どころか1年後の姿さえ示すこともままならないのではないかと思っています。
 もう1点財政フレームについて伺います。2005年の当時の基本構想を変える際に、財政見通しを踏まえたものにすると述べていらっしゃいました。しかし、10か年計画で財政フレームを示すには示しましたが、策定からの4年間で財政運営の考え方において2度も見直しをしています。10年間もの財政フレームとは、もともとそういった修正を必要とするものであるというふうに思っています。今度の10か年計画の改定でも同様です。初めから変わるものととらえて、区民と議会に説明をしていくことが必要ではないかと思いますが、いかがですか。

○志賀政策室副参事(予算担当) 毎年度お示ししております財政フレームの考え方では、社会状況の変化をとらえて、それから、事業の進捗状況、そういったものも反映いたしまして、より精度の高いものをお示ししているというものでございます。毎年度財政フレームを改定して、結果として去年より変更が加えられているといったものでございます。

○長沢委員 ですから、これから素案から案の段階で、10年間のフレームというものは示されると思うけれども、当然ながら、それはかわれるものだと、そういうことを確認しておきたいと思います。大事なことは、区民の暮らしと要望にこたえるものであって、また、かつ無駄と浪費を改めることが肝心であり、その視点を持ち合わせていることが大事だというふうに思っています。その点のことを改めて強調しておきたいと思っています。ありがとうございます。


(2)小・中学校の再編について

 小・中学校の再編について、二つ目に伺います。
 10か年計画の改定では、統廃合はこれからも進めていくことが述べられていますけれども、しかしながら、どこの学校かは触れられておりません。少なくとも議会と区民にはこうした触れられない理由を説明すべきではなかったかと思っております。意見や質問が出たら答えるというのでは、やはり問題が大きいのではないかと思っていますが、いかがですか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) お答えします。学校再編の中後期の内容につきましては、本年4月の文教委員会におきまして、学力向上など教育をめぐる諸課題について、中長期的な展望を持って、中野区が目指すこれからの教育の方向を明らかにするため、区民あるいは学識経験者などで構成する検討会議を設置し、この検討結果を踏まえて対応することを報告させていただいたところでございます。また、この検討結果を踏まえて、平成22年度いっぱいをめどに検討していくことも既に文教委員会や区長の行政報告等で御説明させていただいているというところでございます。

○長沢委員 議会に対してはそういった御説明があった。しかしながら、今意見交換会の場合はあえてそのこと自身、要するに説明の際にされているわけで、意見や質問が出た際にはお答えしているという、区民との関係においては、やはりそのことは指摘をせざるを得ないと思っています。
 前期の再編計画の検証について伺いたいと思います。教育委員会は、昨年12月3日の文教委員会に、平成20年度統合新校開校における検証についてを出しております。委員会でもさまざまな議論があったと伺っておりますが、ただ教育委員会の見解は、統合新校は良好であり、統廃合は問題なしとの立場でございました。しかし、統合新校の校区でありながら新校に行かなかった子どもたちがいます。また、新校のほうに移ってきているという、そういった子どもたちもいるということであります。この点、なぜだか承知をされていますか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) それぞれの学校の指定校変更につきましては、その申請理由といたしましては、兄弟関係あるいは通学への配慮などさまざまな事情によるものがあるというふうに考えてございます。統合新校につきましては、子どもにとっても魅力ある教育環境が整い、新しい学校の取り組みが定着するに従い、児童数も増加していくものというふうに考えてございます。
 検証内容につきましては、学校再編で目指した集団の活性化、あるいは学力の向上の条件整備、あるいは学校行事の活性化において十分成果があったものと考えてございます。今後もこうした検証を踏まえ、また、統合新校の児童・生徒と教育委員会との意見交換あるいは学校視察等を適宜行い、再編の推進に生かしていきたいというふうに考えてございます。

○長沢委員 文教の資料の93を出していただきました。これでは、緑野中学校は平成20年度からの統合新校になっていますが、新1年生は29人が指定変更します。今年度も30人が他校に変更しています。白桜小学校につきましては新1年生は11人ということで、比較をしてみるとそう多くないように見えますけれども、しかし、これは予特の資料の中でありましたが、白桜小学校の新入学児童は推計値49人を見越したけれども、しかし、35人であった。こういったことも一方で出ているわけです。また、桃花小学校につきましても、平成20年度で22人、今年度20人がこうした指定校を変更しているわけであります。
 また、これも予特の資料でありますけれども、学校の統合に伴う在籍児童・生徒の指定校変更件数、これを見ると、桃花小学校が指定校であるのに、仲町小学校の児童59人中、指定校変更しているのは42人にもなっている。また、別な資料でもありますけれども、先ほどちょっとおっしゃった通学区域外からの就学した児童・生徒数の理由別、こうした学校再編計画に伴う特例、これは実際は統合する2年ぐらい前から、つまり、計画が示された後に、小学校も中学校も大きく動いているんです。このことをよく見なくちゃいけないと思っています。
 もう一つ統合新校の規模についてなんですけれども、中野区立小・中学校の再編計画がありますが、この中で小学校でも少なくとも12学級、学年2学級、これを維持するとしながら、実際に今年度統合新校になった白桜小学校は、この初年度に当たります今年度は10学級であります。また、緑野中においても、昨年度は11学級を予定したけれども、9学級だった。南中野も11学級だったのが9学級。また逆に桃花小は15学級だけれども、既に18学級。再編計画で目指す適正と言われているマックスのところの18学級まで既にいっているわけです。これだけの児童・生徒がいた。そしてまた、再編計画に見込んで学級数を確保できていないんだということや、また逆に、見込みよりふえた学校もあるんだと。これを一体どういうふうに見ているんですか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 答弁の繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げたとおり、私どもといたしましては、今後魅力ある教育環境をつくり上げる。また、新しい学校の取り組みが定着することによって児童数が今後ともふえていくというふうに私どもは認識しているところでございます。

○長沢委員 これは規模だけの問題ではなくて、この間に子どもたちを行政都合で振り回してきた、親を振り回してきた、そのことをきちんと総括することが必要だと思っています。この点で伺いたいのは、子どもの意見をきちんと聞いたのかということであります。子どもの権利条約の意見表明権や、中野区教育行政における区民参加に関する条例のこの遵守は欠かせないというふうに思っておりますが、条例の第4条第1項で、区民参加においては権利の主体としての子どもの参加と、意見表面権の機会が保障されるよう配慮されなければならないとして、また、その第2項では、区民が区の機関に対し、これは当然子どもも入っていると思っておりますが、直接かつ個別に意見、苦情等を申し出ることができるよう配慮されなければならない、このようにしております。これはどう確保されますか。

○吉村教育委員会事務局副参事(学校再編担当) 学校再編計画につきましては、区民と意見交換会などの議論を経まして、適正な手続に基づいて策定されていたというものでございまして、今後の中長期についても区民の御意見を聞きつつ、総合的に判断していくものでございます。また、先ほども答弁させていただきましたとおり、子どもの意見等につきましても、先ほど申し上げた検証結果あるいは児童・生徒の意見交換等での議論を今後とも生かしていきたいと考えてございます。

○長沢委員 私どもは、統廃合あるいは小規模校に当たってということでさまざまな議論というか、質問もさせていただきました。やはり問題なのは、子どもたちにとってどうであるのかということがまず第一でありますし、また、地域にとってもどうなのか。そしてまた、それを包括的に言えば住民合意が得られているか、こういったことを指摘をしてきましたけれども、今の御答弁を聞いている限り、全く今後も生かす、そういう見通しはないと、これは言わざるを得ないと思います。その辺は問題にして、これからもただしていきたいと思います。
 一方、30人学級、少人数学級の実現に兆しが見えてきております。教育委員会は学級数で適正としてきましたが、その前提が崩れることになるのではないか。やるべきことは、30人学級をはじめとした少人数学級での学校運営、そのための準備をしていくことではないかというふうに思っておりますが、この点はいかがですか。

○喜名指導室長 お答えいたします。現政権は、教員が子どもと向かい合う時間を確保するために教員の増員を公約としているところでございます。しかし、30人学級の実現につきましては、現時点で何ら具体的な動きはないと認識しております。したがいまして、これまでお示ししております適正な規模の考え方については変更はございません。

○長沢委員 確認しておきますけれども、30人学級なり少人数学級が具体的な動きが出てきた場合には、その場合には検討するということですか。

○喜名指導室長 仮に国の学級定数の見直しが行われた場合は、それに連動いたしまして教員の定数がふえまして、学校によっては教員がふえることになります。これにつきましては、既に少人数指導の実績もございますので、教室配置の変更以外、特段の準備は必要ないというふうに考えております。

○長沢委員 統廃合の再編計画との関係で伺っているんです。学級の規模という形で言っているわけです。学級数という形で学校の規模を規定しているわけです。そのことが変わることがあるではないか。それはいかがですかと伺っているんです。

○喜名指導室長 繰り返しますけれども、現時点ではまだ30人学級の実現については何ら具体的な動きがないと認識しております。前政権の概算要求では5,500人規模の増員ということを言っておりますが、それも見直しになりました。また、今の文部科学大臣も定数については何ら言及をしておりませんので、現時点では何も変更はないというふうに考えております。

○長沢委員 またさっきの答弁に戻っちゃいました。現時点ではと、お役人だからそういう形で言わざるを得ないのかもしれません。しかし、これは後戻りしません。これは必ずなります。そうなったときに考えますではなくて、統廃合、再編計画との関係で私は伺っているんです。きちんとそれは準備をしておかなくちゃ、考え方も、これまで言ってきたことと変わるわけですから、そのことはよくよく検討しておかなければならない。このことを強く要望しておきます。


(3)施設等売却の問題について

 最後に、施設売却を伺います。全体にかかわる問題として、区の財産イコール区民の財産というふうに思っております。あまりにも目先の財源にとらわれ過ぎていないか。意見交換会の場では、これだけの施設を挙げておいて、最小限の売却とも述べていらっしゃいました。しかも、保育園や学校といった福祉、教育施設が大半であることも、この点もやはり見過ごせないというふうに思っております。
 先ほども触れましたけれども、改定されても10か年計画がそのままというわけにはいかないだろうと思います。区民目線からも、将来の需要をあまりにも見ていないのではないか。新たな区民要望にこたえられないのではないかというふうに思っておりますけれども、売却方針、この点を改めるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○田中政策室副参事(企画調整担当) 区全体の施設配置におきましては、効率的な施設配置であるとか、あるいは新たな活用内容への転換を行った上での売却といいますものは、施設整備を着実に進めるための財源確保の観点からも非常に重要であるというふうに考えているところでございます。また、施設の将来利用についてでございますけれども、今後活用方法を検討する施設等という形で整理をさせていただいた中で一定の想定を行ってございまして、今後の活用も見越して素案の作成を行ったものでございます。

○長沢委員 これは大事な問題なので、改めてどこかほかの場でまたやりたいと思っております。
 もう一つ個別の問題で、一つだけ伺います。野方小の跡地の売却が出ておりますけれども、広大な敷地であります。これはどこに売却する予定でありますか。

○田中政策室副参事(企画調整担当) 10か年計画の素案でお示しをしておりますのは売却という方針でございまして、具体的な売却先等については、現時点では決まってございません。

○長沢委員 この点について、区民、地元住民の意見をきちんと聞くべきであるということ、この点を要望しておきたいと思います。

3 新型インフルエンザの対応について

 3番目に、新型インフルエンザの対応について伺います。
 小・中学校での学年、学級閉鎖については、逐次御報告をいただいております。また、直近の区内公共施設での感染状況についての御報告をいただきたいと思っておりますが、同時に定点医療機関についても報告をお願いしたいと思っております。いかがでしょうか。

○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 現在でも小・中学校の休業状況、それから、区内の私立の学校あるいは保育園等の施設についての集団発生状況について御報告を週2回というペースでさせていただいてございます。また、区内の定点医療機関における患者数、これにつきましても、ホームページ上では区民にお知らせをしてございますが、今後定期の報告の中に適宜あわせて御報告をさせていただこうというふうに存じてございます。

○長沢委員 報告をお願いするというのは、報告の仕方をお願いするのではなくて、では、今で言えば、定点医療機関に関して報告をお願いできますか。

○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 今後、週1回になりますけれども、直近の定点医療機関の患者数については御報告をさせていただきます。

○長沢委員 直近は幾つですかということを伺ったつもりです。

○野村保健福祉部副参事(保健福祉部経営担当) 今週金曜日の御報告の中で触れさせていただこうと思ってございます。

○長沢委員 いずれにしても、ホームページには出している。いろいろな媒体を使ってそれは御報告をいただければと思います。
 国が9月の初旬に各自治体に招集をかけたというふうに伺っています。そこでの内容は何だったのか、それを受けて中野区健康危機管理対策本部でいかなる方針を持ったのか、これについてお答えいただきたいと思いますが、いかがですか。

○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 9月初旬の会議でございますけれども、内容は主に新型インフルエンザワクチン接種の基本的な考え方について、接種対象者の優先順位や実施体制等についての説明がございました。ただ、同時期に実施中でありましたパブリックコメント、その結果も踏まえて、実施内容の決定を改めて説明会を実施して説明をするという方針で会議は終わってございます。また、区としては、そういった状況でしたので、今後出される国の方針決定を受けて、早急に対策を進めることといたしました。

○長沢委員 情報提供や、先ほども広報、啓発についてはさまざまな媒体を通じて行っているということは評価をしたいと思っていますが、区内の入院事例などの情報、これを共有できるよう、個人情報に配慮しつつ、的確に情報提供を実施していただきたいと思いますが、この点はいかがですか。

○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 区内の入院事例の情報に関しましては、入院事例の情報、重症化事例ですが、現在東京都が区も含めて個人情報に配慮し、医療機関名、地域等も伏せた上で公表を行ってございます。個別に中野区民の入院治療について、区が情報提供する考えはございません。

○長沢委員 もう一つ、タミフルや抗ウイルス薬や検査キット、マスク等の必要な薬品、医療資材の不足がないようにチェックして、区内医療機関からの要望にこたえられるようにしておくことも大事だと思っております。こういったことは東京都と連携して進めていただきたいと思っています。
 今パブリックコメントをやっているさなかであるということで、国からの指示はまだないということですが、同時に、新型インフルエンザワクチン接種が必要な区民に遅滞なく行われるよう、やはり準備をしていただきたいと思っておりますし、その際、日本感染症学会から、子どもへのタミフル等の投与が有効と、こうした見解も示されているわけでありますけれども、的確にこうした情報を収集して、区内医療機関や東京都、あるいは国と連携して対応に当たっていただきたいと思っていますが、この点はいかがでしょうか。

○山川保健福祉部副参事(保健予防担当) 国や学会関連等の情報につきましては、医師会等医療機関や、東京都と連携し、これまでも適宜情報提供を行うよう努めてまいりました。今後も引き続き実施していく方針でございます。

○長沢委員 区職員の健康管理と感染拡大の防止に当然努められていると思っておりますが、どういった状況でしょうか、この点を最後に伺いたいです。

○尾﨑経営室参事(人事担当) 新型インフルエンザの感染拡大防止につきましては、8月27日付で職員に向けて、自分がかからない、他人にうつさないための具体的な注意事項、あるいは同居の家族が発症した場合の対応、さらには職場として感染を拡大させないための清潔保持や所属長による基礎疾患を有する者の把握、それから、本人及び家族の発症例の人事担当への報告等について周知徹底をしたところでございます。

○長沢委員 どうもありがとうございました。この項の最後に、資格証発行との関係で伺います。
 本会議の場でかせ委員も伺いましたけれども、資格証明書発行世帯への短期証交付については、御答弁では一律に交付をしない、このような答弁でもありました。そこで伺いますが、発熱などの自覚症状のある人に対しては、支払いの弁明がなくとも短期証を交付する、このように理解していいですか。

○柿内保健福祉部副参事(保険医療担当) お答えいたします。個別に判断することになると思いますが、新型インフルエンザの御相談があれば、適切に対応したいと考えてございます。

○長沢委員 どうもありがとうございました。

4 国と自治体で貧困を解消することについて


(1)生活困窮者の把握と対策について

 次に、四つ目に、国と自治体で貧困を解消することについて伺いたいと思います。
 その第1に、生活困窮者の把握と対策についてであります。これは1点だけでありますが、伺います。
 あってはならない貧困が広がっておりますけれども、まず第1に着手すべきことは、貧困率の測定です。政府は、1965年までは国民生活基礎調査における生活保護と同等の消費水準にある世帯数、低消費水準世帯、この推計を行っていましたが、その後はそうした統計をとっていません。生活保護の捕捉率、これは生活保護基準以下で暮らす人々のうちの保護受給者の割合も発表していません。必要とする人の2割程度しかカバーできていないのではないかとの指摘もあります。ゆえに国は貧困の定義も持ち合わせていません。貧困率の測定と貧困の実態調査、これを復活するよう政府に要望していただきたいと思いますが、いかがですか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) お答えいたします。要望を行う予定はございません。

○長沢委員 その理由を言ってください。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 貧困の実態については、国のほうにおいて適切な調査を行うということはございますけれども、さまざまな国の貧困に対する施策について、施策が出るたびに、最近では個別施策の中で対象者の予測を行っておりますので、生活援護担当としては早急にこの貧困に対する調査について国に要望するというような必要性は感じておりません。

○長沢委員 これは1点だけ伺うということで言いましたけれども、区も中野区内における貧困の状況というのは実際はつかんでいらっしゃらないわけです。つかみようがないわけです。国にかわって区がやるんですか、やれないでしょう。これは、もともと1960年代のところでやめたというのは、要するに貧困はなくなったという認識のもとでやめているわけです。そういうことは発表しています。しかし、今日の事態において、さまざまにOECDの調査とかいろいろ出ております。あるいはマスコミなんかでも、いろいろな角度からではありますが、そのことをとらまえて出しています。こういった事態の中できちんとそのことを調査する。もともとやっていたことですから、そのことを復活していただきたい。これは結構です。強く要望しておきたい。


(2)生活保護行政について

 もう一つ、生活保護行政について伺います。
 申請窓口体制の拡充と改善を求めてお聞きをします。窓口に相談、申請に行ったら何時間も待たされる。こうした声が最近後を絶ちません。11時に行ったら、午後にしてください。4時に行ったら、翌日にしてください。こういった例も珍しくありません。込み合っている原因は、今日の不況のもとで推測できるわけでありますけれども、そうした状況に対して的確にこたえなければならないというふうに思っています。
 相談件数の推移を御報告していただきたいと思いますが、いかがですか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 相談件数につきましては、厚生26の資料を見ていただきながら御説明をさせていただきます。
 相談件数は、平成17年度、4,345件、平成18年度、3,594件、平成19年度、3,575件、平成20年度、4,134件、平成21年度7月末現在で2,011件となっております。

○長沢委員 現在の窓口を担当する相談員は何人いらっしゃいますか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) 係長を入れ6名おります。

○長沢委員 人と場所をふやすなど、改善が必要になっているという、そういう御認識はありませんか。

○黒田保健福祉部副参事(生活援護担当) この間の景気の動向の影響を受けまして、相談者が増加しているということについては認識をしております。今年度も臨時的対応として、他の分野の中の職員を充てて相談をするという措置もとっておりますけれども、来年度以降につきましてもそういった状況を勘案しながら、窓口体制の強化を拡充する必要があるというふうには考えております。

○長沢委員 ぜひその点を強めていただきたいと思っています。ありがとうございます。


(3)「子どもの貧困」の克服について

 この項の3番目に、子どもの貧困の克服について伺いたいと思います。
 その第1は、教育費の軽減についてであります。保護者の負担、私費負担の軽減について伺います。文教資料31、中野区立の小・中学校に通わせる親の私費負担、20年度で見ますと、年間1人当たり小学校の最高単価の合計は6万6,286円、最低単価の合計で4万9,830円になります。中学校でも、最高単価の合計で8万327円、最低単価合計でも6万5,804円になります。実際にはこの最高と最低の間の負担になると思われます。
 加えて、小学校高学年での移動教室、4,836円と、夏季学園、1万5,834円のこの負担、どちらも最低の単価でありますけれども、これが加わります。また中学校では、2年生の移動教室、8,983円、3年生の修学旅行費、5万1,742円、夏季学園、1万5,630円、いずれも最低単価でありますけれども、この負担を考えると、かなりの私費負担になります。これ以外に、卒業記念アルバム代を加えると、6年生では8万円を超えるんです。中学3年生では14万円を超す。いずれも最低単価での計算でありますが、これだけの私費負担が必要とされています。
 そこで伺いますが、教育委員会は何を根拠に保護者の負担、私費負担としているんですか。また、その範囲はどういったものなのか伺います。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) お答えをいたします。根拠というお尋ねでございますけれども、東京都教育委員会で定めました義務教育学校運営費標準というものがございます。それに従いますと、利益が児童・生徒に直接還元される性質の経費につきましては保護者負担というふうにされてございます。例えば学習ノートなどの教材費、ユニフォームなどの部活動費、修学旅行などの交通費や入場料、学校教育費などがこれに当たります。

○長沢委員 本来義務教育でありますから、これは無料が原則であるというふうに認識しております。義務教育に必要な費用は基本的に無償にすべきであるとも思っております。少なくともその負担を極力減らしていくことが要請もされています。新聞、テレビなどのマスコミでも、教育費の家族依存と公費の乏しさがさまざま取り上げられているところでありますけれども、義務教育における私費負担は、不況の折、給与、賃金が抑えられている中で、子育て世代には大変つらいものであります。また、就学援助は受けていない低所得者にとっては過酷とも言えます。私費負担を軽減するための施策が必要であると思いますが、いかがですか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 区では、これまで社会科見学や移動教室のバス代、それから、遠足交通費の公費負担を実施してございます。経済的に厳しい状況の家庭には、就学援助など、その個別事項に基づいて必要な対応を図っており、就学援助を受けられる世帯で未申請の世帯につきましてはぜひとも申請をしていただきたいというふうに考えてございます。

○長沢委員 就学援助のそういったことをとらまえて、そのことを積極的にということはそのとおりだと思っています。ただ、同時に全体としても私費負担が、これが非常に家計を圧迫しているという、そういった事実もあります。今自治体でもさまざま私費負担を減らしていこう、あるいは公費で支出をする、こういった取り組みも広がっているところであります。例えば府中市では、学習帳や連絡帳類、ワークテストなどを公費負担にしております。この辺では、今おっしゃられましたけれども、中野区でも私費負担から公費負担に見直すなど、あらゆるものがあるかと思っております。私費負担の軽減を改めて図っていただきたいと思っておりますが、検討してほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○合川教育委員会事務局参事(教育経営担当) 先ほど御答弁をいたしましたように、利益が児童・生徒に直接還元される性質の経費につきましては保護者負担というふうに考えてございまして、現在のところ、保護者負担の軽減を拡大するという考えはございません。

○長沢委員 考え方でありますけれども、教材費とか給食費とか修学旅行費という学校教育にかかわるものが、今言ったように個人に還元されるというものでは、受益者負担という名目で徴収をされているというふうには理解というか、そういうものだと解釈をしています。しかし、公費で支出できないということではないんです。しかも、ほとんどは学校教育として集団的に行っているもので、基本的には個人の判断でそのことを取捨選択、これはできるものではないんです。ぜひとも教育委員会がきちんとこのことをとらまえて検討していただきたい、このことを強く要望しておきたいと思っております。ありがとうございます。
 就学援助の二つ目に、拡充について伺いたいというふうに思います。就学奨励受給者、これは要保護と準要保護の子どもさんでありますけれども、小・中学校の総児童・生徒数の24%と、この決算年度、10年前と比較して5%も増加をしております。就学援助費の支給については、実費支給の全額が出るわけではありません。例えば中学校の修学旅行費については、上限6万5,000円であります。卒業記念アルバム代は、小・中学校とも上限が1万1,000円であります。ところが、先ほど使わせていただきました文教資料の31を見てもわかるように、修学旅行の最高単価は上限を超えております。卒業記念アルバム代も、小・中学校とも最高額は上限額を超えています。この2008年(平成20年度)では、差額の1万4,000円を払わなくてはならなかったということであります。児童・生徒は、そのことを理由に学校を選べません。これは見直しが必要ではないですか。伺います。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) お答えいたします。この就学援助の制度というのは、経済的な理由によりまして義務教育を受けることが困難な児童・生徒の保護者に対して、就学に必要な経費を援助するというものでございます。上限額につきましては、経済状況の推移などを見ながら考えてまいりたいと考えています。

○長沢委員 この点も自治体独自の上乗せもできるというものでありますので、今副参事がおっしゃられたように、状況を見て検討していきたいということでありますから、すぐにでもこれは検討していただきたいというふうに思っています。
 もう1点、就学援助の費目の拡大についても伺いたいと思います。その一つは、これは本年度の第1次補正で出されました子どもの学習支援のための給付、ドリルとか練習帳とかそういったもの、これを買うために国の補正対応としてこれは第1次補正で出されました。これは対象は被保護世帯の子どもに対する教育支援費でございますけれども、準要保護世帯へのこれの拡大を図っていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 先ほど申し上げましたとおり、就学に必要な経費を援助するということで、どこまでが就学に必要なものか、あるいはそれをどこまで税金で負担すべきかということにつきまして、今後財政状況やあるいは社会状況を勘案しながら考えてまいりたいと思います。

○長沢委員 もう一つは、めがね代の補助をぜひともお願いしたい。この費目の拡大の二つ目、これを質問させていただきます。生活保護を受けていれば、めがね購入費は保護費として支給されています。しかし、就学援助ではされてはいません。墨田区では、既にめがね購入費が就学援助の対象になっており、150人の児童・生徒にわたっています。1人当たり2万円ほどの費用であります。近年、子どもの視力は低下をしています。また、文部科学省の調べでは、中学生の2人に1人が視力が1.0未満という結果も出ています。また、小学生からめがねを必要とする子どもも少なくありません。ぜひこれも区でも実施をしていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) これも同様なことになりますけれども、費目の拡大につきましても、公費負担、私費負担の区別、あるいは就学援助の目的に照らして、経済状況あるいは財政状況に照らして検討してまいりたいというふうに考えています。

○長沢委員 一連のこういう子どもの貧困という形で取り上げさせていただいたのは、もう既に御存じのように、実際にそうした経済的な貧困の問題が教育の格差としてあらわれているとさまざまなところで指摘をされています。少なくとも憲法の26条、また、あるいは教育基本法の第4条においても、差別されてはならないと、そういうことがきちんと定められているわけであります。それは、教育を受けることは基本的人権の一つであって、経済的理由で妨げられるべきではないのだと、ここのところをぜひとも教育委員会がきちんととらえていただいて、今私がるる述べさせていただきましたけれども、こうした支援をぜひお願いしたい、このことを要望しておきたいと思っています。


(4)その他

 この項の最後に、多重債務の対策について伺いたいと思っております。
 多重債務の対策につきまして、相談者のアクセスは現在どのようになっているのか伺います。

○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 多重債務者へのアクセスでございますけれども、国や東京都でも取り組んでございますが、区におきましては、消費者センター、消費者相談で受付をしてございます。また、そういったPRをチラシ等でさせていただいているところでございます。

○長沢委員 全庁的にはどういった取り組みをされていますか。

○横山区民生活部副参事(環境と暮らし担当) 全庁の連携のあり方でございますが、多重債務者の発見につながる接点となると思われます税務、国保、生活援護、区民の声といった担当部署の職員によりまして、多重債務問題対策情報連絡会、こういったものを持ちまして、年2回ほど開催してございます。この場におきまして、情報交換ですとか、あるいは消費者相談につきまして職員の理解を高め、現場職員を通じて相談者のほうへPRするなどの対策をとっているところでございます。

○長沢委員 今おっしゃられた多重債務問題対策情報連絡会に教育委員会は入っておりません。多重債務の問題をどのようにとらえて発見し解決していくのか。このこと自身、子どもを通じて家庭に最も近いところにある部署である教育委員会としてはどのようにお考えですか、伺います。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) お答えいたします。すべての子どもに義務教育を円滑に受けさせるということは非常に大切なことであるというふうに考えております。そのためには、家庭の経済基盤が健全であるということが望ましいというふうに考えています。

○長沢委員 給食費の滞納などで保護者から相談があった場合は、消費者センターとも連携をとることが求められているというふうに思っています。他の自治体では、給食費等の未納による多重債務の発見に至る場合があるというふうに伺っています。子育て世代のところで、多重債務の相談も、これもやはり多くなっています。借金のことで困っているといった区民が発するシグナルをどうキャッチしていくかが大事であると思いますが、教育委員会のこの多重債務問題対策情報連絡会、この会議体への参加を求めたいと思いますが、いかがですか。

○寺嶋教育委員会事務局副参事(学校教育担当) 多重債務に陥ることになるときに、消費者相談につなげていくというのは一番大切であるというふうに考えています。今後必要に応じて関係部署と連携を図ってまいりたいと考えております。

○長沢委員 質疑を続けさせていただきます。

5 入札・契約について


(1)入札制度の改善について

 5番目に、入札・契約について伺います。
 その初めに、入札制度の改善について伺います。
 まず、総合評価方式の改善について伺いたいと思います。2000年12月に策定した中野区入札・契約制度改革基本方針に基づき、総合評価方式が昨年度の試行実施に続いて、今年度は基本的に全案件について実施を行うことにしております。その際、評価基準の見直しも行われたところであります。新基準によりますと、評価配点合計は、特別簡易型で24点、簡易型で32点であります。今回の見直しは配点加点でありましたけれども、評価項目と評価内容など、一層の改善が必要と考えております。その際、総合評価方式においては、何をどう評価するのかが大きなポイントと言えます。
 ダンピング受注が公共工事に従事する建設労働者の低賃金、不安定雇用などの労働条件の悪化を招いていることから、評価項目として2省協定賃金、公共工事設計労務単価の水準を確保していることや、建退共退職一時金制度、もしくは企業年金制度に加入していることなど、こうしたことを加えることをぜひ検討していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) お答えを申し上げます。これまで中野区の総合評価方式の実施に当たりましては、企業の技術力と企業の信頼性、社会性を評価するものとして設計してまいりました。つまり、工事の品質を確保する観点から、評価基準の評価項目を設定し、契約の相手としての企業を評価するという内容として整理をしてきたものでございます。この評価の項目等を設計するに当たりましても、試行の段階での分析、検証、それから、参加事業者へのアンケート調査等をした上で見直し、検討をした結果として現在の制度があるところでございます。
 もとより、こういった制度の実施に当たりましては、本年度等の本格実施の結果も今後も検証して、必要な改善は加えていかなければならないというふうに考えているところでございます。ただし、御指摘がございました2省協定賃金の水準確保や、建退共加入等を評価項目とするということについては、現在のところ考えてございません。建設事業者が本来対応すべき事柄については、別な観点からの対応が必要だろうと考えているところでございます。

○長沢委員 公共工事の品質確保の促進に関する法律、公共工事品確法と言われていますが、これの施行の背景となったのは、著しい低価格による入札が急増するとともに、工事中の事故や手抜き工事の発生、下請業者や労働者へのしわ寄せ等による公共工事の品質低下に関する懸念が顕著だと、こうした認識は持たれているというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) お答えいたします。総合評価方式によりまして、発注者の責務を明確化し、価格と品質で総合的にすぐれた事業者を落札者とするために、評価基準によって企業の技術力のほか、企業の信頼性、社会性を評価点で加点することによりまして、工事の品質確保を図っていけるというふうに考えてございます。こうした総合評価方式の実施によりまして、必要な技術的能力を有する建設業者のみが競争に参加することによりまして、ダンピングの防止、不良不適格業者の排除ができるようになるというふうに認識しているところでございます。

○長沢委員 今の御説明もよくわかるんですが、公共工事の品確法の趣旨に従えば、元請、下請とも、労働条件、賃金、そういったものを確保していくというところ、そういったことについてもぜひ位置付けていただきたい。また、ぜひ評価項目として入れていただくことを検討していただきたいということは要望しておきたいと思います。
 もう一つ、区の総合評価方式の中で、災害協定に基づく活動の評価基準に記されている地元自治体と災害協定ありとしてあるわけでありますけれども、区外業者であっても、地元自治体でこの協定を結んでいれば、これは配点をされるというものなのでしょうか、伺います。

○長田経営室参事(契約担当) 委員御指摘のとおり、区外事業者が地元の自治体と協定を結んでいれば加点されるということでございます。

○長沢委員 本格実施が始まる前に、2度ほど事業者の方々にアンケートをされています。その実施結果の中でも、中野区との防災協定の有無に変更などの意見が幾つか見られました。中野区との災害協定がないのに、地域社会貢献という形で配点をされているということ、これは区内業者との協定に限って配点をした。たしか1点だったと思うんです。これを配点することを求めたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 先ほど来御説明をさせていただいてございますが、総合評価方式の目的、趣旨というものは、価格と品質で総合的にすぐれた事業者を落札事業者とするというところにあるものでございます。区外事業者であっても、地元自治体と協定を結んでいれば、その企業としての社会性、信頼性の観点から評価することができるというふうに考えているものでございます。

○長沢委員 社会貢献、社会性ということではそうかもしれないけれども、ただ、地域ということになりますと、その地域において、例えば災害があった場合は、そこと協定を結んでいるからそちらのほうに行くわけです。中野区の中において、災害協定を区と結んでいるということは、仮に配点のあり方を少し格差をつける、区内業者に有利にする、そういったことはやはり必要ではないかというふうに思っているんですが、いかがですか。

○長田経営室参事(契約担当) 区内事業者に着眼点を置いてお答えをいたしますと、区内事業者につきましては、営業拠点の所在地が本店が区内にあるということで3点加点をするというような対応をとっております。さらに中野区と防災協定を締結していれば1点加点されるというような状況で、他の区の総合評価方式の施行の内容を見ましても、中野区の評価の方法がすぐれているというふうに自負をしているところでございます。

○長沢委員 区内事業者のところは、今御説明がありました。それで、この不況の折というか、そういうところにさらなる加点をされているということも承知はしています。その上に立ってではありますけれども、そういう総合評価の中身で地域社会貢献という形で位置付けているわけですから、その点については区内業者の協定ということ自身、そこに重点を置いていただいて配点をしていただきたい、これは要望しておきたいと思います。
 もう1点なんですが、評価分類の企業の技術力のうち、企業の施行能力で、過去3年間の工事の実績や成績が評価内容となっておりますけれども、これはいかなる理由からなんでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 企業の施行能力を評価する上では、過去の工事実績から、直近の3件の工事成績を評価するというふうにしてございます。これは、直近の工事の評価をすることによって、企業本来の施行実績を評価するということになるという判断からこのようにしているものでございます。

○長沢委員 この点は事業者アンケートの実施結果の中で、区内業者だけは、過去3年間では一番仕事のないときで実績が非常に少ない、こうした意見が見られました。他の自治体の総合評価方式を見てみますと、5年間としているところが多いように感じるところであります。この点では、区内業者の意見を幅広く聞いていただいて、その辺のところをぜひ実態に合ったものとして検討していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 総合評価方式を事業者の方たちもさまざまな評価をしていらっしゃることと思います。ただし、先ほど来御説明させていただいてございますように、総合評価方式の一番の評価の項目のかなめになります施行能力というものをどのように図るかという観点から申し上げると、直近の工事の実績というものでその施行能力を図っていくのが適切であるというふうに考えているところでございます。

○長沢委員 いずれにしましても、区内業者の意見を聞いていただくということは、区内業者を育成していくという観点からも大事なことだと思っております。
 入札制度改善の二つ目に、小規模登録制度の改善について伺いたいと思っております。登録件数、工事、物品、それぞれ何件が今現在登録をされているのか。また、登録事業者をふやす努力としてはどういったことを心がけられているのか。まとめてではありますけれども、伺いたいと思います。いかがですか。

○長田経営室参事(契約担当) 本年の9月1日現在でございますが、登録事業者数の総数は64事業者でございます。内訳として、工事という品目で登録をしているものが33事業者、それから、物品につきまして登録している事業者が41事業者、数としては、これは64を超えますが、二つの種目に登録している者がございますので、このような内訳になってございます。
 それから、この制度の開始に当たりましては、やはり事業者の理解、登録をしていただくということが必要になってまいりますので、区報、それから産業振興分野のメルマガ、ホームページ、チラシ等により周知を図ってきたところでございます。今後も登録事業者への受注機会をふやすために、機会を見て制度の周知を図ってまいりたい。このことによって、登録事業者の登録数も増加をしていきたいというふうに考えてございます。

○長沢委員 ぜひその辺をよろしくお願いしたいと思います。同時に、発注者側の区がこの発注はどうなのかということをお伺いしたいんですが、直近の発注状況につきましてはお示しをいただけなかったわけでありますが、そうは言っても、せっかくの制度でありまして、区内事業者に積極的に仕事を受注してもらう、そのために活用を図っていただきたいと思っておりますが、これにつきましては担当者としていかように受けとめていらっしゃるか伺いたいんですけれども、いかがですか。

○長田経営室参事(契約担当) 先ほど御答弁させていただきましたように、この制度が活用される一つのポイントは、各品目につきましての登録事業者数がふえるということが一つのポイントだろうというふうに考えてございます。それとあわせまして、庁内の各分野への周知というものも工夫をさせていただいてございます。毎月登録の方針を私ども契約担当のところでしてございますが、この最新の登録状況を庁内LANを使いまして新着情報という形で掲載をして、最新の登録事業者の状況を周知をしているところでございます。この形によりまして、各分野における活用を促進してまいりたいと考えてございます。
 それから、こうした毎月の働きかけとあわせまして、実際の実務に当たります担当者への周知も図っていくことが必要かと考えてございますので、担当者への説明会を実施するなどして、発注の拡大に努めていきたいと考えてございます。

○長沢委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。


(2)公契約条例の制定について

 この二つ目に、公契約条例の制定について伺いたいと思います。
 根本的には、国が公契約の制度を確立する、このことが欠かせないというふうに思っております。先ほど総合評価方式の評価基準といいますか、評価項目のお話もさせていただきましたけれども、やはりこうした公契約がきちんと定まっていれば、あえてそういったところに入れなくても済むといいますか、実際はそういったことが確保される、労働条件、賃金、そういうふうにも理解をしているところであります。
 公契約とは、そもそも公共事業や公共サービスについて、発注する公的機関と受注する事業者との間で結ばれる契約のことでありますけれども、この公契約の中に、生活できる賃金など、人間らしく働くことのできる労働条件を確保する労働条項というんでしょうか、こうしたことを定めることが現在の日本の中で極めて必要になっている、このように私は認識をしているところであります。同時に、自治体での検討実施も現在行われつつあります。これまで函館方式が全国的には注目をされていたところでありますけれども、一昨年の国分寺市での基本指針に続いて、千葉県野田市は、全国初の公契約条例制定に向けて、この議会に条例案を提出いたしました。
 ちょっと紹介をさせていただきますが、目的として、国の制度を強く望むということに続いて、市として先導的にこの問題に取り組んでいるとして、公契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保することにより、当該業務の質の確保及び公契約の社会的な価値の向上を図るとしております。また、公契約の範囲を定め、労働者の最低賃金で毎年農水省と国交省が公共事業の積算に用いる労務単価や市職員の給与条例を勘案して決定をします。
 また、受注者の義務としては、この条例の適用を受ける労働者の適用範囲や、市長が定める最低賃金額を掲示して周知をさせる。そして、公契約の解除については、この最低賃金が守られない場合は、契約の解除で生じた損害額の賠償を求めることができる。また、事業者名を公表するということであります。契約受注者の責務として、下請事業者が最低賃金を下回った場合に、契約受注者が連帯して労働者に賃金を支払う、こうした義務を負うというものでございます。これは新聞にも載りましたが、極めて画期的なこうした条例が制定をされるとしているところであります。
 区としても、こうした公契約の条例、今るる述べましたけれども、こうした問題についてぜひ研究をしていただきたい、このように思っておりますが、いかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 私ども中野区としては、2007年に策定をいたしました中野区入札契約制度の改革基本方針に基づきまして改革を進めていく。そのことの到達点として、あるべき契約の姿が構築できるというふうに考えてございます。具体的には、先ほども御答弁の中で言及をさせていただきましたが、総合評価落札方式の評価基準、多様な社会性を考慮する、多様な評価項目等によって、その実が上がっていくというふうに考えてございます。社会状況の変化、他の自治体等の情報の把握については努めてまいりたいと考えてございます。

○長沢委員 特にさまざまな要件といいますか、今も評価項目のお話をされましたけれども、その点については私どもも評価もしているところもあります。ただ、同時に、今の不況下の中で、極めて深刻な事態になっていると、この辺については御認識もあるというふうに思っています。公契約の問題につきましては、先ほどこの項の冒頭に言わせていただきましたけれども、国がきちんと法律として確立をする、こういうことは欠かせないんだろうというふうには思っております。しかしながら、同時に元請と契約状況や雇用実態などを調べる必要性といいますか、こうしたことは今日ますます高くなっていくと、このように思っております。
 そこで、調査権ということにつきましては、こういうことは実際に自治体に付与されているものではありませんが、アンケート調査など、こういったもので実態把握そのものに努めていただきたいと、こういうふうに思っているんですが、その点はいかがでしょうか。

○長田経営室参事(契約担当) 私どもは契約として考えますと、あくまで区と、それから契約の相手方の企業との関係ということを基本として考えていかなければならない。その関係の中で、良質な公共工事を実施するという観点から、物事としては発想して行動していかなければならないというふうに考えてございます。区では、受注工事の作業等につきましては、工事主管分野の担当職員が監督員として工事現場を監督し、現場での安全管理、工程管理等を的確に行い、適切な指導等も行っているところでございます。こういった状況を踏まえまして、区として改めて元請等、それから下請との関係などについてのアンケート調査を実施する考えは持ってございません。

○長沢委員 実態の把握ということでは、繰り返しになりますけれども、そういった把握は、ただ現実に中野区内においても、元請が請けまして区の契約をして、しかしながら、それが下請のところにきちんと賃金を支払わなかったと、こうした例も現実に受けております。そういったことを少なくともきちんと把握をしていく、そのこと自身は改めて必要になってきているのではないかと思っておりますが、もう一度御答弁いただけますか。

○長田経営室参事(契約担当) 先ほども答弁の中で、本来建設事業者が持っているべき責務、果たすべき責務については、別の観点からの対応が必要だということで御答弁を申し上げました。これにつきましては、国土交通省等も、業界の団体を通じまして必要な指導を行っているところでございます。私どもも下請の契約に関しましては、適正な対応、下請事業者の保護等を留意する必要があるというふうに考えてございます。この観点から、下請取引の適正化等についてのお願いという文書を受注業者に渡すということで、適正化についての行政的な指導は引き続き続けてまいりたいと考えております。

○長沢委員 行政指導、そういう形でお願いをしているということであります。そうしたお願いをしているもとでもあったということでありますので、今後もそういったところをきちんととらまえていただきたいというふうに思っています。
 最後の厚生労働省の労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(告示37号)につきましては、また別の機会に取り上げさせていただきたいと思っております。準備をしていただいた皆さんには、また改めてこのことを伺いたいと思っております。
 以上ですべての質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○いでい委員長 以上で長沢和彦委員の質疑を終了します。

2009年第3回定例会【本会議・一般質問】牛崎のり子

【本会議・一般質問】
(2009年9月24日)

中野区議会議員 牛崎のり子

  1. 地域包括支援センターの充実と高齢者福祉について
  2. 地域住民組織への支援のあり方について
  3. 中野区の男女共同参画基本計画について
  4. 学校の施設改善について
  5. その他

○議長(伊藤正信) 次に、牛崎のり子議員。

〔牛崎のり子議員登壇〕
○19番(牛崎のり子) 2009年第3回定例会に当たり、日本共産党の立場で一般質問を行います。

1 地域包括支援センターの充実と高齢者福祉について

 地域包括支援センターの充実と高齢者福祉について伺います。
 地域包括支援センターは、区民が住みなれた地域で暮らし続けるために、高齢者の心身の維持、生活の安定、保健、福祉、医療、介護予防の向上を増進させるために、社会福祉士、保健師または看護師、主任ケアマネジャーなどの保健福祉、介護の専門職員が各種相談と必要な援助、支援を包括的に行っています。
 先日、中野北地域包括支援センターを訪問しました。地域包括支援センターに寄せられる相談は、区内8カ所全体で3万件を超えるまでにふえ、またその支援内容はますます複雑で困難な事例が多くなっています。一人ひとりに要する相談時間も長くなります。さらに虐待などの対応は深刻で、深夜に駆けつけることも珍しくないようです。これを3職種4人体制でこなさなければなりません。苦労をして運営している様子がうかがえました。
 中野北地域包括支援センターは、利用者からは包括支援センターの職員がつかまりにくいといった苦情が寄せられています。窓口に相談に来られても電話中であったり、訪問で出かけていたり、さらにスキルアップのための研修の講習などが位置付けられているため、センターを休むこともあります。予防プランの作成は月平均270件から280件ですが、そのうち60件を委託に回し、残りの210件のプランを作成しているということです。また、予防プランには時間がかかり、記録の作業も時間内にこなせない。一人ひとりの多様なケースにきめ細かく対応できる体制が保障されなければなりません。にもかかわらず、こうしたことが常態化しています。
 新宿区では、10カ所ある包括支援センターの職員体制、現在の4人から5人体制を来年度からは8から10人に増員し、抜本的に体制強化をする計画です。中野区も本年度、体制強化のために運営委託費を引き上げましたが、まだまだ十分とは言えません。委託費を抜本的にふやし、体制の強化を図るべきではありませんか、伺います。
 介護保険が非該当の人の対策については、認知症などの初期段階での早期発見が重要です。速やかな解決策の対応ができるか、できないかで認知の進行度合いが決まると言われています。
 また、在宅介護の実態も深刻で、大きな社会問題になっています。家族介護のためにやむなく仕事をやめる人もふえています。ことし3月3日付の毎日新聞の調査では、08年の介護殺人、無理心中事件が32件、そのうちの半数が介護保険の利用者であるといいます。今、家族介護の3割を息子や夫など男性が占めています。07年の厚生労働省の調査で、高齢者虐待の加害者は41%が息子、次いで夫が16%と深刻な実態が浮き彫りになっています。高齢者や家族への対応の不手際などにより、困難な状況に陥ることのないよう、地域のネットワークがしっかりできていることが大切です。
 こうした課題に取り組み、解決するためには、地域包括支援センターが核となり、民生委員をはじめ、地域にある介護などの資源を生かすことが重要です。そのためのシステムづくりが欠かせません。こうした支援のための連携は果たして十分でしょうか、伺います。
 中野北包括支援センターの対象者は約8,000人ということですが、地域包括支援センターエリアの高齢者人口に対する国の基準は3,000人から6,000人とされており、はるかに多い事態になっています。また、8カ所で地域も偏在しており、区民、利用者からもっと身近なところにあればいいという声が聞かれます。中野区の高齢者人口に対応するためには、地域包括支援センターを10カ所にして、直営を加えて、地域包括支援センターの体制強化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
 この項の最後に、季節性インフルエンザワクチン接種を無料にすることについて伺います。各区で10月から高齢者向けの季節性インフルエンザワクチンの接種が始まります。今年度は新型インフルエンザが大きな問題になっており、従来型インフルエンザの関心も高まり、ワクチンの接種率の上昇が見込まれます。ここで大事なことは費用負担の軽減です。現在、23区では、障害のある人や生活保護の受給者などは無料であり、中野区では65歳以上の方は助成されているとはいうものの無料ではありません。
 ところで、接種率を向上させるため、千代田区と港区は65歳以上、渋谷区は75歳以上を無料にしていることをはじめ、ことしの10月から新宿区や墨田区、江東区も高齢者への接種費用の無料化に踏み出します。中野区でも季節性インフルエンザワクチン接種を無料にすべきです。答弁を求めます。

2 地域住民組織への支援のあり方について

 地域住民組織への支援のあり方について伺います。
 10か年計画改定素案の中で、区民の公益活動の推進、その主な取り組みとして、町会・自治会活動の推進とあります。区内全域にわたり、地縁団体として地域で公共・公益活動を行っている町会・自治会の活動を一層推進するため、町会・自治会への加入促進を図る条例を制定し、組織力強化の支援を行おうとしています。
 町会・自治会と区行政は、お互いが対等で自立した立場をとりつつ、住民の生活向上と地域の発展、よりよい地域環境をつくるために協力・協働の関係であることが必要です。そもそも区がみずから行うべき仕事まで町会・自治会に投げ出してきていることが問題です。(仮称)区民活動センターへの転換で、その運営の責任まで町会・自治会に負わせようとしていることは認められるものではありません。
 町会・自治会への加入促進条例制定に対して、町会・自治会の自主性、自立性を損なわないかと危惧する声や、加入しないと不利益が生まれないかと不安がる声もあります。そうした中で条例をつくることになれば、地域の自治を推進するどころか、住民同士に不信や混乱が生まれ、苦労して築いてきた地域の和が損なわれてしまいかねません。このことは全区民にかかわることであり、民主主義の根幹にかかわる大事な問題であると考えます。会員をふやすためには、町会・自治会の自主的で自由な活動が保障され、魅力ある組織として向上できるような支援こそが必要です。区はあくまでそれを側面から支える。そのことに徹するべきではないでしょうか、伺います。
 多くの町会・自治会が加入率の低下や働き手の高齢化などの悩みを抱えています。区の仕事が年々過重になっている。そのため独自の自主事業ができない。区の仕事をするだけが町会の仕事ではない。あまりにも町会・自治会に頼り過ぎているなど、不満を抱えています。今、多くの町会・自治会が実情を知ってほしいと言っています。問題解決のための支援を望んでいます。その声にこたえるべきではありませんか、お答えください。

3 中野区の男女共同参画基本計画について

 中野区の男女共同参画基本計画について伺います。
 区は、東京都の男女平等参画基本条例が2000年4月に施行された2年後の2002年に目黒区に続いて、中野区男女平等参画基本条例を制定しています。区の計画は、条例の第7条に規定される基本計画であり、かつ区の施策全体に男女平等の理念と目的を持った計画です。
 ことしは、国連女性差別撤廃条約が採択されて30年になります。ことしの7月23日には、国連女子差別撤廃委員会で日本政府の第6回の取り組み状況の報告書審査が行われました。国連女子差別撤廃委員会は、日本の差別の現状について、男女の賃金差が大きいこと、雇用や政治、公的分野に女性の参画がおくれていること、夫婦同姓の強制や結婚最低年齢の男女差など、民法に差別的規定があることなどを指摘し、改善を求め、日本の差別の現状について48項目の懸念、勧告を含む総括所見を公表しました。また、前進面が7項目にとどまっていることも含め、これまでの国連女子差別撤廃委員会の是正勧告が実施されていないとし、日本政府の取り組みのおくれ、対応に不満を表明しているのが特徴です。
 こうした国連女子差別撤廃委員会の日本政府に対する総括所見を中野の女性差別撤廃の取り組みの視点とあわせて、どのように受けとめているのでしょうか、伺います。
 区の男女共同参画基本計画は2007年に見直しが行われ、2016年までの10年間に社会状況の変化等を考慮し、おおむね5年間で見直しを行うとしています。「新しい中野をつくる10か年計画」改定素案には男女共同参画基本計画の改定が記されていますが、今日の女性が置かれている経済的差別に絞って、以下のことを伺います。
 異常な貧困と格差社会が広がる中で、ワーキングプアの問題が現代社会の貧困を浮き彫りにしています。中でも非正規化が激しく進んでいながら、女性の貧困はなぜか見えにくいと言われています。1997年から10年間で男性の非正規化が8.5%から17.8%と増加していることに対し、もともと多かった女性労働者の中の非正規率も42.6%から53.9%と2人に1人以上にまでふえています。額面年収では、同じ10年間で年収200万円未満の労働者の割合が女性労働者は51.5%から55.1%にふえています。配偶者や同居者のいる場合は別として、単身の女性勤労者世帯、母子世帯など、女性が家計の中心である世帯では、女性労働者の低賃金はそのまま貧困を意味することになります。年収200万円未満の母子世帯比率は、2007年で見ると55.7%で、単身女性勤労世帯の32.9%を大きく上回っていて、深刻です。
 そこで伺いますが、母子家庭の母親の中で有業者と無業かつ求職者を加えると91.9%と、日本の母子世帯の勤労世帯率は世界でもトップクラスの高さです。しかし、その収入は極めて低く、生活保護水準に遠く及ばないものです。母子世帯は、日本のワーキングプア世帯の典型となっています。今後、母子世帯のこうした困難はさらに悪化すると考えられます。区として母子世帯への支援の拡充を行うべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
 また、生活保護の母子加算の復活をするということを厚生労働大臣が年内の早い時期に実施する考えを表明しているのですから、区としても直ちに実施のための準備をしておく必要があると考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 自営業の女性の貧困について伺います。雇用労働の場合、ワーキングプアの原因は、同一労働・同一賃金を達成できないという労働法制のあり方にあります。しかし、自営業女性が究極のワーキングプアにされている原因は、所得税法56条にあります。さきに触れた国連女子差別撤廃委員会の日本政府に対する審査には、この所得税法56条が評価されない自営業の家族労働について、また、男女共同参画の精神から見ても見過ごされない問題であるとして、新しく問題提起されたことを重く受けとめる必要があります。
 所得税法56条をめぐって、厚生労働省が、青色申告にすれば、家族従業員の給与を経費に認めると繰り返してきていますが、実際に行われた労働に対し、税務署長が青色だけを例外として、家族従業員の給与を経費に認めないなどと判断することは正されなければならないことです。例えば年間150万円の給与が得られる労働をしているのに、その実際に行われた人間の労働に対して当局が申告形式をもって、認めるとか認めないとか、勝手に判断することがそもそもおかしいことなのです。
 2009年の国会で日本共産党の大門議員の質問に対し、4月23日、参議院財政金融委員会で加藤主税局長は、外国での取り扱いを含めてきちっと真摯に研究して、抜本的に税制改革の中で研究していくと答弁しています。国連の問題提起を受け、区としてこれらの問題を議論の俎上にのせ、また、自営業の女性労働者の実態を反映させ、その支援について次期基本計画に生かすべきと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
 女性が置かれている経済的差別や貧困は、その子どもへの貧困にもつながっているという状況は深刻です。次代を担う子どもたちが生活苦に直面し、教育も十分に受けられないといった貧困の連鎖を生まないために、国や都、関連機関への働きかけを行うことも明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 最後に、改めて所得税法56条の撤廃を国に求めていただきたいということを要望して、この項の質問を終わります。

4 学校の施設改善について

 学校施設の改善について伺います。
 2009年度の中野区立中学校の教育環境並びに施設、設備に対する改善要望が中野区中学校PTA連合会から出されています。当会が毎年恒例で行っている学校訪問の結果が報告されています。共通して多かった要望は、特別教室の冷房化、体育館の老朽化に伴う床の傷みの改善、トイレの悪臭、汚れの対策でした。
 四つの中学校を訪問してお話を伺ってきました。体育館についてです。4校とも共通して、湿気による体育館床板の反りや変形が見られました。北中野中学は床板が黒ずんで、あちこちタケノコのように持ち上がり、その都度教師が張りかえているそうです。また、四中の体育館の照明が暗く、20個しかない照明器具のうち、五つ電球が切れていました。つけかえは業者に依頼しているそうです。はしご代として5万円の経費がかかるが、学校任せだそうです。五中の体育館は区内で最も老朽化が進んでいますが、耐震診断の結果はBです。天井は使用材料に原因があり、それがぼろぼろと落下してくるために、いたるところ縦に横に細いテープが張りめぐらされていました。天井の高さからいって、テープ張りは業者に依頼しているので、ここでも1回5万円の経費は学校負担ということです。
 学校の体育館は、いつ地震が来てもおかしくないと言われているとき、避難所になる大切な施設です。子どもたちの教育上の支障を取り除き、地域への安全を確保するためにも体育館の改修を行うべきであると考えますが、お答えください。
 トイレについては、北中野中のトイレの悪臭、壁やとびらの汚れは、顔を背けたくなるほどでした。排水トラップを改善し、換気扇をつけかえれば解消できるにもかかわらず、やられていません。また、男女のトイレの区別の壁がベニヤ板1枚でした。デリケートな世代への配慮が足りな過ぎます。また、500人の生徒に対応するにはトイレの数が少な過ぎます。本館の3階まで1階ごとに男女用のトイレが1カ所ずつあるだけです。冬場や試験の時期には、トイレの前に行列ができるそうです。洋式トイレが少ないのも共通していました。
 2002年、中野区学校のトイレに関する児童・生徒のアンケート調査でも、要望の第1位はきれいなトイレ、第2位はにおわないトイレです。その次に擬音装置の設置、洋式トイレの順となっています。今、学習環境の快適さや健康な生活環境の充実が求められているときです。学校のトイレ改善要望が強いのは当然のことではないでしょうか。
 区教育委員会は、かねてから出されているトイレの改修について本腰を入れて取り組むべきです。要望のあるトイレの改修を早急に行うことを求めます。お答えください。あわせて、改修の際は擬音器の設置を忘れずにお願いします。
 特別教室の冷房化については、二中には家庭科料理室に冷房がないため、夏場の調理実習はコンロの熱で暑くて授業ができないそうです。美術室は最上階で、真夏の教室は温室のようになり、作品が汗で汚れて台無しになってしまう。理科室も火を使った実験ができないので、カリキュラムを変更して、涼しい季節に実施せざるを得ないそうです。子どもたちの学ぶ権利が侵されているこのような状態をこのまま放置しておいてよいはずがありません。
 北中野中は、特別教室の冷房は校割予算で設置していました。その分、クラブ活動のほうが後回しになってしまうと嘆いていました。来年の夏には間に合うように特別教室の冷房化を実施すべきです。お答えください。
 この項の最後に、学校間格差が生まれている事態について伺います。同じ中野区の子どもたちでありながら、統合新校は特別教室全部が冷房化されています。一方、統廃合されていない学校の施設改善は後回しにされ、ぼろぼろ状態というのでは、区教育委員会が子どもたちに学校格差を押しつけていることになります。保護者や子どもたちの間から、廃校になるかもしれない統廃合予定校には、むだになるので、予算はつけないということかとか、改修されたから統合新校になるのかなどの声が出ています。学校や地域に疑心暗鬼が生まれています。統合によってこのような格差が生まれ、不利益をこうむる子どもたちをつくってはならないと思います。今、現に学校に通っている子どもたちに最善の教育環境を整えることが教育委員会の仕事ではないでしょうか。中野区中学校PTA連合会から出されている「統合による学校間格差を生まないように」という要望に真摯にこたえるべきです。いかがでしょうか、お答えください。

5 その他

 その他について、西武新宿線新井薬師前駅の交通安全について伺います。
 西武新宿線の中井・野方間が立体交差化事業の新規着工準備区間に採択され、地域の期待は高まっています。ところで、新井薬師前駅の踏切の混雑状態は相変わらずひどい状態です。私は、07年第3回区議会定例会で、新井薬師前駅利用者の会の皆さんの要望を踏まえ、踏切の安全対策について質問をしました。当時の都市整備部長は、踏切の拡幅については、遮断機、警報器、ケーブル等の移設に多大の費用を要するとし、西武が区に費用負担を求めている。区として最大限、西武鉄道側でも努力するように求めていきたいと答えています。西武は事業者の責任において、駅利用者の安全を確保すべきだとの声が上がるのは当然です。
 その後、西武鉄道に対してどのような交渉を行ってきたのでしょうか。また、安全な踏切対策を一日も早く実現するよう西武鉄道に働きかけるべきです。答弁を求めます。
 これで私のすべての質問を終わります。(拍手)

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 牛崎議員の御質問にお答えをいたします。
 地域包括支援センターの充実と高齢者福祉についてという御質問がありました。
 地域包括支援センターの委託費の充実をするべきではないかといったような御質問もありました。これについては、国基準の人員を満たした上で、区としての追加措置をとっているところでありまして、委託料については現在のところ適切なものであると、こう認識をしております。
 地域との連携について、地域包括支援センターでは、町会・自治会や民生児童委員協議会をはじめ、地域のさまざまな団体等と連携をして、支援を要する高齢者についての情報収集を現在行っております。特定高齢者への介護予防事業参加についての働きかけも積極的に行っているところであります。
 中野のような面積の地域においては、地域包括支援センターの設置箇所数は現行の8カ所が適当であると認識をしております。地域包括支援センターでは来所による相談だけではなく、職員による訪問相談も積極的に行っているところであります。
 それから、高齢者向けの季節性インフルエンザについての御質問がありました。高齢者向けの季節性インフルエンザ予防接種につきましては、東京都、それから東京都医師会、特別区との三者で協議をして、費用の約半額2,200円の自己負担を定めたものであります。中野区としては無料化する考えはありません。
 それから、地域住民組織への支援のあり方についてということであります。町会・自治会は地域に普遍的な地縁団体として、地域での区民の皆さんの活動の中心としてさまざまな役割を果たしてきていただいているところであります。この町会・自治会への参加を促し、その活動の基盤強化を図るということは、地域自治や地域活動を推進するため、また、区民の安心・安全を守る区政を推進する上でも大変重要なことと考えております。
 さまざまにお話もありました町会・自治会の実情について、区としての把握も日々の活動支援の中で十分努めてきているところでもあります。今後とも町会・自治会と相談をしながら、基盤強化への支援も含めて的確な支援を行っていかなければならない。こんなふうに考えているところであります。
 条例についての考え方であります。当然ながら、任意団体への参加を強制するような条例をつくることはできないわけであります。この町会・自治会への加入の促進を図るという趣旨については、地域の皆さんに地縁団体として地域の自治を担って、実際に地域の問題解決のための活動をしていただいている町会について十分理解をし、そして地域全体が、区民の皆さんが協力していただけるような、そうしたものになるように考えていかなければならない。このように考えているところであります。
 私からは以上です。

〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕
○子ども家庭部長(竹内沖司) 中野区の男女共同参画基本計画についてのうち、まず女子差別撤廃委員会の総括所見をどう受けとめるのかという御質問がございました。国においては、国連の女子差別撤廃委員会の最終見解ということで示されております。この中で指摘された事項や勧告は多岐にわたっておりますが、これを受けて、国として必要な対応を行うこととなるわけでございます。すなわち、国が対応を求められているわけでございます。区といたしましては、男女共同参画の取り組みを着実に進めてきているところでございまして、今後、国の対応をよく見きわめていきたいと考えております。
 次に、母子世帯への支援の拡充についての御質問がございました。母子世帯の安定した就業につながるための支援として、今年度の第1次補正予算において国の緊急経済・雇用対策に基づき、母子家庭高等技能訓練促進費等支給事業について、全額就業期間を対象とするなどの拡充を行ったほか、区の独自施策として、母子家庭自立支援教育訓練給付金事業で入学料及び受講料20万円を上限に全額支給する拡充を行ったところでございます。さらに、現在建設中の母子生活支援施設において、区内のすべてのひとり親世帯を対象として、相談やハローワークへの同行など、就労活動の支援を行う事業を実施する予定でございます。
 それから、次に、所得税法第56条についての御質問がございましたが、所得税法第56条をめぐる点につきましては、社会状況や税負担のあり方を見きわめつつ、国において対応していくべきものであると考えております。
 最後に、国や都、関係機関への働きかけをとの御質問がございました。区では、母子世帯への経済的支援や就労支援などを行ってきているところでございます。また、子ども医療費の無料化なども講じてきているところでございます。今後必要な内容があれば、国や東京都への要望を行っていく考えでございます。

〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 私からは、生活保護の母子加算復活のための準備についてお答えいたします。
 区といたしましては、母子加算について国の制度変更があれば、適切に対応してまいります。

〔教育委員会事務局次長田辺裕子登壇〕
○教育委員会事務局次長(田辺裕子) 学校の施設改善についてお答えをいたします。
 改善要望につきまして、子どもたちが安心して快適な学校生活を送るためには、学校施設の安全確保が欠かせないというふうに考えております。施設整備や施設補修について全力を尽くしてまいりたいと思っております。施設の安全点検や各方面の要望を踏まえまして、計画的な維持補修や施設整備を行っていく考えでございます。
 また、学校再編に伴います学校への対応についてでございます。中・後期の再編の対象となっている学校につきましても、子どもたちの安全で快適な学校生活を送るため、最善の努力をしていく考えでございます。

〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、その他の御質問の中で、西武新宿線新井薬師前駅の交通安全対策についての御質問にお答えをしたいと思います。
 踏切道、この拡幅については、鉄道用地の管理者である西武鉄道ですね、この協力が不可欠であるということでございまして、西武新宿線新井薬師前駅の踏切拡幅については、区といたしましても、これまで西武鉄道に対して踏切敷地内の遮断機、それから警報器等の移設に関する費用負担や拡幅整備に伴う一部西武鉄道用地の使用といったようなことなどについて協力を求めてきたところでございます。しかしながら、現在のところ踏切道路拡幅に伴います西武鉄道敷地の提供でございますとか、設備の移設経費の負担についての合意に至っていないという状況でございます。

○議長(伊藤正信) 以上で、牛崎のり子議員の質問は終わります。

2009年第3回定例会【本会議・一般質問】かせ次郎

【本会議・一般質問】
(2009年9月17日)

中野区議会議員 かせ次郎

  1. 中野区基本構想と新しい中野をつくる10か年計画の改定について
  2. 警大跡地と中野駅周辺まちづくりについて
    1. 警大跡地の問題について
    2. 中野駅周辺まちづくりについて
  3. 新型インフルエンザ対策について
  4. 障害者施策について
  5. その他
    1. 中野駅改札口の改善について
    2. 桃園川緑道の改善について

○副議長(江口済三郎) 次に、かせ次郎議員。

〔かせ次郎議員登壇〕
○31番(かせ次郎) 2009年第3回区議会定例会に当たりまして、日本共産党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

1 中野区基本構想と新しい中野をつくる10か年計画の改定について

 まず最初に、基本構想と10か年計画の改定についてお聞きをいたします。
 現行の基本構想は、内容はともかく、区民も参加する基本構想審議会による検討やワークショップなど、約3年の期間をかけ、策定されたものです。ところが、今回の改定は、一部を手直しするだけだからと、わずか5カ所の地域センターと区役所の意見交換会、パブリック・コメントだけで済ませようとするものであります。地方自治法に基づき、議会の議を経て、総合的かつ計画的な行政運営を図るためのものであれば、区民参加での検討をすべきです。見解を伺います。
 また、社会状況の変化を言うのであれば、衆議院議員選挙の結果、構造改革路線を推進してきた自公政権が退場したことです。国民の選択は、開発優先から国民生活重視への転換です。区が進めようとする方向は、時代のニーズに合わないものであり、区がすべきことは、基本構想の目標年次を5年間延長することではありません。見解を伺います。
 10か年計画の「まち活性化戦略」では、「中野駅周辺をにぎわいと魅力あふれる中野の顔」から「東京都の新たな活力の拠点」へ変更し、警察大学校等跡地と中野二丁目の再開発の完了、さらに中野駅の南北自由通路や駅前広場の整備、区役所・サンプラザ地区の整備、区役所の移転などを推進する計画です。ここから見えてくるものは、100メートルの巨大な壁をはじめとする超高層ビル街です。公園はあってもビルの谷間で、安らぎも、潤いも感じられない空間です。都市再生の名のもとに進められてきた大規模開発に、交通渋滞や環境破壊、地域間格差の拡大などを生じるものとして反省の兆しが出てきている。そのようなときに、どうして東京の顔として名乗りを上げる必要があるのでしょうか。区民生活を犠牲に、大規模開発を優先することは許されません。
 鳩山新政権は、2020年の日本の温室効果ガス、CO2の発生量を1990年比で25%削減すると明言しました。今後は地球温暖化対策が一層強化されます。そんなときに、都市の高度化や過密化を促進する計画は、時代に逆行するものです。環境にやさしく、安心して暮らせる福祉のまちづくりの計画として再検討すべきです。見解を伺います。
 学校再編によって統合・廃校となった仲町小学校区では、統合新校の桃花小学校に行く子は少なく、谷戸小、本郷小と3校に分散してしまい、地域の子ども社会が壊れてしまいました。しかも、桃花小学校は学級数もふえ、教室もすし詰め状態です。中野区は、あくまでも40人学級を前提として学校の統廃合計画を進めていますが、30人以下学級が基本になれば、すぐにでも破綻する計画です。全国では、東京だけが40人学級にしがみついたままですが、9月14日付毎日新聞には、一面全部を使った「こどもの教育が第一 少人数学級の実現を」とする意見広告が掲載されていました。これは、日本の教育界を代表する全国市町村教育委員会連合会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、日本PTA全国協議会など23団体が結集する「子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会」の取り組みです。そして、今回の衆議院選挙では、自民党も、民主党も、公約としました。30人学級に向けての動きが強まる中、14日の都議会では、我が党議員の質問に答え、「国の動向を注視しつつ、学級再編のあり方について、都教委として適切に判断していく」と答弁しています。区教委は、こうした状況の変化をどう受けとめているのか。また、この際、区として30人学級の実施を検討すべきだと思いますが、見解を伺います。
 次に、図書館のあり方について伺います。
 10か年計画での「利用しやすい魅力ある図書館の運営」では、管理運営の簡素化・効率化を図るための新たな管理運営体制を構築するとしています。そして、09年7月、教育委員会事務局作成の「図書館の新しいあり方(案)」では、指定管理者制度の導入に向けた基盤整備を行い、ステップ2に全館一斉に導入するとしています。図書館法が60年ぶりに改正され、昨年の6月3日の参議院文教科学委員会において、「図書館など社会教育施設の利便性向上を図るため、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮する」とした社会教育などの一部を改正する法律案に対する附帯決議が全会一致で採択されました。また、当時の文部科学大臣は、「指定期間は5年間と聞いている。長期的視野に立った運営を考えた場合、図書館には指定管理はなじまない」と答弁しています。教育委員会は、この附帯決議や大臣答弁をどう受けとめているのかを伺います。
 日本図書館協会が行った図書館への指定管理者制度の導入についての調査結果が発表されました。ことしの4月現在、図書館設置市区町村中、「導入、あるいは導入の予定」は9.3%、これに対し、「導入しない」は35.8%と圧倒的です。もともと社会教育施設まで指定管理者制度を導入できるとしたのは、小泉構造改革による規制緩和です。これが国民によって否定されました。第9期中野区図書館運営協議会は、図書館サービスの向上のために、図書館運営体制を強化する必要があると提言しました。そのために、区民ニーズを十分把握し、図書館利用の実態や利用者のニーズを正規職員が正確に把握すること。そして、新たなサービスを展開するとともに、よりよい蔵書の構築、レファレンス業務の向上、障害者・高齢者向けサービス拡充などを進め、地域の発展に貢献していく必要がると言っています。特に、障害者・高齢者向けサービスの拡充は、緊急の課題としてとらえるべきであるとしています。教育委員会は、図書館に指定管理者制度を導入する検討などよりも、こうした提言を検討し、その具体的な計画に取り組むべきです。答弁を求めます。

2 警大跡地と中野駅周辺まちづくりについて


(1)警大跡地の問題について

 次に、警大跡地と中野駅周辺まちづくりについてお聞きをいたします。
 まず、警大跡地問題について。中央中学校南側の国家公務員宿舎用地についてお聞きをいたします。
 9月16日に新政権が発足しました。中心となる民主党は、公共工事のむだ遣いを改めることを公約し、全面的な見直しが行われようとしています。気になることは、警大跡地に予定されている国家公務員宿舎です。開発スケジュールでは、ことしじゅうには事業計画が、来年には事業実施ということですが、何の情報もありません。どうなっているかを伺います。
 この公務員宿舎の計画には、区民から日照や通風といった教育環境、公園との連続性による防災機能を犠牲にするものと厳しい批判の声が上がっています。まだ計画に手がついていないのであれば、当初の計画どおり、統合新校の学校用地として取得するよう国に働きかけるべきです。伺います。
 9月7日(月曜日)、中野サンプラザで中野駅前開発特定目的会社の建築計画の説明会が開かれ、130人を超える区民が参加しました。この計画は、都市計画公園東側の地上10階、高さ45メートルの事務所・店舗ビルと、南側の地上22階、高さ100メートルの事務所・店舗・集会場ビルの建設計画ですが、参加者からは、外装やデザインの工夫はあるものの、基本的には巨大な壁がつくられることに変わりない。公園の日照問題や風害の問題は解消されてない。オープンスペースについて、公園との一体的な整備と言ってきたが、土ではなく舗装。これでは話が違うのではないかといった質問が続きました。囲町地区の住民からは、区画道路と住宅地境界の間に緩衝帯が書き込まれている。道路部分の整備というと、万年塀の撤去、住民の積年の要望である行きどまり道路を解消するため、住民と協議して適切に対応すべきだという発言がありましたが、事業者からは何の返答もありませんでした。また、最後に、引き続き説明会を開けという質問にも答えず、強引に説明会を終了しました。
 そこで、お尋ねします。中野四丁目、囲町と接する区画道路の整備で、万年塀の撤去や行きどまり道路の解消、高円寺北一丁目区道と一体的な整備を求めています。区は、事業者に対し、住民要望に対しみずからの責任で対応するよう働きかけるべきです。また、今回の説明会は「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と防止に関する条例」に基づく説明会で、住民の要求があれば、事業者は説明会を開かなければならないとされています。事業者に対し、住民の要望にこたえ、適宜説明会を開くよう指導すべきです。あわせてお答えください。


(2)中野駅周辺まちづくりについて

 次に、中野駅周辺まちづくりについて伺います。
 まず、旧桃丘小学校跡地活用についてです。旧桃丘小学校は、桃花小学校の改築工事中の聞こえの学級と代替体育館として利用されているものの、今後の跡地利用について、文化・交流拠点の整備というだけで明確には示されていません。桃園町会地域では、小学校ばかりか桃が丘児童館もなくなり、餅つき大会などの行事や子育て活動の拠点がなくなってしまいました。07年以来、子どもの居場所とあわせて地域活動の場を小学校跡地に設置してほしいと中野区に要望していますが、いまだ明確にはなっていません。中野区は、住民の要望を受けとめ、今後の計画に生かすべきです。答弁を求めます。
 次に、中野三丁目の超高層マンション建設について伺います。
 現在、旧丸井本店の敷地の南側、旧丸井駐車場跡地に、野村・三井不動産の超高層マンションを建てるという計画が地域の大問題になっています。中野通りに面した商業ビルは20メートル程度であり、これから建設される新丸井ビルも60メートルです。また、南側は「神田屋敷」と言われる閑静な住宅街で、西側は中低層の商店街と住宅が連なっていますが、ここにNTTの黒ビルと同じ115メートルの超高層マンションを建てるという計画です。しかも、敷地内のオープンスペースを地域に開放するという地域貢献は全くなく、そのスペースには82台分の居住者用の3階建ての立体駐車場4棟が建てられ、桃園通り側に出入り口をつくることになっています。しかし、この通りは、子どもたちの通学路である上、6メートル程度の狭い道で、S字状にくねった見通しの悪い上り坂となっているため、旧丸井本店を建築する際には、桃園通りの側は駐車場の出入り口はつくらないとの協定を結んだという経過があり、歩行者優先の道となっております。桃園町会など地域住民は、周辺地域の調和のとれたまちづくりを進めよう、建物の高さや駐車場のあり方、駐車場出入り口の変更等、野村・三井不動産との間で粘り強く交渉を進めるとともに、都議会への働きかけを進めようとしています。
 さて、ここは中野三丁目の駅前の重点整備エリアとして検討されてきた地域で、丸井敷地内動線との連携による商業空間の形成や桃園通りの歩行者空間の充実、防災性の向上がうたわれていました。こういった区の示す方向とも矛盾する計画です。このような駆け込み的な開発行為を黙って見ていていいのですか。区の対応をお聞きします。

3 新型インフルエンザ対策について

 次に、新型インフルエンザ対策についてお聞きをいたします。
 厚労省は、9月下旬から10月上旬には、ピーク時には1日当たり6万2,000人が発症し、4万6,400人が入院すると見込んでいます。新型インフルエンザは一般に症状が軽いと言われていますが、子どもたちは感染しやすく、ぜんそくや糖尿病など基礎疾患がある人や妊婦は重症化しやすく、死に至る危険性があります。中野区でも、9月15日現在、集団感染による学級閉鎖が6校9学級に広がっており、緊急の対応が求められています。
 まず、国民健康保険証のない資格証明書発行世帯に対しての対応です。インフルエンザの場合、タミフルの服用など、早期に対応すれば重症化は防げると言われています。早期発見・早期治療が何よりも重要となります。ところが、資格証明書世帯の人が医療機関に受診する場合、一たん全額負担しなければなりません。そのことが受診をためらうことになれば大変です。町田市では、9月下旬から資格証明書発行を1年間停止し、1年間有効の短期被保険者証を緊急に送付することを決定しました。中野区でも、資格証明書発行世帯に短期証を交付すること。窓口で資格証明書を提示した受診者に対し、医療機関に短期保険証とみなす仕組みをつくるべきです。また、プライバシーへの配慮と確実性の観点から、交付世帯への周知は個別的に行うべきです。あわせて答弁を求めます。
 厚生労働省は、8日、新型インフルエンザ用ワクチンの接種費用について、接種を受けた患者や保護者から実費相当額を徴収することを決めました。新型インフルエンザによる重症化を防ぐためには、リスクの大きな子どもたちや基礎疾患のある患者にどれだけ広く接種できるかがかぎとなります。そのためには、費用の負担を軽くすることが大事であり、助成が欠かせません。新型インフルエンザワクチンの接種費用の公費助成を国や都に求めるとともに、中野区としても助成すべきです。答弁を求めます。
 高齢になるほど死亡原因に占める肺炎の割合は高くなり、その原因はウィルスなどに含まれる細菌によるもので、その半数近くは肺炎球菌だと言われています。高齢者ほど肺炎になりやすいと言われているわけですが、新型インフルエンザ感染者の死亡例を見ると、細菌性肺炎の併発によるものが多いということもわかってきました。したがって、肺炎球菌ワクチンの接種は、新型インフルエンザ感染による死亡や重症化を抑制する上で有効だということになります。兵庫県小野市では、新型インフルエンザ緊急対策として、9月2日、腎機能障害などの基礎疾患のある市民が肺炎球菌ワクチンを接種する場合、市が費用の全額を負担すると発表しています。23区内でも港区、目黒区、千代田区、墨田区が一部助成を、渋谷区は全額助成しています。中野区でも、肺炎球菌ワクチンへの助成に踏み切るべきです。答弁を求めます。

4 障害者施策について

 次に、障害者施策について伺います。
 ことしも3月に障害者の防災訓練が行われました。主催したのは、障害者団体の自主組織、中野区障害者防災委員会です。2005年秋の豪雨による妙正寺川はんらんをきっかけに、災害時に障害者が避難できずに一人でいることのないようにと、区内の障害者当事者の団体が立ち上げたものです。
 さて、今回の訓練について、障害者団体から、「せっかくの訓練だが、混乱して身を置く場もなかった。特に、聴覚障害者には、ハンドマイクで指示されてもわからない。手話通訳も不足しているし、コミュニケーションの手段がないのが一番困る。車いすの避難でも、災害時には多くの人の力をかりなければならない。そのためには、行政の責任を明確にしてほしい」といった声が上がっています。こういった声にどうこたえますか。伺います。
 次に、災害時要援護者の救援制度について伺います。
 災害が発生したときに、自力で避難することが困難な高齢者や障害者があらかじめ登録していただき、地域の方々が中心になって援護や支援に当たる仕組みです。基本となる災害時要援護者名簿を整え、住民組織やボランティアや行政機関の任務と役割を明確にし、いざというときすぐに始動できるよう、平常時から共同した訓練や研究・調整が必要になります。町会の方たちは、「災害時の支援が必要かどうかのアンケートをとったが、反応が悪い。しかし、民生委員からの情報は、守秘義務があってもらえない。障害者の情報を得ることは本当に難しい」といった声もあります。プライバシーの保護と防災は紙一重の関係です。この制度を生かすためには、信頼関係が極めて重要になります。そのためには、要援護者である障害者も参加する区主催の、例えば障害者防災対策委員会を設置したらどうでしょうか。伺います。
 次に、情報伝達の問題です。
 政府は、防災対策の基本的な方針として、防災情報の共有を重視しています。そのために、確実に情報が伝わるよう、光、振動、文字等の情報を各種伝達手段によって提供する。災害要援護者が早目に、時間的余裕をもって行動できるような情報提供を行うなどとしています。中野区は、こうした指摘に対し、どのような検討をしているのでしょうか。お聞きをいたします。

5 その他


(1)中野駅改札口の改善について

 次に、その他として2点伺います。
 まず、中野駅の改善についてです。
 私は、中野駅にスロープを設置してほしいという駅利用者の声を受け、2006年9月議会以来、再三にわたって要望してきたところです。JRは、当初、07年度を目途にスロープか昇降機をつけると言い、08年には東京警察病院の開院に間に合うよう整備するとし、区との間で細部の調整に入ったとの答弁もありました。ところが、いまだにスロープはできていません。聞くところによれば、中野駅の大規模改修を控えていて、むだな投資はできないというのが原因のようです。区民の思いは、大規模改修を待つまでの間、せめてスロープだけでもつけてほしいというものです。このままでは不便の解消はできません。区の対応はどうなっているのかをお聞きします。


(2)桃園川緑道の改善について

 次に、桃園川緑道の改善について伺います。
 健康ブームもあって、桃園川緑道は多くの区民に愛され、利用されています。ところが、私のところには、区民からの要望や苦情が絶えません。これらの点について、3点に絞ってお聞きをいたします。
 まず、管理の問題です。当初配備されたプランターですが、ひび割れなどの老朽化が目立ち、破損寸前のものもあります。美観上も問題ですが、いすがわりに座る人もおり、安全上にも問題があります。昨日見てきたところでは、ひどいものは撤去されていましたが、この際、一斉に点検をし、新しいものに改善してはどうでしょうか。伺います。
 次に、放置バイクの問題です。緑道が駐車場がわりになっていて、多くのバイク、珍らしいものでは四輪バギーが置かれており、ますますふえているということです。高齢者や子どもたち、障害者にとって大きな障害物となっています。バイクなどの放置については、さらに指導を強化するなど、対策を強めるべきです。答弁を求めます。
 次に、緑道にほっとできるスペースをつくってほしいということです。桃園川緑道にはいすが少なく、休む場所はわずかしかありません。あるお年寄りは、50メートルぐらい歩くとくたびれてしまうと、車道と交差する場所に置かれた車どめの円錐状のボラードに腰をおろしているとのこと。このままでは転倒や車との接触の危険があり、改善が急がれます。景観やスペースの問題を心配する向きもあるようですが、杉並区側の緑道のように、自然石をいすがわりに配置するなど工夫すれば、十分に対応できるはずです。安全と憩いを第一に、実現に向けた検討をすべきです。答弁を求めます。
 以上で、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) かせ議員の御質問にお答えいたします。
 基本構想の改定について、今回の基本構想については、審議会やワークショップなど、区民参加を得て、約3年間かけて策定されたものだと評価をしていただいているところです。この基本構想について、おっしゃるように、区民の参加を得て、きちんと議論をして、大変いいものができているということを認識しております。そういう意味で、策定をする時期に、10年間の中野の将来を構想してつくるというようなことでもありました。本格的に基本構想の改定を考えるとすれば、当初の策定から10年後ということが当然であるべきだろうと、こういうふうに思っております。
 今回行います改定は、基本的にごく部分的な改定ということでありまして、こうしてつくられた基本構想の基本理念や区政の方向を示す中野のまちの将来像などについては大切にすることにして、変更は行いません。10年後に実現するまちの姿についてのみ、具体的な変化があった部分について、必要最小限で改定をするということであります。
 そうかといって、決して区民参加をおろそかにしているということではありませんで、自治基本条例に基づく意見交換会を5回催しております。これには私も参加をして、出席をして、意見を述べさせていただいております。この5回以外にも、必要な説明等があれば、区のほうから赴いて説明をさせていただく、御意見もお聞きするといったようなことも、その都度申し上げているところでもあります。また、案としてできた段階では、パブリック・コメント手続など必要な手続を経て、議案として議会に提出をさせていただきたい、こう思っているところであります。
 それから、基本構想の目標年次を5年延長する必要はないという御質問でもありました。御質問の中で、国民の選択は開発優先から国民生活重視へだという、こういうことでありますが、開発優先を唱えた政党があったとも思っておりませんし、開発優先から国民生活重視へというのが民主党のマニフェストに書いてあったとも理解はしていないというところでもあります。そういう意味で、国の政権が変わったということのとらえ方について、必ずしも私どもと一致しているわけでもないんだなと、こういうふうにも思っております。
 前にも申し上げましたが、国の政権が変わっても、中野区の自治をどうしていくべきかと、この方向性について、区が変わったと考える必要があるとは思っておりません。現行の基本構想の作成当初と比べ、区の施策の進行度合いや、あるいは警察大学校等跡地などのまちの環境は大きく変わってきているところでありまして、残り5年間の展望では、区の取り組みの方向性を見定めるには不十分である、こう考えまして、基本構想理念の実現のために10年間を展望することとした、そういうことであります。
 それから、「まち活性化戦略」で、中野駅周辺まちづくりについての御質問もありました。
 中野駅周辺のまちづくりは、中野ならではの個性を磨き、にぎわいと環境の調和した新たな東京の活動拠点として、中野区全体の活力を高めていくことを目指しているところです。中野駅周辺のまちづくりは、環境にやさしく、だれもが安心して暮らせる、持続可能な中野区を実現するためのリーディングプロジェクトとしてぜひ推進をしていきたいと、こう思っております。
 それから、公務員宿舎の計画についてであります。財務省は、宿舎の基本計画を現在進めているところでありまして、あわせて地区計画変更の手続等について、区と協議をしております。したがいまして、区として当該用地の取得を国に働きかける考えはありません。
 それから、区画道路整備の問題についてであります。囲町と接する区画道路の整備で、万年塀の撤去や行きどまり道路の解消、高円寺北一丁目区道との一体的な整備を求めているんだと、こういった御質問でありました。
 囲町地区につきましては、住民主体のまちづくりの取り組みが始まっております。その方向が定まってこないと、行きどまり道路の取り扱い等も決まりません。当面は、このまちづくりの動きを支援しながら見守っていきたいと、こう考えております。杉並区道との一体整備についても、新たな道路整備はまちの姿に大きな影響を与えるものであります。周辺のまちづくりの方向が見えない中で実施できるものではないと考えております。
 それから、警大跡地の9月7日の説明会に関連しての御質問がありました。事業者は、東京都の建築紛争予防条例に基づいて説明会を開催したものであります。この条例の規定に基づいて、必要な対応を図っていくというふうに考えております。
 それから、桃丘小学校跡地についてですが、暫定活用後の桃丘小学校跡地は、若者の豊かで柔軟な創造性やエネルギーを生かした表現活動の拠点になるよう検討を進めております。検討後の活用案については、今後地域にもお示しをしていきたい、こう思っております。
 中野三丁目のマンション建設についてであります。現行法令に適合した建築計画について、行政として規制をするということはできません。事業者に対しまして、区としては、桃園通りの歩行者空間拡充等の要望を行い、事業者側もそれを受け入れる姿勢を示しております。また、当該計画によって住民がふえていくと、このことは地域の活力にもつながるというふうにも考えているところでもあります。
 私からは以上です。

〔教育長菅野泰一登壇〕
○教育長(菅野泰一) 30人学級につきまして、区教委の見解をということでございます。
 これまでも少人数指導など、児童・生徒一人ひとりに応じたきめ細やかな指導をしておりまして、学力の向上に結びついてきていると認識しております。教科によりましては、一定規模の学習集団が効果的なものもあります。しかし、今後、国の動向などもやはり十分に見守って対応してまいりたいと思っております。
 それから、図書館の指定管理者に関します大臣答弁、それから附帯決議についてでございます。
 文部科学大臣の国会答弁や附帯決議におきましても、図書館への指定管理者制度の導入そのものを否定したものではございません。指定管理者制度を導入している自治体も増加しておりまして、区といたしましては、指定管理者制度の導入によりまして、一層区民サービスの向上に寄与するものと考えており、着実に推進してまいりたいと思っております。
 それから、障害者・高齢者向けサービスの充実をということでございます。
 図書館の新しいあり方(案)の中におきまして、録音図書の充実でありますとか、高齢者の宅配サービスの拡大など、サービスの拡充等も示しております。指定管理者制度の導入は、さらにこうした区民サービスの向上を推進していく手法であるというふうに考えております。

〔副区長石神正義登壇〕
○副区長(石神正義) 私からは、障害者の防災対策という質問に対してお答えしたいと思います。
 まず、障害者の防災対策として、避難の問題でございますが、これはこれまでも災害時に避難が非常に困難だということで、支援が必要だということの対応をしてきたところですが、さらに高齢者も含めて災害弱者という方がふえてきている状態にあって、地域の中では十分支援ができるような体制づくりが必要だというふうに考えてございます。これにあわせて、防災リーダーの育成であるとかさまざまな対応をしているところではございますが、さらに体制づくりを推進していきたいというふうに思っております。
 また、障害者でつくっております防災委員会などに対しては、区としてはこれまでも支援、協力をしてきているところでございます。さらに障害者と関係団体を入れた障害者防災対策委員会、こういうものを設置して検討したらどうかということでございますが、現在、障害者自立支援協議会というものがありますので、その中で防災についても話し合っていただくこととしたいと考えてございます。
 また、障害者の方への災害時の情報提供でございますが、区では現在、災害時にはホームページで文字情報の提供、また音声読み上げソフトによります情報提供を行っております。さらに、防災情報メールマガジンということで配信して、迅速な情報提供に努めているところでございますが、今後、光や振動、こういったことを利用した障害者向けの情報提供について、さらに研究し、充実していきたいと思っております。

〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 新型インフルエンザ対策のうち、国民健康保険の資格証明書発行世帯への対応についてお答えいたします。
 資格証明書発行世帯に対して、一律に短期被保険者証を交付するということは考えていないところでございます。また、資格証明書の提示により、短期被保険者証とみなすという方法についてもお話がありましたが、医療保険制度の運営上の問題もあり、これについても考えていないところでございます。
 また、資格証明書発行世帯についての個別の通知についても、予定していないところでございます。
 資格証明書発行世帯につきましては、新型インフルエンザの流行状況等を踏まえて、今後の対応が必要かどうか、考えていきます。

〔保健所長田原なるみ登壇〕
○保健所長(田原なるみ) 続きまして、新型インフルエンザワクチン接種の公費助成の御質問でございますけれども、ワクチン接種に関しましては、国の方針では、低所得者への負担軽減策を実施するということになっておりますけれども、具体的な実施内容につきましては、まだ示されていない状況でございます。ワクチン接種助成につきましては、国の方針を受けて、区としての対応の必要性を判断してまいりたいと思っております。
 続きまして、肺炎球菌ワクチンの公費助成につきましてですが、肺炎球菌ワクチンの接種につきましては、国の検討会が有効性、安全性、費用対効果などの研究を現在進めているところでございます。国内の治験をさらに収集した上で、国としての予防接種の考え方が示されることとなります。区といたしましては、検討の推移を見守ってまいりたいと思っております。

〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、その他の項で、まずは中野駅北口改札口の改善についての御質問にお答えを申し上げます。
 区はこれまでも、JR東日本に対しまして、中野駅のバリアフリー化について強く要請をしてきたところでございます。北口の段差の改善等について、今後も引き続き求めてまいりたいと考えてございます。
 それから、もう一点は、桃園川緑道の改善でございます。
 桃園川緑道の全延長約2.3キロ、この中で、ベンチにつきましては35基を設置しているところでございます。場所によりましては、幅員が狭いために、民家に近いところでは利用者の声が近所迷惑になったりというようなこともございますので、今後調査をして、検討してまいりたいと考えてございます。
 それから、放置バイクにつきましては、指導の強化、これを図ってまいりたいと考えてございます。

○副議長(江口済三郎) 以上でかせ次郎議員の質問は終わります。

2009年第3回定例会【本会議・代表質問】来住和行

【本会議・代表質問】
(2009年9月16日)

中野区議会議員 来住和行

  1. 区長の政治姿勢と2008年度決算について
  2. 介護保険サービスの改善と高齢者福祉について
  3. 震災からいのちを守る施策について
  4. 保育園待機児を早期に解消することについて
  5. ぜんそく、肺がんの原因となる「PM2.5」対策について
  6. 飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代の助成について

○議長(伊藤正信) 来住和行議員。

〔来住和行議員登壇〕
○41番(来住和行) 2009年第3回定例会に当たり、日本共産党議員団を代表して一般質問を行います。

1 区長の政治姿勢と2008年度決算について

 区長の政治姿勢と2008年度決算について。
 8月30日に投開票が行われた衆議院選挙の結果について、まずお聞きします。
 国民の審判は、暮らしや平和を壊してきた自民・公明政権が国民の厳しい批判を受け、歴史的大敗を喫し、退場することになり、今日、新しい政権にとって変わりました。日本共産党は、今度の選挙では自公政権を退場させようと訴え続け、民主党中心の政権に対して、良いことには協力、悪いことにはきっぱり反対、問題点はただすという立場で、どんな問題でも国民の利益に立って積極的に働きかけ、建設的野党として現実政治を前に動かすために奮闘します。同時に、財界中心、軍事同盟中心という旧来の政治の問題点を根本から正し、国民が主人公の新しい日本へとさらに政治を前進させるために力を尽くします。劇的な結果をもたらした大もとには、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法などの高齢者、弱者への差別と負担への怒り、完全失業率が5.7%と過去最高となるなど、雇用や社会保障を破壊してきた10年来の自公政権の規制緩和と構造改革路線に下された厳しい審判です。区長は、これまで国のありようとして、構造改革や規制緩和の一層の推進が必要との立場を表明し、区政運営で先取りすることを政治手法としてこられたのではないでしょうか。今回の選挙結果はまさに弱肉強食の改革に国民の審判が下されたと思いますが、区長はどのような認識をお持ちか、お聞かせください。
 新政権が国民に約束した後期高齢者医療制度廃止、障害者自立支援法の見直し、高校授業料無償化、労働者派遣法改正、生活保護の母子加算復活など、区民生活を直接応援することとなるこれらの施策が今後実現の方向で進んでいくことになりますが、区長はこのことをどのようにお考えか、お聞かせください。
 2008年度決算についてお聞きします。
 この年度は、米国発の世界金融危機と世界同時不況で日本経済と産業が死活問題に直面し、銀行の貸し渋り、貸しはがしによる中小企業の倒産、非正規雇用労働者の大量解雇、大失業が大きな政治・社会問題となりました。年収200万円以下の給与所得者が1,000万人を超え、区内の若者、20~30代の55%が200万円以下となり、10年前より年間10万円以上も給与所得が低くなり、貧困と格差が拡大しました。特別区民税は、納税義務者数は増加したものの、納入率は前年度と比べ0.5ポイント下回り、国民健康保険料も、後期高齢者医療制度で75歳以上の方が移行したこともあり、収入率が低下しました。決算では、中野駅周辺調査委託費で2億400万円余。04年度からの中野駅・サンプラザ周辺の調査委託費総額だけで4億2,000万円余と、規模も対象地域も、我々が指摘してきたとおり、年ごとに膨らんできました。これに加え、株式会社まちづくり中野21の株式取得及び追加出資13億7,000万円余が出資金として執行されました。改定中の基本構想、10か年計画も今後の大規模開発を誘導する方向で改正することから、とめどもない財政負担とならざるを得ないでしょう。財政運営の考え方で、中野駅周辺、警大跡、東中野駅周辺などで246億円の負担を見込んできましたが、これ以上の負担になるのか、さらに、その額はどこまで膨れていくのか、お聞きします。
 日本共産党議員団は、区長提案の予算案に対し、増税、負担増から区民生活を守るとの立場から、障害者や高齢者など弱者への負担軽減策、子育て世代と青年の暮らし応援と中小業者の営業支援などの48項目総額24億円の予算組み替え動議を提案するとともに、不要不急の開発優先を改めることを強く求めてきました。区政を区民生活第一に舵を切るべきではありませんか。
 一方、積立基金残高は、義務教育、財政調整、減債、まちづくりなどの取り崩しはあるものの、この年度、すなわち2008年度だけで70億円余を積み立て、区政史上最高となる400億9,000万円余を超える基金となりました。私たちは、暮らしに安心を与え、家計を温め、健康で文化的な生活を保障することを中心に区政運営を行うべきと考えますが、区長の考えをお聞きします。
 次に、平和行政を推進させることについて。
 戦後64周年の8月6日の平和記念式典で、広島の秋葉市長は、「ことし4月には米国のオバマ大統領がプラハで「アメリカは、核兵器を使った唯一の国として、核兵器のない世界実現のため努力する道義的責任がある」ことを明言しました。それにこたえて、私たちはオバマ大統領を支持し、核兵器廃絶のために活動する責任があります」と平和宣言をしました。9日には、田上長崎市長もオバマ演説を「核超大国アメリカが核兵器廃絶に向けてようやく一歩踏み出した歴史的な瞬間でした」と長崎平和宣言を行いました。
 この夏、全国の自治体の首長が核兵器廃絶の行動に立ち上がっています。宮崎県の都城市長は、関係団体代表と共同の呼びかけ人となって、来年5月に核不拡散条約(NPT)再検討会議を目標に核廃絶の大きな世論をつくろうと、核廃絶の署名の先頭に立っています。また、再検討会議に代表を送る自治体も出てくるなど、核廃絶の機運が大きな広がりと盛り上がりを見せています。核不拡散条約には既に190カ国が締結しており、再検討会議でいよいよ核廃絶の明確な約束が実現できるかが最大の課題です。それだけに世界が注目し、期待しているのです。憲法養護・非核都市の宣言の中野区がイニシアチブをとっていく時ではないでしょうか。新政権のもとで、日米核密約の真相も解明されることになるでしょう。世界中で核兵器廃絶の機運を盛り上げるためにも、田中区長が核廃絶の署名や運動に賛同を表明するとともに、核廃絶の区民の意思を世界に発信することなどを検討してみてはいかがでしょうか。お答えください。
 この項の最後に、幹部職員の不正打刻事件の判決について伺います。病気で欠勤中の幹部職員のタイムカードを当時の総務部長と総務課長が出勤していたかのように装いタイムカードを打刻し82万円余を不当に支出したとして、10名の区民が区を相手に争ってきたものです。区長にも責任ありとした高裁判決を中野区は不服として最高裁に上告の申し立てを行っていましたが、7月10日、最高裁は不受理を決定し、高裁判決が確定しました。確定後、田中区長は個人として102万円余を支払い、対応されたとのことです。本事件は、中野区監査委員の勧告に区長が従っておれば、4年以上も争うことはなかったのです。
 そこで伺います。本決定は区財政に損害を与えたことが確定した今、区長は区民に対してどのような形で謝罪をされるのか。この事件に係った2人の幹部職員も高裁判決が確定し、中野区に損害を与えた責任は免れません。高裁判決が確定した今、新たな処分は検討されないのか、お聞きします。

2 介護保険サービスの改善と高齢者福祉について

 次に、介護保険サービスの改善と高齢者福祉についてお聞きします。
 この項の最初に、70歳以上の健診を無料化することについてお聞きします。貧困と格差が広がる中、介護や医療を必要とする高齢者の抱える問題はますます深刻で複雑になっています。にもかかわらず、中野区は、後期高齢者健診で、23区で唯一自己負担させている自治体となっています。有料化の理由を、自らの健康管理を意識してもらうことから必要と繰り返しています。健康への自覚と意識は、健康、予防、病気に関する知識を持ち、自分自身の健康を健診などによって全身検査のデータで自覚し、それを理解することによって高まるものです。有料化は、その入り口となる受診の機会を妨げることにもつながるものです。住民の福祉の増進を図ると定める地方自治体の一番の仕事は、住民の生活を支え、健康を守る役割にあります。健診の無料化を直ちに実施すべきです。お答えください。
 次に、介護保険は、ことし4月に発足から10年目を迎えました。この間、再々改悪され、保険料だけを取り立てて介護なしと言われるように、家族介護の負担が非常に重くなってきました。この4月から要介護認定の基準が大幅に修正され、中野区内でも4月からの新基準認定で約500人が要介護度を軽く判定される状態が生まれるとともに、軽く判定され介護サービスを使えなくなる人が出るとの声が挙がっていました。厚労省も、希望すれば従来の認定を継続できる経過措置をとってきました。関係者の運動や日本共産党の国会での追及によって、厚労省も4月からの制度変更の誤りを認め、10月1日より調査基準を大幅に見直して認定を開始します。4月から9月までのこの間に新規に申請を行った方で非該当と判定された方は区内で32人となっており、この方々は再申請を行うことができることになります。この10月からの大幅な調査基準の見直しについてどのように知らせ、必要な介護が受けられるようにするのか、お聞きします。
 次に、在宅介護の問題です。在宅で進む介護取り上げは深刻です。06年の改悪で、介護ベッド、車いすなど福祉用具は、軽度者の利用は原則禁止されています。また、要支援の人が訪問介護を利用できるのは、本人や家族ができず、介護保険以外のサービス利用も困難な場合に限るという原則までつくられました。また、1時間を超える清掃、洗濯、調理などの生活援助については介護報酬の加算がなくなり、ホームヘルプは細切れになっています。今、在宅介護を支えるポイントは、介護保険で不足する生活支援サービスを補うことにあります。渋谷区、杉並区など14区で既に実施しているものです。特に、同居家族がいる要介護、要支援の方に対し、生活援助サービスや病院内の付き添いなどに欠かせないものです。これまで、区は、介護保険の対象とならないニーズには区独自には行わないとの立場を繰り返してきています。しかし、在宅の介護を支える重要な柱として、ホームヘルプサービスを区独自の施策として位置付けるべきではありませんか。答弁を求めます。
 さらに、在宅介護を支えるショートステイの整備も大変急がれる切実な課題です。希望してもなかなか確保できない、特に区内では困難な状態が続いています。家族介護の負担軽減、緊急一時保護などで要望の強いショートステイのベッド確保で、中野区はこの9月から新たな整備補助事業をスタートさせ、20床を確保する予定です。しかし、不足しているショートステイを充足するために、第4期計画、2012年までにショートステイをどこでどのように確保するのか、お聞きします。
 次に、区内で1,000人の待機者が入所を待ち望んでいる特養ホームの増設を急ぐことです。群馬県の無届け高齢者施設の火災事故に学び、一刻も早く整備しなくてはなりません。区の計画は100床程度の規模を整備目標としていますが、これでは現在でも3年から5年も待たされる現状の打開策とはなり得ません。東京都が打ち切った特養ホーム建設の用地取得費の補助の復活はどうしても必要です。区長会として要望している用地費補助の復活要望、国への施設整備の促進支援の強化などのため、具体的行動をとるべきではありませんか。お答えください。
 特養ホーム待機者をなくすため、区有地、区有施設の有効活用などによって、高齢者が住みなれた地域に20~30人の小規模特養ホームを新設するなど、特別の手だてが必要ではありませんか。東中野地域新設計画に加え、どこでどれだけの増設、新設を行うのか、具体的にお示しください。

3 震災からいのちを守る施策について

 次に、震災からいのちを守る施策についてお聞きします。
 阪神・淡路大震災で亡くなった方の9割が倒れた建物などによる圧迫死でした。中越沖地震でも、家屋倒壊などによる死者11名、負傷者1,834名の大きな被害となりました。また、この8月11日には、静岡を中心に発生した地震で、7,000戸以上の家屋で屋根がわらが落ちるなどの被害となりました。
 中野区でも耐震診断、耐震改修支援を進め、区報で「地震への備え」特集を発行するなどの啓発を行っています。05年、06年度に3万9,000戸を対象に直接訪問を実施するなどして、耐震診断の戸数は大きく伸ばしてきました。しかし、それに伴う耐震補強改修は思うように進みません。08年度決算では、耐震補強設計費助成は、30件、150万円の予算に対し、執行は10件で50万円、執行率33%。耐震改修融資あっせんは利用はなく0件。何とも寂しい限りです。新しい制度を提供しても耐震診断から耐震補強改修に結び付かないのは、耐震補強改修工事に直接助成が必要ということではないでしょうか。墨田区では、昨年10月から、簡易改修工事助成限度額を指定地域によっては一般で80万円、高齢者世帯で100万円に引き上げたことで、耐震改修工事が3倍に増えています。家屋全体の改修ではなく、一部屋と逃げ道だけを耐震改修工事することで、少ない経費で命だけは守られるというものです。中野区も耐震改修工事助成に踏み出すべきではありませんか。答弁を求めます。また、これらの助成事業が区内事業者の振興にも結び付くよう、中野区耐震改修促進協議会などとよく連携して、耐震改修、リフォーム事業の成果が上がるように区として努力すべきであります。答弁を求めます。
 いのちを守る二つ目として、家具の転倒を防止する器具の取り付けを飛躍的に進めることです。しかし、助成も一向に進みません。08年度決算では、150件、225万円を見込みながら15件、37万円余と、16%の執行率です。04年度から5年間で193件にとどまっています。東京都の補助が2分の1あるのですから、取り付け器具も無料にして、家具転倒から区民の命を守る施策として位置付けるべきではありませんか。お答えください。

4 保育園待機児を早期に解消することについて

 次に、保育園待機児を早期に解消することについてお聞きします。
 ことし4月1日時点で、認可保育所に申し込みながら満員で入所できない待機児童が全国で2万5,000人を超え、過去最多となり、大きなニュースになっています。自民・公明政権が認可保育所の増設を怠り、定員を超えた子どもの詰め込みや認可外の保育サービス活用など、安上がりの対策に頼ってきたためです。中野区においても、327人が認可保育所を希望しながら入所できませんでした。不況の中で働きに出たいと望む女性がふえていること、この傾向は、昨年も260人の待機児となっていたもので、ことしになって突然ふえたわけではありません。中野区は、10か年計画で、待機児ゼロとすべき目標年度を21年度としていました。しかし、待機児が急増しているにもかかわらず二つの区立園を廃園にするなど、子育てとその支援に自治体としての責任を投げ出してきたとの批判は免れません。
 そこでお聞きします。認可保育園を希望しながら待機児がふえ続けている事態は、中野区が区立園廃園と民営化、定員の弾力化による子どもの詰め込み、認証保育所頼みで保育行政を進めてきたことに根本の原因があるのではないですか。お答えください。
 さらに、営利を目的にした保育園の参入は、昨年9月開園し2カ月で閉園したハッピースマイル東中野駅前園。区が交付した1,563万円の運営費補助金は返還させることができたのでしょうか。決算ではどのように処理されたのか、お答えください。
 中野区は、来年4月には新井保育園の民間園での建て替えや認定こども園の新設と認証保育所の誘致などによって265人の定員増を見込み、2014年には保育所待機者をゼロにするとしています。ここでも民間頼みです。それでも1歳児の待機児は解消される見込みはありません。計画では2014年には待機児ゼロを目標としていますが、今後の保育需要を年度ごとにどのように見ているのか、具体的数字でお答えください。
 現在行われている10か年計画素案の地域説明会において、保育園待機児を何とかしてほしいとの要望は強く出されています。これに対し、すぐにでもゼロにできる状態、いつでもゼロの状態にしておくことが大切と答えておられます。保育園を希望しながら待機しているお父さん、お母さん、子どもの切実な願いにこたえ、認可保育所を増設することです。旧桃丘小跡で運営していた区立保育園を再開することです。すぐにでもできることではありませんか。お聞きします。
 東京都も08年度から3年間で1万5,000人分を整備する計画です。港区では補正予算で100名の保育室、江東区では2園開設し240名の確保など、各区とも待機児解消に直接乗り出しています。旧桃丘小学校跡の再開、分園方式や緊急的処置として本郷保育園を引き続き活用するなど、保育園待機児の解消に全庁挙げて対策をとるべきです。お答えください。

5 ぜんそく、肺がんの原因となる「PM2.5」対策について

 次に、ぜんそくや肺がんを引き起こす微小粒子状物質「PM2.5」対策についてお聞きします。
 国は、9月9日、ぜんそくや肺がんの増加など健康に悪影響を与える微小粒子状物質「PM2.5」の環境基準を初めて告示しました。告示されたPM2.5の環境基準は、米国と同水準の年平均値が大気1立方メートル当たり15マイクログラム以下ということであります。PM2.5は主に自動車排ガスが発生源であります。粒子状の大気汚染物質は毒性が強く、肺の奥深くまで達し、循環器系の疾患や肺がんの原因とされています。区内小学校におけるぜんそく児童数は東京都平均よりもかなり高く、6年生では11%を占めています。大気汚染健康障害認定者数は、既に中野区で1,575人となりました。ぜんそく医療費助成もPM2.5基準告示も、各地で闘われてきた大気汚染公害裁判の和解で国や自治体、企業の責任が追及され、その和解条件で約束させたことを受けてのことです。08年2定での岩永議員の質問に対し、PM2.5は、国、東京都が対策を検討しているからと、区としては考えていないという答弁でした。
 そこで、中野区として東京都に対し、PM2.5の測定を、弥生、東部の測定局に東京都として測定器を設置すること、また、中央環状新宿線地下換気所の測定にPM2.5を加えること、さらに、来年予定されている中央環状新宿線の全区間で実施される環境アセスの調査対象項目に入れるべきではないでしょうか。必要なことは中野区独自でも測定場所を特定し、測定できる体制を検討すべきです。答弁を求めます。

6 飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代の助成について

 次に、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代の助成についてお聞きします。
 中野区はペット等飼養に関する条例制定に向けた考え方を示し、来年3月を目途に罰則、罰金を科す条例を制定しようとしています。中野区がこの間行った関係団体との意見交換会においては、条例は必要でないとの意見が圧倒的です。区が条例制定の根拠にしているのは、ペットと共生を考える懇談会の提言を持ち出していますが、提言では条例については一言も触れていません。しかも、この懇談会は、要綱設置で8人の部課長がメンバーとして出席しており、飼い主のいない猫の数を減らすためには、不妊・去勢手術に対する自主的取り組みの推進と不妊・去勢手術に対する助成を行うというのが提言の中心で、08年3月に田中区長に提出しているものです。区議会も、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術に対する助成を行うとの陳情を、全会一致で昨年12月に趣旨採択しました。既に区民的合意ができ上がっているものを条例制定を口実にこれ以上の先送りは、動物愛護法の観点からも許されません。条例化の検討を中止し、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術の助成に直ちに踏み出すべきです。お答えください。
 以上ですべての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 来住議員の御質問にお答えいたします。
 総選挙の結果と私の政治姿勢についての御質問がありました。弱肉強食の改革手法に国民の審判が下されたものだという来住議員の御意見でありました。その結果についてどう思うかと、こういうことであります。今後とも改革が必要なのかどうかといったような御質問でもあるのかと、こう思いました。少子高齢化や人口減少が進む中、グローバルな競争に国民一人ひとりがさらされているというのが現在の状況であります。このことは今後の長期的な流れとして変わらないと考えております。そういう中で、我が国が一定の豊かさや経済力を維持し続け、持続可能な国をつくり上げていくためには、社会の将来と国民の幸福を見通した構造改革が必要であると考えているところであります。
 それから、後期高齢者医療制度の廃止などの政策についての御質問がありました。後期高齢者医療制度の廃止など新政権がマニフェストに基づいて打ち出す新しい政策については、具体的な内容や財源構成、また、基本となる理念などが明らかになっているとは思っておりません。今後示される内容を見ながら的確に判断をしていきたいと思っております。
 それから、中野駅周辺のまちづくりに係る経費の額等についての御質問がありました。中野駅周辺整備に関連しまして、「財政運営の考え方」の中で示している経費は現時点における概算額であります。中野駅周辺整備の経費につきましては、今後の調査や詳細な設計を行うことにより段階的に明らかになっていくと考えております。国の補助金、交付金、都の負担など特定財源の確保に努めるとともに、基金や起債を活用するなど計画的な財政運営で対応すれば、過度な負担とならないよう進めていくことが可能だと考えているところであります。区政運営を担う者として、将来にわたって区民の暮らしの安全・安心などを確保していくためには、中野駅周辺などのまちづくりの推進によるまちの活性化や、その結果としての税収増などが欠かせないと考えて、取り組みを進めているところであります。
 核廃絶に関する取り組みという御質問で、米国、オバマ大統領の演説についての御質問がありました。オバマ大統領のプラハでの演説については、一国の指導者のこの発言の背景にはさまざまな要素もあるものであります。政治的に多様な意図が総合されているこうした他国の指導者の発言に対して、自治体の首長が賛意や反対を求めるような立場にあるとは考えておりません。中野区は、憲法擁護・非核都市の宣言を行った自治体として、毎年さまざまな平和事業に取り組んでおります。私としては、こうした日常的な活動を通じて平和に関する理念の表明、実現に努めていくのが適当であると考えております。
 それから、裁判での最高裁の結果が出て、高裁判決が確定したという件についてであります。裁判所の判決が区の見解と異なったということは誠に遺憾であります。私としては、その損害とされた額について支払いをし、区に納付をしたところであります。住民訴訟に係るこれまでの経過及び判決確定後の区の対応については、ホームページや区報に掲載し、説明責任を果たしてきていると考えております。また、当該幹部職員については、平成16年度に地方公務員法による懲戒処分を既に行っているため、同じ事案で新たな処分を行うことはありません。
 それから、高齢者の健診無料化についての御質問もありました。70歳以上の方の健診については自己負担金を500円いただいているところでありますが、金額について妥当なものと考えております。有料にすることは、自分の健康は自分で守るという意識を啓発することからも、意味があると考えております。70歳以上の方の健診を無料にする考えはありません。
 それから、要介護認定についての御質問がありました。平成21年10月から調査テキストについて改訂があり、調査項目の一部が変更されます。この内容については、既に地域包括支援センターなど、関係機関や事業者への情報提供を行っているところであります。区といたしましては、地域包括支援センターや居宅支援事業者のケアマネジャー等が今後適切な対応をとるよう指導をしていきたいと考えております。また、区独自のホームヘルプサービスについては、これまでも申し上げてきているとおり、実施することを考えておりません。
 それから、ショートステイの増設についてであります。ショートステイの整備については、これまでは特別養護老人ホームや老人保健施設との併設で整備を図ってまいりました。特養等への併設による整備も図ると同時に、敷地が広くなくても建設可能な小規模な単独ショートステイの整備なども促進していきたいと考えております。新井四丁目の区営住宅跡に認知症グループホームを誘致するに当たって、ショートステイも併設できるよう、新たに建設費補助を行う仕組みを創設したところです。
 それから、特養ホーム整備の具体策についてであります。現在策定中の10か年計画素案の中で、東中野地区の未利用地を活用した特別養護老人ホームの整備をお示ししているところであります。こうした区有地の活用も整備促進の手法として考えていきたいというふうに認識をしております。小規模の特養ホームの整備も予定をしているところでありますが、場所等についてはまだ定まっておりません。
 私からは以上です。

〔都市整備部長石井正行登壇〕
○都市整備部長(石井正行) 私からは、震災からいのちを守る施策についての中で、まず、木造住宅の耐震改修補強工事費助成制度の創設についてのお尋ねがございました。区は、木造住宅の耐震診断の中で、施工方法等の補強設計までを含めて無料で実施をしておるところでございます。また、耐震改修補強設計費用については5万円の助成をし、耐震改修を促進しているというところでございます。耐震補強工事など、みずからの財産と命を守るというこの対策については、基本的には区民自らの責任でとるべきである、というふうに考えておるところでございます。今後、木造住宅の耐震化率の向上に向けまして、区登録の木造住宅耐震診断士の協力を得まして、戸別訪問、それから、耐震相談会を実施するなど、きめ細かい対応をしていく予定でございます。
 それから次に、家具転倒防止器具の助成についてでございますが、器具の取り付けは自分自身、独力では取り付けが困難な高齢者のみの世帯、あるいは、身体障害者のみの世帯等を対象として実施をしているところでございます。器具の代金は比較的安価で、個人負担の範囲内であるというふうに考えており、区民の負担を求めることにしているというものでございます。今後さらにこの普及啓発を図ってまいりたいというふうに考えております。

〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕
○子ども家庭部長(竹内沖司) 保育園待機児を早期に解消することについての御質問にお答えをいたします。
 まず、待機児増加の原因ということでございますが、御質問の中にございました定員の弾力化や区立保育園の民営化は定員の拡大やサービスの向上を目指して行っているものでございまして、待機児童の増加の原因とは考えておりません。
 次に、ハッピースマイル東中野駅前園への運営費補助金の返還についてでございますが、現在、同園を運営していた会社が破産手続中でございまして、区が交付した運営費補助金については返還されておりません。平成20年度の決算上は、認証保育所に対する運営費補助金として支払った支出のみ決算額の中に含まれております。未返還金につきましては、破産管財人に対し破産債権として届け出を行ったところでございまして、破産手続の状況を見ながら適切に処理をしてまいります。
 次に、待機児解消対策についての御質問でございます。待機児の解消につきましては、区立保育園の建て替え、民営化における定員増や認証保育所の開設の誘致、家庭福祉員の増員など、さまざまな対策を組み合わせて総合的に行っていく考えでございまして、来年の4月までに大幅な定員増を見込んでいるところであり、待機児について大きく改善を図ることができると考えております。

〔区民生活部長鈴木由美子登壇〕
○区民生活部長(鈴木由美子) ぜんそく、肺がんの原因となる微小粒子状物質「PM2.5」の対策についてお答えいたします。
 これにつきましては、東京都は昨年度から独自の対策の検討を本格化させております。22年度にはこのPM2.5の濃度目標等を設定して、23年度から対策を開始すると聞いております。また、今般の環境基準につきましては、今後、国から測定方法等の処理基準が示されまして、これを受けて大気汚染防止法にかかわる事務を受託する都道府県の対応が決定されてくるものと承知しておりますので、区としてはこれらの動きを踏まえて対応してまいりたいと考えております。

〔保健所長田原なるみ登壇〕
○保健所長(田原なるみ) 飼い主のいない猫の不妊・去勢手術代の助成についての御質問にお答えいたします。
 飼い主のいない猫に関する対策の考え方につきましては、現在、ペット等の飼養に関する区の考え方を取りまとめ、これを条例の形で明確にしようとしているところでございます。条例の考え方を定めた上で、不妊・去勢手術の費用助成の事業化について検討する考えでございます。

○議長(伊藤正信) 以上で来住和行議員の質問は終わります。

2009年第2回定例会【本会議・一般質問】山口かおり

【本会議・一般質問】
(2009年6月4日)

中野区議会議員 山口かおり

  1. 高齢者施策について
    1. 入所施設整備について
    2. 区独自のヘルパー派遣について
    3. 高齢者の住宅施策の拡充について
  2. 中小企業支援について
    1. 区内の中小企業・商店街支援について
    2. 融資制度の改善について
    3. 小規模事業者登録制度の活用について
  3. 障害者・障害児の施策について
    1. 新事業体系移行に向けての支援について
    2. 療育センターアポロ園について
  4. NTT社宅跡地の活用について
  5. 保育園と学校の給食について
  6. その他

○副議長(江口済三郎) 次に、山口かおり議員。

〔山口かおり議員登壇〕
○8番(山口かおり) 2009年第2回定例会に当たり、日本共産党議員団の立場から一般質問を行います。

1 高齢者施策について


(1)入所施設整備について

 最初に、高齢者施策について3点お聞きします。
 1点目、入所施設整備についてです。中野区では、特別養護老人ホームの入所待機者は1,000人に及び、そのうち在宅生活に多くの困難を抱える要介護度4、5の方が半数近くにのぼっています。特別養護老人ホームについては、国が三位一体改革のもと、04年に基盤整備の予算を大幅に削減し、東京都においても石原都政のもとで、運営費補助、用地費補助が削減されてきました。こうした背景のもと、需要に比べ、施設整備の遅れから待機者が急増し、入居まで数年待ちという状況が常態化しています。
 第4期中野区介護保険事業計画では、「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)について、平成23年度をもって廃止される介護療養病床の受け皿としてさらに需要が多くなると見込まれる。東京都標準整備率1.25%を目標として、100床程度の規模で公有地の活用や補助金の活用を行い、特に整備数が不足している「南部・中部圏域」での整備を目指す」とあります。また、定員30名規模の小規模特別養護老人ホームの設置に関しては、平成26年度までに各生活圏域の中で1カ所ずつ、計4カ所の整備がうたわれていましたが、いまだに一つも整備ができていません。今後3カ年の整備目標として、特別養護老人ホーム、小規模特別養護老人ホーム、それぞれ1カ所ずつの整備目標がうたわれていますが、地価の高い中野区において区が計画的に整備を実現するためには、住吉保育園跡地など区有地の活用、土地代補助など積極的な支援を行うべきではありませんか。お答えください。国や都に対しても助成を求めるべきです。
 また、戦後ベビーブーム世代が高齢になるまでに施設待機者の解消をいかに図っていくか、現状を踏まえた中長期計画を持つことが必要ではないでしょうか。お答えください。
 3月に起こった群馬県渋川市の高齢者施設「たまゆら」の火災では、入所者10名の死者を出しました。この施設は入居者の多くが生活保護を受けており、都内の生活保護受給者が越境し、無届け施設で暮らしている実態が明らかになりました。東京都では、都内の未届けの有料老人ホームなどを対象に、緊急点検を5月に実施し、その結果、老人福祉法に基づく届け出が行われていないものが46件あったと報告されています。中野区にも2件該当する施設があり、現在都と申請を協議中とのことです。
 こうした無届け施設が発生する問題の背景には、特別養護老人ホームに入れず、また、高額な有料老人ホームにも入れず、困窮し、行き場のないお年寄りを入所させる施設が不足していることが挙げられます。また、生活保護受給者が入れる施設が都内になく、高齢者を食い物とする貧困ビジネスが横行している問題もあります。介護が必要で在宅での生活が困難な高齢者、特に所得が低い方々の問題は深刻です。現在、事業者を募集している新井の認知症の共同生活介護(グループホーム)では、低所得者も入居できるように検討されているとのことです。今後の特別養護老人ホームの整備においても、必要とするすべての区民が申請し、利用できるように検討すべきではないでしょうか。所見を伺います。


(2)区独自のヘルパー派遣について

 2点目、区独自のヘルパー派遣について伺います。
 06年の改定介護保険法のもとで、軽度者や同居家族のいるケースからの介護の取り上げが大きな問題となりました。これを受けて厚生労働省は、同居家族の生活援助について一律に禁止すべきものではないと各都道府県に通知を出しました。しかし、区内での同居家族へのヘルパー利用が抑制される状況はほとんど改善されていません。また、4月から介護報酬の改定により、これまで利用上限枠いっぱいに利用していた方が限度額を超えてしまい、それ以上は全額自己負担となってしまうため、サービスを下げさせないようケアマネが大変苦労しているとのことです。また、全額自己負担になるケースは要介護度が重い人ほど多く、その分の実費負担は重度者ほど重い傾向にあります。
 区民の実態に即し、既に23区中14区では、介護保険で不足する生活支援のサービスを補う自治体独自の事業が行われています。特に病院内の付添ヘルパーについては、介護認定者の多くが医療機関を利用していることからも非常に高い要望があります。渋谷区が昨年より独自に実施している外出介助のサービスは、そのほとんどが院内の付き添いに利用されているとのことです。ことし3月には1カ月間で延べ793人が利用。そのうち新規の申請者が68件に及んでいます。また、同居家族がいる要介護、要支援の方に対して提供されている訪問介護の生活援助サービスは、3月の1カ月間で延べ963人の方が利用されており、利用者は増加傾向にあるとのことです。中野区でも、こうした同居家族がいる場合の生活援助サービスや病院内の付き添いに利用できる外出介助サービスなど、介護保険で不足するサービス、また、既に民間で利用されている方もいらっしゃいます。そうした方に対しての助成制度を実施することが必要です。お答えください。


(3)高齢者の住宅施策の拡充について

 3点目に、高齢者の住宅施策の拡充についてお聞きします。
 先日、大和町にお住まいの70代後半の男性で、要介護度4で足腰が立たず、ひとり暮らしをされている方が失禁し、転んだまま動けなくなっていたところをヘルパーに発見されました。デイサービスでは車いすの対応がされますが、自宅は畳の部屋で移動が困難です。介護保険の制度で補助具を取りつけようとしても、大家の了承がとれず、福祉住宅に毎年応募しても一向に入れないとのことでした。区の高齢者福祉住宅の空き状況は、世帯向けについては近年一、二戸とほとんどなく、単身世帯向けですと、昨年は17戸に対して103人が応募するなど、入居に至るには厳しい状況となっており、需要に応じ切れていません。
 高齢者のための住宅・居住施設に関しては、収入とともに身体の特性に配慮した、緊急時などの対応ができる住宅の確保が必要となってきます。入居系の介護施設が圧倒的に不足している状況のもとでは、在宅で介護を受けられている高齢者の住宅のバリアフリー化を促進することや、また、区が運営している福祉住宅の拡充が必要です。2001年に策定された第2次中野区住宅マスタープランでは、福祉住宅の整備目標が4棟95戸とされていましたが、7年前にのがた苑1棟20戸が開設されただけにとどまっており、目標達成には遠く及びませんでした。そればかりか、区が借り上げ方式で運営してきた高齢者アパートは、老朽化を理由として昨年度までに完全に廃止され、何十年とその地域に住み続けてこられた方も含め、平均年齢80歳という高齢者93人が転居を余儀なくされ、民間住宅、あるいは、遠く離れた親戚のもとに引き取られました。
 ことし4月に策定された第3次マスタープランでは、区の評価として、「セーフティネットの考え方から一定戸数の福祉住宅は維持することが必要であるが、財政負担を考慮し、区が直接建設し運営する方式ではなく、区有地に定期借地権を設定し、民間活力を活用した高齢者向け賃貸住宅の整備に着手した」と、財政負担を理由に区が直接運営する住宅の供給には消極的な姿勢が示されています。今後10年間の区による高齢者福祉住宅の目標値では、全く拡充はありません。また、高齢者の入居者が多い区営住宅も20倍の応募倍率が近年続いていますが、増設する目標はありません。需要はあっても目標自体、持たないということでしょうか。第2次マスタープランと比べても、高齢者の住宅施策に関する区の姿勢は明らかに後退しています。高齢者の住宅施策について公的な住宅の供給を増設すべきです。お答えください。
 また、高齢者住宅のバリアフリー化率については、10年間で30%の引き上げが目標とされています。マスタープランの中では、バリアフリー化が遅れている民間賃貸住宅で共同住宅の建設に当たっては、段差をなくすか、手すりを設置させるか、どちらかを満たす一定のバリアフリー化を義務付ける方針が示されています。区としてどのように対応していくのですか。また、「どちらの条件も満たす住宅の普及にも努めていく」とありますが、さらに一歩踏み込んで、民間の賃貸住宅業者に対して、共同住宅を建設する場合に高齢者仕様のバリアフリー住宅を一定の割合で付置するよう義務付けるべきです。お答えください。

2 中小企業支援について


(1)区内の中小企業・商店街支援について

 次に、中小企業支援についてお聞きします。
 初めに、区内の中小企業・商店街支援についてお聞きします。
 昨年からの金融不安に端を発する不況の波は、区内の中小企業にも色濃く影響が出ています。昨年7月から12月期の区内中小企業における景気動向をまとめた景況調査を見ますと、すべての業種が大きく下降しており、今後もさらなる下降が予測されています。売り上げの急激な減少に対し、経費節減でしのごうとする区内業者のあえぐ姿が浮かび上がっています。しかしながら、中野区としてこうした中小企業の苦難、不況の波に対して、今後どういった援助や支援を行っていこうとしているかが見えません。事業主が食い詰めて資金繰りの相談に来たはずが、どうにも手が打てず生活保護を申請せざるを得ない、あるいは、労働相談が生活相談に、こうしたケースが増えています。区内に仕事を回すように本気で考えてほしいというのが業者の声です。経営のさらなる悪化、倒産により、リストラや解雇も進んでおり、区内に失業者があふれ返る前に手を打つことが必要です。
 商店街も同じ状況です。支出を少しでも抑えるために何を削るかと、切り詰めて商売しています。南台でも今度、島忠が出店することに不安の声が商店街から聞かれています。中長期的にどのように地域経済の活性化を図っていくか、基本的な計画も条例も中野区は持っていません。区内の商店、商店街の育成、地域経済の活性化を実施するうえで、その根拠となる中小企業振興基本条例の制定、基本計画の策定を検討すべきと考えます。都内自治体では同趣旨の条例が18区で制定されており、それぞれ地域の実情に応じて活用が図られています。中野区でも検討すべきです。お答えください。


(2)融資制度の改善について

 次に、融資制度の改善についてお聞きします。
 運転資金の欠乏が原因で倒産する企業が、昨年1年間で、過去10年間で最多となっています。緊急の中小企業対策としては、減収にあえぐ企業が当面の運転資金を確保し、資金ショートを起こさせないことが何より重要です。区が1月より実施している緊急経営応援資金制度については、5月末時点であっせんが703件、金融機関の審査結果などが出ているものが500件、実行は472件となっており、1日平均20件程度の相談が行われているとのことです。区は、受け付け業務を迅速にとの要望を受けて、2カ所の相談室をフル活用するなど努力をされていますが、いまだにあっせん状の発行に至るまでにはかなり待たされるという声が聞かれています。保証協会の審査も含め、お金がおりるのは1カ月近くかかるとのことです。1カ月待っていたら、その間に倒れてしまう事業所もあります。受け付けからあっせん状発行に至るまでの業務をさらに迅速にすべきです。お答えください。
 景況調査にもあるように、今後もさらに厳しい状況が見込まれる中、本当に大変な中小業者はこれから相談に来ます。金融機関に紹介されて相談に来る企業は中堅どころ、経営が一定安定している企業です。零細な事業所はこの制度自体を知りません。さらなる制度の周知に努めるとともに、需要がかなりあるわけですから、実施期間を延長するなど必要な対応をとるべきではないでしょうか。また、期間を延長するに当たり、現制度では返済期間が6年間となっていますが、1カ月の返済額の負担を軽減する意味で、返済期間を10年間とするよう、期間の延長も検討すべきです。お答えください。


(3)小規模事業者登録制度の活用について

 次に、小規模事業者登録制度の積極的活用についてお聞きします。
 昨年より実施されている小規模事業者登録制度については、事業者の登録数が55件とのことですが、最近は月に一、二社程度しか登録がありません。広報、周知の徹底がされていないこともあり、一層の働きかけが求められます。また、この制度の受注状況ですが、08年度は物品購入が全体で3,987件あるうち3件、工事物件では643件中2件のみと、ほとんどありません。年度途中の開始で各部局への周知ができていなかったとのことですが、昨年始まったときよりも不況は深刻になっており、景気対策として登録業者に積極的に仕事を回すことが必要です。
 ことし2月から中野区緊急経済・雇用対策事業として、商店街の空き店舗の補助事業が実施されましたが、この中には店舗の改装費用に対して補助する制度があります。この制度を活用する事業者が店舗改装にかかわる工事を業者に委託する場合、区の補助を受けるに当たって区内事業者に発注することが要件となっており、この小規模事業者登録制度の活用が図られました。現在1件の実績があるとのことです。こうした区が行っている事業の中で制度の活用を図るなど、区が制度の普及、発展に向けてイニシアチブをとることが重要です。お答えください。

3 障害者・障害児の施策について


(1)新事業体系移行に向けての支援について

 次に、障害者・障害児施策についてお聞きします。
 初めに、施設系事業の新体系移行に向けての支援についてお聞きします。
 ことし3月に策定された第2期中野区障害福祉計画では、運営基盤の整備を図っていくうえで、障害者自立支援法で定められた新事業体系への円滑な移行支援が課題として挙げられています。自立支援法では、平成24年度までに新事業体系への移行を完了することになっています。中野区では、現在、精神障害者共同作業所、知的障害者の通所・入所施設の事業者である愛成会、弥生福祉作業所、東部福祉作業センターがそれぞれ移行の準備をしています。中野区は、移行を進めるに当たって障害者のニーズと区内全体のサービスのバランスを考慮した施設配置を目指しているとのことですが、各施設に対してそれぞれの要望を聞き、区の意向も伝えるという調整はどこまで進んでいるのでしょうか。
 唯一の小規模作業所である東部作業所は、高次脳機能障害、中途障害者など、制度の谷間にある障害のある方たちを受け入れてきた作業所です。移行支援に当たり、法人化が課題とされていますが、条件となる20名以上という人数の要件を満たすには、現状の施設の広さでは入り切れません。南部地域の利用者が多いことから、弥生福祉作業所の分場、あるいは、中野富士見中学校の跡地活用などの要望が出ていますが、区側の意向が見えないため、具体的な準備に入ることもできていません。また、精神障害者共同作業所であるすばる作業所も、移行に当たり施設の移転を早くから望んでおり、新宿区で実施しているような区の施設整備補助を要望していますが、区の意向が見えないとのことです。これら移行を準備している施設に対して早急に方向性を示すべきです。お答えください。
 また、精神障害者作業所にしろ、東部作業所にしろ、自立支援法の法内施設に移行した場合、利用者の利用料負担が発生します。既に既存の法人施設では、働いて得た賃金がそのまま利用料としてなくなってしまうといった自体が発生しています。これでは移行に向けて前向きな姿勢で取り組むことも困難です。移行を促進するうえでは、所得保障に向けた区の努力が何より必要です。平成20年度の自治法改正により、地方公共団体が随意契約できる範囲について、「障害者施設から役務の提供を受ける場合」が追加されました。そのことを受け、なかの障害者就労支援ネットワークに参加している共同受注部会が、区の発注業務の拡充を要望しています。第2期中野区障害者福祉計画にも、福祉施設における支援を強化する項目の一つに、区の業務の委託増、発注増を進め、大幅な工賃アップを目指すとあります。発注増に向けて保健福祉部が積極的に各部局に呼びかけていくことが必要ではありませんか。お答えください。


(2)療育センターアポロ園について

 次に、療育センターアポロ園についてお聞きします。
 療育センターアポロ園は、来年度から社会福祉法人に業務委託することが予定されています。既にことしの4月から一部の業務については引き継ぎを目的とした委託が実施されています。この業務の一つに保育園や幼稚園などの施設への巡回指導があります。近年、巡回指導の対象児童は増えており、平成19年度484人であったのが、平成20年度には540人、現在では660人のケースを担当しているとのことで、年間100人程度の増加となっています。この事業は、保育園側からは障害児の対応に非常に有効な助言指導が与えられると、現在1年に二、三回程度で巡回されているところを月1回程度に増やしてほしいといった要望が寄せられています。業務委託に当たってこうした要望にどのようにこたえていかれるのか、お聞かせください。
 また、南部地域で療育センターアポロ園のような療育事業を展開することについて検討されているとのことで、南部地域の障害児、また、その保護者にとっては朗報です。具体的な事業内容はどうなりますか。また、これまでの事業実績や、具体的なケースを引き継いでいくに当たっては区の職員が業務に当たるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 障害を持った乳幼児は、アポロ園での療育から、卒園後は小・中学校や養護学校へと成長の場を移していくことになります。アポロ園でデイサービスを利用していた子どもさんが小学校に入り、保護者の方がアポロ園に登録をするようにと呼び出されていったが、いまだに連絡一つないといった声も聞かれています。アポロ園が学齢期に入った子どもたちに対して見守り支援を行っていくことも、障害児の療育支援として必要なことです。こうした学齢期にある障害児童の療育支援という観点から、アポロ園と教育委員会とが協議の場を持つなど、連携を図ることも必要と考えます。お答えください。

4 NTT社宅跡地の活用について

 次に、NTT社宅跡地の活用についてお聞きします。
 区が今後取得を予定している本町五丁目にあるNTT社宅跡地について、周辺の住民の皆さんにアンケート調査を実施したところ、緑の広場としての活用に大変な期待を抱いていらっしゃることがわかりました。区は防災公園に整備する方向ですが、南部地域に大きな公園がないことから、特に子育て世代が、子どもたちが駆け回れる空間にと希望されています。また、高齢者や車いすの方からも、安心して車の心配なくゆったりと休める、散歩できる広場にしてほしいと期待をされています。また、防災機能についても、災害を心配していたので賛成だと、おおむね肯定的な意見が見られます。今ある大きな樹木は残してほしい、余計な建物は建てず、遊具は少な目に、地域のイベント、朝市など区民のための活用をと、さまざまな声が寄せられています。今後区民の声を聞く機会を年度末ごろに予定されているとのことですが、区民は早く開放されることを願っています。事業スケジュールとの兼ね合いもあるかと思いますが、周辺住民の声を聞く場を早期に持ち、地域住民の意見を取り入れた計画を策定することを求めます。お答えください。
 また、暫定利用についても検討されているとのことですが、緊急時の避難場所としての活用、また、公園として早期の活用をぜひ検討していただきたい。今後、杉山公園が駐輪場の建設工事に伴って使えなくなることもあり、子どもたちの遊び場にその期間活用したいという要望が寄せられています。お答えください。

5 保育園と学校の給食について

 次に、保育園と学校の給食についてお聞きします。
 近年、輸入食品による食の安全が脅かされる中、食育の観点からも学校給食の提供は、子どもたちの健全な心身の発達にとって非常に重要な取り組みです。学校給食法では、学校給食が教育の一環であり、行政の責任で給食を充実させていくことが明記されています。中野区では98年度から小・中学校の調理業務の委託が開始され、現在では沼袋小学校以外のすべての学校で委託がされています。
 中野区が現在調理を委託している業者は17社にのぼりますが、そのほとんどが日本給食サービス協会に所属し、理事などの役職についています。当協会が90年に発行した集団給食経営合理化のマニュアルによれば、1、つくり手の負担を考えない強化磁器の使用はやめる、2、作業の大変な手づくりはほどほどに、3、食材の一括購入と冷凍食品の活用を、4、献立が複雑過ぎては採算が合わない、とあります。このマニュアルからは、食の安全よりも効率化、コスト重視の方針が見てとれます。区が委託している当協会の加入業者からも、献立が複雑過ぎるといったクレームが来る。あるいは、手づくりパンの献立を栄養士が立てても、調理業者への委託料が高くなることから、区が取りやめるように指示することもあったとお聞きしています。これは、区が目指す学校給食の方針、食育の取り組みとも相容れないものではないでしょうか。お答えください。
 区が作成している「平成20年度中野区学校給食標準献立の作成方針」の食材料の選定基準には、1、できる限り地産地消や国産の旬の食材料を使用し、良質で新鮮なものを選定することが望ましい。しかし、今年度は給食費を据え置いた中で都給食会パン、牛乳が値上がりしているため、食材の端境期や市場価格の動向によっては国内産だけでは賄いきれないことも考えられるが、その場合には、品質を十分に確認してから用いること。2、不必要な食品添加物(着色料、漂白剤、発色剤、保存料)を使用した食品や遺伝子組み換え食品は可能な限り避ける、とあります。国産か否か、また、添加物の不使用などについては、「可能な限り」、「原則として」と努力規定となっており、例外を認めています。こういうことを認めれば、これまで中野が築きあげてきた給食の水準が後退します。給食費を値上げしないためとありますが、材料分の価格上昇分を区が負担してでも、中野の給食の質や水準を落とさないで、子どもたちに安全な給食を提供していくべきです。世田谷区では、お米に関して昨年度より食材費の高騰分は補助する制度を実施しています。また、遺伝子組み換えの食材、食品添加物については使用を禁止するよう徹底すべきです。お答えください。
 また、3月31日、厚生労働省は各都道府県労働局長あてに、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準に係る疑義応答集について」を通知しています。この中で、「発注者が請負業務の作業工程に関して、仕事の順序・方法等の指示を行うことは、請負労働者が自ら業務の遂行に関する指示その他の管理を行っていないので偽装請負と判断されることになります。こうした指示は口頭に限らず、発注者が作業の内容、順序、方法等に関して文書等で詳細に示し、そのとおりに請負事業主が作業を行っている場合も、発注者による指示その他の管理を行わせていると判断され、偽装請負と判断されることになります」とあります。中野区は、学校給食調理業務委託に関する仕様書の中で、調理業務指示書に従って調理するように業務内容を規定しています。今回の通知によれば、これは偽装請負として抵触するのではないですか。
 学校給食の民間委託には、以上のような問題がありますが、区は来年度より区立保育園での調理業務まで委託を検討しているとのことです。保育園の給食については、離乳食の調理業務もあり、乳幼児の健康状態に配慮し、さらにきめ細かい対応が必要となってきます。保育士や園が直接調理師に指示、命令できないとなると、契約業者に指示を出し、そこから派遣されている業者に指示が行く形になりますが、これではとっさの対応もできません。区としてどうするのでしょうか。区直営の保育園の給食業務を維持するために、必要であれば職員を採用すべきです。お答えください。

6 その他

 その他で、最後に、自立生活資金貸付制度についてお聞きします。
 昨年度から開始された自立生活資金貸付制度については、5種類の貸付制度を統廃合し、旧応急資金貸付制度を名称変更し、一部貸付要件などの緩和を図り、貸し付けが受けやすい仕組みとしたと、発足当初、制度の説明を受けました。しかし、昨年度の実績を見ますと、相談件数が105件あるにもかかわらず、そのうち貸付決定に至ったのがたったの4件となっています。要件に該当しないケースが相談件数のうち86件と、8割を占めています。一番多い相談が生活費に困っているケースで、41件ですが、これはこの制度の対象外となります。昨今の経済状況から生活困窮者が急激にふえています。こうした方たちの要望にどのようにこたえていくのか、お答えください。
 また、2番目に多い相談が医療費で、37件。これは制度の対象となりますが、そのうち決定に至ったのは2件のみとなっています。区は、以前の応急資金貸付制度を廃止するに当たり、当制度の活用がないためとしていました。この制度が貸し付けまでに至らなかった要因として、相談者の多くが、住民税の滞納がない、連帯保証人を立てるといった要件を満たせない例が数多くあったということでした。利用しやすい福祉資金制度への移行を図ったといいますが、その部分での要件緩和が十分でなく、結局貸し付けが受けやすい仕組みにはなっていないために、相談に行ってもほとんど制度の利用ができていません。連帯保証人を外すなど、要件のさらなる改善が必要と考えます。お答えください。
 以上ですべての質問を終わります。

〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 山口議員の御質問にお答えをいたします。
 特別養護老人ホームの整備をどのように進めていくのかという御質問であります。特別養護老人ホームにつきましては、今後も整備が必要だと考えているところでありまして、第4期介護保険事業計画におきましては、23年度までに2カ所、100床の整備を計画化しているところであります。この実現に努めていきたいというところであります。
 低所得者についても入れるようにするべきではないかということであります。低所得者については、施設の居住費及び食費の負担について所得に応じた軽減制度があり、対応できていると考えているところであります。
 それから、区独自のヘルパー派遣について考えるべきではないか、また、民間のサービス利用に助成するべきではないかといったような御質問がありました。区では、介護保険の対象とならないニーズについては、社会福祉協議会のほほえみサービスや、シルバー人材センターの家事援助サービス等のサービスを利用していただいているところであります。介護保険に関して区独自のサービスとしては、短期入所に伴う送迎費用の支給や訪問理美容サービス、寝具乾燥サービスを行っているところであります。区独自のホームヘルプサービスを実施することは考えておりません。
 高齢者の住宅施策の拡充についての御質問がありました。今後の区の住宅施策としては、福祉住宅や公営住宅等の公的住宅を直接供給し、その戸数を増やしていくという方法ではなく、民間活力の活用や規制・誘導という手段を通じて、高齢者の入居を拒まない民間賃貸住宅の登録制度や、高齢者専用賃貸住宅などの普及促進を図り、さまざまな供給主体がそのような住宅を広く供給していくことが望ましいと考えているところであります。
 また、住宅のバリアフリー化についてでありますが、住宅のバリアフリー化については、第3次住宅マスタープランで、一定規模以上の共同住宅についてはすべての住戸において一定のバリアフリー化を行うという方向を打ち出しているところであります。今後、現行の共同住宅等建築指導要綱の条例化を検討する中で、バリアフリーの促進の具体化も図っていきたいと考えております。
 中小企業振興基本条例の制定についての御質問がありました。現在、中長期的な展望に立った産業施策の進め方をまとめる、(仮称)産業振興プログラムの策定を進めているところであります。区が行う地域産業の振興は、条例の形で固定的に定めるということではなく、地域の実情に合った施策を進めていくものであり、御提案のような条例をつくる考えはありません。
 それから、融資制度の迅速な事務処理についての御質問がありました。緊急資金の発動後は融資希望の方が集中し、迅速な審査をするために相談室の枠を拡大したり、土曜日などの閉庁時にも審査を行うことで対応してまいりました。予約状況に応じて、迅速に対応できていると考えております。
 それから、緊急経営応援資金の零細な事業者への周知に努めることが必要だと、こういう御質問がありました。この融資制度につきまして、区報、ホームページ、チラシ等を通じてPRを行って、一定の周知が図られてきていると考えております。今後も継続的に制度の周知に努めていきたいと考えております。
 それから、緊急経営応援資金の期間延長等についての御質問がありました。昨年11月に発動しました緊急経済対策資金及び今年1月に発動した緊急経営応援資金につきましては、中小企業の資金調達に際して大きな効果があったものと認識をしております。緊急経営応援資金は、7月末で受け付けを終了いたしますが、現在区は国の新たな経済危機対策を受けた内容での対策を検討しているところであります。緊急融資についてもその中で考えていきたいと考えているところであります。
 それから、小規模事業者登録制度の活用についてということであります。もっと普及、発展をさせるべきではないかということであります。区もホームページのほか、産業情報メールマガジン、チラシなどによって周知を図っているところであります。各分野に制度の周知を図って、受注機会の拡大にも努めているところであります。
 私からは以上です。

〔保健福祉部長金野晃登壇〕
○保健福祉部長(金野晃) 私からは、障害者・障害児の施策についてのうち、新事業体系移行に向けての支援について、それから、貸付制度についてお答えいたします。
 まず、新事業体系移行に向けての支援についての御質問で、法内移行に向けて障害者福祉にかかわる各施設の調整はどのように進んでいるのかというお尋ねでございます。第2期障害福祉計画の策定に当たりまして、昨年11月に区内の作業所などの移行予定のサービスと時期について希望を調査いたしました。その後も個別に作業所ごとの課題などをヒアリングしているところでございます。
 次に、施設に対する支援の方向性について。一つは、具体的に東部福祉作業センターについてのお尋ねがございました。東部福祉作業センターにつきましては、運営上のさまざまな課題を抱えているところでございます。事業者として今後のあり方や施設の継続方策についても考えていただいていると受けとめておりますので、十分に相談に応じていきたいと考えています。
 また、精神障害者共同作業所の移行に当たって御質問がございました。この移行に当たりましても都の助成制度の活用など、事業者が障害者自立支援法のもとで主体的に運営していけるよう支援をしてまいります。施設の確保については、作業所が民間等の建物を借用して行うことを考えております。
 次に、移行に伴って区の発注業務の拡大についての御質問がございました。発注業務の拡大につきましては、昨年度、区から障害者就労支援施設等への物品及び器具の発注状況について調査を行いました。この調査結果等をもとにいたしまして、現在区の業務発注の促進に向けて検討を行っているところでございます。
 次に、自立生活資金貸付制度についてお答えいたします。貸付要件などについてのお尋ねでございます。この貸付制度につきましては、区の貸付制度だけではなくて、社会福祉協議会の貸し付けなど、公的機関の貸付制度全体でニーズを満たしていくことが重要だと考えております。区の貸付制度といたしましては、一時的に必要な医療費や転居費用などについて貸し付けを行っている実績がございます。ただ、お尋ねのありました生活費に困窮する場合というのがございます。この場合は毎月の生活費ということもございますので、一時的な貸し付けで解決するのではなくて、他の施策も含めて対応が必要となってまいります。就労支援なども含め、生活全般の相談を行いながら、適切なサービスを紹介することで対応しております。
 以上でございます。

〔子ども家庭部長竹内沖司登壇〕
○子ども家庭部長(竹内沖司) 療育センターアポロ園についての御質問にお答えいたします。
 まず、巡回指導の回数増についてでございますが、アポロ園では保育園などの巡回訪問はおおむね3カ月に1回程度行い、保育者に対し指導・助言を行っているところでございますが、頻度につきましてはケースの状況などにより柔軟に行っております。業務委託においても同様の対応としたいと考えております。
 次に、南部地域に展開予定の障害児療育施設についてでございますが、事業内容は基本的にはアポロ園と同様に現在考えているところでございます。運営につきましては、委託によって適切な専門性を確保していきたいと考えております。
 次に、教育委員会との連携についてのお尋ねでございますが、小学校就学時において特別な支援を必要とする児童につきましては、ケースごとに学校への引き継ぎのために申し送り連絡会を行っております。このほか、発達障害のある児童の対応について検討・調整するために、発達障害者支援推進会議を設けて連携を図っているところでございます。
 それから、保育園給食調理業務の委託化についての御質問にお答えをいたします。
 乳幼児へのきめ細かい対応ができるのか、また、直営を維持すべきではないかとのお尋ねでございました。委託の実施に当たりましては、円滑に行われている学校給食の委託や他区の事例を参考にしながら、今後十分に検討し、進めていきたいと考えております。
 乳幼児の健康状態に応じた離乳食の提供につきましては、委託業務上、仕様をきめ細かく定めるなどの工夫によって対応は可能であると考えております。
 また、来年度は保育園の調理業務職員に欠員が生じることが予測されるため、給食調理業務の委託が必要であると考えているところでございます。

〔まちづくり推進室長川崎亨登壇〕
○まちづくり推進室長(川崎亨) NTT社宅跡地の活用について、お答えを申し上げます。
 この跡地につきましては、今年度中に公園の都市計画決定及び事業認可の手続を行いたいと考えており、その過程では十分に区民の皆様へ情報提供をし、意見交換をしながら手続を進めていく予定としております。
 また、暫定利用の考え方につきましては、公園の整備方針が定まった後でないとお示しすることはできませんが、緊急時の避難場所としての活用についてもあわせ検討しているところでございます。
 以上でございます。

〔教育委員会事務局次長田辺裕子登壇〕
○教育委員会事務局次長(田辺裕子) 保育園と学校の給食につきまして、学校給食の問題点についてお答えをいたします。
 給食費が据え置かれている中で、教育委員会が手づくりパンをつくることをやめろというような指示をしているというような御質問の趣旨だったと思いますが、教育委員会では手づくりパンも提供してございます。その回数につきましては、献立作成の中で判断し、指示をしているところでございます。献立作成に当たりまして、定められたコストの範囲内におさめることは当然のことというふうに考えてございます。
 また、業者団体のマニュアルと区の方針が異なるということの御質問でございますが、区はこれまでと同様、学校給食の栄養摂取及び献立内容につきましては、国の基準に照らして中野区での学校給食作成方針を定め、実施しております。安全確保に努めているところでございます。また、可能な限り国産の旬の食材、特に関東近県の食材を使用しているところでございます。
 最後に、調理業務の指示書による指示は偽装請負ではないかという御質問でございました。偽装請負とは、契約上は請負という形をとってございますが、その実態は労働者を注文主の管理下に常駐させ、注文主の指揮・命令のもとに業務させる行為でございます。調理従事者を学校長の管理下で業務させているわけではございませんので、偽装請負には当たらないと考えております。

○ 副議長(江口済三郎) 以上で山口かおり議員の質問を終わります。